JP2003279246A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置および基板処理方法

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JP2003279246A JP2002086724A JP2002086724A JP2003279246A JP 2003279246 A JP2003279246 A JP 2003279246A JP 2002086724 A JP2002086724 A JP 2002086724A JP 2002086724 A JP2002086724 A JP 2002086724A JP 2003279246 A JP2003279246 A JP 2003279246A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減圧乾燥の際に、有機溶剤の蒸気がミスト化
しない基板処理装置を提供する。 【解決手段】 純水が付着した基板をIPA蒸気に曝し
て、基板上にIPAを凝縮させ、続いて、減圧ポンプに
より収容器内の雰囲気を強制排気するによって基板上の
IPAを蒸発乾燥する基板処理において、所定期間t4
〜t7にわたって強制排気する際に、窒素ガスを所定時
間t4〜t7の間、最大供給量に設定して収容器内の雰
囲気に供給する。これにより、収容器内の雰囲気温度を
制御して、IPA蒸気を未飽和状態に維持しつつ減圧し
ながら基板乾燥することが可能となる。その結果、IP
A蒸気が収容器内の雰囲気でミスト化することを防止
し、乾燥不良を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、純水によって洗浄
された後の半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フ
ォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、
単に「基板」と呼ぶ)を減圧乾燥させる基板処理装置お
よび基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板の製造工程においては、
フッ酸等の薬液による処理および純水による洗浄処理を
順次行った後、純水から基板を引き出しつつイソプロピ
ルアルコール(以下、「IPA」と称する)等の有機溶
剤の蒸気を基板の周辺に供給して乾燥処理を行う基板処
理装置が用いられている。特に、基板上に形成されるパ
ターンの構造の複雑化、微細化が進展している近年にお
いては、IPAの蒸気を供給しつつ純水から基板を引き
揚げ、続いてIPA蒸気を含む雰囲気を減圧する減圧機
能を搭載した引き揚げ乾燥方式が主流になりつつある。
【0003】減圧機能を搭載した引き揚げ乾燥方式の基
板処理装置は、純水による洗浄処理を行う処理槽を収容
器の内部に収容しており、従来は以下の手順により基板
に付着した純水の乾燥が行われる。まず初めに、処理槽
における洗浄処理終了後、収容器内部にIPA蒸気を供
給し、処理槽の上方にIPAの雰囲気を形成する。次
に、処理槽に貯留されている純水からIPA雰囲気中に
基板を引き揚げる。この過程において、IPA蒸気が基
板上に凝縮する。続いて、収容器内に窒素ガスを送りこ
み、収容器内を窒素雰囲気とする。そして、収容器内を
減圧ポンプにより一気に減圧して基板上のIPAを蒸発
させて基板の乾燥処理が行われる。
【0004】ここで、収容器内を減圧ポンプにより減圧
するのは、収容器内に気体状態で残存するIPA蒸気を
収容器内から強制的に排気し、収容器内のIPA分圧を
収容器内温度によって定まるIPAの飽和蒸気圧より低
下させ、基板上に付着したIPAが蒸発するのを促進さ
せて、乾燥処理を迅速に行うためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的に、
物質が気体の状態で存在することのできる密度は、温度
に比例することが知られている。また、収容器内を熱交
換なく一気に減圧すると、収容器内の雰囲気が断熱膨張
して収容器内温度が低下することも知られている。その
ため、減圧ポンプによって収容器内から排出されるIP
A量と比較して、断熱膨張による温度低下が優り、その
結果、収容器内のIPA蒸気の密度が、収容器内の雰囲
気温度においてIPA蒸気が存在できる最大密度(以
下、「IPA飽和密度」とも呼ぶ)より大きくなった場
合、収容器内に微細なIPAミストが発生する。このミ
ストが基板上に形成されたトレンチ構造等の微細なパタ
ーンに付着すると、基板上にパーティクルが発生して乾
燥不良の問題が生じる。
【0006】そして、このような問題は、IPAを用い
た乾燥処理に限らず、有機溶剤を乾燥剤として使用する
基板処理一般において生じる問題である。
【0007】そこで、本発明では、収容器内の雰囲気を
減圧して乾燥する処理において、有機溶剤が収容器内で
ミスト化することを防止し、微細パーティクルが発生す
ることを抑制して、乾燥不良の発生を抑制することがで
きる基板処理装置および基板処理方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
請求項1に記載の発明は、純水による洗浄処理が終了し
た基板の乾燥処理を行う基板処理装置であって、収容器
と、前記収容器内に設けられ、有機溶剤の蒸気を吐出
し、前記収容器内に前記有機溶剤を含む雰囲気を形成す
る有機溶剤吐出手段と、前記収容器内の気体環境の調整
を行う環境調整手段と、前記環境調整手段を制御するこ
とにより、前記収容器内での前記有機溶剤の蒸気を未飽
和状態に維持しつつ前記収容器内の減圧を行わせる制御
手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の基板処理装置であって、前記環境調整手段は、前記収
容器内の減圧を行う減圧手段と、前記収容器内に不活性
ガスを吐出する不活性ガス吐出手段と、を備え、前記制
御手段は、前記不活性ガス吐出手段から前記収容器内へ
の前記不活性ガスの吐出によって、前記減圧手段による
前記収容器内の減圧を緩和させることにより、前記未飽
和状態での減圧を行わせることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記不活性
ガスによって、前記有機溶剤の蒸気の一部または全部を
置換した後、前記収容器内を減圧させることを特徴とす
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1または
請求項3に記載の基板処理装置であって、前記収容器内
に設けられ、純水を貯留して当該純水中に基板を浸漬し
て洗浄処理を行う処理槽と、前記処理槽に貯留された純
水を排出する排出路と、を備え、前記有機溶剤吐出手段
は、前記処理槽に貯留された純水が前記排出路から排出
されてから前記有機溶剤を吐出することを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の基板処理装置であって、基
板を前記処理槽から前記有機溶剤の蒸気を含む雰囲気中
に引き揚げる引き揚げ手段をさらに備えることを特徴と
する。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
請求項5のいずれかに記載の基板処理装置であって、前
記有機溶剤はイソプロピルアルコールであることを特徴
とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、純水による洗浄
処理が終了した基板の乾燥処理を行う基板処理方法であ
って、基板を収容した収容器内に有機溶剤の蒸気を吐出
し、前記収容器内に前記有機溶剤を含む雰囲気を形成す
る有機溶剤吐出工程と、基板のある前記収容器内での前
記有機溶剤の蒸気を未飽和状態に維持しつつ前記収容器
内の減圧を行う減圧工程と、を備えることを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0016】<1.第1実施形態> (1) 基板処理装置の構成 まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1お
よび図3に、本発明の第1実施形態における基板処理装
置1の正面図を、図2に、図1に示す基板処理装置1の
平面図を、図4に、図1に示す基板処理装置1の側面図
をそれぞれ示す。なお、図1および以降の各図にはそれ
らの方向関係を明確にするため必要に応じてZ軸方向を
鉛直方向とし、XY平面を水平平面とするXYZ直交座
標系を付している。
【0017】図1に示すように、基板処理装置1は、純
水による基板の洗浄処理を行い、洗浄処理が終了した基
板をIPAにより乾燥させる装置であって、主として、
収容器10、処理槽20、昇降機構30、減圧ポンプ4
0を備えている。
【0018】収容器10は、その内部に処理槽20、昇
降機構30、ガス吐出ノズル11等を収容する筐体であ
る。収容器10の上部は図示を省略するスライド式開閉
機構によって開閉可能とされている。収容器10の上部
を開放した状態では、その開放部分から基板の搬出入を
行うことができる。一方、収容器10の上部を閉鎖した
状態では、その内部を密閉空間とすることができる。
【0019】処理槽20は、フッ酸等の薬液または純水
(以下、これらを総称して「処理液」とする)を貯留し
て基板に順次表面処理を行う槽であり、収容器10の内
部に収容されている。処理槽20の底部近傍には2本の
処理液吐出ノズル21が配置されている。処理液吐出ノ
ズル21は、配管13(13a、13b、13c、13
d)およびバルブ53を介して純水供給源63に接続さ
れている。そのため、バルブ53を開放して処理槽20
に純水を貯留することにより、基板の洗浄処理を行うこ
とができる。さらに、図示しない処理液供給源から処理
液吐出ノズル21を介して処理槽20に処理液を供給す
ることにより、純水による洗浄処理以外の基板処理を行
うことも可能である。
【0020】処理液は処理槽20の底部から供給されて
処理槽20の上端部から溢れ出る。このため、処理槽2
0の上端部には回収部22が配置されており、処理槽2
0の上部から溢れ出た処理液の排液は回収部22におい
て回収され、排出路42(42b、42c、42d、4
2e)と工場ラインLEとを介して基板処理装置1の外
部へ排出される。処理槽20の底部に設けたバルブ54
を開放することにより、処理槽20に貯留した使用済の
処理液の排液も排出路42(42a)に排出される。
【0021】なお、処理槽20に急速排液機構を設け
て、処理槽20内に貯留されている処理液を強制的に急
速に排出路42へ排出してもよい。また、この排出路4
2を含めて、以下に説明する液体の供給路や排出路は配
管によって構成されている。
【0022】昇降機構30は、処理槽20に貯留されて
いる処理液に一組の複数の基板100(ロット)を浸漬
させる機構である。図2に示すように、昇降機構30
は、リフター31と、リフターアーム32と、基板10
0を保持する3本の保持棒33、34、35とを備えて
いる。3本の保持棒33、34、35のそれぞれには基
板100の外縁部がはまり込んで基板100を起立姿勢
にて保持する複数の保持溝が所定間隔にてX方向に配列
して設けられている。それぞれの保持溝は、切欠状の溝
である。3本の保持棒33、34、35はリフターアー
ム32に固設され、リフターアーム32はリフター31
によって鉛直方向(Z方向)に昇降可能に設けられてい
る(図3)。
【0023】このような構成により、昇降機構30は3
本の保持棒33、34、35によってX方向に相互に平
行に配列されて保持された複数の基板100を処理槽2
0に貯留されている処理液に浸漬する位置(図3の点線
位置)とその処理液から完全に引き揚げた位置(図3の
実線位置)との間で昇降させる。なお、収容器10の内
部には2本のガス吐出ノズル11が、収容器10の上部
近傍に設けられている。図4に示すように、ガス吐出ノ
ズル11のそれぞれは、X方向に沿って伸びる中空の管
状部材であり、X方向に等間隔にて配列された複数の吐
出孔11aを備えている。複数の吐出孔11aのそれぞ
れは、吐出方向が略水平方向となるように形成されてい
る。
【0024】また、2本のガス吐出ノズル11は、配管
12(12a、12b、12c、12d、12f)およ
びバルブ51を介してIPA蒸気供給源61と、配管1
2(12a、12b、12c、12e、12g)および
バルブ52を介して窒素ガス供給源62とに接続されい
る。そのため、バルブ51を開放することにより、ガス
吐出ノズル11からIPA蒸気を吐出してIPA蒸気を
含む雰囲気を、またバルブ52を開放することにより、
ガス吐出ノズル11から窒素ガスを吐出して窒素ガスを
含む雰囲気を、収容器10内に形成する。
【0025】減圧ポンプ40は、収容器10内の雰囲気
を強制的に排気して、収容器10内の圧力を減少させ
る。排気された雰囲気中の気体は、配管41を介して工
場ラインLEに排出される。また、減圧ポンプ40は、
後述する制御部70の指令によって起動、停止したり、
排気出力を調整することが可能な構成となっており、排
気出力に応じた排気量によって収容器10内の雰囲気を
排気することができるため、収容器10内の圧力を制御
しつつ減圧する。
【0026】以上の要素のうち、窒素ガス供給源62
およびガス吐出ノズル11を有するガス供給系と、減
圧ポンプ40と配管41とを有する減圧系との2つの系
が、収容器10内の気体環境調整を行う環境調整手段の
要素となっている。
【0027】制御部70は、プログラムや変数等を格納
するメモリ71と、メモリ71に格納されたプログラム
に従った制御を実行するCPU72とを備えている。C
PU72は、メモリ71に格納されているプログラムに
従って、昇降機構30の昇降制御、減圧ポンプ40の排
気量制御、および各バルブの開閉や各バルブを流れる処
理液または排液の流量を制御するバルブ制御等を所定の
タイミングで行う。したがって、この制御部70は上記
の環境調整手段を含む各部の制御を行うことになる。
【0028】(2) 基板の乾燥処理 a) 乾燥処理シーケンス ここでは、基板の乾燥処理シーケンスについて説明す
る。図5は、時刻t0からの期間における乾燥処理にお
ける給排液部のバルブのそれぞれの開閉状態、減圧ポン
プの出力および昇降機構の位置の一例を示すタイミング
チャートである。
【0029】図5に示すように、時刻t0において、窒
素ガス供給源62に連通するバルブ52が閉鎖され収容
器10内への窒素ガスの供給が停止されるとともに、I
PA蒸気供給源61に連通するバルブ51が開放され、
IPA蒸気がガス吐出ノズル11から収容器10の内部
に噴出し始める。そのため、収容器10の上方にはIP
A蒸気を含む雰囲気が形成される。また、時刻t0にお
いて、処理槽20には純水が貯留されており、純水供給
源63に連通するバルブ53が開放されている。そのた
め、処理槽20の上部から溢れ出した純水は回収部22
で回収され、排出路42を介して工場ラインLEに排出
される。
【0030】次に、時刻t1からt2において、昇降機
構30は図3に示すZ=Z0(点線位置)からZ=Z1
(実線位置)まで上昇させられる。処理槽20に貯留さ
れた純水に浸漬された複数の基板100は、処理槽20
から引き揚げられる。このとき、基板100は、ガス吐
出ノズル11から吐出されるIPA蒸気に曝されるた
め、それぞれの基板100の表面にはIPA蒸気が凝縮
する。ここで、IPAは、純水より表面張力が小さく、
さらに蒸発潜熱の小さい有機溶剤であるため、効率よく
基板を乾燥することができる。
【0031】続いて、時刻t2において、バルブ53を
閉鎖して処理槽20への純水供給を停止させるととも
に、バルブ54を開放して処理槽20に貯留された純水
を排出路42を介して工場ラインLEに排出される。そ
して、処理槽20から排出路42への純水の排出が終了
すると、バルブ53を閉鎖する(時刻t3)。
【0032】続いて、時刻t3において、バルブ51が
閉鎖されIPA蒸気の供給が停止されるとともに、窒素
ガス供給源62に連通するバルブ52が開放されてガス
吐出ノズル11から窒素ガスが供給される。その結果、
収容器10内に存在するIPA蒸気は窒素ガスと置換さ
れIPA蒸気の濃度が低下するため、収容器10内のI
PA蒸気の分圧が低下する。
【0033】続いて、時刻t4において、減圧ポンプ4
0の出力Wを0から最大出力値W0に設定し、収容器1
0内の雰囲気が強制的に排気され減圧される。そして、
収容器10内のIPA分圧が収容器10内の雰囲気温度
Tによって定まるIPAの飽和蒸気圧より低下すると、
基板100上に凝縮しているIPAが急速に蒸発して基
板の乾燥処理が迅速に行われる。このとき、収容器10
内の雰囲気に存在するIPA蒸気の排気効率を高めるた
め、窒素ガスが供給され続けている。
【0034】続いて、時刻t5において、バルブ52を
閉鎖して収容器10への窒素ガスの供給を停止する。こ
のとき、減圧ポンプ40により収容器10内を減圧し続
けているため、基板100上に凝縮しているIPAがさ
らに蒸発し続ける。
【0035】続いて、時刻t6において、バルブ52を
開放して窒素ガスの供給を再開し、基板100の乾燥が
完了した時刻t7において減圧ポンプ40の出力をゼロ
にする。このときも窒素ガスが供給し続けられているた
め、収容器10内の圧力が増加し、大気圧まで回復させ
られる。
【0036】以上の手順により、基板100にIPA蒸
気を凝縮させ、さらに収容器10内を減圧して基板10
0上のIPAを蒸発させることによって、乾燥処理は行
われる。
【0037】b) 収容器内の圧力変化 ここでは、図6を使用して、図5に示す窒素ガスの供給
が開始される時刻t3から減圧ポンプ40の出力Wがゼ
ロとなる時刻t7における、ガス吐出ノズル11から吐
出される単位時間当たりの窒素ガスの供給量(供給レー
ト)および減圧ポンプ40の出力(減圧レート)と、収
容器10内の圧力との関係について従来の乾燥処理と比
較しつつ説明する。
【0038】図6(a)は、時刻t3から時刻t7におけ
る従来の乾燥処理による単位時間当たりの窒素ガス供給
量V'と、第1実施形態における乾燥処理による単位時
間当たり窒素ガスの供給量Vと、減圧ポンプ40の出力
Wとの一例を示すタイミングチャートを示す図である。
また、図6(b)は、図6(a)に示すように窒素ガス供給量
および減圧ポンプ40の出力を設定した場合の収容器1
0内の圧力Pと時刻tの関係を示す図である。なお、図
6(b)の点線は従来の乾燥処理による収容器10内の圧
力曲線C1を、実線は本発明に係る乾燥処理による収容
器10内の圧力曲線C2をそれぞれ示す。
【0039】図6(a)に示すように、第1実施形態に係
る乾燥処理の構成は、従来の乾燥処理と比較して、時刻
t4からt5における単位時間当たりの窒素ガス供給量
が異なるだけで、その他の構成は同じである。
【0040】従来の乾燥処理では、図6(a)に示すよう
に時刻t3において、窒素ガス供給源62から最大供給
量V0となるようにバルブ52が開放され、収容器10
内に窒素ガスが噴出し始める。ここで、収容器10内の
雰囲気は、減圧ポンプ40による強制排気する場合を除
いて図示しない配管によって収容器10外と連通してい
るため、収容器10内の圧力Pは一定値P0となる。
【0041】次に、時刻t4において、バルブ52を通
過する窒素ガスの流量を、最大供給量V0からV1に低
下させるとともに、減圧ポンプ40の出力Wをゼロから
最大出力W0に増加させて、収容器10内の雰囲気を減
圧する。ここで、窒素ガスの供給量V1はIPA蒸気と
窒素ガスとを置換するのに十分な量でありながら、減圧
ポンプ40による単位時間あたりの排気量と比較して十
分少ない量であるため、収容器10内の雰囲気のIPA
蒸気を迅速に排気して乾燥時間が短縮される。このと
き、収容器10内の雰囲気は、減圧ポンプ40によって
急激に収容器10の外部へ排気されることにより、収容
器10の雰囲気の圧力が急激に低下し、その結果、収容
器10内の雰囲気が断熱膨張された場合と同様な状態と
なるため、雰囲気温度Tが低下する。
【0042】続いて、時刻t5において、バルブ52を
閉鎖して窒素ガスの供給を停止する。このとき、減圧ポ
ンプ40は、最大出力W0で作動しているため、収容器
10内はさらに減圧され続ける。そして、減圧ポンプ4
0の性能によって定まる圧力P1に近づくにつれ、圧力
曲線C1の傾き(時刻t軸となす正接、以下同じ)の絶
対値が徐々に小さくなり傾きの値がゼロに漸近する。
【0043】続いて、時刻t6において、バルブ52を
最大供給量V0となるように開放して窒素ガスを収容器
10内の雰囲気に再供給し、時刻t7において、減圧ポ
ンプ40の出力Wをゼロにする。そして、収容器10内
の圧力PがP0となった時点で乾燥処理を終了する。
【0044】このように、従来の乾燥処理では、時刻t
4からt5において窒素ガスの供給量V'をV0からV
1に低下させることにより、乾燥時間を短縮させてい
る。しかし、収容器10内の圧力を一気に減圧すると、
断熱膨張の影響により収容器10内の雰囲気温度Tが急
激に低下する。そして、収容器10内のIPA蒸気の濃
度が、収容器10内の雰囲気温度Tによって定まるIP
A蒸気の飽和濃度(以下、「IPA飽和濃度」とも呼
ぶ)を超えると、雰囲気内のIPA蒸気が凝縮して微細
なミストが発生し、この微細なIPAミストが基板上に
形成されたトレンチ構造等の微細なパターンに付着する
ことによって、基板上に微細なパーティクルが発生し、
乾燥不良の問題が生じていた。
【0045】一方、第1実施形態における乾燥処理で
は、図6(a)に示すように時刻t3において、従来の乾
燥処理と同様に窒素ガスの供給量を最大供給量V0とし
て収容器10内の雰囲気に供給する。このとき、収容器
10内の圧力Pは、従来の乾燥処理と同様に一定圧力P
0となる。
【0046】次に、時刻t4において、窒素ガスの供給
量をV0一定のまま、減圧ポンプ40の出力Wを最大出
力W0として収容器10内の減圧を開始する。このと
き、収容器10内への窒素ガスの供給量Vは、従来の乾
燥処理の窒素ガス供給量V'と比べて多くなる。そのた
め、時刻t4からt5における収容器10内の圧力曲線
C2の傾きの絶対値は、従来の乾燥処理の圧力曲線C1
と比較して小さくなりなり、圧力値も従来の乾燥処理と
比べて高くなる(図6(b))。また、このとき、窒素ガ
スが供給され続けているので、収容器10内の雰囲気に
含まれるIPA蒸気は窒素ガスと置換されるため、IP
A蒸気を迅速に排気して乾燥時間を短縮することができ
る。
【0047】続いて、時刻t5において、バルブ52を
閉鎖して窒素ガスの供給を停止する。このとき、収容器
10内の雰囲気は、減圧ポンプ40により排出され続け
ているので、収容器10内の圧力値はP2から、一気に
減圧される。そして、圧力値が減圧ポンプ40の性能に
よって定まる圧力P1に近づくにつれて、圧力曲線C2
の傾きが徐々に緩やかとなる。
【0048】そして、時刻t6において、バルブ52を
最大供給量V0となるように開放して窒素ガスの供給を
再開し、時刻t7において、減圧ポンプ40の出力Wを
ゼロにして、収容器10内の圧力Pを一気にP0まで上
昇させて乾燥処理を終了する。
【0049】ここで、第1実施形態における乾燥処理の
圧力曲線C2と、従来の乾燥処理の圧力曲線C1とを比
較すると、収容器10内の圧力PがP0≧P>P2の範
囲において、圧力値が等しくなる個所(例えば、P=
P')における曲線の傾きの絶対値は、圧力曲線C2の
方がC1より小さくなる。そのため、同一圧力におい
て、第1実施形態における乾燥処理は、従来の乾燥処理
と比較して断熱膨張の影響を受けにくい。したがって、
収容器10内の圧力PがP0≧P>P2の範囲におい
て、同一圧力値における収容器10内の雰囲気温度T
は、第1実施形態に係る乾燥処理の方が高くなる。
【0050】また、収容器10内の圧力PがP2≧P>
P1(減圧ポンプ40の性能によって定まる値)の範囲
において、圧力値が等しくなる個所(例えば、P=
P")における曲線の傾きの絶対値は、圧力曲線C2と
C1とはほぼ等しくなため、断熱膨張の影響による収容
器10内の雰囲気温度Tの低下量はほぼ等しくなる。こ
こで、収容器10内の圧力PがP2≧P>P1となる範
囲において、圧力曲線C1によって指定される圧力値P
と、その圧力値Pにおける収容器10内の雰囲気温度T
との関係式をT=T1(P)および圧力P=P2におけ
る雰囲気温度をT12とし、また、圧力曲線C2によって
指定される圧力値Pと、その圧力値Pにおける雰囲気温
度Tとの関係式をT=T2(P)および圧力P=P2に
おける雰囲気温度をT22とすると、圧力値Pが同一の場
合における第1実施形態と従来の乾燥処理との雰囲気温
度差ΔTは、第1実施形態における乾燥処理と従来の乾
燥処理とで、圧力低下による雰囲気温度Tの低下量がほ
ぼ等しくなるため、ΔT=T1(P)−T2(P)=T
12−T22(一定)となる。したがって、収容器10内の
圧力PがP2≧P>P1となる範囲において、第1実施
形態における乾燥処理では、時刻t4からt5において
窒素ガスを最大供給量V0だけ供給することにより、同
一圧力値における収容器10内の雰囲気温度Tを、従来
の乾燥処理と比較してΔTだけ高い温度に制御すること
ができる。
【0051】(3) 第1実施形態の基板処理装置の利点 以上のように、第1実施形態の基板処理装置の乾燥処理
では、時刻t4からt5において収容器10内に窒素ガ
スの供給量を最大供給量V0とすることにより、雰囲気
温度Tを制御しながら収容器10内の雰囲気を減圧する
ことができる。そのため、従来の乾燥処理では、収容器
10内の雰囲気を一気に減圧することにより雰囲気温度
Tが急激に低下して、収容器10内のIPA濃度がIP
A飽和密度以上となり、IPA蒸気がミスト化していた
雰囲気温度Tでも、この実施形態の装置ではIPA蒸気
の未飽和状態を減圧の開始から完了まで持続的に維持で
きることになり、このような減圧パターンにしたがった
制御を行う結果、ミスト化の発生を防止しつつ乾燥処理
を行うことができ、乾燥不良の発生を抑制することがで
きる。
【0052】また、IPA蒸気がミスト化することを防
止しつつ収容器10内の雰囲気を減圧することができる
ため、乾燥処理における雰囲気温度Tを従来の乾燥処理
と比較して低く設定することができる。その結果、基板
100の表面温度より雰囲気温度Tを低くしてIPA蒸
気が基板100上に凝縮することを促進することがで
き、乾燥効率を向上させてIPA消費量を低減すること
ができる。
【0053】また、トレンチ構造等の基板100上に形
成された微細パターン内部の水滴を効率的に排出するこ
とができ、乾燥性能を向上させることができる。
【0054】また、雰囲気温度Tを制御して減圧するこ
とにより、雰囲気温度Tを基板100の表面温度より低
くすることにより、IPA蒸気が基板100上に凝縮す
ることを促進することができる。そのため、従来基板処
理装置より収容器10内のIPA蒸気の濃度を低下させ
ても同等の乾燥性能および乾燥効率を得ることができる
ため、IPAの使用量を削減することが可能となり、こ
れまでIPAとの反応性を有するため使用が困難だった
工程の乾燥処理にも適用することができる。
【0055】<2.第2実施形態>次に、本発明の第2
実施形態について説明する。第2実施形態の基板処理装
置の機構的構成は第1実施形態と全く同様であるため、
その説明は省略する。第2実施形態が第1実施形態と異
なるのは、バルブ51を開放してIPA蒸気供給源61
から収容器10内にIPA蒸気を供給するタイミングの
みである。
【0056】図7に、第2実施形態における給排液部の
バルブのそれぞれの開閉状態、減圧ポンプの出力および
昇降機構の位置の一例を示すタイミングチャートを示
す。
【0057】第2実施形態では、時刻t0においてバル
ブ52を閉鎖して窒素ガスの供給を停止する。このとき
バルブ53は開放されており、処理槽20に純水供給源
63から供給される純水が供給され続けて純水処理が行
われる。
【0058】次に、純水による洗浄処理の終了した時刻
t1において、昇降機構30は図3に示すZ=Z0(点
線位置)からZ=Z1(実線位置)まで上昇させられ
て、処理槽20に貯留された純水に浸漬された複数の基
板100は、処理槽20から引き揚げられる。
【0059】続いて、時刻t2において、バルブ54を
閉鎖して処理槽20への純水供給を停止するとともに、
バルブ54を開放して処理槽20に貯留された純水を排
出路42に排出し、工場ラインLEとを介して基板処理
装置1の外部へ排出する。また、同時にバルブ51を開
放し、ガス吐出ノズル11を介してIPA蒸気供給源6
1から収容器10内の雰囲気にIPA蒸気が供給され
る。このとき、昇降機構30に固定された複数の基板1
00は、ガス吐出ノズル11から吐出されるIPA蒸気
に曝される。
【0060】そして、時刻t3からt7において、第1
実施形態と同様の手順により乾燥処理を進行させる。こ
こで、時刻t3からt4における窒素ガスの供給量は、
第1実施形態と同様、最大供給量V0とする。
【0061】このように、第2実施形態では、時刻t4
からt7において、第1実施形態に説明した基板100
の乾燥処理を行っているため、IPA蒸気を未飽和状態
に維持しつつ減圧がなされ、第2実施形態の乾燥処理は
第1実施形態と同様な長所を有する。
【0062】また、第2実施形態では、IPA蒸気の供
給を時刻t2からt3としてIPA供給時間を短縮し
て、IPA蒸気の供給量を軽減している。このIPA蒸
気供給時間の短縮は、第1実施形態で説明したように、
時刻t4からt7における乾燥処理では、従来の乾燥処
理と比較して乾燥効率を向上させ、IPA使用量を低減
できることに起因して実現されている。その結果、第2
実施形態の基板処理装置は、処理槽20に貯留された純
水とIPA蒸気とが接触する時間を短縮することがで
き、処理槽20に貯留された純水へIPA蒸気が溶解す
る量を低減できるため、排出路42を介して工場ライン
LEに排出される排液に含まれるIPAの量を減少させ
て排液処理費用を低減することができる。
【0063】<3.第3実施形態>次に、本発明の第3
実施形態について説明する。第3実施形態の基板処理装
置の機構的構成は、第2実施形態と同様に第1実施形態
と全く同じであるため、その説明は省略する。第3実施
形態が第1実施形態と異なるのは、バルブ52を開放し
て窒素ガス供給源62から収容器10内に窒素ガスを供
給するタイミングと、減圧ポンプ40の出力制御とであ
る。
【0064】図8に、第3実施形態における給排液部の
バルブのそれぞれの開閉状態、減圧ポンプの出力および
昇降機構の位置の一例を示すタイミングチャートを示
す。また、図9は、図8に示す窒素ガスの供給が開始さ
れる時刻t3から減圧ポンプ40の出力Wがゼロとなる
時刻t7におけるガス吐出ノズル11から吐出される窒
素ガスの供給量および減圧ポンプ40の出力と、収容器
10内の圧力との関係を示す図である。また、図9(a)
には、時刻t3から時刻t7における従来の乾燥処理に
よる単位時間当たりの窒素ガス供給量V'と、第3実施
形態における乾燥処理による単位時間当たり窒素ガスの
供給量Vと、従来の乾燥処理による減圧ポンプ40の出
力Wと、第3実施形態における乾燥処理による減圧ポン
プ40の出力W'との一例を示すタイミングチャートを
示す図である。また、図9(b)は、図9(a)に示すように
窒素ガス供給量および減圧ポンプ40の出力を設定した
場合の収容器10内の圧力Pと時刻tの関係を示す図で
ある。なお、図9(b)の点線は従来の乾燥処理による収
容器10内の圧力曲線C1を、実線は第3実施形態にお
ける乾燥処理による収容器10内の圧力曲線C3をそれ
ぞれ示す。
【0065】図8に示すように、第3実施形態では、時
刻t0からt3において、第1実施形態と同様の手順に
より、バルブ51〜54の開閉制御を行うことにより、
IPA蒸気、窒素ガスおよび純水の供給制御と、処理槽
20に貯留された純水を排出制御と、昇降機構30の昇
降制御とを行う。
【0066】続いて、時刻t3において、バルブ51が
閉鎖されIPA蒸気の供給が停止されるとともに、窒素
ガス供給源62に連通するバルブ52を開放されてガス
吐出ノズル11から窒素ガスが供給される。その結果、
収容器10内に存在するIPA蒸気は窒素ガスと置換さ
れIPA蒸気の濃度が低下するため、収容器10内のI
PA蒸気の分圧が低下する。
【0067】続いて、時刻t4において、バルブ52が
閉鎖され窒素ガスの供給が停止されるとともに、減圧ポ
ンプ40の出力がゼロから徐々に増加させられて、時刻
t5において最大出力W0となる。このとき、収容器1
0内の雰囲気の単位時間あたりの排出量は、時刻t4か
らt5において徐々に増加するため、収容器10内の圧
力Pは、図9に示す圧力曲線C3のようになる。ここ
で、時刻t4からt5における収容器10内の圧力曲線
C3の傾きの絶対値は、第1実施形態の場合と同様、従
来の乾燥処理の圧力曲線C1と比較して小さくなりな
り、圧力値も従来の乾燥処理と比べて高くなる(図9
(b))。
【0068】続いて、時刻t5において、収容器10内
の雰囲気は、減圧ポンプ40により排出され続けている
ので、収容器10内の圧力値はP3から、一気に減圧さ
れる。そして、圧力値が減圧ポンプ40の性能によって
定まる圧力P1に近づくにつれて、圧力曲線C3の傾き
の絶対値がゼロ値に漸近する。
【0069】そして、時刻t6において、バルブ52を
最大供給量V0となるように開放して窒素ガスの供給を
再開し、時刻t7において、減圧ポンプ40の出力W'
をゼロにして、収容器10内の圧力Pを一気にP0まで
上昇させて乾燥処理を終了する。
【0070】このように、第3実施形態では、減圧ポン
プ40の出力W'を制御して収容器10内の雰囲気を排
出することにより、IPA蒸気を未飽和状態に維持しつ
つ収容器10内の圧力を制御することができるため、第
1実施形態と同様、収容器10内の雰囲気温度Tを制御
することが可能となる。その結果、乾燥不良の発生を抑
制するなど第1実施形態と同様の長所を得ることができ
る。
【0071】<4.変形例>以上、本発明の第1実施形
態から第3実施形態について説明してきたが、本発明は
上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が
可能である。
【0072】本発明の各実施形態において、基板処理装
置1は、IPA供給源61、窒素ガス供給源62、純水
供給源63を独自に備えているが、別の場所に設置され
た供給源から工場配管を介して取得してもよい。このよ
うな場合には、基板処理装置の要素としての「環境調整
手段」は、ガス吐出系としてのガス吐出ノズル11およ
びそれに至る配管と、減圧系とを含んで構成されること
になる。
【0073】第1実施形態において、時刻t4からt5
において、窒素ガスは、単位時間当たりの最大供給量で
あるV0に設定されて供給されているが、供給量はこれ
に限定されるものではなく、減圧ポンプ40によって収
容器10内の雰囲気を強制排気する際に、IPA蒸気の
ミストが発生しなければ窒素ガスの単位時間あたりの供
給量を最大供給量V0から減じてもよい。また、時刻t
4からt5における窒素ガスの供給時間も、収容器10
内を減圧する際にIPA蒸気のミストが発生しなけれ
ば、供給時間を短縮してもよい。さらに、収容器10内
を減圧する際にIPA蒸気のミストが発生しなければ、
窒素ガスの供給量および窒素ガスの供給時間を減じても
よい。
【0074】また、第1実施形態において、収容器10
内の雰囲気を強制的に排気させる際に、減圧ポンプ40
の出力Wを最大値W0としているが、出力Wはこれに限
定されるものではなく、収容器10内の容積等に応じて
出力値を減じてもよい。
【0075】さらに、第2実施形態の時刻t2におい
て、バルブ51を開放して収容器10内の雰囲気にIP
A蒸気の供給を開始するのと同時にバルブ53を開放し
て処理槽20に貯留された純水を排出路42に排出して
いるが、バルブ51およびバルブ53の開閉タイミング
はこれに限定されるものでなく、例えば、バルブ53を
開放して処理槽20に貯留された純水の排出が終了して
バルブ53を閉鎖した後、バルブ51を開放してIPA
蒸気の供給を開始してもよい。このようなバルブ開閉タ
イミングとすることにより、処理槽20に貯留された純
水に溶解するIPA量をさらに低減することができ、排
液に含まれるIPA量をさらに低減することができる。
【0076】さらに、第3実施形態の時刻t4から時刻
t5において、減圧ポンプ40の時刻tと出力W'との
関係を示す出力曲線は、出力値ゼロから最大出力値W0
に向かって直線的変化するように設定されているが、減
圧ポンプ40の出力制御はこれに限定されるものではな
く、収容器10内を減圧する際にIPA蒸気のミストが
発生しなければ、出力曲線形状を例えば2次曲線形状や
指数関数形状としてもよい。
【0077】
【発明の効果】請求項1から請求項7に記載の発明によ
れば、収容器内雰囲気に含まれる有機溶剤の蒸気が、有
機溶剤の蒸気の未飽和状態を維持しながら収容器内を減
圧することができる。そのため、減圧時に有機溶剤のミ
ストが発生することを防止し、その結果、このミストが
基板上に付着して生じる微細パーティクルの発生を抑制
することができるため、基板の乾燥不良を抑制すること
ができる。
【0078】また、減圧時に断熱膨張の影響で収容器内
の温度が低下しても、有機溶剤の蒸気が気体状態を維持
しつつ減圧することができるため、収容器雰囲気の温度
を低くすることができる。そのため、収容器雰囲気の温
度を基板温度より低くし、基板上への有機溶剤の凝縮を
促進してことができ、トレンチ構造等の微細なパターン
内部の水滴を排出効率が向上し、乾燥性能を向上させる
ことができる。
【0079】さらに、収容器雰囲気内の有機溶剤蒸気の
濃度を低下させることができ、有機溶剤の使用量を削減
しすることができる。
【0080】さらに、乾燥に使用する有機溶剤の濃度を
減少させることができるため、従来、有機溶剤との反応
性のため使用できなかった工程の乾燥処理にも適用が可
能となる。
【0081】特に、請求項2に記載の発明によれば、不
活性ガスの吐出量を調整しつつ収容器内の圧力を制御し
ながら減圧することにより、効率的に収容器内の有機溶
剤の蒸気を不活性ガスと置換しながら収容器外に排出す
ることができる。その結果、基板上で凝縮した有機溶剤
を効率的に蒸発させることができるため、乾燥性能を向
上させつつ、乾燥時間を短縮させることができる。
【0082】特に、請求項3に記載の発明によれば、収
容器内に存在する有機溶剤の蒸気の一部または全部を不
活性ガスと置換した後、収容器内を減圧することによ
り、収容器内の有機溶剤の蒸気の分圧を低下させた状態
で、減圧しながら乾燥する処理を開始することができ
る。その結果、基板上で凝縮した有機溶剤を効率的に蒸
発させることができるため、乾燥性能を向上させつつ、
乾燥時間を短縮させることができる。
【0083】特に、請求項4に記載の発明によれば、処
理槽に貯留された純水が排出しされてから収容器内に有
機溶剤を吐出することにより、処理槽内の純水に有機溶
剤が溶解することを抑制することができるため、排液に
含まれる有機溶剤の量を削減することができ、排液処理
費用を軽減することができる。
【0084】特に、請求項5に記載の発明によれば、洗
浄終了後の基板を有機溶剤の蒸気を含む雰囲気中に引き
揚げながら曝すことにより、乾燥効率を向上させること
ができる。
【0085】特に、請求項6に記載の発明によれば、有
機溶剤が純水より表面張力が小さく、さらに蒸発潜熱の
小さいイソプロピルアルコールであるため、効率よく基
板を乾燥することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置の正面図である。
【図2】図1の基板処理装置の平面図である。
【図3】図1の基板処理装置の昇降機構の移動を説明す
るめの図である。
【図4】図1の基板処理装置の側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態における給排液部のバル
ブのそれぞれの開閉状態、減圧ポンプの出力および昇降
機構の位置の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】第1実施形態における窒素ガス供給量および収
容器内圧力の一例を示すタイミングチャートによって、
本発明と従来装置との比較を説明するための図である。
【図7】第2実施形態における給排液部のバルブのそれ
ぞれの開閉状態、減圧ポンプの出力および昇降機構の位
置の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】第3実施形態における給排液部のバルブのそれ
ぞれの開閉状態、減圧ポンプの出力および昇降機構の位
置の一例を示すタイミングチャートである。
【図9】第3実施形態における減圧ポンプの出力値およ
び収容器内圧力の一例を示すタイミングチャートであ
る。
【符号の説明】
1 基板処理装置 10 収容器 20 処理槽 40 減圧ポンプ 100 基板 LE 工場ライン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純水による洗浄処理が終了した基板の乾
    燥処理を行う基板処理装置であって、 収容器と、 前記収容器内に設けられ、有機溶剤の蒸気を吐出し、前
    記収容器内に前記有機溶剤を含む雰囲気を形成する有機
    溶剤吐出手段と、 前記収容器内の気体環境の調整を行う環境調整手段と、 前記環境調整手段を制御することにより、前記収容器内
    での前記有機溶剤の蒸気を未飽和状態に維持しつつ前記
    収容器内の減圧を行わせる制御手段と、を備えることを
    特徴とする基板処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の基板処理装置であっ
    て、 前記環境調整手段は、 前記収容器内の減圧を行う減圧手段と、 前記収容器内に不活性ガスを吐出する不活性ガス吐出手
    段と、を備え、 前記制御手段は、前記不活性ガス吐出手段から前記収容
    器内への前記不活性ガスの吐出によって、前記減圧手段
    による前記収容器内の減圧を緩和させることにより、前
    記未飽和状態での減圧を行わせることを特徴とする基板
    処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の基板処理装置であっ
    て、 前記制御手段は、前記不活性ガスによって、前記有機溶
    剤の蒸気の一部または全部を置換した後、前記収容器内
    を減圧させることを特徴とする基板処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項3に記載の基板処
    理装置であって、 前記収容器内に設けられ、純水を貯留して当該純水中に
    基板を浸漬して洗浄処理を行う処理槽と、 前記処理槽に貯留された純水を排出する排出路と、を備
    え、 前記有機溶剤吐出手段は、前記処理槽に貯留された純水
    が前記排出路から排出されてから前記有機溶剤を吐出す
    ることを特徴とする基板処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の基板処理装置であって、 基板を前記処理槽から前記有機溶剤の蒸気を含む雰囲気
    中に引き揚げる引き揚げ手段、をさらに備えることを特
    徴とする基板処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の基板処理装置であって、前記有機溶剤はイソプロピ
    ルアルコールであることを特徴とする基板処理装置。
  7. 【請求項7】 純水による洗浄処理が終了した基板の乾
    燥処理を行う基板処理方法であって、 基板を収容した収容器内に有機溶剤の蒸気を吐出し、前
    記収容器内に前記有機溶剤を含む雰囲気を形成する有機
    溶剤吐出工程と、 基板のある前記収容器内での前記有機溶剤の蒸気を未飽
    和状態に維持しつつ前記収容器内の減圧を行う減圧工程
    と、を備えることを特徴とする基板処理方法。
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