JP6117061B2 - 基板処理方法及びその装置 - Google Patents

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本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)に対して、処理液により洗浄、エッチング等の処理を行った後、溶剤蒸気により基板を乾燥させる基板処理方法及びその装置に関する。
従来、この種の方法として、処理槽を囲うチャンバを減圧しておき、溶剤蒸気を圧力差によりチャンバ内に導入させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、溶剤を貯留している蒸気発生タンクとチャンバ内とを連通接続した供給管とを閉止した状態で、チャンバ内だけを減圧し、溶剤の蒸気圧曲線付近にまでチャンバ内を減圧させた後、減圧を停止させる。そして、この状態において、供給管を開放させると、チャンバ内の圧力に応じて、蒸気発生タンク内の溶剤が急激に蒸気になり、チャンバ内と蒸気発生タンク内との圧力差により、蒸気発生タンク内の溶剤がチャンバ内に導入される。そして、処理槽の上方にあたる乾燥位置に基板を上昇させると、基板に付着している処理液に溶剤蒸気が凝結して処理液が溶剤で置換され、基板に対する乾燥処理が効率的に行われる。
特開2007−4694号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、チャンバ内だけを減圧していることに起因して、次のような不都合が生じる。
溶剤の蒸気圧曲線付近まで減圧できたか否かをチャンバ内の圧力を基準に判断することになるので、供給管を開放した際に、減圧されていない蒸気発生タンクの圧力との関係で、チャンバ内の圧力が一時的に高くなる。これにより、チャンバに溶剤蒸気を十分に導入できない恐れがある。また、供給管が開放された時点で蒸気発生タンク内が減圧されることになるので、蒸気発生タンク内の圧力が変化して蒸気の供給量が不安定になる。さらに、蒸気発生タンク内が溶剤の蒸気圧曲線付近の圧力に達するまでに遅れが生じるので、溶剤蒸気の発生に遅れが生じてチャンバ内に溶剤蒸気を導入するタイミングが遅れる。これにより乾燥処理が一定しない恐れがある。
また、供給配管を開放した際に、減圧されていない供給管の一部や蒸気発生タンク内に滞留している酸素やパーティクルがチャンバ内に溶剤蒸気とともに導入されることになるので、基板の乾燥処理に悪影響を与える恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、溶剤蒸気を十分にかつ安定して供給することができ、溶剤蒸気の導入タイミングを安定させて処理を一定化することができ、溶剤蒸気の圧力差導入に起因する基板処理への悪影響を防止することができる基板処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を溶剤蒸気により乾燥させる基板処理方法において、溶剤蒸気を発生させる蒸気発生タンク内に所定温度の溶剤を用意する過程と、チャンバ内の処理槽に貯留した処理液に基板を浸漬する過程と、前記チャンバから排気を行い、前記チャンバ内を、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線以下の圧力にまで減圧する過程と、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを供給管で連通接続した状態で前記チャンバ内からの排気を行い、前記蒸気発生タンク内の雰囲気を排気して前記チャンバ内へ溶剤蒸気を導入させる第1導入過程と、前記蒸気発生タンク内の圧力が所定圧力まで低下した時点で前記チャンバ内からの排気動作を停止させる過程と、前記チャンバ内からの排気動作を停止させた状態で、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとの圧力差によって前記チャンバ内に溶剤蒸気を導入させる第2導入過程と、前記処理槽の処理液に浸漬されている基板を処理液面上に引き上げて、基板に付着している処理液を溶剤で置換させる過程と、前記基板に付着した溶剤を除去する過程と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、第1導入過程で供給管を開放すると、チャンバ内が溶剤の温度に対応する蒸気圧曲線以下になるまで減圧されているので、蒸気発生タンク内の圧力も下がり溶剤が気体になりやすい状態とされる。したがって、蒸気発生タンクでは急激に溶剤蒸気が発生する。一方、チャンバ側への溶剤蒸気の流入によりチャンバ内の圧力が上昇しようとしても、このときチャンバからの排気も行われているため、かかる圧力の上昇はほとんど発生せず、蒸気発生タンクとチャンバとの圧力差に応じてチャンバ内へ溶剤蒸気が速やかに導入される。また、第1導入過程では蒸気発生タンク内も排気して、より低圧になるまで減圧しているので、溶剤蒸気を早く発生させて早く高濃度にでき、またより長時間発生させることができて、十分にかつ安定して供給することができ、溶剤蒸気の導入タイミングを安定させて処理を一定化することができる。また、供給管を開放した際にも減圧を継続しているので、供給管の一部や蒸気発生タンク内に酸素やパーティクルが滞留していたとしてもチャンバ外に排出でき、溶剤蒸気の圧力差導入に起因する基板処理への悪影響を防止することができる。また第2導入過程では排気は停止しているので、チャンバへ導入した溶剤蒸気が乾燥に寄与しないままチャンバから排出されるのを抑制でき、溶剤蒸気の無駄を抑制できる。チャンバ内が溶剤蒸気で満たされた状態となると、基板を処理液面上に上昇させ、基板に付着している処理液を溶剤で置換させて乾燥させる。圧力差で溶剤蒸気を導入させるので、キャリアガスが不要となって溶剤濃度を高くできる。
また、本発明において、排気動作を停止させる過程は、前記蒸気発生タンク内の圧力が、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線付近であってかつ蒸気圧曲線よりも高い圧力である時点で前記チャンバ内からの排気動作を停止させ、前記第2導入過程において、前記蒸気発生タンク内の圧力が、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線を超えて低下することが好ましい(請求項2)。蒸気発生タンク内の圧力が蒸気圧曲線付近になるまで排気を継続するので、大量の溶剤蒸気を円滑にチャンバ内に導入できる。また第2導入過程では排気を停止しているので、排気中に蒸気発生タンク内の圧力が蒸気圧曲線を超えて低下して、蒸気発生タンク内の溶剤が急速に沸騰に至ることはなく、急速な沸騰による溶剤ミストの発生は抑制され、ミストが基板に悪影響を及ぼすことがない。排気減圧を停止しても、チャンバは十分減圧されているので、圧力差に応じてチャンバ内に溶剤蒸気を導入できる。
また、本発明において、前記減圧する過程は、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを連通接続する供給管から前記チャンバ内に所定流量の不活性ガスを供給しつつ、前記チャンバから前記所定流量を超える流量で排気を行い、前記チャンバ内を、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線以下の圧力でかつ所定の低酸素状態にまで減圧するものであり、前記第1導入過程は、前記供給管から前記チャンバへの前記不活性ガスの供給を停止して行うことが好ましい(請求項3)。酸素濃度を低減して基板表面のウオーターマーク発生など基板の処理に悪影響が生じることを防止でき、また溶剤蒸気導入に際しては不活性ガスによって溶剤蒸気の濃度が低下することがない。
また、本発明において、基板に付着している処理液を溶剤で置換させる過程は、前記第2導入過程の途中で、前記蒸気発生タンクから前記チャンバ内へ供給した溶剤蒸気を基板に吹き付けて行われることが好ましい(請求項4)。これにより、処理液を効率よく溶剤で置換できる。
また、本発明において、基板に付着した溶剤を除去する過程は、前記チャンバへ不活性ガスを供給し、その不活性ガスを前記基板に吹き付けて行うことが好ましい(請求項5)。これにより、溶剤を効率よく除去できる。
また、本発明において、前記蒸気発生タンクは、溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)を貯留して70℃に加熱し、前記減圧動作を停止させる過程では前記蒸気発生タンク内の圧力が75kPaに達した時点で減圧動作を停止させることが好ましい(請求項6)。イソプロピルアルコールの沸点は、60kPaにおいて70℃であるので、60kPa以下ではイソプロピルアルコールを沸騰させて蒸気を大量に発生させることができる。しかしながら、圧力が蒸気圧曲線以下(60kPa以下)になると、70℃のイソプロピルアルコールが激しく気化することに起因して、イソプロピルアルコールに無駄が生じたり、ミストが発生したりするなどの不都合があるので、蒸気圧曲線付近であって蒸気圧曲線よりも若干高い圧力までの減圧としている。
請求項7に記載の発明は、処理液により処理された基板を溶剤蒸気により乾燥させる基板処理装置において、処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽を囲うチャンバと、基板を支持し、前記処理槽内の槽内位置と、前記処理槽の上方にあたる乾燥位置とにわたって昇降可能な基板支持機構と、溶剤を貯留してその溶剤の蒸気を発生させる蒸気発生タンクと、前記蒸気発生タンク内の溶剤を加熱するための加熱手段と、前記蒸気発生タンク内の溶剤の温度を検出する温度検出手段と、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを連通接続し、前記チャンバ内に溶剤蒸気を供給する供給管と、前記供給管を開閉する開閉弁と、前記チャンバ内を排気して減圧する減圧手段と、前記チャンバ内の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、前記蒸気発生タンク内の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、前記開閉弁を閉止し、前記加熱手段で溶剤を加熱した状態で、前記減圧手段で前記チャンバ内を減圧し、前記第1の圧力検出手段によって検出された圧力が、前記温度検出手段によって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線以下の所定圧力となった場合には、前記開閉弁を開放して、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを連通させ、前記第2の圧力検出手段によって検出された圧力が、前記温度検出手段によって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線付近となった場合には、前記減圧手段を停止させる制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、制御手段は、開閉弁を閉止し、加熱手段で溶剤を加熱した状態で、減圧手段でチャンバ内を減圧し、第1の圧力検出手段によって検出された圧力が、温度検出手段によって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線以下となった場合には、開閉弁を開放して蒸気発生タンクとチャンバとを連通させる。第2の圧力検出手段によって検出された圧力が、温度検出手段によって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線付近となった場合には、減圧手段を停止させる。圧力差で溶剤蒸気を導入させるので、キャリアガスが不要となって溶剤濃度を高くできる。また、蒸気発生タンク内も減圧しているので、溶剤蒸気を十分にかつ安定して供給することができ、溶剤蒸気の導入タイミングを安定させて処理を一定化することができる。また、供給管を開放した際にも減圧を継続しているので、供給管の一部や蒸気発生タンク内に酸素やパーティクルが滞留していたとしてもチャンバ外に排出でき、溶剤蒸気の圧力差導入に起因する基板処理への悪影響を防止することができる。
本発明に係る基板処理方法によれば、第1導入過程でのチャンバへの溶剤蒸気導入時にチャンバから排気を行って減圧する。供給管を開放すると、チャンバ内が溶剤の温度に対応する蒸気圧曲線以下になるまで減圧されているので、蒸気発生タンク内が低圧になり、溶剤が気体になりやすい状態とされる。したがって、蒸気発生タンクでは短時間で溶剤蒸気が発生し、蒸気発生タンクとチャンバとの圧力差も大きくなるので、それに応じてチャンバ内へ短時間で溶剤蒸気が導入される。次に、蒸気発生タンク内の溶剤の温度に応じた蒸気圧曲線付近に、蒸気発生タンク内の圧力が達した時点で減圧を停止させるので、溶剤蒸気が乾燥に寄与しないままチャンバ外へ排出されるのを抑制して、溶剤蒸気の無駄を抑制する。減圧は停止するものの、溶剤蒸気タンクは溶剤の蒸気により圧力が上昇しているので、圧力差に応じてチャンバ内に溶剤蒸気が導入される。チャンバ内が溶剤蒸気で満たされた状態となるので、基板を乾燥位置に上昇させ、基板に付着している処理液を溶剤で置換させて乾燥させる。圧力差で溶剤蒸気を導入させるので、キャリアガスが不要となって溶剤濃度を高くできる。また、蒸気発生タンク内も減圧しているので、溶剤蒸気を十分にかつ安定して供給することができ、溶剤蒸気の導入タイミングを安定させて処理を一定化することができる。また、供給管を開放した際にも減圧を継続しているので、供給管の一部や蒸気発生タンク内に酸素やパーティクルが滞留していたとしてもチャンバ外に排出でき、溶剤蒸気の圧力差導入に起因する基板処理への悪影響を防止することができる。
実施例に係る基板処理装置の要部の概略構成を示すブロック図である。 イソプロピルアルコールの蒸気圧曲線を示すグラフである。 基板処理装置の動作を示すフローチャートである。 本実施例と従来例におけるチャンバ内溶剤濃度と蒸気発生タンク内圧力の変化を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
本実施例に係る基板処理装置は、起立姿勢とされた複数枚の基板Wを一組として、一組ずつの基板Wを処理するバッチ処理装置であって、一組の基板を処理液に浸漬して処理する薬液槽(図示せず)と、その薬液槽で処理された一組の基板を純水でリンスするリンス槽(図示せず)と、そのリンス槽で処理された一組の基板を乾燥させる乾燥槽と、それら各槽の間で一組の基板を搬送する水平搬送装置(図示せず)と、水平搬送装置で搬送された一組の基板を各槽の中へ昇降させるリフタ等を備える。
図1は乾燥槽とその周辺の配管系統等を示す。乾燥槽は、処理液を貯留する処理槽1を備えている。この処理槽1は、処理液を貯留し、起立姿勢とされた複数枚の基板Wを収容可能に構成されている。処理槽1の底部には、複数枚の基板Wが整列されている方向(紙面の奥手前方向)に沿って長軸を有し、処理液を供給するための二本の噴出管7が配設されている。各噴出管7には、供給配管9の一端側が連通接続され、供給配管9の他端側は、処理液供給源15に連通接続されている。供給配管9には、制御弁からなる処理液弁17が設けられており、処理液の流量が処理液弁17で調整される。処理液供給源15は、純水を処理液として供給管9に供給する。
処理槽1は、その周囲をチャンバ27で囲われている。チャンバ27は、上部に開閉自在の上部カバー29を備えている。リフタ31は、前述した水平搬送装置との間で基板を受け渡しし、起立姿勢とされた複数枚の基板Wの下方の一部のみを支持して受け取り、その周方向の大部分を開放した状態で保持する。リフタ31は、図示しない駆動機構により、チャンバ27よりも上方にあたる「待機位置」と、処理槽1の内部にあたる「槽内位置」と、処理槽1の上方であってチャンバ27の内部にあたる「乾燥位置」とにわたって昇降可能に構成されている。
なお、上述したリフタ31が本発明における「基板保持機構」に相当する。
上部カバー29の下方であってチャンバ27の上部の図1における左右の内壁には、それぞれ一対のノズル33a、33bが取り付けられている。ノズル33a,33bには、供給管35の一端側が連通接続され、その他端側は蒸気発生タンク37に連通接続されている。この供給管35には、その上流側から順に、溶剤蒸気の流量を調整するための制御弁からなる蒸気弁38が設けられ、蒸気弁38の下流側で内壁の左右側の供給管35に分岐し、次に、溶剤蒸気を加熱するためのインラインヒータ40が設けられ、インラインヒータ40の下流側で上下のノズル33a,33bに向かう供給管35に分岐し、次に、開閉弁34a,34bが設けられている。供給管35がインラインヒータ40を備えていることにより、蒸気発生タンク37で発生された溶剤蒸気が供給管35で凝縮することを軽減でき、溶剤濃度が低下することを防止できる。
なお、上述した蒸気弁38が本発明における「開閉弁」に相当する。
蒸気発生タンク37は、蒸気発生空間である内部空間を所定温度に温調したり、加熱して溶剤の蒸気を発生させたりするためのヒータ41が付設されている。蒸気発生タンク37の内部空間には、溶剤を供給するための溶剤供給源43が連通接続されている。本実施例では、溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)が用いられているものとする。なお、溶剤としては、イソプロピルアルコールの他に、例えば、HFE(ハイドロフルオロエーテル)がある。また、蒸気発生タンク37の内部空間には、溶剤の温度を測定するための温度検出器37Tと、蒸気発生タンク37の内部空間の圧力を測定するための圧力測定器37Pとが設けられている。ヒータ41は、溶剤がイソプロピルアルコールである場合、70℃以上に加熱できる能力があることが好ましい。
なお、上述した温度検出器が本発明における「温度検出手段」に相当し、圧力検出器37Pが本発明における「第2の圧力検出手段」に相当する。
蒸気弁38とインラインヒータ40の間の供給管35であって、左右のノズル33a,33b側への分岐点よりも上流側には供給管45の一端側が連通接続されている。供給管45の他端側は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源47に連通接続されている。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス(N)が挙げられる。不活性ガス供給源47からの不活性ガスの供給量は、供給管45に設けられた不活性ガス弁49によって調整される。不活性ガス弁49の下流側には、インラインヒータ50が取り付けられている。このインラインヒータ50は、不活性ガス供給源47からの不活性ガスを所定温度に加熱する。また不活性ガス供給源47は、供給管42および不活性ガス弁44を介して蒸気発生タンク37にも接続され、蒸気発生タンク37の内部空間に不活性ガスを供給可能にしている。
チャンバ27の側壁には、その内部から気体を排出可能な排気管51が接続されている。排気管51には、排気ポンプ52が取り付けられ、排気ポンプ52とチャンバ27との間に開閉弁52aが取り付けられている。また、チャンバ27には、内部の圧力を検出するための圧力検出器27Pが取り付けられている。
なお、上述した排気ポンプ52が本発明における「減圧手段」に相当し、圧力検出器27Pが本発明における「第2の圧力検出手段」に相当する。
処理槽1の底部には、排出口57が設けられている。この排出口57には、急速に処理槽1内の処理液を排出するためのQDR弁59が取り付けられている。このQDR弁59から処理槽1内の処理液を排出すると、処理液がチャンバ27の底部に一旦排出される。チャンバ27の底部には、気液分離部61に連通接続された排出管63が取り付けられている。排出管63には、排液弁65が取り付けられている。気液分離部61は、排気管51及び排出管63から気体と液体とを取り込むとともに、それらを分離して排出する。
上述した処理液弁17、上部カバー29、リフタ31、蒸気発生タンク37、蒸気弁38、インラインヒータ40、ヒータ41、不活性ガス弁44,49、インラインヒータ50,排気ポンプ52、開閉弁52a、QDR弁59、排液弁65など各部の要素の動作は、制御部67によって統括的に制御される。制御部67は、各部を制御するとともに、記憶部69を参照し、圧力検出器27P、37Pからの圧力信号が蒸気圧曲線以下または蒸気圧曲線付近となった場合に蒸気弁38を開放させたり、排気ポンプ52を停止させたり等の動作を行わせる。
なお、上述した制御部67が本発明における「制御手段」に相当し、記憶部69が本発明における「記憶手段」に相当する。
記憶部69は、制御部67が実行する制御プログラムの他に、処理手順を規定したレシピや、蒸気発生タンク37に貯留されている溶剤の種類に応じた蒸気圧曲線を予め記憶してある。この蒸気圧曲線の一例を図2に示す。なお、図2は、イソプロピルアルコールの蒸気圧曲線を示すグラフである。
この蒸気圧曲線から、溶剤には次のような挙動を生じさせ得ることがわかる。
すなわち、例えば、イソプロピルアルコールが70℃に加熱された状態で蒸気発生タンク37内に存在するとし、チャンバ27と蒸気発生タンク37が連通された状態で、かつ減圧されていない大気圧の状態である場合、蒸気発生タンク37内のイソプロピルアルコールはほぼ液体の状態である。その状態で、温度を維持したまま、排気ポンプ52を作動させてチャンバ27と蒸気発生タンク37内を減圧してゆき、圧力検出器37Pによって検出される蒸気発生タンク37内の圧力が60kPa以下になると、イソプロピルアルコールが沸騰して活発に蒸気化される。換言すると、蒸気発生タンク37内の圧力が、加熱されたイソプロピルアルコールの温度における蒸気圧曲線以下になると、蒸気発生タンク37内のイソプロピルアルコールの状態が液体から気体へと変わる。
なお、本実施例においては、制御部67がまずチャンバ27だけ(厳密に言えば開閉弁34a,34bまでの供給管35も含む)を減圧する。具体的には、イソプロピルアルコールの温度に対応する蒸気圧曲線よりも低い第1圧力TP1を目標として減圧する。この第1圧力TP1は、チャンバ27内の酸素濃度が所定の値、具体的には0.001%以下の低酸素状態となる圧力である。その後、制御部67は、蒸気弁38を開放してチャンバ27と蒸気発生タンク37とを連通させ、その状態で減圧を継続し、蒸気発生タンク37内が蒸気圧曲線付近の第2圧力TP2に達した場合には減圧を停止させる。第1圧力TP1は例えば15kPaであり、第2圧力TP2は例えば75kPaである。これらの第1圧力TP1と第2圧力TP2は、予め記憶部69に格納されている。
上記の説明において、第2圧力TP2が70℃の「蒸気圧曲線以下」ではなく蒸気圧曲線付近となっているのは、次の理由による。つまり、圧力が蒸気圧曲線以下(60kPa以下)になると、70℃のイソプロピルアルコールが激しく気化することに起因して、条件によってはイソプロピルアルコールに無駄が生じたり、イソプロピルアルコールのミストが発生し供給管35内で結露したりするなどの不具合が生じることが起こり得るからである。
次に、図3を参照する。なお、図3は、基板処理装置の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、本願発明の主要部だけを示しており、他の動作については省略してある。
まず、主要動作の前の動作について説明する。
基板を乾燥させる本発明の方法は、基板を所定の処理液によって処理した後に、基板を乾燥させるのに適用される。本実施形態の基板処理装置における処理としては、典型的には処理液として所定の酸あるいはアルカリ等の処理液を前述した薬液槽(図示せず)に供給して、リフタで支持した基板Wを浸漬して洗浄処理する。このようにして洗浄処理を所定時間実行した後、次いでその基板Wを前述した水平搬送装置でリンス槽(図示せず)に搬送して、リフタで支持して純水でリンス処理し、次いでその基板Wを水平搬送装置で乾燥槽(図1)に搬送して、リフタで支持して乾燥処理する。
処理開始前において、乾燥槽の処理槽1には処理液供給源15から供給された常温の純水が貯留された状態であり、上部カバー29は閉じている。そして、この基板処理装置による処理が開始されると、一組の基板Wがまず薬液槽に搬送されて洗浄処理され、続いてその基板Wがリンス処理されると、次にその基板Wは乾燥槽に搬送される。乾燥槽に基板Wが搬送されてくると、制御部67は以下に示す乾燥処理の主要動作を開始する。
ステップS0
まず制御部67は、蒸気発生タンク37における蒸気発生の準備を行わせる。具体的には、蒸気発生タンク37の内部に所定温度(例えば70℃)の溶剤を用意する。そのために、ヒータ41への給電を制御して、蒸気発生タンク37の内部の溶剤を所定温度に加熱する。溶剤の実温度は、温度検出器37Tからの出力によって制御部67が判断する。このとき蒸気弁38は閉止されたままである。なお、このステップS0は、乾燥処理の動作の前の適当な時期に行っておいてもよい。
ステップS1
次に制御部67は、上部カバー29を開放し、水平搬送装置によって搬送されてきた複数枚の基板Wをリフタ31で受け取り、リフタ31を「待機位置」から「槽内位置」に移動させる。これにより、リフタ31に保持された基板Wはチャンバ27内に搬入され、処理槽1内に貯留された純水に浸漬され、リンス処理を行いつつ基板Wの不所望な乾燥を防止する処理を行う。
ステップS2
基板Wがチャンバ27内に搬入されると、制御部67は、チャンバ27内の酸素濃度低減処理を開始する。具体的には、蒸気弁38は閉止のままで上部カバー29を閉止、排液弁65を閉止するとともに、ノズル33aに供給管35で接続された開閉弁34aと、不活性ガス弁49とを開放し、不活性ガス供給源47からノズル33aを介してチャンバ27内に所定流量で不活性ガスを供給させる。また、それと同時に開閉弁52aを開放し、排気ポンプ52を作動させて、上述した不活性ガスの所定流量を超える流量で排気を行う。これにより、チャンバ27の内部にある空気が不活性ガスによってパージされつつ、チャンバ27内が減圧されて酸素濃度が低減される。その結果、処理槽1から基板Wを引き上げた後における基板Wと酸素との接触を抑制または防止できるので、酸素を原因とする基板W表面のウオーターマーク発生など基板Wの処理に悪影響が生じることを防止できる。このときのチャンバ27内の圧力は、圧力検出器27Pによって逐次測定され、その圧力信号が制御部67に与えられる。
なお、制御部67は、インラインヒータ40を作動させて、供給管35内部を通過する不活性ガスを溶剤の沸点温度以上(例えば、72℃)に昇温させ、これによりインラインヒータ40以後の供給管35、開閉弁34aおよびノズル33aを加熱しておく。これは、蒸気発生タンク37からチャンバ27に導入される溶剤蒸気が供給管35、開閉弁34aおよびノズル33a内に凝縮することを防止するためである。また、パージのための不活性ガスを供給する供給管45は、溶剤蒸気を供給する供給管35に接続されているので、このステップS2の初期において、その供給管35と供給管45の接続点からノズル33aまでの間の供給管35内にパーティクルの原因となる異物や酸素等が残留していても、この不活性ガスのパージによってそれらをチャンバ27を経て速やかに排出することができる。
ステップS3
制御部67は、記憶部69の蒸気圧曲線を参照し、圧力検出器27Pからの圧力信号が、加熱温度における蒸気圧曲線以下の所定圧力以下になるまで、排気ポンプ52による減圧を継続する。具体的には、記憶部69に記憶されている第1圧力TP1を目標値として減圧を行う。ここでは、溶剤がイソプロピルアルコールであるので、図2に示す蒸気圧曲線におけるイソプロピルアルコールの加熱温度である70℃に対応する60kPa以下であるが、第1圧力TP1はそれよりもより十分に低い15kPaに設定する。この圧力は、この実施形態においては、チャンバ27内の酸素濃度が所定の濃度以下(具体的には、例えば0.001%以下)にまで下がる圧力であって、乾燥後の基板Wに対してチャンバ27内の酸素が悪影響を与えない濃度となる圧力(実験的に決定される)である。
ステップS4、S5
上記の条件が満たされると(すなわち、圧力検出器27Pからの圧力信号が加熱温度における蒸気圧曲線以下の所定圧力になると)、制御部69は、排気ポンプ52を動作させたまま不活性ガス弁49を閉じるとともに蒸気弁38を開放させ、供給管35をチャンバ27と蒸気発生タンク37に連通させる。これにより、蒸気発生タンク37内の圧力が急激に低下していき、イソプロピルアルコールの気化が徐々に活発化し、このときノズル33aに供給管35で接続された開閉弁34aは開放されたままであるので、ノズル33aを介してイソプロピルアルコールの蒸気がチャンバ27に導入されはじめる。これまでは蒸気発生タンク37は減圧されておらず、溶剤がヒータ41で加熱されている関係上、圧力が高くなっていた。その状態の蒸気発生タンク37が、このステップS4において減圧されているチャンバ27に連通される。したがって、チャンバ27は一時的に圧力が上昇しようとするが、排気ポンプ52による減圧により、減圧状態が維持される。一方、蒸気発生タンク37は、チャンバ27と供給管35を介して排気ポンプ52により減圧されるので、次第に内部圧力が低下してゆく。その圧力は、圧力検出器37Pによって逐次測定され、その圧力信号が制御部67に与えられる。
このように、蒸気弁38を開放した後も排気ポンプ52による排気を継続して、蒸気発生タンク37内の圧力を速やかに下げて溶剤の蒸気発生を促し、かつその蒸気を速やかにチャンバ27に導入することができる。これにより溶剤蒸気の発生を促し十分にかつ安定して供給することができ、溶剤蒸気の導入タイミングを安定させて処理を一定化することができる。また、供給管35の一部や蒸気発生タンク37内に酸素やパーティクルが滞留していたとしてもチャンバ27外に排出でき、溶剤蒸気の圧力差導入に起因する基板Wの処理への悪影響を防止することができる。
なお、蒸気弁38を開放させた後も減圧動作(すなわち排気ポンプ52による排気動作)を継続しているので、供給管35のうち蒸気弁38から蒸気発生タンク37までの間と、蒸気発生タンク37内に酸素やパーティクルが滞留していたとしても、かかる減圧排気動作によりチャンバ27外に排出できる。したがって、溶剤蒸気の導入に起因する基板Wの処理への悪影響を防止することができる。
制御部67は、記憶部69の蒸気圧曲線を参照し、圧力検出器37Pからの圧力信号が、所定圧力、ここでは加熱温度における蒸気圧曲線付近になるまで、排気ポンプ52による減圧を継続する。具体的には、記憶部69に記憶されている第2圧力TP2を目標値として減圧を継続する。溶剤がイソプロピルアルコールの場合には、図2に示す蒸気圧曲線においてイソプロピルアルコールの加熱温度である70℃に対応するのは60kPaであるが、第2圧力TP2はそれより若干高い75kPaである。第2圧力TP2を、蒸気圧曲線よりも高い値に設定するのは、以下の理由による。すなわち排気ポンプ52による排気減圧動作を続けて蒸気発生タンク37内の圧力を急激に低下させて蒸気圧曲線以下に至ると、蒸気発生タンク37内の溶剤が急激に沸騰し、溶剤のミストが発生するなどの不都合があるためである。
ステップS6、S7、S8
上記の条件が満たされると、すなわち圧力検出器37Pからの圧力信号が、加熱温度における蒸気圧曲線付近(具体的には、蒸気圧曲線よりも高い所定値TP2以下になると)、制御部69は、排気ポンプ52を停止させるとともに、開閉弁52aを閉止させる。これによりチャンバ27の排気減圧動作は停止されるが、チャンバ27と蒸気発生タンク37の内部が減圧状態に維持され、かつ、蒸気発生タンク37よりもチャンバ27の圧力が低いため、蒸気発生タンク37からチャンバ27への溶剤蒸気の導入は継続され、蒸気発生タンク37内の圧力はさらに下がり続ける。そして、蒸気発生タンク37の圧力が、蒸気圧曲線におけるイソプロピルアルコールの加熱温度である70℃に対応する60kPaを超えて低下すると、このとき蒸気発生タンク37ではイソプロピルアルコールが沸騰して大量の蒸気が発生し、その蒸気がチャンバ27と蒸気発生タンク37の圧力差に応じてチャンバ27に導入される。ただし、このとき廃棄ポンプ52は停止しており、この沸騰は、排気ポンプを動作させての減圧によるほどの急激なものではないので、溶剤ミストの発生などの不都合は実質的に避けられる。
このように、圧力差で溶剤蒸気をチャンバ27に導入させるので、キャリアガスが不要となって溶剤濃度を高くできる。しかも、このときチャンバ27の減圧のための排気が停止されているので、チャンバ27内に入った蒸気が排出されてしまうことがなく、溶剤蒸気濃度を十分に高くすることができる。これにより、チャンバ27内は高濃度の溶剤雰囲気とされる。またこのとき、処理槽1に貯留されている常温の純水の水面の全面には、溶剤蒸気が凝結して水面を覆う。この溶剤蒸気の導入はチャンバ27内の溶剤濃度が所定の値になるまで継続する。なお、かかる溶剤濃度の検出は、チャンバ27内に濃度センサを設けてその検出値に基づいてもよいが、ステップS6の排気ポンプ停止時点からの経過時間と溶剤濃度の変化を実験して測定しておき、所定濃度になるタイミングを実験的に定めてもよい。
ステップS9、S10
チャンバ27内の溶剤濃度が所定の値になると、制御部67は、リフタ31を「槽内位置」から「乾燥位置」へと上昇させて基板Wを乾燥位置へ移動させる。このとき、処理槽1内の常温の純水から引き上げられた基板Wの温度もほぼ常温であるので、その基板Wの全面にはチャンバ27内に導入された溶剤蒸気が凝結し、すでに純水の水面に凝結している溶剤とあいまって、基板Wの表面に付着している純水の液滴が溶剤によって置換される。そして、基板Wが乾燥位置にあるこの状態を所定時間だけ維持しながらノズル33aからの溶剤蒸気の供給を継続する。ノズル33aは、乾燥位置にある基板Wに対して基板Wの周方向から溶剤蒸気を吹き付ける向きに設置されており、基板Wの表面に十分な溶剤を供給でき、効率よく置換できる。
ステップS11、S12
制御部67は、所定時間が経過した時点で、蒸気弁38を閉止させ、溶剤蒸気の供給を停止するとともに、不活性ガス弁49を開放して、インラインヒータ50で加熱した不活性ガスをノズル33aからチャンバ27内に導入し、それと同時に排気ポンプ52を作動させて開閉弁52aを開放し、チャンバ27内の溶剤を含む雰囲気を排気する。ノズル33aは乾燥位置にある基板Wに対して基板Wの周方向から不活性ガスを吹き付ける向きに設置されており、導入された不活性ガスは、所定時間の間、ノズル33aから基板Wに吹き付けられ、基板Wに付着した溶剤を効率よく蒸発させて除去し、基板Wを乾燥させるとともに、チャンバ27内の雰囲気を置換する。
ステップS13
上述した処理が所定時間経過し、基板Wが乾燥した後、制御部67は、開閉弁52aを閉止し、排気ポンプ52を停止し、このとき不活性ガス弁49は開放された状態であり、加熱した不活性ガスのチャンバ27内への導入は継続する。不活性ガスの導入によりチャンバ27が大気圧に戻ると、いったん不活性ガス弁49を閉止して上部カバー29を開放するとともに、リフタ31を「乾燥位置」から「待機位置」へと上昇させ、前記水平搬送装置に渡して基板Wを搬出する。それと同時に制御部67は、不活性ガス弁44を開放して不活性ガス供給源47から供給管42を通じて蒸気発生タンク37に不活性ガスを供給し、蒸気発生タンク37の内部を常圧に戻すとともに、必要に応じて溶剤供給源43から蒸気発生タンク37に溶剤を補給する。
上述したように、本実施例装置によると、制御部67は、蒸気弁38を閉止し、ヒータ41で溶剤を加熱した状態で、排気ポンプ52でチャンバ27内だけを減圧し、圧力検出器27Pによって検出された圧力が、温度検出器37Tによって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線以下となった場合には、蒸気弁38を開放して蒸気発生タンク7とチャンバ27とを連通させる。圧力検出器37Pによって検出された圧力が、温度検出器37Tによって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線付近となった場合には、排気ポンプ52を停止させ、リフタ31を「処理位置」から「乾燥位置」へ上昇させる。圧力差で溶剤蒸気をチャンバ27に導入させるので、キャリアガスが不要となって溶剤濃度を高くできる。また、蒸気発生タンク37内も減圧しているので、溶剤蒸気を十分にかつ安定して供給することができ、溶剤蒸気の導入タイミングを安定させて処理を一定化することができる。また、供給管35を開放した際にも減圧を継続しているので、供給管35の一部や蒸気発生タンク37内に酸素やパーティクルが滞留していたとしてもチャンバ27外に排出でき、溶剤蒸気の圧力差導入に起因する基板Wの処理への悪影響を防止することができる。
ここで、図4を参照する。なお、図4は、本実施例と従来例におけるチャンバ内溶剤濃度と蒸気発生タンク内圧力の変化を示すグラフである。
図4中における二点鎖線(符号Pcm)は、チャンバ27内の圧力を示し、実線は、本実施例における蒸気発生タンク37内の圧力(Pvp1)とチャンバ27内の溶剤蒸気濃度(C1)を示す。また、点線は、従来例における蒸気発生タンク37内の圧力(Pvp2)とチャンバ27内の溶剤蒸気濃度(C2)を示す。さらに、上部に示した符号S2などは、上述したステップに対応する。
このグラフから明らかなように、本実施例は、従来例に比較して蒸気発生タンク37内の圧力低下を速くできていることがわかる。また、チャンバ27内の溶剤蒸気濃度も高く、かつ短時間で濃度を高くできていることがわかる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、溶剤としてイソプロピルアルコールを用いた。しかしながら、本発明は他の溶剤であっても適用できる。例えば、溶剤がHFE(ハイドロフルオロエーテル)である場合には、インラインヒータ40の設定温度と、その蒸気圧曲線に応じて上述した第1圧力TP1と第2圧力TP2をHFEに応じて設定すればよいので、柔軟な処理に適用できる。
(2)上述した実施例では、チャンバ内を減圧する過程において不活性ガスを供給して酸素濃度低減処理を行っているが、本発明は不活性ガスの供給を省略しても適用できる。すなわち、チャンバ内に酸素が存在しても不都合がない基板を処理する場合などにおいては、ステップS2、S3において不活性ガスの供給を行わず、排気による減圧のみを行ってもよい。
(3)上述した実施例では、処理槽1の処理液を貯留させたまま、基板Wを乾燥位置に引き上げて乾燥処理を行わせていた。しかし本発明としては、処理槽1の処理液を排出させて基板Wを雰囲気に露出させて乾燥処理を行わせた後、乾燥位置に引き上げて乾燥処理の仕上げを行うようにしてもよい。
(4)上述した実施例では、薬液槽やリンス槽で薬液処理などを行った基板を乾燥槽に搬送して乾燥処理していたが、一つの処理槽において、薬液や純水など複数種類の処理液を選択的に供給できるようにして、薬液処理から乾燥までを行うようにすることもできる。
W … 基板
1 … 処理槽
7 … 噴出管
9 … 供給管
27 … チャンバ
27P … 圧力検出器
31 … リフタ
35 … 供給管
37 … 蒸気発生タンク
37P … 圧力検出器
38 … 蒸気弁
41 … ヒータ
52 … 排気ポンプ
52a … 開閉弁
67 … 制御部
69 … 記憶部
TP1 … 第1圧力
TP2 … 第2圧力

Claims (7)

  1. 基板を溶剤蒸気により乾燥させる基板処理方法において、
    溶剤蒸気を発生させる蒸気発生タンク内に所定温度の溶剤を用意する過程と、
    チャンバ内の処理槽に貯留した処理液に基板を浸漬する過程と、
    前記チャンバから排気を行い、前記チャンバ内を、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線以下の圧力にまで減圧する過程と、
    前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを供給管で連通接続して前記チャンバ内からの排気を行い、前記蒸気発生タンク内の雰囲気を排気して前記チャンバ内へ溶剤蒸気を導入させる第1導入過程と、
    前記蒸気発生タンク内の圧力が所定圧力まで低下した時点で前記チャンバ内からの排気動作を停止させる過程と、
    前記チャンバ内からの排気動作を停止させた状態で、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとの圧力差によって前記チャンバ内に溶剤蒸気を導入させる第2導入過程と、
    前記処理槽の処理液に浸漬されている基板を処理液面上に引き上げて、基板に付着している処理液を溶剤で置換させる過程と、
    前記基板に付着した溶剤を除去する過程と、
    を備えていることを特徴とする基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記排気動作を停止させる過程は、前記蒸気発生タンク内の圧力が、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線付近であってかつ蒸気圧曲線よりも高い圧力である時点で前記チャンバ内からの排気動作を停止させ、
    前記第2導入過程において、前記蒸気発生タンク内の圧力が、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線を超えて低下することを特徴とする基板処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理方法において、
    前記減圧する過程は、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを連通接続する供給管から前記チャンバ内に所定流量の不活性ガスを供給しつつ、前記チャンバから前記所定流量を超える流量で排気を行い、前記チャンバ内を、前記蒸気発生タンク内の溶剤の前記所定温度に応じた蒸気圧曲線以下の圧力でかつ所定の低酸素状態にまで減圧するものであり、
    前記第1導入過程は、前記供給管から前記チャンバへの前記不活性ガスの供給を停止して行うものである
    ことを特徴とする基板処理方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記基板に付着している処理液を溶剤で置換させる過程は、前記第2導入過程の途中で、前記蒸気発生タンクから前記チャンバ内へ供給した溶剤蒸気を基板に吹き付けて行われることを特徴とする基板処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記基板に付着した溶剤を除去する過程は、前記チャンバへ不活性ガスを供給し、その不活性ガスを前記基板に吹き付けて行うことを特徴とする基板処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記蒸気発生タンクは、溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)を貯留して70℃に加熱し、
    前記排気動作を停止させる過程では前記蒸気発生タンク内の圧力が75kPaに達した時点で排気動作を停止させることを特徴とする基板処理方法。
  7. 処理液により処理された基板を溶剤蒸気により乾燥させる基板処理装置において、
    処理液を貯留する処理槽と、
    前記処理槽を囲うチャンバと、
    基板を支持し、前記処理槽内の槽内位置と、前記処理槽の上方にあたる乾燥位置とにわたって昇降可能な基板支持機構と、
    溶剤を貯留してその溶剤の蒸気を発生させる蒸気発生タンクと、
    前記蒸気発生タンク内の溶剤を加熱するための加熱手段と、
    前記蒸気発生タンク内の溶剤の温度を検出する温度検出手段と、
    前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを連通接続し、前記チャンバ内に溶剤蒸気を供給する供給管と、
    前記供給管を開閉する開閉弁と、
    前記チャンバ内を排気して減圧する減圧手段と、
    前記チャンバ内の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、
    前記蒸気発生タンク内の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、
    前記開閉弁を閉止し、前記加熱手段で溶剤を加熱した状態で、前記減圧手段で前記チャンバ内を減圧し、前記第1の圧力検出手段によって検出された圧力が、前記温度検出手段によって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線以下の所定圧力となった場合には、前記開閉弁を開放して、前記蒸気発生タンクと前記チャンバとを連通させ、前記第2の圧力検出手段によって検出された圧力が、前記温度検出手段によって検出された温度における溶剤の蒸気圧曲線付近となった場合には、前記減圧手段を停止させる制御手段と、
    を備えていることを特徴とする基板処理装置。
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