JP2003277391A - 金属アルコキシド触媒およびそれを用いた光学活性ホモアリルアルコールの製造方法 - Google Patents

金属アルコキシド触媒およびそれを用いた光学活性ホモアリルアルコールの製造方法

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JP2003277391A
JP2003277391A JP2002083660A JP2002083660A JP2003277391A JP 2003277391 A JP2003277391 A JP 2003277391A JP 2002083660 A JP2002083660 A JP 2002083660A JP 2002083660 A JP2002083660 A JP 2002083660A JP 2003277391 A JP2003277391 A JP 2003277391A
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Keiji Maruoka
啓二 丸岡
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新規な光学活性ビス金属アルコキシド錯体触媒
と、それを用いた光学活性ホモアリルアルコール類の製
造方法の提供。 【解決手段】一般式(1) 〔式中、Raは置換基を有していても良いC1〜C6ア
ルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換
基を有していても良いアラルキル基を示し、MはIIIA
族原子、IVB族原子またはランタノイド原子を表わし、
Aは(S)−ビノール((S)−1,1’−ビナフチル
−2,2’−ジオル)等を表わす。〕で表される光学活
性ビス金属アルコキシド錯体存在下、アルデヒド類と金
属アリル化合物(金属原子は、ホウ素,ケイ素スズ,イ
ンジウム)を反応させ光学活性ホモアリルアルコール類
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、不斉アリル化反
応に有用な触媒である光学活性ビス金属アルコキシド錯
体に関し、更に該錯体を用いた光学活性アリルアルコー
ルの製造方法に関する。光学活性アリルアルコールは、
農医薬の合成中間体、あるいは原体として有用である。
【0002】
【従来の技術】チタンやアルミニウム等の金属のアルコ
キシドやハライドに光学活性ジオール類などの有機化合
物を配位子として調製した金属錯体を触媒として、ある
いは、チタンやアルミニウム等の金属のアルコキシドや
ハライドに光学活性ジオール類などの有機化合物を補助
基として用いて、不斉合成反応が行えることは一般的に
知られている。特に、アルデヒド類にアリル金属化合物
を前記の触媒系や補助基系反応に付して、医・農薬に有
用な光学活性ホモアリルアルコール類を製造する反応
は、重要な反応である。
【0003】このような不斉アリル化反応としては、以
下のような反応が知られている。 (1)触媒に天然物から誘導した光学活性ホウ素化合物
を用いる方法(Synlett,1991,561.)。 (2)(i)光学活性BINOLとジアルコキシチタニウムジ
クロリド(=Ti(OiPr2Cl2)を等モル作用させて作った錯体
を触媒に用いる不斉アリル化反応(J. Am. Chem.Soc.,
1993年、115 巻、7001頁)や、(ii)ジアルコキシチタ
ニウムジクロリドのかわりにチタンアルコキシド(=Ti(O
iPr)4)を用いる同様の方法(J. Am. Chem. Soc., 1993
年、115 巻、8467頁)。さらに、(iii)チタンアルコ
キシドのかわりにフッ化チタン(=TiF4)を用いる方法(A
ngew. Chem. Int. Ed. Engl., 1996年、35巻、2363
頁)。 (3)(2)(ii)の光学活性BINOLを2倍量用いる方
法(Teterahedron.Lett.,1993年、34巻、7827頁)。 (4)(3)の方法にさらに活性化剤を加える方法(Te
terahedron. Lett., 1996年、37巻、7095頁; Chem. Co
mmun.,1997年、761頁; Synlett, 1997年、889頁)。 (5)取り扱いやすい錯体触媒を用いる方法(Chem. Co
mmun., 1999年、131頁)。 (6)不斉補助基を用る簡便な合成方法(J. Org. Che
m., 1994年、59巻、6161頁; J. Am. Chem. Soc., 1998
年、120巻、6419頁; Teterahedron. Lett., 1999年、40
巻、9333頁)。 (7)(2)(ii)の方法にさらに活性化剤を加える方
法(Teterahedron. Lett., 2001年、42巻、1935頁)。
【0004】しかしながら、(1)と(6)の方法は高
価な光学活性化合物が大量に必要となりスケールアップ
は困難であり、(2)と(3)の方法で高い光学収率を
得るためには、反応温度を下げるか、あるいは高価
な光学活性BINOLをチタンなどの金属にたいして2倍量
用いるか、との両者を行う必要があるが、基質に
よっては満足できる光学収率が得られなかったり、化学
収率が低下するという問題があり、反応の一般性は高く
なかった。(4)は(3)の一般性をかなり向上させた
が、イオウ系の添加剤を使用するため大量実施は困難で
あり、(5)は光学収率が不十分であり、(6)および
(7)は光学収率・化学収率は満足できるものの、高価
な添加剤や活性化剤が必要であり反応・製品単離操作と
も煩雑となるため、必ずしも満足できるものではなかっ
た。このように、従来の方法は不斉誘起触媒の活性が十
分でないか、あるいは、触媒が高価になり反応操作も煩
雑化するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不斉アリル
化反応において有用な、高活性で、添加剤等が不要であ
り、かつ安価で入手容易な不斉誘起触媒を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、金属アルコキシ
ハロゲン化合物から容易に誘導できるビス金属オキシド
錯体が、本不斉アリル化反応に極めて優れているという
知見を得、その知見に基づいて、さらに研究を重ね、本
発明に到達したものである。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(1)
【0008】
【化12】
【0009】〔式中、Raは置換基を有していても良い
C1〜C6アルキル基、置換基を有していても良いアリ
ール基、置換基を有していても良いアラルキル基を示
し、Aは下記式(A−1)から(A−4)を表わす。
【0010】
【化13】
【0011】(式中、Rbは、ハロゲン原子、置換基を
有していても良いC1〜C6アルキル基、置換基を有し
ていても良いC1〜C6アルコキシ基、置換基を有して
いても良いアリール基、置換基を有していても良いアラ
ルキル基、置換基を有していても良いアラルキルオキシ
基を表わし、nは0または1から6の整数であり、nが
2以上の場合は、Rbは同一でも相異なっていても良
い。Rc、Rd、Reは、それぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、置換基を有していても良いC1〜C
6アルキル基、置換基を有していても良いC1〜C6ア
ルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置
換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有して
いても良いアラルキルオキシ基を示し、RcとRdは一
緒になって環を形成してもよい。R1は置換基を有してい
ても良いC1〜C6アルキル基、置換基を有していても
良いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル
基を表わす。R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原
子、置換基を有していても良いC1〜C6アルキル基、
置換基を有していても良いアリール基、置換基を有して
いても良いアラルキル基を表わす。MはIIIA族原子、I
VB族原子またはランタノイド原子を表わし、*は軸不
斉を表わし、*’は不斉炭素を表わす。〕で表される光
学活性ビス金属アルコキシド錯体(請求項1)であり、
また、一般式(2)
【0012】
【化14】
【0013】〔式中、Ra、A、Mは請求項1記載のも
のと同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表
される光学活性金属アルコキシド錯体(請求項2)であ
り、また、一般式(3) (RaO)3MOM(ORa)3 (3) 〔式中、Ra、Mは請求項1記載のものと同じ意味を示
す。〕で表されるビス金属アルコキシド化合物(請求項
3)であり、また、一般式(4) (RaO)3MX (4) 〔式中、Ra、M、Xは請求項1記載のものと同じ意味
を示す。〕で表される、金属アルコキシハロゲン化合物
に金属酸化物あるいは金属水酸化物を作用させて得られ
る一般式(3) (RaO)3MOM(ORa)3 (3) 〔式中、Ra、Mは前記と同じ意味を示す。〕で表され
るビス金属アルコキシド化合物に一般式(5)
【0014】
【化15】
【0015】〔Aは請求項1記載のものと同じ意味を示
す。〕で表される光学活性アルコールを作用させること
を特徴とする一般式(1)
【0016】
【化16】
【0017】〔式中、Ra,A、Mは請求項1記載のも
のと同じ意味を示す。〕で表される光学活性ビス金属ア
ルコキシド錯体の合成方法(請求項4)であり、また、
一般式(4) (RaO)3MX (4) 〔式中、Ra、M、Xは請求項1記載のものと同じ意味
を示す。〕で表される、金属アルコキシハロゲン化合物
に一般式(5)
【0018】
【化17】
【0019】〔式中、Aは請求項1記載のものと同じ意
味を示す。〕で表される光学活性アルコール類を作用さ
せ得られる式(2)
【0020】
【化18】
【0021】〔式中、Ra、A、Mは前記と同じ意味を
示す。〕で表される光学活性金属アルコキシハロゲン化
合物に金属酸化物あるいは金属水酸化物を作用させるこ
とを特徴とする一般式(1)
【0022】
【化19】
【0023】〔式中、Ra,A、Mは請求項1記載のも
のと同じ意味を示す。〕で表される光学活性ビス金属ア
ルコキシド錯体の合成方法(請求項5)であり、また、
Mがチタン原子またはジルコニウム原子である請求項1
記載の光学活性ビス金属アルコキシド錯体(請求項6)
であり、また、Mがチタン原子またはジルコニウム原子
である請求項2記載の光学活性金属アルコキシド錯体
(請求項7)であり、また、Mがチタン原子またはジル
コニウム原子である請求項3記載のビス金属アルコキシ
ド化合物(請求項8)であり、また、Mがチタン原子ま
たはジルコニウム原子である請求項4または請求項5記
載の光学活性ビス金属アルコキシド錯体の合成方法(請
求項9)であり、また、金属酸化物あるいは金属水酸化
物がアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属の酸化
物あるいは水酸化物である請求項4または請求項5記載
の光学活性ビス金属アルコキシド錯体の合成方法(請求
項l0)であり、また、金属酸化物あるいは金属水酸化
物の金属がリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、ニッケル、銅、亜鉛、銀である請求項4または請
求項5記載の光学活性ビス金属アルコキシド錯体の合成
方法(請求項11)であり、また、一般式(6) RCHO (6) 〔式中、Rは置換基を有していても良いC1〜C10の
アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置
換基を有していても良いアラルキル基を示す。〕で表さ
れるアルデヒド類と一般式(7)
【0024】
【化20】
【0025】〔式中、A1、A2、A3、A4、A5はそれ
ぞれ独立して、水素原子、置換基を有していても良いC
1〜C10アルキル基、置換基を有していても良いアリ
ール基、置換基を有していても良いアラルキル基を示
し、mはホウ素原子、ケイ素原子、スズ原子、インジウ
ム原子を示し、B1はC1〜C6アルキル基、C1〜C
6アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、pは1から3の
整数を示す。〕で表される金属アリル化合物とを一般式
(1)
【0026】
【化21】
【0027】〔式中、Ra、Aは請求項1記載のものと
同じ意味を示す。〕であらわされる光学活性ビス金属ア
ルコキシド錯体の存在下に反応させることを特徴とす
る、一般式(8)
【0028】
【化22】
【0029】〔式中、R、A1からA5は前記と同じ意味
を示し、*’は不斉炭素を示す。〕で表される光学活性
ホモアリルアルコール類の製造方法である(請求項1
2)。
【0030】以下に本発明を詳細に説明する。一般式
(1)、(2)、(3)、(4)において、Raは、置
換基を有していても良いC1〜C6のアルキル基、置換
基を有していても良いアリール基、置換基を有していて
も良いアラルキル基を表わす。置換基を有していても良
いC1〜C6のアルキル基のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等;置換基を有していても良
いアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−
ナフチル基、2−ナフチル基等;置換基を有していても
良いアラルキル基のアラルキル基としてはベンジル基、
フェニルエチル基等を挙げることができる。
【0031】これらの基の置換基としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の
直鎖または分岐または環状のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−
ブトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐等のアル
コキシ基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等の
炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルケニル基;エチニ
ル基、2−プロピニル基等の炭素数1〜6の直鎖または
分岐のアルキニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2
−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエ
チル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基を挙げるこ
とができる。
【0032】一般式(1)、(2)、(5)において、
Aは下記式(A−1)〜(A−4)を表わす。
【0033】
【化23】
【0034】式(A−1)において、nは0または1〜
6の整数を表わし、*は軸不斉を表わし、Rbは、シア
ノ基、ハロゲン原子、置換基を有していても良いC1〜
C6アルキル基、置換基を有していても良いC1〜C6
アルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、
置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有し
ていても良いアラルキルオキシ基を表わす。Rbとして
は具体的に、シアノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等のC1〜C6の直鎖または分岐または環
状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C
6の直鎖または分岐等のアルコキシ基;フェニル基、1
−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;ベンジ
ル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基等のアラル
キル基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基を挙
げることができる。
【0035】これらの基の置換基としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の
直鎖または分岐または環状のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−
ブトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐等のアル
コキシ基を挙げることができる。
【0036】式(A−2)において、*は軸不斉を表わ
し、Rc,Rd,Reはそれぞれ独立して、水素原子、
ハロゲン原子、置換基を有していても良いC1〜C6ア
ルキル基、置換基を有していても良いC1〜C6アルコ
キシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基
を有していても良いアラルキル基、置換基を有していて
も良いアラルキルオキシ基を表わす。Rc,Rd,Re
としては具体的に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のC1〜C6の直鎖または分岐また
は環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1
〜C6の直鎖または分岐等のアルコキシ基;フェニル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基等の
アラルキル基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ
基を挙げることができる。
【0037】これらの基の置換基としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の
直鎖または分岐または環状のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−
ブトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐等のアル
コキシ基を挙げることができる。
【0038】また、RcとRdは一緒になって環を形成
しても良く、RcとRdが一緒になった基として具体的
には、−CH2CH2CH2−、−OCH2CH2−、−C
2CH2O−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2
2CH2O−、−OCH2CH2CH2−基等を挙げるこ
とができる。
【0039】式(A−3)において*’は不斉炭素を表
わし、R1は置換基を有していても良いC1〜C6アルキ
ル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を
有していても良いアラルキル基を表わす。R1としては
具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC1〜C
6の直鎖または分岐または環状のアルキル基;フェニル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基等の
アラルキル基を挙げることができる。
【0040】これらの基の置換基としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の
直鎖または分岐または環状のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−
ブトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐等のアル
コキシ基を挙げることができる。
【0041】式(A−4)において、*’は不斉炭素を
表わし、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子、
置換基を有していても良いC1〜C6アルキル基、置換
基を有していても良いアリール基、置換基を有していて
も良いアラルキル基を表わす。具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、
n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等のC1〜C6の直鎖または分岐
または環状のアルキル基;フェニル基、1−ナフチル
基、2−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェ
ニルエチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基;ベ
ンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基を挙げることが
できる。
【0042】これらの基の置換基としては、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の
直鎖または分岐または環状のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−
ブトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐等のアル
コキシ基を挙げることができる。
【0043】一般式(1)、(2)、(3)、(4)に
おいて、MはIIIA族原子、IVB族原子またはランタノ
イド原子を表わし、具体的には、チタン原子、ジルコニ
ウム原子、アルミニウム原子等を挙げることができる。
【0044】一般式(1)で表わさる化合物は以下の方
法で製造することが出来る。
【0045】製造方法1: 一般式(4) (RaO)3MX (4) 〔式中、Ra、M、Xは前記と同じ意味を示す。〕で表
される、金属アルコキシハロゲン化合物に金属酸化物あ
るいは金属水酸化物を作用させて得られる一般式(3) (RaO)3MOM(ORa)3 (3) 〔式中、Ra、Mは前記と同じ意味を示す。〕で表され
るビス金属アルコキシド化合物に一般式(5)
【0046】
【化24】
【0047】〔Aは前記と同じ意味を示す。〕で表され
る光学活性アルコールを作用させることにより、一般式
(1)
【0048】
【化25】
【0049】〔式中、Ra,A、Mは前記と同じ意味を
示す。〕で表される光学活性ビス金属アルコキシド錯体
を合成することが出来る。
【0050】まず、一般式(3)で表わされるビス金属
アルコキシド化合物を合成する工程において、一般式
(4)の金属アルコキシハロゲン化合物に対して、金属
酸化物は1/2から2モル等量、好ましくは1/2〜
1.5モル等量用い、金属水酸化物は1から3モル等
量、好ましくは1から2モル等量用いる。金属酸化物あ
るいは金属水酸化物としては、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、遷移金属の酸化物あるいは水酸化物が利用で
き、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、ニッケル、銅、亜鉛、銀の酸化物あるいは水酸化物
が好ましい。具体的には、酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化銅、酸化
銀などの金属酸化物、または水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の
金属水酸化物を挙げることができる。反応温度は、−7
8℃から使用する溶媒の沸点の範囲内に設定することが
できるが、−30℃〜室温が好ましい。反応時間は用い
る溶媒により変動するが、通常、10分〜24時間、好
ましくは30〜180分である。
【0051】次いで、一般式(3)のビス金属アルコキ
シド化合物に一般式(5)で表される光学活性ジオール
類を不活性溶媒中で作用させれば一般式(1)で表され
る金属アルコキシド錯体が得られる。光学活性ジオール
類は一般式(4)の金属アルコキシハロゲン化合物に対
し、1から2モル等量、好ましくは1から1.3モル等
量用いる。反応温度は、−78℃から使用する溶媒の沸
点の範囲内に設定することができるが、−30℃〜室温
が好ましい。反応時間は用いる溶媒により変動するが、
通常、10分〜24時間、好ましくは30〜180分で
ある。
【0052】反応溶媒としては、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメト
キシエタンなどのエーテル系溶媒が好ましい。
【0053】製造方法2: 一般式(4) (RaO)3MX (4) 〔式中、Ra、M、Xは前記と同じ意味を示す。〕で表
される、金属アルコキシハロゲン化合物に一般式(5)
【0054】
【化26】
【0055】〔式中、Aは請求項1記載のものと同じ意
味を示す。〕で表される光学活性アルコール類を作用さ
せ得られる式(2)
【0056】
【化27】
【0057】〔式中、Ra、A、Mは前記と同じ意味を
示す。〕で表される光学活性金属アルコキシハロゲン化
合物に金属酸化物あるいは金属水酸化物を作用させるこ
とにより一般式(1)で表される光学活性ビス金属アル
コキシド錯体を合成することができる。
【0058】光学活性金属アルコキシハロゲン化合物に
対して、金属酸化物は1/2から2モル等量、好ましく
は1/2〜1.5モル等量用い、金属水酸化物は1から
3モル等量、好ましくは1から2モル等量用いる。金属
酸化物あるいは金属水酸化物としては、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、遷移金属の酸化物あるいは水酸化物
が利用でき、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、銀の酸
化物あるいは水酸化物が好ましい。具体的には、酸化ナ
トリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化銅、酸化銀などの金属酸化物、または水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム等の金属水酸化物を挙げることができ
る。反応温度は、−78℃から使用する溶媒の沸点の範
囲内に設定することができるが、−30℃〜室温が好ま
しい。反応時間は用いる溶媒により変動するが、通常、
10分〜24時間、好ましくは30〜180分とするこ
とがよい。反応溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシ
エタンなどのエーテル系溶媒が好ましい。
【0059】前記反応に用いる一般式(5)で表わされ
る光学活性アルコールとしては、ジメチル酒石酸、ジエ
チル酒石酸、ジプロピル酒石酸、ジイソプロピル酒石
酸、ジブチル酒石酸、ジ-tert-ブチル酒石酸、4,5-ビス
ジフェニルヒドロキシメチル-2,2- ジメチル-1,3- ジオ
キソラン、4,5-ビス(ジ-4- トリル)ヒドロキシメチル
-2,2- ジメチル-1,3- ジオキソラン、4,5-ビス(ジ-3,5
- キシリル)ヒドロキシメチル-2,2- ジメチル-1,3- ジ
オキソラン、4,5-ビスジフェニルヒドロキシメチル-2-
メチル-2- フェニル-1,3- ジオキソラン、4,5-ビスジフ
ェニルヒドロキシメチル-2,2- ジフェニル-1,3- ジオキ
ソラン、1,1'- ビ-2- ナフトール、6,6'-ジシアノ-1,1'
-ビ-2- ナフトール、6,6'- ジブロモ-1,1'-ビ-2- ナフ
トール、5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ-2,2'-ビナ
フトール、4,4',6,6'-テトラメチル-5,5'-ジクロロ-2,
2'-ビフェノール、6,6'- ジメトキシ-2,2'-ビフェノー
ル、4,4',5,5',6,6'- ヘキサメチル-2,2'-ビフェノー
ル、6,6'- ジメチル-2,2'-ビフェノール、4,5-ビス(ジ
ナフチル)ヒドロキシメチル-2,2- ジメチル-1,3- ジオ
キソラン、6,6'- ジ(トリフルオロメチル)-2,2'-ビフ
ェノール、4,4',6,6'-テトラメトキシ-2,2'-ビフェノー
ル、、1,1'- ビ-2- ナフトール、6,6'- ジブロモ-1,1'-
ビ-2- ナフトール、オクタヒドロ-1,1'-ビ-2- ナフトー
ル、テトラメチル-5,5'-ジクロロ-2,2'-ビフェノール、
6,6'- ジメトキシ-2,2'-ビフェノール、ヘキサメチル-
2,2'-ビフェノール、6,6'- ジメチル-2,2'-ビフェノー
ル等を例示することができる。
【0060】上記の方法で合成することのできる一般式
(1)、一般式(2)、一般式(3)で表わされる化合
物をそれぞれ、第1表、第2表、第3表に示す。表中、
Phはフェニル基、Meはメチル基、iPrはイソプロ
ピル基を表わす。
【0061】
【表101】
【0062】
【表102】
【0063】
【表103】
【0064】
【表201】
【0065】
【表301】
【0066】本発明の一般式(1)で表わされる光学活
性ビス金属アルコキシド錯体は、不斉アリル化反応に用
いることができる。具体的には、下記の反応の触媒とし
て使用することができる。
【0067】
【化28】 一般式(7)、(8)中、A1、A2、A3、A4、A5
それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していても良
いC1〜C10アルキル基、置換基を有していても良い
アリール基、置換基を有していても良いアラルキル基を
示す。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s
−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s−ペン
チル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシ
ル基、s−ヘキシル基、1,1−ジメチル−n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−デシル基、シクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の炭素数1〜
10の直鎖または分岐または環状のアルキル基;フェニ
ル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントラ
セニル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル
基、ナフチルメチル基等のアラルキル基を挙げることが
できる。
【0068】これらの基の置換基としては、ヒドロキシ
ル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等
のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の
炭素数1〜6の直鎖または分岐または環状のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−
ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖ま
たは分岐等のアルコキシ基、ビニル基、アリル基、イソ
プロペニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアル
ケニル基;エチニル基、2−プロピニル基等の炭素数1
〜6の直鎖または分岐のアルキニル基;フェニル基、1
−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;ベンジ
ル基、フェニルエチル基等のアラルキル基を挙げること
ができる。
【0069】mはホウ素原子、ケイ素原子、スズ原子ま
たはインジウム原子を示し、pは1から3の整数を示
す。
【0070】B1は、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等の直鎖または分岐または環状のC1〜C
6アルキル;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6の
直鎖または分岐等のアルコキシ基を示す。
【0071】一般式(6)、(8)において、Rは置換
基を有していても良いC1〜C10のアルキル基、置換
基を有していても良いアリール基、置換基を有していて
も良いアラルキル基、置換基を有していても良い複素環
基を示す。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、s−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s
−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−
ヘキシル基、s−ヘキシル基、1,1−ジメチル−n−
ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−デシル基、シクロプ
ロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の炭素
数1〜10の直鎖または分岐または環状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等のC2〜C1
0の直鎖または分岐のアルケニル基;エチニル基、2−
プロピニル基等のC2〜C10の直鎖または分岐のアル
キニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル
基、9−アントラセニル基等のアリール基;ベンジル
基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基等のアラルキ
ル基;フリル、チエニル、ピリジル等の複素環基を挙げ
ることができる。
【0072】これらの基の置換基としては、ヒドロキシ
ル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等
のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の
炭素数1〜6の直鎖または分岐または環状のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−
ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖ま
たは分岐等のアルコキシ基、ビニル基、アリル基、イソ
プロペニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアル
ケニル基;エチニル基、2−プロピニル基等の炭素数1
〜6の直鎖または分岐のアルキニル基;フェニル基、1
−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;ベンジ
ル基、フェニルエチル基等のアラルキル基を挙げること
ができる。
【0073】不斉アリル化反応は次のように行うことが
出来る。一般式(1)で表される光学活性ビス金属アル
コキシド錯体の不活性溶媒溶液に、一般式(6)で表わ
されるアルデヒド化合物と一般式(7)で表されるアリ
ル化合物を作用させることで、一般式(8)で表される
ホモアリル化合物を得ることができる。アルデヒド化合
物とアリル化合物は光学活性ビス金属アルコキシド錯体
の5〜1,000倍モル、好ましくは10〜100倍モ
ル量用いる。不活性溶媒としてはベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素系、ヘキサン、アイソパーE等の炭化
水素系、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン
等の塩素系、THF、ジエチルエーテル等のエーテル系
溶媒を挙げることができ、アルデヒド化合物の等倍〜1
00倍量(v/w)好ましくは5〜20倍使用する。反
応温度は−100℃〜溶媒の沸点、好ましくは−78℃
〜室温であり、反応時間は1〜48時間好ましくは2〜
18時間である。また、一般式(1)で表される光学活
性ビス金属アルコキシド錯体は単離することなく、調製
した溶液をそのまま使用することも可能である。
【0074】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説
明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではな
い。以下の実施例において、iPrはイソプロピル基、
Phはフェニル基を表わす。
【0075】実施例1 塩化メチレン2mlにTiCl4(0.1mmol)を
加え攪拌させた溶液に、Ti(OiPr)4(88μl、
0.3mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で加えた
後、室温まで戻した。一時間後、酸化銀(46.4m
g、0.2mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。
反応混合物に塩化メチレン4mlを加えて希釈した後、
(S)−BINOL(114.5mg、0.4mmo
l)を室温で加えた。2時間後反応混合物を−15℃ま
で冷却し、PhCH2CH2CHO(263μl、2.0
mmol)とアリルトリブチルスズ(682μl、2.
2mmol)を順次−15℃で加えた。反応物の温度を
0℃にし、4時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウムで
反応をクエンチさせ、塩化メチレンで抽出した。抽出物
を硫酸ナトリウムで脱水し、抽出溶媒をエバポレーショ
ンで除き、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:エーテル/ヘキサン=1/4)で精製し、無色の粘
性オイル状の化合物として(R)−1−フェニル−5−
ヘキセン−3−オール(296.1mg、99%ee、
収率84%)を得た。絶対配置と光学純度は、HPLC
で決定した(光学カラム:DAICEL Chiralcel OD-H、移
動相:イソプロパノール/ヘキサン=1/20、流速:
0.5 mL/min、保持時間 :(S体)16.9分(R
体)24.97分)。
【0076】[(iPrO)3Ti]2Oの物性値1 H NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.27 (s, br, TiOCHCH 3, 18H), 1.33 (s, br, TiOCHC
H 3, 18H), 4.51 (br, s,TiOCHCH3, 3H), 4.94 (br, s,
TiOCHCH3, 3H)
【0077】下記化合物の物性値
【化29】
【0078】1H NMR(400MHz, CDCl3) δ(pp
m): 1.17 (s, br, TiOCHCH 3 and HOCH(CH 3)2, 36H), 2.11
(s, br, HOCH(CH3)2, 4H), 4.01 (s, br, HOCH(CH3)2,
4H), 4.92 (s, br, TiOCHCH3, 2H), 6.35-8.00(m, Ar-
H, 24H)
【0079】実施例2 実施例1においてPhCH2CH2CHOの代わりに下記
化合物を用いた場合のアリルアルコールの収率と光学純
度を第4表に示した。同様の条件で、触媒を変えた場合
の比較例もあわせて示した。
【0080】
【表401】
【0081】
【発明の効果】本発明は、医農薬品の合成に有用な不斉
アリル化反応において、高活性で、エナンチオ選択性に
優れた安価な不斉誘起触媒を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 33/30 C07C 33/30 33/48 33/48 C07D 307/44 C07D 307/44 // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4C037 HA06 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC20A BC38A BC41A BC50A BC50B BE06A BE06B BE36A BE36B CB25 CB61 DA02 FA01 4H006 AA02 AB84 AC21 AC41 AC81 BA08 BA10 BA32 FC52 FC74 FC76 FE11 FE73 FE76 4H039 CA60 CD90 CF30 4H049 VN05 VN06 VN07 VP02 VQ20 VQ21 VQ78 VQ92 VR43 VS21 VT03 VT04 VT05 VT06 VT16 VT22 VT23 VU33 VU36

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、Raは置換基を有していても良いC1〜C6ア
    ルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換
    基を有していても良いアラルキル基を示し、Aは下記式
    (A−1)から(A−4)を表わす。 【化2】 (式中、Rbは、ハロゲン原子、置換基を有していても
    良いC1〜C6アルキル基、置換基を有していても良い
    C1〜C6アルコキシ基、置換基を有していても良いア
    リール基、置換基を有していても良いアラルキル基、置
    換基を有していても良いアラルキルオキシ基を表わし、
    nは0または1から6の整数であり、nが2以上の場合
    は、Rbは同一でも相異なっていても良い。Rc、R
    d、Reは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原
    子、置換基を有していても良いC1〜C6アルキル基、
    置換基を有していても良いC1〜C6アルコキシ基、置
    換基を有していても良いアリール基、置換基を有してい
    ても良いアラルキル基、置換基を有していても良いアラ
    ルキルオキシ基を示し、RcとRdは一緒になって環を
    形成してもよい。R1は置換基を有していても良いC1〜
    C6アルキル基、置換基を有していても良いアリール
    基、置換基を有していても良いアラルキル基を表わす。
    R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を
    有していても良いC1〜C6アルキル基、置換基を有し
    ていても良いアリール基、置換基を有していても良いア
    ラルキル基を表わす。MはIIIA族原子、IVB族原子ま
    たはランタノイド原子を表わし、*は軸不斉を表わし、
    *’は不斉炭素を表わす。〕で表される光学活性ビス金
    属アルコキシド錯体。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化3】 〔式中、Ra、A、Mは請求項1記載のものと同じ意味
    を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表される光学活
    性金属アルコキシド錯体。
  3. 【請求項3】 一般式(3) (RaO)3MOM(ORa)3 (3) 〔式中、Ra、Mは請求項1記載のものと同じ意味を示
    す。〕で表されるビス金属アルコキシド化合物。
  4. 【請求項4】一般式(4) (RaO)3MX (4) 〔式中、Ra、M、Xは請求項1記載のものと同じ意味
    を示す。〕で表される、金属アルコキシハロゲン化合物
    に金属酸化物あるいは金属水酸化物を作用させて得られ
    る一般式(3) (RaO)3MOM(ORa)3 (3) 〔式中、Ra、Mは前記と同じ意味を示す。〕で表され
    るビス金属アルコキシド化合物に一般式(5) 【化4】 〔Aは請求項1記載のものと同じ意味を示す。〕で表さ
    れる光学活性アルコールを作用させることを特徴とする
    一般式(1) 【化5】 〔式中、Ra,A、Mは請求項1記載のものと同じ意味
    を示す。〕で表される光学活性ビス金属アルコキシド錯
    体の合成方法。
  5. 【請求項5】 一般式(4) (RaO)3MX (4) 〔式中、Ra、M、Xは請求項1記載のものと同じ意味
    を示す。〕で表される、金属アルコキシハロゲン化合物
    に一般式(5) 【化6】 〔式中、Aは請求項1記載のものと同じ意味を示す。〕
    で表される光学活性アルコール類を作用させ得られる式
    (2) 【化7】 〔式中、Ra、A、Mは前記と同じ意味を示す。〕で表
    される光学活性金属アルコキシハロゲン化合物に金属酸
    化物あるいは金属水酸化物を作用させることを特徴とす
    る一般式(1) 【化8】 〔式中、Ra,A、Mは請求項1記載のものと同じ意味
    を示す。〕で表される光学活性ビス金属アルコキシド錯
    体の合成方法。
  6. 【請求項6】 Mがチタン原子またはジルコニウム原子
    である請求項1記載の光学活性ビス金属アルコキシド錯
    体。
  7. 【請求項7】 Mがチタン原子またはジルコニウム原子
    である請求項2記載の光学活性金属アルコキシド錯体。
  8. 【請求項8】 Mがチタン原子またはジルコニウム原子
    である請求項3記載のビス金属アルコキシド化合物。
  9. 【請求項9】 Mがチタン原子またはジルコニウム原子
    である請求項4または請求項5記載の光学活性ビス金属
    アルコキシド錯体の合成方法。
  10. 【請求項10】 金属酸化物あるいは金属水酸化物がア
    ルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属の酸化物ある
    いは水酸化物である請求項4または請求項5記載の光学
    活性ビス金属アルコキシド錯体の合成方法。
  11. 【請求項11】 金属酸化物あるいは金属水酸化物の金
    属がリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、
    ニッケル、銅、亜鉛、銀である請求項4または請求項5
    記載の光学活性ビス金属アルコキシド錯体の合成方法。
  12. 【請求項12】一般式(6) RCHO (6) 〔式中、Rは置換基を有していても良いC1〜C10の
    アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置
    換基を有していても良いアラルキル基を示す。〕で表さ
    れるアルデヒド類と一般式(7) 【化9】 〔式中、A1、A2、A3、A4、A5はそれぞれ独立し
    て、水素原子、置換基を有していても良いC1〜C10
    アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置
    換基を有していても良いアラルキル基を示し、mはホウ
    素原子、ケイ素原子、スズ原子、インジウム原子を示
    し、B1はC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキ
    シ基、ハロゲン原子を示し、pは1から3の整数を示
    す。〕で表される金属アリル化合物とを一般式(1) 【化10】 〔式中、Ra、Aは請求項1記載のものと同じ意味を示
    す。〕であらわされる光学活性ビス金属アルコキシド錯
    体の存在下に反応させることを特徴とする、一般式
    (8) 【化11】 〔式中、R、A1からA5は前記と同じ意味を示し、*’
    は不斉炭素を示す。〕で表される光学活性ホモアリルア
    ルコール類の製造方法。
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JP2010215513A (ja) * 2009-03-12 2010-09-30 Japan Science & Technology Agency α付加型アリル化反応による選択的ホモアリルアルコール誘導体の製造法
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