JP2003277334A - カチオン性界面活性剤、及び、その製造方法 - Google Patents

カチオン性界面活性剤、及び、その製造方法

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JP2003277334A JP2002078273A JP2002078273A JP2003277334A JP 2003277334 A JP2003277334 A JP 2003277334A JP 2002078273 A JP2002078273 A JP 2002078273A JP 2002078273 A JP2002078273 A JP 2002078273A JP 2003277334 A JP2003277334 A JP 2003277334A
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ester
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Kunihiko Kanae
邦彦 金江
Junji Ono
淳二 小野
Fusao Kondo
房男 近藤
Yoshiro Tanaka
嘉郎 田中
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第4級アンモニウムアルキル硫酸塩等の成分
の溶け残りが無く、均質で、溶解性、取り扱い性に優れ
るカチオン性界面活性剤を、製造装置等への付着物の発
生無く、効率的に製造するカチオン性界面活性剤の製造
方法等の提供。 【解決手段】 アルカノールアミンエステル及びジアル
キル硫酸を無溶媒で反応させることにより、式(1)、
式(2)及び式(3)の少なくともいずれかで表される
第4級アンモニウムアルキル硫酸塩を得た後、アルコー
ル系溶剤を配合することにより、前記第4級アンモニウ
ムアルキル硫酸塩の希釈物を得るカチオン性界面活性剤
の製造方法であって、前記希釈物の温度を、前記アルコ
ール系溶剤を配合する前の、前記第4級アンモニウムア
ルキル硫酸塩の凝固点より高くすることを特徴とするカ
チオン性界面活性剤の製造方法等。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第4級アンモニウ
ムアルキル硫酸塩等の成分の溶け残りが無く、均質で、
溶解性、取り扱い性に優れ、特に、衣料用柔軟剤基材と
して好適なカチオン性界面活性剤、及び、該カチオン性
界面活性剤の効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣料用柔軟材の基材としては、1
分子中に2個の長鎖アルキル基を有するジアルキル第4
級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤が使用され
ている。しかし、基材自体の生分解性が遅いという問題
から、より生分解性の良好なエステル結合を有するカチ
オン性界面活性剤が使用されてきている。
【0003】これらのカチオン性界面活性剤は、先ず、
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、及
び、3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プロピ
レングリコ−ル等を、長鎖脂肪酸或いは脂肪酸メチルで
アシル化し、中間体のアルカノ−ルアミンエステルを合
成した後、塩化メチル、ジメチル硫酸、及び、ジエチル
硫酸等の4級化剤を用い、4級化反応によってカチオン
化合物へ転換する方法等により得られ、柔軟剤原料とし
て好適に利用される。
【0004】前記4級化反応では、反応の進行と共に高
粘度の擬塑性流体へと変化していくため、この物性変化
が製造上大きな問題とされていた。このため、塩化メチ
ルによる4級化反応では、通常、原料であるアルカノー
ルアミンエステルを、アルコール系溶剤で希釈すること
により高粘度化を回避している。しかし、塩化メチルは
4級化剤としての反応性が低く、副反応としてアルカノ
ールアミンエステルの塩酸塩が多量に生ずるため、品質
低下を招くという問題があった。特に、トリエタノール
アミンから誘導されるアルカノールアミンエステルの4
級化反応においては反応率が不充分であるため、4級化
剤としては、一般的に、ジメチル硫酸等のジアルキル硫
酸が使用されている。
【0005】しかし、ジメチル硫酸やジエチル硫酸等の
ジアルキル硫酸は、4級化剤としての反応性が高いた
め、4級化反応は問題無く進行するものの、アルコール
系溶剤との副反応によりモノアルキル硫酸塩等の副反応
物が生成してしまう。したがって、副生物を抑制するた
めには無溶媒で4級化反応を行う必要があることから、
高粘度化を溶剤希釈によって回避する方法を採ることは
できなかった。
【0006】無溶媒で4級化反応を行うことにより得ら
れる第4級アンモニウムアルキル硫酸塩は、ペースト状
の高粘度擬塑性流体であり、凝固点以上において流動性
を示すものの、固体的な性質の強い粘弾性物質としての
性質を有する。一方、均一にアルコール系溶剤で希釈さ
れた希釈物は、低粘度でほぼニュートン流体とみなせる
流体特性を有し、凝固点も低下する。
【0007】ジメチル硫酸やジエチル硫酸を使用し、無
溶媒で4級化反応を行う方法としては、特開平7−31
6124号公報において開示されており、溶媒を使用し
ないことによる経済性及び環境面の利点が述べられてい
る。
【0008】しかし、第4級アンモニウムアルキル硫酸
塩は常温で固体であり、また凝固点以上の温度において
も、一般的な取り扱い温度(100℃以下)では、数ポ
イズ〜数十ポイズの粘度を示すペースト状の擬塑性流体
となる。したがって、衣料用柔軟剤基材等として使用す
る場合には、微細な粒子径を持つ第4級アンモニウムア
ルキル硫酸塩の乳化物や縣濁物として、その他の添加剤
との混合及び乳化剤による乳化を行う必要があることか
ら、使用性及び保存性を考慮すると、溶媒による希釈無
しで第4級アンモニウムアルキル硫酸塩を使用すること
は、現実的な方法とは言えず問題があった。
【0009】無溶媒で4級化反応を行うことにより得ら
れる第4級アンモニウムアルキル硫酸塩を、溶媒希釈す
る過程は、機械的攪拌によって瞬時に均一混合が起こる
通常の液−液混合とは異なり、ペーストが機械的攪拌に
よって微細化され、微細化されたペーストの界面におい
てゆっくりと相互溶解が起こる固液混合にむしろ近いも
のとなる。
【0010】特開2001−181973号公報では、
無溶媒で4級化反応を行った後、続けて反応槽内に溶剤
としてエタノールを滴下し希釈を行う技術が開示されて
いる。この場合、希釈を行うには、溶解速度の点から、
より高温で希釈を行う方が有利である。しかし、反応槽
への滴下による希釈法では、滴下した溶剤が上層に分離
し易く、溶解に必要な時間が長くなる。したがって、反
応槽を密閉する場合には圧力が上昇するという問題があ
り、反応槽を開放する場合には蒸発により溶剤のロスが
大きいという問題があった。このため、溶解に長時間必
要とされると共に、希釈温度が制約されるという問題が
あった。
【0011】また、前記無溶媒で4級化反応を行って得
られる無溶媒4級化物は、高粘度擬塑性流体であるた
め、攪拌による流動状態は層流となる。したがって、反
応槽内で希釈を行う場合には、機械的なせん断力のかか
りにくい槽壁、攪拌軸、及び、邪魔板部等に高粘度物と
して付着し易く、溶剤を加えても容易に溶解せず、溶け
残りが生じてしまうという問題があった。更に、反応槽
内で溶剤希釈を行った場合、希釈溶剤が次バッチへ混入
すると、前述したように、モノアルキル硫酸塩が副生す
るという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、第4級アンモニウムアルキ
ル硫酸塩等の成分の溶け残りが無く、均質で、溶解性、
取り扱い性に優れるカチオン性界面活性剤、及び、製造
装置等への付着物が無く、効率的な、前記カチオン性界
面活性剤の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 少なくとも、アルカノールアミンエステル及び
ジアルキル硫酸を無溶媒で反応させることにより、式
(1)、式(2)及び式(3)の少なくともいずれかで
表される第4級アンモニウムアルキル硫酸塩(以下、
「4級化物」と称することがある。)を得た後、アルコ
ール系溶剤を配合することにより、前記4級化物の希釈
物を得るカチオン性界面活性剤の製造方法であって、前
記希釈物の温度を、前記アルコール系溶剤を配合する前
の、前記4級化物の凝固点より高くすることを特徴とす
るカチオン性界面活性剤の製造方法である。 式(1)
【0014】
【化4】 式(2)
【0015】
【化5】
【0016】式(1)及び(2)において、nは1又は
2の数である。R、R及びRは、各々独立に、−
OCOR基及び−OH基の少なくともいずれかであ
り、同一分子内に少なくとも−OCOR基を一つ有す
る。Rは、炭素数7〜23のアルキル基及びアルケニ
ル基の少なくともいずれかである。 式(3)
【0017】
【化6】
【0018】式(3)において、nは1又は2の数であ
る。R及びRは、メチル基及びエチル基の少なくと
もいずれかである。R及びRは、炭素数7〜23の
アルキル基及びアルケニル基の少なくともいずれかであ
る。
【0019】<2> アルコール系溶剤の配合が、せん
断力を利用する混合器により連続して行われる前記<1
>に記載のカチオン性界面活性剤の製造方法である。 <3> 混合器が、駆動部の回転によるせん断力を利用
するホモミキサー、渦巻ポンプ、及び、分割・反転機能
を備えた管型混合器の少なくともいずれかである前記<
2>に記載のカチオン性界面活性剤の製造方法である。 <4> アルコール系溶剤が、エタノール、及び、イソ
プロパノールの少なくともいずれかである前記<1>か
ら<3>のいずれかに記載のカチオン性界面活性剤の製
造方法である。 <5> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載のカチオ
ン性界面活性剤の製造方法により得られたことを特徴と
するカチオン性界面活性剤である。
【0020】前記<1>に記載のカチオン性界面活性剤
の製造方法は、アルカノールアミンエステル及びジアル
キル硫酸を無溶媒で反応させることにより、前記式
(1)、式(2)及び式(3)の少なくともいずれかで
表される4級化物を得た後、アルコール系溶剤を配合す
ることにより、前記4級化物の希釈物を得る。このと
き、希釈物の温度を、前記アルコール系溶剤を配合する
前の、前記4級化物の凝固点より高く設定する。該4級
化物は、ペースト状で高粘度擬塑性流体物性を有し、前
記アルコール系溶剤を配合する過程は固−液混合に近
い。したがって、前記希釈物の温度を、該アルコール系
溶剤を配合する前の、前記4級化物の凝固点より高く設
定することにより、4級化物等の溶け残りが無く、均質
で、溶解性、取り扱い性に優れるカチオン性界面活性剤
を、製造装置等に付着物等を発生させること無く、短時
間で効率的に得ることができる。
【0021】前記<2>に記載のカチオン性界面活性剤
の製造方法は、前記<1>において、アルコール系溶剤
の配合が、せん断力を利用する混合器により連続して行
われる。したがって、ペースト状で高粘度擬塑性流体物
性を有する4級化物に、均一にせん断力をかけることが
でき、4級化物等の溶け残りが無く、均質で、溶解性、
取り扱い性に優れるカチオン性界面活性剤を、製造装置
等に付着物等を発生させること無く、より短時間で効率
的に得ることができる。
【0022】前記<3>に記載のカチオン性界面活性剤
の製造方法は、前記<2>において、混合器が、駆動部
の回転によるせん断力を利用するホモミキサー、渦巻ポ
ンプ、及び、分割・反転機能を備えた管型混合器の少な
くともいずれかである。したがって、ペースト状で高粘
度擬塑性流体物性を有する前記4級化物に、均一にかつ
効率的にせん断力をかけることができ、4級化物等の溶
け残りが無く、均質で、溶解性、取り扱い性に優れるカ
チオン性界面活性剤を、製造装置等に付着物等を発生さ
せること無く、極めて短時間で効率的に得ることができ
る。
【0023】前記<4>に記載のカチオン性界面活性剤
の製造方法は、前記<1>から<3>のいずれかにおい
て、アルコール系溶剤が、エタノール、及び、イソプロ
パノールの少なくともいずれかである。したがって、ペ
ースト状で高粘度擬塑性流体物性を有する4級化物に、
効率的に、優れた取り扱い性を付与できる。前記<5>
に記載のカチオン性界面活性剤は、前記<1>から<4
>のいずれかに記載のカチオン性界面活性剤の製造方法
により得られる。したがって、4級化物等の成分の溶け
残りが無く、均質で、溶解性、取り扱い性に優れる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [カチオン性界面活性剤の製造方法]本発明のカチオン
性界面活性剤の製造方法は、少なくとも、アルカノール
アミンエステル及びジアルキル硫酸を無溶媒で反応させ
ることにより、式(1)、式(2)及び式(3)の少な
くともいずれかで表される第4級アンモニウムアルキル
硫酸塩を得た後、アルコール系溶剤を配合することによ
り、前記第4級アンモニウムアルキル硫酸塩の希釈物を
得る。 式(1)
【0025】
【化7】 式(2)
【0026】
【化8】
【0027】式(1)及び(2)において、nは1又は
2の数である。R、R及びRは、各々独立に、−
OCOR基及び−OH基の少なくともいずれかであ
り、同一分子内に少なくとも−OCOR基を一つ有す
る。Rは、炭素数7〜23のアルキル基及びアルケニ
ル基の少なくともいずれかである。 式(3)
【0028】
【化9】
【0029】式(3)において、nは1又は2の数であ
る。R及びRは、メチル基及びエチル基の少なくと
もいずれかである。R及びRは、炭素数7〜23の
アルキル基及びアルケニル基の少なくともいずれかであ
る。
【0030】−アルカノールアミンエステル− 前記アルカノールアミンエステルとしては、前記ジアル
キル硫酸と無溶媒で反応させることにより、前記式
(1)〜式(3)の少なくともいずれかで表される4級
化物が得られれば特に制限はなく、公知の各種の方法に
より得られる公知のアルカノールアミンエステルが総て
好適に挙げられる。前記アルカノールアミンエステルと
しては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタ
ノールアミン、及び、3−(N,N−ジメチルアミノ)
−1,2−プロピレングリコール等のアルカノールアミ
ンと、脂肪酸類とのアシル化反応により得られる化合物
等が挙げられる。該脂肪酸類としては、長鎖脂肪酸や脂
肪酸アルキルエステル等が好ましく、具体的には、炭素
数が8〜24(好ましくは、炭素数が10〜18)の飽
和脂肪酸、不飽和脂肪酸、及び、これらの低級アルキル
(好ましくは、炭素数が1〜3、より好ましくは炭素数
1(メチル))エステル等が好ましく、動植物油脂から
得られるものがより好ましい。該動植物油脂としては、
特に制限はないが、例えば、牛脂、パーム油、パーム核
油、ヤシ油、及び、大豆油等が挙げられる。これらの動
植物油脂から得られる脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエ
ステルは、天然のアルキル鎖組成そのままで使用しても
よく、分留して単一アルキル鎖として、又は、所定のア
ルキル分布となるように再混合して混合アルキル鎖を持
つものとして使用してもよい。更に、これらの脂肪酸類
は、4級化物の色調、臭気、柔軟剤として使用した際の
性能向上等のために、アルキル鎖中の不飽和結合を一部
又は総て水素添加したものを使用するのが好ましい。
【0031】前記アルカノールアミンエステルの合成方
法としては、例えば、特開2001−181973号公
報に記載された方法等が挙げられる。前記アルカノール
アミンエステルとしては、具体的には、下記(1)〜
(35)に記載のものが好適に挙げられる。
【0032】メチルジエタノールアミンエステル類; (1)メチルジエタノールアミンモノラウレートエステ
ル (2)メチルジエタノールアミンモノミリステートエス
テル (3)メチルジエタノールアミンモノパルミテートエス
テル (4)メチルジエタノールアミンモノステアレートエス
テル (5)メチルジエタノールアミンモノオレエートエステ
ル (6)メチルジエタノールアミンジラウレートエステル (7)メチルジエタノールアミンジミリステートエステ
ル (8)メチルジエタノールアミンジパルミテートエステ
ル (9)メチルジエタノールアミンジステアレートエステ
ル (10)メチルジエタノールアミンジオレエートエステ
【0033】トリエタノールアミンエステル類; (11)トリエタノールアミンモノラウレートエステル (12)トリエタノールアミンモノミリステートエステ
ル (13)トリエタノールアミンモノパルミテートエステ
ル (14)トリエタノールアミンモノステアレートエステ
ル (15)トリエタノールアミンモノオレエートエステル (16)トリエタノールアミンジラウレートエステル (17)トリエタノールアミンジミリステートエステル (18)トリエタノールアミンジパルミテートエステル (19)トリエタノールアミンジステアレートエステル (20)トリエタノールアミンジオレエートエステル (21)トリエタノールアミントリラウレートエステル (22)トリエタノールアミントリミリステートエステ
ル (23)トリエタノールアミントリパルミテートエステ
ル (24)トリエタノールアミントリステアレートエステ
ル (25)トリエタノールアミントリオレエートエステル
【0034】3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2
−プロピレングリコールエステル類;(26)3−
(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プロピレングリ
コールモノラウレートエステル (27)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールモノミリステートエステル (28)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールモノパルミテートエステル (29)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールモノステアレートエステル (30)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールモノオレエートエステル (31)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールジラウレートエステル (32)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールジミリステートエステル (33)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールジパルミテートエステル (34)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールジステアレートエステル (35)3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プ
ロピレングリコールジオレエートエステル
【0035】これらのアルカノールアミンエステルは、
1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0036】−ジアルキル硫酸− 前記ジアルキル硫酸としては、特に制限はないが、例え
ば、ジメチル硫酸、及び、ジエチル硫酸等が好適に挙げ
られる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0037】−アルカノールアミンエステル及びジアル
キル硫酸の反応− 前記アルカノールアミンエステル及びジアルキル硫酸の
反応は、無溶媒で行われる。したがって、副反応による
硫酸塩等の副生成物が少なく、色調が良好で、高品質の
カチオン性界面活性剤を効率的に得ることができる。
【0038】前記反応において、前記ジアルキル硫酸の
配合量としては、特に制限はないが、前記第アルカノー
ルアミンエステルに対し、0.93〜1.00当量が好
ましく、0.95〜1.00当量がより好ましく、0.
97〜0.99当量が更に好ましい。ジアルキル硫酸の
配合量が、前記アルカノールアミンエステルに対して当
量を超えると、色調低下及び不純物生成等の品質低下を
招くことがある。
【0039】前記反応においては、前記アルカノールア
ミンエステルに対し、前記ジアルキル硫酸を供給し反応
を行わせるのが好ましい。この場合、ジアルキル硫酸の
供給速度としては、特に制限はなく、一定速度でもよ
く、一定速度でなくてもよい。
【0040】−アルコール系溶剤の配合− 前記アルコール系溶剤の配合においては、前記アルカノ
ールアミンエステル及びジアルキル硫酸を無溶媒で反応
させて得た、前記4級化物に、アルコール系溶剤を配合
することにより、該4級化物の希釈物を得る。該アルコ
ール系溶剤の配合においては、希釈物の温度を、アルコ
ール系溶剤を配合する前の、前記4級化物の凝固点より
高く設定する。4級化物はペースト状で高粘度擬塑性流
体物性を有し、前記アルコール系溶剤を配合する過程は
固−液混合に近いことから、前記希釈物の温度を、該ア
ルコール系溶剤を配合する前の、前記4級化物の凝固点
より高く設定することにより、4級化物等の溶け残りが
無く、均質で、溶解性、取り扱い性に優れるカチオン性
界面活性剤を短時間で効率的に得ることができる。ここ
で、アルコール系溶剤を配合した際の、希釈による溶解
熱は、殆ど無視できる程度のものである。尚、4級化物
の凝固点は、アルコール系溶剤を配合すると低下するた
め、前記希釈物の温度を、アルコール系溶剤配合後の4
級化物における凝固点より高い温度に設定することも考
えられるが、配合過程で、希釈物の温度が、配合前の4
級化物の凝固点以下になると、ペースト状の4級化物の
表面が凝固し、溶解速度が著しく低下し、溶け残り発生
の原因となるため好ましくない。
【0041】前記アルコール系溶剤の配合においては、
例えば、図1に示す構成の混合装置を好適に使用するこ
とができる。図1において、混合装置100は、4級化
物を貯蔵する貯槽1と、アルコール系溶剤を貯蔵する貯
槽5と、混合器3と、4級化物供給ポンプ2と、アルコ
ール系溶剤供給ポンプ6と、希釈物貯槽4と、循環経路
9と、循環兼製品移送ポンプ7と、製品抜出口8と、を
有する。貯槽1及びアルコール系溶剤配合液貯槽4は、
各々攪拌機を有する。
【0042】混合装置100を用いて本発明のカチオン
性界面活性剤の製造方法を行った際の作用を以下に示
す。図1において、貯槽1に貯蔵されていた4級化物
は、4級化物供給ポンプ2により混合器3に連続的に供
給される。また、貯槽5に貯蔵されていたアルコール系
溶剤は、アルコール系溶剤供給ポンプ6により連続的に
混合器3に供給される。これにより、混合器3内で、4
級化物にアルコール系溶剤が連続的に配合され、4級化
物の希釈物が得られる。このとき、得られる希釈物の温
度を、アルコール系溶剤を配合する前の、4級化物の凝
固点より高く設定することにより、4級化物等の溶け残
りが無く、均質で、溶解性が高く、取り扱い性に優れる
カチオン性界面活性剤を得ることができる。混合器3で
得られた希釈物は、希釈物貯槽4において一時的に貯蔵
されると共に、循環兼製品移送ポンプ7によって、循環
経路9を通って循環され、再度混合器3内に供給され
る。したがって、混合装置100を用いることにより、
4級化物等の溶け残りが無く、均質で、溶解性、取り扱
い性に優れるカチオン性界面活性剤を連続的に、かつ、
効率的に得ることができる。また、4級化物等の溶け残
りが無いことから、混合装置100においても、混合器
3、循環経路9等への付着物が無い。
【0043】混合器3の態様としては、特に制限はない
が、より均質で溶解性等に優れるカチオン性界面活性剤
が得られる点で、せん断力を利用する混合器が好まし
く、例えば、駆動部の回転によるせん断力を利用するホ
モミキサー、渦巻ポンプ、及び、分割・反転機能を備え
た管型混合器等が特に好ましい。
【0044】循環経路9は、アルコール系溶剤配合液を
装置内で循環させることにより、更に均質で溶解性に優
れるカチオン性界面活性剤を得る目的で設けられてい
る。循環経路9における循環は、循環兼製品移送ポンプ
7により行われ、該循環は、4級化物を、貯槽1から供
給し終えた後に開始されてもよく、供給途中に開始され
てもよく、供給前から開始されてもよい。供給前から循
環を行う場合には、予めアルコール系溶剤又は全バッチ
の希釈物等を、必要量、循環経路9内や希釈物貯槽4内
に仕込んでおくのが好ましい。
【0045】尚、本発明のカチオン性界面活性剤の製造
方法において好適に使用可能な混合装置としては、混合
装置100の構成に何ら限定されるものではなく、本発
明のカチオン性界面活性剤の製造方法を実施可能な範囲
で、適宜設計変更可能である。
【0046】前記アルコール系溶剤としては、特に制限
はないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、エチレングリコール、及び、プロピレングリ
コール等が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使
用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】前記希釈物の温度を調節するには、前記4
級化物にアルコール系溶剤を配合する混合器自体に加熱
手段を設けてもよいが、簡便な点で、供給する4級化
物、アルコール系溶剤等の温度や、混合比率等を制御す
ることにより行うのが好ましい。
【0048】前記アルコール系溶剤を配合する際の、4
級化物の供給温度としては、4級化物の凝固点以上13
0℃以下が好ましく、該凝固点以上110℃以下がより
好ましく、凝固点以上95℃以下が更に好ましい。前記
供給温度が、130℃を超えると、着色等により品質低
下が生ずることがある。
【0049】前記アルコール系溶剤を配合する際の、ア
ルコール系溶剤の供給温度としては、凝固点以上沸点以
下であれば特に制限はないが、−5〜75℃が好まし
く、0〜50℃がより好ましく、室温程度が特に好まし
い。前記供給温度が低いと、4級化物が凝固してしまう
ことがある一方、該供給温度が高いと、蒸気圧が高くな
り、蒸発によるロスや可燃性蒸気の発生による危険性等
の問題があり、特別に加熱設備を設ける必要が生ずる。
【0050】また、前述したように、循環経路により循
環させる場合、循環させる希釈物の温度は、該希釈物の
凝固点以上沸点以下の温度であれば特に制限はないが、
蒸気発生の問題から、90℃以下が好ましく、80℃以
下がより好ましい。
【0051】前記アルコール系溶剤の、前記4級化物に
対する配合量としては、4級化物/アルコール系溶剤
(質量比)で、95/5〜60/40が好ましく、90
/10〜75/25がより好ましい。前記アルコール系
溶剤の配合量が、前記数値範囲に満たないと、安定性が
低下し、保管時に第4級アンモニウムアルキル硫酸塩等
の分離が生ずることがある一方、前記数値範囲を超える
と、有効成分である4級化物濃度が低くなり、保管、輸
送時のコスト等の点で不利となることがある。尚、前記
質量比は、アルコール系溶剤等の配合時に、混合器へ供
給する4級化物と希釈溶媒の流量比を制御することによ
り適宜調整することができる。
【0052】本発明において、前記アルコール系溶剤の
配合を、混合器により連続的に行う際のフローを図2に
示す。図2に示すように、アルコール系溶剤を配合し、
希釈する前の、4級化物(比熱:Cpx kcal/k
g℃)が温度Tx℃、流速Fx kg/h、アルコール
系溶剤(比熱Cpy kcal/kg℃)が温度Ty
℃、流速Fy kg/h、更に、循環経路を使用した場
合に、循環する希釈物(比熱Cpz kcal/kg
℃)が温度Tz℃、流速Fz kg/hで、混合器内に
供給されたとき、下記式(4)を満たす、混合器への各
供給温度Tx−Ty−Tzの直交座標系において、点
(Tf、Tf、Tf)を通り、(Cpx・Fx、Cpy
・Fy、Cpz・Fz)を法線ベクトルとする平面と、
アルコール系溶剤配合前4級化物の温度(Tx)上下限
値、アルコール系溶剤の温度(Ty)の上下限値、希釈
物の温度(Tz)の上下限値に囲まれる範囲で、Tf値
を、アルコール系溶剤を配合する前(希釈前)の4級化
物の凝固点とした範囲に設定することで、希釈物の温度
を、アルコール系溶剤を配合する前(希釈前)の4級化
物の凝固点以上とすることができる。Tf値としては、
溶解速度の点で、アルコール系溶剤を配合する前の、4
級化物の凝固点より5℃以上高い温度に設定するのが好
ましく、10℃以上高い温度に設定するのがより好まし
い。 式(4)
【0053】
【数1】
【0054】本発明においては、前記アルコール系溶剤
のほか、経日による臭気の発生や、色調の劣化を防止す
るため、更に、酸化防止剤やキレート剤を適宜配合して
もよい。これらの配合の方法としては、特に制限はな
く、希釈溶媒に混合して共に添加してもよく、希釈前後
に単独で添加してもよい。
【0055】[カチオン性界面活性剤]本発明のカチオ
ン性界面活性剤は、本発明の前記カチオン性界面活性剤
の製造方法により得られる。したがって、本発明のカチ
オン性界面活性剤においては、凝固点が高く、かつ、流
体にかかるせん断力の程度によって粘度特性が大きく変
化する高粘度擬塑性流体物性を有する無溶媒4級化物、
及び、低粘度で蒸気圧の高いアルコール系溶剤、の相反
する物性を有する成分が配合され、希釈による凝固点の
低下、液粘度の低下、及び、擬塑性流体からニュートン
流体への流体のレオロジー特性の変化により、製品とし
ての取り扱い性が著しく向上している。したがって、本
発明のカチオン性界面活性剤は、第4級アンモニウムア
ルキル硫酸塩等の成分の溶け残りが無く、均質で、溶解
性、取り扱い性に優れる。
【0056】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を更
に詳しく説明する。但し、本発明は、下記実施例に何ら
限定されるものではない。
【0057】<4級化物の合成>パーム脂肪酸メチルエ
ステル、及び、トリエタノールアミンのエステル交換反
応により、アルカノールアミンの脂肪酸エステルを合成
した。得られたアルカノールアミンの脂肪酸エステル
を、ジメチル硫酸を用い、4級化反応により4級化物を
得た。ここで、エステル交換反応及び4級化反応は、特
開平05−148198号公報、特開2001−181
244号公報等に記載の既知の方法により行った。具体
的には、以下に示す3通りの方法により、脂肪酸部のア
ルキル鎖組成の異なる4級化物を各々3種類(混合品、
C18品、C16品)合成した。
【0058】<<4級化物:混合品の作製>>アルカノ
ールアミンエステルの合成において、パーム油脂肪酸メ
チルエステルとして、ライオンオレオケミカル株式会社
製 パステルM16、M18、M182を、炭素鎖長分
布(重量基準)が、炭素鎖長16のもの(C16)と炭
素鎖長18のもの(C18)との比率(C16:C1
8)が1:4、C18中の飽和(C18F0)と不飽和
結合を一つ含有するもの(C18F1)との比率(C1
8F0:C18F1)が1:1、C18F1中のトラン
ス体とシス体との比(シス体:トランス体)が45:5
5に混合して使用した。シス体:トランス体の比率は、
パステルM182を常法に従い、ニッケル触媒存在下、
180〜220℃で水添処理しトランス体比率を高めた
ものを使用することで調製した。エステル交換反応は、
パーム油脂肪酸メチルエステル:トリエタノールアミン
が1.6:1(モル基準)で行い、得られたアルカノー
ルアミンエステルについてアミン価測定により求めた分
子量は575であった。更に、得られたアルカノールア
ミンに対し、0.98モル量のジメチル硫酸を加えて4
級化反応を行い、4級化物(混合品)を得た。
【0059】<<4級化物:C18品の作製>>アルカ
ノールアミンエステルの合成において、パーム油脂肪酸
メチルエステルとして、ライオンオレオケミカル株式会
社製 パステルM18(ステアリン酸メチルエステル含
有量99%以上)を使用した。エステル交換反応は、パ
ステルM18:トリエタノールアミン=1.45:1
(モル基準)で行い、得られたアルカノールアミンエス
テルについてアミン価測定により求めた分子量は548
であった。更に、得られたアルカノールアミンに対し
0.98モル量のジメチル硫酸を加えて4級化反応を行
い、4級化物(C18品)を得た。
【0060】<<4級化物:C16品の作製>>アルカ
ノールアミンエステルの合成において、パーム油脂肪酸
メチルエステルとして、ライオンオレオケミカル株式会
社製 パステルM16(パルミチン酸メチルエステル含
有量99%以上)を使用した。エステル交換反応はパス
テルM16:トリエタノールアミン=1.75:1(モ
ル基準)で行い、得られたアルカノールアミンエステル
についてアミン価測定により求めた分子量は593であ
った。更に、得られたアルカノールアミンに対し0.9
8モル量のジメチル硫酸を加えて4級化反応を行い、4
級化物(C16品)を得た。
【0061】−4級化物の凝固点の測定− 得られた各4級化物について、DSC測定器(理学電機
株式会社製 DSC8230D)により凝固点の測定を
行った。測定条件は、密封状態で降温速度は2.0℃/
分とした。各4級化物について、アルカノールアミンエ
ステルのモノエステル、ジエステル、トリエステル組
成、及び、その4級化物の未希釈品、エタノール希釈品
の凝固点を測定し、表1に示す。尚、アルカノールアミ
ンエステルの組成については、HPLCにより、塩化−
1−ヘキサデシルピリジニウム1水和物のグリセリン溶
液を内部標準とし、以下の測定条件で測定した。
【0062】−−HPLC測定条件−− ・カラム:カチオン交換カラム Nucleosil
100−5SA (GLサイエンス社製、4.6φ×2
50mm) ・カラム温度:38℃ ・溶離液:0.3wt/vol%−過塩素酸ナトリウム
+0.15wt/vol%−モノクロロ酢酸+メタノー
ル ・流速:1.0mL/min. ・検出器:RI(示差屈折率計) ・試料注入量:20μL
【0063】
【表1】
【0064】(実施例1) −カチオン性界面活性剤の製造− 図1に示した混合装置100を用い、貯槽1から、混合
品(4級化物)を165.0kg/hで、貯槽5から、
エタノールを29.1kg/hで、各々のポンプによ
り、混合器3に供給することにより、4級化物をエタノ
ールにより連続希釈し、希釈物(カチオン性界面活性
剤)を得た。混合器3としては、往復駆動ミキサー(島
崎製作所社製、パイプラインアジター(PL2B型:混
合室容積10L))を用いた。4級化物の供給温度は8
9℃、エタノールの供給温度は21℃であった。希釈物
の温度(連続希釈の定常時の混合器出口直後における温
度)は72℃であった。4級化物の希釈物中での濃度
は、85質量%であった。尚、混合装置100において
は、混合器3の出口直後には、希釈物を一部抜出し、4
級化物の溶解状態、希釈物の温度等を評価するための抜
出口が設けられている。また、希釈物貯槽4から希釈物
を抜き出し、混合器3上流へと戻す循環経路が設けられ
ており、循環により希釈物を再混合できる構成となって
いる。
【0065】−4級化物の溶解性評価− 混合器3の出口直後の抜出口から、希釈物の一部をサン
プリングし、500mLのメスシリンダーに注ぎ、下記
評価基準により、溶融状態を目視にて評価した。結果を
表2に示す。
【0066】<溶解評価基準(5段階目視による評価)
> ・5:溶け残りのない淡黄色透明液の状態である。 ・4:溶け残りはないが、白濁した状態である。 ・3:白濁し、ペースト状の塊が5個未満観察される状
態である。 ・2:白濁し、ペースト状の塊が5個以上観察される状
態である。 ・1:ほとんど溶解せず、上層に溶媒が分離して観察さ
れる状態である。
【0067】(実施例2)実施例1において、4級化物
の供給温度を80℃、エタノールの供給温度を19℃に
代えたほかは、実施例1と同様にしてカチオン性界面活
性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果を表2に
示す。 (実施例3)実施例1において、4級化物の供給温度を
69℃、エタノールの供給温度を20℃に代えたほか
は、実施例1と同様にしてカチオン界面活性剤を製造
し、同様にして評価を行った。結果を表2に示す。 (実施例4)実施例1において、4級化物の供給温度を
60℃に代えたほかは、実施例1と同様にしてカチオン
界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果を
表2に示す。 (実施例5)実施例1において、希釈溶媒であるアルコ
ールをイソプロパノールに代え、4級化物の供給温度を
70℃に代えたほかは、実施例1と同様にしてカチオン
界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果を
表2に示す。 (比較例1)実施例1において、4級化物の供給温度を
50℃に代え、エタノールの供給温度を20℃に代えた
ほかは、実施例1と同様にしてカチオン界面活性剤を製
造し、同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】(実施例6)実施例1において、混合器3
を渦巻ポンプ(丸八ポンプ製作所製:FIF27型)に
代え、4級化物の供給温度を70℃に代えたほかは、実
施例1と同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様
にして評価を行った。結果を表3に示す。
【0070】(実施例7)実施例6において、4級化物
の供給温度を60℃に代え、エタノールの供給温度を2
2℃に代えたほかは、実施例6と同様にしてカチオン性
界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果を
表3に示す。
【0071】(実施例8)実施例1において、混合器3
を静止型混合器(ケニックス社製:11/2B)に代
え、4級化物の供給温度を70℃に代えたほかは、実施
例1と同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様に
して評価を行った。結果を表3に示す。
【0072】(実施例9)実施例8において、4級化物
の供給温度を60℃に代え、エタノールの供給温度を1
9℃に代えたほかは、実施例8と同様にしてカチオン界
面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果を表
3に示す。
【0073】(比較例2)実施例1において、混合器3
を渦巻ポンプ(丸八ポンプ製作所製:FIF27型)に
代え、4級化物の供給温度を52℃に代え、エタノール
の供給温度を20℃に代えたほかは、実施例1と同様に
してカチオン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行
った。結果を表3に示す。
【0074】(比較例3)実施例1において、混合器3
を静止型混合器(ケニックス社製:11/2B)に代
え、4級化物の供給温度を52℃に代え、エタノールの
供給温度を20℃に代えたほかは、実施例1と同様にし
てカチオン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行っ
た。結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】(実施例10)実施例1において、混合器
3を渦巻ポンプ(丸八ポンプ製作所製:FIF27型)
に代え、4級化物供給速度を175.0kg/h、アル
コール供給速度を19.4kg/hとすることで希釈物
中での4級化物希釈濃度を90質量%とし、4級化物の
供給温度を75℃に代え、エタノールの供給温度を19
℃に代えたほかは、実施例1と同様にしてカチオン界面
活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果を表4
に示す。
【0077】(実施例11)実施例10において、4級
化物供給速度を146.0kg/h、アルコール供給速
度を48.5kg/hとすることで希釈物中での4級化
物希釈濃度を75質量%に代え、エタノールの供給温度
を20℃に代えたほかは、実施例10と同様にしてカチ
オン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結
果を表4に示す。
【0078】(実施例12)実施例10において、4級
化物供給速度を136.0kg/h、アルコール供給速
度を58.2kg/hとすることで希釈物中での4級化
物希釈濃度を70質量%に代えたほかは、実施例10と
同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして評
価を行った。結果を表4に示す。
【0079】(実施例13)実施例10において、4級
化物供給速度を117.0kg/h、アルコール供給速
度を77.6kg/hとすることで希釈物中での4級化
物希釈濃度を60質量%に代え、エタノールの供給温度
を21℃に代えたほかは、実施例10と同様にしてカチ
オン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結
果を表4に示す。
【0080】(比較例4)実施例10において、4級化
物供給速度を97.0kg/h、アルコール供給速度を
97.0kg/hとすることで希釈物中での4級化物希
釈濃度を50質量%に代えたほかは、実施例10と同様
にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして評価を
行った。結果を表4に示す。
【0081】
【表4】
【0082】(実施例14)実施例1において、混合器
3を渦巻ポンプ(丸八ポンプ製作所製:FIF27型)
に代え、4級化物の供給温度を60℃に代え、エタノー
ルの供給温度を40℃に代えたほかは、実施例1と同様
にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして評価を
行った。結果を表5に示す。
【0083】(実施例15)実施例14において、エタ
ノールの供給温度を30℃に代えたほかは、実施例14
と同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして
評価を行った。結果を表5に示す。
【0084】(実施例16)実施例14において、エタ
ノールの供給温度を25℃に代えたほかは、実施例14
と同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして
評価を行った。結果を表5に示す。
【0085】(実施例17)実施例14において、エタ
ノールの供給温度を10℃に代えたほかは、実施例14
と同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして
評価を行った。結果を表5に示す。
【0086】(比較例5)実施例14において、4級化
物供給速度を146.0kg/h、アルコール供給速度
を48.5kg/hとすることで希釈物中での4級化物
希釈濃度を75質量%に代え、エタノールの供給温度を
10℃に代えたほかは、実施例14と同様にしてカチオ
ン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果
を表5に示す。
【0087】
【表5】
【0088】(実施例18)実施例1において、4級化
物(混合品)を、4級化物(C18品)に代え、混合器
3として渦巻ポンプ(丸八ポンプ製作所製:FIF27
型)を用い、4級化物の供給温度を85℃に代え、エタ
ノールの供給温度を20℃に代えたほかは、実施例1と
同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして評
価を行った。結果を表6に示す。
【0089】(実施例19)実施例18において、4級
化物の供給温度を75℃に代え、エタノールの供給温度
を21℃に代えたほかは、実施例18と同様にしてカチ
オン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結
果を表6に示す。
【0090】(比較例6)実施例18において、4級化
物の供給温度を68℃に代え、エタノールの供給温度を
21℃に代えたほかは、実施例18と同様にしてカチオ
ン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果
を表6に示す。
【0091】(実施例20)実施例18において、4級
化物(C18品)を、4級化物(C16品)に代え、混
合器3を渦巻ポンプ(丸八ポンプ製作所製:FIF27
型)に代え、4級化物の供給温度を80℃に代え、エタ
ノールの供給温度を20℃に代えたほかは、実施例18
と同様にしてカチオン界面活性剤を製造し、同様にして
評価を行った。結果を表6に示す。
【0092】(比較例7)実施例20において、4級化
物の供給温度を70℃に代え、エタノールの供給温度を
21℃に代えたほかは、実施例20と同様にしてカチオ
ン界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果
を表6に示す。
【0093】(比較例8)実施例20において、4級化
物の供給温度を60℃に代え、エタノールの供給温度を
22℃に代えたほかは、実施例20同様にしてカチオン
界面活性剤を製造し、同様にして評価を行った。結果を
表6示す。
【0094】
【表6】
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、第4級アンモニウムア
ルキル硫酸塩等の成分の溶け残りが無く、均質で、溶解
性、取り扱い性に優れるカチオン性界面活性剤、及び、
製造装置等への付着物が無く、効率的な、前記カチオン
性界面活性剤の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のカチオン性界面活性剤の製造
方法において、4級化物にアルコール系溶剤を配合する
際に用いる混合装置の一例である。
【図2】図2は、本発明のカチオン性界面活性剤の製造
方法において、混合器により4級化物にアルコール系溶
剤を連続的に配合する際の、フローを表す図である。
【符号の説明】
1・・・貯槽(攪拌機付き) 2・・・・4級化物供給ポンプ 3・・・・混合器 4・・・・希釈物貯槽 5・・・・貯槽 6・・・・アルコール系溶剤供給ポンプ 7・・・・循環兼製品移送ポンプ 8・・・・製品抜出口 9・・・・循環経路 100・・混合装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 房男 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 田中 嘉郎 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC52 BB14 BC10 BD81 4L033 AB04 AC02 BA11 BA29 BA85

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、アルカノールアミンエステ
    ル及びジアルキル硫酸を無溶媒で反応させることによ
    り、式(1)、式(2)及び式(3)の少なくともいず
    れかで表される第4級アンモニウムアルキル硫酸塩を得
    た後、アルコール系溶剤を配合することにより、前記第
    4級アンモニウムアルキル硫酸塩の希釈物を得るカチオ
    ン性界面活性剤の製造方法であって、前記希釈物の温度
    を、前記アルコール系溶剤を配合する前の、前記第4級
    アンモニウムアルキル硫酸塩の凝固点より高くすること
    を特徴とするカチオン性界面活性剤の製造方法。 式(1) 【化1】 式(2) 【化2】 式(1)及び(2)において、nは1又は2の数であ
    る。R、R及びRは、各々独立に、−OCOR
    基及び−OH基の少なくともいずれかであり、同一分子
    内に少なくとも−OCOR基を一つ有する。Rは、
    炭素数7〜23のアルキル基及びアルケニル基の少なく
    ともいずれかである。 式(3) 【化3】 式(3)において、nは1又は2の数である。R及び
    は、メチル基及びエチル基の少なくともいずれかで
    ある。R及びRは、炭素数7〜23のアルキル基及
    びアルケニル基の少なくともいずれかである。
  2. 【請求項2】 アルコール系溶剤の配合が、せん断力を
    利用する混合器により連続して行われる請求項1に記載
    のカチオン性界面活性剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 混合器が、駆動部の回転によるせん断力
    を利用するホモミキサー、渦巻ポンプ、及び、分割・反
    転機能を備えた管型混合器の少なくともいずれかである
    請求項2に記載のカチオン性界面活性剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルコール系溶剤が、エタノール、及
    び、イソプロパノールの少なくともいずれかである請求
    項1から3のいずれかに記載のカチオン性界面活性剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    カチオン性界面活性剤の製造方法により得られたことを
    特徴とするカチオン性界面活性剤。
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