JP2003252838A - カチオン性界面活性剤及びその製造方法 - Google Patents

カチオン性界面活性剤及びその製造方法

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JP2003252838A JP2002049346A JP2002049346A JP2003252838A JP 2003252838 A JP2003252838 A JP 2003252838A JP 2002049346 A JP2002049346 A JP 2002049346A JP 2002049346 A JP2002049346 A JP 2002049346A JP 2003252838 A JP2003252838 A JP 2003252838A
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cationic surfactant
sulfuric acid
producing
ester
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Kunihiko Kanae
邦彦 金江
Junji Ono
淳二 小野
Fusao Kondo
房男 近藤
Yoshiro Tanaka
嘉郎 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生成物が少なく色調が良好で高品質のカチ
オン性界面活性剤を、無溶媒で効率的に製造するカチオ
ン性界面活性剤の製造方法を提供。 【解決手段】 アルカノールアミンエステル及びジアル
キル硫酸を無溶媒で反応させることにより、式(1)か
ら式(3)の少なくともいずれかで表される第4級アン
モニウムアルキル硫酸塩を含むカチオン性界面活性剤を
製造するカチオン性界面活性剤の製造方法であって、反
応槽と、該反応槽の外部に設けられ、該反応槽で反応さ
せる反応液の熱交換を行う熱交換器とを有する反応装置
を用いることを特徴とするカチオン性界面活性剤の製造
方法である。 式(1) 【化1】 式(2) 【化2】 式(3) 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、衣料用柔軟
剤基材等として好適な、分子内にエステル結合を有する
カチオン性界面活性剤及びその効率的な製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、衣料用柔軟材の基材としては、1
分子内に2個の長鎖アルキル基を有するジアルキル第4
級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤が使用され
ている。しかし、基材自体の生分解性が遅いという問題
から、より生分解性の良好なエステル結合を有するカチ
オン性界面活性剤が使用されてきている。
【0003】これらカチオン性界面活性剤は、先ず、ト
リエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、及び
3−(N,N−ジメチルアミノ)−1,2−プロピレン
グリコ−ル等を、長鎖脂肪酸或いは脂肪酸メチルにより
アシル化し、中間体のアルカノ−ルアミンエステルを合
成した後、塩化メチル、ジメチル硫酸、及びジエチル硫
酸等の4級化剤によりカチオン化合物へ転換する等によ
り得られ、柔軟剤原料として好適に利用される。
【0004】前記4級化剤のうち、塩化メチル等の有機
ハロゲン化物は反応性が低く、特にトリエタノールアミ
ンから誘導されるアルカノールアミンエステルの4級化
反応においては、反応率等が不充分であるため問題があ
る。したがって、前記4級化剤としては、ジメチル硫酸
等のジアルキル硫酸が使用されている。
【0005】しかし、前記ジアルキル硫酸は、4級化剤
としての反応性が高い点で有利であるものの、通常4級
化反応時に希釈溶媒として使用される低級アルコールと
副反応を起こし、硫酸塩を生成してしまうという問題が
あった。このため、副反応を防止するためには、無溶媒
で4級化反応を行わせる必要がある。
【0006】しかしながら、無溶媒で4級化反応を行わ
せると、反応の進行に伴い、反応液が高粘度化して攪拌
混合が困難になってしまうという問題があった。また4
級化反応は発熱反応であるため、副生物が少なく、色調
等の品質の優れた4級化物を得るためには、反応熱によ
る反応温度の上昇が、品質に影響を与えない程度に抑え
る必要があるものの、反応液の高粘度化により、熱移転
速度が低下するため、反応温度の上昇を効率良く抑える
ことが困難となる問題があった。
【0007】特開平7−316124号公報において
は、無溶媒で、第3級アミン類をジメチル硫酸により4
級化する4級化方法が開示されている。しかし、特開平
7−316124号公報に開示された4級化方法は、発
熱を抑制するために、ジメチル硫酸の供給速度をより緩
やかにする方法であるため、反応時間が延長し、生産性
が非常に低くなる等の問題があった。したがって、工業
規模のスケールで、高粘度化及び反応熱除去を両立させ
た技術は依然として提案されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、副生成物が少なく、色調が
良好で、高品質のカチオン性界面活性剤、及び、該カチ
オン性界面活性剤を、無溶媒で、効率的に製造可能なカ
チオン性界面活性剤の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> アルカノールアミンエステル及びジアルキル硫
酸を無溶媒で反応させることにより、式(1)、式
(2)及び式(3)の少なくともいずれかで表される第
4級アンモニウムアルキル硫酸塩を含むカチオン性界面
活性剤を製造するカチオン性界面活性剤の製造方法であ
って、少なくとも、反応槽と、該反応槽の外部に設けら
れ、該反応槽で反応させる反応液の熱交換を行う熱交換
器とを有する反応装置を用いることを特徴とするカチオ
ン性界面活性剤の製造方法である。 式(1)
【0010】
【化4】
【0011】式(2)
【0012】
【化5】
【0013】式(1)及び(2)において、nは1又は
2の数である。R、R及びRは、各々独立に、−
OCOR基及び−OH基の少なくともいずれかであ
り、同一分子内に少なくとも−OCOR基を一つ有す
る。Rは、炭素数7〜23のアルキル基及びアルケニ
ル基の少なくともいずれかである。 式(3)
【0014】
【化6】
【0015】式(3)において、nは1又は2の数であ
る。R及びRは、メチル基及びエチル基の少なくと
もいずれかである。R及びRは、炭素数7〜23の
アルキル基及びアルケニル基の少なくともいずれかであ
る。
【0016】<2> 反応装置が循環通路を有し、アル
カノールアミンエステルを含む反応液を、所定流量で反
応槽から循環通路を通じて熱交換器に通した後、反応槽
に戻すことにより反応装置内を循環させる前記<1>に
記載のカチオン性界面活性剤の製造方法である。 <3> 循環通路が、該循環通路内に、ジアルキル硫酸
を反応液に供給するジアルキル硫酸供給部、及び、該ジ
アルキル硫酸供給部に近接して、該ジアルキル硫酸供給
部より反応液の循環方向下流側に設けられたミキサーを
有する前記<2>に記載のカチオン性界面活性剤の製造
方法である。 <4> 式(4)で表される、ジアルキル硫酸を反応液
に供給する供給時間当たりの、反応液の循環回数(循環
回数/ジアルキル硫酸供給時間)が、5以上である前記
<1>から<3>のいずれかに記載のカチオン性界面活
性剤の製造方法である。 式(4)
【0017】
【数2】
【0018】式(4)において、Frは、反応液の循環
流量(kg/分)であり、Fdは、ジアルキル硫酸供給
速度(kg/分)であり、Wrはアルカノールアミンエ
ステル仕込み量(kg)であり、Wdは全ジアルキル硫
酸添加量(kg)である。
【0019】<5> ジアルキル硫酸を反応液へ供給す
る速度が、仕込みアルカノールアミンエステルの質量当
たり、0.005mol/kg・h以下である前記<1
>から<4>のいずれかに記載のカチオン性界面活性剤
の製造方法である。 <6> 熱交換器が、シェル アンド チューブ型熱交
換器であり、反応液が、該シェル アンド チューブ型
熱交換器におけるチューブ内に、0.05〜0.30m
/sの流速で通される前記<1>から<5>のいずれか
に記載のカチオン性界面活性剤の製造方法である。 <7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のカチ
オン性界面活性剤の製造方法により製造されることを特
徴とするカチオン性界面活性剤である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [カチオン性界面活性剤の製造方法]本発明のカチオン
性界面活性剤の製造方法は、アルカノールアミンエステ
ル及びジアルキル硫酸を無溶媒で反応させることによ
り、式(1)、式(2)及び式(3)の少なくともいず
れかで表される第4級アンモニウムアルキル硫酸塩を含
むカチオン性界面活性剤を製造するカチオン性界面活性
剤の製造方法である。
【0021】式(1)
【0022】
【化7】 式(2)
【0023】
【化8】
【0024】式(1)及び(2)において、nは1又は
2の数である。R、R及びRは、各々独立に、−
OCOR基及び−OH基の少なくともいずれかであ
り、同一分子内に少なくとも−OCOR基を一つ有す
る。Rは、炭素数7〜23のアルキル基及びアルケニ
ル基の少なくともいずれかである。 式(3)
【0025】
【化9】
【0026】式(3)において、nは1又は2の数であ
る。R及びRは、メチル基及びエチル基の少なくと
もいずれかである。R及びRは、炭素数7〜23の
アルキル基及びアルケニル基の少なくともいずれかであ
る。
【0027】−アルカノールアミン− 前記アルカノールアミンは、本発明における原料化合物
である。該アルカノールアミンとしては、特に制限はな
く、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノー
ルアミン、及び、ジメチルアミノプロパンジオール等の
脂肪酸エステルなどが挙げられる。具体的には、以下の
(1)〜(42)で示すアルカノールアミンエステル等
が挙げられる。
【0028】(1)メチルジ(2−ヒドロキシエチル)
アミンビス(タロウエステル)、(2)メチルジ(2−
ヒドロキシエチル)アミンビス(ココスエステル)、
(3)メチルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンビス
(ステアリルエステル)、(4)メチルジ(2−ヒドロ
キシエチル)アミンビス(ラウリルエステル)、(5)
メチルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンビス(ミリス
チルエステル)、(6)メチルジ(2−ヒドロキシエチ
ル)アミンビス(パルミチルエステル)、(7)メチル
ジ(2−ヒドロキシエチル)アミンビス(オレイルエス
テル)、(8)トリエタノールアミンモノラウレートエ
ステル、(9)トリエタノールアミンモノミリステート
エステル、(10)トリエタノールアミンモノパルミテ
ートエステル、(11)トリエタノールアミンモノステ
アレートエステル、(12)トリエタノールアミンモノ
タロエートエステル、(13)トリエタノールアミンモ
ノオレエートエステル、(14)トリエタノールアミン
モノココエートエステル、(15)トリエタノールアミ
ンジラウレートエステル、(16)トリエタノールアミ
ンジミリステートエステル、(17)トリエタノールア
ミンジパルミテートエステル、(18)トリエタノール
アミンジステアレートエステル、(19)トリエタノー
ルアミンジタロエートエステル、(20)トリエタノー
ルアミンジオレエートエステル、(21)トリエタノー
ルアミンジココエートエステル、(22)トリエタノー
ルアミントリラウレートエステル、(23)トリエタノ
ールアミントリミリステートエステル、(24)トリエ
タノールアミントリパルミテートエステル、(25)ト
リエタノールアミントリステアレートエステル、(2
6)トリエタノールアミントリタロエートエステル、
(27)トリエタノールアミントリオレエートエステ
ル、(28)トリエタノールアミントリココエートエス
テル、
【0029】(29)メチルジエタノールアミンモノラ
ウレートエステル、(30)メチルジエタノールアミン
モノミリステートエステル、(31)メチルジエタノー
ルアミンモノパルミテートエステル、(32)メチルジ
エタノールアミンモノステアレートエステル、(33)
メチルジエタノールアミンモノタロエートエステル、
(34)メチルジエタノールアミンモノオレエートエス
テル、(35)メチルジエタノールアミンモノココエー
トエステル、(36)ジメチル(2,3−ジヒドロキシ
プロピル)アミンジタロエートエステル、(37)ジメ
チル(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミンジココエ
ートエステル、(38)ジメチル(2,3−ジヒドロキ
シプロピル)アミンジステアレートエステル、(39)
ジメチル(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミンジオ
レエートエステル、(40)ジメチル(2,3−ジヒド
ロキシプロピル)アミンジラウレートエステル、(4
1)ジメチル(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミン
ジミリステートエステル、(42)ジメチル(2,3−
ジヒドロキシプロピル)アミンジパルミテートエステル
【0030】これらのアルカノールアミンエステルは、
1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0031】前記アルカノールアミンエステルの製造方
法としては、特に制限はなく、既知の方法、例えば、特
開平05−148198号公報、特開2001−181
973号公報、及び、特開2001−181244号公
報等に記載された脂肪酸低級アルキルエステル及びアル
カノールアミンのエステル交換反応による製造方法等が
挙げられる。
【0032】−ジアルキル硫酸− 前記ジアルキル硫酸は、本発明における4級化剤であ
る。該ジアルキル硫酸としては、特に制限はないが、例
えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が挙げられる。こ
れらは、1種単独で使用されてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0033】−アルカノールアミンエステル及びジアル
キル硫酸の反応− 前記アルカノールアミンエステル及びアルキル硫酸の反
応は、無溶媒で行われる。したがって、本発明によれ
ば、副反応による硫酸塩等の副生成物が少なく、色調が
良好で、高品質のカチオン性界面活性剤を効率的に得る
ことができる。
【0034】前記反応において、前記ジアルキル硫酸の
配合量としては、特に制限はないが、4級化反応の反応
効率の点で、原料化合物である前記アルカノールアミン
エステルに対し、0.93〜1.00当量が好ましく、
0.95〜1.00当量がより好ましく、0.97〜
0.99当量が更に好ましい。
【0035】前記反応においては、原料化合物である反
応槽中のアルカノールアミンエステルに対し、4級化剤
であるジアルキル硫酸を供給し反応を行わせるのが好ま
しい。この場合、ジアルキル硫酸の供給速度としては、
特に制限はなく、一定速度でもよく、一定速度でなくて
もよい。
【0036】前記反応において、前記ジアルキル硫酸の
供給時間は、ジアルキル硫酸の供給速度によって定ま
る。ジアルキル硫酸の供給速度が大きいほど、反応時間
が短く(反応速度が大きく)なるため、生産性が向上す
るが、発熱速度も大きくなるため、外部熱交換器の熱交
換能力を大きくすることが必要となる。但し、反応速度
に対してジアルキル硫酸の供給速度が過大となってしま
うと、反応液中、系内に蓄積したジアルキル硫酸の濃度
が大きくなり、着色等の原因となることがある。
【0037】前記ジアルキル硫酸の供給時間としては、
4級化剤の品質、生産性、及び、設備規模等の関係か
ら、60〜240分程度が好ましい。同様に、前記ジア
ルキル硫酸を反応液へ供給する速度としては、仕込みア
ルカノールアミンエステルの質量当たり、0.005m
ol/kg・h以下が好ましく、0.004mol/k
g・h以下がより好ましく、0.002mol/kg・
h以下が更に好ましい。
【0038】前記反応の開始温度としては、原料のアル
カノールアミンエステルの融点以上であれば特に制限は
ないが、副生物の生成や着色を抑制する点で、105℃
以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。前記反応
の際には、加えたジアルキル硫酸が完全に消費されるよ
うに、ジアルキル硫酸供給終了後、熟成反応を行わせる
のが好ましい。該熟成反応の時間としては、0.5〜5
時間が好ましい。また該熟成反応の温度としては、反応
速度の点で、60℃以上が好ましく、70℃以上がより
好ましく、80℃以上が更に好ましい。また、該熟成反
応の温度としては、副生物や着色を抑制する点で、10
5℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。
【0039】前記反応においては、前記熟成反応終了
後、製造されるカチオン性界面活性剤の取り扱い性を向
上させる目的で、希釈溶媒として低級アルコールを添加
するのが好ましい。また、経日による臭気の発生や、色
調の劣化を防止するため、酸化防止剤やキレート剤を適
宜添加してもよい。添加の方法としては、特に制限はな
く、希釈溶媒に混合して共に添加してもよく、希釈前後
に単独で添加してもよい。
【0040】<反応装置>本発明のカチオン性界面活性
剤の製造方法においては、所定の反応装置を用いて、前
記アルカノールアミンエステル及びジアルキル硫酸を無
溶媒で反応させる。
【0041】前記反応装置は、少なくとも、反応槽と、
熱交換器とを有し、必要に応じてその他の構成を有す
る。
【0042】−−反応槽−− 前記反応槽としては、特に制限はなく、通常公知の形
状、材質、機能を有する反応槽が総て好適に挙げられ
る。
【0043】−−熱交換器−− 前記熱交換器は、前記反応装置において、前記反応槽の
外部に設けられ、該反応槽で反応させる反応液の熱交換
を行う。
【0044】前記熱交換器としては、前記反応液の熱交
換が可能であれば特に制限はないが、例えば、シェル
アンド チューブ型、プレート型等が挙げられる。これ
らの中でも、未反応ジアルキル硫酸を含む反応液の漏洩
防止や、高粘性生成物を反応槽から抜き出す際の抜き出
し残留物の低減の観点からは、シェル アンド チュー
ブ型の熱交換器が好ましい。本発明においては、シェル
アンド チューブ型の熱交換器において、シェル内に
冷却水や冷媒を通し、チューブ内に反応液を通すことに
より、効率的に熱交換しつつ、抜き出し時の残留物を低
減できる。
【0045】前記熱交換器に通す冷却水や冷媒の温度と
しては、前記原料化合物であるアルカノールアミンエス
テルや反応液が固化しない程度に調節するのが好まし
く、具体的には、40〜50℃以上に調節するのが好ま
しい。前記シェル アンド チューブ型の熱交換器にお
けるチューブ内に、反応液を通す場合、反応液の流速が
大きいほど熱交換能力も大きくなるが、流速が大きくな
るほど圧力損失も増大することから、該反応液の流速
が、0.05〜0.30m/s程度となるように、チュ
ーブ径やチューブ本数を設定するのが好ましい。
【0046】−−その他の構成−− 前記その他の構成としては、特に制限はないが、例え
ば、反応液を、所定流量で反応槽から熱交換器に通し、
その後反応槽に戻す構成の循環通路、反応液を循環通路
内に押し出し、反応装置内で循環させる循環ポンプ、等
が挙げられる。
【0047】前記循環ポンプとしては、特に制限はない
が、定量的に高粘性の生成物を循環できるよう、ギヤポ
ンプ等の容積式回転ポンプが好ましい。前記循環通路内
には、反応効率の点で、ジアルキル硫酸を反応液に供給
するジアルキル硫酸供給部や、該ジアルキル硫酸供給部
より、反応液の循環方向下流側に、ミキサーが設けられ
ているのが特に好ましい。前記ジアルキル硫酸供給部
は、例えば、ジアルキル硫酸導入管等を、循環通路内に
設置して配することができる。
【0048】前記ミキサーとしては、特に制限はない
が、せん断力を用いたミキサー等が好ましく、例えば、
駆動部の回転によるせん断力を用いたホモミキサー、渦
巻きポンプ、及び、分割・反転機能を備えた管型静止型
混合器(東レ(株) Hi−Mixer等)等が挙げら
れる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0049】前記ジアルキル硫酸供給部及びミキサー
の、前記循環通路内における位置としては、反応液に対
し、液密度の高いジアルキル硫酸を、供給直後に混合攪
拌可能となる点からは、ミキサー直前までジアルキル硫
酸の導入管が配管内部に配されるなど、ミキサーが、ジ
アルキル硫酸供給部に対し反応液の循環方向下流側、か
つ、該ジアルキル硫酸供給部にできるだけ近接して設け
られているのが好ましい。
【0050】尚、本発明のカチオン性界面活性剤の製造
方法において、前記反応装置における反応槽、熱交換器
等の各構成における材質としては、特に制限はなく、通
常用いられてる公知の材質が総て好適に挙げられる。
【0051】本発明のカチオン性界面活性剤の製造方法
において、外部循環流速は、外部熱交換器の除熱能力、
反応槽における上下混合性等に影響する。本発明におい
て、下記式(4)で表され、前記ジアルキル硫酸を反応
液に供給する供給時間当たりの、反応液の循環回数(循
環回数/ジアルキル硫酸供給時間)をNとすると、N
は、5以上が好ましく、7以上がより好ましい。下記式
(4)で表されるNが5未満であると、外部循環の効果
が弱まり、製品4級化物の品質、生産性が悪化すること
がある。 式(4)
【0052】
【数3】
【0053】式(4)において、Frは、反応液の循環
流量(kg/分)であり、Fdは、ジアルキル硫酸供給
速度(kg/分)であり、Wrはアルカノールアミンエ
ステル仕込み量(kg)であり、Wdは全ジアルキル硫
酸添加量(kg)である。
【0054】<反応装置の好ましい態様等>本発明のカ
チオン性界面活性剤の製造方法において、好適に用いら
れる前記反応装置の概略構成図を、図1〜図2に示す。
図1において、反応装置100aは、ミキサーを備えた
反応槽1aと、反応槽1aの外部に設けられ、反応槽1
aで反応させる反応液の熱交換を行う熱交換器4aと、
反応液を反応装置内において循環させる循環通路5a
と、反応槽1a内の反応液を循環通路5a内に押し出
し、反応装置内で循環させる循環ポンプ2aと、反応液
の混合攪拌を行うミキサー3aと、を有する。図1にお
いて、反応液の循環方向は、図に示した矢印方向であ
り、ジアルキル硫酸(DAS)を反応槽1a内へ直接供
給する態様である。このような構成の反応装置100a
を用いることにより、反応により発生する反応熱を反応
液から効率的に除去することができ、副生物が少なく色
調に優れた高品質のカチオン性界面活性剤を効率的に得
ることができる。
【0055】図2において、反応装置100bは、ミキ
サーを備えた反応槽1bと、反応槽1bの外部に設けら
れ、反応槽1bで反応させる反応液の熱交換を行う熱交
換器4bと、反応液を反応装置内において循環させる循
環通路5bと、反応槽1b内の反応液を循環通路5b内
に押し出し、反応装置内で循環させる循環ポンプ2b
と、反応液の混合攪拌を行うミキサー3bと、を有す
る。図2において、反応液の循環方向は、図に示した矢
印方向であり、反応液がミキサー3bを通る直前に、ジ
アルキル硫酸(DAS)を循環通路5bへ供給する態様
である。このような構成の反応装置100bを用いるこ
とにより、反応により発生する反応熱を反応液から効率
的に除去することができ、副生物が少なく色調に優れた
高品質のカチオン性界面活性剤を極めて効率的に得るこ
とができる。
【0056】尚、本発明においては、前記ミキサーは、
図1で示した反応装置の態様よりも、図2で示した反応
装置の態様の場合に、配置する効果が高い。本発明にお
いては、無溶媒で反応を進行させることから、特に、反
応装置の規模が大きい場合には、攪拌混合性に優れる点
で、図2で示したような反応装置を用いるとより高い効
果を得ることができる。
【0057】以上説明した本発明のカチオン性界面活性
剤の製造方法によれば、副生成物が少なく、色調が良好
で、高品質のカチオン性界面活性剤を、無溶媒で効率的
に製造することができる。
【0058】[カチオン性界面活性剤]本発明のカチオ
ン性界面活性剤は、本発明の前記カチオン性界面活性剤
の製造方法により製造される。したがって、副生成物が
少なく、色調が良好で、品質が高い。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。但し、本発明は、下記実施例に何ら限定されるも
のではない。
【0060】(合成例) −アルカノールアミンエステルの合成− 4級化反応の原料化合物である、アルカノールアミンエ
ステルとして、パーム油脂肪酸メチルエステル及びトリ
エタノールアミンのエステル交換反応により、既知の方
法(例えば、特開2001−181244号公報に記載
の方法)で合成したものを用いた。
【0061】ここで、前記パーム油脂肪酸メチルエステ
ルは、パステルM16、パステルM18、及び、パステ
ルM182(共にライオンオレオケミカル(株)製)
を、炭素鎖長分布(質量%基準)において、炭素鎖長1
6のものと炭素鎖長18のものの比率(C16:C1
8)が1:4、炭素鎖長がC18のもののうち、飽和で
あるもの(C18F0)と、不飽和結合を一つ含有する
もの(C18F1)の比率(C18F0:C18F1)
が1:1、炭素鎖長がC18のもののうち、不飽和結合
を一つ含有するもの(C18F1)中のトランス体とシ
ス体の比(シス体:トランス体)が45:55となるよ
うに混合して使用した。
【0062】尚、トランス体とシス体の比は、パステル
M182を水添処理し、トランス体比率を高めたものを
使用することで調製した。
【0063】前記エステル交換反応は、パーム油脂肪酸
メチルエステル:トリエタノールアミン=1.6:1
(モル基準)で行い、トリエタノールアミンエステルを
得た。得られたトリエタノールアミンエステルの平均分
子量を、アミン価測定により求めたところ、574.9
であった。以下、得られたトリエタノールアミンエステ
ルを用いて4級化反応を行った。
【0064】尚、実施例及び比較例で適用した4級化方
法(方法−1〜方法−3)を、以下に具体的に示す。
【0065】(方法−1;図1に示す反応装置100a
を用い、反応液を、反応装置100a内で外部に設置し
た熱交換器4a等を通して外部循環させる方法)図1に
示す反応装置100aを用い、100Lの反応槽1a内
に、アルカノールアミンエステルを所定量仕込み、窒素
置換後、反応槽1aのミキサーで攪拌を開始し、循環ポ
ンプ2aにより、所定流速で反応液の循環を行いなが
ら、反応開始温度まで昇温する。所定温度に達した後、
反応槽1a上部のジメチル硫酸(DMS)供給口から、
所定流速でDMSの供給を開始することで反応を開始す
る。ミキサー(渦巻きポンプ)3aは作動させずに行
う。外部に設置した熱交換器4aは、シェル アンド
チューブ型で、チューブ内径14mmでチューブ本数3
0本、内面基準の伝熱面積0.6mのものを使用す
る。反応液は、熱交換器4aにおけるチューブ内を流通
させ、シェル側には所定温度の水を所定流速で流通させ
る。DMSの供給量が仕込みアルカノールアミンエステ
ルの0.98倍モル量に達した時点でDMSの供給を止
め、所定温度で熟成反応を60分間行い、最後にエタノ
ールを添加することにより、エタノール量が15%にな
るように希釈し、アルカノールアミンエステル4級化物
のエタノール希釈物を得る。
【0066】(方法−2;図2に示す反応装置100b
を用い、反応液を、反応装置100b内で外部に設置し
た熱交換器4b等を通して外部循環させる方法におい
て、DMSを、ミキサー3bの直前に供給する方法)図
2に示す反応装置100bを用い、ジメチル硫酸の供給
を、ミキサー(渦巻きポンプ)3bの直前に供給し、ミ
キサー(渦巻きポンプ)3bで、反応液及びDMSを攪
拌混合する以外は方法−1と同様にして、アルカノール
アミンエステル4級化物のエタノール希釈物を得る。
【0067】(方法−3;図3に示す反応装置100c
を用い、反応液を外部循環させずに、DMSを供給する
方法)図3に示す反応装置100cを用い、100Lの
反応槽1c内に、アルカノールアミンエステルを所定量
仕込み、窒素置換後、反応槽1cのミキサーで攪拌を開
始し、反応開始温度まで昇温する。所定温度に達した
後、反応槽1c上部のジメチル硫酸(DMS)供給口か
ら、所定流速でDMSの供給を開始することで反応を開
始する。DMSの供給量が仕込みアルカノールアミンエ
ステルの0.98倍モル量に達した時点でDMSの供給
を止め、所定温度で熟成反応を60分間行い、最後にエ
タノールを添加することにより、エタノール量が15%
になるように希釈し、アルカノールアミンエステル4級
化物のエタノール希釈物を得る。
【0068】(実施例1)(合成例)で得られたアルカ
ノールアミンエステル(平均分子量574.9)を原料
化合物とし、ジメチル硫酸(DMS)を4級化剤として
4級化反応を行った。4級化の方法としては、前記「方
法−1」を採用し、図1に示した反応装置により、反応
液を、反応装置100a内で外部に設置した熱交換器4
a等を通して外部循環させて、カチオン性界面活性剤を
得た。具体的には、以下の通りである。
【0069】前記アルカノールアミンエステル55kg
を、図1に示した反応装置100aにおける反応槽1a
に仕込み、窒素置換後、反応槽1a内を、ミキサーによ
り攪拌(回転数42rpm)しながら、循環ポンプ2a
により、6.0kg/分の循環流量で外部循環させなが
ら、反応開始温度50℃まで昇温した。アルカノールア
ミンエステルは、シェル アンド チューブ型の、外部
に設置した熱交換器4aのチューブ内を流通させ、シェ
ル側には50℃の温水を6.5リットル/分でアルカノ
ールアミンエステルと並流で流した。反応開始温度に達
した後、ジメチル硫酸11.8kgを120分かけて一
定速度で反応槽1a上部の供給口から添加し反応を行っ
た。反応物の温度は反応熱により上昇していき、最終的
にジメチル硫酸滴下終了時に最高温度85℃となった。
【0070】反応終了後、90℃まで昇温し、60分間
熟成反応を行った後、エタノールをエタノールが15質
量%となるまで添加して希釈を行い、アルカノールアミ
ンエステル4級化物のエタノール希釈物(カチオン性界
面活性剤)を得た。
【0071】<カチオン性界面活性剤の品質評価(アミ
ン硫酸塩の濃度(mmol/g)、色調)>得られたカ
チオン性界面活性剤における副生物である、原料アルカ
ノールアミンエステルのメチル硫酸塩(以下、「アミン
硫酸塩」と称することがある。)の濃度(mmol/
g)を以下の測定方法により測定した。また、色調を公
知の測定方法により測定し評価した。結果を表1に示
す。
【0072】−アミン硫酸塩濃度の測定方法− 常法により、エタノール希釈を行なった試料の酸価を滴
定法により測定し、酸価の値から、試料1g中のmmo
l量に換算した値で評価した。
【0073】尚、本発明のカチオン性界面活性剤におけ
るアミン硫酸塩濃度(mmol/g)としては、0.0
8mmol/g以下が良好なレベルである。また、本発
明のカチオン性界面活性剤の色調としては、APHA1
50以下が良好なレベルであり、APHA200以上で
あると、問題のあるレベルである。
【0074】(実施例2)実施例1と同様に、(合成
例)で得られたアルカノールアミンエステルを原料化合
物とし、ジメチル硫酸(DMS)を4級化剤として4級
化反応を行った。4級化の方法としては、前記「方法−
2」を採用し、図2に示した反応装置により、反応液
を、反応装置100b内で外部に設置した熱交換器4b
等を通して外部循環させ、DMSを、ミキサー3bの直
前で反応液に供給させることにより、カチオン性界面活
性剤を得た。具体的には、以下の通りである。
【0075】前記アルカノールアミンエステル55kg
を、図2に示した反応装置100bにおける反応槽1b
に仕込み、窒素置換後、反応槽1b内を、ミキサーによ
り攪拌(回転数42rpm)しながら、循環ポンプ2b
により、6.0kg/分の循環流量で外部循環させなが
ら、反応開始温度50℃まで昇温した。アルカノールア
ミンエステルは、シェル アンド チューブ型の、外部
に設置した熱交換器4aのチューブ内を流通させ、シェ
ル側には50℃の温水を6.5リットル/分でアルカノ
ールアミンエステルと並流で流した。反応開始温度に達
した後、ジメチル硫酸11.8kgを120分かけて一
定速度でミキサー(渦巻きポンプ)3bの直前に供給
し、ミキサー(渦巻きポンプ)3bで、反応液及びDM
Sを攪拌混合して反応させた。このとき、渦巻きポンプ
の回転数は370rpmであり、反応開始時の消費動力
は440Wであった。反応物の温度は反応熱により上昇
していき、最終的にジメチル硫酸滴下終了時に最高温度
84℃となった。
【0076】反応終了後、90℃まで昇温し、60分間
熟成反応を行った後、エタノールをエタノールが15質
量%となるまで添加して希釈を行い、アルカノールアミ
ンエステル4級化物のエタノール希釈物(カチオン性界
面活性剤)を得た。
【0077】<カチオン性界面活性剤の品質評価(アミ
ン硫酸塩の濃度(mmol/g)、色調)>実施例1と
同様にして、得られたカチオン性界面活性剤における、
アミン硫酸塩の濃度を測定した。また、色調を測定し評
価した。結果を表1に示す。
【0078】(比較例1)実施例1と同様に、(合成
例)で得られたアルカノールアミンエステルを原料化合
物とし、ジメチル硫酸(DMS)を4級化剤とした4級
化反応を行った。4級化の方法としては、前記「方法−
3」を採用し、図3に示した反応装置により、反応液
を、反応装置100c内で攪拌させながら、DMSを反
応液に供給させ、カチオン性界面活性剤を得た。具体的
には、以下の通りである。
【0079】前記アルカノールアミンエステル55kg
を、図3に示した反応装置100cにおける反応槽1c
に仕込み、窒素置換後、反応槽1c内を、ミキサーによ
り攪拌(回転数42rpm)しながら、反応開始温度5
0℃まで昇温し、反応開始温度に達した後、ジメチル硫
酸(DMS)11.8kgを120分かけて一定速度で
反応槽1c上部の供給口から添加し反応を行った。反応
物の温度は反応熱により上昇していき、最終的にジメチ
ル硫酸滴下終了時に最高温度105℃となった。
【0080】反応終了後、90℃まで冷却し60分間熟
成反応を行った後、エタノールをエタノールが15質量
%となるまで添加して希釈を行い、アルカノールアミン
エステル4級化物のエタノール希釈物(カチオン性界面
活性剤)を得た。
【0081】<カチオン性界面活性剤の品質評価(アミ
ン硫酸塩の濃度(mmol/g)、色調)>実施例1と
同様にして、得られたカチオン性界面活性剤における、
アミン硫酸塩の濃度を測定した。また、色調を測定し評
価した。結果を表1に示す。
【0082】(実施例3)実施例1において、外部循環
させる反応液の循環流量を、12.0kg/分に代え、
ジメチル硫酸(DMS)の供給時間を、60分に代えた
ほかは、実施例1と同様にしてカチオン性界面活性剤を
得、実施例1と同様にして品質評価を行った。結果を表
1に示す。
【0083】(実施例4)実施例2において、外部循環
させる反応液の循環流量を、12.0kg/分2代え、
ジメチル硫酸(DMS)の供給時間を、60分に代えた
ほかは、実施例2と同様にしてカチオン性界面活性剤を
得、実施例2と同様にして品質評価を行った。結果を表
1に示す。
【0084】(比較例2)比較例1において、ジメチル
硫酸(DMS)の供給時間を、60分に代えたほかは、
比較例1と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、比較
例1と同様にして品質評価を行った。結果を表1に示
す。
【0085】
【表1】
【0086】(実施例5)実施例2において、外部循環
させる反応液の循環流量を3.0kg/分に代え、ジメ
チル硫酸の供給時間を240分に代えたほかは、実施例
2と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、実施例2と
同様にして品質評価を行った。結果を表2に示す。
【0087】(実施例6)実施例2において、外部循環
させる反応液の循環流量を4.0kg/分に代え、ジメ
チル硫酸の供給時間を180分に代えたほかは、実施例
2と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、実施例2と
同様にして品質評価を行った。結果を表2に示す。
【0088】(実施例7)実施例2において、外部循環
させる反応液の循環流量を4.8kg/分に代え、ジメ
チル硫酸の供給時間を150分に代えたほかは、実施例
2と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、実施例2と
同様にして品質評価を行った。結果を表2に示す。
【0089】(実施例8)実施例2において、外部循環
させる反応液の循環流量を24.0kg/分に代え、ジ
メチル硫酸の供給時間を30分に代えたほかは、実施例
2と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、実施例2と
同様にして品質評価を行った。結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】(実施例9)実施例2において、外部循環
させる反応液の循環流量を8.3kg/分に代えたほか
は、実施例2と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、
実施例2と同様にして品質の評価を行った。結果を表3
に示す。
【0092】(実施例10)実施例2において、外部循
環させる反応液の循環流量を7.1kg/分に代えたほ
かは、実施例2と同様にしてカチオン性界面活性剤を
得、実施例2と同様にして品質評価を行った。結果を表
3に示す。
【0093】(実施例11)実施例2において、外部循
環させる反応液の循環流量を4.7kg/分に代えたほ
かは、実施例2と同様にしてカチオン性界面活性剤を
得、実施例2と同様にして品質評価を行った。結果を表
3に示す。
【0094】(実施例12)実施例2において、外部循
環させる反応液の循環流量を3.5kg/分に代えたほ
かは、実施例2と同様にしてカチオン性界面活性剤を
得、実施例2と同様にして品質評価を行った。結果を表
3に示す。
【0095】(実施例13)実施例2において、外部循
環させる反応液の循環流量を2.4kg/分に代えたほ
かは、実施例2と同様にしてカチオン性界面活性剤を
得、実施例2と同様にして品質評価を行った。結果を表
3に示す。
【0096】
【表3】
【0097】(実施例14)実施例2において、反応開
始温度を40℃に代えたほかは、実施例2と同様にして
カチオン性界面活性剤を得、実施例2と同様にして品質
評価を行った。結果を表4に示す。
【0098】(実施例15)実施例2において、反応開
始温度を45℃に代えたほかは、実施例2と同様にして
カチオン性界面活性剤を得、実施例2と同様にして品質
評価を行った。結果を表4に示す。
【0099】(実施例16)実施例2において、反応開
始温度を60℃に代えたほかは、実施例2と同様にして
カチオン性界面活性剤を得、実施例2と同様にして品質
評価を行った。結果を表4に示す。
【0100】
【表4】
【0101】(実施例17)実施例4において、ミキサ
ー(渦巻きポンプ)回転数を735rpmに代えたほか
は、実施例4と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、
実施例4と同様にして品質評価を行った。結果を表5に
示す。尚、このときの反応開始時における渦巻きポンプ
の消費動力は572Wであった。
【0102】(実施例18)実施例4において、ミキサ
ー(渦巻きポンプ)回転数を180rpmに代えたほか
は、実施例4と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、
実施例4と同様にして品質評価を行った。結果を表5に
示す。尚、このときの反応開始時における渦巻きポンプ
の消費動力は250Wであった。
【0103】(実施例19)実施例4において、ミキサ
ー(渦巻きポンプ)を回転させなかったほかは、実施例
4と同様にしてカチオン性界面活性剤を得、実施例4と
同様にして品質評価を行った。結果を表5に示す。
【0104】
【表5】
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、副生成物が少なく、色
調が良好で、高品質のカチオン性界面活性剤、及び、該
カチオン性界面活性剤を、無溶媒で、効率的に製造可能
なカチオン性界面活性剤の製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のカチオン性界面活性剤の製造
方法において、好適に用いられる反応装置の概略構成図
である。
【図2】図2は、本発明のカチオン性界面活性剤の製造
方法において、好適に用いられる反応装置の概略構成図
である。
【図3】図3は、反応液を外部循環させずにジメチル硫
酸(DMS)を供給するカチオン性界面活性剤の製造方
法に用いられる反応装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1a・・・・反応槽 1b・・・・反応槽 1c・・・・反応槽 2a・・・・循環ポンプ 2b・・・・循環ポンプ 3a・・・・ミキサー 3b・・・・ミキサー 4a・・・・熱交換器 4b・・・・熱交換器 5a・・・・循環通路 5b・・・・循環通路 100a・・反応装置 100b・・反応装置 100c・・反応装置
フロントページの続き (72)発明者 近藤 房男 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 田中 嘉郎 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB68 AC52 BC10 BC18 BC31 BD20 BD21 BD84 BT12 BU50

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカノールアミンエステル及びジアル
    キル硫酸を無溶媒で反応させることにより、式(1)、
    式(2)及び式(3)の少なくともいずれかで表される
    第4級アンモニウムアルキル硫酸塩を含むカチオン性界
    面活性剤を製造するカチオン性界面活性剤の製造方法で
    あって、少なくとも、反応槽と、該反応槽の外部に設け
    られ、該反応槽で反応させる反応液の熱交換を行う熱交
    換器とを有する反応装置を用いることを特徴とするカチ
    オン性界面活性剤の製造方法。 式(1) 【化1】 式(2) 【化2】 式(1)及び(2)において、nは1又は2の数であ
    る。R、R及びRは、各々独立に、−OCOR
    基及び−OH基の少なくともいずれかであり、同一分子
    内に少なくとも−OCOR基を一つ有する。Rは、
    炭素数7〜23のアルキル基及びアルケニル基の少なく
    ともいずれかである。 式(3) 【化3】 式(3)において、nは1又は2の数である。R及び
    は、メチル基及びエチル基の少なくともいずれかで
    ある。R及びRは、炭素数7〜23のアルキル基及
    びアルケニル基の少なくともいずれかである。
  2. 【請求項2】 反応装置が循環通路を有し、アルカノー
    ルアミンエステルを含む反応液を、所定流量で反応槽か
    ら循環通路を通じて熱交換器に通した後、反応槽に戻す
    ことにより反応装置内を循環させる請求項1に記載のカ
    チオン性界面活性剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 循環通路が、該循環通路内に、ジアルキ
    ル硫酸を反応液に供給するジアルキル硫酸供給部、及
    び、該ジアルキル硫酸供給部に近接して、該ジアルキル
    硫酸供給部より反応液の循環方向下流側に設けられたミ
    キサーを有する請求項2に記載のカチオン性界面活性剤
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 式(4)で表される、ジアルキル硫酸を
    反応液に供給する供給時間当たりの、反応液の循環回数
    (循環回数/ジアルキル硫酸供給時間)が、5以上であ
    る請求項1から3のいずれかに記載のカチオン性界面活
    性剤の製造方法。 式(4) 【数1】 式(4)において、Frは、反応液の循環流量(kg/
    分)であり、Fdは、ジアルキル硫酸供給速度(kg/
    分)であり、Wrはアルカノールアミンエステル仕込み
    量(kg)であり、Wdは全ジアルキル硫酸添加量(k
    g)である。
  5. 【請求項5】 ジアルキル硫酸を反応液へ供給する速度
    が、仕込みアルカノールアミンエステルの質量当たり、
    0.005mol/kg・h以下である請求項1から4
    のいずれかに記載のカチオン性界面活性剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱交換器が、シェル アンド チューブ
    型熱交換器であり、反応液が、該シェル アンド チュ
    ーブ型熱交換器におけるチューブ内に、0.05〜0.
    30m/sの流速で通される請求項1から5のいずれか
    に記載のカチオン性界面活性剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のカチ
    オン性界面活性剤の製造方法により製造されることを特
    徴とするカチオン性界面活性剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104725236A (zh) * 2015-01-28 2015-06-24 浙江丰虹新材料股份有限公司 一种烷基季胺盐的水性生产方法及其生产设备
JP2016098174A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 花王株式会社 カチオン性界面活性剤の製造方法
WO2020011876A1 (en) 2018-07-11 2020-01-16 Clariant International Ltd Preparation and use of high quality esterquats from rice bran fatty acids
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