JP2003277121A - セメント組成物及びそれを用いた高流動自己充填コンクリート - Google Patents

セメント組成物及びそれを用いた高流動自己充填コンクリート

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JP2003277121A
JP2003277121A JP2002085796A JP2002085796A JP2003277121A JP 2003277121 A JP2003277121 A JP 2003277121A JP 2002085796 A JP2002085796 A JP 2002085796A JP 2002085796 A JP2002085796 A JP 2002085796A JP 2003277121 A JP2003277121 A JP 2003277121A
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Shinya Ito
慎也 伊藤
Teruhiro Hori
彰宏 保利
Tsutomu Kida
勉 木田
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 流動性に優れ、乾燥収縮や自己収縮が少な
く、従来よりも時間の経過に伴う流動性の低下が少な
く、かつ、既設コンクリートとの付着性が良好で、逆打
ち工法や下面増し厚コンクリート打設等において、作業
性が向上した施工が可能となるセメント組成物及びそれ
を用いた高流動自己充填コンクリートを提供すること。 【解決手段】 けい酸二カルシウム含有量が50〜70
質量%であるポルトランドセメントと、遊離石灰、カル
シウムアルミノフェライト及び無水石膏からなる膨張材
と、乾燥収縮低減剤と、減水剤とを含有してなるセメン
ト組成物であり、U形充填試験方法における充填高さが
30cmを超える流動性を有する該セメント組成物を用
いた高流動自己充填コンクリートであり、ポルトランド
セメントの単位量が270〜900kg/m3であるこ
とを特徴とする該高流動自己充填コンクリートを構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収縮量が少なく、
流動性が良好で、かつ、従来よりも時間の経過に伴う流
動性の低下が少ないセメント組成物及びそれを用いた高
流動自己充填コンクリートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンクリートの施工性を改善
するため、コンクリート中の水、セメント、減水剤の量
を多くすることが行われてきたが、作業性を確保するた
め水量を多くすることが行われる場合が多く、水量を多
くすると自己収縮や乾燥収縮が大きくなるため、ひび割
れ防止対策として膨張材が用いられてきた(特開平11
−35360号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使用さ
れる膨張材は比較的添加量が多く、外気温の高い夏季に
はコンクリートの流動性が低下し時間の経過と共に十分
な充填が難しくなったり、添加作業が必要になることや
コスト面等の課題があった。さらに、鉄筋コンクリート
構造物を建設する際、コンクリートの打設は振動機を使
用して締固めるのが一般的であるが、振動機による騒音
公害や、締固め作業が不十分でジャンカや豆板が生じた
り、構造物の配筋が複雑でコンクリートの投入や締固め
に振動機が使用できず、施工が不完全になったりする場
合があり、構造物の美観や強度発現性、耐久性等を損な
う恐れがあるという課題があった。そして、構造物の信
頼性を高めるために、建築工事標準仕様書 JASS
5中に記載されている高流動コンクリートや、土木学会
で検討されている自己充填コンクリートが生まれる背景
となっている。本発明者は、種々検討を重ねた結果、特
定のセメントと膨張材を含有するセメント組成物を用
い、特定の流動性を有するコンクリートによって、前記
課題を解消できるという知見を得て本発明を完成するに
至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、けい酸
二カルシウム含有量が50〜70質量%であるポルトラ
ンドセメントと、遊離石灰、カルシウムアルミノフェラ
イト及び無水石膏からなる膨張材と、乾燥収縮低減剤
と、減水剤とを含有してなるセメント組成物であり、U
形充填試験方法における充填高さが30cmを超える流
動性を有する該セメント組成物を用いた高流動自己充填
コンクリートであり、ポルトランドセメントの単位量が
270〜900kg/m3であることを特徴とする該高
流動自己充填コンクリートである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明で使用するポルトランドセメントと
しては、けい酸二カルシウム含有量が50〜70質量%
であるポルトランドセメント(以下、セメントとい
う。)が好ましい。けい酸二カルシウム含有量がこの範
囲を外れると本発明の効果が十分得られない。なお、け
い酸二カルシウムは、2CaO・SiO2であり、通常、
2Sと略記される(以下、けい酸二カルシウムをC2
という。)。
【0007】セメントの単位量は、270〜900kg
/m3が好ましく、300〜600kg/m3がより好ま
しい。270kg/m3未満だと鉄筋への付着強度が得
られない場合があり、900kg/m3を超えると乾燥
収縮や水和熱によるひび割れが発生する場合がある。
【0008】本発明で使用する膨張材としては、遊離石
灰、カルシウムアルミノフェライト及び無水石膏を含有
してなるものであり、使用量はセメント100質量部に
対して2〜10質量部が好ましく4〜8質量部がより好
ましい。その割合については特に限定されるものではな
いが、膨張物質100質量部中、遊離石灰は30〜60
質量部が好ましく、40〜50質量部がより好ましい。
また、カルシウムアルミノフェライトは10〜40質量
部が好ましく、15〜35質量部がより好ましい。さら
に、無水石膏は10〜40質量部が好ましく、20〜3
5質量部がより好ましい。膨張材中の各化合物の組成割
合が前記の範囲にないと、優れた膨張性能が得られない
場合がある。
【0009】本発明の膨張材には不純物が存在する。具
体的には、SiO2、Al23、MgO、TiO2、P2
5、Na2O、K2O等が含まれており、本発明の目的
を実質的に阻害しない範囲では特に問題とはならない
が、SiO2については珪酸率で0.5未満の範囲であ
ることが好ましい。珪酸率が0.5以上では優れた膨張
性能が得られない場合がある。本発明でいう珪酸率と
は、膨張材中のSiO2量、Al23量及びFe23
より次式から算出される。 珪酸率=SiO2/(Al23+Fe23) また、膨張材中のSiO2量は、5.0質量%以下が好
ましく、3.0質量%以下がより好ましい。5.0質量
%を超えると優れた膨張性能が得られない場合がある。
膨張材の粒度は、特に限定されるものではないが、通
常、ブレーン比表面積で1500〜6000cm2/g
が好ましく、2500〜4000cm2/gがより好ま
しい。1500cm2/g未満では、強度発現性が悪く
なる場合があり、6000cm2/gを超えると優れた
膨張性能が得られない場合がある。
【0010】本発明では乾燥収縮低減剤(以下、収縮低
減剤という。)を使用することが好ましい。ノニオン系
界面活性剤の一種で、通常、純分99質量%以上の液体
であって、水に溶解してその表面張力を低下する作用を
もつものが使用できる。その基本構造は、ポリオキシア
ルキレン重合物を有し、末端に低級アルコール、フェノ
ール、及びアミノ結合物等を付加したものである。例え
ば、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドメタ
ノール付加物、エチレンオキシド・プロピレンオキシド
ブロック重合物、エチレンオキシド・プロピレンオキシ
ドランダム重合物、グリコールのシクロアルキル基付加
物、グリコールの両端にメチル基を付加した付加物、グ
リコールのフェニル基付加物、グリコールにメチルフェ
ニル基を付加したブロック重合物、グリコールの両端に
エチレンオキサイドメタノールを付加した付加物、及び
グリコールにジメチルアミンを付加した付加物等が使用
可能である。収縮低減剤は、セメント粒子に吸着されな
いでセメントの強アルカリ水溶液中で作用するもので、
揮発性が低く、異常に多量な空気連行性がなく、セメン
トの水和を妨げず、減水剤に比べて低分子量のものであ
る。収縮低減剤は混練水の一部又は全部と置き換えて使
用することが好ましい。収縮低減剤の使用量は、セメン
トと膨張材の合計量(以下、結合材という。)100質
量部に対して1〜12質量部が好ましく、2〜8質量部
がより好ましい。1質量部未満では収縮低減が少ない場
合があり、12質量部を超えると凝結遅延を生じ流動性
が低下する場合がある。
【0011】本発明では減水剤を使用することが好まし
い。減水剤はコンクリートの流動性の改善や単位水量の
低減のため使用するもので、一般に使用されている高性
能AE減水剤、高性能減水剤、及びAE減水剤等が使用
できる。例えば、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン
縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポ
リスチレンスルホン酸塩、ヒドロキシポリアクリレー
ト、α、β―不飽和ジカルボン酸とオレフィンの共重合
体、ポリエチレングリコールモノアルケニルエーテルと
マレイン酸やメタクリル酸系単量体から導かれる共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸系の共
重合体、変形リグニンスルホン酸化合物、及び芳香族ア
ミノスルホン酸化合物等が使用可能である。さらに、一
部架橋反応で高分子化したものやマレイン酸の一部をエ
ステル化したものも使用可能であり、これらのうちの一
種又は二種以上の使用が可能である。減水剤の使用量
は、結合材100質量部に対して、固形分換算で0.0
1〜4質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好
ましい。0.01質量部未満では所定の流動性が得にく
い場合があり、4質量部を超えると分離や凝結遅延を生
じる場合がある。
【0012】本発明で使用する水の量は、特に限定され
るものではないが、結合材100質量部に対して20〜
100質量部が好ましく、25〜70質量部がより好ま
しい。20質量部未満では膨張が著しく遅れる場合があ
り、100質量部を超えるとブリーディングや材料分離
が大きくなる場合がある。
【0013】本発明で使用する骨材は、特に限定される
ものではなく、通常使用される砕石、砕砂、川砂及び石
灰石等の使用が可能である。骨材の使用量は、結合材1
00質量部に対して、100〜800質量部が好まし
い。100質量部未満では発熱や収縮が大きくひび割れ
が発生する場合があり、800質量部を超えると流動性
が低下する場合がある。
【0014】本発明では高流動のコンクリートにした場
合、材料分離防止や塑性変形能力向上の観点から、炭酸
カルシウム粉末等の石粉を使用することが好ましい。特
に結合材の単位量が500Kg/m3未満の場合は、石
粉を使用することが好ましい。石粉の粒度は、特に限定
されるものではないがブレーン比表面積で3000〜1
0000cm2/gが好ましい。石粉の使用量は、結合
材100質量部に対して80質量部未満が好ましい。特
に、結合材の単位量が500Kg/m3未満の場合に、
セメント、膨張材及び石粉の合計単位量が500Kg/
3以上になるように石粉を加えることが好ましい。セ
メント、膨張材及び石粉の合計単位量が500Kg/m
3未満では流動性が悪くブリーディングを生じる場合が
ある。
【0015】本発明では、既設コンクリートとの付着性
を向上させるために水性ポリマーディスパージョンを使
用することが好ましい。ここで水性ポリマーディスパー
ジョン(以下、水性ポリマーという。)とは、水の中に
0.05〜5μmのポリマーの微粒子が均一に分散して
いるもので、微粒子がゴムの場合はラテックスと呼ば
れ、樹脂の場合はエマルジョンと呼ばれている。ラテッ
クスとしては、クロロプレンゴム、スチレンブタジエン
ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、及びメタクリ
ル酸メチルブタジエンゴム等が挙げられ、エマルジョン
としてはポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニ
ル、及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0016】水性ポリマーの使用方法として、膨張材、
収縮低減剤及び減水剤と混合して使用する方法や、水性
ポリマー単味を水で希釈し既設コンクリート表面に塗布
する方法などが挙げられるが、水性ポリマーをコンクリ
ートに混合する方法は凝結遅延やコスト高が問題となる
ため、水性ポリマーを塗布することが好ましい。水性ポ
リマー単味を水で希釈して既設コンクリートに塗布して
被膜形成する場合の水性ポリマーの塗布量は、固形分換
算で10〜500g/m2が好ましい。10g/m2未満
の塗布量では高い付着力が得られず、500g/m2
超えても塗布効果の向上は期待できない。また、セメン
トモルタルやペースト中に水性ポリマーを混練して塗布
することも可能である。この場合の水性ポリマーの塗布
量は、セメント100質量部に対して固形分換算で2〜
30質量部が好ましい。2質量部未満の添加量では高い
付着力が得られず、30質量部を超える添加量でも効果
は変わらない。
【0017】本発明ではセルロース系誘導体、デンプン
系誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサ
イド、ポリアクリルアミド、及びバイオポリマー等の水
溶性ポリマー、セルロースの粉末繊維素、シリカフュー
ム等の無機微粉、並びにセピオライト等の粘土鉱物のブ
リーディングや材料分離防止効果のある防止分離剤等の
使用が可能である。既設コンクリートに塗布する水性ポ
リマー以外に、再乳化形粉末樹脂であるエチレン酢酸ビ
ニル等、液状ポリマーである不飽和ポリエステルやエポ
キシ樹脂等の低分子量の重合性ポリマー又はプレポリマ
ーに硬化剤等を併用することが可能である。また、水性
ポリマーにフィルム形成時間の調整剤を併用し塗布から
打設までの時間を調整することも可能である。
【0018】本発明のコンクリートは、U形充填試験方
法における充填高さが30cmを超える流動性を有する
コンクリートである。ここで、コンクリートの製造時、
運搬時、及び打設時に有害な材料分離を起こさず、振動
締固めをしなくてもコンクリートが変形しほぼ収まると
き、流動性が良好という。本発明での流動性の評価は、
土木学会高流動委員会「U形充填試験方法(案)」に準
じて測定するものである。即ち、アクリル樹脂などの樹
脂製又は内面を機械仕上げした金属製のU形容器の中央
部に仕切り板を設置して、U形容器を2分割してある。
この仕切り板の下部には仕切りゲートを取り付けてあ
る。このU形容器の片側にコンクリートを流し込むと、
仕切り板の下部に設置してある仕切りゲートを通過して
反対側にコンクリートが移動する。動きが停止したとき
に移動したコンクリート側の容器の底面からの高さを充
填高さとして測定する。
【0019】また、材料分離の状態を測定するために、
移動したコンクリート中の粗骨材量を測定することによ
り、コンクリートの物性から、その流動性を評価する。
流動性が良好であれば早期に両側のコンクリート上面は
同位置になり、流動性が不良であれば、両側のコンクリ
ート上面は同位置になるのに時間がかかるか同位置にな
らない。充填高さが30cm以下では、材料分離して鉄
筋を通過できないか、仕切りゲートを通過する流動性が
ない場合である。30cmと35cmでは、仕切りゲー
トを通過する流動性を有する性能はあまり変わらない
が、分離状態を把握する為には、通過したコンクリート
の粗骨材容積質量(以下、粗骨材量という。)を測定す
る必要がある。因みに、水によるブランク試験では3
5.5cmであった。粗骨材量は、スランプフロー試験
で粗骨材が中央に残存したり、U形充填試験で、仕切り
ゲート通過前後のコンクリートに異常が認められるとき
など、分離の兆候が認められるときに測定することが好
ましい。また、配合を決定するときに分離を生じていな
いことを確認するために粗骨材量を測定することは好ま
しい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0021】実施例1 表1に示すようにC2S含有量を変えたセメントについ
て、単位セメント量を500kg/m3とし、セメント
100質量部に対して8質量部の膨張材a、結合材10
0質量部に対して158〜164質量部の細骨材及び1
59〜166質量部の粗骨材をミキサーに投入し、低速
で30秒空練り後、結合材100質量部に対して水33
質量部、収縮低減剤イ4質量部、さらに結合材100質
量部に対して固形分換算で0.5質量部の減水剤を投
入し、150秒練り混ぜ、コンクリートを調製した。そ
して、調製したコンクリートの打設直後及び60分経過
後の充填高さを測定した。また、透明アクリル板で幅4
5cm×厚さ15cmの直方体を作製し、その上下面か
ら3cm離して、D13mmの鉄筋を6cmの格子状に
なるように編んだものを固定した。この直方体を3/1
00の勾配をつけ、その空間にコンクリートを充填し、
その充填性を目視した。さらに、既設のコンクリート表
面を吐出圧18000kg/cm2のウォータージェッ
トで処理し、スチレンブタジエンゴムラテックスを20
0g/m2塗布して被膜形成し、調製したコンクリート
を流し込み、材齢28日後にコアリングし付着強度を測
定した。
【0022】<使用材料> セメントA:低熱ポルトランドセメント(C2S含有量
50質量%)、住友大阪セメント社製 セメントB:普通ポルトランドセメント(C2S含有量
25質量%)、太平洋セメント社製 セメントC:高炉セメント(C2S含有量12質量
%)、住友大阪セメント社製 セメントD:中庸熱ポルトランドセメント(C2S含有
量35質量%)、太平洋セメント社製 セメントE:試作セメント(C2S含有量45質量%) セメントF:試作セメント(C2S含有量60質量%) セメントG:試作セメント(C2S含有量70質量%) セメントH:試作セメント(C2S含有量80質量%) セメントI:試作セメント(C2S含有量90質量%) 膨張材a:組成が膨張材100質量部中、遊離石灰50
質量部、カルシウムアルミノフェライト20質量部、無
水石膏30質量部 収縮低減剤イ:エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドとの共重合体、市販品 減水剤:高性能AE減水剤、ポリカルボン酸エーテル
系と架橋ポリマーの複合体、市販品 細骨材:川砂、5mm下、比重2.56 粗骨材:砕石、Gmax=20mm、比重2.65
【0023】<測定方法> 充填高さ:土木学会、高流動コンクリート委員会「U形
充填試験方法(案)」に準じて測定
【0024】
【表1】
【0025】表1から、本発明のセメント組成物を用い
た高流動自己充填コンクリートは、流動性に優れ、時間
の経過に伴う流動性の低下が少なく、充填性が良好であ
り、既設コンクリートとの付着に優れることが判る。
【0026】実施例2 セメントとしてセメントAを使用し、セメントの単位量
を320kg/m3とし、セメント100質量部に対し
て表2に示す量の膨張材a、結合材100質量部に対し
て収縮低減剤イ及び固形分換算の減水剤を0.6質量
部、水47質量部、細骨材260〜274質量部及び粗
骨材269〜283質量部のコンクリート配合を用い、
コンクリートの充填高さが30cmを超えるように調製
したコンクリートの混練直後のスランプフロー及び充填
高さと、長さ変化率、及び実施例1と同様に付着強度を
測定した。結果を表2に併記する。
【0027】<使用材料> 減水剤:高性能AE減水剤、無水マレイン酸、メトキ
シポリエチレングリコール−アクリレートとスチレンの
共重合物、市販品
【0028】<測定方法> 長さ変化率:JIS A 6202膨張コンクリートの
拘束膨張及び収縮試験方法に準じ材齢6ヶ月で測定
【0029】
【表2】
【0030】表2から、本発明のセメント組成物を用い
た高流動自己充填コンクリートは、乾燥収縮が少なく、
既設コンクリートとの付着性が良好であることが判る。
【0031】実施例3 セメントの単位量を500kg/m3とし、セメントA
100質量部に対して膨張材a4質量部、結合材100
質量部に対して細骨材158〜164質量部及び粗骨材
159〜166質量部をミキサーに投入し、低速で30
秒空練りし、その後、結合材100質量部に対して水3
3質量部、収縮低減剤イ4質量部及び表3に示す固形分
換算量の減水剤を投入し、150秒練り混ぜ、コンク
リートを調製した。調製したコンクリートの練り混ぜ直
後のスランプフロー、空気量、及びU形充填試験におけ
る仕切通過後のコンクリートの粗骨材量を測定し、実施
例1と同様に充填性試験を行った。結果を表3に併記す
る。
【0032】<測定方法> スランプフロー:JSCE−F503に準じ測定 空気量:JIS A 1128に準じて測定 粗骨材量:土木学会、高流動コンクリート委員会「U形
充填試験方法(案)」に準じて測定
【0033】
【表3】
【0034】表3から、本発明のセメント組成物を用い
た高流動自己充填コンクリートは、流動性に優れ、従来
のコンクリートよりも時間の経過に伴う流動性の低下が
少なく、充填性が良好であることが判る。
【0035】実施例4 セメントAを使用し、セメントの単位量を320kg/
3とし、セメント100質量部に対して膨張材a7質
量部、結合材100質量部に対して石粉52質量部、細
骨材254質量部及び粗骨材257質量部をミキサーに
投入し、低速で30秒空練りし、その後、結合材100
質量部に対して水52質量部、収縮低減剤イ6質量部及
び表4に示す固形分換算量の減水剤を投入し150秒
練り混ぜてコンクリートを調製したこと以外は、実施例
3と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0036】<使用材料> 石粉:炭酸カルシウム粉末、比重2.70、ブレーン比
表面積5000cm2/g
【0037】
【表4】
【0038】表4から、本発明のセメント組成物に石粉
を添加した高流動自己充填コンクリートは、流動性に優
れ、従来のコンクリートよりも時間の経過に伴う流動性
の低下が少なく、充填性が良好であることが判る。
【0039】実施例5 表5に示すセメント100質量部に対して膨張材、結合
材100質量部に対して収縮低減剤、及び結合材100
質量部に対して石粉、水30〜50質量部、細骨材27
7〜292質量部及び粗骨材287〜302質量部のコ
ンクリート配合を用い、コンクリートの充填高さが30
cmを超え、粗骨材量の変動が5質量%以内になるよう
に、減水剤を結合材100質量部に対して固形分換算
で0.34〜0.42質量部を配合し、空気量が4.5
±0.5%(体積)になるように調製したコンクリート
について、実施例2と同様に長さ変化率、付着強度を測
定した。結果を表5に併記する。
【0040】<使用材料> 膨張材b:市販の石灰系膨張材、組成が膨張材100質
量部中、遊離石灰37質量部、けい酸三カルシウム(C
3S)30質量部、無水石膏33質量部 収縮低減剤ロ:低級アルコールアルキレンオキシド付加
物、市販品 石粉:炭酸カルシウム粉末、比重2.70、ブレーン比
表面積5000cm2/g
【0041】
【表5】
【0042】表5から、本発明のセメント組成物を使用
した高流動自己充填コンクリートは、乾燥収縮が少な
く、既設コンクリートとの付着性が良好であることが判
る。
【0043】実施例6 表6に示す単位量のセメントAを用い、セメント100
質量部に対して表6に示す膨張材aと結合材100質量
部に対して固形分換算量の減水剤及び収縮低減剤イ4
質量部、並びに表6に示す結合材100質量部に対して
細骨材、粗骨材及び水を配合し、空気量4.5%±0.
5%(体積)のコンクリートを調製し、材齢28日の自
己収縮を測定した。結果を表6に併記する。
【0044】<測定方法> 自己収縮:JIS A 6202膨張コンクリートの拘
束膨張B法を使用した。脱型までは型枠との付着や水分
の蒸発を防ぐポリエチレンのシートを使用し、脱型後は
供試体を塩化ビニリデンのラップで覆い、濡れた養生シ
ートで周りを囲み、直接水と接しない状態で養生し測定
した。
【0045】
【表6】
【0046】表6から、本発明のセメント組成物を用い
た高流動自己充填コンクリートは、自己収縮が極めて少
ないことが判る。
【0047】
【発明の効果】本発明のセメント組成物を用いた高流動
自己充填コンクリートは、流動性に優れ、乾燥収縮や自
己収縮が少なく、従来よりも時間の経過に伴う流動性の
低下が少なく、かつ、既設コンクリートとの付着性が良
好で、逆打ち工法や下面増し厚コンクリート打設等にお
いて、作業性が向上した施工が可能となる効果を奏す
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 24:32 C04B 24:26 E 24:26) 111:34 111:34 Fターム(参考) 4G012 PB03 PB05 PB11 PB31 PB36 PC02 PC03 PC09 PC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けい酸二カルシウム含有量が50〜70
    質量%であるポルトランドセメントと、遊離石灰、カル
    シウムアルミノフェライト及び無水石膏からなる膨張材
    と、乾燥収縮低減剤と、減水剤とを含有してなるセメン
    ト組成物。
  2. 【請求項2】 U形充填試験方法における充填高さが3
    0cmを超える流動性を有する請求項1記載のセメント
    組成物を用いた高流動自己充填コンクリート。
  3. 【請求項3】 ポルトランドセメントの単位量が270
    〜900kg/m3であることを特徴とする請求項2記
    載の高流動自己充填コンクリート。
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