JP2003277020A - 水素分離装置、水素分離方法および膜反応装置 - Google Patents

水素分離装置、水素分離方法および膜反応装置

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JP2003277020A
JP2003277020A JP2002083000A JP2002083000A JP2003277020A JP 2003277020 A JP2003277020 A JP 2003277020A JP 2002083000 A JP2002083000 A JP 2002083000A JP 2002083000 A JP2002083000 A JP 2002083000A JP 2003277020 A JP2003277020 A JP 2003277020A
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light
hydrogen
carbon monoxide
hydrogen separation
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Ritsu Yo
立 楊
Yusuke Arai
裕介 新居
Takao Soma
隆雄 相馬
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水素分離膜を備える水素分離装置において、水
素分離効率の経時的低下を抑制する。水素分離膜、およ
び所定の化学反応を実施するための化学反応触媒を備え
ている膜反応装置において、化学反応効率の経時的低下
を抑制する。 【解決手段】水素分離装置11は水素分離膜5を備えて
おり、かつ、光照射時に一酸化炭素及び/または硫黄化
合物を酸化するための光触媒を備えている。光触媒は、
例えば水素分離膜5の近傍に設置された酸化部材7に設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素分離装置、水
素分離方法および膜反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トーマス・グラハムが1866年に、水
素透過性の点で優れた特性を示す金属膜をいくつか発見
して以来、この金属−水素系は種々研究されてきた。こ
れらの膜の中では、パラジウムとパラジウム合金とが最
も有望である。Pd−Ag膜を透過して得られる水素の
純度は、99.999995%(不純物レベル0.5p
pm)を保証可能である。市販の緻密質Pd−Ag膜ユ
ニットは、実験室規模でも、小規模生産規模でも、水素
精製用途で入手可能であった。
【0003】このような膜ユニットは、水素リッチな気
流から水素を回収するための分離装置として有用であ
る。また、水素シリンダーが入手不能であったり、ある
いは運搬が高価な遠隔地において、現場で水素を生産で
きるという点で優れている。例えば、1:1メタノール
−水混合物が反応すると、水素と一酸化炭素とを生成
し、これが更に気流と接触すると、二酸化炭素と水素と
が更に発生する。このようにして生成した水素は、Pd
合金膜によって、関与する他の気体から分離可能であ
り、精製可能である。こうした可搬性の水素発生装置
は、「膜反応装置」とも呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなP
d水素分離膜を基礎とした水素分離装置や膜反応装置
は、使用環境によっては、時間経過につれて活性が低下
する。この被毒作用は、気流中に存在する化学種によっ
てもたらされる。また、被毒作用は、化学反応の生成物
からもたらされる。この膜は、特に気流中に存在する一
酸化炭素や硫黄化合物によって被毒される。具体的に
は、一酸化炭素や硫黄が膜上に吸着し、膜の活性部位を
ブロックすることが判明した。このような吸着物は、水
素分離膜の活性部位をブロックし、最終的には水素透過
率の低下をもたらす。
【0005】水素分離膜がいったん不活性化されると、
膜を再生する必要がある。これまでは、一酸化炭素や硫
黄が吸着した水素分離膜は、空気、空気/窒素混合物、
他のキャリアガスと混合した希酸素気流によって再生す
ることが知られている[(1)J. G. A. Bitter, 1988,
U.K. Pat. Appl. 2,201,159A; 2) H. J.Setzer and
A. C. W. Eggen, 1969, U. S. Patent 3,450,500; 3)
J. C. S. Wu, T. E. Gerdes, J. L. Pszczolkowski, R.
R. Bhave, P. K. T. Liu and E. S. Martin, 1990, Se
p. Sci. Technol. 25, 1489.)]。しかし、このような
方法では再生が不完全であり、コストが高く、不便であ
った。
【0006】本発明の課題は、水素分離膜を備えている
水素分離装置において、水素分離効率の経時的低下を抑
制する新たな方法を提供することである。
【0007】また、本発明の課題は、水素分離膜、およ
び所定の化学反応を実施するための化学反応触媒を備え
ている膜反応装置において、化学反応効率の経時的低下
を抑制することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素分離膜を
備えている水素分離装置であって、光照射時に一酸化炭
素及び/または硫黄化合物を酸化するための光触媒を備
えていることを特徴とする、水素分離装置に係るもので
ある。
【0009】また、本発明は、水素分離膜を使用して水
素を分離する方法であって、光照射時に一酸化炭素及び
/または硫黄化合物を酸化するための光触媒に対して光
を照射することによって、水素分離膜の近傍の一酸化炭
素及び/または硫黄化合物を酸化することを特徴とす
る、水素分離方法に係るものである。
【0010】また、本発明は、水素分離膜、および所定
の化学反応を実施するための化学反応触媒を備えている
膜反応装置であって、光照射時に一酸化炭素及び/また
は硫黄化合物を酸化するための光触媒を備えていること
を特徴とする、膜反応装置に係るものである。
【0011】本発明者は、水素分離膜上における一酸化
炭素及び/または硫黄の吸着を抑制する技術について検
討し、光照射時に一酸化炭素及び/または硫黄化合物を
酸化するための光触媒を設けることを想到した。即ち、
前述した炭素質吸着物は、水素分離膜近傍で発生した一
酸化炭素の二次的反応によって発生する。そこで、水素
分離膜の近傍で発生した一酸化炭素を光触媒によって酸
化し、二酸化炭素として排出することで、水素分離膜の
被毒、炭素質吸着物による活性の低下を防止することを
想到した。そして、この方法が簡便でありながら効果が
高いことを見いだし、本発明に到達した。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、水素分離膜は特
に限定されないが、以下が好ましい。貴金属およびその
合金:この貴金属としては、パラジウム、イットリウ
ム、セリウムが好ましい。また、パラジウムと合金化す
るべき金属としては、銀、白金、金、ルテニウム、鉄、
モリブデン、コバルト、錫、銅、ニッケル、イットリウ
ム、ロジウム、亜鉛、バナジウムが好ましい。
【0013】光照射時に一酸化炭素及び/または硫黄化
合物を酸化するための光触媒は、特に限定されない。例
えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化
バナジウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウ
ム、K4Nb3O17、InTaO4、RbPb2Nb3O4、BiVO4、In1-xNixT
aO4およびこれらの混合物を例示できる。これらの光触
媒のうち、酸化力の強さ、安定性を考慮すれば、酸化チ
タンが最も好適である。
【0014】光触媒の設置形態や設置箇所は特に限定さ
れない。しかし、光触媒は、水素分離膜の近傍に設置す
ることが好ましい。特には、光触媒と水素分離膜との間
隔が、200mm以下であることが好ましく、10mm
以下であることが更に好ましい。また、水素分離膜の表
面に光触媒が担持されていてもよい。
【0015】光触媒は、担体に担持させた状態でもよ
い。この担体としては、金属製のメッシュ(金網な
ど)、コージェライト製または金属製のハニカム担体、
金属板、セラミック板や樹脂板を例示できる。担体に光
触媒を担持させる方法としては、たとえばゾル・ゲル法
やバインダ法が挙げられる。
【0016】ゾル・ゲル法は、光触媒の前駆体を含む液
体原料(ゾル)を担体表面に塗布した後にこれを乾燥さ
せてゲル状とし、さらに300℃以上で焼成する方法で
ある。液体原料としては、たとえばチタニウムアルコキ
シドやチタニウムキレートなどの有機系チタン溶液が挙
げられる。
【0017】バインダ法は、たとえば光触媒をバインダ
樹脂と混練した後に、これを担体表面にコーティング
し、バインダ樹脂を固化ないし硬化させる方法である。
バインダ樹脂としては、シリカや水ガラスなどの無機
系、あるいはシロキサン結合を持つシリコーンなどの有
機系のものが挙げられる。
【0018】好適な実施形態においては、光触媒が紫外
光または可視光照射時に一酸化炭素を酸化し得る触媒で
ある。光の波長は特に限定されないが、使用する光触媒
によって最適な感光波長は異なる。光触媒の価電子帯と
導電帯間のバンドギャップをE(eV) とすると感光波長ν
(nm)との関係は、E(eV)=1240/ν(nm)であり、この波長
以下の光を照射することが好ましい。バンドギャップが
3.2Vの酸化チタンの場合は波長が390nm 程度の紫外光が
最も好ましい。
【0019】好適な実施形態においては、光触媒が、可
視光照射時に一酸化炭素を酸化し得る光触媒であり、色
素増感作用を有する色素とn型半導体とを含む。n型半
導体は、前述したような光照射時に電子を発生するもの
であり、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングス
テン、酸化バナジウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ス
トロンチウム、K4Nb3O17、InTaO4、RbPb2Nb3O4、BiV
O4、In1-xNixTaO4およびこれらの混合物を例示できる。
この実施形態において使用する色素は、色素の励起帯の
電位が、n型半導体の伝導帯の電位よりも低く、かつ色
素の価電子帯の電位は、一酸化炭素の二酸化炭素へ及び
/または硫化物の二酸化硫黄への酸化反応の電位よりも
高く、n型半導体の価電子帯の電位よりは低いものを使
用する。
【0020】このように、色素増感剤とn型半導体とを
含む光触媒を利用することよって、可視光の照射によっ
てプロトン生成触媒の被毒を抑制することができる。
【0021】この色素としては、以下を例示できる。 ・Ru錯体色素−Ru(dcbpy ) (NCS) など ・有機合成色素−クマリン系、メロシアニン系、エオシ
ン−Yなど
【0022】水素分離膜へと光を照射する方法は、特に
限定されない。外部の光、例えば太陽光を光触媒へと照
射することも含まれる。しかし、好適な実施形態におい
ては、光触媒に対して光を照射するための光照射部材を
別途設ける。
【0023】光照射部材は、光触媒の全体に対してほぼ
均一に光を照射できる形態を有することが好ましい。こ
の観点からは、漏光型光ファイバーや面光源が好まし
い。面光源の種類も限定されないが、導光板が好まし
い。
【0024】また、光源も限定されず、使用する光触媒
の感光波長に応じて選択すればよい。具体的には、ブラ
ックライトなどの紫外線ランプ、ナトリウムランプ、水
銀ランプ、キセノンランプ、白熱灯、冷陰極管、白色蛍
光灯、紫外発光ダイオード、可視光発光ダイオード、適
宜の光源からフィルターなどを介して所定波長の光を取
り出すように構成された光源装置などがある。
【0025】好適な実施形態においては、光照射部材の
表面や近傍に光触媒を設置する。例えば、光照射部材の
表面に光触媒を担持させることができる。あるいは、光
照射部材の近傍に別体の基板を設置し、この基板の表面
に光触媒を担持させることができる。
【0026】本発明の膜反応装置は、前述した水素分離
膜の他に、所定の化学(気相)反応を実施するための化
学反応触媒を備えている。この化学反応の種類は限定さ
れないが、改質反応や脱水素反応を例示できる。この化
学反応は、基本的に以下の反応式のものである。 A(+B) → C+水素ガス
【0027】つまり、膜反応装置への供給ガスをA(お
よびB)とすると、生成物は、水素ガスと、水素ガス以
外の反応生成物Cとを含んでいる。そして、Cと水素ガ
スとを含む混合物から水素分離膜によって水素を分離
し、生成物Cを別途排出する。
【0028】改質反応としては、以下の反応を例示でき
る。 CH+HO → CO+H
【0029】脱水素反応としては、以下の反応を例示で
きる。 CHOH(メタノール)→HC(O)H(ホルムアル
デヒド)+H 10 → C+H 12(シクロヘキサン)→C10(シクロヘ
キセン)
【0030】また、膜反応装置は、硫化水素、アンモニ
アなどの分解反応装置に適用可能である。この反応式を
例示する。 HS → S +H NH3 → N+H2 化学反応触媒としては、以下を例示できる。 硫化水素分解反応:MoS2, WS2 アンモニア分解反応:Ni/Al2O3
【0031】以下、図面を参照しつつ、更に具体的な実
施形態について述べる。図1は、従来の水素分離装置1
を示す模式図である。装置1の容器2の中には気密性の
水素分離膜5が設置されており、膜5によって容器2内
が二分されている。装置1の供給孔3から矢印Aのよう
に原料ガスを供給する。このガスは、水素ガスと、水素
ガス以外のガスとを含有している。水素ガス以外のガス
は特に限定されないが、例えば一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気、窒素、酸化窒素、空気、アンモニアガス、
炭化水素ガスであってよい。
【0032】供給ガス中に含有される水素ガスは、矢印
Cのように水素分離膜5を透過し、排出孔6から矢印D
のように排出される。水素ガス以外のガス(残ガス)
は、矢印Bのように排出孔4から排出される。残ガスの
中には、少量の水素ガスが含まれていて良い。水素分離
膜5の供給ガス側には、前述したように一酸化炭素や硫
黄が吸着しやすく、このために水素分離膜の分離活性が
低下する。
【0033】図2は、本発明の一実施形態に係る水素分
離装置11を示す模式図である。図1に示した構成部分
には同じ符号をつけ、その説明を省略する。本例では、
水素分離膜5の供給ガス側に一酸化炭素及び/または硫
黄化合物の酸化部材7が設置されている。この酸化部材
7は、光照射部材と光触媒とを備えている。光照射部材
は、例えば前述した漏光型光ファイバーや導光板であ
る。光照射部材7に対して光源9から8のように光を集
光し、光照射部材7を発光させ、光触媒を活性化する。
【0034】酸化部材7は、例えば図3に示すような形
態の漏光型光ファイバー12を備える。光ファイバー1
2の外表面12a上には、光触媒からなる薄い透光性の
多孔質膜13が成膜されている。前述したように、光触
媒の粒子を含むペーストを光ファイバー12の外表面1
2aに塗布し、焼き付けることによって、多孔質膜13
を形成できる。光ファイバー12中を矢印のように導光
されてきた光は、光ファイバー12の外表面12aから
矢印のように発光し、この際に多孔質膜13を透過し、
光触媒を活性化させる。この結果、光ファイバー12の
近傍に生成している一酸化炭素及び/または硫黄化合物
を酸化し、炭素質吸着物の生成を抑制する。
【0035】図1および図2の水素分離装置を使用して
水素分離性能の経時変化を測定した。具体的には、水素
分離膜5として、膜厚50μmのPd−Ag膜を使用し
た。一酸化炭素、二酸化炭素および水素の混合ガス(H
:CO:CO=75:5:20(容積比))を供給
した。供給ガスの流量は1.5ml/分である。容器内
の温度は500℃とし、膜の両側における圧力差を3k
g/cmとした。初期における水素ガスフラックス
(初期値)を100とし、水素ガスフラックスの経時変
化を初期値に対する比率として図4に示した。
【0036】ここで、図2の装置においては、酸化チタ
ン粒子を光ファイバー12表面に担持させた。そして、
光源9から波長360nmの紫外光を6mW/cm
エネルギー密度で照射した。
【0037】図4の結果からわかるように、本発明の装
置では、200時間経過後も水素ガスフラックスの比率
が初期値の80%以上を保持しているのに対して、比較
例では初期値の約20%にまで低下していた。
【0038】図5は、従来の膜反応装置15を示す模式
図である。装置15の容器2の中には気密性の水素分離
膜5が設置されており、膜5によって容器2内が二分さ
れている。装置1の供給孔16から矢印Aのように原料
ガスを供給する。この原料ガスは、所定箇所に設置され
た化学反応触媒部19を通過する。この触媒部19に
は、熱電対等の加熱手段18が設置されており、これに
よって触媒部19の温度を、目的とする化学反応に最適
な温度に調節する。
【0039】原料ガスが触媒部19を通過する間に、前
述したような化学反応が起こり、生成物が触媒部から水
素分離膜5へと向かって放出される。ここで、化学反応
生成物は少なくとも水素を含んでいる。従って、生成物
の中から水素ガスだけが矢印Cのように水素分離膜5を
透過し、更に排出孔6から矢印Dのように排出される。
水素以外のガスは排出孔17から矢印Bのように排出さ
れる。ここで、生成物中から水素ガスだけが水素分離膜
5によって分離され、排出される結果、触媒部19およ
びその近傍では、化学平衡の原理によって、水素ガスを
生成させる方向に化学反応が進行することになる。
【0040】しかし、水素分離膜5の供給ガス側には、
前述したように炭素質吸着物が吸着しやすく、活性点が
ブロックされやすい。水素分離膜における水素分離活性
が低下すると、化学反応生成物から水素ガスだけを選択
的に吸着し、除去する作用が損なわれる。この結果、触
媒部19およびその近傍において、化学平衡作用によっ
て所望の化学反応を生成させることが難しくなり、反応
効率が低下する。
【0041】図6は、本発明の一実施形態に係る膜反応
装置20を示す模式図である。図5に示した構成部分に
は同じ符号をつけ、その説明を省略する。本例では、水
素分離膜5の供給ガス側に酸化部材7が設置されてい
る。この酸化部材7は、例えば前述した漏光型光ファイ
バーや導光板である。酸化部材7に対して光源9から8
のように光を集光し、光触媒を活性化する。
【0042】酸化部材7は、例えば図3に示すような形
態を有する漏光型光ファイバー12を備えており、光フ
ァイバー12の外表面12a上には、光触媒からなる薄
い透光性の多孔質膜13が成膜されている。この光ファ
イバーおよび光触媒の作用により、光ファイバー12の
近傍に生成している一酸化炭素を酸化し、炭素質吸着物
の生成を抑制する。
【0043】図5および図6の膜反応装置15、20を
使用し、メタンの改質反応の効率の経時変化を測定し
た。この反応式は以下の通りである。この反応におい
て、右辺のHを反応系から取り除くことによって、右
辺側へと向かって改質反応が進行する。 CH+HO→CO+H
【0044】具体的には、水素分離膜5として、膜厚5
0μmのPd−Ag膜を使用した。メタンと水の混合ガ
ス(CH:HO=1:3(mol比))を供給し
た。供給ガスの流量は2.5ml/分である。触媒とし
てニッケル担持アルミナ触媒を使用した。容器内の温度
は550℃とし、膜の両側における圧力差を5kg/c
とした。初期における水素ガスフラックス(初期
値)を100とし、水素ガスフラックスの経時変化を初
期値に対する比率として図7に示した。
【0045】ここで、図6の装置20においては、酸化
チタン粒子を光ファイバー12表面に担持させた。そし
て、光源9から波長360nmの紫外光を6mW/cm
のエネルギー密度で照射した。
【0046】図7の結果からわかるように、本発明の装
置では、50時間経過後も水素ガスフラックスの比率が
初期値の80%以上を保持しているのに対して、比較例
では初期値の約30%にまで低下していた。
【0047】次に、図5および図6の膜反応装置15、
20を使用し、n−ブタンの脱水素反応の効率の経時変
化を測定した。この反応式は以下の通りである。この反
応において、右辺のHを反応系から取り除くことによ
って、ブテン(n−C)の生成反応が進行する。 n−C10→n−C+H
【0048】具体的には、水素分離膜5として、膜厚5
0μmのPd−Ag膜を使用した。n−ブタンを15m
l/分の流量で供給した。触媒として白金担持シリカ触
媒を使用した。容器内の温度は480℃とし、膜の両側
における圧力差を3kg/cmとした。初期における
ブタンのブテンへの転化率(初期値)を100とし、こ
の転化率の経時変化を初期値に対する比率として図8に
示した。
【0049】ここで、図6の装置20においては、酸化
チタン粒子を光ファイバー12表面に担持させた。そし
て、光源9から波長360nmの紫外光を6mW/cm
のエネルギー密度で照射した。
【0050】図8の結果からわかるように、本発明の装
置では、350時間経過後もブタンの転化率が初期の約
70%を保持しているのに対して、比較例ではほとんど
転化が行われなくなっていた。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、水
素分離膜を備えている水素分離装置において、水素分離
効率の経時的低下を抑制できる。また、水素分離膜、お
よび所定の化学反応を実施するための化学反応触媒を備
えている膜反応装置において、化学反応効率の経時的低
下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の水素分離装置を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る水素分離装置を示す模
式図である。
【図3】酸化部材の一例を示す模式図である。
【図4】比較例および本発明例の各水素分離装置につい
て、水素分離効率の経時変化を示すグラフである。
【図5】従来例の膜反応装置を示す模式図である。
【図6】本発明の実施形態に係る膜反応装置を示す模式
図である。
【図7】従来例および本発明例の各水素分離装置につい
て、メタンの改質反応効率の経時変化を示すグラフであ
る。
【図8】従来例および本発明例の各水素分離装置につい
て、n−ブタンのn−ブテンへの脱水素反応の効率の経
時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 従来例の水素分離装置 2 容器
3、16供給孔 4、17 残ガスの排出孔
5 水素分離膜 6水素ガスの排出孔
7 一酸化炭素及び/または硫黄の酸化部材 8 光 9 光源 11 本発明の一実施形態に係
る水素分離装置 12光ファイバー(光照射部材) 13 光触媒
15 従来例の膜反応装置 18 温度
測定手段 20 本発明の一実施形態に係る膜
反応装置 A 供給ガスの流れ B 残ガ
スの流れ C、D 水素ガスの流れ
フロントページの続き (72)発明者 相馬 隆雄 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA41 JA70Z KC27 MC02X PB66 PC69 4G069 AA03 BA04B BA48A CC21 4G140 EA03 EA06 EB19

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素分離膜を備えている水素分離装置であ
    って、光照射時に一酸化炭素及び/または硫黄化合物を
    酸化するための光触媒を備えていることを特徴とする、
    水素分離装置。
  2. 【請求項2】前記水素分離膜がパラジウムまたはパラジ
    ウム合金からなることを特徴とする、請求項1記載の装
    置。
  3. 【請求項3】前記光触媒に光を照射するための光照射部
    材を備えていることを特徴とする、請求項1または2記
    載の装置。
  4. 【請求項4】前記光触媒が前記光照射部材に固定されて
    いることを特徴とする、請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】前記光照射部材が、漏光型光ファイバーま
    たは面光源であることを特徴とする、請求項3または4
    記載の装置。
  6. 【請求項6】前記光触媒が紫外光または可視光照射時に
    前記一酸化炭素及び/または硫黄化合物を酸化し得るこ
    とを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項
    に記載の装置。
  7. 【請求項7】前記光触媒が可視光照射時に前記一酸化炭
    素及び/または硫黄化合物を酸化し得る光触媒であり、
    色素増感作用を有する色素とn型半導体とを含むことを
    特徴とする、請求項6記載の装置。
  8. 【請求項8】水素分離膜を使用して水素を分離する方法
    であって、光照射時に一酸化炭素及び/または硫黄化合
    物を酸化するための光触媒に対して光を照射することに
    よって、前記水素分離膜の近傍の一酸化炭素及び/また
    は硫黄化合物を酸化することを特徴とする、水素分離方
    法。
  9. 【請求項9】前記水素分離膜がパラジウムまたはパラジ
    ウム合金からなることを特徴とする、請求項8記載の方
    法。
  10. 【請求項10】前記光触媒に光を照射するための光照射
    部材を備えていることを特徴とする、請求項8または9
    記載の方法。
  11. 【請求項11】前記光触媒が前記光照射部材に固定され
    ていることを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記光照射部材が、漏光型光ファイバー
    または面光源を備えていることを特徴とする、請求項1
    0または11記載の方法。
  13. 【請求項13】前記光触媒が紫外光または可視光照射時
    に前記一酸化炭素及び/または硫黄化合物を酸化し得る
    ことを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一つの請
    求項に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記光触媒が可視光照射時に前記一酸化
    炭素を酸化し得る光触媒であり、色素増感作用を有する
    色素とn型半導体とを含むことを特徴とする、請求項1
    3記載の方法。
  15. 【請求項15】水素分離膜、および所定の化学反応を実
    施するための化学反応触媒を備えている膜反応装置であ
    って、光照射時に一酸化炭素及び/または硫黄化合物を
    酸化するための光触媒を備えていることを特徴とする、
    膜反応装置。
  16. 【請求項16】前記水素分離膜がパラジウムまたはパラ
    ジウム合金であることを特徴とする、請求項15記載の
    装置。
  17. 【請求項17】前記光触媒に光を照射するための光照射
    部材を備えていることを特徴とする、請求項15または
    16記載の装置。
  18. 【請求項18】前記光触媒が前記光照射部材に固定され
    ていることを特徴とする、請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】前記光照射部材が、漏光型光ファイバー
    または面光源であることを特徴とする、請求項17また
    は18記載の装置。
  20. 【請求項20】前記光触媒が紫外光または可視光照射時
    に前記一酸化炭素及び/または硫黄化合物を酸化し得る
    ことを特徴とする、請求項15〜19のいずれか一つの
    請求項に記載の装置。
  21. 【請求項21】前記光触媒が可視光照射時に前記一酸化
    炭素及び/または硫黄化合物を酸化し得る光触媒であ
    り、色素増感作用を有する色素とn型半導体とを含むこ
    とを特徴とする、請求項20記載の装置。
  22. 【請求項22】前記化学反応触媒が改質反応を触媒する
    ことを特徴とする、請求項15〜21のいずれか一つの
    請求項に記載の装置。
  23. 【請求項23】前記化学反応触媒が脱水素反応を触媒す
    ることを特徴とする、請求項15〜21のいずれか一つ
    の請求項に記載の装置。
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