JP2003276023A - 複合線材、スワールマットおよびスワールシート - Google Patents

複合線材、スワールマットおよびスワールシート

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JP2003276023A
JP2003276023A JP2002085945A JP2002085945A JP2003276023A JP 2003276023 A JP2003276023 A JP 2003276023A JP 2002085945 A JP2002085945 A JP 2002085945A JP 2002085945 A JP2002085945 A JP 2002085945A JP 2003276023 A JP2003276023 A JP 2003276023A
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fiber
heat
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Atsushi Matsuo
篤 松尾
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて軽量性であるにもかかわらず、それ自
体で優れた強度および復元性を有する芯材または面材を
形成し得る複合線材を提供すること。 【解決手段】 強化繊維が実質的に同一方向に並列して
配置された長繊維強化熱可塑性樹脂からなる線材を芯線
とし、その外周の長手方向に沿って少なくとも1本の熱
溶融性繊維または糸が配置されてなることを特徴とする
複合線材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スワールマットや
スワールシートの形成に有用な複合線材、該複合線材か
らなるスワールマットおよびスワールシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車輌材料、電気電子部品、建
築材料、土木資材、産業資材などを構成する軽量芯材と
しては、ハニカム、発泡体、多孔繊維強化樹脂(FR
P)、多孔繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)、グラス
ウールやロックウールなどの無機繊維マットおよび多孔
有機繊維マットなどが知られている。上記材料は、それ
ぞれに特徴を有しているが、例えば、ハニカム、発泡
体、多孔FRP、多孔FRTPおよび無機繊維マットな
どは、芯材としての柔軟性が劣り、多孔有機繊維マット
は剛性が劣る。また、多孔FRPや多孔FRTPでは、
軽量性が劣るものであった。
【0003】また、上記の如き芯材は、その表面強度や
剛度が劣ることから、その表面を補強するとともに、芯
材の意匠性を向上させるといった目的で、該芯材の表面
にガラス繊維、炭素繊維或いは有機繊維などからなる織
布や不織布を表皮材として接着させたものが用いられて
きた。しかしながら、前記織布や不織布では、接着剤な
どを用いて芯材と一体化する必要があり、加工上の手間
を要した。
【0004】上記芯材の面剛性を高めるために、FRT
Pシートを補強面材としたものが、特開平2−3284
2号公報などに提案されている。前記公報に開示された
面材は、使用する樹脂が熱可塑性樹脂のため、脆性が小
さく扱い性に優れ、母材と熱圧着することにより一体化
が可能であり加工性に優れるものである。
【0005】しかしながら、前記公報などの面材のう
ち、フィルムを積層したものでは、母材に接着する際に
フクレやシワなどが発生する場合が生じるといった問題
を有していた。また、前記公報などのフィルムを積層し
ない網状物の面材では、一方向繊維強化熱可塑性樹脂線
材を引き揃えて格子状に積層した面材や、一方向繊維強
化熱可塑性樹脂線材を織った面材では、一方向に配向す
る繊維強化熱可塑性樹脂線材の間隔を狭くして密にすれ
ば、強度が向上するものの面材を芯材の形状に追従させ
にくいといった問題を有していた。
【0006】また、一方向に配向する繊維強化熱可塑性
樹脂線材の間隔を広くして疎にすれば、面材を芯材の形
状に追従させ易くなるものの、面材の強度低下や強度の
ばらつきが生じるといった問題を有していた。さらに前
記線材やテープ材をカットしたものを散布堆積させて面
材を作成する方法が考えられるが、軽量で高強度にする
ためには比較的長い線材を必要とし、前記線材長を長く
すればするほど、線材が異方向でランダムに分散せずに
配向が生じ、面材強度のばらつきが生じる場合があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、極め
て軽量性であるにもかかわらず、それ自体で優れた強度
および復元性を有する芯材を形成し得る複合線材を提供
することである。また、本発明の他の目的は、上記複合
線材からなり、極めて軽量性であるにもかかわらず、そ
れ自体で優れた強度および復元性を有する芯材を提供す
ることである。さらに本発明は、容易に作成しやすく、
取扱性が良好であるとともに、芯材との接着性や加工性
に優れ、低目付け量で軽量であるにもかかわらず、面剛
性を向上し、かつ強度のばらつきの少ないシートを安価
に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、強化繊維が
実質的に同一方向に並列して配置された長繊維強化熱可
塑性樹脂からなる線材(以下単に「線材」という)を芯
線とし、その外周の長手方向に沿って少なくとも1本の
熱溶融性繊維または糸(以下単に「熱溶融性繊維」とい
う)が配置されてなることを特徴とする複合線材を提供
する。
【0009】また、本発明は、上記の複合線材を少なく
とも含む長繊維強化熱可塑性樹脂からなる複数本の線材
が三次元方向に絡み合って湾曲しており、上記複合線材
同士または複合線材と他の線材との交点の少なくとも一
部が熱融着していることを特徴とするスワールマット、
およびその製造方法を提供する。
【0010】また、本発明は、前記複合線材を少なくと
も含む長繊維強化熱可塑性樹脂からなる複数本の線材が
平面方向に絡み合って湾曲しており、上記複合線材同士
または複合線材と他の線材との交点の少なくとも一部が
熱融着していることを特徴とするスワールシート、およ
びその製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。図1および図2は、本
発明の好ましい実施形態の複合線材の構成を図解的に説
明する図である。図1cに示す複合線材は、図1aに示
す線材を芯線とし、その外周の長手方向に沿って熱溶融
性繊維からなる鞘線(図1b)が配置されてなることを
特徴としている。なお、図1cにおいて芯線と鞘線とは
離れて記載されているが、実際には両者は密着してい
る。
【0012】図2に示す実施の形態は、本発明の複合線
材が、芯線の周囲に熱溶融性繊維がループ状に巻き付け
られている形態を示している。図1および図2に示す如
き本発明の複合線材においては、少なくとも熱溶融性繊
維が溶融する温度に加熱されると、芯線と熱溶融性繊維
とが同一の樹脂からなっていたとしても、加熱温度にお
いてより細い方の熱溶融性繊維が熱により収縮し、図1
dおよび図2(d)に示すように、複合線材を三次元方
向に無秩序に湾曲(スワール)させる。これを放冷若し
くは冷却すると、その湾曲形状を維持して固定される。
【0013】上記の如き複合線材を複数本ランダムまた
は適当に配列させて、所定の温度に加熱すると、図3に
示す如く複合線材の交点において、溶融した熱溶融性繊
維または軟化した線材が互いに融着して、冷却するとそ
の交点が固定されるとともに、湾曲した複合線材の全体
が固定される。
【0014】上記本発明で使用する線材(芯線)は、強
化繊維、例えば、ガラス繊維を一方向に引き揃えて、該
ガラス繊維中に熱可塑性樹脂を溶融含浸または被覆させ
て得られるものであり、上記ガラス繊維は線材とほぼ同
一長でかつ線材の長手方向に実質的に配置されている。
【0015】上記線材において使用するガラス繊維の径
は特に限定はしないが9〜17μmであることが好まし
い。ガラス繊維の径が9μm未満であると同一のガラス
繊維含有率とした場合、ガラス繊維の表面積が大きくな
り、一方、ガラス繊維の径が17μmを越えると、得ら
れるマットまたはシートの機械的物性が劣り好ましくな
い。
【0016】線材中のガラス繊維含有率は、25〜60
vol%であり、30〜50vol%であることがより
好ましい。前記ガラス繊維含有率が25vol%未満で
あると、線材としてのメリットが希薄となり、一方、前
記ガラス繊維含有率が60vol%を越えると、線材中
のガラス繊維の分散性が劣り好ましくない。
【0017】線材に使用する熱可塑性樹脂としては、特
に限定はなく一般に市販されている種々のものが使用可
能である。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリスチレン
系樹脂などが挙げられる。
【0018】ガラス繊維に対する含浸性、コストおよび
物性の点からは、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂が本発明において好適であ
り、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンなど;ポリアミド系樹脂として
は、例えば、ナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン1
2、MXDナイロンなど;ポリエステル系樹脂として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどが挙げられ、これらの樹脂を用い
ることが本発明においては特に好ましい。これらの樹脂
には着色剤、変性剤、酸化防止剤および耐紫外線剤など
の添加剤や、炭酸カルシウム、タルク、マイカなどのフ
ィラーを混合して用いても差し支えない。
【0019】上記線材を作製する方法は、ガラス繊維を
集束してなるガラス繊維ストランドを溶融樹脂含浸槽に
送り込み、溶融含浸法により樹脂をガラス繊維ストラン
ド中に含浸させた後、1本または複数本のガラス繊維ス
トランドを1個のノズルにより引き抜いた後、リールな
どに巻き取っておくことが好ましい。
【0020】上記線材は、その平均径が0.1〜1.5
mmまたはテックス番手300〜20,000であるこ
とが好ましい。線材の径が0.1mm未満であると、線
材自体または該線材を用いて得られるマットまたはシー
トの生産性が劣り、また、得られるマットまたはシート
の剛性が不十分である。一方、前記線材の径が1.5m
mを越えると、マットまたはシートの製造時に線材の湾
曲性が劣り、所望の形状のマットやシートが得にくい。
【0021】本発明では上記線材の外周の長手方向に添
って少なくとも1本の熱溶融性繊維が配設されるが、該
繊維の熱可塑性樹脂としては、前記線材のマトリックス
樹脂と同様な樹脂が使用でき、特にポリプロピレンやナ
イロン系の熱溶融性繊維が好ましい。また、熱溶融性繊
維のテックス番手または平均径は、前記芯線のテックス
番手または平均径よりも小さくすることが望ましい。以
上の熱溶融性繊維は、テックス番手1.5〜100であ
ることが好ましい。
【0022】本発明においてマットまたはシートの製造
に使用する複合線材の長さは特に限定はないが、短すぎ
ると形成されたマットまたはシートの引っ張り強度など
が劣り、また、長すぎると取扱い上不便であるので、好
ましい長さは約3〜30cm程度である。
【0023】すなわち、本発明の複合線材を用いてスワ
ールマットまたはシートを作成する際に、上記繊維の溶
融温度に加熱することによって、線材よりも細い熱溶融
性繊維が先に加熱収縮および溶融し、温度調整が容易
で、適度に線材を湾曲させることができるとともに、熱
溶融性繊維が湾曲した線材の交点において接着剤とな
り、湾曲した線材を強固に固定することができる。
【0024】上記熱溶融性繊維を前記線材(芯線)に配
設する方法は特に限定されず、例えば。線材の周囲に長
手方向に平行に複数の熱溶融性繊維を適当な手段で固定
してもよいし、各種編み機を用いて線材の周囲に、図1
cに示す如く鎖編状に編み付けてもよいし、さらに図2
cに示すように前記線材の周囲に熱溶融性繊維をループ
状に巻き付けてもよい。このような鎖編みやループ編み
はニット分野で使用されている自動編み機を用いること
により容易に形成することができる。
【0025】線材の周囲に配設する熱溶融性繊維の量
は、線材および熱溶融性繊維の太さにもよるが、熱溶融
性繊維の質量は線材の質量の約0.5〜20質量%程度
である。熱溶融性繊維の量が少なすぎると、線材が湾曲
しにくく、湾曲したとしても線材の固定力が不足する、
また、多過ぎると不経済である。
【0026】次に上記本発明の複合線材の用途について
説明するが、下記に例示の用途は1例に過ぎず、本発明
の複合線材の用途は下記用途に限定されるものではな
い。図4は、本発明の複合線材を用いてスワールマット
の製造を説明する図である。図4に示すように、上型、
下型および2枚の通気性側板からなる成形用型内に前記
複数本の複合線材を装入し、一方の側板から少なくとも
熱溶融性繊維が収縮および溶融する温度であって、線材
が吹き飛ばない程度の風速(0.5〜2m/s)の熱風
を吹き込み、熱溶融性繊維を収縮および溶融させると、
複合線材は、図3に示すように三次元的に湾曲し、その
交点で融着して、型内を均一に満たし、型のキャビティ
内面と同一外形状のスワールマットに成形される。
【0027】上記方法によれば、高価な設備を要するこ
となく、上型、下型および側板のサイズまたは形状を変
化させるのみで、所望の形状のスワールマットが簡単な
操作で連続的に成形可能である。また、使用する複合線
材の量によって得られるスワールマットの空隙率が自由
に変更できる。好ましい複合線材の使用量は、スワール
マットの密度として、10〜150kg/m3である。
密度が低過ぎると得られるスワールマットの強度が不足
する。一方、密度が高すぎると得られるスワールマット
の軽量性およびコストメリットが失われる。
【0028】なお、以上のスワールマットの製造方法は
1例であり、図4に示すような装置において、熱風の送
風は下型および/または上型から行ない、排気は側面か
ら行なってもよく、さらに上型および/または下型を上
下動可動にして、キャビティの厚みを調整し、得られる
スワールマットの厚みを1個の装置で変更できるように
してもよい。なお、前記複合線材は単独で使用してもよ
いが、複合線材を複合されていない線材と併用すること
も可能である。
【0029】次に前記複合線材を用いる本発明のスワー
ルシートの製造方法の1例を説明する。図5に示すよう
に上下動可能な上型と側面に排気孔を有し、底面に熱風
送風孔を有する浅い箱状下型からなる成形機を用いる。
下型内に前記複合線材の適当量をランダム若しくは所定
の配置で装入する。次いで上型を適当な位置まで下降さ
せてキャビティを形成する。下型の送風孔より適当な温
度の熱風を吹き込み、複合線材を構成している少なくと
も熱溶融性繊維を加熱収縮溶融させる。この加熱によっ
て複合線材は三次元方向に湾曲し、キャビティ内を充満
する。次いで上型を下降させて湾曲した複合線材をプレ
スする。放冷若しくは空冷した後、上型を上昇させ、図
6にその平面を示す如きプレスされて複合線材が平面方
向に絡み合って成形されたスワールシートが得られる。
【0030】上記方法によれば、高価な設備を要するこ
となく、上型および下型のサイズまたは形状を変化させ
るのみで、所望の厚みおよび形状のスワールシートが簡
単な操作で連続的に成形可能である。また、使用する複
合線材の量によって得られるスワールシートの空隙率が
自由に変更できる。好ましい複合線材の使用量は、スワ
ールシートの目付量として、50〜1,000g/m2
である。目付量が低過ぎると得られるスワールシートの
強度が不足する。一方、目付量が高すぎると得られるス
ワールシートの軽量性およびコストメリットが失われ
る。
【0031】なお、以上の製造方法は1例であり、図5
に示すような装置を使用せず、単に複合線材を熱板上で
湾曲させ、湾曲した複合線材を熱板でプレスしても同様
に本発明のスワールシートが得られる。なお、上記方法
において、前記複合線材は単独で使用してもよいが、複
合線材を、複合されていない線材と併用することも可能
である。
【0032】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。 (実施例1)平均径13μmのモノフィラメントを用い
て、スプリットをかけずに集束本数を600本とした1
本のガラス繊維ストランドを、酸変性した溶融ポリプロ
ピレン(溶融温度260℃)中に導入し、溶融含浸を行
った後、内径0.49mmのノズルから50m/min
の速度で引き抜き、ほぼ断面円形の線材をリールに巻き
取った。得られた線材の平均径は0.49mm、ガラス
繊維含有率は52vol%、含浸率はn=5の平均値で
100%であった。nは測定個数を表わす(以下同
じ)。この線材の外周に、鎖編み機を用いてポリプロピ
レン繊維糸(太さ13.5dtex)を、図1に示すよ
うに編み込み、本発明の複合線材を得た。該複合線材に
おける線材(A)とポリプロピレン繊維(B)との質量
比は、A:B=100:6であった。
【0033】上記複合線材を長さ20cmの長さに切断
し、図4に示す如き成形機(キャビティー容積=縦40
cm、横40cm、深さ3cm)に、300gの量を装
入した後、型を閉じ、送風孔から温度200℃の熱風を
風速約1.0m/s、流量約0.48m3/minで3
0秒間吹き込んだ。その後脱型して上記キャビティの内
寸法と同一外寸法を有する密度63kg/m3のスワー
ルマットが得られた。このスワールマットは複合線材が
三次元方向にランダムにかつ均一に分布しており、複合
線材の交点は接着していた。交点以外の線材の表面には
ポリプロピレン繊維の溶融物が付着していた。得られた
スワールマットの20%歪みにおける圧縮強度は0.4
5MPa、60%歪みにおける圧縮強度は1.17MP
a、また、60%歪みにおける圧縮回復率は100%で
あり、荷重を取り除くと直ちに元の形状に復元した。
【0034】(実施例2)実施例1の複合されていない
線材に、編み機を用いてポリプロプレン繊維糸(太さ2
7.0dtex)を、図2に示すように巻き付け、本発
明の複合線材を得た。該複合線材における線材(A)と
ポリプロピレン繊維(B)との質量比は、A:B=10
0:8であった。
【0035】上記複合線材を長さ9cmの長さに切断
し、図5に示す如き成形機(キャビティー容積=縦40
cm、横40cm、深さ3cm)に、40gの量を装入
した後、型を閉じ、送風孔から温度200℃の熱風を風
速約1.0m/s、流量0.48m3/minで30秒
間吹き込んだ。その後上型を降下させて0.5kgf/
cm2の圧力で10秒間プレスし、放冷後脱型して上記
キャビティの内寸法と同一外寸法を有する目付量250
g/m2、厚み0.3mmのスワールシートが得られ
た。このスワールシートは複合線材がランダムにかつ均
一に分布しており、複合線材の交点は接着していた。交
点以外の線材の表面にはポリプロピレン繊維の溶融物が
付着していた。
【0036】次に、このシートを密度0.037g/c
3および厚さ3.0mmの架橋型発泡ポリプロピレン
からなる母材の両面に組み合わせて200℃に加熱した
平板プレスを用いて0.5kgf/cm2の圧力で30
秒間プレスし、次いで同じ圧力で冷間プレスを30秒間
行い、目付量610g/m2、厚み3.0mmの平板が
得られた。なお、加熱、冷却ともプレス上下の型のクリ
アランスは3.0mmとした。得られた平板から長さ1
50mmおよび幅50mmの試験片を切り出し、n=6
で最大曲げ荷重の測定を行ったところ、最大曲げ荷重は
14.8Nであった。
【0037】(比較例1)実施例1の複合されていない
線材を長さ3cmの長さに切断し、実施例2と同様の方
法で、250g/m2、厚み0.3mmのシートを得
た。このシートは線材がランダムにかつ均一に分布して
おり、線材の交点は接着していた。次いでこのシートを
実施例2と同様の方法で、母材に組み合わせて平板を得
た。得られた平板から長さ150mmおよび幅50mm
の試験片を切り出し、n=6で最大曲げ荷重の測定を行
ったところ、最大曲げ荷重は11.6Nであった。
【0038】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、極めて軽量
性であるにもかかわらず、それ自体で優れた強度および
復元性を有するスワールマットやスワールシートを形成
し得る複合線材;および極めて軽量性であるにもかかわ
らず、それ自体で優れた強度および復元性を有するスワ
ールマットおよびスワールシートを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合線材と、加熱による複合線材の
湾曲を説明する図。
【図2】 本発明の複合線材と、加熱による複合線材の
湾曲を説明する図。
【図3】 本発明の複合線材の結合を説明する図。
【図4】 本発明のスワールマットの製造方法を説明す
る図。
【図5】 本発明のスワールシートの製造方法を説明す
る図。
【図6】 本発明のスワールシートの平面を説明する
図。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA08 AB04 AB09 AB14 AB22 AB33 AD04 AD05 AD37 AD41 AD44 AD46 AH04 AH13 AH19 AH31 AJ04 AK06 AK14 AL02 AL11 AL17 4L036 MA04 MA33 MA34 MA39 RA25 UA07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維が実質的に同一方向に並列して
    配置された長繊維強化熱可塑性樹脂からなる線材を芯線
    とし、その外周の長手方向に沿って少なくとも1本の熱
    溶融性繊維または糸が配置されてなることを特徴とする
    複合線材。
  2. 【請求項2】 前記芯線のテックス番手または平均径
    が、前記熱溶融性繊維または糸のテックス番手または平
    均径よりも大きい請求項1に記載の複合線材。
  3. 【請求項3】 前記芯線が、平均径0.1〜1.5mm
    またはテックス番手300〜20,000である請求項
    1または2に記載の複合線材。
  4. 【請求項4】 前記熱溶融性繊維または糸が、テックス
    番手1.5〜100である請求項1〜3何れか1項に記
    載の複合線材。
  5. 【請求項5】 前記熱溶融性繊維または糸が、前記芯線
    に沿って芯線表面に鎖編状に配置されている請求項1〜
    4の何れか1項に記載の複合線材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載の複合
    線材を少なくとも含む長繊維強化熱可塑性樹脂からなる
    複数本の線材が三次元方向に絡み合って湾曲しており、
    上記複合線材同士または複合線材と他の線材との交点の
    少なくとも一部が熱融着していることを特徴とするスワ
    ールマット。
  7. 【請求項7】 密度が、10〜150kg/m3である
    請求項6に記載のスワールマット。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の何れか1項に記載の複合
    線材を少なくとも含む長繊維強化熱可塑性樹脂からなる
    複数本の線材が平面方向に絡み合って湾曲しており、上
    記複合線材同士または複合線材と他の線材との交点の少
    なくとも一部が熱融着していることを特徴とするスワー
    ルシート。
  9. 【請求項9】 目付量が、50〜1,000g/m2
    ある請求項8に記載のスワールシート。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5の何れか1項に記載の複
    合線材を少なくとも含む長繊維強化熱可塑性樹脂からな
    る複数本の線材を所定の形状の型内に装入し、次いで加
    熱して上記複数本の線材を三次元方向に絡み合って湾曲
    および融着させることを特徴とするスワールマットの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5の何れか1項に記載の複
    合線材を少なくとも含む長繊維強化熱可塑性樹脂からな
    る複数本の線材を型内に装入し、次いで加熱して上記複
    数本の線材を平面方向に絡み合って湾曲させ、所定の厚
    みに押圧することを特徴とするスワールシートの製造方
    法。
JP2002085945A 2002-03-26 2002-03-26 複合線材、スワールマットおよびスワールシート Pending JP2003276023A (ja)

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