JP2003275537A - 生物脱臭用充填担体 - Google Patents

生物脱臭用充填担体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧密化を防止して圧力損失の増大を回避するこ
とと、多くの微生物を担持して脱臭性能を高めることと
を両立可能な生物脱臭用充填担体を提供する。 【解決手段】生物脱臭装置の脱臭処理槽1のほぼ中央に
は担体層2が設けられ、この担体層2には、脱臭用微生
物を担持するための通気性充填材としての生物脱臭用充
填担体が充填される。この生物脱臭用充填担体は、ピー
トモスと多孔質物質とを、ピートモスの体積(x)と多
孔質物質の体積(y)との間の体積比(x/y)が5/
95〜30/70の範囲となるように混合してなるもの
である。多孔質物質としては、細孔径が1μm〜500
μmの範囲にある無機多孔質体を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱臭作用のある微
生物を担持する生物脱臭装置の通気性充填材として使用
するための生物脱臭用充填担体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水分を含んだ泥炭層に微生物を保
持し、その泥炭層に臭気ガスをくぐらせて脱臭を図る微
生物利用の脱臭装置が知られている。但し、泥炭のみで
は、時間の経過に伴い泥炭が不均等に圧密し、圧力損失
が増大する等して脱臭効率が低下するという欠点があ
る。このため、かかる圧密化を未然に防止するために、
脱臭装置の臭気ガス流通経路に泥炭層と発泡プラスチッ
ク層とを交互に積み重ね配置するもの(特許第2576
010号公報参照)や、泥炭と円筒形状又はスパイラル
形状の充填物(合成樹脂製)とを混合した混合層を臭気
ガス流通経路に配置するもの(特許第2648278号
公報参照)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、泥炭層
間に発泡プラスチック層を介在させたり、泥炭の中に円
筒形状又はスパイラル形状の充填物を混入したりするこ
とで、泥炭の圧密化を防止できても、発泡プラスチック
や合成樹脂製の充填物は、微生物を担持する能力に乏し
いという別の欠点がある。即ち、泥炭の一部を発泡プラ
スチックや合成樹脂製の充填物で置き換えたことで、脱
臭装置における微生物の担持量が実質上目減りする結果
となり、圧密化防止対策を施したにもかかわらず、脱臭
性能が十分に向上しないという問題があった。
【0004】本発明の目的は、圧密化を防止して圧力損
失の増大を回避することと、より多くの微生物を担持し
て脱臭性能を高めることとを両立可能な生物脱臭用充填
担体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、脱臭用微生物
を担持する生物脱臭装置の通気性充填材として使用する
ための生物脱臭用充填担体であって、ピートモスと多孔
質物質とを、ピートモスの体積(x)と多孔質物質の体
積(y)との間の体積比(x/y)が5/95〜30/
70の範囲となるように混合してなることを特徴とする
生物脱臭用充填担体である。
【0006】この生物脱臭用充填担体によれば、多孔質
物質を比較的多く配合したことで、ピートモスを含む充
填担体全体の通気性が確保されるのみならず、充填担体
の圧密化が防止されて圧力損失の増大が回避される。こ
のため、長期にわたり安定的な通気性を確保でき、生物
脱臭装置における通気性充填材としての適性に優れてい
る。また、多孔質物質は微生物の保持性に優れており、
ピートモスとの組合せの下で、微生物の生息、増殖ない
し活性を最大限に高める環境を提供するので、微生物に
よる脱臭作用を高めることができる。以下、本発明の構
成要素や、好ましい追加的構成要素について更に詳細に
説明する。
【0007】本発明の第一の必須要素である「ピートモ
ス」とは、水苔などの植物有機物が湿地に長年月の間堆
積して泥炭化したものや植物繊維質の集合体をいい、過
度に圧迫しなければ、通気性及び吸水性(保水性)に富
むという性質を有する。
【0008】本発明の第二の必須要素である「多孔質物
質」とは、微細な細孔を無数に持った無機又は有機質の
物質をいい、その形態は粒状又はブロック状のいずれで
もよい。但し、圧密防止の機能を発揮するためには、あ
る程度の大きさと剛性(又は機械的強度)を有する物体
として提供されることが必要であり、湿潤環境下で体積
変化を起こすような形態(例えば粉状)は好ましくな
い。
【0009】前記多孔質物質は、細孔径が1μm〜50
0μmの範囲にある無機多孔質体であることが好まし
い。細孔径が1μm未満となると、微生物が付着しにく
くなり微生物の保持性(ひいては脱臭処理性能)が却っ
て低下する虞れがある。他方、細孔径が500μmを超
えると、多孔質物質の表面積が低下して、これも微生物
の保持性を悪化させる要因となる。また、細孔径が50
0μmを超えると、無機多孔質体の機械的強度が低下傾
向となり、充填担体としての取り扱いが難しくなる。な
お、多孔質物質は無機多孔質体であることが好ましく、
この場合には、通気性の確保と機械的強度の確保との両
立が図りやすい。また、無機多孔質体の細孔径の範囲に
関しては、より好ましくは1μm〜100μmの範囲で
あり、更に好ましくは1μm〜20μmの範囲である。
【0010】本発明では、ピートモスの体積(x)と多
孔質物質の体積(y)との間の体積比(x/y)が5/
95〜30/70の範囲となるように両者を混合するこ
とが求められる。
【0011】ピートモスを5体積%以上(即ち多孔質物
質を95体積%以下)配合することとしたのは、ピート
モスの配合量が5体積%未満になると、処理対象となる
臭気ガスの初期吸着性能が低下し、使用開始から本来の
脱臭性能が発揮されるまでの時間差が大きくなるからで
ある。つまり、多孔質物質だけでは使用開始直後の脱臭
性能が見劣りするのに対し、ピートモスを5体積%以上
配合することで、使用開始直後から期待通りの脱臭性能
が発揮される。
【0012】多孔質物質を70体積%以上(即ちピート
モスを30体積%以下)配合することとしたのは、ピー
トモスの配合量が30体積%を超えると、生物脱臭装置
に当該充填担体を充填したときの通気性が悪化し、圧力
損失が急激に増大する傾向にあるからである。この点、
多孔質物質の配合割合を70体積%以上とすることで圧
力損失を許容限度内にとどめることができる。
【0013】前記多孔質物質が、鋳物工場から排出され
る廃砂を造粒後、焼成して得た無機多孔質体であること
は好ましい。この場合には、通常は産業廃棄物として廃
棄処理される、鋳物工場からの廃砂を資源として有効利
用することができる。それのみならず、鋳物工場からの
廃砂を造粒後焼成して得た無機多孔質体は、生物脱臭用
充填担体を構成するための多孔質物質として、優れた適
性を有することが実験により確認されている。
【0014】なお、鋳物工場からの廃砂を造粒後焼成し
て得た無機多孔質体は、水分を保持した際に弱酸性の液
性を示し、微生物の好む環境を提供する。弱酸性とは、
具体的にはpHが6以上7未満の範囲をいう。
【0015】生物脱臭用充填担体を構成する多孔質物質
に、脱臭作用のある微生物を予め又は事後的に付着する
ことは好ましい。微生物付着のさせ方としては、ピート
モスと混合する前の多孔質物質に対して、土壌浸出液等
の微生物分散水を含浸させたり、ピートモスと多孔質物
質とを混合した後に土壌浸出液等の微生物分散水を供給
して混合物全体を湿らせながら微生物付着を図ってもよ
い。なお、脱臭作用のある微生物の種類は限定されない
が、具体例としては、アンモニア酸化細菌・硝化菌があ
げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の適用対象となる生物脱臭
装置は例えば図1のように構成されている。即ち、垂直
方向に延びる脱臭処理槽1のほぼ中央には、充填担体が
充填される担体層2が設けられ、脱臭処理槽1の下側に
は散水槽3が設けられている。担体層2と散水槽3との
間の空間には、送風ファン4によって送られる臭気ガス
を脱臭処理槽1内に導くための散気パイプ5が設置さ
れ、脱臭処理槽1内に送り込まれた臭気ガスは担体層2
を下から上に通過して脱臭処理槽1の外へ抜け出る構造
となっている。また、散水槽3に蓄えられた水は、ポン
プPにより散水パイプ6を介して担体層2の上方に散水
され、担体層2を上から下に通過して散水槽3に戻され
る。つまり、散水槽3内の水はポンプPにより循環可能
となっている。
【0017】生物脱臭装置の担体層2に充填するための
生物脱臭用充填担体として、以下に説明する実施例1、
2及び3、並びに、従来技術の範疇に属する比較例1及
び2を準備した。
【0018】(実施例1)実施例1の生物脱臭用充填担
体は、ピートモスと無機多孔質体とを、ピートモス30
に対して無機多孔質体70の体積比率(x/y=30/
70)で混合したものである。無機多孔質体には、ピー
トモスと混合する前に土壌浸出液(1リットルの水に対
して10gの土壌を分散したもの)を含浸させ、土壌中
の各種微生物(例えばアンモニア酸化細菌・硝化菌)を
付着させる前処理を施した。
【0019】なお、この実施例1で使用した無機多孔質
体は、鋳物工場から排出される廃砂(鋳物砂)を造粒及
び焼成して得たものである。鋳物砂は、二酸化ケイ素
(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化鉄そ
の他を含有する無機原料である。この鋳物砂を転動造粒
機に収容すると共に、全体に対して10〜30重量%と
なる水を注入し、水を含んだ鋳物砂を混練・造粒した。
所定時間の造粒操作により所望の粒径となった粒状体を
140℃で60分間加熱乾燥した後、その乾燥した粒状
体を800℃で30分以上焼成することにより、無機多
孔質体としての粒状焼結体を得た。この無機多孔質体
(粒状焼結体)の物性は、粒径の範囲が4.5〜7.0
mm、細孔径の範囲が1〜10μm、嵩密度が0.8g
/ml、気孔率が38.6%、圧壊強度が0.63N、
pHが6.5(弱酸性)という測定結果であった。ま
た、焼成後における無機多孔質体の組成(成分比率)
は、二酸化ケイ素62.3重量%、酸化アルミニウム1
2.1重量%、酸化鉄9.15重量%、酸化カルシウム
3.09重量%、酸化マグネシウム3.04重量%、そ
の他10.32重量%であった。
【0020】(実施例2)実施例2の生物脱臭用充填担
体は、ピートモスと無機多孔質体とを、ピートモス10
に対して無機多孔質体90の体積比率(x/y=10/
90)で混合したものである。ここで使用した無機多孔
質体は、実施例1で使用した無機多孔質体と同じもので
あり、ピートモスと混合する前に土壌浸出液を含浸さ
せ、土壌中の各種微生物を付着させる前処理を施す点も
実施例1と同じである。
【0021】(実施例3)実施例3の生物脱臭用充填担
体は、ピートモスと無機多孔質体とを、ピートモス5に
対して無機多孔質体95の体積比率(x/y=5/9
5)で混合したものである。ここで使用した無機多孔質
体は、実施例1で使用した無機多孔質体と同じものであ
り、ピートモスと混合する前に土壌浸出液を含浸させ、
土壌中の各種微生物を付着させる前処理を施す点も実施
例1と同じである。
【0022】(比較例1)比較例1の生物脱臭用充填担
体は、ピートモスと発泡プラスチック資材とを、ピート
モス10に対して発泡プラスチック資材90の体積比率
で混合したものである。ここで使用した発泡プラスチッ
ク資材は、従来技術の欄で言及した特許第257601
0号公報に開示されている発泡プラスチックと同じもの
である。発泡プラスチック資材には、ピートモスと混合
する前に実施例1と同じ方法で微生物を付着させる処理
を施した。
【0023】(比較例2)比較例2の生物脱臭用充填担
体は、ピートモスとアルミナ系円筒状資材(非多孔性)
とを、ピートモス10に対してアルミナ系円筒状資材9
0の体積比率で混合したものである。ここで使用したア
ルミナ系円筒状資材は、従来技術の欄で言及した特許第
2648278号公報に開示されている合成樹脂製の円
筒形状充填物とほぼ同形状のものを非多孔性のアルミナ
を用いて形成したものである。アルミナ系円筒状資材に
は、ピートモスと混合する前に実施例1と同じ方法で微
生物を付着させる処理を施した。
【0024】(各実施例の性能評価)図1の生物脱臭装
置の担体層2に実施例1の充填担体を充填した装置を用
いて、堆肥化施設から出る臭気ガスを処理した場合の性
能試験結果を図2及び図3のグラフに示す。なお、図2
及び図3の結果を得るための性能試験時における生物脱
臭装置の運転条件は次の通りである。即ち、充填担体の
体積を6m3、担体層2の充填高さを1m、通気速度L
Vを0.053(m/秒)、空間速度SVを192(1
/時間)、処理ガス量を19.2(m3/分)に設定
し、更に散水に関しては、2時間毎に10分間の間欠散
水(即ちポンプPを10分間だけ駆動)を行った。
【0025】図2のグラフは、運転開始から約3ヶ月間
にわたってアンモニアガスの濃度がどのように変化した
かを示す。このグラフから分かるように、約3ヶ月にわ
たる連続運転によっても、装置の出口側のアンモニアガ
ス濃度は1ppm以下に抑制されており、優れたアンモ
ニアガス分解性能を示した。
【0026】図3のグラフは、運転開始から約10週間
にわたって、循環水に含まれる測定対象成分(アンモニ
ア、亜硝酸および硝酸)の濃度がどのように変化したか
を示す。このグラフから、運転継続によりアンモニアが
次第に亜硝酸を経て硝酸に変化していく様がうかがえ
る。つまり、無機多孔質体に付着したアンモニア酸化細
菌・硝化菌が、ピートモス及び無機多孔質体に化学吸着
したアンモニアや、ピートモス等に保持される水分に溶
け込んだアンモニアを継続的に酸化することにより、ピ
ートモス及び無機多孔質体へのアンモニア吸着等が飽和
する事態を回避して持続的なアンモニア吸着(及び酸化
処理)を可能としている。尚、アンモニア酸化によって
生じた硝酸は、循環水に溶け込んで担体層2から下へ流
れ落ちるので、ピートモス及び無機多孔質体において硝
酸が高濃度化し、化学平衡論的にアンモニア酸化反応が
抑制される心配はない。
【0027】図4のグラフは、各充填担体がどの程度の
圧力損失を生じるかを測定した結果を示す。測定方法
は、直径10cmの直立円筒状パイプに充填担体を1m
の高さまで充填し、そのパイプの下端から0.02〜
0.20(m/秒)の速度でガスを流通させた場合のパ
イプの入口側(下端側)と出口側(上端側)との圧力差
を測定するというものである。実施例1、実施例2およ
び参考例(実施例1で使用した無機多孔質体のみで充填
担体を構成したもの)の三つについて、この圧損測定を
行った。
【0028】図4からわかるように、無機多孔質体の混
合比が増えるほど圧力損失は減少傾向にあるので、通気
性能という観点からは、無機多孔質体の混合比を増やす
ことが好ましいと言える。但し、実施例1(無機多孔質
体70体積%)でも、ガス流速0.1m/秒の条件で圧
力損失が200mmH2O以下のレベルをなんとか保持
しており、現実の使用に耐え得るものである。従って、
この実験結果から、ピートモスと無機多孔質体とを混合
する場合の無機多孔質体の体積比率は70体積%以上
(換言すれば、ピートモスの体積比率は30体積%以
下)が好ましいと言える。なお、圧力損失の許容上限を
200mmH2Oとしたのは、送風ファン4の能力及び
電気代等の運転コストを考慮してのことである。
【0029】下記表1は、各充填担体についてのアンモ
ニアガスの初期吸着性能を調べた結果を示す。この初期
吸着試験は、直径10cmの直立円筒状パイプに充填担
体を4リットル充填し、そのパイプの下端からアンモニ
アガス(濃度10〜12ppm)を毎分40リットルの
速度で流通させた場合におけるパイプ出口(上端)での
アンモニアガス濃度(ppm)を測定するというもので
ある。実施例1、実施例2、実施例3および参考例(実
施例1で使用した無機多孔質体のみで充填担体を構成し
たもの)の四つについて、この初期吸着試験を行った。
表1には、通気開始から1時間後と14日後の測定結果
を示している。
【0030】
【表1】
【0031】表1からわかるように、実施例1、2及び
3のいずれも、1時間後及び14日後のアンモニアガス
濃度が0〜1ppmという極めて優れたアンモニア吸着
・分解性能を示した。他方、無機多孔質体のみで充填担
体を構成した参考例については、14日後のアンモニア
ガス濃度が0ppmという極めて優れた性能を示した
が、通気開始から1時間後のアンモニアガス濃度が6p
pmと比較的高く(即ち入口側のガス濃度に近く)、通
気開始から最初のうちは、アンモニア吸着・分解性能が
十分に発揮されないことがわかる。3つの実施例と参考
例との対比から、充填担体中にピートモスを少なくとも
5体積%以上混合しておくことで、アンモニアガスの初
期吸着性能を大幅に改善することができる。
【0032】図5のグラフは、吸着性能の持続性を評価
した結果を示す。この評価試験では、評価対象とした各
担体(実施例2、比較例1および比較例2の三つ)を図
1の生物脱臭装置の担体層2に充填して1ヶ月間使用し
た後、そのうちの100mlを直立したガラス製カラム
に移し替えて充填した。そして、当該カラムの下端から
500ppmのアンモニアガスを毎分1リットルの速度
で10分間通気した際、カラム上端から排出されるガス
のアンモニア濃度を測定して担体へのアンモニア吸着量
(初回吸着量)を求めた。その後、カラムの下端を塞い
だ状態でカラム中の担体に対して5mlのイオン交換水
を加え、25℃で24時間静置した後、カラム下端から
余分な水分を排出させてから、初回と同様、当該カラム
の下端から500ppmのアンモニアガスを毎分1リッ
トルの速度で10分間通気した際、カラム上端から排出
されるガスのアンモニア濃度を測定して担体へのアンモ
ニア吸着量(2回目吸着量)を求めた。図5では、評価
対象とした各担体の初回吸着量を100とした場合にお
ける2回目吸着量の割合を棒グラフで表している。
【0033】図5のグラフからわかるように、実施例2
の充填担体は、24時間後の2回目の吸着試験でも初回
吸着量とほとんど同じだけのアンモニアガスを吸着で
き、アンモニアガス吸着性能の劣化はほとんどなかっ
た。これに対し、比較例1及び2の充填担体は、24時
間後の2回目吸着量は初回吸着量の60〜80%程度に
低下しており、アンモニアガス吸着性能の早期劣化がみ
られた。この結果から、ピートモスとの組合せ対象とし
て、発泡プラスチック資材やアルミナ系円筒状資材より
も、無機多孔質体の方が有利であることがわかる。
【0034】図6のグラフは、実施例1〜3で使用した
無機多孔質体と、比較例1で使用した発泡プラスチック
資材と、比較例2で使用したアルミナ系円筒状資材の三
種類の資材について、微生物の担持性能を評価した結果
を示す。この評価試験ではまず、評価対象となる各資材
1gを0.01%の寒天水溶液に溶解し、超音波処理を
3分間施すことで、各資材に付着している微生物を離脱
させた。その後、その水溶液の一定量を0.2μmのメ
ンブランフィルタでろ過してから、フィルタ上に捕捉さ
れた微生物をDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フ
ェニルインドール二塩酸塩)で染色し、これを蛍光顕微
鏡にて観察してフィルタ上の微生物数をカウントした。
【0035】図6のグラフからわかるように、実施例1
〜3で使用した無機多孔質体への微生物付着数は、発泡
プラスチック資材やアルミナ系円筒状資材よりも明らか
に多い。つまり、無機多孔質体は微生物の担持性能とい
う点においても、優れた特性を示した。このことは、充
填担体に吸着したアンモニア成分の分解処理能力を大幅
に高める一つの要因となる。
【0036】尚、実施例1、2及び3の充填担体を図1
の生物脱臭装置の担体層2に充填して長期使用を試みた
が、最初に充填したときの高さ(1m)が時間の経過と
共に次第に低くなるということはほとんどなかった。即
ち、時間の経過と共に見掛けの体積が減少して担体層2
が圧密化する事態は生じなかった。
【0037】以上説明したように、本発明に従う実施例
1、2及び3の充填担体は、圧密化防止、通気性確保、
圧力損失の増大回避、微生物の担持能力、脱臭処理能力
の持続性のいずれの面でも、極めて優れた性能を示し
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の生物脱臭用充填担体によれば、
当該充填担体を生物脱臭装置に充填した後の圧密化を防
止して圧力損失の増大を回避することと、より多くの微
生物を担持して脱臭性能を高めることとを両立させるこ
とができる。このため、この生物脱臭用充填担体を用い
れば、生物脱臭装置の性能向上及び小型化を図ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生物脱臭装置の概略を示す図。
【図2】処理前後におけるガス中のアンモニア濃度の推
移を示すグラフ。
【図3】循環水におけるアンモニア等の濃度の推移を示
すグラフ。
【図4】圧力損失試験の結果を示すグラフ。
【図5】アンモニア吸着割合の比較結果を示す棒グラ
フ。
【図6】微生物のカウント数の比較結果を示す棒グラ
フ。
【符号の説明】
1…脱臭処理槽、2…担体層、3…散水槽、4…送風フ
ァン、P…ポンプ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱臭用微生物を担持する生物脱臭装置の通
    気性充填材として使用するための生物脱臭用充填担体で
    あって、ピートモスと多孔質物質とを、ピートモスの体
    積(x)と多孔質物質の体積(y)との間の体積比(x
    /y)が5/95〜30/70の範囲となるように混合
    してなることを特徴とする生物脱臭用充填担体。
  2. 【請求項2】前記多孔質物質は、細孔径が1μm〜50
    0μmの範囲にある無機多孔質体であることを特徴とす
    る請求項1に記載の生物脱臭用充填担体。
  3. 【請求項3】前記多孔質物質は、鋳物工場から排出され
    る廃砂を造粒後、焼成して得た無機多孔質体であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の生物脱臭用充填担
    体。
  4. 【請求項4】前記多孔質物質に、脱臭作用のある微生物
    を予め又は事後的に付着したことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の生物脱臭用充填担体。
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