JP2003275308A - 注射器用針カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 安全でかつ、簡単に注射針をカバー内に収め
る。 【解決手段】 注射器の針の少なくとも先端域を覆い隠
すカバーを、注射器のシリンジに固着されるか若しくは
着脱自在に嵌合保持されるベース１と、このベース１に
ヒンジを介して揺動可能に連結しその引き起しによって
針の少なくとも先端域を覆い隠すカバー本体２とにて構
成し、該カバー本体２とベース１との相互間に、カバー
本体２をシリンジの胴部に向けて倒し込む傾倒姿勢でも
って該カバー本体２をベース１に位置決め固定する係合
手段と、カバー本体２の引き起こしによる起立姿勢でも
って該カバー本体２をベース１に位置決め固定する係合
手段をそれぞれ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、注射器用針カバー
に関するものであり、とくに使用済み注射器をより一層
安全に取り扱おうとするものである。

【０００２】

【従来の技術】医療分野で使用される注射器は、その取
り扱いに際して安全性を確保する観点から注射器の針に
はカバーが取り付けられる。

【０００３】ところで、従来の針カバーは針を挿入する
単一の開口を有するキャップ形式であることから、針に
針カバーを装着する場合に誤って針先で手や指に傷をつ
けてしまうおそれがあった。また、この種の針カバーは
カバーを装着する作業自体煩わしいものとなっており作
業者の負担（とくに精神的な負担）が大きくその改善が
求められている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、注射
器の使用後に安全かつ簡便に注射針を格納できる新規な
針カバーを提案するところにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、注射器の針の
少なくとも先端域を覆い隠すカバーであって、注射器の
シリンジに固着されるか若しくは着脱自在に嵌合保持さ
れるベースと、このベースにヒンジを介して揺動可能に
連結しその引き起しによって針の少なくとも先端域を覆
い隠すカバー本体とを備え、該カバー本体とベースとの
相互間に、カバー本体をシリンジの胴部に向けて倒し込
む傾倒姿勢でもって該カバー本体をベースに固定する係
合手段と、カバー本体の引き起こしによる起立姿勢でも
って該カバー本体をベースに固定する係合手段をそれぞ
れ設けたことを特徴とする注射器用針カバーであり、カ
バー本体の内側には、その起立姿勢でもって針若しくは
その基部のうちの少なくとも一方を係止するホルダーを
設けるのが好ましい。

【０００６】また、本発明は、注射器の針の少なくとも
先端域を覆い隠すカバーであって、注射器のシリンジに
固着されるか若しくは着脱自在に嵌合保持されるベース
と、このベースにヒンジを介して揺動可能に連結しその
引き起しによって針の少なくとも先端域を覆い隠すカバ
ー本体とを備え、該カバー本体とベースとの相互間に、
カバー本体をシリンジの胴部に向けて倒し込む傾倒姿勢
でもって該カバー本体をベースに固定する係合手段を設
け、カバー本体の内側に、その起立姿勢でもって針若し
くはその基部のうちの少なくとも一方を係止するホルダ
ーを配設してなることを特徴とする注射器用針カバーで
ある。

【０００７】ベースは、シリンジの胴部の全周を取り囲
む円形断面かあるいは、シリンジの胴部の少なくとも半
周を超えて取り囲むＣ形断面になるものがとくに有利に
適合する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明をよ
り具体的に説明する。

【０００９】図１（ａ）（ｂ）、図２は本発明に従う針
カバーの実施の形態を示したものであり、図１（ａ）は
平面図、図１（ｂ）は側面図、図２は外観斜視図をそれ
ぞれ示したものである。

【００１０】図において１は注射器のシリンジの胴部の
全周を取り囲む円形断面になる例で示したベース、２は
ベース１にヒンジｈを介して揺動可能連結するカバー本
体である。

【００１１】カバー本体２はその引き起しによって針
（注射針）を覆い隠す空間領域を形成する凹部２ａを有
しており、その壁面には針を係止するためのホルダー２
ｂが設けられている。

【００１２】また、図において３はカバー本体２の傾倒
姿勢でもってカバー本体２をベース１に位置決め固定す
る係合手段である。この係合手段３はベース１の背面で
一体になる凸部３ａとカバー本体２に設けられ該凸部３
ａと嵌合する切り欠部（開口でもよい）３ｂとからな
る。

【００１３】さらに、図において４はカバー本体２の起
立姿勢でもって該カバー本体２をベース１に位置決め固
定する係合手段であり、この係合手段４は、ベース１の
両サイドに一体的に設けられた凸部４ａとカバー本体２
に設けられ該凸部４ａを乗り越えることを可能とする凸
部４ｂからなる。

【００１４】図３は、上掲図１、２に示した針カバーを
注射器のシリンジ（ルアーロックの外部）に取り付けた
状態を示したものであり、図中の仮想線はカバー本体２
の傾倒姿勢を、実線はカバー本体２が起立姿勢をそれぞ
れ示したものである。

【００１５】カバー本体２が傾倒姿勢にあるときは、カ
バー本体２は係合手段３によって確実に位置決めされて
おり、注射器の使用に際して該カバー本体２が簡単に揺
れ動くことはない。

【００１６】注射器の使用後においてカバー本体２にて
針を覆い隠すべくそれを引き起こすと注射針はカバー本
体２の凹部２ａに収められ、カバー本体２の凸部４ｂが
ベース１の凸部４ａを乗り越えることでカバー本体２が
ベース１に確実に位置決め固定されることとなり、キャ
ップ形式のようなカバーと取り付ける時に懸念されるよ
うな危険は全く、また、簡単な動作で注射針を覆い隠す
ことができるので作業者の負担も著しく軽くなる。

【００１７】注射針がカバー本体２の内側に収められた
とき該注射針はホルダー２ｂに係止されることになるの
でカバー本体２の位置決め固定がより一層確実なものと
なる。

【００１８】本発明の実施の形態では、ホルダー２ｂを
弾性変形可能な舌片とし、かかる舌片を弾性変形させて
注射針を係止するようにしたが、本発明はこれにのみ限
定されるものではない。

【００１９】図４は本発明に従う針カバーの他の実施の
形態を示したものである。図４は係合手段４としてカバ
ー本体２に開口４ｃを設け該カバー本体２の引き起しに
際して開口４ｃにベース１の凸部４ａを嵌合させること
で、カバー本体２をベース１に位置決め固定する構造の
ものであって、この構造によればカバー本体２の起立姿
勢がより強固に維持される。

【００２０】図５はカバー本体２を揺動させるヒンジｈ
をベース１の胴部に設けた針 カバーの他の実施の形態
を示したものである。カバー本体２とベース１をつなぐ
ヒンジｈは注射器の外観形状に合わせて適宜に変更し得
る。

【００２１】図６（ａ）〜（ｃ）に係合手段４のみの形
状を種々変更した本発明に従う針カバーの他の実施の形
態を示す。

【００２２】図７（ａ）（ｂ）、図８は上記の係合手段
４を設ける代わりにカバー本体２の側壁に２つのホルダ
ー２ｂ、２ｃを設けた本発明に従う他の実施の形態を示
したものである。

【００２３】ホルダー２ｂ、２ｃのうち、ホルダー２ｂ
は上掲図１に示したものと同様のものであるが、ホルダ
ー２ｃは図９に示す如く、注射針の基部を挟み込んで係
止するものであって、ホルダー２ｂ、２ｃによってカバ
ー本体２の起立姿勢は確実に維持される。

【００２４】カバー本体２のホルダーは上掲図９では２
つ設ける場合について示したが、図１０に示すようにホ
ルダー２ｄとしてさらに追加することが可能であり、そ
の先端には、弾性変形可能な抜け止め防止用の爪ｔを設
けるようにしてもよい。

【００２５】上掲図１０に示した針カバーを注射器に装
着した状態で図１１に示す。

【００２６】図１２〜図１４は、カバー本体２の起立姿
勢で該カバー本体２とベース１を係合手段４にて位置決
め固定するとともに、カバー本体２の内側でホルダー２
ｂ、２ｃにて針とその基部を係止する構造とした本発明
に従う他の実施の形態を示したものである。かかる針カ
バーにおいては、カバー本体２をベース１により一層強
固に固定されるので、使用済み注射器を取り扱ううえで
の安全性が一層高まる。

【００２７】本発明の実施の形態では、ベース１が注射
器のシリンジ胴部の全域を取り囲む円形断面になるもの
を例として示したが、シリンジの胴部の少なくとも半周
を超えて取り囲む図１５に示すようなＣ形断面を有する
ものも適用でき、この場合、既存の注射器への装着がよ
り簡単に行なえる。

【００２８】針カバーは合成樹脂を射出成形することに
よって製造できるものであるが、その材質、成形法につ
いてはとくに限定されない。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、使用済み注射器の針に
対して安全かつ簡単にカバーを取り付けることがきる。

【００３０】また、本発明によれば、ベースが注射器の
シリンジに固着されるか若しくは着脱自在なので既存の
あらゆる注射器への適用が可能であり、医療現場におけ
る安全性の改善に寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に従う針カバーの実施の形態を示した
図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図である。

【図２】 図１に示した針カバーの外観斜視図である。

【図３】 図１に示した針カバーを既存の注射器に装着
した状態を示した図である。

【図４】 本発明に従う針カバーの他の実施の形態を示
した図である。

【図５】 本発明に従う針カバーの他の実施の形態を示
した図である。

【図６】 （ａ）〜（ｃ）は本発明に従う針カバーの他
の実施の形態を示した図である。

【図７】 本発明に従う針カバーの他の実施の形態を示
した図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図であ
る。

【図８】 図７に示した針カバーの外観斜視図である。

【図９】 図７に示した針カバーの要部の外観斜視図で
ある。

【図１０】 本発明に従う針カバーの他の実施の形態を
示した図である。

【図１１】 図１０に示した針カバーを注射器に装着し
た状態を図である。

【図１２】 本発明に従う針カバーの他の実施の形態を
示した図である。

【図１３】 本発明に従う針カバーの他の実施の形態を
示した図である。

【図１４】 本発明に従う針カバーの他の実施の形態を
示した図である。

【図１５】 Ｃ形断面になるベースを有する本発明に従
う針カバーの外観を示した図である。

【符号の説明】

１ ベース ２ カバー本体 ２ａ 凹部 ２ｂ ホルダー ２ｃ ホルダー ２ｄ ホルダー ３ 係合手段 ３ａ 凸部 ３ｂ 切り欠部 ４ 係合手段 ４ａ 凸部 ４ｂ 凸部 ｈ ヒンジ ｔ 爪

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 注射器の針の少なくとも先端域を覆い隠
   すカバーであって、 注射器のシリンジに固着されるか若しくは着脱自在に嵌
   合保持されるベースと、このベースにヒンジを介して揺
   動可能に連結しその引き起しによって針の少なくとも先
   端域を覆い隠すカバー本体とを備え、 該カバー本体とベースとの相互間に、カバー本体をシリ
   ンジの胴部に向けて倒し込む傾倒姿勢でもって該カバー
   本体をベースに位置決め固定する係合手段と、カバー本
   体の引き起こしによる起立姿勢でもって該カバー本体を
   ベースに位置決め固定する係合手段をそれぞれ設けたこ
   とを特徴とする注射器用針カバー。
2. 【請求項２】 カバー本体の内側に、その起立姿勢でも
   って針若しくはその基部のうちの少なくとも一方を係止
   するホルダーを有する請求項１記載の注射器用針カバ
   ー。
3. 【請求項３】 注射器の針の少なくとも先端域を覆い隠
   すカバーであって、 注射器のシリンジに固着されるか若しくは着脱自在に嵌
   合保持されるベースと、このベースにヒンジを介して揺
   動可能に連結しその引き起しによって針の少なくとも先
   端域を覆い隠すカバー本体とを備え、 該カバー本体とベースとの相互間に、カバー本体をシリ
   ンジの胴部に向けて倒し込む傾倒姿勢でもって該カバー
   本体をベースに位置決め固定する係合手段を設け、 カバー本体の内側に、その起立姿勢でもって針若しくは
   その基部のうちの少なくとも一方を係止するホルダーを
   配設してなることを特徴とする注射器用針カバー。
4. 【請求項４】 ベースが、シリンジの胴部の全周を取り
   囲む円形断面になる請求項１〜３の何れかに記載の注射
   器用針カバー。
5. 【請求項５】 ベースが、シリンジの胴部の少なくとも
   半周を超えて取り囲むＣ形断面になる請求項１〜３の何
   れかに記載の注射器用針カバー。