JP2003275217A - 血管用クリップ - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 解離腔にグルーを注入後、血管壁を保持しな
がら、その部分の縫合を可能とすることによって、手術
時間の短縮化が可能な血管用クリップの提供。 【解決手段】 把持部１１と、その先端に設けられた湾
曲櫛状をなす第１の保持片と、該第１の保持片と接近・
離間するように回動自在に上記把持部に設けられた湾曲
櫛状をなす第２の保持片１３と、該第２の保持片を第１
の保持片から離間する方向に移動させる操作レバー１４
と、該第２の保持片を第１の保持片と接近する方向に付
勢するバネ１５とを含み、前記第１の保持片と第２の保
持片とを接近させた状態で、第１の保持片と第２の保持
片との櫛歯間のスリットが重なり合うように構成された
血管用クリップ１０。
がら、その部分の縫合を可能とすることによって、手術
時間の短縮化が可能な血管用クリップの提供。 【解決手段】 把持部１１と、その先端に設けられた湾
曲櫛状をなす第１の保持片と、該第１の保持片と接近・
離間するように回動自在に上記把持部に設けられた湾曲
櫛状をなす第２の保持片１３と、該第２の保持片を第１
の保持片から離間する方向に移動させる操作レバー１４
と、該第２の保持片を第１の保持片と接近する方向に付
勢するバネ１５とを含み、前記第１の保持片と第２の保
持片とを接近させた状態で、第１の保持片と第２の保持
片との櫛歯間のスリットが重なり合うように構成された
血管用クリップ１０。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば解離性大動
脈瘤に対する手術等の血管の手術において使用される血
管用クリップに関する。
脈瘤に対する手術等の血管の手術において使用される血
管用クリップに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、解離性大動脈瘤の外科手術では、
瘤を切除後、フェルトを補強材にして血管の縫合を行っ
ていた。図１は、この外科手術における血管縫合の状態
を示す図である。解離性大動脈瘤の切除後、血管壁は内
膜１と外膜とに解離し、それらの間には解離腔３が生じ
ている。現在、ＧＲＦグルーと称される生体接着剤（以
下、グルーという）の普及によって、この解離腔３内に
グルーを流し込み、内膜１と外膜２とを接着し、血管壁
外側にフェルトを帯状に巻き付け、縫合糸４で縫合する
処置が行われている。
瘤を切除後、フェルトを補強材にして血管の縫合を行っ
ていた。図１は、この外科手術における血管縫合の状態
を示す図である。解離性大動脈瘤の切除後、血管壁は内
膜１と外膜とに解離し、それらの間には解離腔３が生じ
ている。現在、ＧＲＦグルーと称される生体接着剤（以
下、グルーという）の普及によって、この解離腔３内に
グルーを流し込み、内膜１と外膜２とを接着し、血管壁
外側にフェルトを帯状に巻き付け、縫合糸４で縫合する
処置が行われている。
【０００３】そして従来、解離腔３内にグルーを流し込
み、内膜１と外膜２とを接着固定するために、グルーを
流し込んだ部分をグルーが固まるまで保持しておくため
の器具として、血管壁を挟むための簡易クリップや、両
端が湾曲板状に形成されたクランプが提供されている。
み、内膜１と外膜２とを接着固定するために、グルーを
流し込んだ部分をグルーが固まるまで保持しておくため
の器具として、血管壁を挟むための簡易クリップや、両
端が湾曲板状に形成されたクランプが提供されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
クリップやクランプを用いて解離腔を処置するには、解
離腔にグルーを注入後、血管壁をクリップやクランプを
用いて挟みつけ、グルーが固化した後にこれらを外し、
その後で縫合しなければならず、余分な時間がかかり、
手術時間の延長を招いていた。
クリップやクランプを用いて解離腔を処置するには、解
離腔にグルーを注入後、血管壁をクリップやクランプを
用いて挟みつけ、グルーが固化した後にこれらを外し、
その後で縫合しなければならず、余分な時間がかかり、
手術時間の延長を招いていた。
【０００５】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、解離腔にグルーを注入後、血管壁を保持しながら、
その部分の縫合を可能とすることによって、手術時間の
短縮を図ることのできる血管用クリップの提供を目的と
している。
で、解離腔にグルーを注入後、血管壁を保持しながら、
その部分の縫合を可能とすることによって、手術時間の
短縮を図ることのできる血管用クリップの提供を目的と
している。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、把持部と、その先端に設けられた湾曲櫛
状をなす第１の保持片と、該第１の保持片と接近・離間
するように回動自在に上記把持部に設けられた湾曲櫛状
をなす第２の保持片と、該第２の保持片を第１の保持片
から離間する方向に移動させる操作レバーと、該第２の
保持片を第１の保持片と接近する方向に付勢する付勢手
段とを含み、前記第１の保持片と第２の保持片とを接近
させた状態で、第１の保持片と第２の保持片との櫛歯間
のスリットが重なり合うように構成されたことを特徴と
する血管用クリップを提供する。
め、本発明は、把持部と、その先端に設けられた湾曲櫛
状をなす第１の保持片と、該第１の保持片と接近・離間
するように回動自在に上記把持部に設けられた湾曲櫛状
をなす第２の保持片と、該第２の保持片を第１の保持片
から離間する方向に移動させる操作レバーと、該第２の
保持片を第１の保持片と接近する方向に付勢する付勢手
段とを含み、前記第１の保持片と第２の保持片とを接近
させた状態で、第１の保持片と第２の保持片との櫛歯間
のスリットが重なり合うように構成されたことを特徴と
する血管用クリップを提供する。
【０００７】本発明の血管用クリップは、操作レバーの
操作によって第２の保持片を第１の保持片から離間させ
た状態で、第１、第２の保持片間に血管壁を挿入し、操
作レバーを離すと、付勢部材により第２の保持片が第１
の保持片と接近する方向に移動して両方の保持片間に血
管壁が保持される。この血管壁保持状態において、この
血管用クリップは、第１の保持片と第２の保持片とが湾
曲櫛状に形成され、かつ双方の櫛歯間のスリットが重な
り合うように構成されているので、このスリットを利用
して血管の縫合作業を行うことができる。従って、本発
明の血管用クリップは、解離腔にグルーを注入後、簡単
に該部分を保持できるとともに、グルーの固化前に血管
の縫合が可能となるので、手術時間を短縮できる。
操作によって第２の保持片を第１の保持片から離間させ
た状態で、第１、第２の保持片間に血管壁を挿入し、操
作レバーを離すと、付勢部材により第２の保持片が第１
の保持片と接近する方向に移動して両方の保持片間に血
管壁が保持される。この血管壁保持状態において、この
血管用クリップは、第１の保持片と第２の保持片とが湾
曲櫛状に形成され、かつ双方の櫛歯間のスリットが重な
り合うように構成されているので、このスリットを利用
して血管の縫合作業を行うことができる。従って、本発
明の血管用クリップは、解離腔にグルーを注入後、簡単
に該部分を保持できるとともに、グルーの固化前に血管
の縫合が可能となるので、手術時間を短縮できる。
【０００８】本発明の血管用クリップにおいて、第１の
保持片と第２の保持片とが、これら保持片を接近させた
状態で両者間に隙間を設けた構成とすることが好まし
い。さらに、この隙間は保持するべき血管壁等の厚さを
考慮して設定するのが好ましく、通常は０．５ｍｍ〜
３．０ｍｍ程度、好ましくは１．０ｍｍ〜１．５ｍｍ程
度とされる。
保持片と第２の保持片とが、これら保持片を接近させた
状態で両者間に隙間を設けた構成とすることが好まし
い。さらに、この隙間は保持するべき血管壁等の厚さを
考慮して設定するのが好ましく、通常は０．５ｍｍ〜
３．０ｍｍ程度、好ましくは１．０ｍｍ〜１．５ｍｍ程
度とされる。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図２〜５は本発明の血管用クリッ
プの一実施形態を示し、図２は血管用クリップの側面
図、図３は同正面図、図４は同底面図、図５は同斜視図
である。これらの図中、符号１０は血管用クリップであ
る。この血管用クリップ１０は、全体がステンレス鋼、
チタンなどの金属材料、あるいは商業ベースで大量生産
するのに好適なプラスチックで作られており、把持部１
１と、その先端に設けられた湾曲櫛状をなす第１の保持
片１２と、該第１の保持片１１と接近・離間するように
回動自在に上記把持部１１に設けられた湾曲櫛状をなす
第２の保持片１３と、該第２の保持片１３を第１の保持
片１２から離間する方向に移動させる操作レバー１４
と、該第２の保持片１３を第１の保持片１２と接近する
方向に付勢するバネ１５（付勢手段）とを備えて構成さ
れている。
を参照して説明する。図２〜５は本発明の血管用クリッ
プの一実施形態を示し、図２は血管用クリップの側面
図、図３は同正面図、図４は同底面図、図５は同斜視図
である。これらの図中、符号１０は血管用クリップであ
る。この血管用クリップ１０は、全体がステンレス鋼、
チタンなどの金属材料、あるいは商業ベースで大量生産
するのに好適なプラスチックで作られており、把持部１
１と、その先端に設けられた湾曲櫛状をなす第１の保持
片１２と、該第１の保持片１１と接近・離間するように
回動自在に上記把持部１１に設けられた湾曲櫛状をなす
第２の保持片１３と、該第２の保持片１３を第１の保持
片１２から離間する方向に移動させる操作レバー１４
と、該第２の保持片１３を第１の保持片１２と接近する
方向に付勢するバネ１５（付勢手段）とを備えて構成さ
れている。
【００１０】第１の保持片１２と第２の保持片１３と
は、これらの保持片を接近させた状態において、第１の
保持片１２と第２の保持片１３との櫛歯１２ａ，１３ａ
間のスリット１２ｂ，１３ｂが重なり合うように構成さ
れている。さらに、第１の保持片１２と第２の保持片１
３の間には、これら保持片１２，１３を接近させた状態
で両者間に隙間ｈ（図４参照）が設けられていることが
好ましい。
は、これらの保持片を接近させた状態において、第１の
保持片１２と第２の保持片１３との櫛歯１２ａ，１３ａ
間のスリット１２ｂ，１３ｂが重なり合うように構成さ
れている。さらに、第１の保持片１２と第２の保持片１
３の間には、これら保持片１２，１３を接近させた状態
で両者間に隙間ｈ（図４参照）が設けられていることが
好ましい。
【００１１】把持部１１は、本例示では中央部でくの字
状に屈曲された厚板状に形成されているが、本例示に限
定されることなく、湾曲板状、円管状、丸棒状、多角形
管状、などの種々の形状にすることができる。本例示に
おける形状では、上部長さａが３０〜７０ｍｍ、好まし
くは５０ｍｍ程度、下部長さｂが１０〜３０ｍｍ、好ま
しくは２０ｍｍ程度、屈曲部角度は１５０〜１７０°、
好ましくは１６５°程度とされている。
状に屈曲された厚板状に形成されているが、本例示に限
定されることなく、湾曲板状、円管状、丸棒状、多角形
管状、などの種々の形状にすることができる。本例示に
おける形状では、上部長さａが３０〜７０ｍｍ、好まし
くは５０ｍｍ程度、下部長さｂが１０〜３０ｍｍ、好ま
しくは２０ｍｍ程度、屈曲部角度は１５０〜１７０°、
好ましくは１６５°程度とされている。
【００１２】この把持部１１の先端に設けられた第１の
保持片１２は、湾曲櫛状をなしている。この第１の保持
片１２の寸法は、使用する血管の太さ等に応じて適宜設
定することができ、例えば大動脈用のものとしては、長
さｇ（図４参照）が１０〜３０ｍｍ、好ましくは２０ｍ
ｍ程度、高さｄ（図３参照）が１０〜３０ｍｍ、好まし
くは２０ｍｍ程度、櫛歯１２ａの長さｅがｄの６０〜９
５％程度とされる。この湾曲の角度は、血管の一部〜半
分程度を保持できるように９０〜１８０°好ましくは１
２０〜１８０°程度とされる。
保持片１２は、湾曲櫛状をなしている。この第１の保持
片１２の寸法は、使用する血管の太さ等に応じて適宜設
定することができ、例えば大動脈用のものとしては、長
さｇ（図４参照）が１０〜３０ｍｍ、好ましくは２０ｍ
ｍ程度、高さｄ（図３参照）が１０〜３０ｍｍ、好まし
くは２０ｍｍ程度、櫛歯１２ａの長さｅがｄの６０〜９
５％程度とされる。この湾曲の角度は、血管の一部〜半
分程度を保持できるように９０〜１８０°好ましくは１
２０〜１８０°程度とされる。
【００１３】この第１の保持片１２の櫛歯１２ａとスリ
ット１２ｂの数や寸法は、使用する血管の太さ、縫合糸
や縫合針の太さ等に応じて適宜設定することができ、例
えば大動脈用のものとしては、櫛歯１２ａの本数が３〜
１５本、好ましくは５〜１０本程度、櫛歯１２ａの幅
０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ程度、好ましくは２ｍｍ程度、
スリット幅ｆ（図３参照）が０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ程
度、好ましくは２ｍｍ程度とされる。櫛歯１２ａの先端
は、血管壁を傷付けないように丸みを持たせることが望
ましく、さらに両側の櫛歯１２ａの側面は先端に向けて
漸次細肉化して滑らかにすることが望ましい。
ット１２ｂの数や寸法は、使用する血管の太さ、縫合糸
や縫合針の太さ等に応じて適宜設定することができ、例
えば大動脈用のものとしては、櫛歯１２ａの本数が３〜
１５本、好ましくは５〜１０本程度、櫛歯１２ａの幅
０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ程度、好ましくは２ｍｍ程度、
スリット幅ｆ（図３参照）が０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ程
度、好ましくは２ｍｍ程度とされる。櫛歯１２ａの先端
は、血管壁を傷付けないように丸みを持たせることが望
ましく、さらに両側の櫛歯１２ａの側面は先端に向けて
漸次細肉化して滑らかにすることが望ましい。
【００１４】第２の保持片１３は、上述した第１の保持
片１２と同様の湾曲櫛形状とすることができ、例えば大
動脈用のものとしては、長さｇが１０〜３０ｍｍ、好ま
しくは２０ｍｍ程度、高さｄが１０〜３０ｍｍ、好まし
くは２０ｍｍ程度、櫛歯１３ａの長さｅがｄの６０〜９
５％程度とされる。この湾曲の角度は、血管の一部〜半
分程度を保持できるように９０〜１８０°好ましくは１
２０〜１８０°程度とされる。この第２の保持片１３の
櫛歯１３ａとスリット１３ｂの数や寸法は、使用する血
管の太さ、縫合糸や縫合針の太さ等に応じて適宜設定す
ることができ、例えば大動脈用のものとしては、櫛歯１
３ａの本数が３〜１５本、好ましくは５〜１０本程度、
櫛歯１３ａの幅０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ程度、好ましく
は２ｍｍ程度、スリット幅ｆが０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ
程度、好ましくは２ｍｍ程度とされる。櫛歯１３ａの先
端は、血管壁を傷付けないように丸みを持たせることが
望ましく、さらに両側の櫛歯１３ａの側面は先端に向け
て漸次細肉化して滑らかにすることが望ましい。
片１２と同様の湾曲櫛形状とすることができ、例えば大
動脈用のものとしては、長さｇが１０〜３０ｍｍ、好ま
しくは２０ｍｍ程度、高さｄが１０〜３０ｍｍ、好まし
くは２０ｍｍ程度、櫛歯１３ａの長さｅがｄの６０〜９
５％程度とされる。この湾曲の角度は、血管の一部〜半
分程度を保持できるように９０〜１８０°好ましくは１
２０〜１８０°程度とされる。この第２の保持片１３の
櫛歯１３ａとスリット１３ｂの数や寸法は、使用する血
管の太さ、縫合糸や縫合針の太さ等に応じて適宜設定す
ることができ、例えば大動脈用のものとしては、櫛歯１
３ａの本数が３〜１５本、好ましくは５〜１０本程度、
櫛歯１３ａの幅０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ程度、好ましく
は２ｍｍ程度、スリット幅ｆが０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ
程度、好ましくは２ｍｍ程度とされる。櫛歯１３ａの先
端は、血管壁を傷付けないように丸みを持たせることが
望ましく、さらに両側の櫛歯１３ａの側面は先端に向け
て漸次細肉化して滑らかにすることが望ましい。
【００１５】この第２の保持片１３は、屈曲して上方に
向けて延出した板状の操作レバー１４になっている。こ
の操作レバー１４と第２の保持片１３との間の屈曲部分
は、把持部１１に軸止めされており、操作レバー１４を
把持部１１側に押し込む操作によって、第２の保持片１
３が第１の保持片１２から離間する方向に移動するよう
になっている。操作レバー１４の形状、寸法は特に限定
されず、板状以外に湾曲板状、円管状、丸棒状、多角形
管状、などの種々の形状にすることができる。また、操
作レバー１４の長さは１０〜２５ｍｍ程度とされる。
向けて延出した板状の操作レバー１４になっている。こ
の操作レバー１４と第２の保持片１３との間の屈曲部分
は、把持部１１に軸止めされており、操作レバー１４を
把持部１１側に押し込む操作によって、第２の保持片１
３が第１の保持片１２から離間する方向に移動するよう
になっている。操作レバー１４の形状、寸法は特に限定
されず、板状以外に湾曲板状、円管状、丸棒状、多角形
管状、などの種々の形状にすることができる。また、操
作レバー１４の長さは１０〜２５ｍｍ程度とされる。
【００１６】第２の保持片１３を止める軸には、該第２
の保持片１３を第１の保持片１２と接近する方向に付勢
するバネ１５が設けられている。このバネ１５として
は、第２の保持片１３を第１の保持片１２と接近する方
向に付勢することができればよく、コイルバネ、トーシ
ョンバネなどが好ましい。
の保持片１３を第１の保持片１２と接近する方向に付勢
するバネ１５が設けられている。このバネ１５として
は、第２の保持片１３を第１の保持片１２と接近する方
向に付勢することができればよく、コイルバネ、トーシ
ョンバネなどが好ましい。
【００１７】この血管用クリップ１０において、第１の
保持片１２と第２の保持片１３とが、これら保持片を接
近させた状態で両者間に隙間ｈを設けた構成とすること
が好ましい。さらに、この隙間は保持するべき血管壁等
の厚さを考慮して設定するのが好ましく、通常は０．５
ｍｍ〜３．０ｍｍ程度、好ましくは１．０ｍｍ〜１．５
ｍｍ程度とされる。
保持片１２と第２の保持片１３とが、これら保持片を接
近させた状態で両者間に隙間ｈを設けた構成とすること
が好ましい。さらに、この隙間は保持するべき血管壁等
の厚さを考慮して設定するのが好ましく、通常は０．５
ｍｍ〜３．０ｍｍ程度、好ましくは１．０ｍｍ〜１．５
ｍｍ程度とされる。
【００１８】上記のように構成された血管用クリップ１
０は、操作レバー１４の操作によって第２の保持片１３
を第１の保持片１２から離間させた状態で、第１、第２
の保持片１２，１３間に血管壁を挿入し、操作レバー１
４を離すと、バネ１５の付勢力により第２の保持片１３
が第１の保持片１２と接近する方向に移動して両方の保
持片間に血管壁が保持される。血管壁は、例えば動脈瘤
の除去後、血管壁の内膜１と外膜２との間の隔離腔３に
予めグルーを注入してある。
０は、操作レバー１４の操作によって第２の保持片１３
を第１の保持片１２から離間させた状態で、第１、第２
の保持片１２，１３間に血管壁を挿入し、操作レバー１
４を離すと、バネ１５の付勢力により第２の保持片１３
が第１の保持片１２と接近する方向に移動して両方の保
持片間に血管壁が保持される。血管壁は、例えば動脈瘤
の除去後、血管壁の内膜１と外膜２との間の隔離腔３に
予めグルーを注入してある。
【００１９】この血管壁保持状態において、この血管用
クリップ１０は、第１の保持片１２と第２の保持片１３
とが湾曲櫛状に形成され、かつ双方の櫛歯１２ａ，１３
ａ間のスリット１２ｂ，１３ｂが重なり合うように構成
されているので、このスリット１２ｂ，１３ｂを利用し
て血管の縫合作業を行うことができる。従って、この血
管用クリップ１０は、解離腔にグルーを注入後、簡単に
該部分を保持できるとともに、グルーの固化前に血管の
縫合が可能となるので、手術時間を短縮できる。
クリップ１０は、第１の保持片１２と第２の保持片１３
とが湾曲櫛状に形成され、かつ双方の櫛歯１２ａ，１３
ａ間のスリット１２ｂ，１３ｂが重なり合うように構成
されているので、このスリット１２ｂ，１３ｂを利用し
て血管の縫合作業を行うことができる。従って、この血
管用クリップ１０は、解離腔にグルーを注入後、簡単に
該部分を保持できるとともに、グルーの固化前に血管の
縫合が可能となるので、手術時間を短縮できる。
【００２０】
【発明の効果】本発明の血管用クリップは、操作レバー
の操作によって第２の保持片を第１の保持片から離間さ
せた状態で、第１、第２の保持片間に血管壁を挿入し、
操作レバーを離すと、付勢部材により第２の保持片が第
１の保持片と接近する方向に移動して両方の保持片間に
血管壁が保持される。この血管壁保持状態において、こ
の血管用クリップは、第１の保持片と第２の保持片とが
湾曲櫛状に形成され、かつ双方の櫛歯間のスリットが重
なり合うように構成されているので、このスリットを利
用して血管の縫合作業を行うことができる。従って、本
発明の血管用クリップは、解離腔にグルーを注入後、簡
単に該部分を保持できるとともに、グルーの固化前に血
管の縫合が可能となるので、手術時間を短縮できる。
の操作によって第２の保持片を第１の保持片から離間さ
せた状態で、第１、第２の保持片間に血管壁を挿入し、
操作レバーを離すと、付勢部材により第２の保持片が第
１の保持片と接近する方向に移動して両方の保持片間に
血管壁が保持される。この血管壁保持状態において、こ
の血管用クリップは、第１の保持片と第２の保持片とが
湾曲櫛状に形成され、かつ双方の櫛歯間のスリットが重
なり合うように構成されているので、このスリットを利
用して血管の縫合作業を行うことができる。従って、本
発明の血管用クリップは、解離腔にグルーを注入後、簡
単に該部分を保持できるとともに、グルーの固化前に血
管の縫合が可能となるので、手術時間を短縮できる。
【図１】 解離性大動脈瘤切除後の解離腔の処置を説明
する斜視図である。
する斜視図である。
【図２】 本発明の一実施形態を示す血管用クリップの
側面図である。
側面図である。
【図３】 同じ血管用クリップの正面図である。
【図４】 同じ血管用クリップの底面図である。
【図５】 同じ血管用クリップの斜視図である。
１０ 血管用クリップ
１１ 把持部
１２ 第１の保持片
１２ａ，１３ａ 櫛歯
１２ｂ，１３ｂ スリット
１３ 第３の保持片
１４ 操作レバー
１５ バネ（付勢手段）
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 伊藤 修一
東京都文京区本郷３丁目23番13号 泉工医
科工業株式会社内
(72)発明者 鈴木 良成
東京都文京区本郷３丁目23番13号 泉工医
科工業株式会社内
Ｆターム(参考） 4C060 CC03 CC07 CC32
Claims (2)
- 【請求項１】 把持部と、その先端に設けられた湾曲櫛
状をなす第１の保持片と、該第１の保持片と接近・離間
するように回動自在に上記把持部に設けられた湾曲櫛状
をなす第２の保持片と、該第２の保持片を第１の保持片
から離間する方向に移動させる操作レバーと、該第２の
保持片を第１の保持片と接近する方向に付勢する付勢手
段とを含み、前記第１の保持片と第２の保持片とを接近
させた状態で、第１の保持片と第２の保持片との櫛歯間
のスリットが重なり合うように構成されたことを特徴と
する血管用クリップ。 - 【請求項２】 前記第１の保持片と第２の保持片とが、
これら保持片を接近させた状態で両者間に隙間を設けた
請求項１に記載の血管用クリップ。
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