JP2003274989A - オリゴ糖鎖の生産方法 - Google Patents

オリゴ糖鎖の生産方法

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JP2003274989A JP2002083787A JP2002083787A JP2003274989A JP 2003274989 A JP2003274989 A JP 2003274989A JP 2002083787 A JP2002083787 A JP 2002083787A JP 2002083787 A JP2002083787 A JP 2002083787A JP 2003274989 A JP2003274989 A JP 2003274989A
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Tomonori Sato
智典 佐藤
Tetsuji Kondo
哲司 近藤
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Keio University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬・医療・研究支援素材などに利用される
多様なオリゴ糖鎖を、糖鎖プライマーを用いて細胞に生
産させる際に、特定の構造の糖鎖を効率よく産生させる
方法を提供する。 【解決手段】 生理活性物質により分化誘導させた細胞
に糖鎖プライマーを投与して糖鎖を産生させることによ
り、細胞内での特定の糖転移酵素を活性化させ、特定の
構造の糖鎖を効率よく産生させることを特徴とするオリ
ゴ糖鎖の生産方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬・医療・研究支
援素材などに利用されるオリゴ糖鎖の生産方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体における細胞の表面は、受精・発生
・分化・増殖・細胞死など様々な段階において特異的な
糖鎖を発現しており、細胞表面はそのような糖鎖で覆わ
れているため、糖鎖の多様性は細胞の多様な機能と密接
に関係していると考えられている。例えば、オリゴ糖鎖
は毒素・ウィルスなどの受容体作用、癌のマーカーとし
ての役割、癌転移に関わるような細胞の接着因子として
重要な役割を果たしている。最近では、アルツハイマー
病の原因と考えられているアミロイドタンパク質との相
互作用も報告されている。
【0003】このように多様なオリゴ糖鎖の機能を研究
し、応用展開するためには、多様な糖鎖を生産する必要
がある。オリゴ糖鎖を生産する方法としては、従来から
ある方法としては、化学合成および酵素を用いる方法が
あげられる。化学合成では一つの天然型のオリゴ糖鎖を
得るのに、多くの反応ステップと特殊な技術を必要と
し、膨大な時間と人件費を必要とするが、その割には収
率が低いため、得られたオリゴ糖鎖は天然物からの抽出
に比べてコストが高いという欠点がある。
【0004】また、酵素反応によるオリゴ糖鎖の合成に
は、加水分解酵素と糖転移酵素を用いた方法があるが、
いずれも使える酵素に制限があるため、現状では望み通
りのオリゴ糖を作るのはほとんど不可能であり、また、
オリゴ糖鎖合成の原料となる糖ヌクレオチドなどの糖供
与体も入手ができるものが限定され、かつ高価であるな
ど、実用的な段階には至っていない。
【0005】しかし、最近になり、動物細胞を使用し、
簡単な構造の糖鎖プライマーを培養細胞に投与すると、
細胞内で糖鎖プライマーに糖鎖が付加され、作られたオ
リゴ糖鎖が培養液中に排出され、多様な糖鎖が産生され
ることが分かってきている。さらに、培養細胞の種類を
変えれば、異なった構造のオリゴ糖鎖が合成されること
が知られるようになり(Nakajima,H. et al.,J.Bioche
m.,124,148-156(1998))、この方法による多様な糖鎖生
産への応用が試みられるようになってきた。
【0006】しかし、従来の糖鎖プライマーによる糖鎖
産生の研究では、細胞として、正常細胞やライン化され
た細胞をそのまま使用するだけで、特定の糖鎖の生産に
適した培養方法については、未だ検討されていないのが
現状である。このため、目標とする構造のオリゴ糖鎖を
効率良く生産できるような培養方法を確立することが求
められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の糖鎖プライマー
による糖鎖産生の研究では、細胞として正常細胞やライ
ン化された細胞をそのまま使用するだけで、特定構造の
オリゴ糖鎖の産生効率の向上に注目していなかった。そ
こで、本発明では、医薬・医療・研究支援素材などに利
用されるオリゴ糖鎖を、糖鎖プライマーを用いて細胞に
生産させる際に、細胞内での特定のオリゴ糖鎖の生合成
系を活性化させ、特定の構造の糖鎖を効率よく産生させ
る方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は。生理活性物質により分化誘導させた細胞
に糖鎖プライマーを投与して糖鎖を産生させることを特
徴とするオリゴ糖鎖の生産方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、糖鎖を産生させ
る細胞は、生理活性物質により分化誘導させた細胞を使
用する。生理活性物質によるがん化などの分化誘導によ
り、細胞内の糖鎖合成系は大きく変化し、糖転移酵素や
糖分解酵素の活性の上昇や低下が起こり、細胞表面の糖
鎖構造が大きく変化することが知られている。そのた
め、本発明では、生理活性物質により細胞を分化誘導さ
せ、特定のオリゴ糖鎖の生合成系を活性化させた後、こ
の細胞に糖鎖プライマーを投与して、特定のオリゴ糖鎖
を効率よく産生させる。
【0010】細胞を分化誘導する際に使用される生理活
性物質としては、インターフェロンα、β、γ、インタ
ーロイキン1〜7、腫瘍壊死因子、リンホトキシン、コ
ロニー刺激因子、エリスロポエチン、肺成熟因子、グリ
ア成熟因子、メラノサイト刺激ホルモンなどのサイトカ
インや、インシュリン、血小板由来増殖因子、上皮細胞
成長因子、神経細胞成長因子、繊維芽細胞成長因子、ソ
マトメジン、ヒドロコーチゾン、トリヨードチロニンな
どの成長因子、リポポリサッカライド、リピッドA、ス
テロイド、エタノールアミン、ホスホエタノールアミ
ン、リノール酸、コレステロール、ダイズ脂質、グルコ
コルチコイド、シトシンアラビノシド、プロスタグラン
ジンなどの糖質や脂質関連物質、ビタミンA、ビタミン
D3、ビタミンEなどのビタミン物質、ジメチルスルフォ
オキシド、酪酸などの極性物質等があげられる。
【0011】特に、血球系細胞に使用される分化誘導因
子として、骨髄性白血病細胞株を顆粒球や単球マクロフ
ァージに分化誘導するレチノイン酸やホルボールミリス
テートアセテートがあげられ、顆粒球に分化されること
により、ガラクトシルトランスフェラーゼが活性化さ
れ、単球マクロファージに分化されることにより、シア
リルトランスフェラーゼの活性が上昇し、シアリダーゼ
の活性が低下する。これら生理活性物質を最適な濃度で
細胞培養の培養液中に添加して、細胞を分化誘導し、糖
転移酵素や糖分解酵素の活性化および低下を促し、特定
の糖鎖生合成系を活性化する。
【0012】細胞の培養液として使用する培地として
は、MEM培地、D-MEM培地、α-MEM培地、BME培地、ハムF
12培地、ハムF10培地、RPMI1640培地、BME培地、DF培
地、199培地、L-15培地、マッコイ5A培地、NCTC109培
地、NCTC135培地、ウイリアムスE培地などの通常培地
の他に、ASF104培地など各種の無血清用の培地が使用で
きるが、これらに限定されるものではない。
【0013】また、生理活性物資を添加して分化誘導す
る際にはウシ胎児血清やウマ血清などの血清を添加して
も良いが、生理活性物質が血清に吸着される場合は、細
胞を継代する際に添加する血清の濃度を順次低下させ、
低濃度血清条件に細胞を徐々に順化させた後、生理活性
物質を添加して細胞を分化させても良い。また、分化誘
導を示す生理活性物質を放出するような他の細胞を選ん
で、それと共培養させて、細胞間相互作用を行わせるこ
とにより、分化誘導させることも可能である。
【0014】糖鎖プライマーを添加してオリゴ糖鎖を産
生させるのに使用する細胞としては、動物細胞、昆虫細
胞、植物細胞があるがこれらに限定されない。動物細胞
としては、各種動物由来細胞、ヒト組織由来正常細胞、
ヒト癌細胞、血球系細胞などがあげられ、特に、マウス
白血病細胞、マウスやヒトの骨髄腫細胞、ヒト骨髄性白
血病細胞や神経芽細胞は分化誘導されやすい。また、糖
鎖合成酵素、特にヒト型の糖鎖合成酵素をコードするDN
Aを組み込んだベクターを含む各種細胞を用いることも
できるが、これらに限定されない。
【0015】本発明で、細胞を分化誘導させる、あるい
は細胞に糖鎖を産生させる際に用いる細胞培養方法とし
ては、一般の接着細胞に用いる単層培養法以外にも、高
密度培養法として、マイクロキャリアー培養法、細胞固
定用ディスクを用いた培養槽、中空糸モジュールを用い
た培養システム、メンブレンフィルターのウェル中での
培養、浮遊細胞のサスペンションカルチャー、多段式培
養装置やローラーボトルを用いる方法、または、マイク
ロカプセルやコラーゲンゲルに細胞を固定化して浮遊培
養する方法などが使用できる。高密度培養法を用いた系
の方が、糖鎖産生の効率の点からも好適である。また、
適切な分化誘導を行うために、接着因子であるコラーゲ
ンやフィブロネクチン、ラミニンなどの細胞外マトリッ
クスを培養容器面などの細胞接着面にコーティングして
もかまわない。
【0016】以上の方法で、細胞培養系に生理活性因子
を添加し、細胞を分化誘導した後、糖鎖プライマーを投
与して、分化誘導された細胞に糖鎖を産生させる。この
際、本発明に用いる糖鎖プライマーとしては、生体内で
糖脂質糖鎖合成のプレカーサーとなるラクトシドセラミ
ドを模倣して作られたラクトースもしくはガラクトース
に疎水性鎖をつけたアナログ、あるいはN−アセチルグ
ルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、マンノー
ス、キシロース、グルコースなどに疎水性鎖をつけた糖
鎖プライマーが用いられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0017】分化誘導された培養細胞に糖鎖プライマー
を投与してオリゴ糖鎖を生産させるためには、培養液を
無血清あるいは低血清濃度条件にした細胞に、10〜100
μMの糖鎖プライマーを投与し、37℃で1〜5日間培養
することにより、糖鎖プライマーに糖が付加したオリゴ
糖鎖が培養液中に排出されるため、培養上清として糖鎖
産生原液を得ることができる。この培養上清を濃縮、分
離、抽出、精製を行うことにより、オリゴ糖鎖の生産が
可能となる。
【0018】また、分化誘導された培養細胞に糖鎖プラ
イマーを投与して糖鎖を産生させる際に、培養液への添
加物として、細胞内での糖代謝の活性化および細胞内へ
の糖鎖プライマーの取り込みを促進するためのインシュ
リン、繊維芽細胞増殖因子、上皮細胞増殖因子、インタ
ーフェロン、インターロイキンなどの増殖因子やサイト
カイン、あるいはリポソームや血清アルブミンなどの細
胞内へのキャリアー物質、あるいは二酸化セレンなどの
酵素活性を促すような因子、トランスフェリンなどの鉄
輸送タンパク質、糖供与体となるUDP-グルコース、UDP-
ガラクトース、UDP-N-アセチルガラクトサミン、UDP-N-
アセチルグルコサミン、GDP-フコース、CMP-N-アセチル
ノイラミン酸などの糖ヌクレオチドや、その前駆体のグ
ルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、
ラクトース、N−アセチルグルコサミン、N-アセチルマ
ンノサミンなどを添加しても良い。
【0019】本発明によって産生された糖鎖は、ウィル
スや細菌、毒素、病因タンパク質、病因細胞などに対す
る拮抗剤、抗炎症剤、抗癌転移剤や免疫誘導を促すため
のワクチンなどの医薬、ウィルスや毒素や癌細胞などを
吸着、除去するような中空糸や膜素材あるいは、遺伝子
や薬などのデリバリー素材などとして使用する医療材、
多様な糖鎖を基板上に並べてその上で相互作用を検出す
る糖鎖チップや癌マーカー、試薬、細胞培養器材などの
研究支援素材として使用できる。また、分化誘導した細
胞により、産生効率が向上するオリゴ糖鎖は分化マーカ
ーとして応用できる。
【0020】
【実施例】実施例1. 単球マクロファージ様に分化させ
た骨髄性白血病細胞株HL-60を利用した糖鎖生産 オリゴ糖鎖を産生させる細胞として骨髄性白血病細胞株
HL-60を使用した。通常この細胞は浮遊細胞なので、ウ
シ胎児血清10%を含むRPMI1640培地を用いて1.0×106
胞/mlとなるようにサスペンションカルチャーにより維
持した。
【0021】この細胞を単球マクロファージ様に分化さ
せるために、ウシ胎児血清10%を含むRPMI1640培地に0.4
nMおよび4nMのホルボールミリステートアセテート(TP
A)を添加し、この培地15mLに細胞を3.0×106細胞/ディ
シュとなるように懸濁して、培養皿(直径10cm)で48時
間培養した。ライトギムザ染色で、細胞の分化を確認し
た後、培養液を除去し、分化した細胞をリン酸緩衝液で
2回洗浄した後、トランスフェリン50mg/ml、インシュ
リン5mg/ml、二酸化セレン30nM をRPMI1640培地(フェ
ノールレッド不含)を15mL添加した後、糖鎖プライマー
(GlcNAc-C12:1-(n-dodecyl)-2-N-acetyl-β-Glucopyr
anoside)を50μM投与し、48時間培養して糖鎖を産生さ
せ、培養上清を回収した。
【0022】回収した培養上清については、Sep-PakC-1
8(Waters)を用いて産生されたオリゴ糖鎖(糖脂質)を
含む脂質成分を抽出した。Sep-PakC-18にメタノール10m
lを通してカラムを活性化し、超純水10mlでカラムを平
衡化させた。次に培地成分10mlを二度カラムに通して脂
質成分を吸着させ、超純水10mlを通してカラムを洗浄し
た。続いてメタノール4ml、クロロホルム/メタノール
(2/1(v/v))を2ml通して脂質成分をカラムから溶出
し、溶出液を蒸発乾燥させた。
【0023】抽出した脂質成分をクロロホルム/メタノ
ール(2/1(v/v))に溶解し、回収量の1/3をHPTLCプレー
ト(Silicagel 60)にスポットし、展開溶媒としてクロ
ロホルム/メタノール/0.2%CaCl2水溶液=50/40/10(v/
v/v)を使用して展開した。溶媒を乾燥した後、プレート
をレゾルシノール塩酸試薬、オルシノール硫酸試薬で染
色し発色させ、産生されたオリゴ糖鎖を検出した結果を
図1に示す。HL60細胞に糖鎖プライマー(GlcNAc-C12)
を投与した際に、産生されるオリゴ糖鎖の種類の解析
は、TLCブロッティングによりPVDF膜にオリゴ糖鎖を転
写させた後、単離抽出し、MALDI-TOF-MSを使用して質量
分析により産生された糖の種類を解析した。その結果、
表1のようなオリゴ糖鎖が主に産生されることが分かっ
た。
【0024】
【表1】
【0025】図1のHPTLCプレート上で展開、染色した
産生オリゴ糖鎖の中から、LacNAc型、sLacNAc型につい
て、デンシトメータを用いて産生量を相対比較した結果
を図2、図3に示す。分化誘導により、未分化の細胞
(TPAの添加無し、細胞数は3.0×106細胞/ディッシ
ュ)に比べてLacNAc型のオリゴ糖鎖の生産量が抑制さ
れ、sLacNAc型のオリゴ糖鎖の生産量が増加した。
【0026】実施例2. 顆粒球様に分化させた骨髄性白
血病細胞株HL-60を利用した糖鎖の産生 実施例1と同様に、骨髄性白血病細胞株HL-60を使用
し、この細胞を顆粒球様に分化させるため、ウシ胎児血
清10%を含むRPMI1640培地に1μMのレチノイン酸(R
A)を添加して、この培養液15mLに細胞を3.0×106細胞
/ディッシュになるように懸濁し、培養皿(直径10cm)
に播種して、48時間培養した。
【0027】ライトギムザ染色で、細胞の分化を確認し
た後、培養液を除去し、分化した細胞をリン酸緩衝液で
2回洗浄した後、トランスフェリン50mg/ml、インシュ
リン5mg/ml、二酸化セレン30nM をRPMI1640培地(フェ
ノールレッド不含)を15mL添加した後、糖鎖プライマー
(GlcNAc-C12 :1-(n-dodecyl)-2-N-acetyl-β-Glucopy
ranoside)を50μM投与し、48時間培養して糖鎖を産生
させ、培養上清を回収した。
【0028】回収した培養上清については、実施例1と
同様の方法で脂質成分を抽出し、クロロホルム/メタノ
ール(2/1(v/v))に溶解し、回収量の1/3をHPTLCプレー
ト(Silicagel 60)にスポットし、展開溶媒としてクロ
ロホルム/メタノール/0.2%CaCl2水溶液=50/40/10(v/
v/v)を使用して展開した。溶媒を乾燥した後、プレート
をレゾルシノール塩酸試薬、オルシノール硫酸試薬で染
色し発色させ、産生されたオリゴ糖鎖を検出した結果を
図4に示す。
【0029】HPTLCプレート上で展開、染色した産生オ
リゴ糖鎖の中から、LacNAc型、sLacNAc型について、デ
ンシトメータを用いて産生量を相対比較した結果を図
5、図6に示す。分化誘導により、未分化の細胞(RAの
添加無し、細胞数は3.0×106細胞/ディッシュ)に比べ
てLacNAc型、sLacNAc型のオリゴ糖鎖ともに生産量が増
加した。
【0030】
【発明の効果】本発明により、医薬・医療・研究支援素
材などに利用されるオリゴ糖鎖を、糖鎖プライマーを用
いて細胞に生産させる際に、分化誘導により細胞内での
特定の糖転移酵素を活性化させ、特定の糖鎖を効率よく
産生させる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1において、脂質を抽出し、HP
TLCで分析した結果である。なお、レーン1:未分化の
細胞、レーン2:TPAを0.4nM添加して分化した細胞、レー
ン3:TPAを4nM添加して分化した細胞。また、糖鎖プライ
マに糖鎖が伸長して生成したLacNAC型、sLACNAc型オリ
ゴ糖鎖のバンドを矢印で示した。
【図2】図2は、実施例1において、細胞をTPAで分化
誘導した際のLacNAc型オリゴ糖鎖の相対生産量を示す
(未分化の場合の生産量を1とする)。
【図3】図3は、実施例1において、細胞をTPAで分化
誘導した際のsLacNAc型オリゴ糖鎖の相対生産量を示す
(未分化の場合の生産量を1とする)。
【図4】図3は、実施例2において、脂質を抽出し、HP
TLCで分析した結果である。なお、レーン1:未分化の
細胞、レーン2:RAを1μM添加して分化した細胞。また、
糖鎖プライマに糖鎖が伸長して生成したLacNAC型、sLAC
NAc型オリゴ糖鎖のバンドを矢印で示した。
【図5】実施例2において、細胞をRAで分化誘導した際
のLacNAc型オリゴ糖鎖の相対生産量を示す(未分化の場
合の生産量を1とする)。
【図6】図6は、実施例2において、細胞をRAで分化誘
導した際のsLacNAc型オリゴ糖鎖の相対生産量を示す
(未分化の場合の生産量を1とする)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 哲司 滋賀県大津市園山1−1−1 東レ株式会 社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4B064 AF04 CA10 CC03 CD09 CD12 CD30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理活性物質により分化誘導した細胞に
    糖鎖プライマーを与えて糖鎖を産生させることを特徴と
    するオリゴ糖鎖の生産方法。
  2. 【請求項2】 前記生理活性物質が発癌プロモーターで
    あることを特徴とする請求項1記載のオリゴ糖鎖の生産
    方法。
  3. 【請求項3】 前記発癌プロモーターがホルボールミリ
    ステートアセテートであることを特徴とする請求項2記
    載のオリゴ糖鎖の生産方法。
  4. 【請求項4】 前記生理活性物質がビタミンであること
    を特徴とする請求項1記載のオリゴ糖鎖の生産方法。
  5. 【請求項5】 前記ビタミンがレチノイン酸であること
    を特徴とする請求項4記載のオリゴ糖鎖の生産方法。
  6. 【請求項6】 使用する細胞が骨髄性白血病細胞である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオリ
    ゴ糖鎖の生産方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005099338A1 (ja) * 2003-10-14 2007-08-16 株式会社グライコメディクス 新規糖鎖プライマー
JP2007282630A (ja) * 2006-03-22 2007-11-01 Glycomedics Inc オリゴ糖鎖合成方法
JP2009247234A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Univ Of Tokyo 糖鎖合成の検査法

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