JP2003274969A - 低温発現型フルクタン合成酵素遺伝子 - Google Patents

低温発現型フルクタン合成酵素遺伝子

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JP2003274969A
JP2003274969A JP2002086389A JP2002086389A JP2003274969A JP 2003274969 A JP2003274969 A JP 2003274969A JP 2002086389 A JP2002086389 A JP 2002086389A JP 2002086389 A JP2002086389 A JP 2002086389A JP 2003274969 A JP2003274969 A JP 2003274969A
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JP2002086389A
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Akira Kawakami
顕 川上
Fumihiro Terami
文宏 寺見
Midori Yoshida
みどり 吉田
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National Agricultural Research Organization
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 植物に環境ストレス耐性を付与する遺伝子を
提供する。 【解決手段】 コムギにおいて低温下で発現されるフル
クタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ
遺伝子を単離し、塩基配列を確定した。該遺伝子産物で
あるフルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフ
ェラーゼは、低温条件下でフルクタンを合成する活性を
有した。該遺伝子を含む組換えベクター、形質転換体お
よびトランスジェニック植物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物に耐寒性を付
与するフルクタンの合成活性を有する、低温耐性酵素フ
ルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラー
ゼをコードする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】コムギにおいては高度耐凍性、耐雪性を
もった品種の開発が北方圏諸国で行われているが、従来
の交雑にもとづいた育種では、既存の品種を超える能力
を有する植物を作出するのは困難である。そのため近年
では、遺伝子工学的手段による、より効果的な環境スト
レス耐性を有する改良品種の作出が求められている。
【0003】越冬作物のうち麦類、イネ科牧草は秋期〜
冬期のエネルギー源として多糖類のフルクタンを液胞内
に蓄積する。厳寒地帯の越冬作物は主に長期積雪地帯で
栽培されるため、フルクタン蓄積量の多い品種ほど越冬
性があることが知られている。秋期〜冬期の上記植物
は、低温順化(以下、ハードニングという)の過程でフ
ルクタン合成酵素を発現することにより、フルクタンを
生成・蓄積している。このフルクタンは、越冬時のエネ
ルギー源としてだけではなく凍結保護や浸透圧調整物質
としても働き、植物の耐寒性、耐凍性、及び乾燥耐性等
の環境ストレス耐性において主要な役割を果たしてい
る。
【0004】フルクタンの代謝に関わる遺伝子として
は、フルクタンの合成・分解等に働く各種フルクトシル
トランスフェラーゼをコードする遺伝子が、細菌、真菌
類及び植物から単離されている。フルクトシルトランス
フェラーゼ遺伝子には、スクロースから他のスクロース
にフルクトシル基を転移する活性を有するスクロース:
スクロース フルクトシルトランスフェラーゼ、スクロ
ースからフルクタンにフルクトシル基を転移する活性を
有するスクロース:フルクタン フルクトシルトランス
フェラーゼ、フルクタンから他のフルクタンへフルクト
シル基を転移する活性を有するフルクタン:フルクタン
フルクトシルトランスフェラーゼの3種類に分類され
る酵素をコードする多くの種類の遺伝子が存在してい
る。異なる属に由来する数種の細菌から各種のフルクト
シルトランスフェラーゼ遺伝子が単離されているが、こ
れらの遺伝子にコードされるアミノ酸配列間の相同性
は、低いことが知られている(Irma Vijn and Sjef Sme
ekens, Plant Physiol. (1999)Vol 120, pp351-35
9)。また植物でも、これまでに上記フルクトシルトラ
ンスフェラーゼ遺伝子がいくつか単離されている(Irma
Vijn and Sjef Smeekens, Plant Physiol. (1999) Vo
l 120, pp351-359)。
【0005】一方、フルクタンはまた、食品工業におけ
る機能性食品、製薬業における賦形剤、化学工業におけ
る生分解性ポリマー材料、及び飼料添加物等の、幅広い
有用な用途を有している。フルクタンに含まれる各種オ
リゴ糖は、例えば天然低カロリー甘味料として有用に用
いられる。フルクトオリゴ糖は虫歯予防効果・腸内ビフ
ィズス菌増殖作用などの人間の健康に有用な機能性オリ
ゴ糖であり、このフルクトオリゴ糖生産の工業的利用に
おいてもフルクタン合成遺伝子は注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物に対し
て環境ストレス耐性を付与する遺伝子、及び植物への環
境ストレス耐性を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コムギにおいて低
温下で発現されるフルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子を単離することに成功し
た。そして本発明者らは、この遺伝子産物であるフルク
タン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ
が、フルクタンを低温条件下で合成する活性を有するこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、以
下の通りである。
【0008】[1] 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコー
ドする遺伝子。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フルクタン:フ
ルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
るタンパク質
【0009】[2] 以下の(a)又は(b)のDNAからなる遺伝
子。 (a) 配列番号1若しくは3に示される塩基配列からなる
DNA (b) 配列番号1若しくは3に示される塩基配列からなる
DNAの全部若しくは一部に相補的な塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
つ、フルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフ
ェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
【0010】[3] 以下の(a)又は(b)のDNAからなる遺伝
子。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列をコ
ードするDNA (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列をコ
ードするDNAの全部若しくは一部に相補的な塩基配列か
らなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズし、かつ、フルクタン:フルクタン フルクトシルト
ランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードする
DNA 但し、上記[1]〜[3]に記載の遺伝子は、コムギのゲノム
中で0℃〜10℃で発現することが特徴であり得る。ま
た、上記[1]〜[3]に記載のタンパク質は、0℃〜50
℃、特に0℃〜10℃で生成フルクタン合成能を有する
ものであり得る。さらに、上記[1]〜[3]に記載のタンパ
ク質は、重合度5〜10のフルクタンを基質として用い
て重合度20〜50の生成フルクタンを合成することが
できるものであり得る。
【0011】[4] 上記[1]〜[3]記載の遺伝子を含む組換
えベクター。 [5] 上記[4]記載の組換えベクターを含む形質転換体。 [6] 上記[1]〜[3]記載の遺伝子を含むトランスジェニッ
ク植物。 [7] 上記[1]〜[3]記載の遺伝子を植物に導入することを
特徴とする、植物へのストレス耐性付与方法。但し、そ
のストレス耐性は、耐寒性、耐凍性、耐雪性、乾燥耐
性、貧栄養耐性、耐霜性及び耐病性からなる群から選択
される少なくとも1つであり得る。 [8] 上記[5]記載の形質転換体を培養し、得られる培養
物からフルクタン:フルクタン フルクトシルトランス
フェラーゼ活性を有するタンパク質を採取することを特
徴とする該タンパク質の製造方法。
【0012】[9] 以下の(a)又は(b)のタンパク質。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フルクタン:フ
ルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
るタンパク質 但しこのタンパク質は、0℃〜50℃、特に0℃〜10
℃で生成フルクタン合成能を有するものであり得る。さ
らにこのタンパク質は、重合度5〜10のフルクタンを
基質として用いて重合度20〜50の生成フルクタンを
合成することができるものであり得る。
【0013】[10] 植物にストレス耐性を付与する、上
記[1]記載のタンパク質。但しそのストレス耐性は、耐
寒性、耐凍性、耐雪性、乾燥耐性、貧栄養耐性、耐霜性
及び耐病性からなる群から選択される少なくとも1つで
あり得る。 [11] 上記[1]又は[2]のタンパク質をフルクタンと反応
させて、生成フルクタンを製造する方法。 [12] 上記[6]記載のトランスジェニック植物を培養又は
栽培し、得られる植物から、生成フルクタンを抽出する
ことを特徴とする、生成フルクタンの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
フルクタン合成に関する酵素には、その反応の段階と結
合様式によって分類される幾つかの種類の酵素及びその
アイソザイムが存在する。そのうち、フルクタン:フル
クタン フルクトシルトランスフェラーゼは、主に1-
ケストース(3糖)以上のフルクタンを基質としてより
長鎖のフルクタンの合成を触媒するものである。これま
でにフルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフ
ェラーゼに関して、アーティチョーク、キクイモ等の双
子葉植物から、該酵素をコードする遺伝子が報告されて
いるが(Ingrid M.van der Meer, et al., Plant J. (1
998) 15(4), pp489-500; Elke M.Hellwege, et al., FE
BS Lett. (1998) 427, pp25-28)、それらはすべて常温
発現条件下で単離されたものである。
【0015】本発明者らは、植物ゲノム中において低温
条件下で発現されるフルクタン:フルクタン フルクト
シルトランスフェラーゼ遺伝子を単離することができれ
ば、所望のタンパク質合成が低温条件下でも生じるよう
に植物を遺伝子工学的に操作することができ、非常に有
用であろうとの着想を得た。また、一般に酵素は、反応
の場となる環境の物理的条件、すなわち温度、pH及び他
の化学物質の存在等によって、反応効率が大きく左右さ
れる。そこで、低温条件下でも有効な活性を有するフル
クタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ
をコードする遺伝子を単離することができれば、フルク
タンを低温条件下で効率良く製造することができ、さら
に有用であろうとの着想を得た。そして、そのような低
温発現型フルクタン:フルクタン フルクトシルトラン
スフェラーゼ遺伝子を植物に導入することにより、低温
条件下の植物体内でフルクタンを効率良く生産させて、
植物の耐寒性を含む環境ストレス耐性をより有効に付与
することができるであろうと考えた。本発明は、このよ
うな発想に基づいて完成されたものである。
【0016】しかしながら、本発明のフルクタン:フル
クタン フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子の単離
は、実際には困難が伴うものであった。植物において
は、これまでにいくつかのフルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子が単離されてお
り、それらの遺伝子は、互いに50%前後のアミノ酸配列
相同性を示すことが判明している(Irma Vijn and Sjef
Smeekens, Plant Physiol. (1999) Vol 120, pp351-3
59)。例えばアーティチョーク、キクイモ等の双子葉植
物において、スクロース:スクロース フルクトシルト
ランスフェラーゼ遺伝子(Elka M.Hellwege, et al., P
lant J. (1997) 12, pp1057-1065; Elke M.Hellwege, e
t al., FEBS Lett. (1998) 427, pp25-28)、及びフル
クタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ
遺伝子が報告されている(Ingrid M.van der Meer, et
al., Plant J. (1998) 15(4), pp489-500; Elke M.Hell
wege, et al., FEBS Lett. (1998) 427, pp25-28)が、
同種内でのこれらの遺伝子間のアミノ酸配列相同性はお
よそ55%である。このように、フルクトシルトランスフ
ェラーゼ遺伝子は、異なる機能を有する酵素間で、アミ
ノ酸配列相同性が互いにほぼ同程度(50%程度)である
ため、あるフルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子にコ
ードされる酵素がどのような活性を有するかということ
を、既知の関連酵素との間のアミノ酸配列相同性に基づ
いて判断することは、困難である。さらに、フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子には、それぞれ異なる機能
を有する酵素をコードする多くの種類の遺伝子が包含さ
れるため、目的とするフルクタン:フルクタン フルク
トシルトランスフェラーゼ遺伝子を単離することは多大
な労力を伴うものである。本発明は、このような困難性
の下で研究を重ねた結果として、低温条件下の秋播小麦
に由来するcDNAライブラリーから、本発明のフルクタ
ン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝
子を単離することに成功したものである。
【0017】1.フルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子の単離 本発明者は、札幌市の自然条件下で11月中旬までハー
ドニングさせた耐雪性秋播小麦PI173438から抽出した全
mRNAをもとに、常法によりcDNAライブラリーを作製し
た。ついで上記のcDNAライブラリーをブロットしたフィ
ルターに対し、本発明者が既に単離しているコムギ由来
スクロース:スクロース 1-フルクトシルトランスフェ
ラーゼ遺伝子に対応するcDNA(塩基配列5)をアイソト
ープで標識したプローブを用いてハイブリダイゼーショ
ンを行い、該スクロース:スクロース 1-フルクトシル
トランスフェラーゼ遺伝子と低い相同性を有する遺伝子
の全長を含むcDNAクローンを同定した。この際に使用し
た方法は、所望の塩基配列相同性に応じた反応条件を調
整することによって、プローブとするDNA断片とcDNAラ
イブラリーに含まれる各cDNAクローンとの結合性を、所
望の塩基配列相同性に応じて決定することができるとい
う原理を利用するものであった。より具体的には、ハイ
ブリダイゼーション反応において、厳しい条件下では、
プローブ断片の塩基配列との相同性が極めて高い塩基配
列を有するクローンだけがプローブと結合して陽性クロ
ーンとして検出される一方、緩やかな条件下では、プロ
ーブ断片の塩基配列との相同性が相対的に低い塩基配列
を有するクローンも、プローブと結合して陽性クローン
として検出され得ることに基づいて、緩やかな条件下で
検出されるが厳しい条件下では検出されないcDNAクロー
ンを、プローブとした遺伝子断片との間で低い塩基配列
相同性を有するものとして同定した。そのようにして、
目的とするフルクタン:フルクタン フルクトシルトラ
ンスフェラーゼ遺伝子の全長を含むcDNAクローンの候補
を同定した。次いで、得られた陽性クローンについて、
それぞれDNAシーケンサーを用いて塩基配列を決定し
た。そして各々決定した塩基配列について、コードされ
ているアミノ酸配列を推定した。このようにして得た推
定アミノ酸配列を、コムギ由来のスクロース:スクロー
ス 1-フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子にコード
されるアミノ酸配列(配列番号6)と比較し、各々のア
ミノ酸配列相同性を算出した。
【0018】2.本発明のフルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子 上記1において、本発明のフルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子として単離された
cDNAクローンは、それぞれ配列番号1及び3に示される
塩基配列からなるcDNAを含むものであった。配列番号1
に示される塩基配列から推定されるアミノ酸配列を、配
列番号2に示す。また配列番号3に示される塩基配列か
ら推定されるアミノ酸配列を、配列番号4に示す。さら
に、それらの配列番号1及び3に示される塩基配列、並
びに配列番号2及び4に示されるアミノ酸配列を、公共
データベース(EMBL/GenBank/DDBJ 国際DNAデータバン
ク等)において検索したところ、相当する配列は見出さ
れなかったことから、これらの2種類のcDNAに対応する
コムギ由来遺伝子は新規なものであると判断された。
【0019】これら2種類の遺伝子については、その遺
伝子産物が低温耐性フルクタン:フルクタン フルクト
シルトランスフェラーゼであることが確認された。その
確認は、「4.フルクタン:フルクタン フルクトシル
トランスフェラーゼ活性の確認」に記載されたように酵
母による組換えタンパク発現系を利用して行った。した
がって、本発明の1つの実施形態では、本発明のフルク
タン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ遺
伝子は、配列番号1又は3に示される塩基配列からなる
DNAである。このDNAは、例えば、上記cDNAクローンから
適当な制限酵素により切断し、そのDNA断片を常法によ
り抽出・精製することにより取得することができる。
【0020】本明細書において、「フルクタン:フルク
タン フルクトシルトランスフェラーゼ」とは、フルク
タン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ活
性を有するタンパク質をいう。本明細書において、「フ
ルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラー
ゼ活性」とは、フルクタンから他のフルクタンへフルク
トシル基を転移する活性を意味する。また、この「フル
クタン:フルクタンフルクトシルトランスフェラーゼ」
は、スクロースのみを基質として与えた場合フルクトシ
ル基の転移活性が見られないという性質を示す。また本
明細書において「フルクタン合成能」とは、フルクタン
を基質として、より長鎖のフルクタン、具体的には4糖
フルクタン(ニストース)又はそれ以上の重合度のフル
クタンを生成することができる能力を意味する。本明細
書において、「生成フルクタン」とは、フルクタン:フ
ルクタン フルクトシルトランスフェラーゼの酵素活性
によって触媒される合成反応によって生成されたフルク
タンの集合物を意味する。フルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼが触媒する酵素反応を、
以下、図1を用いてさらに説明する。
【0021】本発明のタンパク質の「フルクタン:フル
クタン フルクトシルトランスフェラーゼ」はフルクト
シル基転移酵素である。この名称の『フルクタン:フル
クタン』の部分は、フルクトシル基の転移様式を表して
おり、この酵素が基質とするフルクタンから別のフルク
タンへフルクトシル基を転移するものであることを意味
している。図1では便宜上、『フルクタン:フルクタ
ン』の2つのフルクタンを区別するために、本発明のタ
ンパク質を「フルクタンG-F(n):フルクタンG-F(m) フ
ルクトシルトランスフェラーゼ」と称して説明する。図
1に示す通り、本発明のフルクタンG-F(n):フルクタン
G-F(m) フルクトシルトランスフェラーゼは、任意のフ
ルクタンG-F(n)(ここではグルコース「G」が一位にあ
るものを例示している)に由来するフルクトシル基(図
中、「F」で表す)を別のフルクタンG-F(m)へ転移する
活性を有し、その結果、フルクタンG-F(m)はフルクトシ
ル基を1個余分に付加されてフルクタンG-F(m+1)とな
る。すなわちこのフルクタンG-F(m+1)は、フルクタンG-
F(m)よりも重合度が1つ高いフルクタンである。フルク
タンG-F(m+1)はさらに、本発明のフルクタン:フルクタ
ン フルクトシルトランスフェラーゼによって同様に別
のフルクタンからフルクトシル基を転移されて、重合度
がさらに1つ高いフルクタンとなり得る。このような反
応が反応液中で連鎖的に繰り返される結果、フルクタン
G-F(m+1)は次々とより長鎖のフルクタンへと合成され
る。このようにして合成されるより長鎖のフルクタン
は、最終的にはある一定の最大重合度を有するフルクタ
ンとなり得る。この最大重合度は、基質として添加する
フルクタンの重合度等によって決定されるが、本発明の
フルクタン:フルクタン トランスフェラーゼの場合、
最大重合度は添加する基質フルクタンの重合度の2〜5
倍、又は2〜4倍、特に2〜3倍の重合度であり、より
詳細には、例えば重合度5〜10のフルクタンを基質と
して用いる場合に、最大重合度は20〜50、好ましく
は20〜30、より好ましくは20〜23である。1つ
の実施形態においては、本発明のフルクタン:フルクタ
ン フルクトシルトランスフェラーゼは、基質として重
合度3のケストースを用いた場合に重合度6の生成フル
クタンを合成することができる。さらに1つの実施形態
においては、基質として重合度5〜10のフルクトース
を用いた場合に重合度20〜23の生成フルクタンを合
成することができる。ここで最大重合度とは、生成フル
クタンに含まれる最も高い重合度を有するフルクタンの
重合度を意味する。本発明におけるフルクタンの重合度
とは、当該フルクタンを構成している単糖の合計数を意
味する。なお、図1における「フルクタンG-F(n)」及び
「フルクタンG-F(m)」を酵素反応系に添加した最初の基
質フルクタンとする場合、上記の「フルクタンG-F(m+
1)」及び「より長鎖のフルクタン」が、本発明のフルク
タン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼの
酵素反応による生成物である。本発明では、これらの
「フルクタンG-F(m+1)」及び「より長鎖のフルクタン」
の集合物が、「生成フルクタン」であるものとする。な
お、スクロース等の他の基質を用いるフルクトシルトラ
ンスフェラーゼについても、上述の説明と同様に、その
活性を名称に基づいて理解することができる。
【0022】また、本明細書において「低温耐性」と
は、0℃〜10℃、特に0℃の低温条件下において、タ
ンパク質がその酵素活性を示すことを意味する。また本
明細書では、「低温発現型」遺伝子とは、その遺伝子が
由来する生物ゲノム中で、0℃〜10℃の低温条件下に
おいて発現される遺伝子であり、かつ、その遺伝子の発
現により得られる該遺伝子産物が、そのような低温条件
下において活性を示すことを特徴とする前記遺伝子を意
味する。これらの酵素活性については、本明細書の
「4.フルクタン:フルクタン フルクトシルトランス
フェラーゼ活性の確認」を参照されたい。
【0023】本発明のフルクタン:フルクタン フルク
トシルトランスフェラーゼ遺伝子は、より一般的には、
フルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラ
ーゼ活性を有する低温耐性タンパク質をコードするもの
である。本発明のフルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子は、上記の配列番号1及び
3に示される塩基配列からなるDNAに限定されない。本
発明の遺伝子は、配列番号2又は4に示されるアミノ酸
配列からなるタンパク質をコードするものであってもよ
い。さらに本発明の遺伝子は、フルクタン:フルクタン
フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有する限り、
配列番号2又は4に示されるアミノ酸配列において1若
しくは複数個(好ましくは1〜10個、より好ましくは数
個)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ
酸配列からなるタンパク質をコードするものであっても
よい。
【0024】また、配列番号1若しくは3に示される塩
基配列又はその一部、に相補的な配列からなるDNAと、
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが
できるDNAであって、上記フルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
をコードするものも本発明の遺伝子に含まれる。同様
に、配列番号2若しくは4で表されるアミノ酸配列をコ
ードするDNA又はその一部、に相補的な配列からなるDNA
と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするこ
とができるDNAであって、上記フルクタン:フルクタン
フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパ
ク質をコードするものも本発明の遺伝子に含まれる。ス
トリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリ
ッドが形成される条件をいう。例えば、相同性が高い核
酸同士、すなわち90%以上、好ましくは95%以上の相同
性を有するDNAであって、フルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質
をコードするDNA同士がハイブリダイズし、それより相
同性が低い核酸同士がハイブリダイズしない条件が挙げ
られる。より具体的には、ナトリウム塩濃度が15〜750m
M、好ましくは50〜750mM、より好ましくは300〜750mM、
温度が25〜70℃、好ましくは50℃〜70℃、より好ましく
は55〜65℃、ホルムアミド濃度0〜50%、好ましくは20
〜50%、より好ましくは35〜45%での条件をいう。さら
にハイブリダイゼーション後のフィルターの洗浄条件
が、ナトリウム塩濃度が15〜600mM、好ましくは50〜600
mM、より好ましくは300〜600mM、温度が50〜70℃、好ま
しくは55〜70℃、より好ましくは60〜65℃での条件であ
る場合も、本発明における「ストリンジェントな条件」
に含めることができる。
【0025】一旦本発明の遺伝子の塩基配列が確定され
ると、その後は化学合成によって、又はクローニングさ
れたcDNA、cDNAライブラリー若しくはゲノムDNAライブ
ラリーを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列
を有するDNA断片をプローブとしてcDNAライブラリー若
しくはゲノムDNAライブラリーに対してハイブリダイズ
させることによって、本発明の遺伝子を得ることができ
る。cDNAライブラリー又はゲノムDNAライブラリー等が
由来する生物は、特に限定されるものではないが、例え
ば細菌、真菌類又は植物に属する生物である。由来生物
としては、フルクタンを蓄積し得る植物が好ましく、例
としては、温帯性のイネ科植物(コムギ、オオムギ、オ
ーチャードグラスを含む牧草類等)、キク科植物(ダリ
ア、アザミ、アーティチョーク、タンポポ、チコリー
等)、及びユリ科植物(キクイモ等)が挙げられる。よ
り好ましいのはコムギ(Triticum aestivum L.)であ
る。
【0026】さらに、部位特異的突然変異誘発法等によ
って、本発明の遺伝子の変異型であってフルクタン:フ
ルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
るものをコードする遺伝子を合成することもできる。ま
た部位特異的突然変異誘発法等により、本発明の遺伝子
の変異型であって、フルクタン:フルクタン フルクト
シルトランスフェラーゼ活性を有し、かつ低温耐性を示
すものをコードする遺伝子を合成することもできる。
【0027】遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、
Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法
を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘
発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K(TAK
ARA社製)やMutant-G(TAKARA社製))などを用いて、あ
るいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリ
ーズキットを用いて変異の導入が行われる。
【0028】3.組換えベクターの作製 上記1及び2で取得した本発明の遺伝子は、続く操作の
ために、ベクター中にクローニングして組換えベクター
を作製する。本発明の組換えベクターは、適当なベクタ
ーに本発明のフルクタン:フルクタン フルクトシルト
ランスフェラーゼ遺伝子を連結(挿入)することにより得
ることができる。フルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子を挿入するためのベクター
は、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、
例えば、プラスミド DNA、ファージ DNA等が挙げられ
る。
【0029】プラスミド DNAとしては、大腸菌由来のプ
ラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pU
C18、pUC19、pBluescript等)、枯草菌由来のプラスミ
ド(例えばpUB110、pTP5等)、酵母由来のプラスミド
(例えばYEp13、YCp50等)などが挙げられ、ファージDNA
としてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EM
BL4、λgt10、λgt11、λZAP等)が挙げられる。さら
に、レトロウイルス又はワクシニアウイルスなどの動物
ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクタ
ーを用いることもできる。
【0030】ベクターにフルクタン:フルクタン フル
クトシルトランスフェラーゼ遺伝子を挿入するには、ま
ず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当な
ベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサ
イトに挿入してベクターに連結する方法などが採用され
る。
【0031】フルクタン:フルクタン フルクトシルト
ランスフェラーゼ遺伝子は、その遺伝子の機能が発揮さ
れるように、ベクターに組み込まれることが必要であ
る。特に、本発明の組換えベクターは、宿主内で良好な
活性を有するタンパク質として発現されるようにフルク
タン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ遺
伝子をベクターに組み込んだ、組換え発現ベクターとし
て作製することが好ましい。このために、本発明のベク
ターとしては、数多くの宿主生物に対応した市販の各種
発現ベクターを用いることができる。それらの発現ベク
ターには、通常、転写プロモーター、ターミネーター、
リボソーム結合部位などの宿主生物における発現に必須
な各種エレメントの他、ベクターが細胞内に保持されて
いることを示す選択マーカーやベクター内に簡単に正し
い向きで遺伝子を挿入するためのポリリンカー、エンハ
ンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナ
ル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配
列)、分泌因子配列等の有用な配列が必要に応じて連結
されている。組換え発現ベクターを用いて形質転換体を
作製し、それを培養することによって組換えタンパク質
を産生させる場合には、宿主生物に適合した分泌因子配
列を含む発現ベクターを用いることにより、組換えタン
パク質を培地中に分泌させることができる。この手法
は、培養上清から直接組換えタンパク質を精製すること
ができるため、有用である。さらに、この分泌因子配列
は、培養上清への分泌後に、ベクターに組み込んだ遺伝
子にコードされるタンパク質から、特定のプロテアーゼ
等で特異的に切断して除去することができるものであっ
てもよい。なお、選択マーカーとしては、例えばジヒド
ロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオ
マイシン耐性遺伝子等が挙げられる。以上のようなベク
ターに、フルクタン:フルクタン フルクトシルトラン
スフェラーゼ遺伝子を、適切に発現されるような位置及
び向きで連結する。
【0032】さらに、本発明の遺伝子は、相同組換え法
により宿主生物ゲノムに直接導入することもできる。そ
の場合には、本発明の遺伝子を組み込んだ適当なターゲ
ティングベクターを作製する。このために使用可能なベ
クターとしては、例えばCre-loxP等の公知のジーンター
ゲティング用ベクターを用いることができる。本明細書
においては、このような本発明の遺伝子を組み込んだタ
ーゲティングベクターも、本発明の組換えベクターに包
含されるものとする。
【0033】4.フルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ活性の確認 3に記載の通り、発現ベクター中に組み込んだ上記1及
び2に記載の本発明の遺伝子は、その遺伝子産物につい
て、フルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフ
ェラーゼ活性の確認を行うことができる。フルクタン:
フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ活性は、
調べるべき酵素を含む反応液中に、最も重合度の低いフ
ルクタンである1-ケストース(G-F-F; Gはグルコースを
表し、Fはフルクトースを表す。以下の表記も同様であ
る。)のみを基質として与えるとき、反応物中に4糖以
上の重合度のフルクタンが生成されること(すなわち、
ニストース(G-F-F-F)以上の重合度のフルクタンが生
成されること)、かつ、スクロース(G-F)のみを基質
として与えるとき、フルクタン合成反応が起こらない
(すなわち、反応物中に3糖フルクタン(ケストース)
以上の重合度のフルクタンが実質的に存在しないこと)
を示すことによって、確認することができる。したがっ
て、本明細書では、本発明のタンパク質に関して「活性
を有する」「活性を示す」と言った場合、具体的には、
該タンパク質を用いた反応系において、1-ケストースの
みを基質とした場合に反応物中に4糖以上の重合度のフ
ルクタンが生成され、かつ、スクロースのみを基質とし
た場合には反応物中に3糖以上の重合度のフルクタンが
実質的に生成されないことを指すものとする。
【0034】上記の確認を行う手順としては、まず組換
え発現ベクター中に導入された遺伝子をin vitro又はin
vivoで発現させてその遺伝子産物を取得し、次いでそ
の遺伝子産物を1-ケストースのみと反応させ、その反応
生成物をHPLC等の公知のタンパク質分析法により分析し
て、生成フルクタン中にニストースが存在することを示
す。さらにまた、上記遺伝子産物をスクロース(G-F)
のみと反応させて、その反応生成物をHPLC等の公知のタ
ンパク質分析法により分析し、反応物中にケストースを
含む生成フルクタンが存在しないことを示す。遺伝子産
物をケストースと反応させる際、0℃〜10℃、例えば
0℃の低温条件下とすれば、その低温条件下で生成フル
クタン中にニストースが含まれるかどうかを調べること
によって、該遺伝子産物がその低温条件下で上記活性を
有するかどうかも確認することができる。限定するもの
ではないが、フルクタン:フルクタン フルクトシルト
ランスフェラーゼ活性の確認は、例えば以下の通りに行
うことができる。
【0035】まず、本発明のDNAを組み込んだ発現ベク
ターを、エレクトロポレーション法、パーティクルガン
法、PEG法等の公知の形質転換法により酵母に導入す
る。細胞外分泌型組換えタンパク発現ベクターで形質転
換した上記酵母を培養(例えば4日間)後、その培養上
清を分離すると、この上清には組換えタンパク質が含ま
れているはずである。又は、細胞内在型組換えタンパク
発現ベクターで形質転換した上記酵母を培養後(例えば
4日間)、酵母細胞を分離しその抽出液を分離すること
により、その抽出液中には組換えタンパクが含まれてい
るはずである。そこで、培養上清又は酵母細胞抽出液か
ら上記酵素を取得し(例えば培養上清の濃縮液を粗酵素
液として)、基質となる1-ケストースと混合し、反応さ
せる。その反応物をHPLCに掛け、反応生成物を分析し、
各反応生成物のピークが現れるリテンションタイム(保
持時間)を調べることにより、そのリテンションタイム
の差異から反応物にスクロース、ケストース、ニストー
ス及び重合度のより高いフルクタンがそれぞれ含まれる
か否かを判断する。1-ケストースを基質として与えた場
合に反応物中にニストースの存在が確認され、かつ、ス
クロースを基質として与えた場合に反応物中にケストー
スが存在しなければ、上記酵母を形質転換した組換え発
現ベクターに組み込まれていた遺伝子にコードされてい
るタンパク質は、フルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ活性を有すると判断される。この
酵素反応を例えば0℃の低温条件下で行った場合に上記
活性が確認されれば、上記遺伝子にコードされるタンパ
ク質は、低温耐性であると判断することができる。以上
により、本発明の遺伝子について、その遺伝子産物が低
温耐性フルクタン:フルクタン フルクトシルトランス
フェラーゼ活性を有するものであることを確認すること
ができる。
【0036】5.フルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子の植物への導入 上記3に記載の通り作製した組換えベクターを植物に導
入することにより、トランスジェニック植物を得ること
ができる。
【0037】本発明において形質転換の対象となる植物
は、植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、
種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、
維管束、柵状組織、海綿状組織等)又は植物培養細胞
(例えばカルス)のいずれをも意味するものである。形
質転換に用いられる植物としては、フルクタンの蓄積が
見られる植物であることが好ましいが、それらに限定す
るものではない。形質転換に用いられる植物として、例
えば以下のようなものが考えられる。
【0038】ナス科:ナス(Solanum melongena L.)、ト
マト(Lycopersicon esculentum Mill)、ピーマン(Capsi
cum annuum L. var. angulosum Mill.)、トウガラシ(C
apsicum annuum L.)、タバコ(Nicotiana tabacum L.) アブラナ科:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、
アブラナ(Brassica campestris L.)、ハクサイ(Brassic
a pekinensis Rupr.)、キャベツ(Brassica oleracea L.
var. capitata L.)、ダイコン(Raphanus sativus
L.)、ナタネ(Brassica campestris L., B. napus L.) イネ科:トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativ
a)、コムギ(Triticum aestivum L.)、オオムギ(Hordeum
vulgare L.) マメ科:ダイズ(Glycine max)、アズキ(Vigna angulari
s Willd.)、インゲン(Phaseolus vulgaris L.)、ソラマ
メ(Vicia faba L.) ウリ科:キュウリ(Cucumis sativus L.)、メロン(Cucum
is melo L.)、スイカ(Citrullus vulgaris Schrad.)、
カボチャ(C. moschata Duch., C. maxima Duch.) ヒルガオ科:サツマイモ(Ipomoea batatas) ユリ科:ネギ(Allium fistulosum L.)、タマネギ(Alliu
m cepa L.)、ニラ(Allium tuberosum Rottl.)、ニンニ
ク(Allium sativum L.)、アスパラガス(Asparagus offi
cinalis L.) シソ科:シソ(Perilla frutescens Britt. var. crisp
a) キク科:キク(Chrysanthemum morifolium)、シュンギク
(Chrysanthemum coronarium L.)、レタス(Lactuca sati
va L. var. capitata L.) バラ科:バラ(Rose hybrida Hort.)、イチゴ(Fragaria
x ananassa Duch.) ミカン科:ミカン(Citras unshiu)、サンショウ(Zantho
xylum piperitum DC.) フトモモ科:ユーカリ(Eucalyptus globulus Labill) ヤナギ科:ポプラ(Populas nigra L. var. italica Koe
hne) アカザ科:ホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)、テン
サイ(Beta vulgarisL.) リンドウ科:リンドウ(Gentiana scabra Bunge var. bu
ergeri Maxim.) ナデシコ科:カーネーション(Dianthus caryophyllus
L.) ただし、フルクタンを自ら合成しない植物では、基質と
なるケストースを植物体内で合成するために同時にスク
ロース:スクロース フルクトシルトランスフェラーゼ
遺伝子を導入することにより、重合度4以上のフルクタ
ンが合成可能となる。
【0039】上記組換えベクターは、通常の形質転換方
法、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン
法、PEG法、エレクトロポレーション法等によって植物
中に導入することができる。例えばアグロバクテリウム
法を用いる場合は、構築した植物用発現ベクターを適当
なアグロバクテリウム、例えばアグロバクテリウム・チ
ュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入
し、この菌株をイネのカルスに接種して感染させ、トラ
ンスジェニック植物を得ることができる。
【0040】また、パーティクルガン法を用いる場合
は、植物体、植物器官、植物組織自体をそのまま使用し
てもよく、切片を調製した後に使用してもよく、プロト
プラストを調製して使用してもよい。このように調製し
た試料を遺伝子導入装置(例えばPDS-1000(BIO-RAD社)
等)を用いて処理することができる。処理条件は植物又
は試料により異なるが、通常は450〜2000psi程度の圧
力、4〜12cm程度の距離で行う。
【0041】植物培養細胞を宿主として用いる場合は、
形質転換は、組換えベクターをパーティクルガン法、エ
レクトロポレーション法等で培養細胞に導入する。この
際ターゲティングベクターを用いて、植物ゲノムに対し
相同組換えを引き起こすことも可能であり得る。
【0042】形質転換の結果得られる腫瘍組織やシュー
ト、毛状根などは、そのまま細胞培養、組織培養又は器
官培養に用いることが可能であり、また従来知られてい
る植物組織培養法を用い、適当な濃度の植物ホルモン
(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジ
ン酸、エチレン、ブラシノライド等)の投与などにより
植物体に再生させることができる。
【0043】遺伝子が植物に組み込まれたか否かの確認
は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザ
ンハイブリダイゼーション法等により行うことができ
る。例えば、トランスジェニック植物からDNAを調製
し、DNA特異的プライマーを設計してPCRを行う。PCR
は、組換えベクターに挿入したcDNA断片を増幅するため
に使用した条件と同様の条件で行うことができる。その
後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動又はキャピラリー電気泳動
等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色
し、そして増幅産物を1本のバンドとして検出すること
により、形質転換されたことを確認することができる。
また、予め蛍光色素等により標識したプライマーを用い
てPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。さら
に、マイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させ、
蛍光又は酵素反応等により増幅産物を確認する方法も採
用することができる。以上記載の通りにして作製した本
発明のフルクタン:フルクタン フルクトシルトランス
フェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック植物
は、植物体内でフルクタンが生成されることによって、
ストレス耐性が強化され得る。
【0044】本発明におけるストレス耐性は、植物にお
いてフルクタンが大きな役割を担っている耐性を指し、
例えば、耐寒性、耐凍性、耐雪性、乾燥耐性、貧栄養耐
性、耐霜性及び耐病性が挙げられる。本発明のフルクタ
ン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝
子を導入したトランスジェニック植物は、それらのスト
レス耐性のうち少なくとも1つを示す。本発明のトラン
スジェニック植物が示すストレス耐性は、好ましくは耐
寒性である。ここで、上記のストレス耐性は、以下のよ
うに定義される。
【0045】「耐寒性」とは、植物が凍結する寒さに対
して生存できる性質を意味する。「耐凍性」とは、植物
が氷点下の低温による凍結に耐える性質を意味する。
「耐雪性」とは、積雪下(暗黒、0℃、多湿環境)で越
冬する能力の強さを意味する。「乾燥耐性」とは、植物
が水分欠乏に耐える性質を意味する。「貧栄養耐性」と
は、植物が養分の乏しい土壌で生育する能力の強さを意
味する。「耐霜性」とは、初霜や晩霜時の低温に対する
植物の耐性を意味する。「耐病性」とは、細菌、糸状菌
などの病原体の植物への感染増殖を阻害する能力を意味
する。
【0046】ストレス耐性植物としての使用開始時期
は、耐性を示す植物を選抜した後であればいつでもよ
い。上記の形質転換植物のストレス耐性は、ストレス条
件下に放置した後の生存率を上記記載に従って評価する
ことによって、判断することができる。
【0047】6.フルクタン:フルクタン フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子を利用した生成フルクタン
の製造 上記3に記載の通り作製した、本発明の遺伝子を含む組
換え発現ベクターを用いて、フルクタンを製造すること
ができる。本発明の遺伝子を発現させて得られる本発明
の遺伝子産物であるフルクタン:フルクタン フルクト
シルトランスフェラーゼは、フルクタンを基質とした酵
素反応によって4糖以上のフルクタンを生成することが
できる。また、本発明の遺伝子を利用した生成フルクタ
ンの製造は、低温条件下でも行うことができる。このよ
うな生成フルクタンの製造のために、本発明ではまず、
本発明の遺伝子を発現させて、フルクタン:フルクタン
フルクトシルトランスフェラーゼを生産する。
【0048】a.フルクタン:フルクタン フルクトシル
トランスフェラーゼの生産 本発明では、フルクタン:フルクタン フルクトシルト
ランスフェラーゼを生産するための第1の方法として、
本発明の遺伝子を導入した形質転換体を作製し、それを
培養することによりそれを生産する。本発明は、このよ
うな形質転換体にも関する。
【0049】形質転換に使用可能な細胞としては、大腸
菌や枯草菌等の細菌、酵母細胞、昆虫細胞、動物細胞
(例えば、哺乳動物細胞)、植物細胞等、いずれを使用
してもよい。また、形質転換には、一般的に行われてい
る手法、例えば、リン酸カルシウム法、エレクトロポレ
ーション法、リポフェクション法、パーテイクルガン
法、PEG法等を適用することができる。形質転換体の選
択は、定法に従って行うことができるが、通常は使用し
た組換えベクターに組み込まれた選択マーカーを利用し
て行う。
【0050】本発明の形質転換体を培養する方法は、宿
主生物の培養に用いられる通常の方法に従って行われ
る。例えば、大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得
られた形質転換体を培養する培地としては、宿主微生物
が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形
質転換体の培養を効率的に行える培地であれば、天然培
地、合成培地のいずれを用いてもよい。培地には、必要
に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質
を添加してもよい。
【0051】プロモーターとして誘導性のものを用いた
発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、
必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。
例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質
転換した微生物を培養するときにはイソプロピル-1-チ
オ-β-D-ガラクトシド(IPTG)等を、trpプロモーターを
用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養すると
きにはインドール酢酸(IAA)等を培地に添加してもよ
い。培養条件は特に限定されないが、好ましくは形質転
換に用いる宿主生物に適した条件下で行われる。
【0052】培養後、フルクタン:フルクタン フルク
トシルトランスフェラーゼが菌体内又は細胞内に生産さ
れる場合には菌体又は細胞を破砕する。一方、目的のタ
ンパク質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培
養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は
細胞を除去し、上清を得る。得られた液中に、フルクタ
ン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼが含
まれる。本発明では、形質転換を行う代わりに、第2の
方法として、無細胞翻訳系を使用してフルクタン:フル
クタン フルクトシルトランスフェラーゼを生産するこ
ともできる。
【0053】「無細胞翻訳系」とは、宿主生物の細胞の
構造を機械的に破壊して得た懸濁液に、翻訳に必要なア
ミノ酸などの試薬を加え、試験管中などのin vitro転写
翻訳系またはin vitro翻訳系を構成したものである。無
細胞翻訳系としては、有利に使用可能なキットが市販さ
れている。
【0054】生産されたフルクタン:フルクタン フル
クトシルトランスフェラーゼは、タンパク質の単離精製
に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモ
ニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロ
マトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等
を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、上記
培養物中(細胞破砕液、培養液、又はそれらの上清中)
あるいは無細胞翻訳系の溶液中から単離精製することが
できる。しかしながら、場合により、例えば培養上清を
限外濾過型フィルターで濃縮しただけの濃縮液等の粗酵
素液を、次の生成フルクタンの製造に用いることもあり
得る。
【0055】b.生成フルクタンの製造 以上のようにして得られたフルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼを、次に基質とするフル
クタン(例えば1-ケストース)と反応させて、フルクタ
ンを合成させる。この酵素活性においては通常は20℃〜
30℃が適温であるが、本発明のフルクタン:フルクタン
フルクトシルトランスフェラーゼは、0〜50℃で活性
を有し、特に、0℃〜10℃の低温条件下で50%以上の活
性を有する低温耐性を示す。したがって、本発明のフル
クタン合成反応は、0℃〜50℃、好ましくは0〜30℃の、
低温条件を含む温度範囲で実施することができ、特に0
℃〜10℃の温度範囲でも実施することができる。反応時
間は、通常は1〜24時間、好ましくは8時間である。反応
物からは、クロマト分離工程を用いて、3糖以上のフル
クタン、例えば生成フルクタンを精製することができ
る。分離剤としてはカチオンイオン交換樹脂を用いるこ
とで、フルクタン分画を得ることができる。具体的には
公知の特開2000-232878号公報に開示された
方法が好適に利用できる。
【0056】本発明の生成フルクタンはまた、常法のタ
ンパク質及びペプチド抽出・精製手順に従って、上記5
に記載のようなトランスジェニック植物体から直接抽出
及び/又は精製して取得することも可能である。本発明
の生成フルクタンを製造する際には、その後の使用目的
に応じて基質として添加したフルクタンを共に含む形で
生成フルクタンを取得してもよいし、必要であれば生成
フルクタンのみを分離するように精製して取得すること
もできる。
【0057】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に
限定されるものではない。 〔実施例1〕フルクタン:フルクタン フルクトシルト
ランスフェラーゼ遺伝子の単離低温条件下のコムギに由来するcDNAライブラリーの作製 9月下旬にバットに播種し、札幌市の自然条件下で11
月22日まで生育させることによりハードニングさせた
耐雪性秋播小麦(Triticum astivum L.)の系統PI17343
8 のクラウン部分より、常法に従って全RNAを抽出した
(例えば、Sambrookら, 1989,「Molecular Cloning: A
Laboratory Manual」第2版, Cold Spring Harbor Labo
ratory Press, Cold Spring Harbor, NY, USAを参照さ
れたい)。この全RNAより、mRNAをOligotexTM-dT30 <Su
per>(TAKARA社製)を用いて単離した。得られたmRNA 5μ
gを鋳型として用いて、cDNA合成キット(STRATAGENE社
製)を利用してRT-PCRを行い、cDNAを合成した。具体的
方法は、cDNA合成キット添付のマニュアルにしたがっ
た。上記のようにして得られたcDNAの両末端に、アダプ
ターを接続後、λZAP Expression vector (STRATAGENE
社製) に組み込み、約6×106 pfuのcDNA ライブラリー
を作製した。
【0058】フルクタン:フルクタン フルクトシルト
ランスフェラーゼをコードするcDNAの単離 上記により得られたcDNA ライブラリーのうち、およそ
10万プラークを、ナイロンフィルター上に標準法によ
りブロットしたものを2セット用意した。次いで、既に
本発明者により単離されているコムギ由来スクロース:
スクロース 1-フルクトシルトランスフェラーゼcDNA
に対応するDNA断片を32Pで標識したものをプローブとし
て利用して、上記フィルターと緩やかな条件(低ストリ
ンジェンシー条件)及び厳しい条件(高ストリンジェン
シー条件)下でのプラークハイブリダイゼーションを行
い、既知フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子と低い
相同性を有するcDNAをスクリーニングした。
【0059】該スクリーニングではまず、緩やかな条件
でのハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼ
ーション反応は、上記フィルターのうち1セットを利用
して、コムギ由来スクロース:スクロース 1-フルクト
シルトランスフェラーゼcDNA(配列番号5)の32P標識D
NA断片をプローブとして加え、50%ホルムアミド、5×S
SPE液、5×デンハルト液、0.5%SDS、0.2mg/mlのサケ精
子DNAを加えた条件下で、27℃にて16時間行った。その
後、該フィルターに対して、4×SSC、0.1%SDSを用いる
50℃条件下で10分間の洗浄を2度、ついで2×SSC液、0.
1%SDSを用いる50℃条件下で10分間の洗浄を2度行っ
た。続いて、もう一方の用意したフィルターセットにつ
いて、厳しい条件でのハイブリダイゼーションを行っ
た。ハイブリダイゼーション反応は、上記フィルターに
ついて、コムギ由来スクロース:スクロース 1-フルク
トシルトランスフェラーゼcDNA(配列番号5)の32P標
識DNA断片をプローブとして加え、50%ホルムアミド、5
×SSPE液、5×デンハルト液、0.5%SDS、0.2mg/mlのサ
ケ精子DNAを加えた条件下で、42℃にて16時間行った。
その後、該フィルターに対して、2×SSC、0.1%SDSを用
いる50℃条件下で10分間の洗浄を2度、ついで0.1×SSC
液、0.1%SDSを用いる65℃条件下で10分間の洗浄を2度
行った。両条件でそれぞれハイブリダイゼーション・洗
浄作業を行ったフィルターをX線フィルムに曝露し、32
P標識プローブとの結合により陽性クローンが示された
オートラジオグラフを取得した。次に、緩やかな条件及
び厳しい条件のそれぞれにおいて得られたオートラジオ
グラフを比較して、新規のフルクトシルトランスフェラ
ーゼをコードする候補cDNAクローンをスクリーニングし
た。厳しい条件下で陽性反応を示したクローンは、明ら
かにスクロース:スクロース1-フルクトシルトランスフ
ェラーゼをコードするcDNAクローンであるため、上記候
補からは除外した。そして、緩やかな条件でのみ陽性を
示したクローン、すなわちプローブであるスクロース:
スクロース 1-フルクトシルトランスフェラーゼcDNAの
DNA断片と結合し得るが、該cDNAプローブとの塩基配列
相同性が相対的に低いクローンのみを分離した。得られ
た約70個の陽性クローンについて、Thermo SequenaseII
Dyeterminator Cycle sequencing キット(Amersham P
harmaciaBiotech 社製)を用いて、ABI社製DNAシーケン
サーによりそれぞれのcDNA挿入断片の塩基配列を決定し
た。その結果、配列番号1に示される塩基配列(1944塩
基)を有するcDNAのクローン、及び配列番号3に示され
る塩基配列(1932塩基)を有するcDNAのクローンが、上
記で得られた候補cDNAクローン中に存在することが見出
された。
【0060】配列解析により、配列番号1に示される塩
基配列を有するcDNAは、648アミノ酸からなるタンパク
質をコードすることが推定された。このタンパク質のア
ミノ酸配列(配列番号2)は、プローブに用いたコムギ
由来のスクロース:スクロース 1-フルクトシルトラン
スフェラーゼ遺伝子の推定上のアミノ酸配列との間で7
9%のアミノ酸配列相同性を有していた。したがって、
配列番号1に示される塩基配列を有するcDNAは、コムギ
由来の1つのフルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子の
全長を含むものと考えられた。同様に、配列番号3に示
される塩基配列を有するcDNAは、644アミノ酸からなる
タンパク質をコードすることが推定された。このタンパ
ク質のアミノ酸配列(配列番号4)は、プローブに用い
たコムギ由来のスクロース:スクロース 1-フルクトシ
ルトランスフェラーゼ遺伝子の推定上のアミノ酸配列と
の間で81%のアミノ酸配列相同性を有していた。した
がって、配列番号3に示される塩基配列を有するcDNA
は、コムギ由来の1つのフルクトシルトランスフェラー
ゼ遺伝子の全長を含むものと考えられた。またこれらの
遺伝子間では、アミノ酸配列の相同性が94%であるこ
とが示された。このようにして、この配列番号1及び3
のcDNAに対応する遺伝子が、コムギ由来の新規のフルク
トシルトランスフェラーゼ遺伝子として同定された。続
いて、この両遺伝子は、以下の実施例に基づき、フルク
タン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼを
コードする遺伝子であることが確認された。
【0061】〔実施例2〕酵母による組換えタンパク発
現系を利用した、遺伝子産物のフルクタン:フルクタン
フルクトシルトランスフェラーゼ活性の確認酵母形質転換体の作製 実施例1で示した2種類のcDNAクローンの成熟型タンパ
ク質と予想される領域を、それぞれ酵母用発現ベクター
pPICZαB(Invitrogen社製、EasySelect Pichia Expre
ssion Kit)のマルチクローニングサイトに組み込み、
組換え発現ベクターを作製した。このようにして作製し
た2種類の組換え発現ベクターを、それぞれ、エレクト
ロポレーション法により酵母(Pichia pastoris)中に
導入した。
【0062】この発現ベクターpPICZαBは、AOX1プロ
モーター配列、及びαファクターと呼ばれる分泌因子配
列を含んでいる。AOX1プロモーター配列は、酵母用液体
培地中のメタノールに特異的に反応して当該ベクターに
クローニングされた遺伝子の発現を誘導する働きをする
配列であり、分泌因子配列は、クローニングされた遺伝
子と融合して発現されることによって、酵母内で産生さ
れたそのような組換えタンパク質が酵母外つまり培地中
に分泌されるようにする働きをする配列である。ここ
で、形質転換を行った酵母(Pichia pastoris)は、メタ
ノールを炭素源として利用できる酵母であるため、上記
組換え発現ベクターで形質転換した酵母をエタノールを
炭素源とした培地で液体培養すれば、酵母内で組換え発
現ベクター中の遺伝子が発現され、さらに組換えタンパ
ク質が酵母から培地中に分泌されることになる。
【0063】酵母形質転換体における導入遺伝子の発現
及び遺伝子産物のフルクタン合成能の確認 上記の2種類の組換え発現ベクターにより形質転換した
酵母を、メタノールを炭素源とした液体培地中で29℃に
て4日間培養した。使用した培地の組成は、1%Yeast Ex
tract,2 % Peptone,1.34% YNB(yeast Nitrogen base ),
0.5% メタノール,100mM リン酸カリウムバッファー pH
6.0であった。
【0064】次いで、培地中に分泌された遺伝子産物に
ついて、フルクタン合成能を確認した。培養物を4℃に
て8000rpm、20分遠心分離することにより培養上清を分
離し、これを限外濾過型フィルターにより約20倍に濃
縮した。この濃縮液を粗酵素液として、100mM 1-ケスト
ースまたは100mM スクロースを含む20mM クエン酸リン
酸緩衝液(pH 5.0)と本粗酵素液を等量混合して0℃、
8時間反応させた。
【0065】次いで反応産物10μlをHPLC分析にかけ
た。 HPLC分析条件 検出器:RI検出器 分離カラム:Shodex sugar KS-802 とKS-803の連結 分離溶液:蒸留水 流速: 毎分0.8ml 分離温度:50℃
【0066】以上のHPLC分析において、酵母によりそれ
ぞれ生産された上記2種類の組み換えタンパク質は、1-
ケストース(3糖)を基質として添加した場合にどちら
もニストース(4糖)並びに5及び6糖フルクタンを生
産することが確認された。また、スクロースのみを基質
として添加した場合には、どちらのタンパク質の反応液
にも3糖以上のフルクタンは検出されなかった。すなわ
ち、両タンパク質はフルクタンを基質としてフルクトシ
ル基を転移するフルクタン:フルクタン フルクトシル
トランスフェラーゼ活性を有することが示された。さら
に、これらの遺伝子産物が0℃という低温でも上記活性
を有していたことから、上記2種類の酵素は低温耐性で
あることが確認された。
【0067】以上の分析に基づき、配列番号1又は3に
示される塩基配列からなるDNAはどちらも、低温耐性フ
ルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラー
ゼをコードすることが確認された。また、この酵母形質
転換体を用いた実験において、添加する基質として1-ケ
ストースの代わりに重合度5〜10のフルクタンを用い
て同様に生成フルクタンを生産させた結果、最大で重合
度20〜23の生成フルクタンが含まれることが確認さ
れた。
【0068】
【発明の効果】本発明により、低温耐性フルクタン:フ
ルクタン フルクトシルトランスフェラーゼをコードす
る遺伝子が提供される。この遺伝子から産生されるフル
クタン:フルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ
は、低温条件下でのフルクタン製造に有利に使用でき
る。また、この遺伝子を植物に導入し、フルクタンを植
物体内で産生させることにより、植物にストレス耐性を
付与することができる。
【0069】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> National Agricultural Research Center for Hokkaido Region <120> Low Temperature Expression Gene Encoding Fructan:Fructan Fructosyl transferase <130> P02-0054 <140> <141> <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1947 <212> DNA <213> Triticum aestivum <220> <221> CDS <222> (1)..(1947) <400> 1 atg gag tcg tca cgc ggc atc ctc atc ccc ggc acg ccg ccg ctg ccc 48 Met Glu Ser Ser Arg Gly Ile Leu Ile Pro Gly Thr Pro Pro Leu Pro 1 5 10 15 tac gcg tac gag ccg ctg ccc tcc tcc tcc gcc gac gcc aac ggc cag 96 Tyr Ala Tyr Glu Pro Leu Pro Ser Ser Ser Ala Asp Ala Asn Gly Gln 20 25 30 gag gac cgg cgg atc acc ggc ggc gtg agg tgg cgc gcg tgg gcc gcc 144 Glu Asp Arg Arg Ile Thr Gly Gly Val Arg Trp Arg Ala Trp Ala Ala 35 40 45 gtg ctg gcc gtg ggg gcg ctc gtc gtc gcc gcc gcg gtc ttt ggg gcc 192 Val Leu Ala Val Gly Ala Leu Val Val Ala Ala Ala Val Phe Gly Ala 50 55 60 agc agg gtc gac cgg gac gcg gtg gcc tcc tcc gta ccg gct aca gcg 240 Ser Arg Val Asp Arg Asp Ala Val Ala Ser Ser Val Pro Ala Thr Ala 65 70 75 80 gaa cat ggc gtg ctg gag aag gcg tcc ggg cca tac tcc gcc agc ggc 288 Glu His Gly Val Leu Glu Lys Ala Ser Gly Pro Tyr Ser Ala Ser Gly 85 90 95 ggc ttc ccg tgg agc aac gcc atg ctg cag tgg cag cgc acc ggc tac 336 Gly Phe Pro Trp Ser Asn Ala Met Leu Gln Trp Gln Arg Thr Gly Tyr 100 105 110 cat ttc cag ccg gag aag aac tac cag aac gat ccc aac ggt ccg gtg 384 His Phe Gln Pro Glu Lys Asn Tyr Gln Asn Asp Pro Asn Gly Pro Val 115 120 125 tac tac aaa gga tgg tac cac ttc ttc tac cag cac aat ccg ggg ggc 432 Tyr Tyr Lys Gly Trp Tyr His Phe Phe Tyr Gln His Asn Pro Gly Gly 130 135 140 acc ggg tgg ggc aac atc tca tgg ggc cat gcc gtg tcg cgg gac atg 480 Thr Gly Trp Gly Asn Ile Ser Trp Gly His Ala Val Ser Arg Asp Met 145 150 155 160 gtc cac tgg cgt cac cta ccg ctc gcc atg gtg ccc gag cac tgg tac 528 Val His Trp Arg His Leu Pro Leu Ala Met Val Pro Glu His Trp Tyr 165 170 175 gac atc gag ggt gtc ctc acc gga tcc atc acc gtg ctc ccc gat agc 576 Asp Ile Glu Gly Val Leu Thr Gly Ser Ile Thr Val Leu Pro Asp Ser 180 185 190 agg gtc atc ctg ctc tac aca ggg aac acc gag acg ttc gcg cag gtg 624 Arg Val Ile Leu Leu Tyr Thr Gly Asn Thr Glu Thr Phe Ala Gln Val 195 200 205 acc tgc ctc gcg gag gcc gcc gac cca agc gac ccc ctc ctc cgc gag 672 Thr Cys Leu Ala Glu Ala Ala Asp Pro Ser Asp Pro Leu Leu Arg Glu 210 215 220 tgg gtc aag cac ccc gcc aac ccc gtc gtg tac ccg ccc cct ggc atc 720 Trp Val Lys His Pro Ala Asn Pro Val Val Tyr Pro Pro Pro Gly Ile 225 230 235 240 ggc atg aag gac tac cgc gac ccc acc acg gcg tgg ttc gac aac tcc 768 Gly Met Lys Asp Tyr Arg Asp Pro Thr Thr Ala Trp Phe Asp Asn Ser 245 250 255 gac aac acg tgg cgc atc atc att ggc tcc aag aat gat acc gac cac 816 Asp Asn Thr Trp Arg Ile Ile Ile Gly Ser Lys Asn Asp Thr Asp His 260 265 270 tcc ggc att gta ttc acg tac aag acc aag gac ttc gtc agc tac gag 864 Ser Gly Ile Val Phe Thr Tyr Lys Thr Lys Asp Phe Val Ser Tyr Glu 275 280 285 atg ata ccg ggg tac ctg tac cgc ggc ccc gcc ggc acc ggc atg tac 912 Met Ile Pro Gly Tyr Leu Tyr Arg Gly Pro Ala Gly Thr Gly Met Tyr 290 295 300 gag tgc atc gac ctg tac gcc gtt ggc ggt ggc cgc aag gcc agc gac 960 Glu Cys Ile Asp Leu Tyr Ala Val Gly Gly Gly Arg Lys Ala Ser Asp 305 310 315 320 atg tac aac tcg acc gcc aag gat gtg ttg tac gtg ctc aag gag agc 1008 Met Tyr Asn Ser Thr Ala Lys Asp Val Leu Tyr Val Leu Lys Glu Ser 325 330 335 agc gac gat gac cgg cgc gac tat tac gcg ctc ggg agg ttc gac gca 1056 Ser Asp Asp Asp Arg Arg Asp Tyr Tyr Ala Leu Gly Arg Phe Asp Ala 340 345 350 gcg gcc aac aca tgg acg ccg atc gac acc gag cag gaa ctc ggc gtc 1104 Ala Ala Asn Thr Trp Thr Pro Ile Asp Thr Glu Gln Glu Leu Gly Val 355 360 365 gcg ctg cgg tac gac tat ggc agg tac gac gcg tcc aag tcc ttc tac 1152 Ala Leu Arg Tyr Asp Tyr Gly Arg Tyr Asp Ala Ser Lys Ser Phe Tyr 370 375 380 gac ccc gtg aag cag cgg cgg atc gtc tgg ggg tac gtt gtc gag acc 1200 Asp Pro Val Lys Gln Arg Arg Ile Val Trp Gly Tyr Val Val Glu Thr 385 390 395 400 gac tcc tgg agc gcc gac gcc gcc aag ggg tgg gcc aac ctc cag tcg 1248 Asp Ser Trp Ser Ala Asp Ala Ala Lys Gly Trp Ala Asn Leu Gln Ser 405 410 415 att ccg aga acg gtg gag ctt gac gag aag acc cgg acg aac ctc atc 1296 Ile Pro Arg Thr Val Glu Leu Asp Glu Lys Thr Arg Thr Asn Leu Ile 420 425 430 caa tgg ccg gtg gag gag ctc gat acc ctc cgc atc aac acc acc gat 1344 Gln Trp Pro Val Glu Glu Leu Asp Thr Leu Arg Ile Asn Thr Thr Asp 435 440 445 ttc agc ggt atc act gtc ggt gcc gga tcc gtc gtc tcc ctc ccc ctc 1392 Phe Ser Gly Ile Thr Val Gly Ala Gly Ser Val Val Ser Leu Pro Leu 450 455 460 cac cag acc tcc caa ctc gac atc gag gca tcc ttc cgc atc aac gcc 1440 His Gln Thr Ser Gln Leu Asp Ile Glu Ala Ser Phe Arg Ile Asn Ala 465 470 475 480 tcc gcc att gag gcc ctc aat gag gtt gac gtc ggc tac aac tgc acc 1488 Ser Ala Ile Glu Ala Leu Asn Glu Val Asp Val Gly Tyr Asn Cys Thr 485 490 495 ctg acc agc ggc gcc gcc acc cgc ggc gcg ctc ggc ccc ttc ggc att 1536 Leu Thr Ser Gly Ala Ala Thr Arg Gly Ala Leu Gly Pro Phe Gly Ile 500 505 510 ctt gtc ctc gcc aat gtc gcc ctg aca gaa cgg acg gcg gtg tac ttt 1584 Leu Val Leu Ala Asn Val Ala Leu Thr Glu Arg Thr Ala Val Tyr Phe 515 520 525 tat gtg tcc aag gga ctg gat ggt ggt ctt cgg acg cac ttc tgc cac 1632 Tyr Val Ser Lys Gly Leu Asp Gly Gly Leu Arg Thr His Phe Cys His 530 535 540 gat gag ttg cgg tcg aca cat gct acc gat gtg gcg aag gag gta gtt 1680 Asp Glu Leu Arg Ser Thr His Ala Thr Asp Val Ala Lys Glu Val Val 545 550 555 560 ggt agc acg gta ccg gtg ctc gac ggc gag gat ttt tcc gtt agg gtg 1728 Gly Ser Thr Val Pro Val Leu Asp Gly Glu Asp Phe Ser Val Arg Val 565 570 575 ctc gtg gac cac tcc atc gtg cag agc ttc gtg atg ggc ggg agg atg 1776 Leu Val Asp His Ser Ile Val Gln Ser Phe Val Met Gly Gly Arg Met 580 585 590 acg gcg aca tca agg gcc tac ccg acg gag gcc att tac gcg gcg gcg 1824 Thr Ala Thr Ser Arg Ala Tyr Pro Thr Glu Ala Ile Tyr Ala Ala Ala 595 600 605 ggg gtc tac ctg ttc aac aat gcc acc ggc gcc agc atc acc gct gag 1872 Gly Val Tyr Leu Phe Asn Asn Ala Thr Gly Ala Ser Ile Thr Ala Glu 610 615 620 aag ctc gtc gtg cac gac atg gat tcg tcg tac aac cgg ata ttc aca 1920 Lys Leu Val Val His Asp Met Asp Ser Ser Tyr Asn Arg Ile Phe Thr 625 630 635 640 gac gaa gac ttg tta gtc ctt gat tag 1947 Asp Glu Asp Leu Leu Val Leu Asp 645 <210> 2 <211> 648 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 2 Met Glu Ser Ser Arg Gly Ile Leu Ile Pro Gly Thr Pro Pro Leu Pro 1 5 10 15 Tyr Ala Tyr Glu Pro Leu Pro Ser Ser Ser Ala Asp Ala Asn Gly Gln 20 25 30 Glu Asp Arg Arg Ile Thr Gly Gly Val Arg Trp Arg Ala Trp Ala Ala 35 40 45 Val Leu Ala Val Gly Ala Leu Val Val Ala Ala Ala Val Phe Gly Ala 50 55 60 Ser Arg Val Asp Arg Asp Ala Val Ala Ser Ser Val Pro Ala Thr Ala 65 70 75 80 Glu His Gly Val Leu Glu Lys Ala Ser Gly Pro Tyr Ser Ala Ser Gly 85 90 95 Gly Phe Pro Trp Ser Asn Ala Met Leu Gln Trp Gln Arg Thr Gly Tyr 100 105 110 His Phe Gln Pro Glu Lys Asn Tyr Gln Asn Asp Pro Asn Gly Pro Val 115 120 125 Tyr Tyr Lys Gly Trp Tyr His Phe Phe Tyr Gln His Asn Pro Gly Gly 130 135 140 Thr Gly Trp Gly Asn Ile Ser Trp Gly His Ala Val Ser Arg Asp Met 145 150 155 160 Val His Trp Arg His Leu Pro Leu Ala Met Val Pro Glu His Trp Tyr 165 170 175 Asp Ile Glu Gly Val Leu Thr Gly Ser Ile Thr Val Leu Pro Asp Ser 180 185 190 Arg Val Ile Leu Leu Tyr Thr Gly Asn Thr Glu Thr Phe Ala Gln Val 195 200 205 Thr Cys Leu Ala Glu Ala Ala Asp Pro Ser Asp Pro Leu Leu Arg Glu 210 215 220 Trp Val Lys His Pro Ala Asn Pro Val Val Tyr Pro Pro Pro Gly Ile 225 230 235 240 Gly Met Lys Asp Tyr Arg Asp Pro Thr Thr Ala Trp Phe Asp Asn Ser 245 250 255 Asp Asn Thr Trp Arg Ile Ile Ile Gly Ser Lys Asn Asp Thr Asp His 260 265 270 Ser Gly Ile Val Phe Thr Tyr Lys Thr Lys Asp Phe Val Ser Tyr Glu 275 280 285 Met Ile Pro Gly Tyr Leu Tyr Arg Gly Pro Ala Gly Thr Gly Met Tyr 290 295 300 Glu Cys Ile Asp Leu Tyr Ala Val Gly Gly Gly Arg Lys Ala Ser Asp 305 310 315 320 Met Tyr Asn Ser Thr Ala Lys Asp Val Leu Tyr Val Leu Lys Glu Ser 325 330 335 Ser Asp Asp Asp Arg Arg Asp Tyr Tyr Ala Leu Gly Arg Phe Asp Ala 340 345 350 Ala Ala Asn Thr Trp Thr Pro Ile Asp Thr Glu Gln Glu Leu Gly Val 355 360 365 Ala Leu Arg Tyr Asp Tyr Gly Arg Tyr Asp Ala Ser Lys Ser Phe Tyr 370 375 380 Asp Pro Val Lys Gln Arg Arg Ile Val Trp Gly Tyr Val Val Glu Thr 385 390 395 400 Asp Ser Trp Ser Ala Asp Ala Ala Lys Gly Trp Ala Asn Leu Gln Ser 405 410 415 Ile Pro Arg Thr Val Glu Leu Asp Glu Lys Thr Arg Thr Asn Leu Ile 420 425 430 Gln Trp Pro Val Glu Glu Leu Asp Thr Leu Arg Ile Asn Thr Thr Asp 435 440 445 Phe Ser Gly Ile Thr Val Gly Ala Gly Ser Val Val Ser Leu Pro Leu 450 455 460 His Gln Thr Ser Gln Leu Asp Ile Glu Ala Ser Phe Arg Ile Asn Ala 465 470 475 480 Ser Ala Ile Glu Ala Leu Asn Glu Val Asp Val Gly Tyr Asn Cys Thr 485 490 495 Leu Thr Ser Gly Ala Ala Thr Arg Gly Ala Leu Gly Pro Phe Gly Ile 500 505 510 Leu Val Leu Ala Asn Val Ala Leu Thr Glu Arg Thr Ala Val Tyr Phe 515 520 525 Tyr Val Ser Lys Gly Leu Asp Gly Gly Leu Arg Thr His Phe Cys His 530 535 540 Asp Glu Leu Arg Ser Thr His Ala Thr Asp Val Ala Lys Glu Val Val 545 550 555 560 Gly Ser Thr Val Pro Val Leu Asp Gly Glu Asp Phe Ser Val Arg Val 565 570 575 Leu Val Asp His Ser Ile Val Gln Ser Phe Val Met Gly Gly Arg Met 580 585 590 Thr Ala Thr Ser Arg Ala Tyr Pro Thr Glu Ala Ile Tyr Ala Ala Ala 595 600 605 Gly Val Tyr Leu Phe Asn Asn Ala Thr Gly Ala Ser Ile Thr Ala Glu 610 615 620 Lys Leu Val Val His Asp Met Asp Ser Ser Tyr Asn Arg Ile Phe Thr 625 630 635 640 Asp Glu Asp Leu Leu Val Leu Asp 645 <210> 3 <211> 1935 <212> DNA <213> Triticum aestivum <220> <221> CDS <222> (1)..(1935) <400> 3 atg gag tcc tca cgc ggc atc ctc atc ccc ggc acg ccg ccg ctg ccc 48 Met Glu Ser Ser Arg Gly Ile Leu Ile Pro Gly Thr Pro Pro Leu Pro 1 5 10 15 tac gcg tac gag ccg ctg ccc tcc tcc tct gcc gac gcc aac ggc cag 96 Tyr Ala Tyr Glu Pro Leu Pro Ser Ser Ser Ala Asp Ala Asn Gly Gln 20 25 30 gag gac cgg cga acc agc ggc ggc gtc agg tgg cgc tcg tgg gcc acc 144 Glu Asp Arg Arg Thr Ser Gly Gly Val Arg Trp Arg Ser Trp Ala Thr 35 40 45 gtg ctg gcc gtg gtg gcg ctc gtc gtc gtc gcc gcg gtc ttt ggg gcc 192 Val Leu Ala Val Val Ala Leu Val Val Val Ala Ala Val Phe Gly Ala 50 55 60 agc agg gtc gac cgg gac gcg gtg gtc tcc tcc gcg tcg gct acg gcg 240 Ser Arg Val Asp Arg Asp Ala Val Val Ser Ser Ala Ser Ala Thr Ala 65 70 75 80 gtc cac ggc gtg tcc ggg gca tat tcc tcc cac ggc ggc ttc ccg tgg 288 Val His Gly Val Ser Gly Ala Tyr Ser Ser His Gly Gly Phe Pro Trp 85 90 95 agc aac gcc atg ctg ggg tgg cag cgc acc ggc tac cat ttc cag ccg 336 Ser Asn Ala Met Leu Gly Trp Gln Arg Thr Gly Tyr His Phe Gln Pro 100 105 110 gag aag aac tac cag aac gat ccc aac ggt ccg gtg tac tac aaa gga 384 Glu Lys Asn Tyr Gln Asn Asp Pro Asn Gly Pro Val Tyr Tyr Lys Gly 115 120 125 tgg tac cac ttc ttc tac cag cac aac ccg ggg ggc acc ggg tgg ggc 432 Trp Tyr His Phe Phe Tyr Gln His Asn Pro Gly Gly Thr Gly Trp Gly 130 135 140 aac atc tca tgg ggc cat gcc gtg tcg cgg gac atg gtc cac tgg cgt 480 Asn Ile Ser Trp Gly His Ala Val Ser Arg Asp Met Val His Trp Arg 145 150 155 160 cac cta ccg ctc gcc atg gtg ccc gag cac tgg tac gac atc gag ggc 528 His Leu Pro Leu Ala Met Val Pro Glu His Trp Tyr Asp Ile Glu Gly 165 170 175 gtc ctc acc gga tcc atc acc gtg ctc ccc gac ggc agg gtc atc ctg 576 Val Leu Thr Gly Ser Ile Thr Val Leu Pro Asp Gly Arg Val Ile Leu 180 185 190 ctc tac acg ggg aac acc gag acg ttt gcg cag gtg acc tgc ctc gcg 624 Leu Tyr Thr Gly Asn Thr Glu Thr Phe Ala Gln Val Thr Cys Leu Ala 195 200 205 gag gcc gcc gac cca agc gac ccc ctc ctc cgt gag tgg gtc aag cac 672 Glu Ala Ala Asp Pro Ser Asp Pro Leu Leu Arg Glu Trp Val Lys His 210 215 220 ccc gcc aac ccc gtc gtg tac ccg ccc cct ggc atc ggc atg aag gac 720 Pro Ala Asn Pro Val Val Tyr Pro Pro Pro Gly Ile Gly Met Lys Asp 225 230 235 240 tac cgt gac cca acc acg gcg tgg ttc gac aac tcc gac aac acg tgg 768 Tyr Arg Asp Pro Thr Thr Ala Trp Phe Asp Asn Ser Asp Asn Thr Trp 245 250 255 cgc atc atc att ggc tcc aag aac gac acg gac cac tcc ggc atc gtc 816 Arg Ile Ile Ile Gly Ser Lys Asn Asp Thr Asp His Ser Gly Ile Val 260 265 270 ttc acg tac aag acc aag gac ttc gtc agc tac gag ttg ata ccg ggg 864 Phe Thr Tyr Lys Thr Lys Asp Phe Val Ser Tyr Glu Leu Ile Pro Gly 275 280 285 tac ttg tac cgc ggg ccc gcc ggc acc ggc atg tac gag tgc atc gac 912 Tyr Leu Tyr Arg Gly Pro Ala Gly Thr Gly Met Tyr Glu Cys Ile Asp 290 295 300 atg ttc gcc gtc ggc ggt ggc cgc aag gcc agc gac atg tac aat tcg 960 Met Phe Ala Val Gly Gly Gly Arg Lys Ala Ser Asp Met Tyr Asn Ser 305 310 315 320 acg gcc aag gac gtg ctg tac gtg ctc aag gag agc agc gac gac gac 1008 Thr Ala Lys Asp Val Leu Tyr Val Leu Lys Glu Ser Ser Asp Asp Asp 325 330 335 cgg cgc gac tat tac gcg ctc ggg agg ttc gac gcg gcg gcc aac aca 1056 Arg Arg Asp Tyr Tyr Ala Leu Gly Arg Phe Asp Ala Ala Ala Asn Thr 340 345 350 tgg acg ccg atc gac acc gag cgg gaa ctc ggc gtc gcg ctg cgg tac 1104 Trp Thr Pro Ile Asp Thr Glu Arg Glu Leu Gly Val Ala Leu Arg Tyr 355 360 365 gac tat ggc agg tac gac gcg tcc aag tcc ttc tac gac ccc gtg aag 1152 Asp Tyr Gly Arg Tyr Asp Ala Ser Lys Ser Phe Tyr Asp Pro Val Lys 370 375 380 gag cgg cgg atc gtc tgg ggg tac gtc gtc gag acc gac tcc tgg agt 1200 Glu Arg Arg Ile Val Trp Gly Tyr Val Val Glu Thr Asp Ser Trp Ser 385 390 395 400 gcc gat gcg gcc aag ggg tgg gcc aac ctt cag tcg att ccg aga acg 1248 Ala Asp Ala Ala Lys Gly Trp Ala Asn Leu Gln Ser Ile Pro Arg Thr 405 410 415 gtg gag ctt gac gag aag acc cgg aca aac ctc atc caa tgg ccg gtg 1296 Val Glu Leu Asp Glu Lys Thr Arg Thr Asn Leu Ile Gln Trp Pro Val 420 425 430 gag gag ctc gat acc ctc cgc atc aac acc acc gat ctc agc ggt atc 1344 Glu Glu Leu Asp Thr Leu Arg Ile Asn Thr Thr Asp Leu Ser Gly Ile 435 440 445 act gtc ggt gcc gga tcc gtc gtc tcc ctc ccc ctc cac cag acc tcc 1392 Thr Val Gly Ala Gly Ser Val Val Ser Leu Pro Leu His Gln Thr Ser 450 455 460 caa ctc gac atc gag gca tcc ttc cgc atc aac gcc tcc gtc atc gag 1440 Gln Leu Asp Ile Glu Ala Ser Phe Arg Ile Asn Ala Ser Val Ile Glu 465 470 475 480 gcc ctc aat gag gtc gac gtc agc tac aac tgc acc atg acc agc ggc 1488 Ala Leu Asn Glu Val Asp Val Ser Tyr Asn Cys Thr Met Thr Ser Gly 485 490 495 gcc gcc acc cgc ggc gcg ctc ggc ccc ttc ggc att ctc gtc ctc gcc 1536 Ala Ala Thr Arg Gly Ala Leu Gly Pro Phe Gly Ile Leu Val Leu Ala 500 505 510 aac gcc gcc ctg ata gaa cag acg gcg gtg tac ttt tat gtg tcc aag 1584 Asn Ala Ala Leu Ile Glu Gln Thr Ala Val Tyr Phe Tyr Val Ser Lys 515 520 525 ggc ctc gac ggc gtt ctt cga acg cac ttc tgc cac gat gag ttg cgg 1632 Gly Leu Asp Gly Val Leu Arg Thr His Phe Cys His Asp Glu Leu Arg 530 535 540 tcg acg cat gcc act gat gtg gcg aag gag gtg gtg ggt agc acg gtg 1680 Ser Thr His Ala Thr Asp Val Ala Lys Glu Val Val Gly Ser Thr Val 545 550 555 560 ccg gtg ctc gac ggc gag gat ttt tcc gtt agg gtg ctc gtg gac cac 1728 Pro Val Leu Asp Gly Glu Asp Phe Ser Val Arg Val Leu Val Asp His 565 570 575 tcc atc gtg cag agc ttc gtc atg ggc ggg agg atg acg gcg acg tcg 1776 Ser Ile Val Gln Ser Phe Val Met Gly Gly Arg Met Thr Ala Thr Ser 580 585 590 agg gcg tac ccg acg gag gcc att tac gcg gcg gcg ggg gtc tac ctg 1824 Arg Ala Tyr Pro Thr Glu Ala Ile Tyr Ala Ala Ala Gly Val Tyr Leu 595 600 605 ttc aac aat gcc acc agc gcc acc atc acc gct gag aag ctc att gtg 1872 Phe Asn Asn Ala Thr Ser Ala Thr Ile Thr Ala Glu Lys Leu Ile Val 610 615 620 cac gac atg gat tcg tcg tac aac cgg ata ttc acg gac gcc gac ttg 1920 His Asp Met Asp Ser Ser Tyr Asn Arg Ile Phe Thr Asp Ala Asp Leu 625 630 635 640 gta gtc ctc gat tag 1935 Val Val Leu Asp 645 <210> 4 <211> 644 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 4 Met Glu Ser Ser Arg Gly Ile Leu Ile Pro Gly Thr Pro Pro Leu Pro 1 5 10 15 Tyr Ala Tyr Glu Pro Leu Pro Ser Ser Ser Ala Asp Ala Asn Gly Gln 20 25 30 Glu Asp Arg Arg Thr Ser Gly Gly Val Arg Trp Arg Ser Trp Ala Thr 35 40 45 Val Leu Ala Val Val Ala Leu Val Val Val Ala Ala Val Phe Gly Ala 50 55 60 Ser Arg Val Asp Arg Asp Ala Val Val Ser Ser Ala Ser Ala Thr Ala 65 70 75 80 Val His Gly Val Ser Gly Ala Tyr Ser Ser His Gly Gly Phe Pro Trp 85 90 95 Ser Asn Ala Met Leu Gly Trp Gln Arg Thr Gly Tyr His Phe Gln Pro 100 105 110 Glu Lys Asn Tyr Gln Asn Asp Pro Asn Gly Pro Val Tyr Tyr Lys Gly 115 120 125 Trp Tyr His Phe Phe Tyr Gln His Asn Pro Gly Gly Thr Gly Trp Gly 130 135 140 Asn Ile Ser Trp Gly His Ala Val Ser Arg Asp Met Val His Trp Arg 145 150 155 160 His Leu Pro Leu Ala Met Val Pro Glu His Trp Tyr Asp Ile Glu Gly 165 170 175 Val Leu Thr Gly Ser Ile Thr Val Leu Pro Asp Gly Arg Val Ile Leu 180 185 190 Leu Tyr Thr Gly Asn Thr Glu Thr Phe Ala Gln Val Thr Cys Leu Ala 195 200 205 Glu Ala Ala Asp Pro Ser Asp Pro Leu Leu Arg Glu Trp Val Lys His 210 215 220 Pro Ala Asn Pro Val Val Tyr Pro Pro Pro Gly Ile Gly Met Lys Asp 225 230 235 240 Tyr Arg Asp Pro Thr Thr Ala Trp Phe Asp Asn Ser Asp Asn Thr Trp 245 250 255 Arg Ile Ile Ile Gly Ser Lys Asn Asp Thr Asp His Ser Gly Ile Val 260 265 270 Phe Thr Tyr Lys Thr Lys Asp Phe Val Ser Tyr Glu Leu Ile Pro Gly 275 280 285 Tyr Leu Tyr Arg Gly Pro Ala Gly Thr Gly Met Tyr Glu Cys Ile Asp 290 295 300 Met Phe Ala Val Gly Gly Gly Arg Lys Ala Ser Asp Met Tyr Asn Ser 305 310 315 320 Thr Ala Lys Asp Val Leu Tyr Val Leu Lys Glu Ser Ser Asp Asp Asp 325 330 335 Arg Arg Asp Tyr Tyr Ala Leu Gly Arg Phe Asp Ala Ala Ala Asn Thr 340 345 350 Trp Thr Pro Ile Asp Thr Glu Arg Glu Leu Gly Val Ala Leu Arg Tyr 355 360 365 Asp Tyr Gly Arg Tyr Asp Ala Ser Lys Ser Phe Tyr Asp Pro Val Lys 370 375 380 Glu Arg Arg Ile Val Trp Gly Tyr Val Val Glu Thr Asp Ser Trp Ser 385 390 395 400 Ala Asp Ala Ala Lys Gly Trp Ala Asn Leu Gln Ser Ile Pro Arg Thr 405 410 415 Val Glu Leu Asp Glu Lys Thr Arg Thr Asn Leu Ile Gln Trp Pro Val 420 425 430 Glu Glu Leu Asp Thr Leu Arg Ile Asn Thr Thr Asp Leu Ser Gly Ile 435 440 445 Thr Val Gly Ala Gly Ser Val Val Ser Leu Pro Leu His Gln Thr Ser 450 455 460 Gln Leu Asp Ile Glu Ala Ser Phe Arg Ile Asn Ala Ser Val Ile Glu 465 470 475 480 Ala Leu Asn Glu Val Asp Val Ser Tyr Asn Cys Thr Met Thr Ser Gly 485 490 495 Ala Ala Thr Arg Gly Ala Leu Gly Pro Phe Gly Ile Leu Val Leu Ala 500 505 510 Asn Ala Ala Leu Ile Glu Gln Thr Ala Val Tyr Phe Tyr Val Ser Lys 515 520 525 Gly Leu Asp Gly Val Leu Arg Thr His Phe Cys His Asp Glu Leu Arg 530 535 540 Ser Thr His Ala Thr Asp Val Ala Lys Glu Val Val Gly Ser Thr Val 545 550 555 560 Pro Val Leu Asp Gly Glu Asp Phe Ser Val Arg Val Leu Val Asp His 565 570 575 Ser Ile Val Gln Ser Phe Val Met Gly Gly Arg Met Thr Ala Thr Ser 580 585 590 Arg Ala Tyr Pro Thr Glu Ala Ile Tyr Ala Ala Ala Gly Val Tyr Leu 595 600 605 Phe Asn Asn Ala Thr Ser Ala Thr Ile Thr Ala Glu Lys Leu Ile Val 610 615 620 His Asp Met Asp Ser Ser Tyr Asn Arg Ile Phe Thr Asp Ala Asp Leu 625 630 635 640 Val Val Leu Asp <210> 5 <211> 1989 <212> DNA <213> Triticum aestivum <220> <221> CDS <222> (1)..(1989) <400> 5 atg gat tcg tct cgc gtc ata ctc atc ccc ggc acg ccg ccg ctg ccg 48 Met Asp Ser Ser Arg Val Ile Leu Ile Pro Gly Thr Pro Pro Leu Pro 1 5 10 15 tac gcc tac gag cag ctg ccg tcc tcc tcc gcg gac gcc aag ggc atc 96 Tyr Ala Tyr Glu Gln Leu Pro Ser Ser Ser Ala Asp Ala Lys Gly Ile 20 25 30 gag gag gag cgg gcc ggc ggc ggt ggc ctg agg tgg cgc gcg tgc gcc 144 Glu Glu Glu Arg Ala Gly Gly Gly Gly Leu Arg Trp Arg Ala Cys Ala 35 40 45 gcc gtg ctg gcc gcc tcg gcc gtg gtg gcg ctc gtc gtc gcc gcc gcg 192 Ala Val Leu Ala Ala Ser Ala Val Val Ala Leu Val Val Ala Ala Ala 50 55 60 gtc ttc ggg gcc agc ggg gcg ggc tgg gac gcg gtg gcc gcc tcc gtg 240 Val Phe Gly Ala Ser Gly Ala Gly Trp Asp Ala Val Ala Ala Ser Val 65 70 75 80 ccg gcg acc ccg gcg acg gag ttc ccg agg agc agg ggc aag gag cac 288 Pro Ala Thr Pro Ala Thr Glu Phe Pro Arg Ser Arg Gly Lys Glu His 85 90 95 ggc gtg tcg gag aag acg tcg ggg gcc tac tcc gcc aac gcg ttc ccg 336 Gly Val Ser Glu Lys Thr Ser Gly Ala Tyr Ser Ala Asn Ala Phe Pro 100 105 110 tgg agc aac gcc atg ctg cag tgg cag cgc acc ggc tac cat ttc cag 384 Trp Ser Asn Ala Met Leu Gln Trp Gln Arg Thr Gly Tyr His Phe Gln 115 120 125 ccg gac aag tac tac cag aac gat ccc aac ggt ccg gtt tac tat ggc 432 Pro Asp Lys Tyr Tyr Gln Asn Asp Pro Asn Gly Pro Val Tyr Tyr Gly 130 135 140 gga tgg tac cac ttc ttc tac cag tac aac ccg tcg ggc tcc gtg tgg 480 Gly Trp Tyr His Phe Phe Tyr Gln Tyr Asn Pro Ser Gly Ser Val Trp 145 150 155 160 gag ccc caa atc gtg tgg ggc cac gcc gtg tcc aag gac ctc att cac 528 Glu Pro Gln Ile Val Trp Gly His Ala Val Ser Lys Asp Leu Ile His 165 170 175 tgg cgc cac ctc ccg ccg gcc ttg gtg ccc gac cag tgg tac gac atc 576 Trp Arg His Leu Pro Pro Ala Leu Val Pro Asp Gln Trp Tyr Asp Ile 180 185 190 aag ggc gtc ctc acc ggc tcc atc acc gtg ctc ccc gac ggc aag gtc 624 Lys Gly Val Leu Thr Gly Ser Ile Thr Val Leu Pro Asp Gly Lys Val 195 200 205 atc ctc ctc tac acg ggg aac acc gag acc ttt gcg cag gtg acc tgc 672 Ile Leu Leu Tyr Thr Gly Asn Thr Glu Thr Phe Ala Gln Val Thr Cys 210 215 220 ctc gcg gag ccc gcc gac ccg agc gat ccc ctc ctc cgc gag tgg gtc 720 Leu Ala Glu Pro Ala Asp Pro Ser Asp Pro Leu Leu Arg Glu Trp Val 225 230 235 240 aag cac ccc gcc aac ccc gtc gtg ttc ccg ccc ccc ggc atc ggc atg 768 Lys His Pro Ala Asn Pro Val Val Phe Pro Pro Pro Gly Ile Gly Met 245 250 255 aag gac ttc cgc gac ccc acc acc gcg tgg ttc gac gag tcc gac ggc 816 Lys Asp Phe Arg Asp Pro Thr Thr Ala Trp Phe Asp Glu Ser Asp Gly 260 265 270 acg tgg cgc acc atc atc ggc tcc aag aac gac tcg gac cac tcc ggc 864 Thr Trp Arg Thr Ile Ile Gly Ser Lys Asn Asp Ser Asp His Ser Gly 275 280 285 atc gtc ttc tcc tac aag acc aag gac ttc ctc agc tac gag ctg atg 912 Ile Val Phe Ser Tyr Lys Thr Lys Asp Phe Leu Ser Tyr Glu Leu Met 290 295 300 ccg ggg tac atg tac cgc ggc ccc aag ggc acc ggc gag tac gag tgc 960 Pro Gly Tyr Met Tyr Arg Gly Pro Lys Gly Thr Gly Glu Tyr Glu Cys 305 310 315 320 atc gac ctc tac gcc gtc ggc ggg ggc cgc aag gcc agc gac atg tac 1008 Ile Asp Leu Tyr Ala Val Gly Gly Gly Arg Lys Ala Ser Asp Met Tyr 325 330 335 aac tcg acg gcc gag gac gtg ctg tac gtg ctc aag gag agc agc gac 1056 Asn Ser Thr Ala Glu Asp Val Leu Tyr Val Leu Lys Glu Ser Ser Asp 340 345 350 gac gac cgg cac gac tgg tac tcg ctg ggc cgg ttc gac gcc gcc gcc 1104 Asp Asp Arg His Asp Trp Tyr Ser Leu Gly Arg Phe Asp Ala Ala Ala 355 360 365 aac aag tgg acg ccg atc gac gag gag ctg gag ctc ggc gtc ggg ctg 1152 Asn Lys Trp Thr Pro Ile Asp Glu Glu Leu Glu Leu Gly Val Gly Leu 370 375 380 cgg tac gac tgg ggc aag tac tac gcg tcc aag tcc ttc tac gac ccc 1200 Arg Tyr Asp Trp Gly Lys Tyr Tyr Ala Ser Lys Ser Phe Tyr Asp Pro 385 390 395 400 gtg aag aag cgg cgc gtc gtg tgg gcg tac gtc ggc gag acc gac tcg 1248 Val Lys Lys Arg Arg Val Val Trp Ala Tyr Val Gly Glu Thr Asp Ser 405 410 415 gag cgc gcc gac atc acc aag ggg tgg gcc aac ctc cag tcg att ccg 1296 Glu Arg Ala Asp Ile Thr Lys Gly Trp Ala Asn Leu Gln Ser Ile Pro 420 425 430 agg aca gtg gag ctt gac gag aag acc cgg acg aac ctc gtc caa tgg 1344 Arg Thr Val Glu Leu Asp Glu Lys Thr Arg Thr Asn Leu Val Gln Trp 435 440 445 cct gtg gag gag ctc gat gcc ctc cgc atc aac acc acc gat ctc agc 1392 Pro Val Glu Glu Leu Asp Ala Leu Arg Ile Asn Thr Thr Asp Leu Ser 450 455 460 ggc atc acc gtc ggc gcc ggc tcc gtt gcc ttc ctc ccc ctc cat cag 1440 Gly Ile Thr Val Gly Ala Gly Ser Val Ala Phe Leu Pro Leu His Gln 465 470 475 480 acc gct cag ctc gac atc gag gca acc ttc cgc atc gat gcc tcc gcc 1488 Thr Ala Gln Leu Asp Ile Glu Ala Thr Phe Arg Ile Asp Ala Ser Ala 485 490 495 att gag gcc ctc aac gag gcc gat gtt agc tac aac tgc acc acc agc 1536 Ile Glu Ala Leu Asn Glu Ala Asp Val Ser Tyr Asn Cys Thr Thr Ser 500 505 510 agc ggg gct gcc acc cgc ggc gcg ctt ggc ccc ttc ggc ctc ctt gtc 1584 Ser Gly Ala Ala Thr Arg Gly Ala Leu Gly Pro Phe Gly Leu Leu Val 515 520 525 ctc gcc aac cgc gcc ctg acc gaa cag acg gga gtg tac ttc tat gtg 1632 Leu Ala Asn Arg Ala Leu Thr Glu Gln Thr Gly Val Tyr Phe Tyr Val 530 535 540 tcc aag ggc ctc gac ggt ggt ctt cgg act cac ttc tgc cac gac gag 1680 Ser Lys Gly Leu Asp Gly Gly Leu Arg Thr His Phe Cys His Asp Glu 545 550 555 560 ttg cgc tcg tcg cat gct agt gac gtg gtg aag cgg gtg gtg ggt agc 1728 Leu Arg Ser Ser His Ala Ser Asp Val Val Lys Arg Val Val Gly Ser 565 570 575 acg gtg cca gtg ctc gac ggc gaa gat ttt tcc gtt agg gtg ctc gtg 1776 Thr Val Pro Val Leu Asp Gly Glu Asp Phe Ser Val Arg Val Leu Val 580 585 590 gac cac tcc att gtg cag agc ttc gcg atg ggc ggg agg ttg aca gca 1824 Asp His Ser Ile Val Gln Ser Phe Ala Met Gly Gly Arg Leu Thr Ala 595 600 605 acg tcg agg gcg tac ccg acc gag gcc atc tac gcg gca gcg ggg gtc 1872 Thr Ser Arg Ala Tyr Pro Thr Glu Ala Ile Tyr Ala Ala Ala Gly Val 610 615 620 tac atg ttc aac aac gcc acc ggc act agc gtc acc gcc gag aag ctt 1920 Tyr Met Phe Asn Asn Ala Thr Gly Thr Ser Val Thr Ala Glu Lys Leu 625 630 635 640 gtc gtg cat gat atg gac tcg tcg tac aac cat ata tac aca gat gat 1968 Val Val His Asp Met Asp Ser Ser Tyr Asn His Ile Tyr Thr Asp Asp 645 650 655 gac ttg gta gtc gtc gat tag 1989 Asp Leu Val Val Val Asp 660 <210> 6 <211> 662 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 6 Met Asp Ser Ser Arg Val Ile Leu Ile Pro Gly Thr Pro Pro Leu Pro 1 5 10 15 Tyr Ala Tyr Glu Gln Leu Pro Ser Ser Ser Ala Asp Ala Lys Gly Ile 20 25 30 Glu Glu Glu Arg Ala Gly Gly Gly Gly Leu Arg Trp Arg Ala Cys Ala 35 40 45 Ala Val Leu Ala Ala Ser Ala Val Val Ala Leu Val Val Ala Ala Ala 50 55 60 Val Phe Gly Ala Ser Gly Ala Gly Trp Asp Ala Val Ala Ala Ser Val 65 70 75 80 Pro Ala Thr Pro Ala Thr Glu Phe Pro Arg Ser Arg Gly Lys Glu His 85 90 95 Gly Val Ser Glu Lys Thr Ser Gly Ala Tyr Ser Ala Asn Ala Phe Pro 100 105 110 Trp Ser Asn Ala Met Leu Gln Trp Gln Arg Thr Gly Tyr His Phe Gln 115 120 125 Pro Asp Lys Tyr Tyr Gln Asn Asp Pro Asn Gly Pro Val Tyr Tyr Gly 130 135 140 Gly Trp Tyr His Phe Phe Tyr Gln Tyr Asn Pro Ser Gly Ser Val Trp 145 150 155 160 Glu Pro Gln Ile Val Trp Gly His Ala Val Ser Lys Asp Leu Ile His 165 170 175 Trp Arg His Leu Pro Pro Ala Leu Val Pro Asp Gln Trp Tyr Asp Ile 180 185 190 Lys Gly Val Leu Thr Gly Ser Ile Thr Val Leu Pro Asp Gly Lys Val 195 200 205 Ile Leu Leu Tyr Thr Gly Asn Thr Glu Thr Phe Ala Gln Val Thr Cys 210 215 220 Leu Ala Glu Pro Ala Asp Pro Ser Asp Pro Leu Leu Arg Glu Trp Val 225 230 235 240 Lys His Pro Ala Asn Pro Val Val Phe Pro Pro Pro Gly Ile Gly Met 245 250 255 Lys Asp Phe Arg Asp Pro Thr Thr Ala Trp Phe Asp Glu Ser Asp Gly 260 265 270 Thr Trp Arg Thr Ile Ile Gly Ser Lys Asn Asp Ser Asp His Ser Gly 275 280 285 Ile Val Phe Ser Tyr Lys Thr Lys Asp Phe Leu Ser Tyr Glu Leu Met 290 295 300 Pro Gly Tyr Met Tyr Arg Gly Pro Lys Gly Thr Gly Glu Tyr Glu Cys 305 310 315 320 Ile Asp Leu Tyr Ala Val Gly Gly Gly Arg Lys Ala Ser Asp Met Tyr 325 330 335 Asn Ser Thr Ala Glu Asp Val Leu Tyr Val Leu Lys Glu Ser Ser Asp 340 345 350 Asp Asp Arg His Asp Trp Tyr Ser Leu Gly Arg Phe Asp Ala Ala Ala 355 360 365 Asn Lys Trp Thr Pro Ile Asp Glu Glu Leu Glu Leu Gly Val Gly Leu 370 375 380 Arg Tyr Asp Trp Gly Lys Tyr Tyr Ala Ser Lys Ser Phe Tyr Asp Pro 385 390 395 400 Val Lys Lys Arg Arg Val Val Trp Ala Tyr Val Gly Glu Thr Asp Ser 405 410 415 Glu Arg Ala Asp Ile Thr Lys Gly Trp Ala Asn Leu Gln Ser Ile Pro 420 425 430 Arg Thr Val Glu Leu Asp Glu Lys Thr Arg Thr Asn Leu Val Gln Trp 435 440 445 Pro Val Glu Glu Leu Asp Ala Leu Arg Ile Asn Thr Thr Asp Leu Ser 450 455 460 Gly Ile Thr Val Gly Ala Gly Ser Val Ala Phe Leu Pro Leu His Gln 465 470 475 480 Thr Ala Gln Leu Asp Ile Glu Ala Thr Phe Arg Ile Asp Ala Ser Ala 485 490 495 Ile Glu Ala Leu Asn Glu Ala Asp Val Ser Tyr Asn Cys Thr Thr Ser 500 505 510 Ser Gly Ala Ala Thr Arg Gly Ala Leu Gly Pro Phe Gly Leu Leu Val 515 520 525 Leu Ala Asn Arg Ala Leu Thr Glu Gln Thr Gly Val Tyr Phe Tyr Val 530 535 540 Ser Lys Gly Leu Asp Gly Gly Leu Arg Thr His Phe Cys His Asp Glu 545 550 555 560 Leu Arg Ser Ser His Ala Ser Asp Val Val Lys Arg Val Val Gly Ser 565 570 575 Thr Val Pro Val Leu Asp Gly Glu Asp Phe Ser Val Arg Val Leu Val 580 585 590 Asp His Ser Ile Val Gln Ser Phe Ala Met Gly Gly Arg Leu Thr Ala 595 600 605 Thr Ser Arg Ala Tyr Pro Thr Glu Ala Ile Tyr Ala Ala Ala Gly Val 610 615 620 Tyr Met Phe Asn Asn Ala Thr Gly Thr Ser Val Thr Ala Glu Lys Leu 625 630 635 640 Val Val His Asp Met Asp Ser Ser Tyr Asn His Ile Tyr Thr Asp Asp 645 650 655 Asp Leu Val Val Val Asp 660
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のフルクタン:フルクタン フ
ルクトシルトランスフェラーゼの酵素反応を説明する図
である。図中、「n」及び「m」は、2以上の整数を表
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 19/04 Z 9/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 19/04 5/00 A (72)発明者 吉田 みどり 北海道札幌市豊平区月寒東3条17丁目3− 1 アベニューオチ A201号 Fターム(参考) 2B030 AA02 AA07 AB03 AD08 AD20 CA06 CA17 CA19 CB03 CD03 CD07 CD09 4B024 AA08 BA10 CA04 HA03 4B050 CC01 CC03 DD13 LL05 4B064 AF11 CA19 CA21 CC24 DA11 4B065 AB01 BA02 CA29 CA53

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコード
    する遺伝子。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
    なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フルクタン:フ
    ルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
    るタンパク質
  2. 【請求項2】 以下の(a)又は(b)のDNAからなる遺伝
    子。 (a) 配列番号1若しくは3に示される塩基配列からなる
    DNA (b) 配列番号1若しくは3に示される塩基配列からなる
    DNAの全部若しくは一部に相補的な塩基配列からなるDNA
    とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
    つ、フルクタン:フルクタン フルクトシルトランスフ
    ェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
  3. 【請求項3】 以下の(a)又は(b)のDNAからなる遺伝
    子。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列をコ
    ードするDNA (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列をコ
    ードするDNAの全部若しくは一部に相補的な塩基配列か
    らなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
    ズし、かつ、フルクタン:フルクタン フルクトシルト
    ランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードする
    DNA
  4. 【請求項4】 コムギのゲノム中で0℃〜10℃で発現
    することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記
    載の遺伝子。
  5. 【請求項5】 タンパク質が、0℃〜50℃で生成フル
    クタン合成能を有するものである、請求項1〜4のいず
    れか1項記載の遺伝子。
  6. 【請求項6】 タンパク質が、0℃〜10℃で生成フル
    クタン合成能を有するものである、請求項1〜4のいず
    れか1項記載の遺伝子。
  7. 【請求項7】 タンパク質が、重合度5〜10のフルク
    タンを基質として用いて重合度20〜50の生成フルク
    タンを合成することができるものである、請求項1〜6
    のいずれか1項記載の遺伝子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項記載の遺伝
    子を含む組換えベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の組換えベクターを含む形
    質転換体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項記載の遺
    伝子を含むトランスジェニック植物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項記載の遺
    伝子を植物に導入することを特徴とする、植物へのスト
    レス耐性付与方法。
  12. 【請求項12】 ストレス耐性が、耐寒性、耐凍性、耐
    雪性、乾燥耐性、貧栄養耐性、耐霜性及び耐病性からな
    る群から選択される少なくとも1つである、請求項11
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の形質転換体を培養し、
    得られる培養物からフルクタン:フルクタン フルクト
    シルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質を採取
    することを特徴とする該タンパク質の製造方法。
  14. 【請求項14】 以下の(a)又は(b)のタンパク質。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
    なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フルクタン:フ
    ルクタン フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有す
    るタンパク質
  15. 【請求項15】 0℃〜50℃で生成フルクタン合成能
    を有するものである、請求項14項記載のタンパク質。
  16. 【請求項16】 0℃〜10℃で生成フルクタン合成能
    を有するものである、請求項14項記載のタンパク質。
  17. 【請求項17】 重合度5〜10のフルクタンを基質と
    して用いて重合度20〜50の生成フルクタンを合成す
    ることができる、請求項14〜16のいずれか1項記載
    のタンパク質。
  18. 【請求項18】 植物にストレス耐性を付与する、請求
    項14〜17のいずれか1項記載のタンパク質。
  19. 【請求項19】 ストレス耐性が、耐寒性、耐凍性、耐
    雪性、乾燥耐性、貧栄養耐性、耐霜性、耐病性からなる
    群から選択される少なくとも1つである、請求項18記
    載のタンパク質。
  20. 【請求項20】 請求項14〜19のいずれか1項記載
    のタンパク質をフルクタンと反応させて、生成フルクタ
    ンを製造する方法。
  21. 【請求項21】 請求項10記載のトランスジェニック
    植物を培養又は栽培し、得られる植物から、生成フルク
    タンを抽出することを特徴とする、生成フルクタンの製
    造方法。
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