JP2003272897A - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置および薄膜形成方法

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JP2003272897A
JP2003272897A JP2002070624A JP2002070624A JP2003272897A JP 2003272897 A JP2003272897 A JP 2003272897A JP 2002070624 A JP2002070624 A JP 2002070624A JP 2002070624 A JP2002070624 A JP 2002070624A JP 2003272897 A JP2003272897 A JP 2003272897A
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thin film
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plasma
antenna
cathode
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JP2002070624A
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Masahiro Noguchi
雅弘 野口
Moritake Tanba
護武 丹波
Takeshi Katayama
武司 片山
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Tohoku Ricoh Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ダイヤモンドなどの高融点材料の結晶膜のアー
クプラズマ放電法による生産性を上げるとともに、その
結晶膜中に任意の不純物をドーピングすることを可能に
する薄膜形成装置および薄膜形成方法を提供する。 【解決手段】 カソード6から基板9に向かうプラズマ
Pの飛散方向の直進経路内に設けられたアンテナ22
と、アンテナ又は基板に高周波電界を印加する高周波電
界印加装置24と、キャリアガスをプラズマ内に導入す
るキャリアガス供給装置26とを備え、真空容器内の圧
力を大気圧以下とし、アンテナ付近にドーピング材を含
むガスプラズマGPを発生させ、アンテナにより多価イ
オンを含むプラズマ状態にある蒸発物質が基板表面に対
して垂直方向へ直進飛散してくるのを妨げて、その飛散
方向の放射角を拡げ、基板上に形成される膜の組成の均
一性および厚みの均一性を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主にダイヤモンドな
どの高融点物質の薄膜を安価に製造するための薄膜形成
装置および薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】部品の高機能化のために、DLC(Di
amond−like carbonfilm)やTi
N,CN等の薄膜を被処理材の表面に成膜する表面加工
技術が産業界で強く要望されている。例えばDLCはカ
ーボンを材料とする薄膜ダイヤモンドであり、(1)プ
ラスチックレンズの表面にコーティングしてスクラッチ
傷を防ぎ、(2)磁気ディスクの表面に成膜して読取り
ヘッドとの接触による磨耗を防ぎ、(3)環境問題化し
ている湿式メッキの代替として優れた耐食性、耐磨耗性
を発揮することができる。
【0003】上述したDLC等の成膜手段として、
(1)窒素、アルゴン等のガスプラズマを用いたガスプ
ラズマ法、(2)炭素、チタンなどのプラズマを用いた
プラズマ法、及び(3)この両方を組合わせたハイブリ
ッド法が開発されている。このうち、ガスプラズマ法
は、メタン(CH4)やアセチレン(C22)を原料ガ
スとするため、成膜中に水素(H)が残存する基本的な
問題があり、このため、DLC等の膜質の硬度が低下す
る。これに対して、プラズマ法では、原料(陰極材)と
して純粋なカーボンや金属材料を用いることができるた
め、硬度の高い優れた膜ができる特徴がある。本発明
は、かかるプラズマ法に関するものである。
【0004】プラズマ法による成膜手段として、特開2
001−195994、特開2001−234333、
等が既に出願されている。
【0005】特開2001−195994の「プラズマ
発生装置および皮膜形成方法」は、図3に示すように、
内部空間を仕切り板1で第1チャンバー2と第2チャン
バー3とに区切られた真空容器と、前記仕切り板1が該
仕切り板を貫通する開口孔4を有し、さらに正電圧を印
加するアノード5と、前記開口孔の中心軸上に前記アノ
ードと対向して配設されかつ負電圧が印加されるカソー
ド6と、第1チャンバー外周に配設された磁場発生装置
7と、及び形成された高密度プラズマ中にガスを供給す
るためのガス導入口8とを備えたものである。
【0006】また、特開2001−234333の「金
属プラズマを用いた成膜装置及び方法」は、図4に示す
ように、金属プラズマから高エネルギーの円柱状金属ア
ークプラズマ11を発生させる金属プラズマ発生装置1
3と、発生した金属アークプラズマを拡径する金属プラ
ズマ拡径装置10とを備え、この金属プラズマ拡径装置
10は、円柱状金属アークプラズマ11を遮って配置さ
れ、かつ電気的に絶縁された金属メッシュ、又は、金属
アークプラズマに電界を負荷する電界電極12と、電界
電極に高周波電圧を印加する高周波電源14とからなる
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した図3に示した
ように、従来、ダイヤモンド薄膜を形成する手段として
アークプラズマ放電によって真空中の炭素を溶解してそ
のパーティクルを飛散させ、基板9で受けるという手段
が取られてきた。しかし、その手段でパーティクルを直
接基板9で受けてダイヤモンドの成膜をしようとする
と、飛散してきたパーティクルそのものが持つエネルギ
ーがあまりにも大きすぎて基板表面を破壊してしまい成
膜できないという問題点があった。
【0008】従って、どうしても必要な場合はパーティ
クル飛散方向に平行になるように基板を配置して成膜し
ていたが、これでは生産性が悪く、またダイヤモンド自
体に導電性を持たせたりするための不純物元素を混入す
るにしても、大元の炭素にあらかじめ混入しなければな
らず、かつその場合均質にかつ任意のドーピング量にな
るように不純物制御することは不可能であった。
【0009】また、図4に示した装置では、結晶膜中に
任意の不純物をドーピングすることができない問題点が
あった。
【0010】本発明は上述した問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち本発明の目的は、ダイ
ヤモンドなどの高融点材料の結晶膜のアークプラズマ放
電法による生産性を上げるとともに、その結晶膜中に任
意の不純物をドーピングすることを可能にする薄膜形成
装置および薄膜形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、外気と
遮断された大気圧以下の金属製真空容器(21)中に保
持された導電性材料をカソード(6)とし、かつ前記真
空容器の内壁をアノードとしてその間に高電圧を印加し
てアーク放電を発生させ、その放電によってカソードの
構成物質を蒸発させて、多価イオンを含んだプラズマP
として真空容器内を飛散させ、その放射方向に基板
(9)を配置して、カソード材料を含む組成の薄膜を基
板上に形成する薄膜形成装置において、前記カソードか
ら基板に向かうプラズマPの飛散方向の直進経路内に設
けられたアンテナ(22)と、該アンテナ又は基板に高
周波電界を印加する高周波電界印加装置(24)と、キ
ャリアガスを前記プラズマ内に導入するキャリアガス供
給装置(26)と、を備え、真空容器内の圧力を大気圧
以下とし、アンテナ付近にドーピング材を含むガスプラ
ズマGPを発生させ、アンテナにより多価イオンを含む
プラズマ状態にある蒸発物質が基板表面に対して垂直方
向へ直進飛散してくるのを妨げて、その飛散方向の放射
角を拡げ、基板上に形成される膜の組成の均一性および
厚みの均一性を制御することを特徴とする薄膜形成装置
が提供される。
【0012】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
アンテナ(22)は、基板とカソード間の空間にあっ
て、前記蒸発物質が完全に遮蔽されることのない開口率
を有する導電性のメッシュ板または穴付板であり、該メ
ッシュ板または穴付板は、金属または導電性材料、ある
いは低誘電体の絶縁性物質で被覆された金属または導電
性材料からなり、前記高周波電界印加装置(24)は、
アンテナまたは基板ステージとその上に保持された基板
に給電のために電気回路的なインピーダンスを整合させ
た高周波電力を供給するRF電源(24a)と、その直
流成分を除去する結合容量(24b)とからなる。
【0013】また、前記メッシュ板または穴付板は、各
板が少なくとも一枚以上で0.01mm以上10000
mm以下の間隔で配置されている、ことが好ましい。
【0014】上述した本発明の構成によれば、アークプ
ラズマによって発生したパーティクルの飛散方向に対し
て成膜する面を垂直に配置できるので面内均一な膜が形
成でき、装置サイズもコンパクトに、かつ単純な機構に
することができ大幅なコストダウンが可能となる。従っ
て、ダイヤモンドなどの高融点材料の結晶膜の生産性を
上げることができる。
【0015】また、本発明によれば、外気と遮断された
大気圧以下の金属製真空容器(21)中に保持された導
電性材料をカソード(6)とし、かつ前記真空容器の内
壁をアノードとしてその間に高電圧を印加してアーク放
電を発生させ、その放電によってカソードの構成物質を
蒸発させて、多価イオンを含んだプラズマPとして真空
容器内を飛散させ、その放射方向に基板(9)を配置し
て、カソード材料を含む組成の薄膜を基板上に形成する
薄膜形成方法において、前記カソードから基板に向かう
プラズマの飛散方向の直進経路内にアンテナ(22)を
設けて高周波電界を印加すると同時に、ガスを導入し、
かつ圧力を大気圧以下とし、前記アンテナ付近にドーピ
ング材を含むガスプラズマGPを発生させ、アンテナに
より多価イオンを含むプラズマ状態にある蒸発物質が基
板表面に対して垂直方向へ直進飛散してくるのを妨げ
て、その飛散方向の放射角を拡げ、基板上に形成される
膜の組成の均一性および厚みの均一性を制御することを
特徴とする薄膜形成方法が提供される。
【0016】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
ガスプラズマGPは、キャリアガスに有機金属材料成分
を含んでいるものをグロー放電またはアーク放電によっ
て発生させる「電離プラズマ」である。
【0017】また、前記キャリアガスは、水素、ヘリウ
ム、メタン、エタン、アルゴン、キセノン、クリプト
ン、空気、窒素、酸素、亜酸化窒素、アンモニア、六フ
ッ化硫黄、シクロプロパン混合ガス、一酸化炭素、二酸
化炭素、ネオン、ブタジエン、ブタン、ブテン、プロパ
ジエン混合ガス、プロピレン、フロン11、フロン1
2、フロン13、フロン13B1、フロン21、フロン
22、フロン23、ヘキサン混合ガス、ヘキセン混合ガ
スのうち少なくとも一種類以上を含むガスである。
【0018】さらに、作製しようとする目的の薄膜の主
な構成材料とは別に、薄膜中にドーピングする材料を前
記有機金属材料成分によって供給し、膜の物理的性質を
調整する、ことが好ましい。
【0019】上述した本発明の方法により、直線的に飛
散してくる炭素パーティクルの進行方向ベクトルを大き
く変えて基板表面に与えるダメージを低減するだけでな
く、必要とする有機金属を雰囲気として与えプラズマに
よってその有機金属を分解することで必要な元素だけを
抽出し炭素パーティクルとともに結晶薄膜の中に取り込
むことができ、その結果、結晶膜の物理的性質を自由に
制御できるようになる。従って、ダイヤモンドなどの高
融点材料の結晶膜の物理的性質(たとえば光学的、電気
的な特性など)を制御することが簡単にできる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。
【0021】図1は、本発明の薄膜形成装置の第1実施
形態を示す構成図である。この図に示すように、本発明
の薄膜形成装置20は、外気と遮断された大気圧(1.
011×105Pa)以下の金属製真空容器21の中に
保持された導電性材料をカソード6とし、かつ真空容器
21の内壁をアノードとしてその間に高電圧を印加して
アーク放電を発生させ、その放電によってカソードの構
成物質を蒸発させて、多価イオンを含んだプラズマPと
して真空容器内を飛散させ、その放射方向に基板9を配
置して、カソード材料を含む組成の薄膜を基板9上に形
成するようになっている。
【0022】本発明の薄膜形成装置20は、さらに、ア
ンテナ22、高周波電界印加装置24及びキャリアガス
供給装置26を備える。
【0023】アンテナ22は、カソード6から基板9に
向かうプラズマPの飛散方向の直進経路内に設けられて
いる。またこの実施形態において、アンテナ22は、基
板9とカソード6の間の空間にあって、カソードの構成
物質からなる蒸発物質が完全に遮蔽されることのない開
口率を有する導電性のメッシュ板または穴付板である。
このメッシュ板または穴付板は、金属または導電性材
料、あるいは低誘電体の絶縁性物質で被覆された金属ま
たは導電性材料からなる。
【0024】さらにメッシュ板または穴付板は、各板が
少なくとも一枚以上であり、複数の場合には、0.01
mm以上10000mm以下の間隔で配置されている。
かかるメッシュ板または穴付板をアンテナ22として用
いることにより、金属アークプラズマに同伴される液滴
(パーティクル)を電界電極と衝突してイオン化し、電
界により壁面側に移動するか、或いはメッシュ等と衝突
して捕獲することにより、基板への進入を阻止すること
ができる。
【0025】高周波電界印加装置24は、この例におい
て、アンテナ22に給電のために電気回路的なインピー
ダンスを整合させた高周波電力を供給するRF電源24
aと、その直流成分を除去する結合容量24bとからな
り、アンテナ22に高周波電界を印加する。この構成に
より、アンテナ22を介して金属アークプラズマに高周
波の電界を負荷して、指向性の高い金属アークプラズマ
の幅を広げることができる。
【0026】キャリアガス供給装置26は、金属製真空
容器21に取り付けられたガス導入口であり、キャリア
ガスをプラズマ内に導入する。キャリアガスは、水素、
ヘリウム、メタン、エタン、アルゴン、キセノン、クリ
プトン、空気、窒素、酸素、亜酸化窒素、アンモニア、
六フッ化硫黄、シクロプロパン混合ガス、一酸化炭素、
二酸化炭素、ネオン、ブタジエン、ブタン、ブテン、プ
ロパジエン混合ガス、プロピレン、フロン11、フロン
12、フロン13、フロン13B1、フロン21、フロ
ン22、フロン23、ヘキサン混合ガス、ヘキセン混合
ガスのうち少なくとも一種類以上を含むガスであるのが
よい。
【0027】上述したように、図1において、金属製真
空容器21の中にはカソード6(炭素棒)と金属メッシ
ュ22、そして基板9を配置する基板ステージ18があ
る。この図では基板9は1枚のみ配置されているが複数
枚でもかまわない。基板ステージ18はカソード6から
飛散してくる炭素パーティクルPの方向に対して垂直に
配置されている。カソード6はDC高電圧電源28によ
りマイナス側におかれている。一方、真空容器21はグ
ランドに接地されている。金属メッシュ22にはコンデ
ンサ24bを介してRF電源24aが接続されており、
金属メッシュ22付近でガスプラズマが発生できるよう
になっている。その金属メッシュ付近にはガス導入口2
6があり、より効果的にガスプラズマが発生できるよう
になっている。基板ステージ18には可変のDC電源1
9が接続されており、基板9の電圧を任意に変更するこ
とができる。
【0028】上述した装置を用い、本発明の方法によれ
ば、カソード6から基板9に向かうプラズマPの飛散方
向の直進経路内にアンテナ22を設けて高周波電界を印
加すると同時に、ガスを導入し、かつ圧力を大気圧以下
とし、アンテナ22付近にドーピング材を含むガスプラ
ズマGPを発生させ、アンテナ22により多価イオンを
含むプラズマ状態にある蒸発物質が基板表面に対して垂
直方向へ直進飛散してくるのを妨げて、その飛散方向の
放射角を拡げ、基板上に形成される膜の組成の均一性お
よび厚みの均一性を制御する。
【0029】飛散方向に対するアンテナ22による放射
角は3°以上90°以下の範囲で、基板9の大きさに応
じて十分に拡げるのがよい。またガスプラズマGPは、
キャリアガスに有機金属材料成分を含んでいるものをグ
ロー放電またはアーク放電によって発生させた「電離プ
ラズマ」である。
【0030】さらに作製しようとする目的の薄膜の主な
構成材料とは別に、薄膜中にドーピングする材料を前記
有機金属材料成分によって供給し、膜の物理的性質を調
整する。
【0031】図2は、本発明の薄膜形成装置の第2実施
形態を示す構成図である。この図において、アンテナ
(金属メッシュ)22は、真空容器21から絶縁されて
浮遊電位となっている。また、高周波電界印加装置24
は、基板ステージ18とその上に保持された基板9に給
電のために電気回路的なインピーダンスを整合させた高
周波電力を供給するRF電源24aと、その直流成分を
除去する結合容量24bとからなり、基板9に高周波電
界を印加するようになっている。その他の構成は図1と
同様である。
【0032】すなわち、図2において、真空容器21の
中にはカソード6(炭素棒)と金属メッシュ22、そし
て基板9を配置する基板ステージ18がある。この図で
基板9は1枚のみ配置されているが複数枚でもかまわな
い。基板ステージ18はカソード6から飛散してくる炭
素パーティクルの方向に対して垂直に配置されている。
カソード6はDC高電圧電源28によりマイナス側にお
かれている。一方、真空容器21はグランドに接地され
ている。金属メッシュ22には電気回路的にどこにも接
続されておらず、浮遊電位となっている。
【0033】また、基板ステージ18には可変のDC電
源19が接続されており、基板の電圧を任意に変更でき
るようになっている。さらに基板ステージ18にはコン
デンサ24bを介してRF電源24aが接続されてお
り、基板付近でガスプラズマが発生するようになってい
る。そのステージ付近にはガス導入口26があり、より
効果的にガスプラズマが発生できるようになっている。
【0034】なお、本発明は上述した実施例及び実施形
態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変更できることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】上述した本発明の構成によれば、アーク
プラズマによって発生したパーティクルの飛散方向に対
して成膜する面を垂直に配置できるので面内均一な膜が
形成でき、装置サイズもコンパクトに、かつ単純な機構
にすることができ大幅なコストダウンが可能となる。従
って、ダイヤモンドなどの高融点材料の結晶膜の生産性
を上げることができる。
【0036】上述した本発明の方法により、直線的に飛
散してくる炭素パーティクルの進行方向ベクトルを大き
く変えて基板表面に与えるダメージを低減するだけでな
く、必要とする有機金属を雰囲気として与えプラズマに
よってその有機金属を分解することで必要な元素だけを
抽出し炭素パーティクルとともに結晶薄膜の中に取り込
むことができ、その結果、結晶膜の物理的性質を自由に
制御できるようになる。従って、ダイヤモンドなどの高
融点材料の結晶膜の物理的性質(たとえば光学的、電気
的な特性など)を制御することが簡単にできる。
【0037】従って、本発明の薄膜形成装置および薄膜
形成方法は、ダイヤモンドなどの高融点材料の結晶膜の
アークプラズマ放電法による生産性を上げるとともに、
その結晶膜中に任意の不純物をドーピングすることを可
能にする、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成装置の第1実施形態を示す構
成図である。
【図2】本発明の薄膜形成装置の第2実施形態を示す構
成図である。
【図3】従来の薄膜形成装置の構成図である。
【図4】従来の別の薄膜形成装置の構成図である。
【符号の説明】
1 仕切り板、2 第1チャンバー、3 第2チャンバ
ー、4 開口孔、5 アノード、6 カソード、7 磁
場発生装置、8 ガス導入口、10 金属プラズマ拡径
装置、11 円柱状金属アークプラズマ、12 電界電
極、13 金属プラズマ発生装置、14 高周波電源、
18 基板ステージ、19 DC電源、20 薄膜形成
装置、21 金属製真空容器、22 アンテナ(メッシ
ュ板または穴付板)、24 高周波電界印加装置、24
a RF電源、24b 結合容量、26 キャリアガス
供給装置、28 DC高電圧電源、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/24 H05H 1/24 1/46 1/46 L (72)発明者 丹波 護武 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 片山 武司 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 BC04 CA16 CA17 CA62 DA02 DA18 EB01 EB41 EC09 EC21 FA01 FA03 FA12 FB02 FC11 FC15 4K029 BA34 BA62 CA03 DD02 DD06 5D112 AA07 AA24 BC05 FA10 FB04 FB08 FB10 FB12 FB15 FB24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気と遮断された大気圧以下の金属製真
    空容器(21)中に保持された導電性材料をカソード
    (6)とし、かつ前記真空容器の内壁をアノードとして
    その間に高電圧を印加してアーク放電を発生させ、その
    放電によってカソードの構成物質を蒸発させて、多価イ
    オンを含んだプラズマPとして真空容器内を飛散させ、
    その放射方向に基板(9)を配置して、カソード材料を
    含む組成の薄膜を基板上に形成する薄膜形成装置におい
    て、 前記カソードから基板に向かうプラズマPの飛散方向の
    直進経路内に設けられたアンテナ(22)と、該アンテ
    ナ又は基板に高周波電界を印加する高周波電界印加装置
    (24)と、キャリアガスを前記プラズマ内に導入する
    キャリアガス供給装置(26)と、を備え、 真空容器内の圧力を大気圧以下とし、アンテナ付近にド
    ーピング材を含むガスプラズマGPを発生させ、アンテ
    ナにより多価イオンを含むプラズマ状態にある蒸発物質
    が基板表面に対して垂直方向へ直進飛散してくるのを妨
    げて、その飛散方向の放射角を拡げ、基板上に形成され
    る膜の組成の均一性および厚みの均一性を制御すること
    を特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ(22)は、基板とカソー
    ド間の空間にあって、前記蒸発物質が完全に遮蔽される
    ことのない開口率を有する導電性のメッシュ板または穴
    付板であり、該メッシュ板または穴付板は、金属または
    導電性材料、あるいは低誘電体の絶縁性物質で被覆され
    た金属または導電性材料からなり、 前記高周波電界印加装置(24)は、アンテナまたは基
    板ステージとその上に保持された基板に給電のために電
    気回路的なインピーダンスを整合させた高周波電力を供
    給するRF電源(24a)と、その直流成分を除去する
    結合容量(24b)とからなる、ことを特徴とする請求
    項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記メッシュ板または穴付板は、各板が
    少なくとも一枚以上で0.01mm以上10000mm
    以下の間隔で配置されている、ことを特徴とする請求項
    2に記載の薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 外気と遮断された大気圧以下の金属製真
    空容器(21)中に保持された導電性材料をカソード
    (6)とし、かつ前記真空容器の内壁をアノードとして
    その間に高電圧を印加してアーク放電を発生させ、その
    放電によってカソードの構成物質を蒸発させて、多価イ
    オンを含んだプラズマPとして真空容器内を飛散させ、
    その放射方向に基板(9)を配置して、カソード材料を
    含む組成の薄膜を基板上に形成する薄膜形成方法におい
    て、 前記カソードから基板に向かうプラズマの飛散方向の直
    進経路内にアンテナ(22)を設けて高周波電界を印加
    すると同時に、ガスを導入し、かつ圧力を大気圧以下と
    し、前記アンテナ付近にドーピング材を含むガスプラズ
    マGPを発生させ、アンテナにより多価イオンを含むプ
    ラズマ状態にある蒸発物質が基板表面に対して垂直方向
    へ直進飛散してくるのを妨げて、その飛散方向の放射角
    を拡げ、基板上に形成される膜の組成の均一性および厚
    みの均一性を制御することを特徴とする薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記ガスプラズマGPは、キャリアガス
    に有機金属材料成分を含んでいるものをグロー放電また
    はアーク放電によって発生させる「電離プラズマ」であ
    る、ことを特徴とする請求項4に記載の薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記キャリアガスは、水素、ヘリウム、
    メタン、エタン、アルゴン、キセノン、クリプトン、空
    気、窒素、酸素、亜酸化窒素、アンモニア、六フッ化硫
    黄、シクロプロパン混合ガス、一酸化炭素、二酸化炭
    素、ネオン、ブタジエン、ブタン、ブテン、プロパジエ
    ン混合ガス、プロピレン、フロン11、フロン12、フ
    ロン13、フロン13B1、フロン21、フロン22、
    フロン23、ヘキサン混合ガス、ヘキセン混合ガスのう
    ち少なくとも一種類以上を含むガスである、ことを特徴
    とする請求項5に記載の薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 作製しようとする目的の薄膜の主な構成
    材料とは別に、薄膜中にドーピングする材料を前記有機
    金属材料成分によって供給し、膜の物理的性質を調整す
    る、ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104213081A (zh) * 2013-05-29 2014-12-17 住友重机械工业株式会社 等离子体蒸发装置

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