JP2003272846A - チャンバ装置の運転方法、チャンバ装置、これを備えた電気光学装置および有機el装置 - Google Patents

チャンバ装置の運転方法、チャンバ装置、これを備えた電気光学装置および有機el装置

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JP2003272846A
JP2003272846A JP2002078721A JP2002078721A JP2003272846A JP 2003272846 A JP2003272846 A JP 2003272846A JP 2002078721 A JP2002078721 A JP 2002078721A JP 2002078721 A JP2002078721 A JP 2002078721A JP 2003272846 A JP2003272846 A JP 2003272846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャンバルーム内を安定且つ新鮮な不活性ガ
スの雰囲気に維持することができるチャンバ装置の運転
方法、チャンバ装置、これを備えた電気光学装置および
有機EL装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 不活性ガスの補給および排気を連続させ
て、チャンバルーム11内に不活性ガスの雰囲気を構成
する。また、チャンバルーム11は略直方体形状を有
し、補給および排気に伴う不活性ガスの気流を、チャン
バルーム11の略対角方向に流すものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク処理を不活
性ガスの雰囲気中で行うことを要するワーク処理装置
を、チャンバルーム内に収容するチャンバ装置の運転方
法、チャンバ装置、これを備えた電気光学装置および有
機EL装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ワーク処理を不活性ガスの雰囲気
中で行う半導体製造装置等に用いられるチャンバ装置で
は、不活性ガスの雰囲気を維持すべく、シールを強化し
て不活性ガスの漏れ(リーク)を極力少なくするように
している。また、不活性ガスの温度調節を行う場合に
は、温度調節装置を不活性ガスの循環経路に配設して、
不活性ガスを循環させることで行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような、従来のチ
ャンバ装置では、シール部分からの外部への不活性ガス
のリークや内部への水分の透過等により、雰囲気中の酸
素濃度や水分濃度を低濃度に維持することが難しい問題
がある。また、ワーク処理に溶剤等を用いる場合には、
雰囲気中の溶剤濃度が上がり装置自体に悪影響を及ぼす
問題も想定される。
【0004】本発明は、チャンバルーム内を安定且つ新
鮮な不活性ガスの雰囲気に維持することができるチャン
バ装置の運転方法、チャンバ装置、これを備えた電気光
学装置および有機EL装置を提供することを課題として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のチャンバ装置の
運転方法は、不活性ガスの補給および排気を連続させ
て、チャンバルーム内に不活性ガスの雰囲気を構成する
ことを特徴とする。
【0006】この構成によれば、チャンバルーム内に不
活性ガスの雰囲気が、常に新鮮な不活性ガスの補給とそ
れに見合う雰囲気の排気とで、構成されるため、チャン
バルーム内を常に新鮮な不活性ガスで満たすことができ
る。また、不活性ガスの補給量を調整することで、雰囲
気の温度や酸素濃度および水分濃度等を容易に調節する
ことができる。
【0007】この場合、チャンバルームは略直方体形状
を有し、補給および排気に伴う不活性ガスの気流を、チ
ャンバルームの略対角方向に流すことが、好ましい。
【0008】不活性ガスの補給および排気を連続させる
ことで、チャンバルーム内には不活性ガスの気流が生ず
るが、この気流をチャンバルームの略対角方向に流すこ
とで、チャンバルーム内に、いわゆるガス溜りが生じ難
く、雰囲気を常に新鮮な不活性ガスに円滑に且つ連続的
に置換することができる。
【0009】同様に、チャンバルームは略直方体形状を
有し、不活性ガスの補給を、チャンバール内の複数の隅
部から行うことが、好ましい。
【0010】この構成によれば、チャンバルーム内を不
活性ガスが一様に流れ、チャンバルーム内に、いわゆる
ガス溜りが生じ難く、雰囲気を常に新鮮な不活性ガスに
円滑に且つ連続的に置換することができる。
【0011】これらの場合、大気圧に対し、チャンバル
ーム内が正圧に保たれることが、好ましい。
【0012】この構成によれば、チャンバルーム内の雰
囲気を構成する不活性ガスが、シール(エアータイト)
部分から外部に漏れることがあっても、外部の大気がチ
ャンバルーム内に侵入するのを確実に防止することがで
きる。なお、チャンバルーム内の正圧を維持するため
に、不活性ガスの補強をファン等により強制的に行うこ
とが好ましい。
【0013】本発明のチャンバ装置は、ワーク処理を不
活性ガスの雰囲気中で行うことを要するワーク処理装置
を、チャンバルーム内に収容するチャンバ装置であっ
て、略直方体形状に形成されたチャンバルームと、チャ
ンバルーム内に不活性ガスを供給するガス供給流路と、
ガス供給流路に連なると共にチャンバルームに開口した
送気口と、チャンバルーム内の不活性ガスを排気する排
気流路と、排気流路に連なると共にチャンバルームに開
口した排気口とを備え、送気口と排気口とが相互に略対
角位置に配設されていることを特徴とする。
【0014】この構成によれば、チャンバルームに形成
した不活性ガス供給用の送気口と、不活性ガス排気用の
排気口とが相互に略対角位置に配設されているため、こ
の送気口および排気口を介して不活性ガスを補給および
排気することにより、チャンバルーム内に生ずる不活性
ガスの気流が最も長い距離を流れ、気流がショートサー
キットし難くなる。このため、いわゆるガス溜りが生じ
難く、雰囲気を常に新鮮な不活性ガスに維持することが
でき、且つワーク処理により発生する不要な物質を適宜
排気することができる。
【0015】この場合、ガス供給流路にはガスダンパー
が介設され、且つ排気流路には排気ダンパーが介設さ
れ、チャンバルームに対し不活性ガスの補給および排気
を連続させるために、ガスダンパーおよび排気ダンパー
は常時「開」に制御されていることが、好ましい。
【0016】この構成によれば、チャンバルーム内に不
活性ガスの雰囲気が、常に新鮮な不活性ガスの補給とそ
れに見合う雰囲気の排気とで、構成されるため、チャン
バルーム内を常に新鮮な不活性ガスで満たすことがで
き、且つワーク処理により発生する不要な物質を円滑に
排気することができる。また、不活性ガスの補給量を調
整することで、雰囲気の温度や酸素濃度等を容易に調節
することができる。
【0017】これらの場合、収容されるワーク処理装置
は、チャンバルームの上部空間の水平面内においてワー
ク処理エリアを有し、送気口はチャンバルームの上端部
に開口し、排気口はチャンバルームの下端部に開口して
いることが、好ましい。さらにこの場合、送気口から排
気口に流れる不活性ガスの主気流が、ワーク処理エリア
に交差することが、好ましい。
【0018】これらの構成によれば、送気口からチャン
バルーム内に流入した新鮮な不活性ガスが、最初にワー
ク処理エリアに達するため、ワーク処理エリアを常に新
鮮な不活性ガスの雰囲気で包み込むことができる。
【0019】これらの場合、チャンバルームの天井部に
は、送気口に連なると共に下面を開放したフィルタチャ
ンバと、フィルタチャンバの下面開放部に装着したフィ
ルタとが設けられていることが、好ましい。
【0020】この構成によれば、大きなフィルタ面積の
フィルタを設けることができると共に、送気口から排気
口に向かって流れる不活性ガスの気流を、幾分ダウンフ
ロー気味に且つ均一な流速で流すことができる。
【0021】この場合、フィルタは、少なくともワーク
処理エリアを包含する大きさを有していることが、好ま
しい。
【0022】この構成によれば、不活性ガスを、ワーク
処理エリアに向かってほぼダウンフローで流すことがで
き、ワーク処理エリアを不活性ガスの雰囲気で安定に包
み込むことができる。
【0023】これらの場合、ガス供給流路には、送気口
を介して不活性ガスをチャンバルームに強制送気するフ
ァンが介設されていることが、好ましい。
【0024】この構成によれば、ガス供給流路からチャ
ンバルームを経て排気流路に至る不活性ガスの圧力損失
に対処することができると共に、チャンバルーム内にお
ける不活性ガスの流量および流速を容易に制御すること
ができ、且つチャンバルーム内を安定な正圧状態に維持
することができる。
【0025】これらの場合、ガス供給流路には、不活性
ガスの温度を調節する温度調節装置が介設されているこ
とが、好ましい。
【0026】この構成によれば、チャンバルーム内をワ
ーク処理に適した温度に保つことができる。また、不活
性ガスの連続的な補給および排気と相俟って、チャンバ
ルーム内の温度制御を容易に行うことができる。
【0027】本発明の他のチャンバ装置は、ワーク処理
を不活性ガスの雰囲気中で行うことを要するワーク処理
装置を、チャンバルーム内に収容するチャンバ装置であ
って、略直方体形状に形成された前記チャンバルーム
と、チャンバルーム内に不活性ガスを供給するガス供給
流路と、ガス供給流路の下流端に設けられると共にチャ
ンバルーム内に開口した複数の送気口と、チャンバルー
ム内の不活性ガスを排気する排気流路と、排気流路に連
なると共にチャンバルームに開口した排気口とを備え、
各送気口は、排気口から離間したチャンバルーム内の複
数の隅部に配設されていることを特徴とする。
【0028】この構成によれば、チャンバルームに形成
した不活性ガス供給用の複数の送気口が、排気口から離
間したチャンバルーム内の複数の隅部に配設されている
ため、不活性ガスを補給および排気することにより、チ
ャンバルーム内において、不活性ガスを一様に流すこと
ができる。このため、いわゆるガス溜りが生じ難く、雰
囲気を常に新鮮な不活性ガスに維持することができ、且
つワーク処理により発生する不要な物質を適宜排気する
ことができる。
【0029】この場合、ガス供給流路にはガスダンパー
が介設され、且つ排気流路には排気ダンパーが介設さ
れ、チャンバルームに対し不活性ガスの補給および排気
を連続させるために、ガスダンパーおよび排気ダンパー
は常時「開」に制御されていることが、好ましい。
【0030】この構成によれば、チャンバルーム内に不
活性ガスの雰囲気が、常に新鮮な不活性ガスの補給とそ
れに見合う雰囲気の排気とで、構成されるため、チャン
バルーム内を常に新鮮な不活性ガスで満たすことがで
き、且つワーク処理により発生する不要な物質を円滑に
排気することができる。また、不活性ガスの補給量を調
整することで、雰囲気の温度や酸素濃度等を容易に調節
することができる。
【0031】これらの場合、複数の送気口は、個々に流
量調節可能に構成され、排気口からの離間距離が長い送
気口は多流量に短い送気口は少流量にそれぞれ調整され
ていることが、好ましい。
【0032】この構成によれば、チャンバルーム内にお
いて、不活性ガスをより一層、一様に流すことができ、
ガス溜りが生じ難くい構造とすることができる。
【0033】これらの場合、収容されるワーク処理装置
は、チャンバルーム内の水平面内においてワーク処理エ
リアを有し、複数の送気口から排気口に流れる不活性ガ
スの主気流が、ワーク処理エリアに交差することが、好
ましい。
【0034】この構成によれば、複数の送気口からチャ
ンバルーム内に流入した新鮮な不活性ガスにより、ワー
ク処理エリアを常に新鮮な雰囲気で包み込むことができ
る。
【0035】本発明の電気光学装置は、上記したチャン
バ装置と、チャンバ装置に収容したワーク処理装置と、
を備えたことを特徴とする。そして、ワーク処理装置
が、有機EL装置の製造装置であることが、好ましい。
【0036】この構成によれば、新鮮な不活性ガスの雰
囲気中でワーク処理を行うことができ、ワーク処理(有
機EL装置の製造)における信頼性および品質を高レベ
ルに維持することができる。
【0037】この場合、有機EL装置の製造装置が、ワ
ークである基板に対し、発光機能材料を導入した機能液
滴吐出ヘッドを相対的に走査し、発光機能材料を選択的
に吐出して基板上の多数の画素領域に有機EL機能層を
形成する液滴吐出装置を有していることが、好ましい。
【0038】有機ELにおける発光機能材料は、大気
(酸素および水分)との接触により変質や損傷が生じや
すい。この構成によれば、発光機能材料の吐出して有機
EL機能層を形成する工程を、新鮮な不活性ガスの雰囲
気中で行うことができるため、発光機能材料の変質や損
傷を有効に防止することができる。また、発光機能材料
から気化した溶剤等を速やかに排気することができる。
なお、不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンおよびラ
ドンのいずれかであることが、好ましい。
【0039】この場合、有機EL機能層が、EL発光層
および正孔注入層のうち少なくともEL発光層であるこ
とが、好ましい。
【0040】この構成によれば、有機EL装置における
発光機能の主体を為す部分を、機能液滴吐出ヘッドで形
成することができるため、より微小な画素を且つ精度良
く形成することができ、高解像で且つ高画質の有機EL
装置を製造することができる。
【0041】これらの場合、ファンによるワーク処理エ
リアにおける気流が、機能液滴吐出ヘッドから吐出した
発光機能材料に飛行曲がりを生じない速度に調整されて
いることが、好ましい。
【0042】この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドに
よる発光機能材料の吐出が、不活性ガスの気流により乱
されることがなく、発光機能材料を基板の画素領域に精
度良く着弾させることができる。したがって、高品質の
有機EL装置を製造することができる。
【0043】本発明の有機EL装置は、上記した電気光
学装置により製造されたことを特徴とする。
【0044】この構成によれば、高い品質と高い歩留ま
りの有機EL装置を、低コストで提供することができ
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
発明の実施形態について説明する。インクジェットプリ
ンタのインクジェットヘッド(機能液滴吐出ヘッド)
は、微小なインク滴(液滴)をドット状に精度良く吐出
することができることから、例えば機能液滴(吐出対象
液)に特殊なインクや、発光性或いは感光性の樹脂等を
用いることにより、各種部品の製造分野への応用が期待
されている。
【0046】本実施形態の電気光学装置は、例えば有機
EL装置等の、いわゆるフラットディスプレイの製造装
置に適用され、不活性ガスの雰囲気中において、その複
数の機能液滴吐出ヘッドから発光材料等の機能液を吐出
して(インクジェット方式)、有機EL装置の発光機能
を為す各画素のEL発光層および正孔注入層を形成する
ものである。
【0047】そこで、本実施形態では、有機EL装置の
製造装置に適用した電気光学装置について説明すると共
に、これにより製造される有機EL装置の構造および製
造方法(製造プロセス)について説明する。
【0048】図1に示すように、実施形態の電気光学装
置1は、描画装置2と描画装置2を収容するチャンバ装
置3から成り、描画装置2に搭載した機能液滴吐出ヘッ
ド4により、発光材料を吐出して有機EL装置のEL発
光層および正孔注入層を形成する一方、この機能液滴吐
出ヘッド4の吐出動作を含む一連の製造工程を、チャン
バ装置3で構成する不活性ガス(窒素ガス)の雰囲気中
で行うようにしている。
【0049】詳細は後述するが、描画装置2は、液滴吐
出装置6とこれに付随する各種の装置から成る付帯装置
7とを備えている。チャンバ装置3は、チャンバルーム
11に、電気室12および機械室13を併設した、いわ
ゆるクリーンルームの形態を有している。チャンバルー
ム11には、不活性ガスである窒素ガスが導入され、こ
れに収容した上記の液滴吐出装置6および付帯装置7
は、全体として窒素ガスの雰囲気に曝され、窒素ガスの
雰囲気中で稼動する。
【0050】図2ないし図5に示すように、液滴吐出装
置6は、床上に設置した架台15と、架台15上に設置
した石定盤16と、石定盤16上に設置したX軸テーブ
ル17およびこれに直交するY軸テーブル18と、Y軸
テーブル18に吊設するように設けたメインキャリッジ
19と、メインキャリッジ19に搭載したヘッドユニッ
ト20とを有している。
【0051】X軸テーブル17は、X軸方向の駆動系が
構成するX軸エアースライダ22およびX軸リニアモー
タ23を有し、これにθテーブル24および基板Wをエ
アー吸引する吸着テーブル25を搭載して、構成されて
いる。また、Y軸テーブル18は、Y軸方向の駆動系を
構成する一対のY軸スライダ27,27、Y軸ボールね
じ28およびY軸モータ(サーボモータ)29を有し、
これに上記のメインキャリッジ19を吊設するブリッジ
プレート30を搭載して、構成されている。
【0052】そして、メインキャリッジ19に搭載した
ヘッドユニット20には、サブキャリッジを介して、複
数の機能液滴吐出ヘッド4が搭載されている。特に詳細
は図示しないが、サブキャリッジには、12個の機能液
滴吐出ヘッド4が搭載されており、これら機能液滴吐出
ヘッド4は、6個づつに二分され(図6では前後に二
分)、主走査方向に対し所定の角度傾けて配設されてい
る(図6参照)。
【0053】本実施形態の液滴吐出装置6では、機能液
滴吐出ヘッド4の駆動(機能液滴の選択的吐出)に同期
して基板Wが移動する構成であり、機能液滴吐出ヘッド
4のいわゆる主走査は、X軸テーブル17のX軸方向へ
の往復動作により行われる。また、これに対応して、い
わゆる副走査は、Y軸テーブル18により機能液滴吐出
ヘッド4のY軸方向への往動動作により行われる。
【0054】一方、ヘッドユニット20のホーム位置
は、図1における後側の位置となっており、且つこの液
滴吐出装置6の後方からヘッドユニット20の運び込み
或いは交換が行われる(詳細は後述する)。また、同図
示の左側には、基板搬送装置(図示省略)が臨んでお
り、基板Wはこの左方から搬入・搬出される。そして、
この液滴吐出装置6の同図手前側には、上記付帯装置7
の主な構成装置が、一体的に添設されている。
【0055】付帯装置7は、上記の架台15および石定
盤16に隣接するように配置したキャビネット形式の共
通機台32と、共通機台32内の一方の半部に収容した
エアー供給装置33および真空吸引装置34と、共通機
台32内の一方の半部に主要装置を収容した機能液供給
回収装置35と、共通機台32上に主要装置を収容した
メンテナンス装置36とを備えている。なお、図中の符
号37は、メインタンク(図示省略)とヘッドユニット
20との間の機能液流路に介設した、機能液供給回収装
置35の中間タンクである。
【0056】エアー供給装置33、機能液供給回収装置
35の圧力供給源を構成すると共に、メンテナンス装置
36等におけるエアー圧アクチュエータの駆動源として
用いられる。真空吸引装置34は、上記の吸着テーブル
25に接続され、基板Wをエアー吸引により吸着セット
する。機能液供給回収装置35は、機能液滴吐出ヘッド
4に機能液を供給すると共に、メンテナンス装置36等
から不要となった機能液を回収する。
【0057】メンテナンス装置36は、機能液滴吐出ヘ
ッド4の定期的なフラッシング(全吐出ノズルからの機
能液の捨て吐出)を受けるフラッシングユニット41
と、機能液滴吐出ヘッド4の機能液吸引および保管を行
うクリーニングユニット42と、機能液滴吐出ヘッド4
のノズル形成面をワイピングするワイピングユニット4
3とを有している。クリーニングユニット42およびワ
イピングユニット43は、上記の共通機台32上に配設
され、フラッシングユニット41は、基板Wの近傍にお
いて、X軸テーブル(θテーブル24)17上に搭載さ
れている。
【0058】ここで、図6の模式図を参照して、チャン
バ装置3内において窒素ガスの雰囲気中で稼動する描画
装置2の一連の動作を簡単に説明する。先ず、準備段階
として、ヘッドユニット20が液滴吐出装置6に運び込
まれ、これがメインキャリッジ19にセットされる。ヘ
ッドユニット20がメインキャリッジ19にセットされ
ると、Y軸テーブル18がヘッドユニット20を図外の
ヘッド認識カメラの位置に移動させ、ヘッドユニット2
0の位置認識が行われる。ここで、この認識結果に基づ
いて、ヘッドユニット20がθ補正され、且つヘッドユ
ニット20のX軸方向およびY軸方向の位置補正がデー
タ上で行われる。位置補正後、ヘッドユニット(メイン
キャリッジ19)20はホーム位置に戻る。
【0059】一方、X軸テーブル17の吸着テーブル2
5上に基板(この場合は、導入される基板毎)Wが導入
されると、導入位置において図外の基板認識カメラが基
板Wを位置認識する。ここで、この認識結果に基づい
て、吸着テーブル25を支持するθテーブル24により
基板Wがθ補正され、且つ基板WのX軸方向およびY軸
方向の位置補正がデータ上で行われる。
【0060】このようにして準備が完了すると、実際の
液滴吐出作業では、先ずX軸テーブル17が駆動し、基
板Wを主走査方向に往復動させると共に複数の機能液滴
吐出ヘッド4を駆動して、機能液滴の基板Wへの選択的
な吐出動作が行われる。基板Wが復動した後、こんどは
Y軸テーブル18が駆動し、ヘッドユニット20を1ピ
ッチ分、副走査方向に移動させ、再度基板Wの主走査方
向への往復移動と機能液滴吐出ヘッド4の駆動が行われ
る。そしてこれを、数回繰り返すことで、基板Wの端か
ら端まで(全領域)液滴吐出が行われる。これにより、
有機EL装置の発光層等が形成される。
【0061】一方、上記の動作に並行し、液滴吐出装置
6のヘッドユニット(機能液滴吐出ヘッド4)20に
は、エアー供給装置33を圧力供給源として機能液供給
回収装置35から機能液が連続的に供給され、また吸着
テーブル25では、基板Wを吸着すべく、真空吸引装置
34によりエアー吸引が行われる。また、液滴吐出作業
の直前には、ヘッドユニット20がクリーニングユニッ
ト42およびワイピングユニット43に臨んで、機能液
滴吐出ヘッド4の全吐出ノズルからの機能液吸引と、こ
れに続くノズル形成面の拭取りが行われる。液滴吐出作
業中には、適宜ヘッドユニット20がフラッシングユニ
ット41に臨んで、機能液滴吐出ヘッド4のフラッシン
グが行われる。
【0062】なお、本実施形態では、ヘッドユニット2
0に対し、その吐出対象物である基板Wを主走査方向
(X軸方向)に移動させるようにしているが、ヘッドユ
ニット20を主走査方向に移動させる構成であってもよ
い。また、ヘッドユニット20を固定とし、基板Wを主
走査方向および副走査方向に移動させる構成であっても
よい。
【0063】次に、図7の系統図、および図8ないし図
13の構造図を参照して、チャンバ装置3について説明
する。なお、チャンバ装置の説明では、図8における紙
面の下側を「前」、上側「後」、左側を「左」、右側を
「右」して説明する。
【0064】チャンバ装置3は、上記の描画装置2を収
容するチャンバルーム11と、チャンバルーム11の右
前部に併設した電気室12と、チャンバルーム11の右
後部に併設した機械室13とを備えている。なお、チャ
ンバルーム11に充填する不活性ガスとしては、窒素、
二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプト
ン、キセノンおよびラドンのいずれかを用いることが好
ましいが、本実施形態では、コストおよび安全性を考慮
し窒素(窒素ガス)を用いている。
【0065】不活性ガス(窒素ガス)は、図外のガス製
造装置からガス導入ユニット101を介して機械室13
に導入され、ここで調和処理されてチャンバルーム11
に導入される。また、チャンバルーム11内の不活性ガ
スは、チャンバルーム11の左前部に添設した排気ダク
ト(排気流路)102から適宜は排気され、図外のガス
処理装置に送られる。実際の運転では、チャンバルーム
11に対し、不活性ガスの補給と排気とが連続して行わ
れ、わずかに流れる不活性ガスにより、チャンバルーム
11内の雰囲気が構成されるようになっている。
【0066】チャンバルーム11は、左側壁111、右
側壁112、前部着脱パネルユニット113、後部着脱
パネルユニット114、床壁115および天壁116
を、エアータイト材で相互にシールして組み上げたプレ
ハブ形式のものである。一方、チャンバルーム11の内
部に収容される液滴吐出装置6は、前後方向をY軸方向
とし、左右方向をX軸方向とした姿勢で収容されている
(図1参照)。すなわち、メンテナンス等を考慮して、
描画装置2の付帯装置7は前部着脱パネルユニット11
3に面し、ヘッドユニット20の運び込み等を考慮し
て、ヘッドユニット20のホーム位置側が後部着脱パネ
ルユニット114に面している。また、左側壁111に
は、基板Wの搬入搬出を行うためのシャッタ付き受渡し
開口117が形成されている(図11参照)。
【0067】前部着脱パネルユニット113および後部
着脱パネルユニット114は、いずれも内パネルユニッ
ト121および外パネルユニット122の二重構造を有
している。内パネルユニット121は、左右の中間に縦
枠123aを有する枠体123と、縦枠123aにより
構成した左右の開口部(メンテナンス開口)にそれぞれ
着脱自在に装着した窓付きの一対の内パネル124,1
24とで構成されている(図13参照)。各内パネル1
24には、左右のハンドルの他、複数のロックレバーが
設けられており(いずれも図示省略)、内パネル124
は、けんどん形式で枠体123に当てがわれ且つこの複
数のロックレバーにより枠体123に気密に装着されて
いる。
【0068】同様に、外パネルユニット122は、左右
の中間に縦枠125aを有する枠体125と、縦枠12
5aにより構成した左右の開口部(メンテナンス開口)
にそれぞれ着脱自在に装着した窓付きの一対の外パネル
126,126とで構成されている(図13参照)。各
外パネル126には、左右のハンドル127,127の
他、複数のロックレバー128が設けられており、この
場合も外パネル126は、けんどん形式で枠体に当てが
われ且つこの複数のロックレバー128により枠体12
5に気密に装着されている。そして、外パネルユニット
122は、内パネルユニット121よりに幾分幅広に且
つ幾分丈が長く形成されていて、内外両パネル121,
122の着脱作業に支障を生じないようになっている
(図13参照)。
【0069】また、内外各パネル124,126には、
その上側に複数の電磁ロック装置129が組み込まれて
おり、チャンバルーム11内の酸素濃度に応じて、内外
各パネル124,126をロック・アンロックできるよ
うになっている(詳細は後述する)。すなわち、前部着
脱パネルユニット113および後部着脱パネルユニット
114は、電磁ロック装置129によりインターロック
されている。
【0070】右側壁112の後上部には、機械室13に
連なる送気口131が形成され、これに対応して左側壁
111の前下部には、排気ダクト102に連なる排気口
132が形成されている。また、チャンバルーム11の
天井部分には、送気口131に連なるフィルタチャンバ
133が形成されている。フィルタチャンバ133は、
天井部分を格子状のフィルタ装着枠134で水平に仕切
って構成され、このフィルタ装着枠134に複数(4
つ)のフィルタ(HEPAフィルタ)135が装着され
ている(図8参照)。
【0071】送気口131から流入した不活性ガスはフ
ィルタチャンバ133に流入し、複数のフィルタ135
を通過して液滴吐出装置6の上部に流入する。この場
合、送気口131から流入した不活性ガスは、フィルタ
(フィルタチャンバ133)135を通過するものの、
その気流の主体は、チャンバルーム11内をほぼ対角方
向に流れて排気口132に至るようになっている。そし
て、この対角方向の気流の主流路上には、液滴吐出装置
6の液滴吐出動作を行う領域、すなわち吐出エリアが臨
んでいる。
【0072】すなわち、チャンバルーム11内では、不
活性ガスの主気流が吐出エリアを包み込むように流れ、
且つ気流全体としはフィルタからダウンフローした後、
排気口132に向かって流れる。これにより、吐出エリ
アは、常に新鮮な不活性ガスの雰囲気に曝されることに
なる。なお、この場合の気流の流速は、機能液滴吐出ヘ
ッド4から吐出した機能液滴に飛行曲がりが生じない程
度に調整されていることは、言うまでもない。
【0073】機械室13の上部には、図外のガス製造装
置に連なるガス導入ユニット101が設けられており、
また機械室11の内部は、適宜隔壁137で仕切られ、
ガス導入ユニット101から上記の送気口131に至る
ガス流路138が形成されている。すなわち、機械室1
3の内部には、ガス流路138となるダクトが一体的に
形成されている。
【0074】ガス導入ユニット101には、上流側から
順に、ガス開閉バルブ(電磁弁)142、ガス調整ダン
パー(電動弁:高密度モータダンパー)143およびガ
ス開閉ダンパー(高密度モータダンパー)144から成
るガスダンパーユニット141が組み込まれている(図
7参照)。上述したように、実施形態のチャンバ装置3
では、不活性ガスの補給と排気とを連続して行う運転形
態をとっており、ガス開閉バルブ142およびガス開閉
ダンパー144を「開」とした状態で、ガス調整ダンパ
ー143により不活性ガスの補給流量が調整される。ま
た、後述する大気置換運転では、ガス開閉バルブ14
2、ガス調整ダンパー143およびガス開閉ダンパー1
44は、いずれも「閉」に制御される。
【0075】機械室13の内部に構成したガス流路13
8は、ガス導入ユニット101から機械室13の下部ま
で延び、ここでUターンして上部の送気口131に至る
ようになっている。そして、このガス流路138のう
ち、上方に向かう流路部分に、後述するガス調和機器1
55が組み込まれている。
【0076】また、ガス流路138は、図7に示すよう
に、ガス導入ユニット101の下流側で分岐しており、
ガス導入ユニット101からガス調和機器155を通過
して送気口131に至る一方の主ガス流路147と、ガ
ス導入ユニット101から直接送気口131に至る他方
のバイパス流路148とで構成されている。主ガス流路
147およびバイパス流路148には、それぞれ流路切
替え用の手動ダンパー149,150が設けられてお
り、この両手動ダンパー149,150は、チャンバ装
置3を設置した初期調整時にのみ調整される。
【0077】なお、図7にのみ示すが、チャンバルーム
11にはリターン流路(リターン口)151が形成され
ており、チャンバルーム11のリターンガスは、このリ
ターン流路151を介して機械室13に戻され、ガス調
和機器155の上流側において主ガス流路147に合流
する。但し、このリターンは予備的なものであり、通常
運転時にはリターン運転は行わない。
【0078】主ガス流路147には、クーラ(チーリン
グユニット)156、ヒータ(電気ヒータ)157およ
び2台のファン(シロッコファン)158,158から
成るガス調和機器155が介設されている。クーラ15
6およびヒータ157は、機械室の上下中間位置に隣接
して配置されており、温度調節装置を構成している。こ
れにより、チャンバルーム11内の不活性ガスの雰囲気
が、所定の温度、例えば実施形態のものでは20℃±
0.5℃に維持されるようになっている。
【0079】ファン158は、機械室13の上部にあっ
て、送気口131に近接して設けられている。ガス導入
ユニット101から導入した不活性ガスは、このファン
158により、送気口131を介してチャンバルーム1
1内に強制的に送気される。そして、このファン158
により、チャンバルーム11内への不活性ガスの補給量
およびチャンバルーム11内の気流の流速等が制御され
る。
【0080】排気流路を構成する排気ダクト102は、
排気口132の近傍に排気チャンバ161を有してお
り、この排気チャンバ161から立ち上がり、さらにチ
ャンバルーム11の上面に沿って水平に延在している。
排気ダクト102の下流側(チャンバルーム11の上面
に位置する部分)には、排気調整ダンパー163および
排気開閉ダンパー164から成る排気ダンパーユニット
162が介設され(図7参照)、この排気調整ダンパー
163により排気流量が調整される。
【0081】また、排気チャンバ161には、上記の前
部着脱パネルユニット113および後部着脱パネルユニ
ット114からそれぞれ延びる2本の排気パイプ(パネ
ル体排気流路)166,166が接続されている(図
8、図9および図11参照)。各排気パイプの上流端
は、内パネルユニット121と外パネルユニット122
との間の空隙130に連通しており、また各排気パイプ
166には排気バルブ(パネル体排気ダンパー)167
が介設されている。これにより、内外両パネルユニット
113,114の空隙130部分にリークした不活性ガ
スを排気できるようになっている(詳細は後述する)。
【0082】一方、ガス調和機器155の上流側におい
て主ガス流路147には、隔壁137により機械室内1
3に構成した外気流路171が合流している(図7参
照)。外気流路171の外気取入れ口172は、機械室
13の下部側面に開口しており、外気流路171の下流
端は、クーラ156の上流側で主ガス流路147に合流
している。また、外気流路171には、外気取入れ口1
72側から順に、外気開閉ダンパー174、外気調整ダ
ンパー175および外気開閉バルブ176から成る外気
ダンパーユニット173が介設されている。
【0083】この場合、外気開閉ダンパー174および
外気調整ダンパー175は高気密ダンパーで構成され、
外気開閉バルブ176は電磁弁(または電動二方弁)で
構成されている。詳細は後述するが、外気置換運転を行
う場合には、外気開閉ダンパー174、外気調整ダンパ
ー175および外気開閉バルブ176はいずれも「開」
に制御され、外気調整ダンパー175により外気の流量
調整が行われる。また通常運電時には、これらダンパー
174,175およびバルブ176はいずれも「閉」に
制御され、これらの高気密性と個数とにより、外気の侵
入を確実に遮断する。
【0084】次に、チャンバ装置3の運転方法について
簡単に説明する。チャンバルーム11に不活性ガスを導
入する通常運転時では、外気ダンパーユニット173を
「閉」とした状態で、ガスダンパーユニット141およ
び排気ダンパーユニット162を「開」とし、ファン1
58により、チャンバルーム11内に不活性ガスの補給
および排気を行って、その雰囲気を構成する。
【0085】ガス調整バルブ143には、コントローラ
181を介して、チャンバルーム11内に設けた酸素濃
度計(低濃度)182および水分計183が接続されて
おり、これらの計測結果に基づいて、不活性ガスの補給
流量が調整される。より具体的には、ガス調整バルブ1
43により、チャンバルーム11内の酸素濃度および水
分濃度がいずれも10ppm以下に維持されるように、
制御される。なお、図中の符号184は、酸素濃度を表
示するスケーリングメータである。
【0086】一方、排気調整ダンパー163には、コン
トローラ186を介して圧力計187が接続されてお
り、圧力計187の計測結果に基づいて、不活性ガスの
排気流量が調整される。すなわち、排気調整ダンパー1
63により、大気圧に対しチャンバルーム11内が幾分
正圧になるように、制御される。これにより、チャンバ
ルーム11から不活性ガスが漏れることはあっても、外
気の侵入は防止される。また、ガスダンパーユニット1
41の下流側近傍、および排気ダンパーユニット162
の上流側近傍には、それぞれ風速モニター188a,1
88bが設けられており、この風速モニター188a,
188bの風力差の変化により、ファン158の故障や
不活性ガスのリークが確認できるようになっている。
【0087】さらに、チャンバルーム11内には、温度
調節計(温度計)189が設けられており、温度調節計
189は、リレー190を介してヒータ157に接続さ
れている。この場合、温度調節装置のクーラ156は常
時定格運転となっており、ヒータ157により、チャン
バルーム11内が20℃±0.5℃になるように制御さ
れる。
【0088】一方、チャンバルーム11内の不活性ガス
追い出して外気を導入する大気置換運転では、ガスダン
パーユニット141を「閉」とし、外気ダンパーユニッ
ト173および排気ダンパーユニット162を「開」と
して、ファン158により、チャンバルーム11内に外
気を強制的に導入する。すなわち、チャンバルーム11
内に外気を強制送気し、チャンバルーム11内の不活性
ガスを押し出すようにする。また、両排気バルブ16
7,167を「開」とし、内外両パネルユニット12
1,122の空隙130部分にリークした不活性ガスも
排気する。
【0089】描画装置2のメンテナンス(着脱パネルユ
ニット113,114の開放)を前提とする大気置換運
転では、ヒータ157をOFFとすると共に、外気調整
ダンパー175および排気調整ダンパー163を「全
開」として、流量調整は行わない。これにより、最短時
間で大気置換が行われる。そして、チャンバルーム11
内に設けた酸素濃度計(高濃度)191の計測結果に基
づいて、大気置換の完了が確認され、且つ上記の電磁ロ
ック装置129のロック状態が解除される。これによ
り、前後両着脱パネルユニット113,114が開放可
能状態となる。
【0090】また、描画装置(液滴吐出装置6)2の精
度確認に関する試験運転を前提とする大気置換運転で
は、ヒータ157をONとすると共に、外気調整ダンパ
ー175および排気調整ダンパー163が流量調整さ
れ、チャンバルーム11内が所望の温度(20℃±0.
5℃)の雰囲気(大気)に置換される。
【0091】このように、描画装置2をチャンバルーム
11に収容し、液滴吐出装置6による液滴吐出作業を新
鮮な不活性ガスの雰囲気中で行うようにしているため、
基板W上に着弾した機能液滴(発光材料)が変質したり
損傷したりすることがなく、有機EL装置を安定に製造
することができる。また、大気置換を行う場合に、ファ
ン158を用いて外気をチャンバルーム11内に強制的
送り込むようにしているため、短時間で外気置換を行う
ことができる共に、不活性ガスの残留を極力防止するこ
とができる。
【0092】次に、電気光学装置1の第2実施形態につ
いて説明する。
【0093】図14ないし図17に示すように、この電
気光学装置201では、液滴吐出装置203をチャンバ
装置204のチャンバルーム205内に収容し、これを
キャビネット形式の架台206に支持して、描画装置2
02が構成されている。また、描画装置202に併設す
るようにしてエアー供給ユニット218を組み込んだ電
装ボックス207と、不活性ガスをチャンバルーム20
5内に導入するためのガス導入ユニット208と、これ
ら構成装置を操作する操作ユニット209とが設けられ
ている。このうち、ガス導入ユニット208は描画装置
202の側面に固定されているが、他の装置はそれぞれ
別体で構成され、個々に移動可能に付設されている。
【0094】チャンバルーム205内には、液滴吐出装
置203と共にその付帯装置が収容されている。付帯装
置は、機能液滴吐出ヘッド211の吐出液滴量を計測す
る電子天秤212、基板Wを画像認識する基板認識カメ
ラ213、機能液滴吐出ヘッド(吐出ノズル)211を
画像認識するヘッド認識カメラ214、基板W吸着用の
真空ポンプ216および機能液滴吐出ヘッド211のメ
ンテナンスに供するメンテナンス装置215等で構成さ
れている。
【0095】そして、本実施形態の構成装置を統括制御
する制御装置(制御手段)210は、上記の架台206
に搭載された装置コントロール用PC(パーソナルコン
ピュータ)210−1、ヘッド駆動用PC210−2お
よび画像処理装置210−3で構成されている。なお、
図示しないが、機能液タンク等の機能液供給系の装置
は、架台206上に配設されている。
【0096】なお、ホーム位置における機能液滴吐出ヘ
ッド211の中心位置、電子天秤212の中心位置およ
びヘッド認識カメラ214の中心位置は、横並びに同位
置(Y軸方向において同位置)となっている。また、基
板認識カメラ213は、基板Wの四隅に設けたアライメ
ントマークを認識すべく、X軸方向に移動自在に構成さ
れている。
【0097】メンテナンス装置215は、機能液滴吐出
ヘッド211の定期的なフラッシング(全吐出のノズル
からの機能液の捨て吐出)を受けるフラッシングユニッ
ト217と、機能液滴吐出ヘッド211の機能液吸引等
を行う吸引キャップ(図示省略)付きの吸引ポンプ21
9とで構成されている。なお、実施形態の機能液吸引
(クリーニング)およびワイピングは、手動で行われ
る。
【0098】操作部ユニット209は、両画像認識カメ
ラ213,214で撮像した画像を映し出す位置補正用
ディスプレイ222と、画像分割装置223と、操作処
理用のディスプレイ224およびキーボード225と
を、筐体226に搭載して構成されている。
【0099】そして、機能液滴吐出ヘッド211はサブ
キャリッジに搭載されてヘッドユニット228を構成し
ており(図18参照)、このヘッドユニット228が液
滴吐出装置203に着脱可能にセットされている。すな
わち、液滴吐出装置211は、このヘッドユニット22
8を搭載したX軸テーブル231と、X軸テーブル23
1に直交すると共に基板WをセットするY軸テーブル2
32とを備えている。また、ヘッドユニット228の近
傍に位置してX軸テーブル231には、着弾した基板W
上の機能液滴に不活性ガスを吹き付けて、これを乾燥さ
せるブロー装置233が搭載されている。
【0100】Y軸テーブル232は、Y軸方向の駆動系
を構成するY軸リニアガイド241およびY軸リニアモ
ータ242を有し、これにθテーブル243および基板
Wをエアー吸引する吸着テーブル244を搭載して、構
成されている。なお、図示では省略したが、吸着テーブ
ル244内には基板乾燥用のセラミックヒータが内蔵さ
れており、セラミックヒータは架台206に収容した温
調ユニット230により制御される。同様に、X軸テー
ブル231は、X軸方向の駆動系が構成するX軸リニア
ガイド245およびX軸リニアモータ246を有し、こ
れにメインキャリッジ247を搭載して、構成されてい
る。そして、メインキャリッジ247には、微調整ステ
ージ248を介してヘッドユニット228が吊設され、
且つヘッドユニット228の先方に位置して、上記のブ
ロー装置233が固定されている。
【0101】この場合、機能液滴吐出ヘッド211の駆
動(機能液滴の選択的吐出)に同期して基板Wが移動す
る構成であり、機能液滴吐出ヘッド211のいわゆる主
走査は、Y軸テーブル232の往動動作(または往復の
両動作)により行われる。また、これに対応して、いわ
ゆる副走査は、X軸テーブル231による機能液滴吐出
ヘッド211のX軸方向への往動動作により行われる。
さらに、上記の主走査を後方から追いかけるように(実
際には基板Wが移動)、ブロー装置233による不活性
ガスの吹付けが行われ、且つこれらの作業は、チャンバ
ルーム205内に充填した不活性ガス(窒素ガス)の雰
囲気中で行われる。なお、この実施形態では、単一の機
能液滴吐出ヘッド211が用いられており、機能液滴吐
出ヘッド211は主走査方向に対し幾分斜めに傾けて配
設されている(図18参照)。
【0102】このように構成された実施形態の描画装置
202では、図18の模式図に示すように、先ず、準備
段階として、ヘッドユニット228が液滴吐出装置20
3に運び込まれてこれにセットされる。ヘッドユニット
228がセットされると、X軸テーブル231が、ホー
ム位置にあるヘッドユニット228を電子天秤212の
直上部に移動させる。ここで、機能液滴吐出ヘッド21
1が駆動し、電子天秤212上に全吐出ノズルから複数
回に亘って機能液滴を吐出する。この機能液滴は電子天
秤212で計測され、その計測結果に基づいて、吐出ノ
ズルにおける1回の機能液滴の量(重量)が、制御装置
210により演算処理され、設計値になるようにヘッド
ドライバの印加電圧が補正される。もちろん、電子天秤
212の計測値を読み取って、人的処理により印加電圧
を補正することも可能である。
【0103】機能液滴の量的補正の後、再度X軸テーブ
ル231が駆動し、ホーム位置を越えてヘッドユニット
228をヘッド認識カメラ214に臨ませる。ここで、
ヘッド認識カメラ214によりヘッドユニット(機能液
滴吐出ヘッド211のノズル列)228が位置認識(画
像認識)され、この認識結果に基づいて、ヘッドユニッ
ト228のX・Y・θ補正が行われる。また同時に、機
能液滴吐出ヘッド211のノズル面の汚れ等が、ヘッド
認識カメラ214により認識される(汚れている場合ク
リーニングを行う)。そして、位置補正後、ヘッドユニ
ット228はホーム位置に戻る。
【0104】一方、Y軸テーブル232の吸着テーブル
244上に基板(この場合は、導入される基板毎)Wが
導入されると、Y軸テーブル232が基板Wを基板認識
カメラ213の直下に移動させ、X軸方向に移動する基
板認識カメラ213により基板Wの位置認識(画像認
識)が行われる。ここで、この認識結果に基づいて、基
板WのX・Y・θ補正が行われる。位置補正後、基板
(吸着テーブル244)Wはホーム位置に戻る。
【0105】このようにして準備が完了すると、実際の
液滴吐出作業では、先ずY軸テーブル232が駆動し、
基板Wを主走査方向に往動させると共に機能液滴吐出ヘ
ッド211を駆動して、機能液滴の基板Wへの選択的な
吐出動作が行われる。また、この吐出動作に同期してブ
ロー装置233が駆動し、基板W上に着弾した機能液滴
に不活性ガスを吹き付ける。すなわち、基板Wを固定と
して相対的に考えると、基板Wに対し機能液滴吐出ヘッ
ド211が往動して吐出動作が行われると共に、これに
後行してブロー装置233が移動し、着弾機能液滴への
不活性ガスによる乾燥動作が行われる。
【0106】吐出動作が終了して基板Wが復動した後、
こんどはX軸テーブル231が駆動し、ヘッドユニット
228を1ピッチ分、副走査方向に移動させ、再度基板
Wの主走査方向への往復移動と機能液滴吐出ヘッド21
1およびブロー装置233の駆動が行われる。そしてこ
れを、数回繰り返すことで、基板Wの端から端まで(全
領域)液滴吐出が行われる。なお、ブロー装置233に
より着弾した機能液滴はその溶剤が気化する(乾燥)
が、完全乾燥を期するために上記の処理の後、改めて図
外の乾燥装置に導入することが、好ましい。
【0107】また、本実施形態では、ヘッドユニット2
28に対し、その吐出対象物である基板Wを主走査方向
(Y軸方向)に移動させるようにしているが、ヘッドユ
ニット228を主走査方向に移動させる構成であっても
よい。また、ヘッドユニット228を固定とし、基板W
を主走査方向および副走査方向に移動させる構成であっ
てもよい。さらに、ヘッドユニット228のY軸方向へ
の相対的に往動時のみならず、復動時にも機能液滴の吐
出動作が行われる構成としてもよい。
【0108】次に、図19ないし図23(同時に図14
参照)を参照して、チャンバ装置204について詳細に
説明する。
【0109】チャンバ装置204は、液滴吐出装置20
3を収容するチャンバルーム205と、上記のガス導入
ユニット208と、ガス導入ユニット208からチャン
バルーム205内に不活性ガスを導入する供給チューブ
(ガス供給流路:図23参照)252と、チャンバルー
ム205から不活性ガスを排気する一対の排気ダクト
(排気流路)253,253とを備えている。また、大
気置換のために上記のエアー供給ユニットを備えてい
る。
【0110】チャンバルーム205は、直方体に組んだ
枠体261の6面にパネル262を気密に装着したもの
であり、液滴吐出装置203の機台を構成する底面パネ
ル262aを除いて他の5面のパネル262は、透明な
パネルで構成されている。左側面パネル262bの前部
および正面パネル262cの中央部は、広く脱着パネル
構造となっており、この部分にはそれぞれ手作業を行う
ための1組のグローブホルダ264,264が取り付け
られている。なお、他のパネル262は、枠体261に
嵌め殺しで装着されている。
【0111】また、背面パネル262dには、横並びに
2つの排気口265,265が形成され、この排気口2
65,265にそれぞれ上記の排気ダクト253,25
3が接続されている。図示しないが、この一対の排気ダ
クト253,253の下流側は、排気ダンパーを介して
ガス処理装置に接続されている。
【0112】ガス導入ユニット208は、描画装置20
2の外部にあって、架台206に添設するように設けら
れている(図17参照)。図23(b)に示すように、
ガス導入ユニット208には、ドライヤ、レギュレー
タ、フィルタ、開閉バルブ等が組み込まれており、圧
力、温度および湿度等が管理された不活性ガスを、チャ
ンバルーム205に供給できるようになっている。
【0113】同様に、エアー供給ユニット218は、描
画装置202の外部にあって、上記の電装ボックス20
7内に収容されている。(図16参照)。この場合も、
エアー供給ユニット218には、ドライヤ、レギュレー
タ、フィルタ、開閉バルブ等が組み込まれている。
【0114】図23(b)に示すように、供給チューブ
252は、ガス導入ユニット208の下流側で、ブロー
系、左パージ系および右パージ系の3系統に分岐してい
る。ブロー系供給チューブ271は、上記のブロー装置
233に接続されており、これにより供給される不活性
ガスは、ブロー装置233で加熱した後、基板Wに吹き
付けられる。
【0115】左パージ系供給チューブ272はさらに3
分岐し、この3本の左分岐チューブ272a,272
a,272aが、それぞれ流量計273および流量調整
バルブ274を介して(図21参照)、図19における
左側面パネル262bの隅部3個所に設けたガス吹出口
(送気口)275,275,275に接続されている。
この場合、ガス吹出口275の設置位置は、左側面パネ
ル262bの隅部のうち、排気口265から最も離れた
隅部3個所となっている。
【0116】同様に、右パージ系供給チューブ277は
3分岐し、この3本の右分岐チューブ277a,277
a,277aが、それぞれ流量計273および流量調整
バルブ274を介して(図22参照)、図19における
右側面パネル262eの隅部3個所に設けたガス吹出口
(送気口)275に接続されている。この場合も、ガス
吹出口275の設置位置は、左側面パネル262eの隅
部のうち、排気口265から最も離れた隅部3個所とな
っている。すなわち、排気口265から離間した位置に
設けた6個のガス吹出口275は、個々に、不活性ガス
の吹出し流量を調整できるようになっている。
【0117】第2実施形態のチャンバ装置204も、上
記実施形態と同様に、不活性ガスの補給と排気とを連続
させて、チャンバルーム205内に良好な雰囲気を構成
する運転形態をとっており、ガス導入ユニット208に
より不活性ガスの全体の補給量が調整されるが、さらに
計6個のガス吹出口275毎に、不活性ガスの補給量が
調整される。
【0118】例えば、後下部の一対の排気口265,2
65から最も離れた前上部の2つのガス吹出口275,
275における不活性ガスの吹出し流量を他のものより
多くして、チャンバルーム205内の気流が略対角方向
に流れるようにすることが、好ましい。これにより、不
活性ガスの主流路が、液滴吐出装置203の液滴吐出動
作を行う領域、すなわち吐出エリアに交差するように且
つこれを包み込むように流れ、吐出エリアに常に新鮮な
不活性ガスを供給することができる。
【0119】また、チャンバルーム205内には、6つ
のガス吹出口275から不活性ガスが流入するため、不
活性ガスのガス溜まりが生じ難く、全体として新鮮な不
活性ガスによる雰囲気を構成することができる。なお、
不活性ガスのガス溜まりを防止する他の対策としては、
隅部をアール形状に埋めることや、気流の流れ方向を調
整する邪魔板等を設けることも可能である。
【0120】一方、図23(a)に示すように、エアー
供給ユニット218に連なるエアーチューブ281も、
エアー供給ユニット218の下流側で、左パージ系およ
び右パージ系の2系統に分岐している。そして、左パー
ジ系エアーチューブ282は3分岐し、この3本の左分
岐チューブ282aが、それぞれ流量計283および流
量調整バルブ284を介して(図21参照)、図19に
おける左側面パネル262bの隅部3個所に設けたエア
ー吹出口(送気口)285,285に接続されている。
同様に、右パージ系供給チューブ287は3分岐し、こ
の3本の右分岐チューブ287aが、それぞれ流量計2
83および流量調整バルブ284を介して(図22参
照)、図19における右側面パネル262eの隅部3個
所に設けたエアー吹出口(送気口)285,285,2
85に接続されている。
【0121】このように構成されたエアー供給ユニット
218を用いて、チャンバルーム205内の大気置換を
行う場合には、単純に、ガス導入ユニット208を閉塞
しておいて、エアー供給ユニット218を開放し、6つ
のガス吹出口285から圧縮エアーをチャンバルーム2
05内に導入し、不活性ガスを排気口265に向かって
押し出すようにする。
【0122】次に、上記第1および第2実施形態の電気
光学装置1,201を用いた有機EL装置の製造方法に
ついて説明する。
【0123】図24ないし図36は、有機EL装置の製
造プロセスと共にその構造を表している。この製造プロ
セスは、バンク部形成工程と、プラズマ処理工程と、正
孔注入/輸送層形成工程及び発光層形成工程からなる発
光素子形成工程と、対向電極形成工程と、封止工程とを
具備して構成されている。
【0124】バンク部形成工程では、基板501に予め
形成した回路素子部502上及び電極511(画素電極
ともいう)上の所定の位置に、無機物バンク層512a
と有機物バンク層512bを積層することにより、開口
部512gを有するバンク部512を形成する。このよ
うに、バンク部形成工程には、電極511の一部に、無
機物バンク層512aを形成する工程と、無機物バンク
層の上に有機物バンク層512bを形成する工程が含ま
れる。
【0125】まず無機物バンク層512aを形成する工
程では、図24に示すように、回路素子部502の第2
層間絶縁膜544b上及び画素電極511上に、無機物
バンク層512aを形成する。無機物バンク層512a
を、例えばCVD法、コート法、スパッタ法、蒸着法等
によって層間絶縁層514及び画素電極511の全面に
SiO2、TiO2等の無機物膜を形成する。
【0126】次にこの無機物膜をエッチング等によりパ
ターニングして、電極511の電極面511aの形成位
置に対応する下部開口部512cを設ける。このとき、
無機物バンク層512aを電極511の周縁部と重なる
ように形成しておく必要がある。このように、電極51
1の周縁部(一部)と無機物バンク層512aとが重な
るように無機物バンク層512aを形成することによ
り、発光層510の発光領域を制御することができる。
【0127】次に有機物バンク層512bを形成する工
程では、図25に示すように、無機物バンク層512a
上に有機物バンク層512bを形成する。有機物バンク
層512bをフォトリソグラフィ技術等によりエッチン
グして、有機物バンク層512bの上部開口部512d
を形成する。上部開口部512dは、電極面511a及
び下部開口部512cに対応する位置に設けられる。
【0128】上部開口部512dは、図25に示すよう
に、下部開口部512cより広く、電極面511aより
狭く形成することが好ましい。これにより、無機物バン
ク層512aの下部開口部512cを囲む第1積層部5
12eが、有機物バンク層512bよりも電極511の
中央側に延出された形になる。このようにして、上部開
口部512d、下部開口部512cを連通させることに
より、無機物バンク層512a及び有機物バンク層51
2bを貫通する開口部512gが形成される。
【0129】次にプラズマ処理工程では、バンク部51
2の表面と画素電極の表面511aに、親インク性を示
す領域と、撥インク性を示す領域を形成する。このプラ
ズマ処理工程は、予備加熱工程と、バンク部512の上
面(512f)及び開口部512gの壁面並びに画素電
極511の電極面511aを親インク性を有するように
加工する親インク化工程と、有機物バンク層512bの
上面512f及び上部開口部512dの壁面を、撥イン
ク性を有するように加工する撥インク化工程と、冷却工
程とに大別される。
【0130】まず、予備加熱工程では、バンク部512
を含む基板501を所定の温度まで加熱する。加熱は、
例えば基板501を載せるステージにヒータを取り付
け、このヒータで当該ステージごと基板501を加熱す
ることにより行う。具体的には、基板501の予備加熱
温度を、例えば70〜80℃の範囲とすることが好まし
い。
【0131】つぎに、親インク化工程では、大気雰囲気
中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ
処理)を行う。このO2プラズマ処理により、図26に
示すように、画素電極511の電極面511a、無機物
バンク層512aの第1積層部512e及び有機物バン
ク層512bの上部開口部512dの壁面ならびに上面
512fが親インク処理される。この親インク処理によ
り、これらの各面に水酸基が導入されて親インク性が付
与される。図26では、親インク処理された部分を一点
鎖線で示している。
【0132】つぎに、撥インク化工程では、大気雰囲気
中で4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理(C
4プラズマ処理)を行う。CF4プラズマ処理により、
図27に示すように、上部開口部512d壁面及び有機
物バンク層の上面512fが撥インク処理される。この
撥インク処理により、これらの各面にフッ素基が導入さ
れて撥インク性が付与される。図27では、撥インク性
を示す領域を二点鎖線で示している。
【0133】次に、冷却工程では、プラズマ処理のため
に加熱された基板501を室温、またはインクジェット
工程(液滴吐出工程)の管理温度まで冷却する。プラズ
マ処理後の基板501を室温、または所定の温度(例え
ばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却するこ
とにより、次の正孔注入/輸送層形成工程を一定の温度
で行うことができる。
【0134】次に発光素子形成工程では、画素電極51
1上に正孔注入/輸送層及び発光層を形成することによ
り発光素子を形成する。発光素子形成工程には、4つの
工程が含まれる。即ち、正孔注入/輸送層を形成するた
めの第1組成物を各前記画素電極上に吐出する第1液滴
吐出工程と、吐出された前記第1組成物を乾燥させて前
記画素電極上に正孔注入/輸送層を形成する正孔注入/
輸送層形成工程と、発光層を形成するための第2組成物
を前記正孔注入/輸送層の上に吐出する第2液滴吐出工
程と、吐出された前記第2組成物を乾燥させて前記正孔
注入/輸送層上に発光層を形成する発光層形成工程とが
含まれる。
【0135】まず、第1液滴吐出工程では、インクジェ
ット法(液滴吐出法)により、正孔注入/輸送層形成材
料を含む第1組成物を電極面511a上に吐出する。な
お、この第1液滴吐出工程以降は、水、酸素の無い窒素
雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うこ
とが好ましい。(なお、画素電極上にのみ正孔注入/輸
送層を形成する場合は、有機物バンク層に隣接して形成
される正孔注入/輸送層は形成されない)
【0136】図28に示すように、インクジェットヘッ
ド(機能液滴吐出ヘッド)Hに正孔注入/輸送層形成材
料を含む第1組成物を充填し、インクジェットヘッドH
の吐出ノズルを下部開口部512c内に位置する電極面
511aに対向させ、インクジェットヘッドHと基板5
01とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当た
りの液量が制御された第1組成物滴510cを電極面5
11a上に吐出する。
【0137】ここで用いる第1組成物としては、例え
ば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリ
チオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の
混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることが
できる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアル
コール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクト
ン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト
−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグ
リコールエーテル類等を挙げることができる。なお、正
孔注入/輸送層形成材料は、R・G・Bの各発光層51
0bに対して同じ材料を用いても良く、発光層毎に変え
ても良い。
【0138】図28に示すように、吐出された第1組成
物滴510cは、親インク処理された電極面511a及
び第1積層部512e上に広がり、下部、上部開口部5
12c、512d内に満たされる。電極面511a上に
吐出する第1組成物量は、下部、上部開口部512c、
512dの大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層
の厚さ、第1組成物中の正孔注入/輸送層形成材料の濃
度等により決定される。また、第1組成物滴510cは
1回のみならず、数回に分けて同一の電極面511a上
に吐出しても良い。
【0139】次に正孔注入/輸送層形成工程では、図2
9に示すように、吐出後の第1組成物を乾燥処理及び熱
処理して第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させるこ
とにより、電極面511a上に正孔注入/輸送層510
aを形成する。乾燥処理を行うと、第1組成物滴510
cに含まれる極性溶媒の蒸発が、主に無機物バンク層5
12a及び有機物バンク層512bに近いところで起
き、極性溶媒の蒸発に併せて正孔注入/輸送層形成材料
が濃縮されて析出する。
【0140】これにより図29に示すように、乾燥処理
によって電極面511a上でも極性溶媒の蒸発が起き、
これにより電極面511a上に正孔注入/輸送層形成材
料からなる平坦部510aが形成される。電極面511
a上では極性溶媒の蒸発速度がほぼ均一であるため、正
孔注入/輸送層の形成材料が電極面511a上で均一に
濃縮され、これにより均一な厚さの平坦部510aが形
成される。
【0141】次に第2液滴吐出工程では、インクジェッ
ト法(液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2
組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出する。この
第2液滴吐出工程では、正孔注入/輸送層510aの再
溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組
成物の溶媒として、正孔注入/輸送層510aに対して
不溶な非極性溶媒を用いる。
【0142】しかしその一方で正孔注入/輸送層510
aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶
媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐
出しても、正孔注入/輸送層510aと発光層510b
とを密着させることができなくなるか、あるいは発光層
510bを均一に塗布できないおそれがある。そこで、
非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/
輸送層510aの表面の親和性を高めるために、発光層
を形成する前に表面改質工程を行うことが好ましい。
【0143】そこでまず、表面改質工程について説明す
る。表面改質工程は、発光層形成の際に用いる第1組成
物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒であ
る表面改質用溶媒を、インクジェット法(液滴吐出
法)、スピンコート法またはディップ法により正孔注入
/輸送層510a上に塗布した後に乾燥することにより
行う。
【0144】例えば、インクジェット法による塗布は、
図30に示すように、インクジェットヘッドHに、表面
改質用溶媒を充填し、インクジェットヘッドHの吐出ノ
ズルを基板(すなわち、正孔注入/輸送層510aが形
成された基板)に対向させ、インクジェットヘッドHと
基板501とを相対移動させながら、吐出ノズルHから
表面改質用溶媒510dを正孔注入/輸送層510a上
に吐出することにより行う。そして、図31に示すよう
に、表面改質用溶媒510dを乾燥させる。
【0145】次に第2液滴吐出工程では、インクジェッ
ト法(液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2
組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出する。図3
2に示すように、インクジェットヘッドHに、青色
(B)発光層形成材料を含有する第2組成物を充填し、
インクジェットヘッドHの吐出ノズルを下部、上部開口
部512c、512d内に位置する正孔注入/輸送層5
10aに対向させ、インクジェットヘッドHと基板50
1とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たり
の液量が制御された第2組成物滴510eとして吐出
し、この第2組成物滴510eを正孔注入/輸送層51
0a上に吐出する。
【0146】発光層形成材料としては、ポリフルオレン
系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘
導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾー
ル、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン
系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有機
EL材料をドープして用いる事ができる。例えば、ルブ
レン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、
テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン
6、キナクリドン等をドープすることにより用いること
ができる。
【0147】非極性溶媒としては、正孔注入/輸送層5
10aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロ
へキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチ
ルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることがで
きる。このような非極性溶媒を発光層510bの第2組
成物に用いることにより、正孔注入/輸送層510aを
再溶解させることなく第2組成物を塗布できる。
【0148】図32に示すように、吐出された第2組成
物510eは、正孔注入/輸送層510a上に広がって
下部、上部開口部512c、512d内に満たされる。
第2組成物510eは1回のみならず、数回に分けて同
一の正孔注入/輸送層510a上に吐出しても良い。こ
の場合、各回における第2組成物の量は同一でも良く、
各回毎に第2組成物量を変えても良い。
【0149】次に発光層形成工程では、第2組成物を吐
出した後に乾燥処理及び熱処理を施して、正孔注入/輸
送層510a上に発光層510bを形成する。乾燥処理
は、吐出後の第2組成物を乾燥処理することにより第2
組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発して、図33に示す
ような青色(B)発光層510bを形成する。
【0150】続けて、図34に示すように、青色(B)
発光層510bの場合と同様にして、赤色(R)発光層
510bを形成し、最後に緑色(G)発光層510bを
形成する。なお、発光層510bの形成順序は、前述の
順序に限られるものではなく、どのような順番で形成し
ても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順
番を決める事も可能である。
【0151】次に対向電極形成工程では、図35に示す
ように、発光層510b及び有機物バンク層512bの
全面に陰極503(対向電極)を形成する。なお,陰極
503は複数の材料を積層して形成しても良い。例え
ば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料を形成す
ることが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが
可能であり、また材料によっては下層にLiF等を薄く
形成した方が良い場合もある。また、上部側(封止側)
には下部側よりも仕事関数が高いものが好ましい。これ
らの陰極(陰極層)503は、例えば蒸着法、スパッタ
法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法
で形成することが、発光層510bの熱による損傷を防
止できる点で好ましい。
【0152】また、フッ化リチウムは、発光層510b
上のみに形成しても良く、更に青色(B)発光層510
b上のみに形成しても良い。この場合、他の赤色(R)
発光層及び緑色(G)発光層510b、510bには、
LiFからなる上部陰極層503bが接することとな
る。また陰極12の上部には、蒸着法、スパッタ法、C
VD法等により形成したAl膜、Ag膜等を用いること
が好ましい。また、陰極503上に、酸化防止のために
SiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
【0153】最後に、図36に示す封止工程では、窒
素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で、有
機EL素子504上に封止用基板505を積層する。封
止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰
囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極50
3にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部
分から水や酸素等が陰極503に侵入して陰極503が
酸化されるおそれがあるので好ましくない。そして最後
に、フレキシブル基板の配線に陰極503を接続すると
ともに、駆動ICに回路素子部502の配線を接続する
ことにより、本実施形態の有機EL装置500が得られ
る。
【0154】
【発明の効果】以上のように、本発明のチャンバ装置の
運転方法およびチャンバ装置によれば、不活性ガスの補
給および排気により、チャンバルーム内の雰囲気が構成
されるため、チャンバルーム内を常に新鮮な不活性ガス
の雰囲気に維持することができる。また、チャンバルー
ム内における雰囲気の温度や酸素濃度等の調節を簡単に
行うことができる。したがって、良好な環境でワーク処
理等を行うことができる。
【0155】また、本発明の電気光学装置および有機E
L装置によれば、新鮮な不活性ガスの雰囲気中でワーク
処理を行うことができるため、ワーク処理(有機EL装
置の製造)における信頼性および品質を高レベルに維持
することができる。したがって、有機EL装置において
は、高品質で且つ信頼性の高いものを低コストで提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電気光学装置の外観斜
視図である。
【図2】実施形態に係る描画装置の外観斜視図である。
【図3】実施形態に係る描画装置の外観正面図である。
【図4】実施形態に係る描画装置の外観側面図である。
【図5】実施形態に係る描画装置の外観平面図である。
【図6】実施形態に係る描画装置の液滴吐出装置の模式
図である。
【図7】実施形態に係るチャンバ装置のシステム系統図
である。
【図8】実施形態に係るチャンバ装置の平面図である。
【図9】実施形態に係るチャンバ装置の正面図である。
【図10】実施形態に係るチャンバ装置の右側面図であ
る。
【図11】実施形態に係るチャンバ装置の左側面図であ
る。
【図12】実施形態に係るチャンバ装置の背面図であ
る。
【図13】実施形態に係るチャンバ装置の着脱パネルユ
ニットの横断面図(a)および横断面図(b)である。
【図14】第2実施形態に係る電気光学装置の外観斜視
図である。
【図15】第2実施形態に係る電気光学装置の外観正面
図である。
【図16】第2実施形態に係る電気光学装置の外観側面
図である。
【図17】第2実施形態に係る電気光学装置の外観平面
図である。
【図18】第2実施形態に係る描画装置の液滴吐出装置
における動作概念図である。
【図19】第2実施形態に係るチャンバ装置の平面図で
ある。
【図20】第2実施形態に係るチャンバ装置の正面図で
ある。
【図21】第2実施形態に係るチャンバ装置の左側面図
である。
【図22】第2実施形態に係るチャンバ装置の右側面図
である。
【図23】第2実施形態に係るチャンバ装置のシステム
系統図である。
【図24】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
けるバンク部形成工程(無機物バンク)の断面図であ
る。
【図25】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
けるバンク部形成工程(有機物バンク)の断面図であ
る。
【図26】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
けるプラズマ処理工程(親水化処理)の断面図である。
【図27】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
けるプラズマ処理工程(撥水化処理)の断面図である。
【図28】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
ける正孔注入層形成工程(液滴吐出)の断面図である。
【図29】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
ける正孔注入層形成工程(乾燥)の断面図である。
【図30】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
ける表面改質工程(液滴吐出)の断面図である。
【図31】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
ける表面改質工程(乾燥)の断面図である。
【図32】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
けるB発光層形成工程(液滴吐出)の断面図である。
【図33】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
けるB発光層形成工程(乾燥)の断面図である。
【図34】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
けるR・G・B発光層形成工程の断面図である。
【図35】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
ける対向電極形成工程の断面図である。
【図36】実施形態に係る有機EL装置の製造方法にお
ける封止工程の断面図である。
【符号の説明】
1 電気光学装置 2 描画装置 3 チャンバ装置 4 機能液滴
吐出ヘッド 6 液滴吐出装置 11 チャンバ
ルーム 12 電気室 13 機械室 17 X軸テーブル 18 Y軸テ
ーブル 20 ヘッドユニット 101 ガス導
入ユニット 102 排気ダクト 113 前部
着脱パネルユニット 114 後部着脱パネルユニット 121 内パ
ネルユニット 122 外パネルユニット 124 内パ
ネル 126 外パネル 129 電磁
ロック装置 130 空隙 131 送気
口 132 排気口 133 フィ
ルタチャンバ 135 フィルタ 137 隔壁 138 ガス流路 141 ガス
ダンパーユニット 142 ガス開閉バルブ 143 ガス
調整バルブ 144 ガス開閉ダンパー 147 主ガ
ス流路 155 ガス調和機器 156 クー
ラ 157 ヒータ 158 ファ
ン 161 排気チャンバ 162 排気
ダンパーユニット 163 排気調整ダンパー 164 排気
開閉ダンパー 166 排気パイプ 167 排気
バルブ 171 外気流路 172 外気
取入れ口 173 外気ダンパーユニット 174 外気
開閉ダンパー 175 外気調整ダンパー 176 外気
開閉バルブ 201 電気光学装置 202 描画
装置 203 液滴吐出装置 204 チャ
ンバ装置 205 チャンバルーム 208 ガス
導入ユニット 211 機能液滴吐出ヘッド 228 ヘッ
ドユニット 231 X軸テーブル 232 Y軸
テーブル 252 供給チューブ 253 排気
ダクト 265 排気口 274 流量
調整バルブ 275 ガス吹出口 500 有機
EL装置 501 基板 504 有機
EL素子 510a 正孔注入/輸送層 510b 発
光層 W 基板

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガスの補給および排気を連続させ
    て、チャンバルーム内に不活性ガスの雰囲気を構成する
    ことを特徴とするチャンバ装置の運転方法。
  2. 【請求項2】 前記チャンバルームは略直方体形状を有
    し、 前記補給および前記排気に伴う不活性ガスの気流を、前
    記チャンバルームの略対角方向に流すことを特徴とする
    請求項1に記載のチャンバ装置の運転方法。
  3. 【請求項3】 前記チャンバルームは略直方体形状を有
    し、 前記不活性ガスの補給を、前記チャンバール内の複数の
    隅部から行うことを特徴とする請求項1に記載のチャン
    バ装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 大気圧に対し、前記チャンバルーム内が
    正圧に保たれることを特徴とする請求項1、2または3
    に記載のチャンバ装置の運転方法。
  5. 【請求項5】 ワーク処理を不活性ガスの雰囲気中で行
    うことを要するワーク処理装置を、チャンバルーム内に
    収容するチャンバ装置であって、 略直方体形状に形成された前記チャンバルームと、 前記チャンバルーム内に不活性ガスを供給するガス供給
    流路と、 前記ガス供給流路に連なると共に前記チャンバルームに
    開口した送気口と、 前記チャンバルーム内の不活性ガスを排気する排気流路
    と、 前記排気流路に連なると共に前記チャンバルームに開口
    した排気口とを備え、 前記送気口と前記排気口とが相互に略対角位置に配設さ
    れていることを特徴とするチャンバ装置。
  6. 【請求項6】 前記ガス供給流路にはガスダンパーが介
    設され、且つ前記排気流路には排気ダンパーが介設さ
    れ、 前記チャンバルームに対し不活性ガスの補給および排気
    を連続させるために、前記ガスダンパーおよび前記排気
    ダンパーは常時「開」に制御されていることを特徴とす
    る請求項5に記載のチャンバ装置。
  7. 【請求項7】 収容される前記ワーク処理装置は、前記
    チャンバルームの上部空間の水平面内においてワーク処
    理エリアを有し、 前記送気口は前記チャンバルームの上端部に開口し、前
    記排気口は前記チャンバルームの下端部に開口している
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のチャンバ装
    置。
  8. 【請求項8】 前記送気口から前記排気口に流れる不活
    性ガスの主気流が、前記ワーク処理エリアに交差するこ
    とを特徴とする請求項7に記載のチャンバ装置。
  9. 【請求項9】 前記チャンバルームの天井部には、前記
    送気口に連なると共に下面を開放したフィルタチャンバ
    と、前記フィルタチャンバの下面開放部に装着したフィ
    ルタとが設けられていることを特徴とする請求項7また
    は8に記載のチャンバ装置。
  10. 【請求項10】 前記フィルタは、少なくとも前記ワー
    ク処理エリアを包含する大きさを有していることを特徴
    とする請求項9に記載のチャンバ装置。
  11. 【請求項11】 前記ガス供給流路には、前記送気口を
    介して不活性ガスを前記チャンバルームに強制送気する
    ファンが介設されていることを特徴とする請求項5ない
    し10のいずれかに記載のチャンバ装置。
  12. 【請求項12】 前記ガス供給流路には、不活性ガスの
    温度を調節する温度調節装置が介設されていることを特
    徴とする請求項5ないし11のいずれかに記載のチャン
    バ装置。
  13. 【請求項13】 ワーク処理を不活性ガスの雰囲気中で
    行うことを要するワーク処理装置を、チャンバルーム内
    に収容するチャンバ装置であって、 略直方体形状に形成された前記チャンバルームと、 前記チャンバルーム内に不活性ガスを供給するガス供給
    流路と、 前記ガス供給流路の下流端に設けられると共に前記チャ
    ンバルーム内に開口した複数の送気口と、 前記チャンバルーム内の不活性ガスを排気する排気流路
    と、 前記排気流路に連なると共に前記チャンバルームに開口
    した排気口とを備え、 前記各送気口は、前記排気口から離間した前記チャンバ
    ルーム内の複数の隅部に配設されていることを特徴とす
    るチャンバ装置。
  14. 【請求項14】 前記ガス供給流路にはガスダンパーが
    介設され、且つ前記排気流路には排気ダンパーが介設さ
    れ、 前記チャンバルームに対し不活性ガスの補給および排気
    を連続させるために、前記ガスダンパーおよび前記排気
    ダンパーは常時「開」に制御されていることを特徴とす
    る請求項13に記載のチャンバ装置。
  15. 【請求項15】 前記複数の送気口は、個々に流量調節
    可能に構成され、 前記排気口からの離間距離が長い送気口は多流量に短い
    送気口は少流量にそれぞれ調整されていることを特徴と
    する請求項13または14に記載のチャンバ装置。
  16. 【請求項16】 収容される前記ワーク処理装置は、前
    記チャンバルーム内の水平面内においてワーク処理エリ
    アを有し、 前記複数の送気口から前記排気口に流れる不活性ガスの
    主気流が、前記ワーク処理エリアに交差することを特徴
    とする請求項13、14または15に記載のチャンバ装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項5ないし16のいずれかに記載
    のチャンバ装置と、前記チャンバ装置に収容した前記ワ
    ーク処理装置と、を備えたことを特徴とする電気光学装
    置。
  18. 【請求項18】 前記ワーク処理装置が、有機EL装置
    の製造装置であることを特徴とする請求項17に記載の
    電気光学装置。
  19. 【請求項19】 前記有機EL装置の製造装置が、ワー
    クである基板に対し、発光機能材料を導入した機能液滴
    吐出ヘッドを相対的に走査し、前記発光機能材料を選択
    的に吐出して前記基板上の多数の画素領域に有機EL機
    能層を形成する液滴吐出装置を有していることを特徴と
    する請求項18に記載の電気光学装置。
  20. 【請求項20】 有機EL機能層が、EL発光層および
    正孔注入層のうち少なくとも前記EL発光層であること
    を特徴とする請求項19に記載の電気光学装置。
  21. 【請求項21】 前記ファンによる前記ワーク処理エリ
    アにおける気流が、前記機能液滴吐出ヘッドから吐出し
    た前記発光機能材料に飛行曲がりを生じない速度に調整
    されていることを特徴とする請求項19または20に記
    載の電気光学装置。
  22. 【請求項22】 請求項18ないし21のいずれかに記
    載の電気光学装置により製造されたことを特徴とする有
    機EL装置。
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