JP2003272809A - 条材の誘導加熱装置および誘導加熱方法 - Google Patents

条材の誘導加熱装置および誘導加熱方法

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JP2003272809A
JP2003272809A JP2002070834A JP2002070834A JP2003272809A JP 2003272809 A JP2003272809 A JP 2003272809A JP 2002070834 A JP2002070834 A JP 2002070834A JP 2002070834 A JP2002070834 A JP 2002070834A JP 2003272809 A JP2003272809 A JP 2003272809A
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Masayasu Fukazawa
正保 深澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断面異形条に対しても、幅方向の各部で正確
な温度制御が行える条材の誘導加熱装置および方法を提
供する。 【解決手段】 この装置は、条材送り機構と、条材Tの
両面を挟むように配置されたチャンネル型インダクター
12,18と、これらインダクターに高周波電流を供給
する高周波電源とを具備する。チャンネル型インダクタ
ー12,18であるコイル12Aは、条材Tの側縁を迂
回する一対の迂回部12Bと、これら迂回部12Bの一
端同士をつなぎ条材の第1面に対向する第1部12C
と、迂回部12Bの他端同士をつなぎ条材の第2面に対
向する第2部12Dとを有し、第1部12Cと第2部1
2Dは、電流の流れる向きが互いに逆である。前記高周
波電源からの高周波電流の周波数を条材の薄肉部の臨界
周波数よりも低く設定することにより、条材の厚肉部と
薄肉部を略等しい温度に加熱することが容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、条材の誘導加熱装
置および誘導加熱方法に関し、特に、厚さが部分的に異
なる断面異形条の加熱温度を局部的に制御する場合に好
適な装置およびそれを用いた誘導加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製の条材を加熱する方法として、条
材に近づけて誘導加熱コイルを配置し、この誘導加熱コ
イルに高周波電流を流すことにより、条材内部に渦電流
を発生させ、条材を加熱する誘導加熱方法が知られてい
る。このような場合、誘導加熱コイルは、図8のように
条材の断面を囲むように配置されるか、または図9のよ
うに条材の一面または両面と平行に対向させて配置され
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体素子
製造用のリードフレームを製造する場合などには、幅方
向の断面において局部的に厚さが異なる、断面異形条と
称される金属条材が素材として使用される。この種の断
面異形条を加熱処理する目的で、図8または図9に示す
ように配置された誘導加熱コイルを使用すると、厚肉部
と薄肉部における渦電流の単位密度が相違し、加熱温度
が一定にならないという問題を有していた。
【0004】そこで、図10に示すように、幅の狭いU
字状をなすコイルを有するヘアピン型インダクターを、
断面異形条Tの厚肉部TAおよび薄肉部TBのそれぞれ
に対向させて配置し(図10では一つのインダクターの
み図示)、これらインダクターにより厚肉部TAと薄肉
部TBをそれぞれ独立して加熱することにより、各部の
温度を個別に制御し、均一な加熱を可能にすることも考
えられる。
【0005】しかし、例えば厚肉部TAの幅Aが小さ
く、U字状コイルの幅も必然的に小さい場合には、コイ
ルと条材との距離BがB<Aであれば加熱が行われる
が、B>AとなるとU字状コイルの往復電路でそれぞれ
発生した磁界が厚肉部TA内部でうち消し合い、加熱効
率が極端に低下する。すなわち、B=Aを境として加熱
効率が大きく変化するから、U字状コイルと条材Tとの
距離を正確に保たないと均一に加熱できないことにな
る。しかし、高速で走行する条材Tとコイルとの距離
を、加熱変動量が許容値以下になるように、一定に保つ
ことは構造上難しかった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、例えば断面異形条に対しても、幅方向の各部で正確
な温度制御が行える条材の誘導加熱装置および誘導加熱
方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る条材の誘導加熱装置は、条材をその長
手方向に走行させる条材送り機構と、前記条材の両面を
挟むように配置されたチャンネル型インダクターと、こ
のチャンネル型インダクターに高周波電流を供給する高
周波電源とを具備する条材の誘導加熱装置であって、前
記チャンネル型インダクターは、前記条材の側縁を迂回
する一対の迂回部と、これら迂回部の一端同士をつなぎ
前記条材の第1面に対向する第1部と、前記迂回部の他
端同士をつなぎ前記条材の第2面に対向する第2部とを
有し、前記チャンネル型インダクターの前記第1部と前
記第2部は、電流の流れる向きが互いに逆であることを
特徴とする。
【0008】また、本発明の誘導加熱方法は、前記条材
の誘導加熱装置を用い、厚肉部と薄肉部を有する条材を
誘導加熱する誘導加熱方法であって、前記高周波電源か
らの高周波電流の周波数を前記薄肉部の臨界周波数より
も低く設定することにより前記厚肉部と前記薄肉部を略
等しい温度に加熱することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る条材の誘導
加熱装置の第1実施形態を示す側面図、図2は平面図、
図3は図1中のIII-III線視断面図である。図中符号1
は雰囲気チャンバーであり、この雰囲気チャンバー1内
には外部のガス供給源から窒素等の不活性ガスまたは水
素等の還元性ガスが供給される。この実施形態は、厚肉
部TAと薄肉部TBを有する断面異形条Tを加熱するも
のであるが、本発明はこの実施形態に限定されず、均一
な厚さの条材を加熱する用途にも使用可能である。
【0010】図1に示すように、断面異形条Tは、図示
しない条材送り機構、例えば送りロール等により水平に
走行され、水平状態を保ったまま雰囲気チャンバー1を
通過する。雰囲気チャンバー1の入口および出口にはシ
ール部材8が設けられ、雰囲気チャンバー1からの雰囲
気ガス流出が抑制され、雰囲気チャンバー1内が不活性
または還元性雰囲気に保たれ、断面異形条Tの表面が酸
化しないようになっている。雰囲気チャンバー1の入口
側および出口側には、断面異形条Tの走行経路を規制す
るガイド機構2、20がそれぞれ配置されている。これ
らガイド機構2、20は、例えば断面異形条Tを支える
複数のガイドロールを供えたものであり、それぞれがガ
イド支持機構4に取り付けられている。ガイド支持機構
4は、ハンドル6を回転することによりガイド機構2、
20を断面異形条Tの幅方向に移動させることができ、
これにより雰囲気チャンバー1内における断面異形条T
の走行位置が調整できる。
【0011】ガイド機構20を通過した断面異形条Tは
マッフル22に通される。マッフル22は冷却用ジャケ
ットを有し、この冷却用ジャケット内には冷却水26が
満たされている。断面異形条Tは複数のローラ24によ
り、冷却水26中を屈折しつつ走行させられ、その過程
で冷却される。冷却用ジャケットには窒素ガスが供給さ
れ、内部は不活性雰囲気に保たれている。
【0012】雰囲気チャンバー1内には、断面異形条T
のほぼ全長を収容する細長いケース10が水平に配置さ
れている。このケース10は、断面が矩形状をなす筒状
のものであり、十分な耐熱性および絶縁性を有し、かつ
誘導加熱されない材質から形成されている。これによ
り、断面異形条Tの周囲を不活性または還元性雰囲気に
保つと共に、後述するインダクター12、18と断面異
形条Tとの接触が防止されている。ケース10の材質と
しては、石英ガラス、テトラフルオロエチレン等のフッ
素樹脂が挙げられるが、これらに限定されることはな
い。
【0013】この実施形態では、雰囲気チャンバー1内
に直接的に不活性ガスを供給しているが、その代わり
に、あるいは同時に、ケース10内に直接、不活性ガス
を供給する構成としてもよい。その場合には、加熱され
た断面異形条Tと酸素との接触をより効果的に防ぎ、断
面異形条Tの表面酸化をさらに抑制することができる。
【0014】図2および図3に示すように、雰囲気チャ
ンバー1の内部には、1対の第1インダクター12、お
よび1対の第2インダクター18が条材走行方向上流側
から順に配置され、ケース10を条材幅方向両側から挟
んでいる。これら第1インダクター12および第2イン
ダクター18は、いずれもチャンネル型インダクターで
ある。チャンネル型インダクターとは、断面U字状をな
してU字溝内に被加熱材を収容する形態のインダクター
であり、例えば、図4に示すような誘導加熱コイル12
Aである。
【0015】誘導加熱コイル12Aは、全体として鐙形
をなすように、銅などの導体を複数回巻いたものであ
り、被加熱材の側縁の外側を迂回する一対の迂回部12
Bと、これら迂回部12Bの一端同士をつなぎ被加熱材
の第1面に対向する第1部12Cと、迂回部12Bの他
端同士をつなぎ被加熱材の第2面に対向する第2部12
Dとを有する。第1部12C内部の導体と、第2部12
D内部の導体では、電流の流れる向きが互いに逆となる
が、第1部12Cおよび第2部12Dのそれぞれの内部
では、各導体に電流の流れる向きは同じである。この実
施形態では、図3に示すように第1部12Cおよび第2
部12Dは、被加熱体の幅方向に離間した各一対の導体
群で構成されている。各導体群に含まれる導体の本数は
限定されないが、通常は第1部12Cおよび第2部12
Dで断面異形条Tの断面幅をカバーする本数とされる。
導体の占有率は物理的制約によって異なるものの、70
〜80%であることが好ましい。
【0016】この実施形態では、第1部12C内部の導
体と、第2部12D内部の導体では、電流の流れる向き
が互いに逆であり、これにより第1部12Cおよび第2
部12Dのそれぞれの内部では、各導体に電流の流れる
向きが共通であるから、図10に示したヘアピン型イン
ダクターとは異なり、被加熱体との距離が多少離れても
インダクター内部において渦電流の打ち消しあいが生じ
ない。よって、被加熱体との距離変動による加熱効率の
変化が小さく、距離変動による加熱温度の不均一化が起
きにくい利点を有する。そのうえ、断面異形条Tが上下
に揺動した場合にも、断面異形条Tが第2部12Dから
離れると第1部12Cに接近し、第1部12Cから離れ
ると第2部12Dへ接近するから、この点においても断
面異形条Tの位置変化による加熱量の変化が相殺し、結
果的に均一な加熱が可能となる。
【0017】誘導加熱コイル12Aを構成する導体は、
銅管などの管体であってもよい。その場合には、中空部
に冷却水等を連続的に流すことにより、誘導加熱コイル
12Aの過熱を防ぐことが可能となる。導体の外周面に
は、導体同士の短絡を防ぎ、かつ導体の酸化を防ぐため
に、シリコンワニス等の絶縁体被覆を設けることが好ま
しい。
【0018】上記のような形状の第1インダクター12
および第2インダクター18内部を通過させることによ
り、図5に示すように、断面異形条Tの内部には、厚肉
部TAおよび薄肉部TBの全てに渦電流が発生する。渦
電流の発生する深さは、誘導加熱コイル12Aに供給す
る高周波電流の周波数に依存し、周波数を高くするとよ
り表面側に渦電流が発生し、周波数を低くすると表面か
ら深い位置で
【0019】一般に、誘導加熱される導体内の電流分布
は、以下の式で示すことができる。 |Ix|=|Io|×e(-x/δ) ここで、Io:表層電流 Ix:表面からx離れた位置の電流 δ:電流の浸透深さ(cm) また、電流の浸透深さδは、以下の式で近似することが
できる。 δ≒5.03×SQRT(ρ/(μ×f)) ここで、ρ:導体の比抵抗(μΩ・cm) μ:比透磁率 f:周波数(Hz) 条材の厚さtがt=2.25δとなる周波数fを、その
条材の臨界周波数と呼び、それ以下の周波数では条材が
効率よく十分に加熱されなくなる。したがって、周波数
に対応して、効率よく加熱できる条材の最小厚さが決ま
ることになる。銅板においてはρ=3.15(μΩ・c
m)であるから、周波数(f)、電流の浸透深さ
(δ)、および効率よく加熱できる条材の最小厚さ
(2.25δ)の関係は例えば以下のように求められ
る。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、誘導加熱コイル
12Aに印可する高周波電流の周波数を薄肉部TBの臨
界周波数よりも低く、厚肉部TAの臨界周波数よりも高
くすると、薄肉部TBへの加熱効率は低下する一方、厚
肉部TAへの加熱効率は高められ、例えば図6に示すよ
うな温度分布となる。一方、誘導加熱コイル12Aに印
可する高周波電流の周波数を薄肉部TBの臨界周波数よ
りも十分に高くすると、薄肉部TBおよび厚肉部TAへ
の加熱効率は同様になるため、厚肉部TAの熱容量が高
い分、厚肉部TAの温度は低下し、薄肉部TBの温度は
相対的に上昇して、例えば図7に示すような温度分布と
なる。したがって、図6の状態と図7の状態の間で、高
周波電源の周波数を適正に設定することにより、厚肉部
TAおよび薄肉部TBをそれぞれ任意の温度に加熱する
ことが可能となる。
【0022】第1インダクター12および第2インダク
ター18は、それぞれ支持体14で支えられている。こ
れら支持体14には雌ねじ部が形成され、これら雌ねじ
部を貫通してスクリューシャフト17の雄ねじ部17A
が螺合されている。対をなす第1インダクター12同
士、および第2インダクター18同士の支持体14と螺
合する雄ねじ部17Aは、互いに逆ネジにされている。
スクリューシャフト17の端部にはハンドル16が固定
され、このハンドル16を回すことにより、対をなす第
1インダクター12同士または第2インダクター18同
士が互いに接近離間するようになっている。
【0023】上記構成からなる条材の誘導加熱装置を使
用するには、まず、ハンドル6をそれぞれ回して断面異
形条Tの中心線と、ケース10の中心線、および対をな
す第1インダクター12同士の間の中心線、第2インダ
クター18同士の間の中心線を一致させる。
【0024】次に、ハンドル16をそれぞれ回し、第1
インダクター12同士、および第2インダクター18同
士を接近離間させて、断面異形条Tの幅および厚肉部T
Aの位置と適合させ、厚肉部TAと薄肉部TBとに対す
る加熱効率が同程度になるように調整する。第1インダ
クター12同士の距離、および第2インダクター18同
士の距離は互いに同じであってもよいし、互いに異なら
せてもよい。異ならせた場合には、第1インダクター1
2が重点的に加熱する箇所と、第2インダクター18が
重点的に加熱する箇所とが異なるため、断面異形条Tの
幅が広い場合にも、より広い範囲に亘って均一に加熱す
ることが可能となる。
【0025】さらに、図示しない高周波電源の出力周波
数を、前述のように厚肉部TAと薄肉部TBとに対する
加熱効率が同程度になるように調整する。ハンドル16
による幅調整および高周波電源の周波数調整を組み合わ
せることにより、厚肉部TAと薄肉部TBとに対する加
熱効率をきめ細かく調整し、両者の温度をほぼ等しくす
ることが可能である。
【0026】次に、図示しない条材送り機構により断面
異形条Tを一定速度で走行させつつ、図示しない高周波
電源から第1インダクター12および第2インダクター
18の各誘導加熱コイル12Aに高周波電流を供給し、
ケース10の外側から断面異形条Tに対して高周波磁場
をかける。すると、断面異形条Tの内部(特に表層部)
に渦電流が発生し、この渦電流によりジュール熱が発生
して断面異形条Tが加熱される。
【0027】その際、誘導加熱コイル12Aの第1部1
2Cの内部、および第2部12Dの内部では、それぞれ
を構成する複数の導体を流れる電流の向きが共通である
から、断面異形条Tとの距離が多少離れても断面異形条
Tの表層部において渦電流の打ち消しあいが生じない。
よって、断面異形条Tとの距離変動による加熱効率の変
化が小さく、距離変動による加熱温度の不均一化が起き
にくい利点を有する。そのうえ、断面異形条Tが上下に
揺動した場合、断面異形条Tが第2部12Dから離れる
と第1部12Cに接近し、第1部12Cから離れると第
2部12Dへ接近するから、この点においても断面異形
条Tの位置変化による過熱量の変化が相殺し、結果的に
均一な加熱が可能となる。
【0028】したがって、この実施形態によれば、断面
異形条Tがケース10の内部で若干暴れたとしても、断
面異形条Tの加熱温度を均一にすることが可能であり、
断面異形条Tの加熱処理を均一に行うことが可能とな
る。
【0029】なお、本発明の実施形態では、断面異形条
Tの両側に第1インダクター12および第2インダクタ
ー18をそれぞれ配置しているが、本発明はこの構成に
限定されず、例えばU字の溝を深くしたチャンネル型イ
ンダクターを使用することにより、片側だけにインダク
ターを設けた構成にすることも可能である。
【0030】また、上記実施形態では、第1インダクタ
ー12および第2インダクター18を設けていたが、第
1インダクター12のみであってもよいし、3列以上に
チャンネル型インダクターを配置することも可能であ
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る条材
の誘導加熱装置および誘導加熱方法によれば、チャンネ
ル型インダクターの第1部および第2部のそれぞれの内
部で、各導体に電流の流れる向きが共通であるから、ヘ
アピン型インダクターとは異なり、被加熱体との距離が
多少離れてもインダクター内部において磁束の打ち消し
あいが生じない。よって、被加熱体との距離変動による
加熱効率の変化が小さく、距離変動による加熱温度の不
均一化が起きにくい利点を有する。そのうえ、条材が上
下に揺動した場合にも、条材が第2部から離れると第1
部に接近し、第1部から離れると第2部へ接近するか
ら、この点においても断面異形条の位置変化による過熱
量の変化が相殺し、結果的に均一な加熱が可能となる。
【0032】また、高周波電源の出力周波数を変更する
ための周波数調節部を設けた場合には、高周波電源の出
力周波数を調整することにより、厚肉部と薄肉部とに対
する加熱効率を相対的に変化させることができる。これ
により、厚肉部と薄肉部の温度を個別に調整することも
可能となる。特に、前記高周波電源からの高周波電流の
周波数を条材の薄肉部の臨界周波数よりも低く設定する
ことにより、条材の厚肉部と薄肉部を略等しい温度に加
熱することが容易になる。
【0033】さらに、チャンネル型インダクターを、条
材の両側部をそれぞれ挟むように一対設け、これらチャ
ンネル型インダクターの間の離間距離を調整するための
距離調整機構を設けた場合には、インダクター同士を接
近離間させることにより、条材の幅および厚肉部が存在
する場合にはその位置と適合させ、条材の各部に対する
加熱効率を相対的に変化させることが可能となる。した
がって、条材の厚肉部と薄肉部を略等しい温度に加熱す
ることがさらに容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る条材の誘導加熱装置の一実施形
態を示す側面図である。
【図2】 同実施形態の平面図である。
【図3】 図1中のIII-III線視断面図である。
【図4】 チャンネル型インダクターの誘導加熱コイル
を示す斜視図である。
【図5】 本発明の効果を示す断面異形条の断面図であ
る。
【図6】 本発明による加熱効果を示すグラフである。
【図7】 本発明による加熱効果を示すグラフである。
【図8】 従来の誘導加熱方法を示す斜視図である。
【図9】 従来の誘導加熱方法を示す斜視図である。
【図10】 従来の誘導加熱方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
T 断面異形条(条材) TA 厚肉部 TB 薄肉部 1 雰囲気チャンバー 2、20 ガイド機構 4 ガイド支持機構 8 シール部材 10 ケース 12 第1インダクター(チャンネル型インダクター) 12A 誘導加熱コイル 12B 迂回部 12C 第1部 12D 第2部 17 スクリューシャフト 17A 雄ねじ部 18 第2インダクター(チャンネル型インダクター) 16 ハンドル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 条材をその長手方向に走行させる条材送
    り機構と、前記条材の両面を挟むように配置されたチャ
    ンネル型インダクターと、このチャンネル型インダクタ
    ーに高周波電流を供給する高周波電源とを具備する条材
    の誘導加熱装置であって、 前記チャンネル型インダクターは、前記条材の側縁を迂
    回する一対の迂回部と、これら迂回部の一端同士をつな
    ぎ前記条材の第1面に対向する第1部と、前記迂回部の
    他端同士をつなぎ前記条材の第2面に対向する第2部と
    を有し、 前記チャンネル型インダクターの前記第1部と前記第2
    部は、電流の流れる向きが互いに逆であることを特徴と
    する条材の誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記高周波電源は、出力周波数を変更す
    るための周波数調節部を具備することを特徴とする請求
    項1記載の条材の誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記チャンネル型インダクターは、前記
    条材の両側部をそれぞれ挟むように一対設けられ、これ
    らチャンネル型インダクターの間の離間距離を調整する
    ための距離調整機構が設けられていることを特徴とする
    請求項1または2記載の条材の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記チャンネル型インダクターの前記第
    1部と前記第2部は、前記条材の長手方向に対して平行
    に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の条材の誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の条材の誘導加熱装置を用
    い、厚肉部と薄肉部を有する条材を誘導加熱する誘導加
    熱方法であって、前記高周波電源からの高周波電流の周
    波数を前記薄肉部の臨界周波数よりも低く設定すること
    により前記厚肉部と前記薄肉部を略等しい温度に加熱す
    ることを特徴とする条材の誘導加熱方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の条材の誘導加熱装置を用
    い、厚肉部と薄肉部を有する条材を誘導加熱する誘導加
    熱方法であって、前記高周波電源からの高周波電流の周
    波数を前記薄肉部の臨界周波数よりも低く設定するとと
    もに、前記チャンネル型インダクター同士の離間距離を
    調整することにより、前記厚肉部と前記薄肉部を略等し
    い温度に加熱することを特徴とする条材の誘導加熱方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011054331A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 誘導加熱方法および誘導加熱装置
JP2013041854A (ja) * 2012-11-29 2013-02-28 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 加熱部位選択的誘導加熱装置
JP2015210065A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 富士電機株式会社 熱処理装置

Cited By (3)

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