JP2003270677A - シート型表示装置 - Google Patents

シート型表示装置

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JP2003270677A
JP2003270677A JP2002074944A JP2002074944A JP2003270677A JP 2003270677 A JP2003270677 A JP 2003270677A JP 2002074944 A JP2002074944 A JP 2002074944A JP 2002074944 A JP2002074944 A JP 2002074944A JP 2003270677 A JP2003270677 A JP 2003270677A
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JP2002074944A
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English (en)
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Katsura Sakamoto
桂 阪本
Atsunori Minagawa
厚紀 皆川
Mitsuo Ozaki
光男 尾崎
Norio Saruwatari
紀男 猿渡
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質に優れ、安定したシート型表示装置を、
生産性高く、低費用で容易に大量生産する。 【解決手段】 本シート型表示装置の樹脂粒子は、オキ
シアルキレン結合とアルキル末端基とを含むアルコール
を含有する樹脂Aとビニル結合とカルボニル結合とが共
役する構成単位を含む樹脂Bとの2相構造よりなる。樹
脂Aよりなる粒子に所定のモノマーを偏在して付着さ
せ、このモノマーを重合して、2相構造とすることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電界の作用によ
り、2色に着色した樹脂粒子を泳動および/または回転
させて表示を行うシート型表示装置の着色回転粒子とそ
の製造方法に関する。
【0002】なお、本願発明で回転粒子というときは泳
動および/または回転する粒子を意味する。
【0003】
【従来の技術】近年、携帯情報端末や高度情報通信網な
どの発達に伴い、薄型かつ軽量で、携帯性に優れたシー
ト型表示装置の開発に注目が集まっている。
【0004】なかでも、電界により光学的吸収特性や光
学的反射特性を変化させて像表示を行い、紙と同様なフ
レキシビリティと電子情報を容易に書き換えることが可
能な機能とを有するシート型表示装置、いわゆる電子ペ
ーパ、ペーパーライクディスプレイ、デジタルペーパな
どと呼ばれるシート型表示装置への期待が高まってい
る。
【0005】電界により光学的吸収特性や光学的反射特
性を変化する素子としては、色と電気的特性との双方が
異なる半球を合わせた回転粒子を誘電性液体とともに内
包したマイクロカプセル、特開平01−086116号
公報のように電気泳動粒子を分散させた溶媒を着色し、
この溶媒を内包したマイクロカプセル、2色性色素とス
メクチック液晶を含む液晶/高分子複合膜などがある。
【0006】これらの素子は、電源が無くても像情報の
保持が可能なメモリ性、反射型シート型表示装置などの
特徴を有し、素子を電極のあるPETフィルム上などに
形成できるため、薄くて、軽く、曲げることが可能なシ
ート型表示装置であり、紙の代替として期待されてい
る。
【0007】特に、米国特許第4,126,854号お
よび第4,143,103号の各明細書に記載されてい
る、回転粒子の半球づつを異なる色と帯電特性に分けた
着色回転粒子を用いる表示媒体は、他の方式に比べ、優
れたコントラスト特性を示すディスプレイとして知られ
ている。
【0008】この表示媒体は、誘電性液体を充填した空
隙を複数有し、かつ光学的に透明な層である基材と、こ
の空隙に回転粒子を有する構造をなしている。
【0009】また、回転粒子は、1粒子中に、色と帯電
特性との異なる2つの領域を有する着色回転粒子である
ため、電界を印加することによって、粒子の電気泳動と
回転運動とが起き、像表示を行うことができる。
【0010】この回転粒子の製造方法および材料として
は、(1)米国特許第5262908号の、カルナバワ
ックス、カーボンブラック、酸化チタンを使用した、色
の異なる2種類の溶融したワックス粒子を結合させ、表
面張力により球形したのち固化させる方法、(2)特開
平11−85067号公報、特開平11−85068号
公報の、ガラスあるいは樹脂製の光透過性粒子の表面
に、金属、カーボンブラック、硫化アンチモンなどを蒸
着、塗布する方法、(3)特開平11−85069号公
報や特開平11−161206号公報の感光材料からな
る粒子を用い、露光、現像、定着処理を行い発色させる
方法などが提案されている。
【0011】更に重合法を利用した回転粒子の製造方法
として、(4)特開2000−281960号公報のポ
リエチレン等のワックスに酸化チタン等の白色顔料を添
加した懸濁粒子にスチレンモノマ等を偏在して複合化
し、重合を行った後、分散染料によりモノマ重合部のみ
を選択的に着色し、加熱処理による球形化を行うことで
2色球を作製する方法が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これらの手法で作製し
た2色回転粒子は、通常シリコーンゴムなどの担持媒体
中に分散され、電界印加によって2色粒子が泳動および
/または回転し、表示が切り替わる。従って、2色回転
粒子の分散状態がシート型表示装置の解像度や明るさな
どに大きく影響するため、粒径が制御された回転粒子を
均一に分散させる必要がある。
【0013】しかしながら、例えば前記米国特許第52
62908などでは、回転ディスクの上下に2色の低分
子量の樹脂、いわゆるワックスの溶液を流し、ディスク
の回転による遠心力によってディスク端部から2色のワ
ックス溶融液が結合した微小液的を飛散させ、これを溶
液中で表面張力により球形化して2色回転粒子を作製す
るため、粒子の粒径は、ディスクの回転速度、ワックス
溶液の温度、粘度、飛散する場合の空気抵抗などに大き
く依存し、均一粒径、かつ十分な濃度に着色された2色
ワックスが半球ずつ結着された着色回転粒子を作製する
ことは極めて困難であった。
【0014】また、あらかじめ用意された単色の回転粒
子の半球部分をディップコートなどで塗り分ける、ある
いは色素を蒸着する、あるいは樹脂に感光性材料を混合
しておき露光現像などの処理により半球だけ着色すると
いった着色回転粒子の作製手法においても、均等に半分
だけ着色するのは困難である。
【0015】また、さらに容易に着色回転粒子を作製す
る方法として、樹脂フィルムを直接粒径サイズに型抜き
した樹脂粒子を、適当な溶媒内で表面張力により球形化
する方法があるが、樹脂フィルムの厚みむらや硬さむら
などから、クラックや粒子端部におけるバリなどが発生
し、同一の大きさで2色に半球ずつ着色された回転粒子
を作製することは困難であった。
【0016】更に、上記で示される方法は、いずれも機
械的な製造方法だけに回転粒子の大量生産が難しく、生
産性の効率化に課題が残されたままである。
【0017】そこで、回転粒子の大量生産、小粒径化が
比較的たやすい重合法を用いた作製方法が提案されてい
る。
【0018】たとえば、酸化チタン等の白色顔料を内添
したポリエチレン等の母体粒子の懸濁液にスチレンモノ
マ等の乳濁液を投入し、母体粒子表面にモノマを偏在し
て複合化し、重合させ、重合終了後、分散染料等によ
り、モノマ重合部のみを選択的に非白色に着色し、加熱
処理を施すことにより球形化を行う、あるいは、重合
前、重合中に染料等による着色工程を行った後、重合し
球形化するといった方法である。
【0019】この2色回転粒子作製プロセスの中では、
母体粒子にモノマを偏在して付着させる(本願明細書で
は複合化するともいう)プロセスが重合法による2色化
の最も重要なポイントである。
【0020】しかし、この複合化プロセスには少なくと
も1時間以上のプロセス時間が必要であり、1時間未満
だとほとんど複合化しないと言う問題がある。
【0021】更にモノマの重合時間としては、通常8時
間以上必要であり、その間、母体粒子が水中で安定した
分散状態を保持しなければならない。
【0022】ところが、母体粒子の分散が不安定である
と、モノマが母体粒子に吸着せずに、母体粒子とモノマ
粒子とがそれぞれ別個に分離して存在する状態となり易
い問題がある。
【0023】あるいは、わずかに複合化したとしても吸
着されたモノマの体積のバラツキが大きく、従って、最
終的に完成した2色回転粒子の2相構造のそれぞれの部
分の構成比(体積比)のバラツキが大きく、安定した表
示特性を示す粒子が得られない問題を生じる。
【0024】特に、母体粒子にポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の比重が水よりも軽い樹脂を用いた場合、分散
安定剤を適正に使用しないと数分で粒子が水面に分離し
てしまい、母体粒子とモノマとが複合化せず、重合時に
凝集してしまうという課題があった。
【0025】これを防止すべく、分散安定性を確保する
ため界面活性剤等の分散剤を活用する方法が用いられ
る。
【0026】しかし、分散剤によっては母体粒子とモノ
マ種類との組み合わせにより、一度母体粒子に吸着して
も十分モノマが成長する前に母体粒子と離れてしまい、
安定した複合化プロセスを実現するのが困難な場合もあ
った。
【0027】また、母体樹脂の種類によっては、添加す
る白色顔料との濡れ性が悪く、懸濁する際に母体粒子か
ら白色顔料が一部脱離するという場合もあった。
【0028】本願発明は、このような問題を解消し、品
質に優れ、安定したシート型表示装置と、このようなシ
ート型表示装置を、低費用で容易に大量生産する技術と
を提供することを目的とする。
【0029】本願発明のさらに他の目的および利点は、
以下の説明から明らかになろう。
【0030】
【課題を解決するための手段】本願発明によれば、電界
の作用により、色の相異なる2相構造からなる樹脂粒子
を泳動および/または回転させて表示を行うシート型表
示装置において、使用される樹脂粒子が、オキシアルキ
レン結合とアルキル末端基とを含むアルコールを含有す
る樹脂Aと、ビニル結合とカルボニル結合とが共役する
構成単位を含む樹脂Bとの2相構造よりなるシート型表
示装置や、電界の作用により、色の相異なる2相構造か
らなる樹脂粒子を泳動および/または回転させて表示を
行うシート型表示装置において、使用される樹脂粒子
が、オキシアルキレン結合とアルキル末端基とを含むア
ルコールを含有する樹脂Aよりなる粒子および所定のモ
ノマーを含む液を作製する段階と、当該液中において、
当該樹脂Aよりなる粒子の表面の一部に当該モノマーを
偏在して付着させる段階と、当該モノマーを重合して、
ビニル結合とカルボニル結合とが共役する構成単位を含
む樹脂Bとなし、当該樹脂Aと当該樹脂Bとの2相構造
からなる樹脂粒子を作製する段階と、当該樹脂Bを着色
する段階と、当該2相構造からなる樹脂粒子を球形化す
る段階とを含む方法で製造されたものであるシート型表
示装置が提供される。
【0031】このような、シート型表示装置において
は、2色回転粒子の粒径が数十μm程度までと小粒径に
でき、2色回転粒子の粒径が均一で真球性に優れ、2色
回転粒子の2相化が容易であり、2色回転粒子の2相の
それぞれの部分の間のバランスが良く、2色回転粒子の
2相間の割れが少なくあるいはなく、2色回転粒子から
の顔料の離脱が少なくあるいはなく、その生産性が高
い。このため、品質が優れ、安定したシート型表示装置
を、低費用で容易に大量生産することが可能となる。
【0032】なお、前記オキシアルキレン結合とアルキ
ル末端基とを含むアルコールとしては、CH3(CH2
X(OCn2nYOH(X≧0、Y≧1、n≧1、ただ
し、X,Y,nは整数)の構造式からなるアルコールが
好ましい。上記2相構造の形成が容易であり、かつ強固
なものとなるからである。なお、混合物であっても良い
ことは言うまでもない。
【0033】また、前記樹脂Aと前記樹脂Bとが、10
0℃までの水中で変形できる樹脂であることが好まし
い。球状粒子を容易に得ることができるからである。
【0034】なお、水中であっても加圧状態にすればよ
り高温にすることも可能である。
【0035】また、前記樹脂Aが、ポリエチレン、ポリ
エステル、アクリル樹脂、ポリアルキド、ポリイミド、
ポリカーボネート、カルバナワックス、アマイドワック
ス、パラフィンワックスおよびこれらの共重合体よりな
る群から選択される、少なくとも1種の樹脂を含むこと
が好ましい。
【0036】上記効果を有する2色回転粒子が得られや
すいからである。
【0037】なお、本願発明において、「樹脂」と言う
ときは、たとえば、上記アルコールや着色剤等を混合成
分として含む場合も含まれる。すなわち、樹脂組成物に
該当する場合もある。
【0038】なお、以下に説明する発明の実施の形態や
図面の中で、本願発明の更なる特徴が明らかにされる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、本願発明の実施の形態を
図,実施例等を使用して説明する。なお、これらの図,
実施例等および説明は本願発明を例示するものであり、
本願発明の範囲を制限するものではない。本願発明の趣
旨に合致する限り他の実施の形態も本願発明の範疇に属
し得ることは言うまでもない。
【0040】図中、同一の部分については同一の符号を
付す場合がある。
【0041】本願発明に係る樹脂粒子の製造方法として
は、オキシアルキレン結合とアルキル末端基とを含むア
ルコールを含有する樹脂Aよりなる粒子および所定のモ
ノマーを含む液を作製する段階と、当該液中において、
当該樹脂Aよりなる粒子の表面の一部に当該モノマーを
偏在して付着させる段階と、当該モノマーを重合して樹
脂Cとなし、当該樹脂Aと当該樹脂Cとの2相構造から
なる樹脂粒子を作製する段階と、当該樹脂Cを着色する
段階と、当該2相構造からなる樹脂粒子を球形化する段
階とを含む樹脂粒子の製造方法を挙げることができる。
【0042】以下、この製造方法に従って説明する。た
だし、本願発明の樹脂粒子やシート型表示装置はこの製
造方法に従って製造されるものには限られない。
【0043】上記樹脂Aとしては、ポリエチレン、ポリ
エステル、アクリル樹脂、ポリアルキド、ポリイミド、
ポリカーボネート、カルバナワックス、アマイドワック
ス、パラフィンワックス等の熱可塑性樹脂から選択した
単独、あるいは2種類以上を混合したものが挙げられ
る。特に固形状態で白色度が大きく結晶性の高いポリエ
チレンが好ましい。
【0044】上記樹脂Aは、モノマを偏在して付着させ
る母体としての役割と、モノマが重合して生じる樹脂C
とで上記2相構造を形成する役割とを有する。
【0045】上記オキシアルキレン結合とアルキル末端
基とを含むアルコールを使用する理由は次の通りであ
る。
【0046】まず、母体樹脂すなわち樹脂Aと親和性を
有する場合が多く、母体樹脂(樹脂A)よりなる粒子
(本願発明においては母体粒子と言う場合がある)を水
中で分散した際にも母体樹脂より分離せず吸着したまま
安定した分散性を保持できる場合がある。
【0047】更に酸化チタン等の顔料に代表される着色
剤とも化学的に吸着する効果が高いことが多く、懸濁に
よる機械的な分散に対して着色剤が脱離するという課題
を防止する効果がある場合がある。
【0048】また、このようにして作製した母体粒子が
水中に懸濁するとその周りには、選択的に水酸基が多く
存在するため、吸着させるモノマとしてカルボニル基を
含むものを用いると、複合化の際に、水酸基とカルボニ
ル基との間で水素結合が発生し易く、吸着力が高まるこ
とから、2色回転粒子の2相間界面の接着強度が上が
り、粒子が泳動および/または回転する際に生ずる物理
的負荷に対して界面で剥がれるような現象を防止する効
果も得られる。
【0049】従って、このような目的のためには、上述
のごとく、アルコールを母体樹脂内に含ませることが重
要である。
【0050】オキシアルキレン結合とアルキル末端基と
を含むアルコールは、母体樹脂に5重量%以上含有させ
るのが好ましい。より好ましくは10重量%以上であ
る。
【0051】上限については、特に制限はないが、実際
に粒子を形成できるか否か等で容易に確認することがで
きる。通常は30重量%が上限である。
【0052】なお、オキシアルキレン結合とアルキル末
端基とを含むアルコールは、R1−(OR2mOH(こ
こで、R1は直鎖状または分岐状のアルキル基を意味
し、R2は置換基を有していても良いアルキレン基を意
味し、mは正の整数を意味する。)なる構造を有するこ
とができる。
【0053】さらに、このオキシアルキレン結合とアル
キル末端基とを含むアルコールは、CH3(CH2
X(OCn2nYOH(X≧0、Y≧1、n≧1、ただ
し、X,Y,nは整数)の構造式からなるアルコールで
あることが、本願発明の目的には好ましい。親水性と親
油性とのバランスが良い場合が多いからであろうと思わ
れる。
【0054】CH3(CH2Xの部分が親油性の部分と
して、樹脂A等との親和性を高めるのに寄与し、(OC
n2nYOHの部分が、親水性の部分として、2相間界
面の接着強度等を向上できるものと考えられている。
【0055】分子全体のカーボン数は20以上であるこ
とが好ましい。カーボン数が大きい方が母体樹脂と親和
性が大きくなる場合が多いためである。
【0056】樹脂Aを着色する場合、例えば白色であれ
ば、白色度および帯電性能を高めるため酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウムからな
る群から選択した少なくとも一つの着色剤を単独、ある
いは2種類以上混合したものを樹脂中に分散することが
有用である。
【0057】樹脂Aよりなる粒子の作製方法としては、
粉砕法、懸濁法などが挙げられる。
【0058】粉砕法とは、樹脂と、オキシアルキレン結
合とアルキル末端基とを含むアルコールと、選択的に上
記無機顔料等の着色剤とを混合し、ニーダ、押し出し機
などを用いて溶融混練してからこの混練物を粗粉砕後、
ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により粒子を得
る方法である。
【0059】また懸濁法は、たとえばシランカップリン
グ剤等で疎水化処理した白色無機顔料を、オイルバス中
で溶融したオキシアルキレン結合とアルキル末端基とを
含むアルコールを含有する樹脂A中に分散し、この溶融
物を温浴中に投入して懸濁後、徐々に温度を低下させ粒
子を作製する方法である。
【0060】例えばこのような方法で作製した白色粒子
を水中に微分散させて懸濁液を得ることができる。
【0061】次に、樹脂Cとしては、ビニル結合とカル
ボニル結合とが共役する構成単位を含む樹脂B、とりわ
け熱可塑性樹脂であることが好ましい。このような場合
に、上記アルコールの効果が充分に発揮できるからであ
る。
【0062】従って、このような樹脂を構成するモノマ
としては、樹脂Aよりなる粒子の表面の一部に偏在して
付着するものであれば、特に限定はないが、ビニル結合
とカルボニル結合とが共役する構成単位を含むものが好
ましい。
【0063】ただし、その一部を他のビニル化合物で置
き換えた共重合体であっても良い。
【0064】このような、ビニル結合とカルボニル結合
とが共役する構成単位を含むモノマとしては、例えば、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどのビ
ニルエステル系モノマ、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチ
ル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル系モ
ノマ、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタ
クリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−クロロエチ
ル、メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸エステル
系モノマ、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導
体のようなビニル系モノマが挙げられる。
【0065】これらのモノマは、単独で使用しても良い
し、2種類以上のモノマを組み合わせて使用しても良
い。
【0066】また、スチレン誘導体や、ビニルエーテル
誘導体などカルボニル基をもたない他のビニル結合をも
つモノマと混合して用いても良い。
【0067】なお、モノマには、これらのモノマと組み
合わせて樹脂の分子量分布を制御するための架橋剤とし
て、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニル
エーテル等を加えても良い。
【0068】更に、これらのモノマには、あらかじめ重
合開始剤を加えておくことができる。
【0069】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
過酸化ラウロイルなどの過酸化物、ペルオキソ二硫化カ
リウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどの過硫酸塩、2,2−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(イソ
ブチロニトリル)などのアゾ系化合物などが挙げられ
る。
【0070】通常、重合開始剤の使用量は、モノマ重量
の100重量部に対し、0.01〜10重量部で良い。
より好ましくは、0.05〜7重量部である。
【0071】また、重合開始剤の他に、必要に応じてt
ert−ドデカンチオールなどの重合調整剤を添加して
も良い。
【0072】また、本願発明の1態様においては、オキ
シアルキレン結合とアルキル末端基とを含むアルコール
を含有する樹脂Aよりなる粒子および所定のモノマーを
含む液を作製する際にモノマ乳濁液を使用し、これを上
記懸濁液と混ぜ合わすが、モノマ乳濁液を調製するため
に、あらかじめ水中に乳化剤を添加しても良い。
【0073】乳化剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム
などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルなどのノニオ
ン性界面活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
ライドなどのカチオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0074】次に、たとえば、母体粒子の懸濁液にモノ
マを分散した乳濁液を加え、上記のごときオキシアルキ
レン結合とアルキル末端基とを含むアルコールを含有す
る樹脂Aよりなる粒子および所定のモノマーを含む液を
作製する。
【0075】そして、この液中において、樹脂Aよりな
る粒子の表面の一部にモノマーを偏在して付着させる。
このようにして複合化が行われ、2相構造が得られる。
【0076】この複合化は、通常上記液をモノマの重合
温度より低い温度、例えば室温もしくは冷却条件下で放
置することにより行われる。
【0077】この時の温度がモノマの重合温度に近い
と、モノマが母体粒子と複合化せず、モノマ粒子のまま
重合する可能性が高くなる。
【0078】モノマ粒子のまま重合が生ずると、母体粒
子との2相構造にならず、モノマのみが重合した樹脂粒
子が形成されてしまい本願発明の目的を達成することが
できなくなる。
【0079】2相構造の粒子を得るためには、水系溶媒
が凍結しない程度のなるべく低い温度で複合化させるこ
とが望ましい。
【0080】複合化に要する時間は、通常数十分から数
時間程度である。
【0081】モノマ乳濁液と母体粒子懸濁液とを混合す
ると、水に極微量溶解したモノマ分子が母体粒子の表面
に析出するものと考えられる。このようにしてモノマ乳
濁液から母体粒子へのモノマの移動が起こる。
【0082】ここで、モノマと母体粒子との親和性が高
い場合には、母体粒子がモノマを吸収して、均一に一体
化して膨潤し、その粒径を増大させると考える。この場
合には、局所的にモノマが付着した2領域を有する複合
粒子は得られない。
【0083】従って、モノマと母体樹脂とを混合した場
合に、母体樹脂が膨潤や溶解を起こさないことが重要で
ある。
【0084】このような組み合わせは、母体樹脂をモノ
マ中に投入し、必要なら加温し、膨潤の程度や溶解の有
無を目視観察することによって容易に行うことができ
る。
【0085】また、どの程度まで許容されるかも、この
観察を通して、実情に応ずるように定めることで容易に
決めることができる。
【0086】母体粒子としてモノマに溶解しにくいもの
を使用すると、水に極微量溶解したモノマが母体粒子の
表面に析出する際に、その界面エネルギを低減させるよ
うに局所的に集中し、表面に偏在して付着すると考えら
れる。そして、モノマと樹脂粒子との複合化が進むと複
合粒子が得られると考えられる。
【0087】上述の実施の形態では、モノマと母体粒子
とを混合する前に、モノマを乳濁微粒子にして分散させ
ることができる。この場合には、モノマの総表面積が増
大し、水中へのモノマの溶出が促進される効果が得られ
る。
【0088】また、モノマ粒子の径を母体粒子の径より
も小さくしておくことが望ましい。モノマ粒子の径が大
きいと、モノマの一部分が母体粒子と複合化せず副生成
粒子となりやすい。
【0089】なお、モノマの乳濁化には、例えばロータ
ーステータ式乳化器、高圧式乳化器、超音波式乳化器等
の一般的な乳化器を使用できる。
【0090】複合化を行った後に、加熱や光照射等の方
法によりモノマ部分を重合させることができる。
【0091】重合中には、粒子の沈降を防止するため
に、緩やかに撹拌することが望ましい。このようにし
て、樹脂Aと樹脂Cとの2相構造からなる樹脂粒子を作
製することができる。
【0092】なお、水中での副生成粒子の発生を抑制す
るために、重合前にヒドロキノン等の水溶性重合禁止剤
を添加しても良い。
【0093】また、モノマと母体粒子とが複合した樹脂
粒子の安定化を高めるために、重合の前に懸濁安定剤を
添加しても良い。懸濁安定剤としては、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、メチルセル
ロース等の親水性高分子、またはリン酸三カルシウム、
硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、シリカ等の非水溶
性粉末、アニオン系、ノニオン系等の界面活性剤等を用
いることができる。
【0094】次に、モノマ重合部、すなわち樹脂Cの着
色を行うことができる。
【0095】水中でモノマ重合部だけ着色するには、分
散染料が望ましい。具体的には、C.I.Disper
se Yellowの1,3,7,8、C.I.Dis
perse Orangeの3,20,21、C.I.
Disperse Redの43,54,56,65,
72,73,82,84,88,99,152、C.
I.Disperse Violetの 10,24、
C.I.Disperse Blueの 43,4
4,85,88,94,96等を用いることができる。
【0096】これらの分散染料は、樹脂中に極性を持た
ないポリエチレン、ポリオレフィン等の母体粒子の樹脂
を染色しないがスチレン誘導体やアクリル酸、メタクリ
ル酸誘導体等極性を持つモノマ重合部を染色しやすい特
徴をもつ。これは、樹脂と染料との相溶性に依存してお
り分散染料と相溶性の高いモノマ重合部だけを選択的に
着色する。
【0097】また、これらの染料は単体で用いても良い
し、複数種を混合してもよく、特に母体粒子の白色部と
のコントラストを高くなるようモル吸光係数が高い黒色
に近づけるための染料の組み合わせを選択することが重
要である場合が多い。
【0098】更に、これらの染料使用量はモノマの10
0重量部に対し0.1〜10重量部程度であることが望
ましい。
【0099】0.1重量部未満の場合には、染料が少な
すぎて着色濃度が低くなり白色部とのコントラストが不
十分である。また、10重量部を超えると樹脂に溶解し
きれない染料が結晶として析出し、均一な着色が難しく
なるといった不具合が生ずる。
【0100】染色する際には、モノマ重合部のガラス転
移温度以上に加熱して染料分子をモノマ重合部に移行さ
せて染色を行うのが一般的である。なお、染色に要する
時間は、1〜2時間程度であるが、染色中は樹脂粒子の
沈降を抑えるため撹拌を行うことが望ましい。
【0101】このようにして、例えば白色部と着色部と
に分かれた着色回転粒子は完成する。
【0102】その後、この着色回転粒子の球形度を高め
るため着色回転粒子の懸濁液に先に示した重合安定剤を
加え、樹脂A,Cのガラス転移温度よりも高い温度まで
加熱しながら撹拌する、球形化処理工程を行うことがで
きる。
【0103】なお、ここで、球形化処理とは、媒体中に
浮遊させた樹脂粒子を加熱して、表面張力により球状に
する処理である。媒体としては水が好ましい。すなわ
ち、樹脂粒子を水中で加熱して球形化するのが好まし
い。この場合、撹拌はなくとも良いが、粒子の沈降を防
ぐ程度の撹拌を与えた方がよい場合が多い。
【0104】なお、この処理では、樹脂粒子を軟化させ
るための温度に曝す必要がある。この温度は、実際に樹
脂粒子を所定の温度に保持し、その軟化の様子を観察す
ることによって決めることができる。
【0105】なお、樹脂粒子を使用しなくても、樹脂
A,Cと同じ構成の樹脂について同様の観察をすれば、
事前に適切な樹脂と温度との組み合わせを選択すること
ができる。
【0106】簡便な方法としては、上記のようにガラス
転移温度よりも高い温度を選択する方法が有用である場
合が多い。
【0107】これにより、2相構造からなる樹脂粒子を
球形化することができる。
【0108】この場合にも着色回転粒子同士の付着を防
ぐ効果を上げるため先に示した界面活性剤を加えても良
い。
【0109】以上説明したように、本願発明によれば所
定のアルコールをあらかじめ溶融混合しておくことによ
り母体粒子の水中での分散安定性の効果を高められ、ま
た、顔料の脱離を防止し、更に合成アルコールの水酸基
とモノマ中に含まれるカルボニル基との間に水素結合を
付与できることから、母体粒子とモノマ部との界面の吸
着性が高まり、安定した複合化プロセスを実現できるた
め、全ての母体粒子表面へ均等にモノマを偏在して付着
させ、更にモノマ部を重合する際にも凝集することなく
安定に表示用着色回転粒子を作製できる。
【0110】この回転着色粒子の製造方法は、重合法を
用いているため従来提案されてきた機械的な粒子製造方
法に比べ短時間での大量生産を可能にし、また数十μm
程度の粒子の小粒径化が容易であることから、今後の高
解像表示機器用素子としても俊敏な対応が可能である。
【0111】また、上記球状化処理により、2色回転粒
子の粒径を均一で真球性に優れたものとすることが容易
にできる。
【0112】また、上記複合化により、2色回転粒子の
2相化が容易であり、このような2相化処理により、2
相の構成比(体積比)のバラツキが小さくなり、従って
2色回転粒子の2相間のバランスが良くなり、2相の形
状や大きさの相違による、泳動/回転の異常を最小限に
抑制することができる。
【0113】また、上記アルコールの作用により、2色
回転粒子の2相間の割れが少なくあるいはなく、2色回
転粒子からの顔料の離脱を少なくするあるいはなくする
ことができる。
【0114】そして、このような効果を通じて、高い生
産性が実現できる。
【0115】かくの如くして、本願発明に係る、品質に
優れ、安定したシート型表示装置が提供される。このシ
ート型表示装置は、上記に示すように、低費用で容易に
大量生産することが可能である。
【0116】なお、上記では、樹脂Aと樹脂Cまたは樹
脂Bとを経て樹脂粒子を製造する方法の具体例を示した
が、本願発明は、製造方法の如何に拘わらず、樹脂Aと
樹脂Cまたは樹脂Bとの2相構造よりなる樹脂粒子であ
れば、その主要効果である、品質に優れ、安定したシー
ト型表示装置を提供できるものであり、従ってこのよう
な樹脂粒子を使用するシート型表示装置も本願発明の範
疇に属する。
【0117】以下、実施例に沿って着色回転粒子の製造
方法について説明を行う。なお製造工程の例を図1に示
す。
【0118】図1において、ステップ(1)は、母体粒
子の懸濁液とモノマ懸濁液とを表すものである。図1中
懸濁粒子1と乳濁粒子2との大きさはデフォルメしてあ
る。
【0119】ステップ(1)の母体粒子の懸濁液とモノ
マ懸濁液とを混合し、しばらくするとステップ(2)の
複合化した粒子3が得られる。ステップ(2)は、乳濁
粒子が混在する様子を示す。
【0120】複合化が充分進んだ状態でモノマを重合さ
せるとステップ(3)の樹脂が二つずつくっつき合った
状態が得られる。
【0121】そこで、この一方(母体粒子がすでに着色
されている場合は、モノマ重合部)を着色する(ステッ
プ(4))。
【0122】そして、このままの状態、あるいは不要物
を除去した後、水中に再分散し、加熱により粒子を球状
化する(ステップ(5))。
【0123】[実施例1]ポリエチレンワックス(三井
化学製)80重量部にCH3(CH2X(OCn 2nY
OH(X=20、Y=1、n=1)の構造式からなるア
ルコール(東洋ペトロライト社製)の10重量部を加熱
溶融後、酸化チタン(チタン工業製)を10重量部分散
したものを、あらかじめ90℃程度まで加熱した水50
0ml中に投入し、ホモジナイザにより高速撹拌し、室
温までゆっくり冷却することにより平均体積粒径が約1
0μmの白色樹脂粒子の懸濁液を作製した。この時、懸
濁液中に酸化チタン等の脱離は観察されなかった。
【0124】次に、水750重量部にドデシル硫酸ナト
リウム0.1重量部を溶解させた溶液中に、スチレンモ
ノマ50重量部、ブチルアクリレート25重量部、重合
開始剤としてアゾ系重合開始剤(V−65)4重量部を
混合したモノマ液を添加した。この液を、高圧式ホモジ
ナイザ(マイクロフルイダイズ社製)を用いて分散し、
モノマ乳濁液を調製した。
【0125】モノマ乳濁液に上記白色樹脂粒子の懸濁液
を加えて室温で2時間撹拌し、母体粒子とモノマ粒子と
の複合化を行った。全ての母体粒子表面に均等にモノマ
が偏在的に吸着し、雪ダルマ状に複合化した粒子の状態
を目視観察できた。
【0126】この複合化した粒子の懸濁液を、温度70
℃で8時間重合させた。重合後の粒子に凝集は観察され
なかった。
【0127】重合後の樹脂粒子に分散染料としてC.
I.Disperse Blue183(三井東圧染料
製)を2.5重量部添加し、80℃で1時間撹拌し、モ
ノマ部を染色した。
【0128】染色後、白色部と着色部との半分に分かれ
た雪だるま状着色粒子を得た。
【0129】これに懸濁安定剤としてポリビニルアルコ
ールを1重量部加え90℃中で2時間撹拌し、加熱処理
による球状化処理を行った。
【0130】その後、わずかに副生成した、スチレンモ
ノマとブチルアクリレートととの共重合によると思われ
る樹脂微粉や染料結晶を、ろ過、デカンテーション等に
より除去し、水洗し、乾燥後に球形の着色粒子を得た。
この着色粒子の平均粒径は、20μmであった。
【0131】[比較例1] <アルコキシ基を含まないアルコールを使用した場合>
実施例1で使用したアルコールの代わりにポリビニルア
ルコールを溶融したものを用いて平均体積粒径約10μ
mの懸濁液を作製した。しかし、懸濁液中に酸化チタン
が一部脱離している現象が観察され、母体粒子中に酸化
チタンを完全に保持することができなかった。
【0132】[比較例2] <モノマにカルボニルを含まない場合>実施例1で使用
したスチレンモノマ50重量部、ブチルアクリレート2
5重量部の代わりに、スチレン75重量部のみを用いて
モノマ乳濁液を作製し、実施例1と同条件の懸濁液にモ
ノマ乳濁液を添加したところ、母体粒子は良好な分散安
定性を示した。
【0133】また、添加してから30分ほどでモノマの
吸着を全ての母体粒子で確認できた。
【0134】しかし、更にモノマ相を成長させるため吸
着時間を延長すると複合化したりしなかったり、複合化
したものでも体積のバラツキが大きく、均等な複合化を
実現できなかった。
【0135】[比較例3] <本願発明に係るアルコールの代わりに他の物質を使用
した場合>実施例1で使用したアルコールの代わりにポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルを用いて平均
体積粒径約10μmの懸濁液を作製した。
【0136】この懸濁液に実施例1と同条件のモノマ乳
濁液を添加したところ20分で母体粒子が水面上に分離
し、複合化を確認できなかった。
【0137】[比較例4] <本願発明に係るアルコールの代わりに他の物質を使用
した場合>実施例1で使用したアルコールの代わりにド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて平均体積
粒径約10μmの懸濁液を作製した。
【0138】この懸濁液に実施例1と同条件のモノマ乳
濁液を添加したところ10分で母体粒子が水面上に分離
し、複合化を確認できなかった。
【0139】[比較例5] <本願発明に係るアルコールの代わりに他の物質を使用
した場合>実施例1で使用したアルコールの代わりにラ
ウリルスルホン酸ナトリウムを用いて平均体積粒径約1
0μmの懸濁液を作製した。
【0140】この懸濁液に実施例1と同条件のモノマ乳
濁液を添加したところ10分で母体粒子が水面上に分離
し、複合化を確認できなかった。
【0141】[比較例6] <本願発明に係るアルコールの代わりに他の物質を使用
した場合>実施例1で使用したアルコールの代わりにポ
リオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウ
ムを用いて平均体積粒径約10μmの懸濁液を作製し
た。
【0142】この懸濁液に実施例1と同条件のモノマ乳
濁液を添加したところ20分で母体粒子が水面上に分離
し、複合化を確認できなかった。
【0143】[比較例7] <本願発明に係るアルコールの代わりに他の物質を使用
した場合>実施例1で使用したアルコールの代わりにオ
レイン酸ナトリウムを用いて平均体積粒径約10μmの
懸濁液を作製した。
【0144】この懸濁液に実施例1と同条件のモノマ乳
濁液を添加したところ10分で母体粒子が水面上に分離
し、複合化を確認できなかった。
【0145】
【発明の効果】品質に優れ、安定したシート型表示装置
を提供できる。また、このようなシート型表示装置を、
生産性高く、低費用で容易に大量することが可能とな
る。
【0146】なお、上記に開示した内容から、上記の製
造方法に限定されることなく、下記の付記に示した発明
が導き出せる。
【0147】これらの発明は、本願発明の趣旨に反しな
い限り、上記の製造方法以外の公知の方法を採用して実
施することが可能である。
【0148】(付記1) 電界の作用により、色の相異
なる2相構造からなる樹脂粒子を泳動および/または回
転させて表示を行うシート型表示装置において、使用さ
れる樹脂粒子が、オキシアルキレン結合とアルキル末端
基とを含むアルコールを含有する樹脂Aと、ビニル結合
とカルボニル結合とが共役する構成単位を含む樹脂B
と、の2相構造よりなるシート型表示装置。
【0149】(付記2) 電界の作用により、色の相異
なる2相構造からなる樹脂粒子を泳動および/または回
転させて表示を行うシート型表示装置において、使用さ
れる樹脂粒子が、オキシアルキレン結合とアルキル末端
基とを含むアルコールを含有する樹脂Aよりなる粒子お
よび所定のモノマーを含む液を作製する段階と、当該液
中において、当該樹脂Aよりなる粒子の表面の一部に当
該モノマーを偏在して付着させる段階と、当該モノマー
を重合して、ビニル結合とカルボニル結合とが共役する
構成単位を含む樹脂Bとなし、当該樹脂Aと当該樹脂B
との2相構造からなる樹脂粒子を作製する段階と、当該
樹脂Bを着色する段階と、当該2相構造からなる樹脂粒
子を球形化する段階とを含む方法で製造されたものであ
るシート型表示装置。
【0150】(付記3) 前記オキシアルキレン結合と
アルキル末端基とを含むアルコールが、CH3(CH2
X(OCn2nYOH(X≧0、Y≧1、n≧1、ただ
し、X,Y,nは整数)の構造式からなるアルコールで
ある付記1または2に記載のシート型表示装置。
【0151】(付記4) 前記樹脂Aと前記樹脂Bと
が、水中で変形できる樹脂である付記1〜3に記載のシ
ート型表示装置。
【0152】(付記5) 前記樹脂Aが、ポリエチレ
ン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアルキド、ポリ
イミド、ポリカーボネート、カルバナワックス、アマイ
ドワックス、パラフィンワックスおよびこれらの共重合
体よりなる群から選択される、少なくとも1種の樹脂を
含む付記1〜4のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0153】(付記6)前記樹脂A中における前記オキ
シアルキレン結合とアルキル末端基とを含むアルコール
の濃度が5重量%以上の範囲にある付記1〜5のいずれ
かに記載のシート型表示装置。
【0154】(付記7) 前記樹脂Bが、ビニルエステ
ル化合物の重合体またはビニルエステル化合物と他のビ
ニル化合物との共重合体である付記1〜6のいずれかに
記載のシート型表示装置。
【0155】(付記8) 前記樹脂Aが、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウムから
なる群から選択した少なくとも一つの着色剤を含む付記
1〜7のいずれかに記載のシート型表示装置。
【0156】(付記9) 前記樹脂Bが、前記樹脂Aと
は異なる色を有する付記1〜8のいずれかに記載のシー
ト型表示装置。
【0157】(付記10) 電界の作用により、色の相
異なる2相構造からなる樹脂粒子を泳動および/または
回転させて表示を行うシート型表示装置の製造方法であ
って、使用される樹脂粒子が、オキシアルキレン結合と
アルキル末端基とを含むアルコールを含有する樹脂Aよ
りなる粒子および所定のモノマーを含む液を作製する段
階と、当該液中において、当該樹脂Aよりなる粒子の表
面の一部に当該モノマーを偏在して付着させる段階と、
当該モノマーを重合して樹脂Cとなし、当該樹脂Aと当
該樹脂Cとの2相構造からなる樹脂粒子を作製する段階
と、当該樹脂Cを着色する段階と、当該2相構造からな
る樹脂粒子を球形化する段階とを含む方法で製造された
ものであるシート型表示装置の製造方法。
【0158】(付記11) 前記樹脂Aよりなる粒子お
よび所定のモノマーを含む液を作製する段階が、オキシ
アルキレン結合とアルキル末端基とを含むアルコール
と、選択的に着色剤とを溶融混合し、水中で懸濁するこ
とにより樹脂Aよりなる粒子の懸濁液を作製し、当該懸
濁液と別途作製した前記所定のモノマーの水を媒体とす
る乳濁液とを混合して当該液を作成することを含み、前
記樹脂Aよりなる粒子の表面の一部に前記モノマーを偏
在して付着させる段階が、当該液を撹拌の存在下または
非存在下に放置することを含む付記10に記載のシート
型表示装置の製造方法。
【0159】(付記12) 前記2相構造からなる樹脂
粒子を球形化する段階が、当該樹脂粒子を水中で加熱し
て、当該2相構造からなる樹脂粒子を球形化することを
含む付記10または11に記載のシート型表示装置の製
造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の着色回転粒子の製造方法を例示する
図である。
【符号の説明】
1 懸濁粒子 2 乳濁粒子 3 複合化した粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 光男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 猿渡 紀男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4J011 PA56 PA64 PA69 PA88 PA89 PA97 PB06 PC06 4J026 AA08 AA12 AA42 AB07 AB11 AB17 AB34 BA05 BA15 BA19 BA20 BA27 BA31 BB03 DB04 DB12 DB14 DB15 FA02 GA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界の作用により、色の相異なる2相構
    造からなる樹脂粒子を泳動および/または回転させて表
    示を行うシート型表示装置において、使用される樹脂粒
    子が、 オキシアルキレン結合とアルキル末端基とを含むアルコ
    ールを含有する樹脂Aと、 ビニル結合とカルボニル結合とが共役する構成単位を含
    む樹脂Bと、の2相構造よりなるシート型表示装置。
  2. 【請求項2】 電界の作用により、色の相異なる2相構
    造からなる樹脂粒子を泳動および/または回転させて表
    示を行うシート型表示装置において、使用される樹脂粒
    子が、 オキシアルキレン結合とアルキル末端基とを含むアルコ
    ールを含有する樹脂Aよりなる粒子および所定のモノマ
    ーを含む液を作製する段階と、 当該液中において、当該樹脂Aよりなる粒子の表面の一
    部に当該モノマーを偏在して付着させる段階と、 当該モノマーを重合して、ビニル結合とカルボニル結合
    とが共役する構成単位を含む樹脂Bとなし、当該樹脂A
    と当該樹脂Bとの2相構造からなる樹脂粒子を作製する
    段階と、 当該樹脂Bを着色する段階と、 当該2相構造からなる樹脂粒子を球形化する段階とを含
    む方法で製造されたものであるシート型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記オキシアルキレン結合とアルキル末
    端基とを含むアルコールが、CH3(CH2X(OCn
    2nYOH(X≧0、Y≧1、n≧1、ただし、X,
    Y,nは整数)の構造式からなるアルコールである請求
    項1または2に記載のシート型表示装置。
  4. 【請求項4】 前記樹脂Aと前記樹脂Bとが、水中で変
    形できる樹脂である請求項1〜3に記載のシート型表示
    装置。
  5. 【請求項5】 前記樹脂Aが、ポリエチレン、ポリエス
    テル、アクリル樹脂、ポリアルキド、ポリイミド、ポリ
    カーボネート、カルバナワックス、アマイドワックス、
    パラフィンワックスおよびこれらの共重合体よりなる群
    から選択される、少なくとも1種の樹脂を含む請求項1
    〜4のいずれかに記載のシート型表示装置。
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