JP2003270584A - ヘッドマウントディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイを備えた画像入出力装置 - Google Patents

ヘッドマウントディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイを備えた画像入出力装置

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JP2003270584A
JP2003270584A JP2003062335A JP2003062335A JP2003270584A JP 2003270584 A JP2003270584 A JP 2003270584A JP 2003062335 A JP2003062335 A JP 2003062335A JP 2003062335 A JP2003062335 A JP 2003062335A JP 2003270584 A JP2003270584 A JP 2003270584A
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Toshihiko Hiroake
敏彦 広明
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表示画像のコントラストの高さを維持しつつ利
用者に眩しさを感じさせることなく、利用者の目を含む
姿を明瞭に観察する。 【解決手段】ヘッドマウントディスプレイ10を、利用
者に提示する画像を表示する画面表示部11と、特定の
波長または帯域の光線を透過させると同時に可視領域の
光線を反射させる性質を有する透過光線選択素子12
と、連続または離散的な波長帯域を持つ光線を放出する
透過光源13a,13bとから構成する。このヘッドマ
ウントディスプレイ10に、幾何光学的に同一の特性を
持ち感応する波長領域のみが異なる可視光線用カメラ2
1および透過光線用カメラ22と、これらの光軸や画角
が一致するようにカップリングするために配置されるビ
ームスプリッタ23と、可視光線用カメラ21および透
過光線用カメラ22で撮影した画像を合成する画像合成
部24とから成る利用者撮影ユニット20とを組み合わ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドマウントデ
ィスプレイおよびヘッドマウントディスプレイを備えた
画像入出力装置に関し、特に、利用者に提示用画像を提
供しつつ、利用者の視線や目の画像を撮影できるヘッド
マウントディスプレイおよびヘッドマウントディスプレ
イを備えた画像入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヘッドマウントディスプレイ(あ
るいは、頭部搭載型ディスプレイともいう)として、例
えば、図5および図6に示すようなものがある。
【0003】図5に示すヘッドマウントディスプレイ
は、密閉型(クローズドタイプ)のヘッドマウントディ
スプレイであり、画面表示部51に表示された画像がミ
ラー52で反射され、利用者に提示される。この密閉型
のヘッドマウントディスプレイによれば、密閉型の筐体
50により利用者の目を外界から完全に遮蔽することが
できるので、良好なコントラストを保った画像を利用者
に提示できる。
【0004】一方、図6に示すヘッドマウントディスプ
レイは、ハーフミラーにより外界が透けて見える透過型
(あるいはシースルータイプ)のヘッドマウントディス
プレイであり、画面表示部61に表示された画像が、ハ
ーフミラー62で反射され、利用者に提示される。この
透過型のヘッドマウントディスプレイによれば、透過型
の筐体60により画面表示部61に表示された画像を目
の正面に位置するハーフミラー62で反射させて提示す
るため、利用者は画像を見つつ、同時に外界の様子を観
察することもできる。また、ハーフミラーの透過率を調
節すれば利用者の目を外部の人間が観察できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヘッドマウントディスプレイによれば、以下のような問
題があった。 (1)密閉型のヘッドマウントディスプレイでは、利用
者の眼球の前に光線を透過しない物体(ミラー)を配置
しているため、例えば、図7に示すように、利用者の目
が完全に装置に覆われてしまい、利用者以外の人からは
その利用者の目が見えないという問題があった。目や視
線は、人同士がコミュニケーションをはかる上で重要な
情報であるが、密閉型のヘッドマウントディスプレイの
利用者とそれ以外の人間が対面もしくは画像通信手段に
より会話を行う場合には、目が隠れたままで会話をする
ことになり、利用者以外の人から見た場合に違和感を覚
えさせてしまう。また、一般に密閉型のヘッドマウント
ディスプレイは着脱に手間がかかるので、会話のたびに
ヘッドマウントディスプレイを着脱するのは煩わしく、
かつ、効率が良くないという問題もあった。
【0006】(2)一方、透過型のヘッドマウントディ
スプレイは、利用者は表示画像を見つつ外界の様子を観
察することができ、また、外部からも利用者の目を観察
することができるので、このような違和感や着脱の煩わ
しさという問題はなくなるが、可視光線の領域におい
て、ヘッドマウントディスプレイから発せられる光線と
周囲からの光線とが混合するため、周辺の環境が明るい
場合には提示画像のコントラストが低くなり、画像が見
にくくなるという問題があった。また、ハーフミラーに
よる顔画像からの光線の光量の減衰と、ハーフミラーや
ヘッドマウントディスプレイによって顔が覆われてお
り、顔へ照射される光量が少ないため、例えば、図8に
示すように、利用者の目を外部の人間が観察できるもの
の、利用者の目が明瞭に観察できないという問題があっ
た。例えば、前述のように、透過型のヘッドマウントデ
ィスプレイの利用者とそれ以外の人間が対面もしくは画
像通信手段により会話を行う場合には、利用者の目や視
線が明瞭に観察できないため、コミュニケーションがう
まく図れない状況が生じるおそれがある。この問題を解
決するための手段として、ハーフミラーの反射率を下げ
たり、利用者の顔面に可視光線による照明を照射するな
どの処置が挙げられる。しかし、ハーフミラーの反射率
を下げる場合には、利用者に提示される画像と外界との
更なるコントラストの低下をもたらし、他方、利用者の
顔面に可視光線による照明を照射するなどの処置をとる
場合には、利用者が眩しくて使いづらくなるという新た
な問題が生じる。
【0007】従って、本発明の目的は、表示画像のコン
トラストの高さを維持しつつ、利用者に眩しさを感じさ
せることなく、利用者の目を含む姿を明瞭に観察(ある
いは画像として撮影)することができるヘッドマウント
ディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイを備え
た画像入出力装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、利用者の頭部に装着することにより前記
利用者の目に画像情報を提示するヘッドマウントディス
プレイにおいて、可視領域の光線で表示される前記画像
情報を前記利用者の目に反射させるとともに特定の波長
あるいは特定の帯域を有する所定の光線を外部に透過さ
せる透過光線選択素子を設けたことを特徴とするヘッド
マウントディスプレイを提供するものである。
【0009】また、本発明は、上記の目的を達成するた
め、利用者の頭部に装着することにより前記利用者の目
に画像情報を提示するヘッドマウントディスプレイにお
いて、前記画像情報を前記画像情報を可視領域の光線で
表示する画像表示手段と、前記可視領域の光線で表示さ
れる前記画像情報を前記利用者の目に反射させるととも
に特定の波長あるいは特定の帯域を有する所定の光線を
透過させる透過光線選択素子と、前記所定の光線を前記
利用者の顔面に放出する光源と、を有し、前記利用者の
顔面に放出された前記所定の光線を前記顔面で反射さ
せ、前記反射した前記所定の光線を前記透過光線選択素
子から外部に透過させることを特徴とするヘッドマウン
トディスプレイを提供するものである。
【0010】以上の構成において、前記透過光線選択素
子は、半導体で構成されることが望ましく、前記所定の
光線は、赤外線であることが望ましい。
【0011】更に、本発明は、上記の目的を達成するた
め、上記のヘッドマウントディスプレイを備えた画像入
出力装置であって、入力される可視光線を反射させ、前
記入力される透過光線を透過させる透過光線選択素子
と、前記反射された可視光線による画像のみを撮影する
可視光線撮影手段と、前記透過した透過光線による画像
のみを撮影する透過光線撮影手段と、前記可視光線撮影
手段によって撮影された画像と前記透過光線撮影手段に
よって撮影された画像を合成して外部に出力する画像合
成手段と、を有することを特徴とするヘッドマウントデ
ィスプレイを備えた画像入出力装置を提供するものであ
る。
【0012】以上の構成において、前記ヘッドマウント
ディスプレイを備えた画像入出力装置は、通信手段を介
して他の複数のヘッドマウントディスプレイを備えた画
像入出力装置と相互に接続されていることが望ましい。
【0013】
【作用】このように、本発明のヘッドマウントディスプ
レイによれば、透過光線選択素子を用いることで、画面
表示部から発生した光線の光量を損なうことなく利用者
に提示でき、かつ、利用者の目を含む顔画像を、透過光
線選択素子が透過させる特定の波長領域の光線により観
察できるようになる。
【0014】また、透過光線選択素子に半導体を用い、
透過光源として赤外線光源を用いたヘッドマウントディ
スプレイは、利用者がまぶしさを感じることなく、か
つ、良好なコントラストを有する利用者の目の周囲の画
像を撮影することができるようになる。
【0015】また、本発明のヘッドマウントディスプレ
イを備えた画像入出力装置によれば、画像合成部で、可
視光線用カメラでは撮影されない利用者の顔画像部分を
透過光線用カメラの画像で補うので、利用者が画面表示
部に表示された提示用画像を観察しながら、その利用者
の正視画像を得られるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の実施の形態によるヘッドマウントディスプレイ
およびヘッドマウントディスプレイを備えた画像入出力
装置を詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の形態によるヘッド
マウントディスプレイの構成を示す図である。図に示す
ように、このヘッドマウントディスプレイ10は、利用
者に提示する画像を表示する画面表示部11と、特定の
波長あるいは特定の帯域の光線を透過させると同時に可
視領域の光線を反射させる性質を有する透過光線選択素
子12と、連続もしくは離散的な波長帯域を持つ光線を
放出する透過光源13a,13bと、から構成されてい
る。
【0018】以上の構成において、画面表示部11は,
可視光線によって画像を表示し利用者に提示するもので
ある。なお、画面表示部11上の画像から利用者の眼ま
での光線の反射回数が奇数回である場合には、利用者は
反転した画像を観察することになるので、その場合に
は、画面表示部11上での画像をあらかじめ反転表示し
ておく必要がある。画像を反転させる方法は,画面表示
部11の直前において映像をフレームメモリなどに蓄積
し反転させる方法や、画面表示部11内部で画面を描画
する際の走査方向を反転させるなどの方法があり、どの
方法を選んでも良い。
【0019】透過光線選択素子12は、特定の波長の光
線を透過し、かつ、ディスプレイから発せられた光線を
反射し、その反射像を利用者が正常な表示画像として観
察できる特性を持つ。透過光線選択素子12の形状とし
ては、平板のものを選択するのが簡単である。また、画
像を拡大縮小して表示したり、焦点位置を調節するとい
ったことを目的として画面表示部11から利用者までに
特定の光学系が配置される場合には、透過光線選択素子
12を凹面鏡もしくは凸面鏡として加工することによ
り、平板の時と同様の透過効果を得ることができる。そ
の場合には、透過光の屈折の影響を補正すると効果的で
ある。補正の方法としては、透過光線選択素子12の前
方に補正用の光学素子を挿入するか、後述するように可
視光線用カメラおよび透過光線用カメラのカメラ撮影後
に、画像処理によって補正するようにしても良い。
【0020】透過光線選択素子12の厚みは、自重や筐
体の支持による変形の影響を受けない程度の強度を保持
できるように設計されることが望ましい。
【0021】本実施の形態においては、画面表示部11
上に画像が何も表示されていない状態で本実施の形態に
よるヘッドマウントディスプレイ10を利用者が装着し
た際に、利用者が暗いと知覚するように筐体を設計する
と、表示される画面のコントラストが向上し効果的であ
る。そのために、可視光線を透過しない素材で筐体を製
作して、画面表示部11と透過光線選択素子12とを内
蔵し、かつ、周囲からの可視光線を遮蔽するような構造
にする。このとき、透過光線選択素子12の前方は透過
波長が透過できるように、開放、もしくは、透過波長選
択素子12を透過した光線が直進できるような構造とす
る。また、光線が顔面を均等に照射できるように筐体
上,筐体内部あるいは透過波長選択素子12の周囲に透
過光源13a,13bを配置するようにする。
【0022】以上の構成を有する本実施の形態によるヘ
ッドマウントディスプレイの動作を説明する。まず、画
面表示部11で表示される利用者提示用の画像は可視光
線14によって表示され、その利用者提示用の画像は、
透過光線選択素子12において反射し利用者に提示され
る。透過光線選択素子12は、特定の波長あるいは特定
の帯域の光線を透過させると同時に可視領域の光線を反
射させる性質を有するため、周囲の風景と利用者の目の
間に挿入された可視光線に対する遮蔽物と同じ働きをす
る。従って、利用者は透過光線選択素子12を通してそ
の背後にある実際の風景は見えない状態となる。
【0023】一方、透過光源13a,13bから発せら
れた光線は利用者の顔面を照らす。その光線は利用者の
顔において反射し、その一部は符号15で示すように、
透過光線選択素子12を透過し利用者の前方へ放射され
る。
【0024】図2は、本実施の形態によるヘッドマウン
トディスプレイを装着した際に、透過波長の光線で利用
者を観察した場合の様子であり、利用者の目が透過波長
選択素子を通して明瞭に観測できる。
【0025】このように本実施の形態によれば、画面表
示部11で表示された画像が外界の風景と重なって表示
されることがなくなるので、可視光線の領域では、密閉
型ヘッドマウントディスプレイと同じ効果が得られ、利
用者は十分なコントラストを有する利用者提示用の画像
を観察できる。また、利用者の前方において、透過光線
による利用者の顔画像を観察することができる。
【0026】なお、透過光線選択素子12に半導体を用
い、透過光源13に赤外線照明を用いることで、より効
果的に利用者提示用の画像を観察することができ、か
つ、より効果的に利用者の顔画像を観察することができ
る。半導体は、赤外領域において透過特性を有するもの
が多く、かつ、可視光領域の光線を反射する特性を持つ
からである。
【0027】この透過光線選択素子12に用いる半導体
としては、シリコン(Si)が有効である。シリコン
は、バンドギャップが室温で約1.1eVであるので、
透過光線として近赤外域の波長の光を利用できる。この
ため、照明源として安価な赤外用LEDを使用でき、部
品コストや消費電力、重量や照射寿命の面において、設
計上有利である。また、可視光領域の光線を良好に反射
するので、鏡で画面を反射する場合よりも表示画面の輝
度を明るくするなどの調整を施せば、反射鏡として機能
させることができる。
【0028】ゲルマニウムも利用可能であるが、ゲルマ
ニウムのバンドギャップは室温で約0.66eVと、シ
リコンよりもさらに長波長域にあり、この領域をカバー
する撮影装置や照明源の種類の豊富さの点から鑑みて、
シリコンよりも扱いにくい。また、ゲルマニウムはシリ
コンよりも水と反応しやすいので、空気中にゲルマニウ
ムを直接曝して用いる場合には、透過光線領域において
透明な保護膜で覆うといった処置が必要となり、この点
でも扱いに配慮を要する。ゲルマニウムだけでなく、他
の空気に接触する事によって何らかの変質が生じるよう
な素材により透過光線選択素子を構成する場合には、そ
の変質を防ぐ上で保護膜は効果的である。特に、表面の
変質で可視光線の反射特性が変化したり、透過特性が変
化するような場合には、必ず保護膜を形成するようにす
ることで、装置や素子の性能劣化を防止できる。
【0029】透過光線選択素子12に半導体を用いる別
のメリットとしては、ドーピングする不純物の量を変え
ることで光学特性を変化させられる点である。これによ
り、透過させる波長域を変えたり、可視領域の反射特性
などを調整することができ、目的とする光学特性を設計
しやすい。シリコンやゲルマニウム以外の半導体を用い
て透過光線選択素子を形成することも可能で、また、赤
外域を透過し可視光域の光線をフラットに近い特性で反
射する素材であれば、半導体のかわりに透過光線選択素
子として用いることができる。
【0030】一方、可視光線の効果的な反射を得つつ、
透過光線の光線の散乱を防ぐために、半導体の表面を平
面かつ平滑に加工する。その加工方法としては、平板で
鏡面仕上げを施すなどが一般的であり、半導体の単結晶
もしくは多結晶をスライスして平板にし、その表面を研
磨などの手段によって鏡面に仕上げたものによって素子
を形成する方法と、平面で鏡面加工された透明基板に蒸
着もしくはスパッタリングやCVDといった成膜手段に
より半導体の薄膜を形成する方法により、透過光線選択
素子を形成できる。その他、多層誘電膜などの光学素子
によっても、同等の透過光線選択素子を形成できる。
【0031】透過光源13a,13bは、透過光線選択
素子12が透過する帯域の光線を含む、連続もしくは離
散的な波長帯域を持つ光線を放出するものである。例え
ば、赤外線LEDの場合には、放出する光はある波長を
中心に特定の半値幅を持ったブロードなピークをもつ。
この光源の中心波長から半値幅程度のピーク領域までが
透過光線選択素子12の透過領域に入っていれば、透過
光源として十分な性能が得られる。
【0032】また、後述するように透過光線用カメラを
用い、この透過光線用カメラ側で増幅を行うなどの処理
を行えば、光源の放出する光線の中心波長が透過光線選
択素子の透過領域の境界もしくは境界から半値幅程度は
ずれていても、透過光源として利用できる。
【0033】その他に、自然放射の原理で発光する光源
に、透過光線とする波長領域よりも短い光線をカットす
る光学フィルタを施して、透過光源を形成することも可
能である。
【0034】このように、透過光源13a,13bに赤
外線照明を用いることで、利用者は顔を照らす照明の明
るさを知覚しなくて済み、眩しさを感じなくなる。その
ため、十分な光量によって利用者を照らすことができる
ようになり、利用者の顔画像を観察しやすくできる。
【0035】図3は、他の実施の形態によるヘッドマウ
ントディスプレイを備えた画像入出力装置の構成を示す
図である。図に示すように、このヘッドマウントディス
プレイを備えた画像入出力装置は、ヘッドマウントディ
スプレイ10と、利用者撮影ユニット20とから構成さ
れている。
【0036】ヘッドマウントディスプレイ10について
は、前述したので重複する説明は省略する。利用者撮影
ユニット20は、幾何光学的に同一の特性を持ち感応す
る波長領域のみが異なる可視光線用カメラ21および透
過光線用カメラ22と、可視光線用カメラ21および透
過光線用カメラ22の光軸や画角が一致するようにカッ
プリングするために配置されるビームスプリッタ23
と、可視光線用カメラ21および透過光線用カメラ22
で撮影した画像を合成する画像合成部24とから成る。
なお、符号25は、画像合成部24で合成して出力され
る合成画像を示し、その合成画像は図2に示すように観
察される。
【0037】画像合成部24では、可視光線用カメラ2
1では撮影できずに欠損している利用者の顔画像部分を
透過光線用カメラ22の画像で補い、一つの利用者画像
として合成し、合成画像25を出力する。これにより、
利用者が画像を観察しながら、その利用者の正視画像を
得ることができる。
【0038】ここで、可視光線用カメラ21によって撮
影された利用者の顔画像の欠損部分の検出には、ヘッド
マウントディスプレイ10や透過光線選択素子12の外
周にマーカを形成しておき、画像処理技術により、欠損
部分の推定を行う方法や、透過光線選択素子12の表面
を顔と区別しやすい特徴のある色で、かつ、透過光線の
進行に影響を与えない塗料を塗布しておき、画像処理に
より検出する方法や、透過光線は必ず透過光線選択素子
12からしか出てこないような構成にしておき、透過光
線用カメラ22の輝度情報をキーとして、顔画像の欠損
部分を決定する方法などがある。
【0039】いずれの場合にも、ヘッドマウントディス
プレイ10による顔画像の欠損部分を全て検出し、合成
するのではなく、ノンバーバルな情報として重要な働き
をする目の周囲の情報を検出し合成するものであり、顔
画像として全ての部分が両方のカメラ21,22の画像
により補完、生成できなくても、目的とする効果が得ら
れる。
【0040】このように、可視光線用カメラ21と透過
光線用カメラ22とをビームスプリッタ23で光軸や画
角が一致するようにカップリングし配置することで、一
方の画像の輝度などをキーとして別の画像へ合成すると
いった、キーイングなどの手法による合成の単純化が可
能となる。画像をフレームメモリなどに読み込み、線形
変換するといった、デジタル画像処理の手法を用いて二
つのカメラ21,22の画像を一致させ合成する方法を
とっても良い。
【0041】透過光線用カメラ22の前には、透過光線
のみを透過させ、それ以外の波長の光はカットするフィ
ルタを入れておくといった方法も有効である。同時に、
可視光線用カメラ21の前には、透過光線の光線をカッ
トし可視光線は透過するフィルタを入れておくと、良好
な合成結果が得やすくなる。
【0042】透過光源13a,13bによって利用者を
照らす光線に、日常生活環境において強度が低いような
特殊な波長や帯域の光線を選ぶことで、透過光線用カメ
ラ22は利用者の顔画像を主とした画像を撮影できる。
例えば、赤外光や単波長の光線などを選べばよい。その
画像の輝度をキーとして、可視光線用カメラ21の画像
に透過光線用カメラ22の画像を重畳合成する。この方
法により、可視光線用カメラ21で撮影した、利用者の
目の部分だけが隠れた画像に、透過光線用カメラ22で
撮影された目の周辺画像がはめ込まれた利用者の画像を
得ることができる。
【0043】一般に、赤外領域で利用者の眼球を撮影し
た場合には、十分なコントラストが得られず、不自然な
印象を与える映像となることがあるが、その場合には、
画像処理により眼球の光彩や瞳の部分の明度を下げるな
どの処理を施すことで自然な画像を生成できる。また、
赤外領域の波長で撮影した画像は一般に白黒画像である
が、可視光線で撮影した利用者の顔の色情報を基に色相
などの色情報を抽出し、赤外線で撮影した白黒画像の明
度情報と、この顔の色情報とを積算し、可視光線の画像
とのコントラストのバランスをとることで、白黒画像の
部分を自然な顔面の色らしくする事が可能となる。ま
た、可視光線の画像も白黒画像とすれば、合成が単純に
なり、かつ、調整も容易になり、自然な印象の画像が生
成しやすくなる。
【0044】このように、画像合成部24では、可視光
線用カメラ21では観察できずに欠損している利用者の
顔画像部分を透過光線用カメラ22の画像で補い、一つ
の利用者画像として合成し出力する。これにより、利用
者が画像を観察しながら、その利用者の正視画像が得ら
れるようになる。
【0045】なお、本実施の形態による画像入出力装置
を、通信装置を介して複数台接続し利用することで、利
用者同士の互いの視線が一致可能な、自然な画像通信を
実現することができる。図4は、その構成を示したもの
である。
【0046】図において、利用者Aを利用者撮影ユニッ
ト20で撮影し、可視光線による利用者画像と透過光に
よる利用者画像とを画像合成部24で合成して得られた
合成画像25は、通信装置30を介して利用者Bの画像
入出力装置へ送られ、利用者Bに提示される。同時に、
利用者Bを利用者撮影ユニット20で撮影し、画像合成
部24で合成して得られた合成画像25を、通信装置3
0によって利用者Aの画像入出力装置に送り、利用者A
に提示する。このような対向接続を実施することで、視
線が一致可能な画像通信を実現することができる。
【0047】なお、上記の各実施の形態が示すように、
本発明の実施の形態によるヘッドマウントディスプレイ
および画像入出力装置は、単純な光学系により実施でき
るので、装置の設計を容易に行うことができる。
【0048】また、上記各実施の形態において、透過光
線選択素子を単眼用としてでなく、両眼用として構成し
てもよい。そのための構成としては、右目用と左目用と
の画面表示部を2つ配置し、その各々の画面表示部に対
して、独立に透過光線選択素子を割り当て、画面から放
出された光線を利用者へ導くようにする。
【0049】さらに、上記の各実施の形態は、頭部に装
着して使用されるヘッドマウントディスプレイを例に挙
げて説明しているが、画面表示部,透過光線選択素子な
らびに筐体のサイズを、相似の関係を保ちながら大きく
して、利用者が装置から離れて観察できる画面サイズに
変更することにより、頭部に装着せずに、床面や机上に
設置しながら通常のテレビ会議やテレビ電話用のディス
プレイに供することもできる。このような拡大表示の場
合は、利用者と装置とが離れているので、外光に透過光
線が十分に含まれている場合が多く、その場合には、利
用者に透過光線が多く投射されるので、透過光源がなく
ても利用者の顔画像を撮影することができる。
【0050】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、本発明の技術思想の範囲内において、適宜変更さ
れ得ることは明らかである。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヘッドマ
ウントディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイ
を備えた画像入出力装置によれば、利用者の頭部に装着
することにより利用者の目に画像情報を提示するヘッド
マウントディスプレイにおいて、可視領域の光線で表示
される画像情報を利用者の目に反射させるとともに特定
の波長あるいは特定の帯域を有する所定の光線を外部に
透過させる透過光線選択素子を設けるようにしたので、
表示画像のコントラストの高さを維持しつつ、利用者に
眩しさを感じさせることなく、利用者の目を含む姿を明
瞭に観察(あるいは画像として撮影)することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるヘッドマウントディ
スプレイの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態によるヘッドマウントディ
スプレイを外部の利用者が観察した場合の様子を示す図
である。
【図3】本発明の他の実施の形態によるヘッドマウント
ディスプレイを備えた画像入出力装置の構成を示す図で
ある。
【図4】本発明の他の実施の形態によるヘッドマウント
ディスプレイを備えた画像入出力装置を用いた画像通信
の様子を示す模式図である。
【図5】従来の密閉型ヘッドマウントディスプレイの形
態を示す構成図である。
【図6】従来の透過型ヘッドマウントディスプレイの形
態を示す構成図である。
【図7】図5の密閉型ヘッドマウントディスプレイを外
部の利用者が観察した場合の様子を示す図である。
【図8】図6の透過型ヘッドマウントディスプレイを外
部の利用者が観察した場合の様子を示す図である。
【符号の説明】
10 ヘッドマウントディスプレイ 11 画面表示部 12 透過光線選択素子 13 透過光源 14 可視光線 15 透過光線 20 利用者撮影ユニット 21 可視光線用カメラ 22 透過光線用カメラ 23 ビームスプリッタ 24 画像合成部 25 合成画像

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】利用者の頭部に装着することにより前記利
    用者の目に画像情報を提示するヘッドマウントディスプ
    レイにおいて、 前記画像情報を可視領域の光線で表示する画像表示手段
    と、 前記可視領域の光線で表示される前記画像情報を前記利
    用者の目に反射させるとともに特定の波長あるいは特定
    の帯域を有する所定の光線を透過させる透過光線選択素
    子と、 前記所定の光線を前記利用者の顔面に放出する光源と、
    を有し、 前記利用者の顔面に放出された前記所定の光線を前記顔
    面で反射させ、前記反射した前記所定の光線を前記透過
    光線選択素子から外部に透過させることを特徴とするヘ
    ッドマウントディスプレイ。
  2. 【請求項2】前記透過光線選択素子は、半導体で構成さ
    れることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウント
    ディスプレイ。
  3. 【請求項3】前記所定の光線は、赤外線であることを特
    徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレ
    イ。
  4. 【請求項4】前記請求項1に記載のヘッドマウントディ
    スプレイを備えた画像入出力装置であって、 入力される可視光線を反射させ、前記入力される透過光
    線を透過させる透過光線選択素子と、 前記反射された可視光線による画像のみを撮影する可視
    光線撮影手段と、 前記透過した透過光線による画像のみを撮影する透過光
    線撮影手段と、 前記可視光線撮影手段によって撮影された画像と前記透
    過光線撮影手段によって撮影された画像を合成して外部
    に出力する画像合成手段と、 を有することを特徴とするヘッドマウントディスプレイ
    を備えた画像入出力装置。
  5. 【請求項5】前記ヘッドマウントディスプレイを備えた
    画像入出力装置は、通信手段を介して他の複数のヘッド
    マウントディスプレイを備えた画像入出力装置と相互に
    接続されていることを特徴とする請求項4に記載のヘッ
    ドマウントディスプレイを備えた画像入出力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015194550A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 セイコーエプソン株式会社 光学デバイス、画像投影装置及び電子機器
WO2018182159A1 (ko) * 2017-03-28 2018-10-04 문명일 가상 오브젝트의 처리가 가능한 스마트 안경

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