JP2003270542A - 顕微鏡用照明光学系 - Google Patents

顕微鏡用照明光学系

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JP2003270542A JP2002076725A JP2002076725A JP2003270542A JP 2003270542 A JP2003270542 A JP 2003270542A JP 2002076725 A JP2002076725 A JP 2002076725A JP 2002076725 A JP2002076725 A JP 2002076725A JP 2003270542 A JP2003270542 A JP 2003270542A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対物レンズの瞳位置に適切な大きさと照射角度
を有する光源像を形成可能な顕微鏡用照明光学系を提供
する。また、照明効率を著しく落とすことのない輪帯照
明が可能な顕微鏡用照明光学系を提供する。 【解決手段】光源と、前記光源からの発散された光束を
略平行光束に変換するコレクタレンズと、光源像を結像
させる中間結像レンズ3と、中間結像レンズ3を介して
光源像を形成した後に発散する光束を再び結像して光源
像を対物レンズの瞳位置に投影する投影レンズと、前記
光源と共役な位置にリング状開口が配置された顕微鏡用
照明光学系において、中間結像レンズ3が、その頂角が
1点Pを中心として回転方向に合計で360°になるよ
うに並べられた複数の扇形レンズ面3cの集合からな
り、各々の扇形レンズ面3aの光軸Oが、その頂角近傍
に位置し、かつ、前記1点Pを中心とする円周上に並べ
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顕微鏡用照明光学系
に関し、対物レンズの瞳位置に適切な光源像を形成する
ことができる顕微鏡用照明光学系に関する。また、光量
損失の少ない輪帯照明が可能な顕微鏡用照明光学系に関
する。
【0002】
【従来の技術】図6は顕微鏡用照明光学系の基本構成を
示す全体図である。照明光学系は、光源1と、光源1か
らの発散された光束を略平行光束に変換するコレクタレ
ンズ2と、光源像4を結像させる中間結像レンズ10
と、中間結像レンズ10を介して光源像4を形成した後
に発散する光束を再び結像して光源像を対物レンズの瞳
位置6に投影する投影レンズ5とを有して構成されてい
る。
【0003】また、このような構成に加えて、更に、光
源と共役の位置に、リング状の開口絞り(リング状開
口)を配置した構成がある。この構成は、暗視野照明光
学系として知られている。また、リング状開口の開口部
の大きさを調整することで、観察物体を照明する角度を
コントロールすることができる。これを利用して、照明
光をカバーガラスと観察物との境界で全反射させ、観察
物側に僅かに沁み出るエバネッセント波を用いて照明す
る方法が「Axelrod D.Total internal reflection fluo
resence at biological surfaces. Noninvasive techni
ques in cell biology. New York,NY:Wiley-Liss,Inc.,
1990.」等により知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水銀ランプの
ような発光面積の小さい光源の場合、対物レンズの瞳位
置に適切な大きさの光源像を形成しようとすると、照明
に必要な照射角を得ることができないという問題があっ
た。また、暗視野照明では、リング状開口の遮蔽部で殆
どの照明光が遮られてしまうため、明るく照明すること
が出来ないという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、対物レンズの瞳位置に適切な大きさと照射角
度を有する光源像を形成可能な顕微鏡用照明光学系を提
供することを目的とする。また、照明効率を著しく落と
すことのない輪帯照明が可能な顕微鏡用照明光学系を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第1の発明による顕微鏡用照明光学系は、光源
と、前記光源からの発散された光束を略平行光束に変換
するコレクタレンズと、光源像を結像させる中間結像レ
ンズと、前記中間結像レンズを介して光源像を形成した
後に発散する光束を再び結像して光源像を対物レンズの
瞳位置に投影する投影レンズとを有する顕微鏡用照明光
学系において、前記中間結像レンズが、その頂角が1点
を中心として回転方向に合計で360°になるように並
べられた複数の扇形レンズ面の集合からなり、前記各々
の扇形レンズ面の光軸が、その頂角近傍に位置し、か
つ、前記1点を中心とする同心円上に並べられているこ
とを特徴とする。
【0007】また、本第2の発明による顕微鏡用照明光
学系は、本第1の発明において、前記光源と共役な位置
にリング状開口が配置されていることを特徴とする。
【0008】また、本第3の発明による顕微鏡用照明光
学系は、本第1又は本第2の発明において、前記各扇形
レンズ面における頂角を形成する2つの直線部の1つの
長さをR、前記各扇形レンズ面における光軸位置から前
記頂角を形成する2つの直線部の交差する点までの距離
をXとしたとき、次の条件式(1)を満足することを特徴
とする。 0.02 < X/R < 0.25 …(1)
【0009】
【発明の実施の形態】本実施の形態では、光源像を結像
させる中間結像レンズを、複数の扇形レンズ面の集合で
構成し、複数の光源像を形成させるようにしている。そ
して、扇形レンズ面の数や屈折力を適切に設定すること
で、異なるパターンの光源像を形成できるようにしてい
る。複数の扇形レンズ面を介して形成された各々の光源
像は、光源と共役位置に置かれたリング状開口の開口部
付近に形成される。
【0010】扇形レンズ面の詳細を図1に示す。中間結
像レンズ3は、複数の扇形レンズ面3aの集合で構成さ
れている。扇形レンズ面3aは、中間結像レンズの直径
よりも小さな直径を有する円の一部を扇形に切り取った
形状である。また、切り取られた扇形には、元の円中心
Oを含んでいる。本実施の形態では、この元の円中心O
を扇形レンズの光軸とする。また、数の扇形レンズ面3
aは、その頂角を1点に向けて配置されている。そし
て、その1点を中心として回転方向に合計で360°に
なるように並べられている。また、各々の扇形レンズ面
3aの光軸Oは、その頂角近傍に位置し、かつ、1点P
を中心とする同心円上に位置している。なお、回転方向
に合計で360°になるように扇形レンズ面を並べるに
は、扇形レンズ面の数は3〜8個程度が適当である。た
だし、2個〜12個程度でも良い。また、中間結像レン
ズ3は、扇形レンズ面をもつレンズを複数個集めて構成
しても、又は、複数個の扇形レンズ面を集めた形状に一
体形成されたレンズを用いて構成しても良い。
【0011】また、本発明における中間結像レンズ3
は、各扇形レンズ面3aにおける頂角を形成する2つの
直線部の1つの長さをR、各扇形レンズ面3aにおける
光軸Oの位置から頂角を形成する2つの直線部の交差す
る点(すなわち点P)までの距離をXとしたとき、次の
条件式(1)を満足している。 0.02<X/R<0.25 …(1) X/Rが0.02を下回る場合には、各々の扇形レンズ
面を経た各々の光源像の間隔が狭く、開口径の小さなリ
ング状開口に対して適切な照明となる。しかし、そのサ
イズがあまりにも小さくなりすぎるため、実施用可能な
照明系の設計や、リング状開口の製造が困難となる。一
方、X/Rが0.25を上回る場合には、各々の扇形レ
ンズ面を経た各々の光源像の間隔が広く、開口径の大き
なリング状開口に対して適切な照明となる。しかし、開
口部を通過する光線の開口角αが小さくなり観察物体側
の照明範囲が狭くなるので、観察可能な視野が狭くな
り、照明ムラも増すという問題が生じる。
【0012】以下、本発明の実施例を説明する。実施例1 図2は本発明による顕微鏡用照明光学系の第1実施例を
示す要部説明図であり、(a)は中間結像レンズの構成を
示す正面図、(b)は中間結像レンズから光源像位置まで
の光束の結像状態を示す説明図、(c)は光源像位置にお
ける光源像の様子を示す図である。本実施例の顕微鏡用
照明光学系は、基本構成は図6に示す従来のものと同様
である。光源1と、光源1からの発散された光束を略平
行光束に変換するコレクタレンズ2と、光源像4を結像
させる中間結像レンズ3と、中間結像レンズ3を介して
光源像4を形成した後に発散する光束を再び結像して光
源像を対物レンズの瞳位置6に投影する投影レンズ5と
を有している。本実施例では、従来の照明光学系とは異
なり、中間結像レンズ3が図2(a)に示したように、4
つの扇形レンズ面3aの集合からなっている。この4つ
の扇形レンズ面3aは、その頂角が1点Pを中心として
回転方向に合計で360°になるように並べられてい
る。また、各々の扇形レンズ面3aの光軸Oが、その頂
角3bの近傍に位置し、かつ、1点Pを中心とする同心
円上に並べられている。本実施例の中間結像レンズ3
は、各扇形レンズ面3aにおける頂角3bを形成する2
つの直線部の1つの長さをR、各扇形レンズ面3aにお
ける光軸Oの位置から頂角を形成する2つの直線部の交
差する点Pまでの距離をXとしたときのX/Rが0.0
67となっている(R=15mm,X=1mm)。
【0013】本実施例の照明光学系では、中間結像レン
ズ3は4つの扇形レンズ面3aを有している。そのため
図2(c)に示すように、4つの光源像4が形成される。
本実施例では、この4つの光源像全てが重なり合う領域
を有するように、扇形レンズ面3aの形状が選択されて
いる。したがって、光源像4全体は、一つの大きな光源
とみなすことができる。よって、水銀ランプのような発
光面積の小さな光源でも、従来の中間結像レンズ10に
比べて大きな光源像を形成することができる。この結
果、この光源像を対物レンズの瞳位置に投影するにあた
って、必要な面積と入射角度を有する光源像を、対物レ
ンズの瞳位置に形成することが容易にできる。
【0014】次に、本発明の実施例2を比較例と比較し
て説明する。実施例2 図3は本発明による顕微鏡用照明光学系の第2実施例を
示す要部説明図であり、(a)は中間結像レンズの構成を
示す正面図、(b)は中間結像レンズからリング状開口ま
での光束の結像状態を示す説明図、(c)は光源像位置に
おける光源像の様子を示す図である。本実施例の顕微鏡
用照明光学系も、基本構成は図6に示す従来のものと同
様である。なお、光源像4の位置には、リング状開口7
が配置されている。本実施例では図3(a)に示すよう
に、中間結像レンズ3が8つの扇形レンズ面3aの集合
からなっている。この8つの扇形レンズ面3aは、その
頂角が1点Pを中心として回転方向に合計で360°に
なるように並べられている。また、各々の扇形レンズ面
3aの光軸Oが、その頂角3bの近傍に位置し、かつ、
1点Pを中心とする同心円上に並べられている。本実施
例の中間結像レンズ3は、各扇形レンズ面3aにおける
頂角3bを形成する2つの直線部の1つの長さをR、各
扇形レンズ面3aにおける光軸Oの位置から頂角を形成
する2つの直線部の交差する点Pまでの距離をXとした
ときのX/Rが0.1となっている(R=15mm,X=
1.5mm)。
【0015】本実施例の照明光学系では、中間結像レン
ズ3は8つの扇形レンズ面3aを有している。そのため
図3(c)に示すように、8つの光源像4が形成される。
しかも本実施例では、隣り合う光源像のみが重なり合う
ように、扇形レンズ面3aの形状が選択されている。し
たがって、光源像4全体は、輪帯形状になっている。よ
って、従来のリング状開口を用いる場合に比べて、光量
を殆ど損失することなく輪帯照明が行える。また、光源
像4の位置にリング状開口7を配置した場合であって
も、光源像4がの開口部7a付近に結像する。このた
め、本実施例の照明光学系によれば、リング状開口7の
遮蔽部7bによる光量損失を大幅に抑えることができ
る。また照明光の開口角αを充分に確保することができ
る。
【0016】従って、本実施例の照明光学系によれば、
扇形レンズ面3aの集合と、リング状開口7(この場合
のリング開口は、照明光がカバーガラスと観察物体との
境界で全反射する角度で照明するように設計されてい
る)とを併用することで、照明効率を著しく落とすこと
なく、コントラストの良い蛍光観察を行うことが可能と
なる。また照明光の開口角αが充分に確保されているの
で、照明ムラが無く、広い観察視野が得られる。
【0017】比較例1 図4は本実施例に対する第1比較例を示す要部説明図で
あり、(a)は中間結像レンズの構成を示す正面図、(b)は
中間結像レンズからリング状開口までの光束の結像状態
を示す説明図である。第1比較例の照明光学系は、中間
結像レンズ3が単一の凸レンズ3cで構成されている。
第1比較例の構成では、図4に示すように、照明光の殆
どが、リング状開口7の遮蔽部7bで遮られる。よっ
て、図3に示す扇形レンズ3を用いて構成した実施例の
ような明るい照明が得られない。
【0018】比較例2 図5は本実施例に対する第2比較例を示す要部説明図で
あり、(a)は中間結像レンズの構成を示す正面図、(b)は
中間結像レンズからリング状開口までの光束の結像状態
を示す説明図である。第2比較例の照明光学系は、中間
結像レンズ3が円形の微小レンズ3dの集合で構成され
ている。第2比較例の構成では、図5に示すように、一
部の微小レンズ3dを透過した光はリング状開口7の開
口部7aを通り照明光となるが、開口角αが小さいた
め、観察視野の一部しか照明することができない。
【0019】
【発明の効果】本発明の顕微鏡用照明光学系によれば、
照明効率を著しく落とすことなく、コントラストの良い
蛍光観察を行うことが可能な顕微鏡用照明光学系を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の顕微鏡用照明光学系に用いる中間結像
レンズの一構成例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は
扇形レンズ面の詳細を示す説明図である。
【図2】本発明による顕微鏡用照明光学系の第1実施例
を示す要部説明図であり、(a)は中間結像レンズの構成
を示す正面図、(b)は中間結像レンズからリング状開口
までの光束の結像状態を示す説明図、(c)は光源像の様
子を示す図である。
【図3】本発明による顕微鏡用照明光学系の第2実施例
を示す要部説明図であり、(a)は中間結像レンズの構成
を示す正面図、(b)は中間結像レンズからリング状開口
までの光束の結像状態を示す説明図、(c)は光源像の様
子を示す図である。
【図4】本実施例に対する第1比較例を示す要部説明図
であり、(a)は中間結像レンズの構成を示す正面図、(b)
は中間結像レンズからリング状開口までの光束の結像状
態を示す説明図である。
【図5】本実施例に対する第2比較例を示す要部説明図
であり、(a)は中間結像レンズの構成を示す正面図、(b)
は中間結像レンズからリング状開口までの光束の結像状
態を示す説明図である。
【図6】顕微鏡用照明光学系の基本構成を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1 光源 2 コレクタレンズ 3、10 中間結像レンズ 4 光源像 5 投影レンズ 6 対物レンズの瞳位置 7 リング状開口 7a 開口部 7b 遮蔽部 3a 扇形状レンズ面 3b 扇形レンズ面の頂角 3c 凸レンズ 3d 微小レンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源からの発散された光束
    を略平行光束に変換するコレクタレンズと、光源像を結
    像させる中間結像レンズと、前記中間結像レンズを介し
    て光源像を形成した後に発散する光束を再び結像して光
    源像を対物レンズの瞳位置に投影する投影レンズとを有
    する顕微鏡用照明光学系において、 前記中間結像レンズが、その頂角が1点を中心として回
    転方向に合計で360°になるように並べられた複数の
    扇形レンズ面の集合からなり、 前記各々の扇形レンズ面の光軸が、その頂角近傍に位置
    し、かつ、前記1点を中心とする同心円上に並べられて
    いることを特徴とする顕微鏡用照明光学系。
  2. 【請求項2】 前記光源と共役な位置にリング状開口が
    配置されたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡用
    照明光学系。
  3. 【請求項3】 前記各扇形レンズ面における頂角を形成
    する2つの直線部の1つの長さをR、前記各扇形レンズ
    面における光軸位置から前記頂角を形成する2つの直線
    部の交差する点までの距離をXとしたとき、次の条件式
    を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の顕
    微鏡用照明光学系。 0.02 < X/R < 0.25
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004302421A (ja) * 2003-03-17 2004-10-28 Nikon Corp 全反射顕微鏡
JP2006313213A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Olympus Corp 照明用光学系及び顕微鏡照明装置

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