JP2003270424A - 製膜装置及びヘッドクリーニング方法及びデバイスの製造方法及びデバイス製造装置及びデバイス - Google Patents

製膜装置及びヘッドクリーニング方法及びデバイスの製造方法及びデバイス製造装置及びデバイス

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JP2003270424A
JP2003270424A JP2002073065A JP2002073065A JP2003270424A JP 2003270424 A JP2003270424 A JP 2003270424A JP 2002073065 A JP2002073065 A JP 2002073065A JP 2002073065 A JP2002073065 A JP 2002073065A JP 2003270424 A JP2003270424 A JP 2003270424A
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ink
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film forming
roller
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Shinichi Nakamura
真一 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全てのヘッドの各ノズル面を確実かつ均等に
清掃する手段の提供を課題とする。 【解決手段】 ワイピングユニット70が、ワイピング
シート75とローラ76とを備え、ローラ76が、各ノ
ズル面53a間のピッチ間隔に合わせて該ローラ76の
軸線方向に複数分割された押し付け面76b1と、前記
軸線を共通の軸線とする回転軸76aとを有し、各押し
付け面76b1を、ワイピングシート75を介して各ノ
ズル面53aに押し当てて清掃する構成/方法を採用し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のヘッドを備
えた製膜装置と、各ヘッドを清掃するヘッドクリーニン
グ方法と、デバイスを製造するデバイス製造装置と、前
記製膜装置または前記ヘッドクリーニング方法を含む製
造工程により製造されたデバイスとに関する。特に、全
てのヘッドの各ノズル面を確実かつ均等に清掃すること
ができる製膜装置及びヘッドクリーニング方法及びデバ
イス製造装置及びこれらにより製造されるデバイスに関
する。
【0002】
【従来の技術】昨今では、例えばコンピュータや携帯情
報機器などの各種電子機器の発達に伴い、液晶表示装
置、特にカラー液晶表示装置の需要並びに適用範囲が増
大の傾向にある。この種の液晶表示装置には、表示画像
をカラー化をするためのカラーフィルタ基板が用いられ
ている。そして、このカラーフィルタ基板の製造におい
て、基板に対してR(赤),G(緑),B(青)の各フ
ィルタエレメントを所定のパターンに形成する方法とし
て、インクジェット方式がある。
【0003】このインクジェット方式を用いたものとし
ては、インク滴を吐出するインクジェットヘッドを複数
備えたインクジェット装置が開発されつつある。各イン
クジェットヘッドは、外部から供給されたインク滴を一
時的に蓄えるインク室と、該インク室内のインクを所定
量だけ吐出させる駆動源となる圧力発生素子(例えばピ
エゾ素子など)と、前記インク室からのインク滴が吐出
されるノズルが穿設されたノズル面とを備えて構成され
る。そして、これらインクジェットヘッドは、互いに等
ピッチ間隔に配置されてヘッド群を構成しており、該ヘ
ッド群を一方向(例えばX方向)に向けて基板に対して
スキャンさせながらインク滴を吐出させていくことで、
基板上にR,G,Bの各インク滴を供給することができ
るようになっている。一方、前記一方向に交差するY方
向への基板の位置調整は、基板が載置される載置台側で
なされるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、製造される
基板(カラーフィルタ基板等)としては、高解像度化し
てそのパターンがますます微細化する傾向にある。この
ような背景により、各インクジェットヘッドとしては、
基板の所定位置に対してR,G,Bの各インク滴を極め
て正確、かつ所定の面積できれいに供給する必要があ
る。当然、各インクジェットヘッドは、所定量のインク
滴を基板上の所望の点に向けて真っ直ぐ飛ばす必要があ
るが、各ノズル面に残留インクが付着している場合に
は、これが悪影響を及ぼす恐れがある。この残留インク
は、各ノズルから飛ばされたインク滴の一部がノズル面
に付着して残ったものであるが、インクを使用する関係
上、この残留インクの発生を完全に回避することは困難
である。
【0005】このような問題に対する一解決手段として
は、ノズル面に付着する残留インクを残らず拭き取るク
リーニング機構を備えることで対処する方法が考えられ
る。この場合のクリーニング機構としては、例えば、各
ノズル面に対し、これらノズル面の総和幅寸法以上の長
さ寸法を有する一本のローラに幅広の清掃布を巻き付け
たものを押し当て、前記清掃布を繰り出しながら各ノズ
ル面を拭って清掃するものが開発されつつある。このク
リーニング機構において、各ノズル面を確実に清掃する
には、これらノズル面の全てに対して均等かつ確実に清
掃布を押し当てる必要がある。この均等な押し当てが確
保されないと、場所によっては付着インクの拭い残しを
生じる恐れがある。このような拭い残しは、ノズルから
吐出されるインクの直進性に悪影響を及ぼし、製品品質
を劣化させる恐れがある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、全てのヘッドの各ノズル面を確実かつ均等に清
掃する手段の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。 [1] 液滴を吐出する複数のヘッドと、これらヘッド
の各ノズル面を清掃するヘッド清掃機構とを備えた製膜
装置において、前記ヘッド清掃機構が、前記各ノズル面
を一括して拭うワイピングシートと、該ワイピングシー
トを前記各ノズル面に向けて押し付けるローラとを備
え、前記ローラが、前記各ノズル面間のピッチ間隔に合
わせて該ローラの軸線方向に複数分割された押し付け面
と、前記軸線を共通の軸線とする回転軸とを有すること
を特徴とする製膜装置。この[1]に記載の製膜装置に
よれば、各ノズル面にワイピングシートを押し付けてい
る状態の各押し付け面は、各ノズル面間のピッチ間隔に
合わせて分割されているので、隣接する押し付け面間で
互いに干渉し合うことがない。
【0008】[2] 上記[1]に記載の製膜装置にお
いて、前記各ヘッドが、前記ワイピングシートの送り方
向に交差するように複数列が配置され、前記ヘッド清掃
機構が、前記各列毎に、前記各ノズル面に対する前記各
押し付け面の相対位置を合わせるローラ位置調整部をさ
らに備えていることを特徴とする製膜装置。この[2]
に記載の製膜装置によれば、製造する基板のサイズ等の
仕様変更に対応すべく、各列毎に各ヘッド位置を変更し
ても、ローラ位置調整部により、各列の各ノズル面位置
に一致するように各押し付け面の相対位置を調整するこ
とができる。
【0009】[3] 液滴を吐出する複数のヘッドを清
掃するヘッドクリーニング方法おいて、前記各ヘッドの
ノズル面を一括して拭うワイピングシートを、前記各ノ
ズル面間のピッチ間隔に合わせて複数分割された押し付
け面により、前記各ノズル面に押し当てて清掃すること
を特徴とするヘッドクリーニング方法。この[3]に記
載のヘッドクリーニング方法によれば、各ノズル面にワ
イピングシートを押し付けている状態の各押し付け面
は、各ノズル面間のピッチ間隔に合わせて分割されてい
るので、隣接する押し付け面間で互いに干渉し合うこと
がない。
【0010】[4] 上記[3]に記載のヘッドクリー
ニング方法において、前記各ヘッドが、前記ワイピング
シートの送り方向に交差するように複数列が配置され、
前記各列毎に、前記各ノズル面に対する前記各押し付け
面の相対位置を一致させることを特徴とするヘッドクリ
ーニング方法。この[4]に記載のヘッドクリーニング
方法によれば、製造する基板のサイズ等の仕様変更に対
応すべく、各列毎に各ヘッド位置を変更しても、各列の
各ノズル面位置に一致するように各押し付け面の相対位
置を調整するので、各列全ノズル面の充分な清掃作業を
行うことができるようになる。
【0011】[5] ヘッドから吐出された液滴を基板
に供給し前記基板に製膜処理を施す製膜装置を有するデ
バイス製造装置であって、前記製膜装置として、上記
[1]または上記[2]のいずれか1項に記載された製
膜装置を備えたことを特徴とするデバイス製造装置。こ
の[5]に記載のデバイス製造装置によれば、デバイス
製造に用いる全てのヘッドの各ノズル面を、確実かつ均
等に清掃するので、各ノズル面の汚れ等に起因するデバ
イス製造の歩留まり悪化を防止することができる。
【0012】[6] ヘッドから吐出された液滴を基板
に供給し前記基板に製膜処理を施す製膜工程を含むデバ
イスの製造方法であって、上記[3]または上記[4]
のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング方法により
ヘッドのクリーニングを行う工程を含むことを特徴とす
るデバイスの製造方法。この[6]に記載のデバイスの
製造方法によれば、そのデバイス製造に用いる全てのヘ
ッドの各ノズル面を、確実かつ均等に清掃するので、各
ノズル面の汚れ等に起因する製品歩留まりの悪化が防止
され、製品品質の高いデバイスを製造することができ
る。
【0013】[7] 上記[6]に記載のデバイスの製
造方法を用いて製造されることを特徴とするデバイス。
この[7]に記載のデバイスによれば、そのデバイス製
造に用いる全てのヘッドの各ノズル面を、確実かつ均等
に清掃するので、各ノズル面の汚れ等に起因する製品歩
留まりの悪化が防止され、製品品質の高いデバイスとす
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を、図面を参
照しながら以下に説明するが、本発明がこれのみに限定
解釈されるものでないことは勿論である。なお、以下の
説明においては、まず、図1〜図4を参照しながら本実
施形態のデバイス製造装置及びデバイス例の説明を行
い、次に、図5〜図19を参照しながら同デバイス製造
装置に備えられている製膜装置及びヘッドクリーニング
方法の説明を行うものとする。
【0015】[デバイス製造装置及びデバイスの説明]
まず、図1により本実施形態のデバイス製造装置の説明
を行う。なお、図1は、同デバイス製造装置における各
構成機器の配置を示す平面図である。同図に示すよう
に、本実施形態のデバイス製造装置は、これから加工さ
れる基板(ガラス基板。以下、ウェハWfと称する)を
収容するウェハ供給部1と、該ウェハ供給部1から移載
されたウェハWfの描画方向を決めるウェハ回転部2
と、該ウェハ回転部2から移載されたウェハWfに対し
てR(赤)のフィルタエレメントを形成する製膜装置と
してのインクジェット装置3と、該インクジェット装置
3から移載されたウェハWfを乾燥させるベーク炉4
と、これら装置間でのウェハWfの移載作業を行うロボ
ット5a,5bと、ベーク炉4から移載されたウェハW
fを次工程に送るまでに冷却及び描画方向の決定をなす
中間搬送部6と、該中間搬送部6から移載されたウェハ
Wfに対してG(緑)のフィルタエレメントを形成する
製膜装置としてのインクジェット装置7と、該インクジ
ェット装置7から移載されたウェハWfを乾燥させるベ
ーク炉8と、これら装置間でのウェハWfの移載作業を
行うロボット9a,9bと、ベーク炉8から移載された
ウェハWfを次工程に送るまでに冷却及び描画方向の決
定をなす中間搬送部10と、該中間搬送部10から移載
されたウェハWfに対してB(青)のフィルタエレメン
トを形成する製膜装置としてのインクジェット装置11
と、該インクジェット装置11から移載されたウェハW
fを乾燥させるベーク炉12と、これら装置間でのウェ
ハWfの移載作業を行うロボット13a,13bと、ベ
ーク炉12から移載されたウェハWfの収納方向を決め
るウェハ回転部14と、該ウェハ回転部14から移載さ
れたウェハWfを収容するウェハ収容部15とを備えて
概略構成されている。
【0016】ウェハ供給部1は、1台あたり例えば20
枚のウェハWfを上下方向に収容するエレベータ機構を
備えた2台のマガジンローダ1a,1bを備えており、
順次、ウェハWfが供給可能となっている。ウェハ回転
部2は、ウェハWfに対し、前記インクジェット装置3
によりどの方向に描画するかの描画方向決定と、これか
らインクジェット装置3に移載する前の仮位置決めとを
行うものであり、2台のウェハ回転台2a,2bによ
り、鉛直方向の軸線回りに90度ピッチ間隔で正確にウ
ェハWfを回転可能に保持している。
【0017】インクジェット装置3,7,11について
は、後述においてその詳細を説明するため、ここでは説
明を省略するものとする。ベーク炉4は、例えば120
℃以下の加熱環境に5分間、ウェハWfを置くことによ
り、インクジェット装置3から移載されてきたウェハW
fの赤色のインクを乾燥させるものであり、これによ
り、ウェハWfの移動中に赤色のインクが飛散するなど
の不都合を防止可能としている。
【0018】ロボット5a,5bは、基台を中心に伸展
動作ならびに回転動作等が可能なアーム(図示せず)を
備えており、該アームの先端に装備されている真空吸着
パッドでウェハWfを吸着保持することにより、各装置
間でのウェハWfの移載作業をスムーズかつ効率的に行
うことができるようになっている。
【0019】中間搬送部6は、ロボット5bによりベー
ク炉4から移載されてきた加熱状態のウェハWfを次工
程に送る前に冷やす冷却器6aと、冷却後のウェハWf
に対し、前記インクジェット装置7によりどの方向に描
画するかの描画方向決定及び、これからインクジェット
装置7に移載する前の仮位置決めを行うウェハ回転台6
bと、これら冷却器6a及びウェハ回転台6b間に配置
され、インクジェット装置3,7間での処理速度差を吸
収するバッファ6cとを備えて構成されている。ウェハ
回転台6bは、鉛直方向の軸線回りに90度ピッチ、も
しくは180度ピッチでウェハWfを回転させることが
できるようになっている。
【0020】赤色のフィルタエレメントを形成するイン
クジェット装置3と、緑色のフィルタエレメントを形成
するインクジェット装置7とでは、上記の乾燥に要する
時間や、それぞれの各インクジェットヘッド(インクジ
ェット装置3,7,11の説明において後述)の清掃作
業に要する時間が異なるため、その結果として、両イン
クジェット装置3,7間で処理速度に差が生じることと
なる。前記バッファ6cは、この処理速度差を吸収する
ために設けられたものであり、エレベータ状のストック
台に複数枚のウェハWfを一時的に仮置きすることがで
きるようになっている。
【0021】ベーク炉10は、前記ベーク炉6と同様の
構造を有する加熱炉であり、例えば120℃以下の加熱
環境に5分間、ウェハWfを置くことにより、インクジ
ェット装置7から移載されてきたウェハWfの緑色のイ
ンクを乾燥させるものであり、これにより、ウェハWf
の移動中に緑色のインクが飛散するなどの不都合を防止
可能としている。
【0022】ロボット9a,9bは、前記ロボット5
a,5bと同様の構造を有しており、基台を中心として
伸展動作ならびに回転動作等が可能なアーム(図示せ
ず)を備え、該アームの先端に装備されている真空吸着
パッドでウェハWfを吸着保持することにより、各装置
間でのウェハWfの移載作業をスムーズかつ効率的に行
うことができるようになっている。
【0023】中間搬送部10は、前記中間搬送部6と同
様の構造を有しており、ロボット9bによりベーク炉8
から移載されてきた加熱状態のウェハWfを次工程に送
る前に冷やす冷却器10aと、冷却後のウェハWfに対
し、前記インクジェット装置11によりどの方向に描画
するかの描画方向決定及び、これからインクジェット装
置11に移載する前の仮位置決めを行うウェハ回転台1
0bと、これら冷却器10a及びウェハ回転台10b間
に配置され、インクジェット装置7,11間での処理速
度差を吸収するバッファ10cとを備えて構成されてい
る。ウェハ回転台10bは、鉛直方向の軸線回りに90
度ピッチ、もしくは180度ピッチでウェハWfを回転
させることができるようになっている。
【0024】ウェハ回転部14は、各インクジェット装
置3,7,11によりR,G,Bパターンが形成された
後の各ウェハWfに対し、それぞれが一定方向を向くよ
うに回転位置決め可能となっている。すなわち、ウェハ
回転部14は、2台のウェハ回転台14a,14bを備
えており、鉛直方向の軸線回りに90度ピッチ間隔で正
確にウェハWfを回転可能に保持できるようになってい
る。ウェハ収容部15は、ウェハ回転部14より移載さ
れてきた完成品のウェハWf(カラーフィルタ基板)
を、1台あたり例えば20枚づつ、上下方向に収容する
エレベータ機構を備えた2台のマガジンアンローダ15
a,15bを有しており、順次、ウェハWfを収容可能
としている。
【0025】以上説明の本実施形態のデバイス製造装置
によるRGBパターン形成工程を含めたカラーフィルタ
基板の製造工程の一連の流れを、図1〜図3を参照しな
がら以下に説明する。なお、図2は、同デバイス製造装
置によるRGBパターン形成工程を含めた一連のカラー
フィルタ基板製造工程を示す図であり、(a)〜(f)
の順に製造される流れを示している。また、図3は、同
デバイス製造装置の各インクジェット装置により形成さ
れるRGBパターン例を示す図であって、(a)はスト
ライプ型を示す斜視図,(b)はモザイク型を示す部分
拡大図,(c)はデルタ型を示す部分拡大図である。
【0026】製造に用いられるウェハWfは、例えば長
方形型薄板形状の透明基板であり、適度の機械的強度と
共に光透過性の高い性質を兼ね備えている。このウェハ
Wfとしては、例えば、透明ガラス基板、アクリルガラ
ス、プラスチック基板、プラスチックフィルム及びこれ
らの表面処理品等が好ましく用いられる。なお、このウ
ェハWfには、RGBパターン形成工程の前工程におい
て、生産性をあげる観点から、複数のカラーフィルタ領
域が予めマトリックス状に形成されており、これらカラ
ーフィルタ領域をRGBパターン形成工程の後工程で切
断することにより、液晶装置に適合するカラーフィルタ
基板として用いられるようになっている。
【0027】図3に示すように、各カラーフィルタ領域
には、R(赤色)のインク及びG(緑色)のインク及び
B(青色)のインクが、後述の各インクジェットヘッド
53より所定のパターンで供給され各色のフィルタエレ
メントが形成されるようになっている。この形成パター
ンとしては、図3(a)に示すストライプ型の他に、図
3(b)に示すモザイク型や、図3(c)に示すデルタ
型などがあるが、本発明ではその形成パターンに関し、
特に限定はされない。
【0028】まず、前工程であるブラックマトリックス
形成工程では、図2(a)に示すように、透明のウェハ
Wfの一方の面(カラーフィルタ基板の基礎となる面)
に対して、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色)を、
スピンコート等の方法により、所定の厚さ(たとえば2
μm程度)に塗布し、その後、フォトリソグラフィー法
等の方法によりマトリックス状にブラックマトリックス
b,・・・を形成していく。これらブラックマトリックス
b,・・・の格子で囲まれる最小の表示要素は、フィルタ
ーエレメント(符号e,・・・)となり、たとえばX軸方
向の巾寸法が30μm、Y軸方向の長さ寸法が100μ
m程度の大きさとなる窓になる。このブラックマトリッ
クスb,・・・を形成した後は、図示されないヒータによ
り熱を加えることで、ウェハWf上の樹脂を焼成する。
【0029】このようにしてブラックマトリックスbが
形成された後のウェハWfは、図1に示したウェハ供給
部1の各マガジンローダ1a,1bに収容され、引き続
きRGBパターン形成工程が行われる。すなわち、まず
各マガジンローダ1a,1bのうちの何れか一方に収容
されたウェハWfを、ロボット5aがそのアームにて吸
着保持した後、各ウェハ回転台2a,2bのうちのいず
れか一方に載置する。そして、各ウェハ回転台2a,2
bは、これから赤色のインクを供給するすなわち製膜を
行う前準備として、その走査方向と位置決めとを行う。
【0030】その後、ロボット5aは、各ウェハ回転台
2a,2b上のウェハWfを再び吸着保持し、今度はイ
ンクジェット装置3へと移載する。このインクジェット
装置3では、図2(b)に示すように、所定のパターン
を形成するための所定位置のフィルターエレメントe,
・・・内に、赤色のインク滴Rを供給する。この時の各イ
ンク滴Rの量は、加熱工程におけるインクRの体積減少
量を考慮した充分な量となっている。なお、このインク
ジェット装置3によるインク滴Rの供給の詳細について
は、後述する。
【0031】このようにして所定の全てのフィルターエ
レメントe,・・・に赤色のインクRが充填された後のウ
ェハWfは、所定の温度(例えば70℃程度)で乾燥処
理される。この時、インクRの溶媒が蒸発すると、図2
(c)に示すようにインクRの体積が減少するので、体
積減少が激しい場合には、カラーフィルタ基板として充
分なインク膜厚が得られるまで、インク滴Rの供給作業
と乾燥作業とが繰り返される。この処理により、インク
Rの溶媒が蒸発して、最終的にインクRの固形分のみが
残留して膜化する。
【0032】なお、この赤色パターンの形成工程におけ
る乾燥作業は、図1で示したベーク炉4によって行われ
る。そして、乾燥作業後のウェハWfは、加熱状態にあ
るため、同図に示すロボット5bにより冷却器6aへと
搬送され、冷却される。冷却後のウェハWfは、バッフ
ァ6cに一時的に保管されて時間調整がなされた後、ウ
ェハ回転台6bへと移載され、これから緑色のインク滴
を供給する前準備として、その描画方向と位置決めとが
なされる。そして、ロボット9aが、ウェハ回転台6b
上のウェハWfを吸着保持した後、今度はインクジェッ
ト装置7へと移載する。
【0033】このインクジェット装置7では、図2
(b)に示すように、所定のパターンを形成するための
所定位置のフィルターエレメントe,・・・内に、緑色の
インク滴Gを供給する。この時の各インク滴Gの量は、
加熱工程におけるインクGの体積減少量を考慮した充分
な量となっている。
【0034】このようにして所定の全てのフィルターエ
レメントe,・・・に緑色のインクGが充填された後のウ
ェハWfは、所定の温度(例えば70℃程度)で乾燥処
理される。この時、インクGの溶媒が蒸発すると、図2
(c)に示すようにインクGの体積が減少するので、体
積減少が激しい場合には、カラーフィルタ基板として充
分なインク膜厚が得られるまで、インク滴Gの供給作業
と乾燥作業とが繰り返される。この処理により、インク
Gの溶媒が蒸発して、最終的にインクGの固形分のみが
残留して膜化する。
【0035】なお、この緑色パターンの形成工程におけ
る乾燥作業は、図1で示したベーク炉8によって行われ
る。そして、乾燥作業後のウェハWfは、加熱状態にあ
るため、同図に示すロボット9bにより冷却器10aへ
と搬送され、冷却される。冷却後のウェハWfは、バッ
ファ10cに一時的に保管されて時間調整がなされた
後、ウェハ回転台10bへと移載され、これから青色の
インク滴を供給する前準備として、その走査方向と位置
決めとがなされる。そして、ロボット13aが、ウェハ
回転台10b上のウェハWfを吸着保持した後、今度は
インクジェット装置11へと移載する。
【0036】このインクジェット装置11では、図2
(b)に示すように、所定のパターンを形成するための
所定位置のフィルターエレメントe,・・・内に、青色の
インク滴Bを供給する。この時の各インク滴Bの量は、
加熱工程におけるインクBの体積減少量を考慮した充分
な量となっている。なお、このインクジェット装置11
によるインク滴Bの供給の詳細については、後述する。
【0037】このようにして所定の全てのフィルターエ
レメントe,・・・に青色のインクBが充填された後のウ
ェハWfは、図2(c)に示すように所定の温度(例え
ば70℃程度)で乾燥処理される。この時、インクBの
溶媒が蒸発すると、インクBの体積が減少するので、体
積減少が激しい場合には、カラーフィルタとして充分な
インク膜厚が得られるまで、インクBの供給作業と乾燥
作業とが繰り返される。この処理により、インクBの溶
媒が蒸発して、最終的にインクBの固形分のみが残留し
て膜化する。
【0038】なお、この青色パターンの形成工程におけ
る前記乾燥作業は、図1で示したベーク炉12によって
行われる。そして、乾燥作業後のウェハWfは、ロボッ
ト13bによりウェハ回転台14a,14bの何れか一
方に移載され、その後、一定方向を向くように回転位置
決めがなされる。回転位置決め後のウェハWfは、ロボ
ット13bによりマガジンアンローダ15a,15bの
何れか一方に収容される。
【0039】以上により、RGBパターン形成工程が完
了する。そして引き続き、図2(d)以降に示す後工程
が行われる。すなわち、図2(d)に示す保護膜形成工
程では、インクR,G,Bを完全に乾燥させるために、
所定の温度で所定時間加熱を行う。乾燥が終了すると、
フィルタエレメントが形成されたウェハWfの表面保護
及び表面平坦化を目的として、保護膜cが形成される。
この保護膜cの形成には、例えばスピンコート法や、ロ
ールコート法や、リッピング法などの方法を採用するこ
とができる。
【0040】続く図2(e)に示す透明電極形成工程で
は、スパッタ法や真空蒸着法等の処方を用いて、透明電
極tが保護膜cの全面を覆うように形成される。続く図
2(f)に示すパターニング工程では、透明電極tが、
画素電極としてパターニングされる。なお、液晶の駆動
にTFT(Thin Film Transistor)
等を用いる場合ではこのパターニングは不用である。
【0041】以上説明の各製造工程により、図2(f)
に示すカラーフィルタ基板CKが製造される。そして、
このカラーフィルタ基板CKと対向基板(図示せず)と
を対向配置させて製造した液晶装置を備えて製造される
ことにより、例えば図4に示すノート型パソコン20
(デバイス)が製造されることとなる。同図に示すノー
ト型パソコン20は、筐体21と、該筐体21内に収容
された前記液晶装置(符号22参照)と、入力部である
キーボード23と、図示されない表示情報出力源、表示
情報処理回路、クロック発生回路等の様々な回路と、こ
れら回路に電力を供給する電源回路等からなる表示信号
生成部とを備えて構成されている。液晶装置22には、
例えばキーボード23から入力された情報に基づいて前
記表示信号生成部により生成された表示信号が供給さ
れ、表示画像が形成されるようになっている。
【0042】本実施形態に係るカラーフィルタ基板CK
が装備されるデバイスとしては、前記ノート型パソコン
20に限らず、携帯型電話機、電子手帳、ページャ、P
OS端末、ICカード、ミニディスクプレーヤ、液晶プ
ロジェクタ、エンジニアリングワークステーション(E
WS)、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ
型またはモニタ直視型のビデオレコーダ、電子卓上計算
機、カーナビゲーション装置、タッチパネルを備えた装
置、時計、ゲーム機器等、様々な電子機器が挙げられ
る。
【0043】[製膜装置及びヘッドクリーニング方法の
説明]続いて、図5〜図19を参照しながら、上記デバ
イス製造装置に備えられている製膜装置としての各イン
クジェット装置3,7,11の詳細説明を行うものとす
る。なお、各インクジェット装置3,7,11は同じ構
造を有しているため、インクジェット装置3についての
説明を以下に行い、他のインクジェット装置7,11は
同様であるとしてその説明を省略するものとする。
【0044】図5〜図7に示すように、本実施形態のイ
ンクジェット装置3は、その主要構成機器として、イン
クジェットユニット30と、キャップユニット60と、
ワイピングユニット70(ヘッド清掃機構)と、重量測
定ユニット90(図5では省略)と、ドット抜け検出ユ
ニット100(図5では省略)とを備えている。なお、
図5は、同インクジェット装置の主要機器を示す概略構
成図である。また、図6は、同インクジェット装置の一
部を示す図であって、図1の矢印Aより見た側面図であ
る。また、図7は、同インクジェット装置を示す図であ
って、図6の矢印Bより見た平面図である。
【0045】(1)インクジェットユニット30の説明 インクジェットユニット30は、インクをインクジェッ
トヘッド53に供給すると共に、インク滴Rを前記ウェ
ハWfに向けて吐出するユニットである。図5に示すよ
うに、このインクジェットユニット30では、まず、窒
素ガス等の不活性ガスgをエアフィルタ31に供給し、
ここで不活性ガスg中に含まれる不純物の除去を行った
後、さらにミストセパレータ32を通すことで不活性ガ
スg中に含まれるミストの除去が行われる。ミスト除去
後の不活性ガスgは、インクを圧送する系統と、洗浄液
を圧送する系統との2系統に分岐され、作業内容に応じ
てこれら系統をどちらか一方に、後述のインク・洗浄液
圧送圧力切替弁35によって切り替えることができるよ
うになっている。
【0046】すなわち、インクを圧送する系統を選択し
た場合には、ミストセパレータ32を経た不活性ガスg
は、インク圧送圧力調整弁33へと供給され、ここで適
切に調圧された後、インク側残圧排気弁34及びインク
・洗浄液圧送圧力切替弁35及びエアーフィルタ36を
通過し、さらに、不活性ガス圧力検出センサ37で供給
圧チェックがなされてから、インク圧送タンク38内へ
と供給されるようになっている。
【0047】一方、洗浄液を圧送する系統を選択した場
合には、ミストセパレータ32を経た不活性ガスgは、
洗浄液圧送圧力調整弁39へと供給され、ここで適切に
調圧された後、洗浄液側残圧排気弁40及びインク・洗
浄液圧送圧力切替弁35及びエアーフィルタ71を通過
し、さらに、不活性ガス圧力検出センサ72で供給圧チ
ェックがなされてから、洗浄液圧送タンク73内へと供
給されるようになっている。この系統における流れの続
きは、後述のワイピングユニット70(ヘッド清掃機
構)の説明において述べるものとする。
【0048】前記インク圧送タンク38には、脱気イン
クボトル41内のインクが、インク圧送用ポンプ42に
より補充されるようになっており、そのインク有無の確
認は、インク有無検出荷重センサ45による荷重検出で
なされるようになっている。したがって、インク圧送タ
ンク38内のインク残量が所定レベルを下回った場合に
は、インク有無荷重検出センサ45がこれを検知してイ
ンク圧送用ポンプ42を起動させ、所定レベルに至るま
でインクの補充がなされるようになっている。なお、符
号43は、脱気インクボトル41に装備されたエアーフ
ィルタであり、また符号44は、タンク排圧弁である。
【0049】インク圧送タンク38内に不活性ガスgが
供給された場合には、その内圧が高まるためにインク液
面が下方に押し下げられ、これにより押し出されたイン
クが、液圧送圧力検出センサ46で測圧されてから液圧
送ON/OFF切替弁47を通過し、さらにサブタンク
48へと圧送されていく。なお、符号49は、静電気を
逃がすための流路部アース継手を示している。
【0050】サブタンク48には、エアフィルタ50及
びサブタンク部上限検出センサ51及びインク液面制御
用検出センサ52が備えられている。サブタンク部上限
検出センサ51は、サブタンク48内のインク液面が所
定レベルを超えた場合に、該サブタンク48へのインク
供給を停止させるための検出センサである。また、イン
ク液面制御用検出センサ52は、複数のインクジェット
ヘッド53(その配置については、図6を参照。なお、
図5では、説明のためにインクジェットヘッド53を単
体として説明している)の各ノズル面53aに対するサ
ブタンク48内のインク液面の水頭値headを所定の
範囲(例えば25mm±0.5mm)内に調整するための検
出センサである。
【0051】このサブタンク48から供給されたインク
は、ヘッド部気泡排除弁54を経てからインクジェット
ヘッド53へと供給されるようになっている。なお、符
号55は、静電気を逃がすための流路部アース継手を示
している。ヘッド部気泡排除弁54は、インクジェット
ヘッド53の上流側流路を閉じることにより、該インク
ジェットヘッド53内のインクを後述のキャップユニッ
ト60で吸引する際の吸引流速を高め、インクジェット
ヘッド53内の気泡を速く排気することができるように
なっている。
【0052】各インクジェットヘッド53の詳細につい
て、図8〜図12を参照しながら以下に説明する。な
お、図8は、同インクジェット装置のヘッドユニットを
示す平面図である。また、図9は、同ヘッドユニットを
図8の矢印Cより見た側面図である。また、図10は、
同ヘッドユニットに備えられているインクジェットヘッ
ドの、インクを吐出する機構を説明する説明図である。
また、図11は、同インクジェットヘッドの一部分を示
す図であって、(a)はノズル面に対向する側から見た
図,(b)は(a)のD−D断面図である。また、図1
2は、同インクジェットヘッドを説明する図であり、
(a)は走査方向を示す説明図,(b)はノズルピッチ
の変更を示す説明図である。
【0053】図8及び図9に示すように、本実施形態の
各インクジェットヘッド53は、6個づつを互いに斜め
に重なるようにして1列配置した第1ヘッド列121A
及び第2ヘッド列121Bを、ヘッド保持板122に対
して固定することで、ヘッドユニット120を構成して
いる。第1ヘッド列121A及び第2ヘッド列121B
は、互いに平行をなしており、なおかつ、それぞれの軸
線c1,c2が、後述のワイピングシート75の送り方
向(図8の矢印S方向)に対して交差するように配置さ
れている。
【0054】図10に示すように、各インクジェットヘ
ッド53は、たとえば、ピエゾ素子(圧電素子)を用い
たヘッドであり、本体53bの前記ノズル面53aに
は、複数のノズル53cが形成されている。そして、こ
れらノズル53cのそれぞれに対してピエゾ素子53d
が設けられている。このピエゾ素子53dは、ノズル5
3cとインク室53eに対応して配置されており、印加
電圧Vhが印加されることで、矢印P方向に伸縮し、イ
ンク室53e内を加圧して所定量のインク滴Rを各ノズ
ル53cから吐出させるようになっている。
【0055】図11(a),(b)に示すように、各イ
ンクジェットヘッド53のノズル面53aには、複数列
(本実施形態では2列)の溝53a1,53a2が互い
に平行に形成されており、さらに、これら溝53a1,
53a2の内部に、前記各ノズル53cが等ピッチ間隔
で穿設されている。前述のように、これらインクジェッ
トヘッド53は互いに斜めに重なった状態に配置されて
いる。これは、図12(a)のようにウェハWf上を各
インクジェットヘッド53を通過させながらインク滴R
の吐出を行う際に、図12(b)のように走査方向(進
行方向)に対して各インクジェットヘッド53を適切な
角度に傾けることで、製造するカラーフィルタ基板の画
素ピッチp1に応じて見かけのノズル間隔p2を一致さ
せるためである。
【0056】(2)キャップユニット60の説明 以上説明のインクジェットユニット30に続き、キャッ
プユニット60の説明を以下に行う。図5に示すキャッ
プユニット60は、前記各インクジェットヘッド53の
ノズル面53aに対して真下よりそれぞれ押し当てられ
る複数のキャップ61(その配置については、図6及び
図7を参照)により、インク吸引ポンプ62の吸引力を
利用してインク廃液タンク65へとインク廃液を吸引す
ることができるようになっている。なお、符号63は、
各インクジェットヘッド53内のインクを吸引する際
に、各インクジェットヘッド53と吸引側との圧力バラ
ンス(=大気圧)をとるための時間短縮を目的としてキ
ャップ61の近傍に設けられたバルブであり、また、符
号64は、吸引異常を検出するためのインク吸引圧検出
センサである。
【0057】インク廃液タンク65には、廃液タンク上
限検出センサ66が備えられており、該インク廃液タン
ク65内の液面高さが所定レベルを超えたと検出された
場合に、インク廃液ポンプ67を起動してインク廃液ボ
トル68に廃液を移すことができるようになっている。
そして、このキャップユニット60によれば、各インク
ジェットヘッド53からのインク滴Rの吐出開始前にこ
れらインクジェットヘッド53の各ノズルに負圧を加え
てノズル面53aまでインクを充填させたり、各ノズル
の目詰まりを取るために各インクジェットヘッド53の
各ノズルに負圧を加えて吸引したり、または製造を行わ
ない待機時に、各ノズル内のインクが乾燥することのな
いようにキャップ61でノズル面53aを覆って保湿し
たりすることができるようになっている。
【0058】(3)ワイピングユニット70の説明 以上説明のキャップユニット60に続き、図5及び図1
3〜図19を参照しながら前記ワイピングユニット70
(ヘッド清掃機構)を以下に説明する。なお、図13
は、同ワイピングユニット70のワイピングシート供給
ユニットを示す斜視図である。また、図14は、同ワイ
ピングシート供給ユニットを示す図であって、巻き出し
ローラ及び巻き取りローラの軸線に垂直をなす断面より
見た縦断面図である。また、図15は、ワイピングユニ
ット70のローラユニットを示す斜視図である。また、
図16は、同ローラユニットを、そのローラの軸線に垂
直な断面より見た縦断面図である。また、図17は、ワ
イピングユニット70による各ノズル面の清掃を説明す
る平面図である。また、図18は、同ワイピングユニッ
ト70による各ノズル面の清掃を説明する側面図であ
り、(a)はワイピングシートをノズル面に対して押し
付ける前の状態を示し、(b)は押し付け状態を示して
いる。また、図19は、同ワイピングユニット70によ
る各ノズル面の清掃を説明する平面図である。
【0059】ワイピングユニット70は、定期的あるい
は随時に、前記各インクジェットヘッド53の各ノズル
面53aを一括清掃するものであり、図5に示すよう
に、各ノズル面53aを拭うワイピングシート75と、
該ワイピングシート75を各ノズル面53aに向けて押
し付けるローラ76と、ワイピングシート75に対して
洗浄液を吹き付け供給する洗浄液供給部77と、ワイピ
ングシート75を各ノズル面53aに向かって巻き出し
て供給する巻き出しローラ78と、各ノズル面53aを
拭った後のワイピングシート75を巻き取る巻き取りロ
ーラ79と、該巻き取りローラ79を回転駆動する電動
モータ153とを備えて構成されている。なお、ワイピ
ングシート75としては、例えばポリエステル100%
の織布が好適に用いられる。
【0060】そして、このワイピングユニット70によ
れば、巻き出しローラ78から巻き出されるワイピング
シート75を各ノズル面53aに向かって供給しながら
ローラ76で押し付けていくことで、ワイピングシート
75の新しい清掃面を絶えず各ノズル面53aに対して
供給することができるようになっている。しかも、ロー
ラ76の押し付け力によりワイピングシート75を各ノ
ズル面53aに押し付ける構成であるため、各ノズル面
53aに対して清掃面を確実に当てることもできるよう
になっている。
【0061】図13及び図14に示すように、前記巻き
出しローラ78及び巻き取りローラ79は、それぞれの
軸線回りに回動可能な状態で、ローラケーシング151
に固定されており、巻き取りローラ79を回転駆動させ
ることで、巻き出しローラ78からワイピングシート7
5(図示略)を巻き出すことができるようになってい
る。ここで、巻き取りローラ79の回転駆動は、該巻き
取りローラ79の回転軸79aの端部に同軸に取り付け
られたプーリ79bを、ベルト152を介して電動モー
タ153により駆動することで行われる。
【0062】同図に示すガイドローラ154は、ワイピ
ングシート75の流れを正しくガイドするためのもので
あり、その端部に備えられた回転速度計155(エンコ
ーダ)がガイドローラ154の回転速度を検出すること
により、ワイピングシート75の送り速度を検出するこ
とができるようになっている。そして、以上説明の巻き
出しローラ78と、巻き取りローラ79と、ローラケー
シング151と、ワイピングシート75と、電動モータ
153と、ガイドローラ154と、回転速度計155
(エンコーダ)とを備えて、ワイピングシート供給ユニ
ット150が構成されている。
【0063】図15及び図16に示すように、ローラ7
6は、その軸線回りに回動可能な状態でローラケーシン
グ161に固定されており、前記ワイピングシート供給
ユニット150から繰り出されてくるワイピングシート
75の送り速度に同期して回転駆動されるようになって
いる。ここで、ローラ76の回転駆動は、該ローラ76
の回転軸76aの端部に同軸に取り付けられたプーリ7
6bを、ベルト162を介して電動モータ163により
駆動することで行われる。
【0064】そして、このローラ76に隣接して、前記
洗浄液供給部77のノズルユニット171が配置固定さ
れている。このノズルユニット171は、ローラ76の
軸線に平行かつその長手方向に沿って複数のノズル孔1
71aが上向きに穿設された棒状の配管であり、その真
上を通過していくワイピングシート75に対して裏面側
から洗浄液を適量吹き付けることで、これから各ノズル
面53aを拭うワイピングシート75の清掃面を直前に
湿らせることができるようになっている。
【0065】このようにして洗浄液供給部77でワイピ
ングシート75を予め湿らせる理由は、洗浄液の洗浄効
果により各ノズル面53aをよりきれいに拭き取ること
は勿論であるが、これに加えて下記理由も有している。
すなわち、例えば乾いたワイピングシート75を各ノズ
ル面53aに対して押し付けた場合(乾式の場合)、ワ
イピングシート75の吸い込みにより、各インクジェッ
トヘッド53内のインクをノズル面53a側に余計に引
き出してしまう恐れがある。これに対し、本実施形態の
ように、洗浄液供給部77からの洗浄液により予めワイ
ピングシート75の清掃面を湿らせておく(湿式とす
る)ことで、余分なインクをインクジェットヘッド53
内部から抜き出すことなく、かつ、確実に各ノズル面5
3aの付着インクを拭い取ることができるようになる。
【0066】そして、以上説明のローラ76と、ローラ
ケーシング161と、電動モータ163と、洗浄液供給
部77とを備えて、ローラユニット160が構成されて
いる。このローラユニット160を備える前記ワイピン
グユニット70は、図6に示すように共通の架台200
上に一体に据付固定されており、基台201に対して同
図の紙面左右方向に相対移動可能となっている。
【0067】図17に示すように、ワイピングシート7
5及びローラ76は、これらワイピングシート75及び
ローラ76と、各ノズル面53aとの間の相対的な幅寸
法W1,W2が、それぞれ、全ての各ノズル面53aが
なす総和幅寸法W3以上とされている。同様に、ノズル
ユニット171の各ノズル孔171aがなす総和幅寸法
W4も、前記総和幅寸法W3よりも長くされている。こ
のように構成することにより、ワイピングシート75の
清掃面の範囲や、ローラ76の押し付け範囲や、ノズル
ユニット171からの洗浄液塗布範囲から外れるノズル
面53aが生じないので、全てのノズル面53aを確実
に残さず拭い取ることができるようになる。
【0068】さらに、本実施形態のインクジェット装置
3では、図15及び図17に示すように、そのローラ7
6が、各ノズル面53a間のピッチ間隔に合わせて該ロ
ーラ76の軸線方向に複数分割された分割ローラ76b
と、前記軸線を共通の軸線とする前記回転軸76aとを
有する構成を採用している。各分割ローラ76bの周面
は、前記ワイピングシート75を前記各ノズル面53a
に向けてそれぞれが押し付ける押し付け面76b1とな
っている。各分割ローラ76bはゴムローラであり、そ
の周面76b1に対する押圧力に対して反発する弾性を
備えている。
【0069】このように、ローラ76は、複数の押し付
け面76b1を有する複数の分割ローラ76b1に分割
されており、なおかつ、これら押し付け面76b1間の
ピッチ間隔を、各ノズル面53a間のピッチ間隔に合わ
せてあるので、各ノズル面53aにワイピングシート7
5を押し付けている状態において、互いに隣接する各押
し付け面76b1間で互いに干渉し合うことがないよう
になっている。
【0070】より詳細には、各ノズル面53aに設けら
れている第1ノズル列n1及び第2ノズル列n2の、ワ
イピングシート75の送り方向に交差する交差方向(同
図の紙面上下方向)の幅寸法Waよりも幅広となるよう
に、各押し付け面76b1(分割ローラ76b)の幅寸
法Wbが設定されており、なおかつ、これら幅寸法Wb
内に、対応する各幅寸法Waがそれぞれ収まるように各
押し付け面76b1(分割ローラ76b)の配置が設定
されている。
【0071】したがって、全てのノズル面53a毎にそ
れぞれ専用の押し付け面76b1を供給することができ
るので、全てのノズル面53aへのワイピングシート7
5の押し付けを確実に確保することができるようになっ
ている。例えば、ローラ76を分割せず、その周面を単
独の押し付け面として構成した場合、他のインクジェッ
トヘッド53よりもノズル面53aがワイピングシート
75側に突出したものがあるとすると、この突出したノ
ズル面53aは、ワイピングシート75に良く当接する
ことができる。しかし、良く当接する分、ワイピングシ
ート75の清掃面を周囲を巻き込んで余分に凹ませるの
で、その両隣位置のノズル面53aから前記清掃面が離
れやすくなり、これら両隣位置の各ノズル面53aを拭
いにくくなる。これに対し、本実施形態では、互いに分
割された各押し付け面76b1を採用しているので、例
え上述のような突出したノズル面53aが有ったとして
も、この突出したノズル面53aが、他の押し付け面7
6b1を巻き込んで凹ませることがない。これにより、
互いに隣接する各押し付け面76b1間で互いに干渉し
合うことがないので、それぞれが均等に拭われて確実に
清掃されるようになっている。
【0072】また、図8で図示したように、各インクジ
ェットヘッド53は、複数個をそれぞれ1列配置して纏
めることで、第1ヘッド列121A及び第2ヘッド列1
21Bを構成している。そして、これら第1ヘッド列1
21A及び第2ヘッド列121Bは、前記ワイピングシ
ート75の送り方向(矢印S方向)に交差するように複
数列が配置され、なおかつ、これら第1ヘッド列121
A及び第2ヘッド列121Bは、描画する画素ピッチに
合わせて、前記送り方向から見た場合の位置がシフト量
Shだけずれたものとなっている。
【0073】本実施形態のワイピングユニット70は、
このシフト量Shのずれを吸収するべく、各列毎に(第
1ヘッド列121A及び第2ヘッド列121B毎に)、
各ノズル面53aに対する各押し付け面76b1の相対
位置を合わせるローラ位置調整部(図示せず)を備えて
いる。このローラ位置調整部は、図6の紙面垂直方向に
架台200をスライド移動させる駆動機構であり、この
架台200上に据え付けられているワイピングユニット
70を一体にスライド移動させることができるようにな
っている。すなわち、図19に示すように、ローラ76
を、ワイピングシート75の送り方向に交差する方向に
シフトして位置決めすることができるようになってい
る。
【0074】図19に示すように、各ノズル面53aの
清掃のために定位置に固定された第1ヘッド列121A
及び第2ヘッド列121Bに対し、ローラ76を紙面右
方向に移動させることで、第1ヘッド列121A、そし
て第2ヘッド列121Bの順にそれぞれのノズル面53
aを清掃するが、前述のように、これら第1ヘッド列1
21A及び第2ヘッド列121B間には、前記シフト量
Shがあるため、第1ヘッド列121Aを清掃した後の
ローラ76を、前記ローラ位置調整部により前記シフト
量Sh分だけ予めスライド移動させることで、このシフ
ト量Shを吸収することができるようになっている。
【0075】したがって、このローラ位置調整部を備え
たことにより、製造するカラーフィルタ基板の画素ピッ
チやサイズ等の仕様変更が生じて、第1ヘッド列121
A及び第2ヘッド列121B間のシフト量Shが変更に
なったとしても、これに対応して、前記ローラ位置調整
部が、各列の各ノズル面53aの位置に一致するように
各押し付け面76b1の相対位置を調整することができ
るようになっている。これにより、各列の全ノズル面5
3aの充分な清掃作業を行うことができるようになる。
【0076】ところで、各ノズル面53aへのワイピン
グシート75の押し付け圧は、100〜1000gfの
範囲内の所定圧となるように設定されている。これは、
前記押し付け圧を適正に保つことにより、ワイピングシ
ート75を強く押し付けすぎて各ノズル面53aを傷付
けたり、もしくは、押し付け力が弱すぎて各ノズル面5
3aの付着インクが拭いきれずに残ったりするのを防止
するためである。より具体的に言うと、前記所定圧が1
00gfよりも小さいと、押し付け力が弱すぎて各ノズ
ル面53aの付着インクが拭いきれずに残る恐れがあ
り、また、前記所定圧が1000gfよりも大きくなる
と、強く押し付けすぎて各ノズル面53aを傷付けたり
する恐れがあるので、前記所定圧を100〜1000g
fの範囲内に収まるように設定しているのである。この
所定圧は、ワイピングシートの材料及びローラ76の硬
度に応じて設定されることがより好ましい。例えば、ワ
イピングシート75としてポリエステルを用い、ローラ
76として硬度20〜70度程度のゴム部材を用いる場
合にあっては、200〜400gfの範囲内の所定圧と
なるように設定されることが好ましい。
【0077】この押し付け圧の設定に際しては、押し付
け圧を直接計測する方法もあるが、本実施形態では、図
18(a),(b)に示すように、ワイピングシート7
5を介してローラ76を各ノズル面53aに押し付けた
際に、ワイピングシート75及びローラ76の変位量
(つぶれ量)が所定寸法となるようにすることで設定し
てもよい。より具体的に言うと、上記の変位量は、ワイ
ピングシート75の材料や厚さ及びローラ76の硬度に
応じて適正範囲が規定される。例えば、ワイピングシー
ト75としてポリエステル繊維による厚さ0.6mmの
シートを用い、ローラ76として硬度30〜60度のゴ
ムを用いた場合、ノズル面53a、ワイピングシート7
5及びローラ76が接した状態のローラ76の回転軸の
位置と、押し付け後の回転軸の位置の押し付け方向にお
ける変位量が、0.1〜1mmの範囲内となるように設
定されている。
【0078】すなわち、図18(a)に示す押し付け前
では、各インクジェットヘッド53から離れた位置にロ
ーラユニット160が位置しており、そのときのワイピ
ングシート75の上面(洗浄面)の鉛直方向高さをH1
とする。そして、各インクジェットヘッド53のノズル
面53aの鉛直方向高さをH2とした場合に、H2−H
1が、0.1〜1mmの範囲内となるように設定されて
いる。これにより、図18(b)に示すように、ヘッド
クリーニングのためにローラユニット160のローラ7
6を、ノズルユニット120の真下に来るようにローラ
ユニット駆動機構(図示せず)で水平移動させたとき
に、ワイピングシート75及びローラ76が、定位置に
固定された各インクジェットヘッド53の各ノズル面5
3aにより下方に押されて変形する。そして、この変形
量をGとした場合に、変形量Gが、0.1〜1mmの範
囲内となるように設定されている。
【0079】この変位量Gが0.1mmに満たない場合
には、ワイピングシート75による押し付け圧が不十分
であるとして判断し、逆に、1mmを越える場合には、
ワイピングシート75による押し付け圧が強すぎるとし
て判断することができるようになる。したがって、変位
量Gを0.1〜1mm内に収めるようにすることで、各
ノズル面53aに加わる押し付け圧を直接測定せずと
も、ワイピングシート75の押し付け圧が前記所定圧内
に収まるように容易に設定することができるのである。
【0080】(4)重量測定ユニット90の説明 以上説明のワイピングユニット70に続き、図7を参照
しながら前記重量測定ユニット90を以下に説明する。
この重量測定ユニット90は、各インクジェットヘッド
53の各ノズルから吐出されたインク滴Rの一滴あたり
の重量を測定して管理するためのものである。例えば、
重量測定を目的として各インクジェットヘッド53か
ら、2000滴分のインク滴Rを受けた後、この200
0滴のインク滴Rの重量を2000の数字で割ることに
より、一滴のインク滴Rあたりの重量を正確に測定する
ようになっている。このインク滴Rの重量測定結果は、
各インクジェットヘッド53から吐出するインク滴Rの
量を最適にコントロールするのに用いられる。
【0081】(5)ドット抜け検出ユニット100の説
明 続いて、前記ドット抜け検出ユニット100の説明を以
下に行う。図7に示すこのドット抜け検出ユニット10
0は、各ノズルユニット53の各ノズルの目詰まりを調
べるためのものであり、この上方位置に各インクジェッ
トヘッド53を移動させた後、ここに備えられている図
示されないレーザ装置からのレーザ光を遮るようにして
各インクジェットヘッド53から吐出させて検査を行
う。そして、吐出の指示をしたにもかかわらずレーザ光
が遮られなかった場合には、ノズルが目詰まりを起こし
てインクが出ておらず、製造品にドット抜けが生じる恐
れがあるとして判断され、前記キャップユニット60に
より問題となっているインクジェットヘッド53のノズ
ルが吸引され目詰まりが除去されるようになっている。
【0082】本実施形態のインクジェット装置3,7,
11及びヘッドクリーニング方法は、そのワイピングユ
ニット70が、ワイピングシート75とローラ76とを
備え、ローラ76が、各ノズル面53a間のピッチ間隔
に合わせて該ローラ76の軸線方向に複数分割された押
し付け面76b1と、前記軸線を共通の軸線とする回転
軸76aとを有し、各押し付け面76b1をワイピング
シート75を介して各ノズル面53aに押し当てて清掃
する構成/方法を採用した。これによれば、各ノズル面
53aにワイピングシート75を押し付けている状態の
各押し付け面76b1は、各ノズル面53a間のピッチ
間隔に合わせて分割されているので、隣接する押し付け
面76b1間で互いに干渉し合うことがない。したがっ
て、各ノズル面53aに対する各押し付け面76b1の
押し付け力を、他の押し付け面76b1の干渉を受ける
ことなく確保できるようになるので、全てのインクジェ
ットヘッド53の各ノズル面53aを確実かつ均等に清
掃することが可能となる。
【0083】また、本実施形態のインクジェット装置
3,7,11及びヘッドクリーニング方法は、各インク
ジェットヘッド53が2列が配置され、ワイピングユニ
ット70に、各列毎に各ノズル面53aに対する各押し
付け面76b1の相対位置を合わせる前記ローラ位置調
整部をさらに備え、前記相対位置を一致させる構成/方
法を採用した。これによれば、例え、製造するカラーフ
ィルタ基板のサイズ等の仕様変更に対応すべく各列毎に
各インクジェットヘッド53の位置を変更したとして
も、前記シフト量Shの調整により、各列全ノズル面5
3aの充分な清掃作業を行うことができる。したがっ
て、製造する基板の仕様変更等に柔軟に対応することが
可能となる。
【0084】また、本実施形態のデバイス製造装置は、
上記各インクジェット装置3,7,11及び上記ヘッド
クリーニング方法を含む製造工程により、例えば前記ノ
ート型コンピュータ20のようなデバイスを製造する構
成を採用した。この構成によれば、デバイス製造に用い
る全てのインクジェットヘッド3,7,11の各ノズル
面53aを、確実かつ均等に清掃するようにしているの
で、各ノズル面53aの汚れ等に起因するデバイス製造
の歩留まり悪化を防止することができ、生産性の向上を
得ることが可能となる。
【0085】また、本実施形態のデバイス(例えば前記
ノート型コンピュータ20)は、上記各インクジェット
装置3,7,11及び上記ヘッドクリーニング方法を含
む製造工程により、製造される構成を採用した。この構
成によれば、デバイス製造に用いる全てのインクジェッ
トヘッド3,7,11の各ノズル面53aを、確実かつ
均等に清掃するようにしているので、各ノズル面53a
の汚れ等に起因する製品歩留まりの悪化が防止され、製
品品質の高いデバイスとすることが可能となる。
【0086】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
ず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行
うことができ、例えば、上記実施形態においては、最初
にR(赤色)のパターン形成を行い、続いてG(緑色)
のパターン形成、そして最後にB(青色)のパターン形
成を行うものとしたが、これに限らず、必要に応じてそ
の他の順番でパターン形成するものとしても良い。ま
た、本発明のデバイス製造装置は、たとえば液晶表示デ
バイス用のカラーフィルターの製造に限定されるもので
はなく、たとえば、EL(エレクトロルミネッセンス)
表示デバイスに応用が可能である。EL表示デバイス
は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極
と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正
孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子
(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する
際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子
である。こうしたEL表示素子に用いられる蛍光性材料
のうち、赤、緑および青色の各発光色を呈する材料すな
わち発光層形成材料及び正孔注入/電子輸送層を形成す
る材料をインクとし、各々を本発明のデバイス製造装置
を用いて、TFT等の素子基板上にパターニングするこ
とで、自発光フルカラーELデバイスを製造することが
できる。本発明におけるデバイスの範囲にはこのような
ELデバイスをも含むものである。この場合、例えば、
上記のカラーフィルタのブラックマトリクスと同様に樹
脂レジストを用いて1ピクセル毎に区画する隔壁を形成
した後、下層となる層の表面に吐出された液滴が付着し
やすいように、且つ、隔壁が吐出された液滴をはじき隣
接する区画の液滴と混じり合うことを防止するため、液
滴の吐出の前工程として、基板に対し、プラズマ、UV
処理、カップリング等の表面処理を行う。しかる後に、
正孔注入/電子輸送層を形成する材料を液滴として供給
し製膜する第1の製膜工程と、同様に発光層を形成する
第2の製膜工程とを経て製造される。こうして製造され
るELデバイスは、セグメント表示や全面同時発光の静
止画表示、例えば絵、文字、ラベル等といったローイン
フォメーション分野への応用、または点・線・面形状を
もった光源としても利用することができる。さらに、パ
ッシブ駆動の表示素子をはじめ、TFT等のアクティブ
素子を駆動に用いることで、高輝度で応答性の優れたフ
ルカラー表示デバイスを得ることが可能である。また、
本発明の製膜装置に金属材料や絶縁材料を供すれば、金
属配線や絶縁膜等のダイレクトな微細パターニングが可
能となり、新規な高機能デバイスの作製にも応用でき
る。なお、上記の実施形態では、便宜的に「インクジェ
ット装置」ならびに「インクジェットヘッド」と呼称
し、吐出される吐出物を「インク」として説明したが、
このインクジェットヘッドから吐出される吐出物は所謂
インクには限定されず、ヘッドから液滴として吐出可能
に調整されたものであればよく、例えば、前述のELデ
バイスの材料、金属材料、絶縁材料、又は半導体材料等
様々な材料が含まれることはいうまでもない。また、上
記の実施形態において、圧電素子を用いたインクジェッ
トヘッドについて説明したがこれに限るものではなく、
発熱素子により液体内に気泡を発生させこの圧力により
液滴を吐出するインクジェットヘッドを用いることも可
能である。さらに、これらのインクジェットヘッドに限
らず、液滴を定量吐出する手段として、ディスペンサー
を用いることも可能である。
【0087】
【発明の効果】本発明の製膜装置は、そのヘッド清掃機
構が、ワイピングシートとローラとを備え、ローラが、
各ノズル面間のピッチ間隔に合わせて該ローラの軸線方
向に複数分割された押し付け面と、前記軸線を共通の軸
線とする回転軸とを有する構成を採用した。この構成に
よれば、各ノズル面にワイピングシートを押し付けてい
る状態の各押し付け面は、各ノズル面間のピッチ間隔に
合わせて分割されているので、隣接する押し付け面間で
互いに干渉し合うことがない。したがって、各ノズル面
に対する各押し付け面の押し付け力を、他の押し付け面
の干渉を受けることなく確保できるようになるので、全
てのヘッドの各ノズル面を確実かつ均等に清掃すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット装置を備えたデバイ
ス製造装置の一実施形態を示す図であって、同デバイス
製造装置における各構成機器の配置を示す平面図であ
る。
【図2】 同デバイス製造装置によるRGBパターン形
成工程を含めた一連のカラーフィルタ基板製造工程を示
す図であり、(a)〜(f)の順に製造される流れを示
す。
【図3】 同デバイス製造装置の各インクジェット装置
により形成されるRGBパターン例を示す図であって、
(a)はストライプ型を示す斜視図,(b)はモザイク
型を示す部分拡大図,(c)はデルタ型を示す部分拡大
図である。
【図4】 同デバイス製造装置により製造された液晶装
置を備えて製造されたデバイスの一例であるノート型コ
ンピュータを示す斜視図である。
【図5】 同デバイス製造装置のインクジェット装置の
主要機器を示す概略構成図である。
【図6】 同インクジェット装置の一部を示す図であっ
て、図1の矢印Aより見た側面図である。
【図7】 同インクジェット装置を示す図であって、図
6の矢印Bより見た平面図である。
【図8】 同インクジェット装置のノズルヘッドユニッ
トを示す平面図である。
【図9】 同ノズルヘッドユニットを図8の矢印Cより
見た側面図である。
【図10】 同ノズルヘッドユニットに備えられている
インクジェットヘッドの、インクを吐出機構を説明する
説明図である。
【図11】 同インクジェットヘッドの一部分を示す図
であって、(a)はノズル面に対向する側から見た図,
(b)は(a)のD−D断面図である。
【図12】 同インクジェットヘッドを説明する図であ
り、(a)はスキャン方向を示す説明図,(b)はノズ
ルピッチの変更を示す説明図である。
【図13】 同インクジェット装置のワイピングユニッ
トのワイピングシート供給ユニットを示す斜視図であ
る。
【図14】 同ワイピングシート供給ユニットを示す図
であって、巻き出しローラ及び巻き取りローラの軸線に
垂直をなす断面より見た縦断面図である。
【図15】 同ワイピングユニットのローラユニットを
示す斜視図である。
【図16】 同ローラユニットを、そのローラの軸線に
垂直な断面より見た縦断面図である。
【図17】 同ワイピングユニットによる各ノズル面の
清掃を説明する平面図である。
【図18】 同ワイピングユニットによる各ノズル面の
清掃を説明する側面図であり、(a)はワイピングシー
トをノズル面に対して押し付ける前の状態を示し、
(b)は押し付け状態を示している。
【図19】 同ワイピングユニットによる各ノズル面の
清掃を説明する平面図である。
【符号の説明】
3,7,11・・・インクジェット装置(製膜装置) 20・・・ノート型コンピュータ(デバイス) 53・・・インクジェットヘッド(ヘッド) 53a・・・ノズル面 70・・・ワイピングユニット(ヘッド清掃機構) 75・・・ワイピングシート 76・・・ローラ 76a・・・回転軸 76b1・・・押し付け面 CK・・・カラーフィルタ基板(基板) R・・・インク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液滴を吐出する複数のヘッドと、これら
    ヘッドの各ノズル面を清掃するヘッド清掃機構とを備え
    た製膜装置において、 前記ヘッド清掃機構は、前記各ノズル面を一括して拭う
    ワイピングシートと、該ワイピングシートを前記各ノズ
    ル面に向けて押し付けるローラとを備え、 前記ローラは、前記各ノズル面間のピッチ間隔に合わせ
    て該ローラの軸線方向に複数分割された押し付け面と、
    前記軸線を共通の軸線とする回転軸とを有することを特
    徴とする製膜装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製膜装置において、 前記各ヘッドは、前記ワイピングシートの送り方向に交
    差するように複数列が配置され、 前記ヘッド清掃機構は、前記各列毎に、前記各ノズル面
    に対する前記各押し付け面の相対位置を合わせるローラ
    位置調整部をさらに備えていることを特徴とする製膜装
    置。
  3. 【請求項3】 液滴を吐出する複数のヘッドを清掃する
    ヘッドクリーニング方法おいて、 前記各ヘッドのノズル面を一括して拭うワイピングシー
    トを、前記各ノズル面間のピッチ間隔に合わせて複数分
    割された押し付け面により、前記各ノズル面に押し当て
    て清掃することを特徴とするヘッドクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のヘッドクリーニング方
    法において、 前記各ヘッドは、前記ワイピングシートの送り方向に交
    差するように複数列が配置され、 前記各列毎に、前記各ノズル面に対する前記各押し付け
    面の相対位置を一致させることを特徴とするヘッドクリ
    ーニング方法。
  5. 【請求項5】 ヘッドから吐出された液滴を基板に供給
    し前記基板に製膜処理を施す製膜装置を有するデバイス
    製造装置であって、 前記製膜装置として、請求項1または請求項2のいずれ
    か1項に記載された製膜装置を備えたことを特徴とする
    デバイス製造装置。
  6. 【請求項6】 ヘッドから吐出された液滴を基板に供給
    し前記基板に製膜処理を施す製膜工程を含むデバイスの
    製造方法であって、 請求項3または請求項4のいずれか1項に記載のヘッド
    クリーニング方法によりヘッドのクリーニングを行う工
    程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のデバイスの製造方法を
    用いて製造されることを特徴とするデバイス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005205631A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Konica Minolta Medical & Graphic Inc インクジェットプリンタ
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