JP2003269273A - 作業機械及びその燃料供給装置 - Google Patents

作業機械及びその燃料供給装置

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JP2003269273A
JP2003269273A JP2002069062A JP2002069062A JP2003269273A JP 2003269273 A JP2003269273 A JP 2003269273A JP 2002069062 A JP2002069062 A JP 2002069062A JP 2002069062 A JP2002069062 A JP 2002069062A JP 2003269273 A JP2003269273 A JP 2003269273A
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英司 赤羽根
Makoto Sakai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、作業機械及びその燃料供給装置に
関し、下部走行体に設置された燃料タンクから上部構造
体に設置されたエンジンへ簡素な構成で燃料を供給でき
るようにすることを目的とする。 【解決手段】 上部構造体200と下部走行体100と
をそなえ、エンジン10が上部構造体200に設けられ
た作業機械において、燃料を貯蔵するためのメインタン
ク1を下部走行体100に設けるとともに、エンジン1
0に燃料を供給するためのサブタンク2を上部構造体2
00に設け、このメインタンク1とサブタンク2とを第
2管路8によって連通接続する。また、第1管路7を介
してエアポンプ3とメインタンク1とを連通接続し、こ
のエアポンプ3からメインタンク1へエアを供給可能な
構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業機械及びその
燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、作業機械は、機体の移動をつか
さどる下部走行体と、この下部走行体上に取り付けら
れ、運転室,エンジン等をそなえた上部構造体とから構
成され、上部構造体に搭載された燃料タンクからエンジ
ンに燃料が供給されて駆動されるようになっている。
【0003】この種の作業機械の代表例である油圧ショ
ベルについて図8〜図11を用いて説明すると、油圧シ
ョベルは、図8に示すように、下部走行体100と上部
旋回体(上部構造体)200とをそなえて構成されてい
る。上部旋回体200は、旋回フレーム200a上に運
転室220,燃料タンク1,エンジン10及び圧油を発
生させるためのパワープラント(図示略)等をそなえて
構成され、連結部11を介して下部走行体100の走行
フレーム100a上に旋回可能に取り付けられている。
また、旋回フレーム200aの前方には、ブーム21
1,アーム212,バケット213及びこれらを揺動駆
動するためのシリンダ211a〜213aからなる作業
アーム機構210が取り付けられており、パワープラン
トから圧油が供給されることでシリンダ211a〜21
3aが伸縮し、ブーム211,アーム212,バケット
213が揺動するようになっている。
【0004】下部走行体100はクローラ式の走行体と
して構成され、図11に示すように、走行用の左右の油
圧モータ121,131と、この油圧モータ121,1
31に連結されて正転又は逆転するスプロケットホイー
ル120,130と、このスプロケットホイール12
0,130に巻回されるクローラ(図示略)とをそなえ
ている。
【0005】油圧モータ121,131は、油圧配管1
22,132を介してパワープラントから圧油が供給さ
れ、各油圧モータ121,131の作動や回転方向が独
立に制御されるようになっている。そして、この左右の
油圧モータ121,131が同時又は交互に独立して正
逆転することで、スプロケットホイール120,130
に巻回された左右のクローラが独立に正逆転し、油圧シ
ョベル全体の前・後進、方向転換が行なわれるようにな
っている。
【0006】なお、連結部11にはその中心(上部旋回
体200の旋回中心)部に上部旋回体200と下部走行
体100とを連通するスイベルジョイント111がそな
えられており、上部旋回体200上に設けられたパワー
プラントから下部走行体100の左右の油圧モータ12
1,131へ圧油を供給するための油圧配管が設けられ
ている。
【0007】スイベルジョイント111は、その軸心と
上部旋回体200の回転軸心とが一致するように配置さ
れており、内筒112と外筒113とをそなえて構成さ
れている。内筒112は上部旋回体200と一体に設け
られ外筒113内に旋回自在に遊挿されており、パワー
プラントの圧油制御用機器との間に供給及び戻り油用な
どの配管が接続されている。また、外筒113は下部走
行フレーム100と一体に設けられており、外周部には
下部走行体の後方(即ち、スプロケットホイール12
0,130が設けられている方向)に向けて油圧配管1
22,132が取り付けられている。そして、個々の配
管は左右の油圧モータ121,131の圧油のフィード
ポート,ドレインポート,信号用ポート等へ接続されて
おり、パワープラントから圧送された圧油は供給用の配
管及び内筒112を介してフィードポートや信号ポート
に供給され、ドレインポートから吐出された圧油は還流
路を介してパワープラントへ還流されるようになってい
る。
【0008】ところで、旋回フレーム200a上には、
パワープラント,燃料タンク1,運転室220ととも
に、上記パワープラントで発生する圧油などの動力を制
御,分配したり、各種の操作をしたりする付属機器類が
全面にわたって搭載されている。また、これ以外にも、
所定の位置に作業アーム機構210を取り付けるための
頑丈なブラケットや、パワープラント付属のボンネッ
ト,制御機器,旋回用アクチュエータ類が所狭しと配置
してある。さらに、作業性能を向上させるために新たな
機器を旋回フレーム200a上に設置する必要があり、
上部旋回体200は大型化する傾向にある。
【0009】しかし、機体の大きさとその機械の作動能
力との関係から上部旋回体200の外形寸法には限界が
ある。このため、近年、特許第2566443号公報に
開示されるごとく、旋回フレーム200a上の機器を一
部下部走行体100側へ移設した油圧ショベルが提案さ
れている。この油圧ショベルは図9,図10に示すよう
に、燃料タンク1が下部走行体100側に設けられてお
り、連結部11内のスイベルジョイント111を通る管
路8を介して上部旋回体200側に設けられているエン
ジン10へ燃料が供給されるようになっている。このよ
うに、機器相互の接続関係や効率などの面から最も移設
し易い燃料タンク1を下部走行体100に移設すること
により、作業性能を低下させることなく、下部走行体1
00側の空きスペースを有効活用し旋回フレーム200
a上の機器類の配置にゆとりをもたせることができるの
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように下部走行体
100側に配置された燃料タンク1から上部旋回体20
0側に設けられているエンジン10へ燃料を供給する方
法としては、上部旋回体200に吸引ポンプを設置して
燃料タンク1内の燃料を吸い上げる方法や、下部走行体
100側に圧送ポンプを設置して燃料タンク1内の燃料
をエンジン10へ圧送する方法等が考えられる。
【0011】しかし、吸引ポンプによって吸引する場合
には、吸引力の強い大型のポンプが必要とされ、コスト
や設置スペースの確保等の面で難点がある。一方、下部
走行体100側に圧送ポンプを設置して圧送する場合に
は、スイベルジョイント111内にこの圧送ポンプと上
部旋回体200側に設けられた制御装置とを接続するた
めの電気配線を設ける必要がある。このような電気配線
では、スリップリングを設ける等、旋回を許容しうる構
成とする必要があるが、スイベルジョイント111内に
は油圧モータ121,131へ圧油を供給するための油
圧供給管やエンジンに燃料を供給するための燃料供給管
8が配置され作動油や燃料が通過しているため、特別な
配慮が必要となる。
【0012】また、この場合、燃料供給後に燃料タンク
1内が負圧となるため、スイベルジョイント111内に
エア供給用の配管を別途設けたり、或いは、キャップ1
aから外気を吸引したりする等して、燃料タンク1内を
常圧に維持する必要がある。しかし、スイベルジョイン
ト111内の空間は狭く、多くの配管を設置することは
困難である。また、この種の作業機械では下部走行体1
00の上部まで水に浸かって作業を行なう場合があり、
燃料タンク1を密閉構造とする必要がある。
【0013】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、下部走行体に設置された燃料タンクから上部構造
体に設置されたエンジンへ簡素な構成で燃料を供給でき
るようにした、燃料供給装置及びこのような燃料供給装
置をそなえた作業機械を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の作業機械の燃料
供給装置は、上部構造体と下部走行体とをそなえ、エン
ジンが上部構造体に設けられた作業機械に適用され、上
記目的を達成するために、燃料を貯蔵するためのメイン
タンクを下部走行体に設けるとともに、エンジンに燃料
を供給するためのサブタンクを上部構造体に設け、この
メインタンクとサブタンクとを第2管路によって連通接
続する。また、第1管路を介してエアポンプとメインタ
ンクとを連通接続し、このエアポンプからメインタンク
へエアを供給するようにする。
【0015】したがって、エアポンプから圧送されたエ
アは第1管路を介してメインタンク内へ流入し、メイン
タンク内に貯蔵された燃料液面上方に蓄積される。そし
て、このメインタンク内に蓄積されて高圧状態となった
エアの圧力により、メインタンク内に貯蔵された燃料の
液面が加圧され、第2管路を介してサブタンクへ圧送さ
れる。そして、このようにメインタンクから圧送されサ
ブタンク内に貯蔵された燃料がエンジンに供給される
(請求項1)。
【0016】このとき、第1管路の流れを規制する第1
弁と、第2管路を開閉する第2弁とを設け、更に、第1
管路のメインタンク側の管路を第2管路の第2弁よりも
メインタンク側の管路に接続するようにしてもよい。こ
れにより、第1弁が開弁され且つ第2弁が閉弁された状
態でエアポンプを作動させることで、エアポンプから圧
送されるエアは第1管路,第2管路を介してメインタン
クへ流入しメインタンク内部に蓄積される。また、この
ように蓄積されたエアによってメインタンク内部が十分
加圧された状態において、第1弁が閉弁され且つ第2弁
が開弁されることで、燃料は第2管路を介してサブタン
クへ移送される(請求項2)。
【0017】さらに、このとき、上部構造体が下部走行
体に連結部を介して旋回可能に取り付けられ、第1管路
と第2管路との接続部が上部旋回体に配置されるように
してもよい(請求項3)。また、上記目的を達成するた
めに、本発明の作業機械は、上部構造体と、下部走行体
と、上部構造体に設けられたエンジンと、請求項1〜3
のいずれかの項に記載の作業機械の燃料供給装置とをそ
なえて構成されている(請求項4)。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態としての作業機械の燃料供給装置について説明す
ると、図1はその全体構成を示す模式的図、図2〜図5
はいずれもその作用を説明するための模式図、図6,図
7はいずれもその作用を説明するためのフローチャート
である。なお、図8〜図11を用いて説明した従来の技
術と同様の部位については同じ符号を付し、その説明を
一部省略する。
【0019】本実施形態に係る作業機械は、図1に示す
ように、図9,図10を用いて説明した従来の油圧ショ
ベルと同様に、下部走行体100と、この下部走行体1
00上に連結部11を介して旋回可能に取り付けられた
上部旋回体(上部構造体)200とをそなえて構成さ
れ、上部旋回体200に設けられたエンジン10によっ
て駆動されるようになっている。
【0020】また、エンジン10に燃料を供給するため
の本燃料供給装置は、メインタンク1と、このメインタ
ンク1に第2管路8を介して連通接続されたサブタンク
2と、エアポンプ3と、制御装置20とをそなえて構成
されている。メインタンク1はエンジン10用の燃料を
貯蔵するための主たるタンクとして構成され、下部走行
体100に設けられている。また、メインタンク1は気
密及び液密に構成され、外部からの汚水等の流入が防止
されるようになっている。
【0021】サブタンク2は、エンジン10駆動用の燃
料を一定量貯蔵しうるようにしたものであり、上部旋回
体200に設けられ、第2管路8を介してメインタンク
1と連通接続されている。そして、メインタンク1内に
貯蔵された燃料は第2管路8を介してサブタンク2内へ
移送され、サブタンク2内に一定量だけ貯蔵されるよう
になっている。また、サブタンク2は燃料供給配管2a
を介してエンジン10に接続されており、サブタンク2
内に貯蔵された燃料がエンジン10に安定供給されるよ
うになっている。
【0022】なお、サブタンク2内にはフロートセンサ
9が設けられており、燃料に浮かぶセンサ先端部9aの
位置に基づいてサブタンク2に貯蔵されている燃料貯蔵
量を検知し、制御装置20へ検知信号を出力するように
なっている。具体的には、センサ先端部9aがセンサ本
体9bの取り付け位置を下回ると燃料不足状態を検知
し、逆に、センサ先端部9aがセンサ本体9bの取り付
け位置より所定高さ上回るとフル状態(サブタンク2内
に燃料が所定量以上充填された状態)を検知するように
なっている。
【0023】また、図1〜図5に示すように、第2管路
8には第2弁(開閉弁)5が設けられており、第2弁5
を開弁することでメインタンク1からサブタンク2へ燃
料を流入させ、第2弁5を閉弁することにより燃料の流
入を禁止しうるようになっている。エアポンプ3はメイ
ンタンク1内にエアを圧送するためのものであり、上部
旋回体200に設けられ、第2弁5の上流側(メインタ
ンク1側)で第2管路8から分岐接続された第1管路7
を介してメインタンク1に連通接続されている。そし
て、この管路7,8を介してエアをメインタンク1内に
圧送することで、メインタンク1内にエアが蓄積され、
メインタンク1内部が加圧されるようになっている。
【0024】なお、第1管路7と第2管路8との接続部
は上部旋回体200側に設けられており、連結部11内
には、この接続部より上流側の第2管路8が配設されて
いる。これにより、エアポンプ3を上部旋回体200に
設けた本構成においても連結部11内に配置される配管
を一本のみとすることができ、連結部11内の構造を簡
素化できるようになっている。
【0025】また、第1管路7にも開閉弁(第1弁)4
が設けられており、燃料がエアポンプ3内へ流入するこ
とを防止するようになっている。さらに、第1管路7に
は圧力センサ6が設けられており、第1管路7内の圧力
を検出し制御装置20へ圧力信号を出力するようになっ
ている。この圧力センサ6はエアポンプ3による第1管
路7内のエア圧を検出し、間接的にメインタンク1内の
圧力状態を検出するようになっている。
【0026】制御装置20はエアポンプ3の作動及び第
1弁4,第2弁5の開閉を制御するためのものであり、
エアポンプ3の作動・停止及び弁4,5の開閉操作を組
み合わせることで、エア及び燃料の流入方向や流入量を
制御し、メインタンク1からサブタンク2への燃料移送
量を調節できるようになっている。具体的には、フロー
センサ9のセンサ先端部9aがセンサ本体9bの取り付
け位置を下回りサブタンク2が燃料不足状態となったこ
とを検知すると、圧力センサ6の圧力信号に基づいて第
1管路7内の圧力状態を判定し、第1管路7内の燃料が
所定圧以上に加圧されている場合には、第2弁5を開弁
してメインタンク1からサブタンク2内へ燃料を移送す
る。
【0027】逆に、第1管路7内の液圧が所定圧より小
さいか、或いは、第1管路7内に燃料が充填されていな
いことを検知すると、第2弁5を閉弁してエアポンプ3
を作動させる。その後、第1弁4を開弁し、管路7,8
を介してメインタンク1内へエアを圧送し、メインタン
ク1内を加圧する。そして、圧力センサ6から圧力信号
に基づいてメインタンク1内が所定圧以上に加圧された
ことが検知されると、第1弁4を閉弁してエアポンプ3
を停止し、メインタンク1内の加圧を停止する。そし
て、第2弁5を開弁し、サブタンク2内へ燃料を吐出さ
せるようになっている。
【0028】そして、フロートセンサ9によってフル状
態が検知されると、第2弁5を閉弁し、メインタンク1
からサブタンク2への燃料の移送を停止する。本発明の
一実施形態としての作業機械の燃料供給装置は、上述の
ように構成されているので、例えば、図6,図7に示さ
れるようなフローに従って制御が行なわれ、メインタン
ク1からサブタンク2へ燃料が移送される。
【0029】まず、ステップS1でフローセンサ9によ
って燃料不足状態が検知されると、ステップS2で圧力
センサ6の圧力信号に基づいて第1管路7内の液圧が所
定圧以上であるか否かが判定される。ここで、液圧が所
定圧以上である場合には、メインタンク1内が高圧状態
にあり、サブタンク2への燃料移送が可能な状態である
と判定し、ステップS4に進む。また、液圧が所定圧を
下回り、或いは、第1管路7内に燃料が充填されていな
い場合には、燃料移送不可能な状態であると判定し、ス
テップS3に進む。そして、図7に示すようなタンク内
加圧ルーチンによってメインタンク1内が加圧される。
【0030】すなわち、ステップS3に進むと、まず、
ステップS31で第2弁5を閉弁してエアポンプ3から
サブタンク2へのエアの流入を禁止する。そして、ステ
ップS32でエアポンプ3を作動させ、ステップS33
で第1弁4を開弁する。これにより、図2に示すよう
に、エアの圧力によって管路7,8内に残留した燃料が
メインタンク1へ戻されるとともに、管路7,8を介し
てエアがメインタンク1内へ流入し、メインタンク1内
に貯蔵された燃料の上方に蓄積される。そして、蓄積さ
れて高圧状態となったエアにより、メインタンク1内部
の燃料が加圧される。
【0031】そして、ステップS34で圧力センサ6に
より第1管路7内のエア圧が所定圧以上となったことが
検知されると燃料移送可能状態であると判定し、ステッ
プS35で第1弁4を閉弁し、ステップS36でエアポ
ンプ3の作動を停止する(図3参照)。これにより、メ
インタンク1内は十分に加圧された状態に保持される。
【0032】そして、ステップS2或いはステップS3
4で燃料移送可能状態と判定されると、燃料移送可能な
状態と判定し、ステップS4で第2弁5を開弁する。こ
れにより、第2管路8のサブタンク2側の端部が開放さ
れ、メインタンク1内のエアの圧力により燃料が第2管
路8を介してサブタンク2側へ押し上げられ、サブタン
ク2へ燃料が流入する(図4参照)。
【0033】そして、流入した燃料によってサブタンク
2内の燃料液面が上昇し、ステップS5でフロートセン
サ9によってフル状態が検知されると、ステップS6で
第2弁5が閉弁され、サブタンク2への燃料移送が停止
される(図5参照)。なお、第2弁5が閉弁され燃料移
送が停止された後は、第2管路8内は加圧状態の燃料に
よって充填された状態に保持される。
【0034】したがって、本実施形態の作業機械の燃料
供給装置によれば、下部走行体100側に設けられたメ
インタンク1から上部旋回体200側に設けられたサブ
タンク2へ必要量だけ燃料を移送し、サブタンク2内に
貯蔵された燃料をエンジン10へ供給しているため、エ
ンジン10への燃料供給を安定的に行なうことができ
る。
【0035】また、メインタンク1からサブタンク2へ
の燃料の移送が圧送方式で行なわれるため、ポンプ駆動
に大きな動力を必要とせず、装置を小型化することがで
きる。つまり、エアポンプ3によってメインタンク1内
にエアを供給し、メインタンク1内に蓄積されて高圧状
態となったエアの圧力によってメインタンク1内の燃料
の液面を加圧しサブタンク2側へ押し上げて移送してい
るため、比較的ポンプ力の小さい中・小型のポンプを用
いることができ、装置構成を簡素化しながらコストを低
減することができるのである。
【0036】また、メインタンク1内が負圧とならない
ため、キャップ1aを介して外気を取り入れる等の吸気
構造が不要であり、メインタンク1を気密及び液密構造
とすることができる。これにより、下部走行体100の
上部まで水に浸かるような作業を行なった場合でも、メ
インタンク1内が汚染される虞がない。また、このよう
にメインタンク1内を気密構造とすることで、サブタン
ク2への燃料移送後もメインタンク1内が高圧状態に保
持され、管路7,8内に充填された燃料はメインタンク
1へ戻されることがない。このため、管路7,8内は、
エアポンプ3によりメインタンク1内を加圧するとき以
外は常に燃料が充填された状態となり、管路7,8内の
錆の発生が防止され、耐久性を向上させることができ
る。
【0037】さらに、第2弁5の上流側において第2管
路8と第1管路7とを接続し、第1管路7と第2管路8
との接続部より上流側の第2管路8を燃料移送路及びエ
ア供給路として兼用しているため、配管構造を簡素化で
きるとともに、スイベルジョイント111内に配設する
燃料移送のための配管を一本(即ち、燃料移送路及びエ
ア供給路として兼用されている上記接続部より上流側の
第2管路8のみ)とすることができ、スイベルジョイン
ト111内の構成を簡素化できる。
【0038】また、第1管路7と第2管路8との接続部
を上部旋回体200側に設けることで、エアポンプ3を
上部旋回体200側に設けることができる。これによ
り、エアポンプ3と制御装置20とを接続するための電
気配線を連結部11内に設ける必要がなく、スイベルジ
ョイント111の構成を更に簡素化できる。なお、本発
明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが
できる。
【0039】例えば、第1管路7を第2管路8に接続せ
ずに直接メインタンク1に接続し、燃料移送路(第2管
路8)とエア供給路(第1管路7)とを分離して構成し
てもよい。この場合、エアポンプ3から圧送されるエア
は燃料内を通らずに直接メインタンク1内に蓄積され、
燃料液面が加圧される。また、第1弁4を、メインタン
ク1側からエアポンプ3側への燃料の流れを規制し、エ
アポンプ3側からメインタンク1側へのエアの流れのみ
許容するような逆止弁として構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
下部走行体に設けられたメインタンクから上部旋回体に
設けられたサブタンクへ必要量だけ燃料を移送し、サブ
タンク内に貯蔵された燃料をエンジンへ供給しているた
め、エンジンへの燃料供給を安定的に行なうことができ
る。
【0041】また、エアポンプによってメインタンク内
にエアを供給し、メインタンク内に蓄積されて高圧状態
となったエアの圧力によってメインタンク内の燃料の液
面を加圧しサブタンク側へ押し上げて移送しているた
め、比較的ポンプ力の小さい中・小型のポンプを用いる
ことができ、装置構成を簡素化しながらコストを低減す
ることができる。
【0042】また、メインタンク内が負圧とならないた
め、メインタンク内に外気を取り入れる等の吸気構造が
不要であり、メインタンクを気密及び液密構造とするこ
とができる。これにより、下部走行体の上部まで水に浸
かるような作業を行なった場合でも、メインタンク内が
汚染される虞がない(請求項1,4)。また、第1管路
のメインタンク側管路と第2管路のメインタンク側管路
とを接続させるとともに、第1管路及び第2管路にそれ
ぞれ第1弁及び第2弁を設けて各弁の開閉を制御するこ
とで、第1管路と第2管路との接続部より上流側の第2
管路を燃料移送路及びエア供給路として兼用することが
でき、配管構造を簡素化できる。また、この場合、メイ
ンタンクからサブタンクへ燃料を移送した後、第2弁を
閉弁すると、メインタンク内が高圧状態に保持され、第
1管路,第2管路内に充填された燃料はメインタンクへ
戻されることがない。このため、第1管路,第2管路内
は、エアポンプによりメインタンク内を加圧するとき以
外は常に燃料が充填された状態となり、管路内の錆の発
生が防止され、耐久性を向上させることができる(請求
項2,4)。
【0043】このとき、上部構造体が連結部によって下
部走行体に旋回可能に取り付けられ、第1管路と第2管
路との接続部が連結部に対して上部旋回体側に配置され
るようにすることで、エアポンプを上部旋回体に設ける
ことができる。これにより、エアポンプ作動用の電気配
線を連結部内に設ける必要がなく、連結部内の構成を簡
素化できる。また、連結部内に配設する燃料移送のため
の配管を、燃料移送路及びエア供給路として兼用されて
いる上記接続部より上流側の第2管路のみとすることが
でき、連結部内の構成を更に簡素化できる(請求項3,
4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる作業機械の燃料供
給装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる作業機械の燃料供
給装置の作用を説明するための模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる作業機械の燃料供
給装置の作用を説明するための模式図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる作業機械の燃料供
給装置の作用を説明するための模式図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる作業機械の燃料供
給装置の作用を説明するための模式図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる作業機械の燃料供
給装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態にかかる作業機械の燃料供
給装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図8】従来の作業機械の全体構成を示す図である。
【図9】従来の作業機械の全体構成を示す図である。
【図10】従来の作業機械の燃料供給装置の全体構成を
示す図である。
【図11】従来の作業機械の下部走行体の構造を示す模
式図である。
【符号の説明】
1 メインタンク 2 サブタンク 3 エアポンプ 4 第1弁 5 第2弁 7 第1管路 8 第2管路 10 エンジン 11 連結部 20 制御装置(制御手段) 100 下部走行体 200 上部構造体(上部旋回体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造体と下部走行体とをそなえ、上
    記上部構造体にエンジンが設けられた作業機械におい
    て、上記エンジンに燃料を供給する燃料供給装置であっ
    て、 上記下部走行体に設けられ、燃料を貯蔵するメインタン
    クと、 上記上部構造体に設けられ、上記エンジンに燃料を供給
    するサブタンクと、 エアポンプと、 上記エアポンプと上記メインタンクとを連通接続する第
    1管路と、 上記メインタンクと上記サブタンクとを連通接続し、且
    つ、上記メインタンク内の燃料を上記サブタンクに供給
    可能な第2管路とをそなえたことを特徴とする、作業機
    械の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 上記第1管路の流れを規制する第1弁
    と、 上記第2管路を開閉する第2弁とを更にそなえ、 上記第1管路の上記メインタンク側の管路が、上記第2
    管路の上記第2弁よりも上記メインタンク側の管路に接
    続されていることを特徴とする、請求項1記載の作業機
    械の燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 上記上部構造体が上記下部走行体に連結
    部を介して旋回可能に取り付けられ、 上記第1管路と上記第2管路との接続部が上記上部旋回
    体に配置されていることを特徴とする、請求項2記載の
    作業機械の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 上部構造体と、 下部走行体と、 上記上部構造体に設けられたエンジンと、 請求項1〜3のいずれかの項に記載の作業機械の燃料供
    給装置とをそなえたことを特徴とする、作業機械。
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JP2009216013A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械の燃料供給装置
JP2010236287A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Hitachi Constr Mach Co Ltd 作業機械の燃料回路

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