JP2003268294A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JP2003268294A
JP2003268294A JP2002076045A JP2002076045A JP2003268294A JP 2003268294 A JP2003268294 A JP 2003268294A JP 2002076045 A JP2002076045 A JP 2002076045A JP 2002076045 A JP2002076045 A JP 2002076045A JP 2003268294 A JP2003268294 A JP 2003268294A
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Mitsuo Umezawa
三雄 梅沢
Toshiaki Sato
敏昭 佐藤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、一種類で滑り性と耐傷付き性とを
付与し得る潤滑剤を含有する水性塗料組成物を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 炭素数25〜200の直鎖アルキル基の末端
に水酸基を有する化合物(A)中の水酸基と、スチレン
と無水マレイン酸とを主たる構成成分とする共重合体
(B)中の酸無水物基とを反応せしめてなる反応生成物
(C)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、滑り性、耐傷付き
性に優れる塗膜を形成し得る水性塗料組成物に関する。
詳しくは、飲料や食品を収容するための缶(以下飲料缶
ともいう)の外面被覆に好適な塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製又はプラスチックフィルムで被覆
された金属製の缶、特に飲料缶の外面は、美観および金
属の腐食防止の目的で印刷および塗装がなされることが
多い。飲料缶の製造過程においても製造後においても、
飲料缶の搬送が良好に行われ、及び塗膜が傷付かないこ
とが要求される。
【0003】この目的のために、飲料缶の外面被覆用塗
料組成物には、天然ワックスや合成ワックス等のいわゆ
る潤滑剤を添加することが一般的に行われている。天然
ワックスの中で動植物油系ワックスとしては、パーム
油、ラノリン、カルナバワックス等が挙げられる。天然
ワックスの中で石油系ワックスとしては、ペトロラタ
ム、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス等が挙げられる。合成ワックスとしては、極性基を有
するポリエチレン系ワックス、エチレンもしくはプロピ
レンとアクリル酸、メタクリル酸等との共重合体等が挙
げられる。
【0004】しかし、これまで用いられてきた上記潤滑
剤には以下のような難点があった。 (1)天然ワックスを含有する塗膜は、動摩擦係数が小
さく滑り性に優れるとはいうものの、塗膜表面自体が比
較的柔らかいので、摩耗し易く、傷がつき易い。また、
塗膜から削り取られ、生産ラインに付着、堆積したカス
が、塗膜に付着し、塗膜を汚すという問題があった。特
に常温で固体であるワックスの融点が90℃未満のワッ
クスは生産ラインに堆積しやすく、堆積したワックスの
洗浄が非常に困難と言われている。石油系のマイクロク
リスタリンワックスで融点が90℃以上のものは市販さ
れているが、針入度は6〜8と比較的高く、傷付き耐性
が劣る。植物系のカルナバワックスは針入度は1以下と
低いが、融点が80〜86℃であるため、生産ラインを
汚染し易いという欠点がある。
【0005】(2)合成ワックスは融点が90℃以上の
ものが殆どで、特にポリエチレン系ワックスは100℃
以上の融点を有する。また、低密度ポリエチレン以外の
中密度、高密度ポリエチレンワックスの針入度は1以下
で、硬い皮膜を形成する。合成ワックスを含有する塗膜
は、塗膜表面自体が比較的硬いので、摩耗し難く、傷が
つき難いとはいうものの、動摩擦係数が大きく滑り性の
点で不十分であった。
【0006】そこで、これまでは天然ワックスと合成ワ
ックスとを併用し、滑り性と耐傷付き性とを両立させよ
うとしてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一種類で滑
り性と耐傷付き性とを付与し得る潤滑剤を含有する水性
塗料組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に鑑み鋭意検討した結果、直鎖飽和炭化水素の一級のモ
ノアルコールが潤滑剤として好適なことを見出し、本発
明を完成した。即ち、第1の発明は、炭素数25〜200の
直鎖アルキル基の末端に水酸基を有する化合物(A)中
の水酸基と、スチレンと無水マレイン酸とを主たる構成
成分とする共重合体(B)中の酸無水物基とを反応せし
めてなる反応生成物(C)を含有することを特徴とする
水性塗料組成物であり、
【0009】第2の発明は、塩基化合物の存在下に、炭
素数25〜200の直鎖アルキル基の末端に水酸基を有する
化合物(A)中の水酸基と、スチレンと無水マレイン酸
とを主たる構成成分とする共重合体(B)中の酸無水物
基とを反応せしめてなる反応生成物(C)を、水性媒体
に分散せしめてなる上記反応生成物(C)の水性分散体
を含有することを特徴とする水性塗料組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる炭素数25〜20
0の直鎖アルキル基の末端に水酸基を有する化合物
(A)について説明する。化合物(A)は、直鎖飽和炭
化水素の片末端に一級の水酸基を有するものであり、飽
和炭化水素の炭素数は25〜200であり、30以上100以下で
あることが好ましい。市販品としては、ベーカー・ペト
ロライト社製のユニリン350(炭素数約26)、ユニリ
ン425(炭素数約33)、ユニリン550(炭素数約3
9)、ユニリン700(炭素数約50)等が挙げられる。
【0011】化合物(A)は、化合物(B)と反応させ
ないで、そのまま水性塗料組成物に添加したり、あるい
は水単独、もしくは水と親水性有機溶媒からなる混合溶
液中に分散させたものを添加した場合、塗膜にブツを生
じたり、ハジキを生じたりして、塗膜の表面状態を損な
う。かかる不都合を解消するため、鋭意検討した結果、
本発明の反応生成物(C)を見出した。
【0012】化合物(A)から形成される反応生成物
(C)を含有する塗膜は、合成ワックスを含有する従来
の塗膜と同様の表面硬度を維持しながら、従来の塗膜よ
りも動摩擦係数が小さい。反応生成物(C)がこのよう
な特有な効果を奏する理由の詳細はまだ十分には解明さ
れはいない。しかし、従来用いられてきた合成ワックス
よりも反応生成物(C)の形成に供される化合物(A)
の方が直線性に富むので、塗膜の摩擦低減に効果を奏す
るものと考察される。
【0013】即ち、化合物(A)は、直鎖状であり、
水酸基が直鎖状の末端に結合している。一方、従来用
いられてきた合成ワックスのうち、極性基を有するポリ
エチレン系ワックスは、飽和炭化水素を主成分とはする
ものの、分岐構造を呈し、水性化を担う極性基が主
鎖の末端以外の炭素に結合しているので、直線性が、化
合物(A)に比して劣る。また、従来用いられてきた合
成ワックスのうち、エチレンもしくはプロピレンとアク
リル酸、メタクリル酸等との共重合体は、飽和炭化水素
を主成分とはするものの、分岐構造を呈し、水性化
を担う極性基が側鎖に結合しているので、直線性が、化
合物(A)に比して劣る。
【0014】スチレンと無水マレイン酸とを主たる構成
成分とする共重合体(B)は、常法に従い得ることがで
きる。スチレンと無水マレイン酸とは、モル比で1/1
〜3/1であることが好ましい。スチレンよりも無水マ
レイン酸の方が多くなると、重合しにくくなるため、共
重合体が出来難い。一方スチレンがモル比で無水マレイ
ン酸の3倍よりも多いと、得られる共重合体を用い反応
生成物(C)を得た場合、反応生成物の親水性が乏しく
なり、これを含有した水性塗料組成物の塗装性が悪くな
る傾向にある。
【0015】本発明においてはスチレン、無水マレイン
酸以外に他にモノマーを共重合させることもできるが、
この場合は、他のモノマーは、モル比で無水マレイン酸
の1/2以下であることが好ましい。他のモノマーが、
無水マレイン酸に比して1/2(モル比)よりも多くな
ると、共重合性が悪くなる傾向にある。他のモノマーと
してはメチルメタクリレートが好ましい。本発明で用い
られる共重合体(B)は、重量平均分子量(以下、Mw
と略す)が1000〜10000であることが好まし
い。
【0016】本発明で用いられる共重合体(B)のう
ち、スチレン/無水マレイン酸=1/1(モル比)の共
重合体としては、エルフ・アトケム製「SMA1000
P」(Mw=5800)、岐阜セラック製「GSM15
1」(Mw=1500)、同「GSM301」(Mw=
3000)、同「GSM601」(Mw=6000)、
同「GSM1001」(Mw=10000)等が挙げら
れる。スチレン/無水マレイン酸=2/1(モル比)の
共重合体としてはエルフ・アトケム製「SMA2000
P」(Mw=7200)、岐阜セラック製「SMA60
2」(Mw=6000)、同「SMA1002」(Mw
=10000)等が挙げられる。スチレン/無水マレイ
ン酸=3/1(モル比)の共重合体としては岐阜セラッ
ク製「SMA603」(Mw=6000)、同「SMA
1003」(Mw=10000)等が挙げられる。
【0017】常法に従い、化合物(A)中の水酸基と化
合物(B)中の酸無水物基とを反応させればよい。反応
を促進する目的で、反応触媒を用いてもよい。かかる反
応触媒としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
やテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド等の四級ア
ンモニウム塩が好適に用いられる。
【0018】反応生成物(C)を含有する塗料組成物
は、反応生成物(C)をそのまま塗料組成物の主たる構
成成分に添加することもできるし、あるいは、反応生成
物(C)を水性化した後に、水性塗料組成物の主たる構
成成分に添加することもできる。
【0019】反応生成物(C)を、そのまま塗料組成物
の主たる構成成分に添加する方法について説明する。反
応生成物(C)は、元来疎水性の化合物(A)中の水酸
基と化合物(B)中の酸無水物基とを反応せしめてなる
ものであり、水親和性は乏しい。しかし、化合物(A)
と共に単官能の水酸基を有する水溶性化合物を共存させ
て、共重合体(B)と反応させることにより、反応生成
物(C)を水性媒体中に分散させることができるように
なるので、反応生成物(C)を、そのまま塗料組成物の
主たる構成成分に添加することができる。
【0020】用いられる単官能の水酸基を有する水溶性
化合としては、メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、iso-ブタノール等のアルコール系溶剤、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルな
どのグリコール系溶剤等を用いることができる。
【0021】次に反応生成物(C)の水性分散化につい
て説明する。化合物(A)中の水酸基と化合物(B)中
の酸無水物基との反応、又は化合物(A)及び併用する
単官能水酸基含有水溶性化合物中の水酸基と化合物
(B)中の酸無水物基との反応によって酸無水物基が開
環し、カルボキシル基が生じる。このカルボキシル基を
塩基化合物で中和すれば、反応生成物(C)を水性媒体
中に分散せしめることができるようになる。塩基化合物
を反応生成物に添加してもよいし、塩基化合物に反応生
成物を加えてもよい。あるいは塩基化合物を含有する水
性媒体に反応生成物(C)を加えてもよいし、塩基化合
物を含有する水性媒体を反応生成物(C)に加えてもよ
【0022】用いられる塩基化合物としては、メチルジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアル
カノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチル
エタノールアミンのようなジアルキルアルカノールアミ
ン、アンモニア等の揮発性塩基化合物が挙げられる。さ
らに水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム等も使用できる。水性媒体としては、水単独、主成分
たる水に親水性有機溶剤を併用したものが挙げられる。
【0023】反応生成物(C)が配合される水性塗料組
成物の主たる構成成分としては、アクリル系樹脂、アル
キド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ア
ミノ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、これらを2種
以上併用することが好ましい。反応生成物(C)は、通
常,水性塗料組成物の主たる構成成分(固形分)100
重量部に対して、0.01〜10重量部程度配合することが好
ましい。
【0024】本発明の水性塗料組成物が塗装される下地
基材としては、アルミニウム板、錫メッキ鋼板、クロム
処理鋼板、ニッケル処理鋼板または、ポリエステル、ポ
リオレフィン、などのプラスチックフイルムで被覆され
た鋼板、又は、これらのものを円筒形に成型加工された
金属缶(飲料缶)および、これらの金属板、プラスチッ
クフイルムで被覆された鋼板および金属缶に塗装又は、
印刷したものなどが挙げられる。
【0025】本発明の水性塗料組成物は、通常行われる
方法で塗装することができるが、金属板については、ロ
ールコーターで塗装することが好ましく、成型加工され
た金属缶にあっては、2ピース缶用塗装機で塗装するこ
とが、好ましい。
【0026】本発明の水性塗料組成物は、通常の焼付け
条件で硬化させることができる。すなわち、ロールコー
ター塗装する場合は、150〜220℃で5〜20分、
2ピース缶用塗裝機で塗裝する場合は、180〜250
℃で15秒〜3分が適当である。
【0027】
【実施例】以下,実施例について説明する。例中,
「部」「%」は,それぞれ「重量部」,「重量%」を示
す。
【0028】製造例1:反応生成物(C1)の合成 攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、温度計を備えた
四つ口フラスコにジエチレングリコールジメチルエーテ
ル(DMDG)を49.4部、GSM−151を10.
0部、ユニリン425を11.2部仕込み150℃まで
昇温する。150℃になったらテトラ−n−ブチルアン
モニウムブロミド(TBAB)を0.11部添加して3
時間反応させる。次いでエチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル(GIP)を41.2部入れて150℃
でさらに3時間反応させた。これを1リットルの実験用
ボールミルに磁性ボールと共に入れ、50時間粉砕し
て、ユニリンに由来する部分を約10%含有する反応生
成物(C1)の分散体(固形分19%)を得た。
【0029】製造例2:反応生成物(C2)の合成 製造例1のGSM−151の替わりにGSM−301を
用いた以外は、製造例1と同様の方法で合成し、ユニリ
ンに由来する部分を約10%含有する反応生成物(C
2)の分散体(固形分19%)を得た。
【0030】製造例3:反応生成物(C3)の合成 製造例1のGSM−151の替わりにGSM−601を
用いた以外は、製造例1と同様の方法で合成し、ユニリ
ンに由来する部分を約10%含有する反応生成物(C
3)の分散体(固形分19%)を得た。
【0031】製造例4:反応生成物(C4)の合成 製造例1のGSM−151の替わりにGSM−1001
を用いた以外は、製造例1と同様の方法で合成し、ユニ
リンに由来する部分を約10%含有する反応生成物(C
4)の分散体(固形分19%)を得た。
【0032】製造例5:反応生成物(C5)の合成 攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ロート、温
度計を備えた四つ口フラスコにDMDGを19.1部、
GSM−301を10.0部、ユニリン350を9.1
部仕込み、150℃まで昇温する。150℃になったら
TBABを0.10部添加して3時間反応させる。次い
でGIPを9.3部加えてさらに150℃で3時間反応
させる。その後、温度を90℃まで下げてからジメチル
エタノールアミン(DMEA)を7.5部加えて10分
間攪拌する。次に温度を90℃に保ちながら、イオン交
換水36.0部を滴下ロートから30分かけて滴下さ
せ、さらに攪拌を続けながら温度を40℃以下まで下げ
た。これを1リットルの実験用ボールミルに磁性ボール
と共に入れ、50時間粉砕して、ユニリンに由来する部
分を約10%含有する反応生成物(C5)の水性分散体
(固形分21%)を得た。
【0033】製造例6:反応生成物(C6)の合成 攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ロート、温
度計を備えた四つ口フラスコにDMDGを36.2部、
GSM−301を10.0部、ユニリン550を14.
2部仕込み、150℃まで昇温する。150℃になった
らTBABを0.12部添加して3時間反応させる。次
いでGIPを14.9部加えてさらに150℃で3時間
反応させる。その後、温度を90℃まで下げてからジメ
チルエタノールアミン(DMEA)を7.5部加えて1
0分間攪拌する。次に温度を90℃に保ちながら、イオ
ン交換水58.7部を滴下ロートから30分かけて滴下
させ、さらに攪拌を続けながら温度を40℃以下まで下
げた。これを1リットルの実験用ボールミルに磁性ボー
ルと共に入れ、50時間粉砕して、ユニリンに由来する
部分を約10%含有する反応生成物(C6)の水性分散
体(固形分17%)を得た。
【0034】製造例7:反応生成物(C7)の合成 攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ロート、温
度計を備えた四つ口フラスコにDMDGを42.1部、
GSM−301を10.0部、ユニリン700を18.
1部仕込み、150℃まで昇温する。150℃になった
らTBABを0.14部添加して3時間反応させる。次
いでGIPを26.6部加えてさらに150℃で3時間
反応させる。その後、温度を90℃まで下げてからジメ
チルエタノールアミン(DMEA)を7.5部加えて1
0分間攪拌する。次に温度を90℃に保ちながら、イオ
ン交換水76.4部を滴下ロートから30分かけて滴下
させ、さらに攪拌を続けながら温度を40℃以下まで下
げた。これを1リットルの実験用ボールミルに磁性ボー
ルと共に入れ、50時間粉砕して、ユニリンに由来する
部分を約10%含有する反応生成物(C7)の水性分散
体(固形分16%)を得た。
【0035】製造例8:水性樹脂(D)の合成 攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ロート、温
度計を備えた四つ口フラスコに、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル228部を仕込み100℃まで昇温
し、100℃を保ちながら、その中にメチルメタクリレ
ート50部、エチルアクリレート40部、N−ブトキシ
メチルメタアクリレート100部、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート10部、スチレン35部、アクリル酸1
5部、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト15部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了2
時間後にアゾビスイソブチロニトリル4部を加えて、さ
らに2時間反応を行った。その後ジメチルエタノールア
ミンを14.8部、イオン交換水85.2部を加えて、
固形分40%の水性樹脂(D)溶液を得た。
【0036】製造例9:ユニリンの水性分散体(E1) 200mlビーカー中にユニリン425を60gとイソ
プロピルアルコール(IPA)100gとを入れて、8
0℃で加熱して均一な熱溶液をつくった。次に、氷で冷
やした500mlビーカー中にIPA20gとイオン交
換水220gとを混合し、攪拌しながら上記熱溶液を少
量ずつ添加した。これを1リットルの実験用ボールミル
に磁性ボールと共に入れ、50時間粉砕して固形分15
%のユニリンの水性分散体(E1)を得た。
【0037】製造例10:ワックスの水性分散体(E2
〜E9) 製造例9と同様の方法でユニリン425の替わりに、市
販のパーム油(E2)、ラノリンワックス(E3)、カ
ルナバワックス(E4)、ペトロラタム(E5)、パラ
フィンワックス(E6)、マイクロクリスタリンワック
ス(三井ハイワックス、Hi−Mic2095)(E
7)、酸化ポリエチレンワックス(アライドシグナル、
A−C392)(E8)、エチレン/アクリル酸共重合
樹脂(アライドシグナル、A−C5120)(E9)を
用いて水性分散体(E2〜E9)を得た。
【0038】実施例1 固形分換算で、製造例8で得た水性樹脂(D)60部、
メチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂マイコート10
6(三井サイテック社製)40部、スルフォン酸系硬化
触媒0.2部、シリコーン系レベリング剤0.5部、製
造例1で得た反応生成物(C1)4.0部を混合攪拌
し、エチレングリコールモノブチルエーテルとイオン交
換水で希釈して水性塗料組成物を調整した。
【0039】実施例2〜7 実施例1と同様の方法で、反応生成物(C1)の替わり
に(C2)〜(C7)をそれぞれに加えて水性塗料組成
物を調整した。
【0040】比較例1〜9 実施例1と同様の方法で、反応生成物(C1)の替わり
に、ワックス分散体(E1)〜(E9)をそれぞれに加
えて水性塗料組成物を調整した。
【0041】板厚0.23mmの電気メッキブリキ板
に、各実施例及び各比較例で調整した水性塗料組成物
を、乾燥膜厚が7μmとなるようにバーコーターで塗装
し、ガスオーブンにて雰囲気温度200℃において10
分間焼き付けて塗装パネルを作成した。
【0042】以下に試験項目と試験方法を示す。 [表面状態]塗装パネルの表面状態(ハジキ、ブツの有
無)を目視評価した。 ○:良好、△:実用下限、×:実用外
【0043】[未処理滑り性]塗装パネルの動摩擦係数
を以下の条件で測定した。1インチ鋼球3点支持法、垂
直荷重1kg、引っ張り速度150cm/min、測定
温度25℃ ○:0.08未満、△:0.08〜0.12未満、×:
0.12以上
【0044】[レトルト後滑り性]塗装パネルを130
℃−30分間レトルト処理し、自然乾燥させた後の塗装
パネルの動摩擦係数を上記方法で測定した。 ○:0.08未満、△:0.08〜0.12未満、×:
0.12以上
【0045】[耐傷付き性]塗装パネルの表面を、ステ
ンレス製ロール(荷重300g)を回転させながら10
0回往復運動させて、塗装パネル表面の傷付き程度を評
価した。 ○:良好、△:実用下限、×:実用外
【0046】[ライン汚染性]耐傷付き性試験の方法
で、ステンレス製ロール(荷重300g)を回転させな
がら、350ml缶500缶分の缶胴部に相当する面積
の塗装パネル表面を往復運動させて、ステンレスロール
に付着したワッスの量と、メチルエチルケトンを含ませ
た脱脂綿による拭き取り性を評価した。 ワックス量 ○:少ない、△:やや多い、×:非常に多
い 拭き取り性 ○:取れ易い、△:取れ難い、×:取れな
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明は、その構造に由来すると思われ
る、優れた滑り性を有する合成ワックスを特定の樹脂と
反応させることにより、水に親和性のある反応生成物を
得、その反応生成物を用いることにより、塗膜欠陥がな
く表面状態が良好である共に、その表面が優れた滑り性
を有する塗膜を形成し得る水性塗料組成物を提供する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数25〜200の直鎖アルキル基の末端
    に水酸基を有する化合物(A)中の水酸基と、スチレン
    と無水マレイン酸とを主たる構成成分とする共重合体
    (B)中の酸無水物基とを反応せしめてなる反応生成物
    (C)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 塩基化合物の存在下に、炭素数25〜200
    の直鎖アルキル基の末端に水酸基を有する化合物(A)
    中の水酸基と、スチレンと無水マレイン酸とを主たる構
    成成分とする共重合体(B)中の酸無水物基とを反応せ
    しめてなる反応生成物(C)を、水性媒体に分散せしめ
    てなる上記反応生成物(C)の水性分散体を含有するこ
    とを特徴とする水性塗料組成物。
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JP2008038101A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Kansai Paint Co Ltd 缶用水性塗料組成物

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