JP2003268172A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物Info
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- JP2003268172A JP2003268172A JP2002068261A JP2002068261A JP2003268172A JP 2003268172 A JP2003268172 A JP 2003268172A JP 2002068261 A JP2002068261 A JP 2002068261A JP 2002068261 A JP2002068261 A JP 2002068261A JP 2003268172 A JP2003268172 A JP 2003268172A
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Abstract
ルムにした際にフィッシュアイが少ないポリプロピレン
系樹脂組成物を得る。 【解決手段】 粘度平均分子量が異なる二以上のプロピ
レン系重合体を含有するポリプロピレン系樹脂組成物で
あって、粘度平均分子量が最も高いプロピレン系重合体
の極限粘度が5(dl/g)以上であって、かつ粘度平
均分子量が最も低いプロピレン系重合体の極限粘度の2
倍以上であり、フェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化
防止剤を含有し、下記式(1)を満足するポリプロピレ
ン系樹脂組成物。 MT×Log(MFR)≧2 (1) MT:190℃でのメルトテンション(g) MFR:230℃でのメルトフローレート(g/10
分)
Description
樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、本発
明は、溶融張力に優れ、フィルムにした際のフィッシュ
アイが少ないポリプロピレン系樹脂組成物に関するもの
である。
きく、使用できる温度が高く、耐薬品性、電気絶縁性に
優れているなどの利点があり、各種成形品の原料樹脂と
して幅広く利用されている。しかしポリプロピレン系樹
脂には、例えば、包装用フィルム加工時の製膜安定性や
容器の真空成形性の点で、高い溶融張力が求められてい
る。
ら、分子量分布を広げるため、分子量の異なる複数の成
分からなる重合体を用いる方法が知られている。例え
ば、特開平11−228629号公報には、第一段階で
極限粘度が5(dl/g)以上の結晶性プロピレン系重合体
成分を製造し、第二段階以降で極限粘度が3(dl/g)未
満の結晶性プロピレン系重合体を連続的に製造して得ら
れ、溶融張力、伸び特性及び流動性のバランスに優れる
プロピレン系重合体が記載されている。また、特開20
00−119451号公報には、ポリオレフィン系樹脂
98〜70重量%と高溶融張力ポリプロピレン樹脂2〜
30重量%とを配合することにより、溶融張力を高くす
ることでインフレーションフィルム成形時の安定性を改
善できるプロピレン系樹脂が記載されている。その他に
も分子量分布の広いポリプロピレン系樹脂が多数提案さ
れている(特開平7−138422号公報、特開200
0−159949号公報等)。
レン系樹脂及び樹脂組成物は複数の成分の混合物である
ことが多く、分散性不良に起因する「フィッシュアイ」
と呼ばれる外観不良が発生する可能性がある。
に優れ、フィルムにした際のフィッシュアイが少ないポ
リプロピレン系樹脂組成物はこれらの開示中には見出さ
れていない。
本発明が解決しようとする課題は、溶融張力、伸び特性
及び流動性のバランスに優れ、フィルムにした際のフィ
ッシュアイが少ないポリプロピレン系樹脂組成物を提供
することにある。
の結果、粘度平均分子量が異なる二以上のプロピレン系
重合体にフェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤
を配合することにより、上記の目的を達成できることを
見い出し、発明に到達した。すなわち、本発明は、粘度
平均分子量が異なる二以上のプロピレン系重合体を含有
するポリプロピレン系樹脂組成物であって、粘度平均分
子量が最も高いプロピレン系重合体の極限粘度が5(d
l/g)以上であって、かつ粘度平均分子量が最も低い
プロピレン系重合体の極限粘度の2倍以上であり、フェ
ノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤を含有し、下
記式(1)を満足するポリプロピレン系樹脂組成物に係
るものである。 MT×Log(MFR)≧2 (1) MT:190℃でのメルトテンション(g) MFR:230℃でのメルトフローレート(g/10
分)
重合体としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン
とエチレンを重合して得られるプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体、プロピレンとα−オレフィンを重合し
て得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合
体、プロピレンとエチレンとα−オレフィンを重合して
得られるプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダ
ム共重合体、又は上記の重合体を組み合わせた重合体が
あげられる。
4〜12のα−オレフィンであり、より好ましくは1−
ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダ
ム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合
体等があげられ、プロピレン−エチレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エ
チレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エ
チレン−1−ヘキセンランダム共重合体等があげられ
る。
は、粘度平均分子量が異なる二以上成分からなり、その
製造方法としては、例えば、それぞれ個別に重合して得
られた粘度平均分子量の異なる2つ以上の重合体をブレ
ンドする方法、2種類以上の触媒を同時に用いて重合す
る方法、触媒を変性させることによって複数の成分を同
時に重合する方法、触媒を用いて第一の成分を重合した
後、触媒を失活させずに、触媒と第一の成分を次の工程
以降へ移し、次の工程以降で第一の成分と粘度平均分子
量が異なる成分を重合する方法、又は上記の方法を組み
合わせた方法等がある。
製造方法として、好ましくは、溶融強度や生産性の観点
から、触媒を用いて第一の成分を重合した後、触媒を失
活させずに、触媒と第一の成分を次の工程以降へ移し、
次の工程以降で第一の成分と粘度平均分子量が異なる成
分を重合する方法である。
製造に用いられる重合触媒としては、立体規則性触媒が
用いられ、例えば、チーグラー型触媒、チーグラー・ナ
ッタ型触媒、シクロペンタジエニル環を有する周期表第
IV族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンとの
組み合わせからなる触媒系、又はシクロペンタジエニル
環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物とそれと反
応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミ
ニウム化合物との組み合わせからなる触媒系等があげら
れる。
おいて、分子量が最も高い成分の極限粘度は5(dl/
g)以上であり、分子量が最も低い成分の極限粘度の2
倍以上である。分子量が最も高い成分の極限粘度が5
(dl/g)未満の場合や分子量が最も低い成分の極限
粘度の2倍を超えない場合、溶融強度低くなり、本発明
の目的は達成されない。
フェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤を含有す
る。
ては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]をあげることができ、また硫黄系酸化防止剤の
好ましい例としては、ジラウリル−3,3’−チオジプ
ロピオン酸エステルをあげることができる。
けるフェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤の好ま
しい配合量としては、プロピレン系重合体の合計量10
0重量部に対して、フェノール系酸化防止剤0.05〜
1.00重量部及び硫黄系酸化防止剤0.01〜0.5
0重量部をあげることができる。フェノール系酸化防止
剤と硫黄系酸化防止剤が過少な場合、溶融強度の低下や
フィッシュアイが発生し、本発明の目的は達成されな
い。一方フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤が
過多な場合、過剰な添加剤のブリードによる弊害が起こ
ることがある。
記式(1)を満足するものである。 MT×Log(MFR)≧2 (1) MT:190℃でのメルトテンション(g) MFR:230℃でのメルトフローレート(g/10
分)
流動性が低く加工性に劣る。
は、必要に応じて、本発明の目的、効果を損なわない範
囲で、フェノール系酸化防止剤及び、硫黄系酸化防止剤
以外の各種添加剤を添加することができる。各種添加剤
としては、例えば、金属石鹸、酸化防止剤、滑剤、帯電
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、無機充填剤、造核
剤、発泡剤等があげられる。
造方法としては、組成物の均一性の観点から、好ましく
はプロピレン系重合体とフェノール系酸化防止剤及び、
硫黄系酸化防止剤を加熱溶融混合する方法である。加熱
溶融混合に用いる装置としては、例えば、単軸押出機、
二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール式混練機等が
あげられ、不均一性を防止するという観点から、好まし
くは十分な混練力を有する装置である。
℃未満であり、好ましくは180℃〜250℃である。
また加熱溶融混合は、不活性ガス(窒素、アルゴン等)
の存在下で行ってもよい。
造方法として、さらに好ましくは組成物の均一性を向上
させるという観点から、加熱溶融混合に先立ってプロピ
レン系重合体とフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防
止剤及び必要に応じて添加される各種添加剤をヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダー、タンブルミキサー等の
混合装置を用いて混合する方法、定量供給機を用いて一
定の割合でプロピレン系重合体とフェノール系酸化防止
剤、硫黄系酸化防止剤及び必要に応じて添加される各種
添加剤を連続供給し溶融混合する方法が挙げられる。
射出成形、押出成形、真空成形、プレス成形、ブロー成
形、発泡成形等の幅広い用途に好適に用いることができ
る。
は、必要に応じて、本発明で用いられるプロピレン系重
合体以外の他の樹脂を配合してもよく、本発明のポリプ
ロピレン系樹脂組成物を用いることにより、他の樹脂の
流動性と溶融強度を改良することができる。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)重合体各成分の含有量(単位:重量%) 重合時の物質収支から求めた。 (2)重合体各成分の極限粘度([η]、単位:dl/g) ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測
定を行った。直接測定のできない成分の極限粘度は、全
体のプロピレン系重合体の極限粘度及び重合体各成分の
含有量を用いて、以下の計算式から求めた。 [η]B=([η]T×100−[η]A×WA)/W
B [η]T:プロピレン系重合体全体の極限粘度 [η]A:第1工程で得られる成分の極限粘度 WA:第1工程で得られる成分の含量(重量%) WB:第2工程で得られる成分の含量(重量%) (3)メルトフローレート(MFR、単位:g/10
分) JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2
1.18Nで測定した。 (4)メルトテンション(MT、単位:g) 東洋精機社製溶融張力測定機を用い、下記条件にて測定
した。メルトテンションの数値が高いほど、溶融強度が
優れることを示す。 オリフィス:L/D=4(D=2mm) 測定温度:190℃ 予熱:10分 押出速度:5.7(mm/分) 引取速度:15.6(m/分) (5)フィッシュアイ 厚み20μmのフィルムを、100cm2の範囲におい
て目視により200μm以上のものをフィッシュアイと
して計測した。
合体、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及び
その他の添加剤を以下に示した。 PP:プロピレン系重合体 特開平11−228629号公報の実施例1に記載され
ている重合触媒を用いて、同実施例1に記載されている
重合方法及び重合条件に準拠して、第1工程で第一の成
分を重合した後、触媒を失活させずに、触媒と第一の成
分を第2工程へ移し、第2工程で第一の成分と分子量が
異なる成分を重合する方法によって得られた、極限粘度
が7.6(dl/g)である成分9重量%と、極限粘度が
1.2(dl/g)である成分91重量%からなるプロピレ
ン単独重合体。 A:IRGANOX1010(チバ・スペシャリティ−
ケミカルズ社製) 化合物名:ペンタエリスリトールテトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート] B:スミライザーTPL−R(住友化学工業社製) 化合物名:ジラウリル-3,3’−チオジプロピオン酸
エステル C:ステアリン酸カルシウム
用いて、PP100重量部に対して、Aを0.30重量
部、Bを0.05重量部さらにCを0.05重量部供給
し、吐出量1.3(Kg/時)、スクリュー回転数50
rpmで、200℃で加熱溶融混合を行い、ペレットを
得た。このペレットのMFRは18(g/10分)であ
り、MTは3.4gであった。またこのときのフィッシ
ュアイは15(個/100cm2)であった。結果を表
1に示した。
重量部、さらにCを0.05重量部供給し、これ以外は
実施例1と同様に行った。得られたペレットのMFRは
18(g/10分)であり、MTは3.4gであった。
またこのときのフィッシュアイは20(個/100cm
2)であった。結果を表1に示した。
用いて、PP100重量部に対して、Aを0.30重量
部、Cを0.05重量部供給し、吐出量1.3(Kg/
時)、スクリュー回転数50rpmで、200℃で加熱
溶融混合を行い、ペレットを得た。このペレットのMF
Rは19(g/10分)であり、MTは2.6gであっ
た。またこのときのフィッシュアイは25(個/100
cm2)であった。結果を表1に示した。
重量部供給し、これ以外は実施例1と同様に行った。得
られたペレットのMFRは23(g/10分)であり、
MTは1.4gであった。またこのときのフィッシュア
イは44(個/100cm2)であった。結果を表1に
示した。
流動性及び溶融張力のバランスに優れるものであり、さ
らにフィッシュアイも少ない。本発明の要件である硫黄
系酸化防止剤を用いなかった比較例1及びフェノール系
酸化防止剤を用いなかった比較例2は流動性及び溶融張
力のバランスが悪く、フィッシュアイが多いものである
ことが分かる。
流動性及び溶融強度のバランスに優れ、フィルムにした
際にフィッシュアイが少ないポリプロピレン系樹脂組成
物を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 粘度平均分子量が異なる二以上のプロピ
レン系重合体を含有するポリプロピレン系樹脂組成物で
あって、粘度平均分子量が最も高いプロピレン系重合体
の極限粘度が5(dl/g)以上であって、かつ粘度平
均分子量が最も低いプロピレン系重合体の極限粘度の2
倍以上であり、フェノール系酸化防止剤及び硫黄系酸化
防止剤を含有し、下記式(1)を満足するポリプロピレ
ン系樹脂組成物。 MT×Log(MFR)≧2 (1) MT:190℃でのメルトテンション(g) MFR:230℃でのメルトフローレート(g/10
分) - 【請求項2】 触媒を用いて第一のプロピレン系重合体
を重合した後、触媒を失活させずに、上記の触媒と第一
のプロピレン系重合体を次の工程以降へ移し、次の工程
以降で第二のプロピレン系重合体を重合する方法によっ
て得られる請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
物。 - 【請求項3】 プロピレン系重合体の合計量100重量
部に対して、フェノール系酸化防止剤0.05〜1.0
0重量部及び硫黄系酸化防止剤0.01〜0.50重量
部を配合し、加熱溶融混合して得られる請求項1記載の
ポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 フェノール系酸化防止剤がペンタエリス
リトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であり、硫黄
系酸化防止剤がジラウリル−3,3’−チオジプロピオ
ン酸エステルである請求項1記載のポリプロピレン系樹
脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002068261A JP2003268172A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002068261A JP2003268172A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003268172A true JP2003268172A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=29199401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002068261A Pending JP2003268172A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003268172A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193650A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Kaneka Corp | 耐熱老化性が改善された硬化性組成物 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57185304A (en) * | 1981-05-11 | 1982-11-15 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | Preparation of propylene polymer |
JPS587406A (ja) * | 1981-07-06 | 1983-01-17 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | プロピレン重合体の製造法 |
JPH11228629A (ja) * | 1997-12-11 | 1999-08-24 | Sumitomo Chem Co Ltd | プロピレン系重合体、その製造方法およびそれから得られる発泡成形体 |
-
2002
- 2002-03-13 JP JP2002068261A patent/JP2003268172A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPH11228629A (ja) * | 1997-12-11 | 1999-08-24 | Sumitomo Chem Co Ltd | プロピレン系重合体、その製造方法およびそれから得られる発泡成形体 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193650A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Kaneka Corp | 耐熱老化性が改善された硬化性組成物 |
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