JP2003267924A - メタクリル酸の製造方法、および、メタクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

メタクリル酸の製造方法、および、メタクリル酸エステルの製造方法

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JP2003267924A JP2002074313A JP2002074313A JP2003267924A JP 2003267924 A JP2003267924 A JP 2003267924A JP 2002074313 A JP2002074313 A JP 2002074313A JP 2002074313 A JP2002074313 A JP 2002074313A JP 2003267924 A JP2003267924 A JP 2003267924A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロピオン酸またはプロピオン酸エステルと
ホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘導
体とを気相接触反応させてメタクリル酸またはメタクリ
ル酸エステルを高収率で製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される組成を有す
る触媒を用いて上記気相接触反応を行う。 PaSibcde (1) (式(1)中、P、SiおよびOはそれぞれリン、ケイ
素および酸素を示し、Xは錫、亜鉛、ジルコニウムおよ
びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
を示し、Yはカリウムおよびセシウムからなる群より選
ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、dお
よびeは各元素の原子比率を示し、b=8のときa=
0.01〜5、c=0.01〜3、d=0.01〜1で
あり、eは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
素の原子比率である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピオン酸とホ
ルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘導体
とを気相接触反応させて炭素数の一つ多いメタクリル酸
を製造する方法に関する。また、本発明は、プロピオン
酸エステルとホルムアルデヒドおよび/またはホルムア
ルデヒド誘導体とを気相接触反応させて炭素数の一つ多
いメタクリル酸エステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピオン酸とホルムアルデヒド
またはホルムアルデヒド誘導体とからメタクリル酸を製
造する反応に用いる触媒、および、プロピオン酸メチル
とホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド誘導体とか
らメタクリル酸メチルを製造する反応に用いる触媒に関
しては種々の提案がなされている。
【0003】プロピオン酸からメタクリル酸を製造する
反応に用いる触媒に関しては、例えば、シリカゲルに水
酸化カリウムを担持した触媒あるいはカルシウムアルミ
ノシリケート触媒(USP3247248号明細書)、
SiO2−Al23にK、V、Sbを担持した触媒(特
開昭57−123138号公報)、ZrO2−Al2 3
にV、Pを担持した触媒(特開昭61−229840号
公報)、活性Al23にアルカリ金属を担持した触媒
(特開昭62−36340号公報)、NbCsを主成分
とする触媒(特開平5−331097号公報)、SiC
sWを主成分とする触媒(特開平5−331098号公
報)、比表面積を規定したPV系触媒(USP4165
438号明細書)などが提案されている。また、上記特
開平5−331097号公報および上記特開平5−33
1098号公報などには、原料ガスに低級アルコールを
含有させてメタクリル酸とメタクリル酸エステルとを同
時に製造する方法が記載されている。
【0004】一方、プロピオン酸メチルからメタクリル
酸メチルを製造する反応に用いる触媒に関しては、例え
ば、Siとアルカリ金属を主成分とする触媒(WO99
/52628号明細書)などが提案されている。
【0005】しかしながら、これらの触媒は多くの場
合、目的とする生成物の収率が必ずしも十分ではなく、
工業触媒としてはさらなる改良が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒の改良
により、プロピオン酸とホルムアルデヒドおよび/また
はホルムアルデヒド誘導体とを気相接触反応させてメタ
クリル酸を高収率で製造する方法、および、プロピオン
酸エステルとホルムアルデヒドおよび/またはホルムア
ルデヒド誘導体とを気相接触反応させてメタクリル酸エ
ステルを高収率で製造する方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明により達成できる。 下記一般式(1)で表される組成を有する触媒の存在
下で、プロピオン酸とホルムアルデヒドおよび/または
ホルムアルデヒド誘導体とを気相接触反応させてメタク
リル酸を製造する方法。
【0008】PaSibcde (1) (式(1)中、P、SiおよびOはそれぞれリン、ケイ
素および酸素を示し、Xは錫、亜鉛、ジルコニウムおよ
びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
を示し、Yはカリウムおよびセシウムからなる群より選
ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、dお
よびeは各元素の原子比率を示し、b=8のときa=
0.01〜5、c=0.01〜3、d=0.01〜1で
あり、eは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
素の原子比率である。) 下記一般式(1)で表される組成を有する触媒の存在
下で、プロピオン酸とメタノールとホルムアルデヒドお
よび/またはホルムアルデヒド誘導体とを気相接触反応
させてメタクリル酸およびメタクリル酸メチルを製造す
る方法。
【0009】PaSibcde (1) (式(1)中、P、SiおよびOはそれぞれリン、ケイ
素および酸素を示し、Xは錫、亜鉛、ジルコニウムおよ
びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
を示し、Yはカリウムおよびセシウムからなる群より選
ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、dお
よびeは各元素の原子比率を示し、b=8のときa=
0.01〜5、c=0.01〜3、d=0.01〜1で
あり、eは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
素の原子比率である。)下記一般式(1)で表される
組成を有する触媒の存在下で、プロピオン酸エステルと
ホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘導
体とを気相接触反応させてメタクリル酸エステルを製造
する方法。
【0010】PaSibcde (1) (式(1)中、P、SiおよびOはそれぞれリン、ケイ
素および酸素を示し、Xは錫、亜鉛、ジルコニウムおよ
びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
を示し、Yはカリウムおよびセシウムからなる群より選
ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、dお
よびeは各元素の原子比率を示し、b=8のときa=
0.01〜5、c=0.01〜3、d=0.01〜1で
あり、eは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
素の原子比率である。)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、上記一般式(1)で
表される組成を有する触媒の存在下で、プロピオン酸と
ホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘導
体とを気相接触反応させてメタクリル酸を製造する。あ
るいは、上記一般式(1)で表される組成を有する触媒
の存在下で、プロピオン酸エステルとホルムアルデヒド
および/またはホルムアルデヒド誘導体とを気相接触反
応させてメタクリル酸エステルを製造する。上記一般式
(1)で表される組成を有する触媒を用いることによ
り、メタクリル酸またはメタクリル酸エステルを高収率
で製造することができる。また、メタクリル酸の製造に
おいて、原料ガス(プロピオン酸とホルムアルデヒド、
ホルムアルデヒド誘導体)にメタノールを含有させてメ
タクリル酸とメタクリル酸メチルとを同時に製造するこ
ともできる。
【0012】まず、上記一般式(1)で表される組成を
有する触媒の調製方法について説明する。
【0013】本発明の触媒の調製方法は特に限定され
ず、従来から知られている沈殿法、共沈法、酸化物混合
法などの種々の方法を用いることができる。具体的に
は、触媒の構成元素を含む原料化合物を所要量、水など
の溶媒中に溶解または懸濁させて触媒成分を含む溶液ま
たはスラリーを調製し、この溶液またはスラリーを蒸発
乾固し、さらに必要により粉砕、成形した後、熱処理し
て触媒を調製することができる。
【0014】触媒の調製に用いる原料化合物は特に限定
されず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、ハ
ロゲン化物、酸化物などを使用することができる。例え
ば、リンの原料としてはリン酸、五酸化リン、リン酸ア
ンモニウムなどを使用することができる。珪素の原料と
しては二酸化珪素、珪酸、シリカゲル、コロイダルシリ
カなどを使用することができるが、コロイダルシリカを
使用することが好ましい。触媒成分の原料は、各元素に
対して1種を用いても、2種以上を用いてもよい。
【0015】触媒成分を含む溶液またはスラリーの調製
方法としては、例えば、X元素(錫、亜鉛、ジルコニウ
ム、チタン)を含む化合物の水溶液または水性スラリー
と、Y元素(カリウム、セシウム)を含む化合物の水溶
液または水性スラリーと、コロイダルシリカとを混合し
てよく攪拌した後、これにリン酸等のリンを含む化合物
の水溶液または水性スラリーを加えてさらに攪拌する方
法が挙げられる。触媒成分を含む水溶液または水性スラ
リーは、通常、常温で調製すればよいが、必要に応じて
80℃程度まで加熱して調製してもよい。
【0016】次いで、このようにして得られたすべての
触媒原料を含む溶液またはスラリーを乾燥し、触媒前駆
体の乾燥物を得る。
【0017】乾燥方法としては種々の方法を用いること
が可能であり、例えば、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、ドラ
ム乾燥法、気流乾燥法等を用いることができる。乾燥に
使用する乾燥機の機種や乾燥時の温度は特に限定され
ず、乾燥条件を適宜変えることによって目的に応じた触
媒前駆体の乾燥物を得ることができる。
【0018】このようにして得られた触媒前駆体の乾燥
物は、必要により粉砕した後、熱処理を行う。また、公
知の方法で成形してから熱処理を行ってもよい。
【0019】熱処理する方法や条件は特に限定されず、
公知の処理方法および条件を適用することができる。熱
処理の最適条件は、用いる触媒原料、触媒組成、調製法
等によって異なるが、通常、空気等の酸素含有ガス流通
下または不活性ガス流通下で200〜500℃、好まし
くは300〜450℃で0.5時間以上、好ましくは1
〜40時間である。用いる不活性ガスとしては、窒素、
炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
【0020】以上のようにして製造される触媒は、その
まま無担体で用いてもよく、また、二酸化ケイ素、酸化
マグネシウム、酸化チタン等の担体に担持して用いても
よい。担持方法は特に限定されず、含浸法、混練法、共
沈法などの種々の方法を用いることができる。
【0021】次に、本発明のメタクリル酸の製造方法、
および、メタクリル酸エステルの製造方法について説明
する。本発明のメタクリル酸の製造方法は、上記のよう
にして得られる一般式(1)で表される組成を有する触
媒の存在下で、プロピオン酸とホルムアルデヒドおよび
/またはホルムアルデヒド誘導体とを気相接触反応させ
るものである。本発明のメタクリル酸エステルの製造方
法は、上記のようにして得られる一般式(1)で表され
る組成を有する触媒の存在下で、プロピオン酸エステル
とホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘
導体とを気相接触反応させるものである。
【0022】触媒は、前述のように、無担体であって
も、担体に担持させたものであってもよく、また、その
他の添加成分を混合したものであってもよい。
【0023】通常、反応は固定床で行うが、流動床で行
うこともできる。また、触媒層は1層としても、2層以
上としてもよい。
【0024】本発明では、プロピオン酸またはプロピオ
ン酸エステルと、ホルムアルデヒドおよび/またはホル
ムアルデヒド誘導体とを含む原料ガスを触媒と接触させ
る。
【0025】原料として用いるプロピオン酸エステル
は、目的とするメタクリル酸エステルに応じて適宜決め
ればよい。具体的には、プロピオン酸メチル、プロピオ
ン酸エチル、プロピオン酸ブチルなどが挙げられる。
【0026】原料として用いるホルムアルデヒドおよび
ホルムアルデヒド誘導体とは、ホルムアルデヒド、メチ
ラール、トリオキサン、パラホルムアルデヒド等であ
る。本発明では、ホルムアルデヒドとホルムアルデヒド
誘導体1種以上とを混合して用いてもよい。
【0027】メタクリル酸の製造方法において、原料ガ
ス中のプロピオン酸とホルムアルデヒドおよびその誘導
体とのモル比は適宜決めることができるが、プロピオン
酸:ホルムアルデヒドおよびその誘導体(ホルムアルデ
ヒドに換算)=1:10〜10:1(モル比)が好まし
く、1:5〜5:1(モル比)がより好ましい。
【0028】メタクリル酸エステルの製造方法におい
て、原料ガス中のプロピオン酸エステルとホルムアルデ
ヒドおよびその誘導体とのモル比は適宜決めることがで
きるが、プロピオン酸エステル:ホルムアルデヒドおよ
びその誘導体(ホルムアルデヒドに換算)=1:10〜
10:1(モル比)が好ましく、1:5〜5:1(モル
比)がより好ましい。
【0029】原料ガス中のプロピオン酸またはプロピオ
ン酸エステルの濃度は広い範囲で変えることができる
が、1〜90モル%が好ましく、5〜60モル%がより
好ましい。
【0030】原料ガスは、プロピオン酸またはプロピオ
ン酸エステルとホルムアルデヒドおよび/またはホルム
アルデヒド誘導体とを、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス
で希釈したものであってもよい。また、原料ガスには水
蒸気を加えてもよい。
【0031】また、原料ガスに分子状酸素を加えてもよ
い。その場合、原料ガス中の分子状酸素濃度は0.1〜
10容量%が好ましく、1〜6容量%がより好ましい。
【0032】本発明においては、プロピオン酸とホルム
アルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘導体とを
気相接触反応させる際に、原料ガスにメタノールを含有
させてメタクリル酸とメタクリル酸メチルとを同時に製
造することもできる。その場合、原料ガス中のメタノー
ル濃度は適宜決めることができる。
【0033】通常、反応圧力は大気圧から数気圧まで用
いられる。反応温度は200〜500℃の範囲で選ぶこ
とができ、250〜450℃がより好ましい。通常、原
料ガスの接触時間は1.5〜50秒が好ましく、5〜4
0秒がより好ましい。
【0034】なお、原料ガスは予め混合してから触媒を
充填した反応器に供給してもよいし、それぞれのガスを
個別に反応器に供給してもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0036】実施例および比較例中の「部」は質量部を
意味する。触媒の組成はプラズマ発光分析(ICP)お
よび原子吸光分析により求めた。反応ガスの分析は、未
反応ホルムアルデヒドはヨード滴定により行い、その他
の生成物はガスクロマトグラフィーを用いて行った。
【0037】なお、ホルムアルデヒドの転化率、生成し
たメタクリル酸の選択率、収率、メタクリル酸メチルの
選択率は以下のように定義される。
【0038】 ホルムアルデヒドの転化率(%)=(B/A)×100 メタクリル酸の選択率(%)=(C/B)×100 メタクリル酸の収率(%)=(C/A)×100 メタクリル酸メチルの選択率(%)=(D/B)×10
0 ここで、Aは供給したホルムアルデヒドのモル数、Bは
反応したホルムアルデヒドのモル数、Cは生成したメタ
クリル酸のモル数、Dは生成したメタクリル酸メチルの
モル数である。
【0039】[実施例1]20質量%SiO2水溶液
(日産化学社製コロイダルシリカ(商品名:スノーテッ
クスO))100部に、塩化第一錫9.3部を純水10
部に溶解した水溶液と、硝酸セシウム2.0部を純水1
0部に溶解した水溶液とを加えてよく攪拌した。続いて
この溶液に85質量%オルトリン酸9.5部を加えてよ
く攪拌し、溶液を攪拌しながら沸騰下で蒸発乾固した。
得られた固形物を150℃で乾燥した後、7〜20メッ
シュの大きさに粉砕した。そして、得られた乾燥物を空
気流通下、400℃で8時間熱処理した。得られた触媒
の酸素以外の組成(以下同じ)は、P2Si8Sn1Cs
0.25であった。
【0040】この触媒を反応器に充填し、プロピオン酸
29.0mmol/hr、ホルムアルデヒド13.2m
mol/hr、メタノール1.5mmol/hr、窒素
500mmol/hrの原料ガスを用い、大気圧下、反
応温度320℃、接触時間7.9秒で反応させた。その
結果を表1に示す。
【0041】[比較例1]実施例1において、塩化第一
錫および硝酸セシウムを添加しなかった点以外は実施例
1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の組成
は、P2Si8であった。そして、この触媒を用いて実施
例1と同様にして反応を行った。その結果を表1に示
す。
【0042】[比較例2]実施例1において、塩化第一
錫および85質量%リン酸を添加しなかった点、およ
び、硝酸セシウム3.2部を純水16部に溶解した水溶
液を添加した点以外は実施例1と同様にして触媒を調製
した。得られた触媒の組成は、Si8Cs0.4であった。
そして、この触媒を用いて実施例1と同様にして反応を
行った。その結果を表1に示す。
【0043】[実施例2]実施例1において、硝酸セシ
ウム1.2部を純水6部に溶解した水溶液を添加した
点、および、85質量%オルトリン酸12.8gを添加
した点以外は実施例1と同様にして触媒を調製した。得
られた触媒の組成は、P2.7Si8Sn1Cs0 .15であっ
た。そして、この触媒を用いて実施例1と同様にして反
応を行った。その結果を表1に示す。
【0044】[実施例3]実施例1において、塩化第一
錫の代わりに塩化酸化ジルコニウム13.3部を純水1
0部に溶解した水溶液を添加した点以外は実施例1と同
様にして触媒を調製した。得られた触媒の組成は、P2
Si8Zr1Cs0.25であった。そして、この触媒を用い
て実施例1と同様にして反応を行った。その結果を表1
に示す。
【0045】[実施例4]実施例1において、塩化第一
錫の代わりにチタンテトライソプロポオキシド11.7
部を純水10部に溶解した水溶液を添加した点以外は実
施例1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の組
成は、P2Si8Ti1Cs0.25であった。そして、この
触媒を用いて実施例1と同様にして反応を行った。その
結果を表1に示す。
【0046】[実施例5]実施例1において、塩化第一
錫の代わりに酢酸亜鉛7.6部を純水10部に溶解した
水溶液を添加した点、および、硝酸セシウムの代わりに
硝酸カリウム1.0部を純水10部に溶解した水溶液を
添加した点以外は実施例1と同様にして触媒を調製し
た。得られた触媒の組成は、P2Si8Zn10.15であ
った。そして、この触媒を用いて実施例1と同様にして
反応を行った。その結果を表1に示す。
【0047】[実施例6]実施例1と同じ触媒を用い、
原料ガスの接触時間を32秒とした点以外は実施例1と
同様にして反応を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】上記一般式(1)で表される組成を有する
触媒を用いた実施例1〜6は、比較例1、2と比べてメ
タクリル酸の収率が高かった。
【0050】[実施例7]実施例1と同じ触媒を用い、
ホルムアルデヒドの原料としてトリオキサンを使用し
て、原料ガスの組成を、プロピオン酸29.0mmol
/hr、ホルムアルデヒド14.5mmol/hr、窒
素500mmol/hrとした点以外は実施例1と同様
にして反応を行った。その結果、ホルムアルデヒドの転
化率は61.9%、メタクリル酸の選択率は62.3
%、収率は38.6%であった。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、触媒の
改良により、プロピオン酸とホルムアルデヒドおよび/
またはホルムアルデヒド誘導体とを気相接触反応させて
メタクリル酸を高収率で製造することができる。また、
本発明によれば、触媒の改良により、プロピオン酸エス
テルとホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒ
ド誘導体とを気相接触反応させてメタクリル酸エステル
を高収率で製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される組成を有す
    る触媒の存在下で、プロピオン酸とホルムアルデヒドお
    よび/またはホルムアルデヒド誘導体とを気相接触反応
    させてメタクリル酸を製造する方法。 PaSibcde (1) (式(1)中、P、SiおよびOはそれぞれリン、ケイ
    素および酸素を示し、Xは錫、亜鉛、ジルコニウムおよ
    びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
    を示し、Yはカリウムおよびセシウムからなる群より選
    ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、dお
    よびeは各元素の原子比率を示し、b=8のときa=
    0.01〜5、c=0.01〜3、d=0.01〜1で
    あり、eは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
    素の原子比率である。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)で表される組成を有す
    る触媒の存在下で、プロピオン酸とメタノールとホルム
    アルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘導体とを
    気相接触反応させてメタクリル酸およびメタクリル酸メ
    チルを製造する方法。 PaSibcde (1) (式(1)中、P、SiおよびOはそれぞれリン、ケイ
    素および酸素を示し、Xは錫、亜鉛、ジルコニウムおよ
    びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
    を示し、Yはカリウムおよびセシウムからなる群より選
    ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、dお
    よびeは各元素の原子比率を示し、b=8のときa=
    0.01〜5、c=0.01〜3、d=0.01〜1で
    あり、eは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
    素の原子比率である。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(1)で表される組成を有す
    る触媒の存在下で、プロピオン酸エステルとホルムアル
    デヒドおよび/またはホルムアルデヒド誘導体とを気相
    接触反応させてメタクリル酸エステルを製造する方法。 PaSibcde (1) (式(1)中、P、SiおよびOはそれぞれリン、ケイ
    素および酸素を示し、Xは錫、亜鉛、ジルコニウムおよ
    びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
    を示し、Yはカリウムおよびセシウムからなる群より選
    ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、dお
    よびeは各元素の原子比率を示し、b=8のときa=
    0.01〜5、c=0.01〜3、d=0.01〜1で
    あり、eは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
    素の原子比率である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102962052A (zh) * 2012-11-30 2013-03-13 西南化工研究设计院有限公司 一种醋酸和多聚甲醛合成丙烯酸的催化剂及其制备和应用

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