JP2003265191A - KiSS−1ペプチドの製造法 - Google Patents

KiSS−1ペプチドの製造法

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JP2003265191A
JP2003265191A JP2003002932A JP2003002932A JP2003265191A JP 2003265191 A JP2003265191 A JP 2003265191A JP 2003002932 A JP2003002932 A JP 2003002932A JP 2003002932 A JP2003002932 A JP 2003002932A JP 2003265191 A JP2003265191 A JP 2003265191A
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peptide
amino acid
kiss
acid sequence
seq
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JP2003002932A
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Takahisa Yamada
隆央 山田
Isamu Tsuji
勇 辻
Hiroko Misumi
裕子 三角
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】KiSS−1ペプチドまたはその塩を工業的か
つ大量に製造するのに有利な製造法を提供する。 【解決手段】N末端にシステインを有する低分子ペプチ
ドのN末端にKiSS−1ペプチドを連結した融合蛋白
質またはペプチドをシステイン残基のアミノ酸側のペプ
チド結合の切断反応に付すことを特徴とするKiSS−
1ペプチドまたはその塩の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N末端にシステイ
ンを有する低分子ペプチドのN末端に、KiSS−1ペ
プチドを連結した融合蛋白質またはポリペプチドを製造
し、次いで該融合蛋白質またはポリペプチドをペプチド
結合の切断反応に付すことにより、KiSS−1ペプチ
ドまたはその塩を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子組換え技術を用いて、ペプチドを
製造するに際しては、ペプチドが細胞内で、分解を受け
やすいために、融合蛋白質の形で発現させることがしば
しば行なわれている。融合蛋白質からの目的ペプチドの
切り出しには、ブロムシアンを用い化学的に切断する方
法(イタクラら、Science, 198, 1056(1977))、ファフ
ターXaを用い酵素的に切断する方法(ナガイら、Metho
ds in Enzymology, 153,46(1987))が知られている。さ
らに、蛋白質中のペプチド結合を切断する方法として、
2−ニトロ−5−チオシアノ安息香酸によるアシルシス
テイン結合の切断が知られている(「生化学実験講座」
1,タンパク質の化学II,日本生化学会編,東京化学同
人発行,第247〜250頁1976年)。しかしなが
ら、蛋白質からの目的ペプチドの切り出しについては、
開示されていない。WO00/24890号およびWO
01/75104号には、本発明で用いられるKiSS
−1ペプチドまたはその塩が開示されている。WO01
/44469号には、N末端にシステインを有する蛋白
質またはペプチドのN末端に、KiSS−1ペプチドを
連結した融合蛋白質、ペプチドまたはその塩を該システ
イン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に付す
ことを特徴とするKiSS−1ペプチドまたはその塩の
製造法が開示されており、N末端にシステインを有する
蛋白質またはペプチドとして、インターフェロン類、イ
ンターロイキン類、線維芽細胞成長因子(aFGF、b
FGF)等各種成長因子類、(プロ)ウロキナーゼ類、リ
ンホトキシン、Tumor Necrosis Factor(TNF)、β−
ガラトシターゼなどの酵素タンパク類、貯蔵タンパク
類、ストレプトアビシン、プロテインA、プロテイン
G、Tissue Plasminogen Activator(TPA)、これらの
ムテイン又はこれらの一部(断片)が例示されている。
【特許文献1】WO00/24890号
【特許文献2】WO01/75104号
【特許文献3】WO01/44469号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来知られている技術
において、融合蛋白質からの目的ペプチドの切り出しに
際し、ブロムシアンを用いる場合には、メチオニンを含
有するペプチドの製造には適用することはできないし、
切り出し時の収率等に問題が多い。このように、融合蛋
白質またはポリペプチドから目的とするペプチドを効率
良く切り出す方法が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規生理
活性ペプチドであるKiSS−1ペプチドまたはその塩
を効率良く製造する方法について鋭意検討を加えたとこ
ろ、N末端にシステインを有する低分子のペプチドのN
末端に、KiSS−1ペプチドを連結した融合蛋白質ま
たはポリペプチドを製造し、次いでこれをペプチド結合
を切断する反応に付すことにより、KiSS−1ペプチ
ドまたはその塩を効率良く製造できることを見い出し
た。
【0005】すなわち、本発明は、(1)N末端にシス
テインを有する低分子ペプチドのN末端に、KiSS−
1ペプチドを連結した融合蛋白質、ペプチドまたはその
塩を該システイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切
断反応に付すことを特徴とするKiSS−1ペプチドま
たはその塩の製造法、(2)N末端にシステインを有す
る低分子ペプチドのN末端に、KiSS−1ペプチドを
連結した融合蛋白質またはペプチドをコードするDNA
を有するベクターを保持する形質転換体を培養して融合
蛋白質、ペプチドまたはその塩を発現させ、発現された
融合蛋白質、ペプチドまたはその塩を該システイン残基
のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に付すことを特
徴とするKiSS−1ペプチドまたはその塩の製造法、
(3)製造されるKiSS−1ペプチドのC末端がアミ
ドである上記(1)または(2)記載の製造法、(4)
切断反応がS−シアノ化反応、次いでアンモノリシスま
たは加水分解反応に付す反応である上記(1)または
(2)記載の製造法、(5)KiSS−1ペプチドが配
列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するペプチド
である上記(1)または(2)記載の製造法、(6)K
iSS−1ペプチドが、配列番号:1で表されるアミ
ノ酸配列のN末端から第40〜54番目からなるアミノ
酸配列を有するペプチド、配列番号:1で表されるア
ミノ酸配列のN末端から第45〜54番目からなるアミ
ノ酸配列を有するペプチド、配列番号:1で表される
アミノ酸配列のN末端から第46〜54番目からなるア
ミノ酸配列を有するペプチドまたは配列番号:1で表
されるアミノ酸配列のN末端から第47〜54番目から
なるアミノ酸配列を有するペプチドである上記(1)ま
たは(2)記載の製造法、(7)N末端にシステインを
有する低分子ペプチドが、N末端にシステインを有し、
約10〜約50個のアミノ酸残基からなるペプチドであ
る上記(1)または(2)記載の製造法、(8)低分子
ペプチドが、KiSS−1ペプチドを含む前駆体蛋白質
のC末端側の部分ペプチドであって、該KiSS−1ペ
プチドのC末端アミノ酸に隣接するアミノ酸残基から始
まるアミノ酸配列を有するペプチドである上記(1)ま
たは(2)記載の製造法、(9)N末端にシステインを
有する低分子ペプチドが、配列番号:3で表されるアミ
ノ酸配列を含有し、そのN末端にシステイン残基が付加
したペプチドである上記(1)または(2)記載の製造
法、(10)N末端にシステインを有する低分子ペプチ
ドが配列番号:3で表されるアミノ酸配列を含有し、そ
のN末端にシステイン残基が付加したペプチドであり、
KiSS−1ペプチドが配列番号:1で表されるアミノ
酸配列を有するペプチドであり、製造されるKiSS−
1ペプチドのC末端がアミドである配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列を有するペプチドである上記(1)ま
たは(2)記載の製造法、(11)N末端にシステイン
を有する低分子ペプチドのN末端に、KiSS−1ペプ
チドを連結した融合蛋白質、ペプチドまたはその塩、
(12)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を含有
する上記(11)記載の融合蛋白質、ペプチドまたはそ
の塩、(13)上記(11)記載の融合蛋白質またはペ
プチドをコードするDNAを含有するDNA、(14)
配列番号:6で表される塩基配列または配列番号:
7で表される塩基配列を有する上記(13)記載のDN
A、(15)上記(13)記載のDNAを有するベクタ
ー、(16)上記(15)記載のベクターを含有する形
質転換体、および(17)FERM BP−7823で
表示されるエシュリヒア・コリMM294(DE3)/
pTC2MetC24−1.3を提供する。さらに、本
発明は、(18)次の〜の工程; N末端にシステインを有する低分子ペプチドのN末端
システインに、KiSS−1ペプチドを連結した融合蛋
白質またはペプチドをコードするDNAを作製する、 該DNAを有するベクターを作製する、 該ベクターを保持する形質転換体を培養して融合蛋白
質、ペプチドまたはその塩を発現させる、 発現された融合蛋白質、ペプチドまたはその塩を該シ
ステイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に
付す、 からなる第(2)項記載の製造法、(19)N末端にシ
ステインを有する低分子ペプチド(ここで低分子ペプチ
ドとは、目的成熟ペプチドの前駆体蛋白質のC末端側の
部分ペプチドをいう)のN末端に、目的成熟ペプチドを
連結した融合蛋白質、ペプチドまたはその塩を該システ
イン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に付す
ことを特徴とする目的成熟ペプチドまたはその塩の製造
法、(20)N末端にシステインを有する低分子ペプチ
ド(ここで低分子ペプチドとは、目的成熟ペプチドの前
駆体蛋白質のC末端側の部分ペプチドをいう)のN末端
に、目的成熟ペプチドを連結した融合蛋白質またはペプ
チドをコードするDNAを有するベクターを保持する形
質転換体を培養して融合蛋白質、ペプチドまたはその塩
を発現させ、発現された融合蛋白質、ペプチドまたはそ
の塩を該システイン残基のアミノ基側のペプチド結合の
切断反応に付すことを特徴とする目的成熟ペプチドまた
はその塩の製造法、(21)切断反応がS−シアノ化反
応、次いでアンモノリシスまたは加水分解反応に付す反
応である上記(19)または(20)記載の製造法、
(22)目的成熟ペプチドが約10〜100個のアミノ
酸残基を含有するペプチドである上記(19)または
(20)記載の製造法、(23)N末端にシステインを
有する低分子ペプチドが、N末端にシステインを有し、
約10〜約50個のアミノ酸残基からなるペプチドであ
る上記(19)または(20)記載の製造法、(24)
N末端にシステインを有する低分子ペプチド(ここで低
分子ペプチドとは、目的成熟ペプチドの前駆体蛋白質の
C末端側の部分ペプチドをいう)のN末端に、目的成熟
ペプチドを連結した融合蛋白質、ペプチドまたはその
塩、(25)上記(24)記載の融合蛋白質またはペプ
チドをコードするDNAを含有するDNA、(26)上
記(25)記載のDNAを有するベクター、(27)上
記(26)記載のベクターを含有する形質転換体、およ
び(28)次の〜の工程; N末端にシステインを有する低分子ペプチド(ここで
低分子ペプチドとは、目的成熟ペプチドの前駆体蛋白質
のC末端側の部分ペプチドをいう)のN末端システイン
に、目的成熟ペプチドを連結した融合蛋白質またはペプ
チドをコードするDNAを作製する、 該DNAを有するベクターを作製する、 該ベクターを保持する形質転換体を培養して融合蛋白
質、ペプチドまたはその塩を発現させる、 発現された融合蛋白質、ペプチドまたはその塩を該シ
ステイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に
付す、 からなる第(20)項記載の製造法を提供する。
【0006】本発明の方法に用いられるKiSS−1ペ
プチドとしては、例えばWO00/24890号に記載
のヒトKiSS−1ペプチド、WO01/75104号
に記載のマウスまたはラットKiSS−1ペプチドが用
いられる。ヒトKiSS−1ペプチドとしては、具体的
には、本願の配列番号:1で表されるアミノ酸配列にお
いて、N末端から第47〜54番目のアミノ酸配列を含
有し、8乃至54個のアミノ酸残基からなるペプチドな
どがあげられる。「本願の配列番号:1で表されるアミ
ノ酸配列において、N末端から第47〜54番目のアミ
ノ酸配列を含有し、8乃至54個のアミノ酸残基からな
るペプチド」としては、配列番号:1で表されるアミノ
酸配列において、N末端から第47〜54番目のアミノ
酸配列を含有し、かつ8乃至54個のアミノ酸残基から
なるペプチドであればいかなるものであってもよいが、
ペプチド活性(例えば、ペプチドと受容体の結合活性、
ペプチドによって引き起こされる受容体発現細胞の細胞
刺激活性など)などが、実質的に同じであることを意味
する。具体的には、本願の配列番号:1で表されるア
ミノ酸配列で表されるペプチド、本願の配列番号:1
で表されるアミノ酸配列において、N末端から第47〜
54番目のアミノ酸配列をC末端に有し、8乃至15個
のアミノ酸残基からなるペプチドなどが用いられる。よ
り具体的には、ヒトKiSS−1ペプチドとしては、
本願の配列番号:1で表されるアミノ酸配列で表される
ペプチド、本願の配列番号:1で表されるアミノ酸配
列のN末端から第40〜54番目からなるアミノ酸配列
で表されるペプチド、本願の配列番号:1で表される
アミノ酸配列のN末端から第45〜54番目からなるア
ミノ酸配列で表されるペプチド、本願の配列番号:1
で表されるアミノ酸配列のN末端から第46〜54番目
からなるアミノ酸配列で表されるペプチド、本願の配
列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から第47
〜54番目からなるアミノ酸配列で表されるペプチドな
どがあげられる。
【0007】マウスKiSS−1ペプチド(A)として
は、例えば、配列番号:16で表されるアミノ酸配列
のN末端から第134〜141番目のアミノ酸配列を含
有し、8ないし52個のアミノ酸残基からなるペプチド
などが用いられ、具体的には、配列番号:16で表さ
れるアミノ酸配列のN末端から第90〜141番目のア
ミノ酸配列を有するペプチド、配列番号:16で表さ
れるアミノ酸配列のN末端から第132〜141番目の
アミノ酸配列を有するペプチド、配列番号:16で表
されるアミノ酸配列のN末端から第127〜141番目
のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用いられる。マ
ウスKiSS−1ペプチド(B)としては、例えば、配
列番号:17で表されるアミノ酸配列のN末端から第1
38〜145番目のアミノ酸配列を含有し、8ないし5
2個のアミノ酸残基からなるペプチドなどが用いられ、
具体的には、配列番号:17で表されるアミノ酸配列の
N末端から第94〜145番目のアミノ酸配列を有する
ペプチドなどが用いられる。ラットKiSS−1ペプチ
ドとしては、例えば、配列番号:18で表されるアミノ
酸配列のN末端から第112〜119番目のアミノ酸配
列を含有し、8ないし52個のアミノ酸残基からなるペ
プチドなどが用いられ、具体的には、配列番号:18
で表されるアミノ酸配列のN末端から第68〜119番
目のアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号:18
で表されるアミノ酸配列のN末端から第110〜119
番目のアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号:1
8で表されるアミノ酸配列のN末端から第105〜11
9番目のアミノ酸配列を有するペプチドなどが挙げられ
る。上記KiSS−1ペプチドは、WO00/2489
0号またはWO01/75104号に記載のレセプター
蛋白質OT7T175に対し、リガンド活性を有する。
【0008】本明細書におけるペプチドはペプチド標記
の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC
末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で表さ
れるペプチドのC末端は、アミド(-CONH)、カルボキ
シル基(-COOH)、カルボキシレート(-COO)、アルキル
アミド(-CONHR)またはエステル(-COOR)であってもよ
い。エステルまたはアルキルアミドのRとしては、例え
ばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしく
はn−ブチルなどのC1−6アルキル基、シクロペンチ
ル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、
フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、
ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリルなどのフェニル
−C1−2アルキル、もしくはα−ナフチルメチルなど
のα−ナフチル−C1−2アルキルなどのC7−14
ラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピ
バロイルオキシメチル基などがあげられる。さらに、K
iSS−1ペプチドには、N末端のメチオニン残基のア
ミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどの
2−6アルカノイル基などのC −6アシル基など)
で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成
したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子
内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−S
H、−COOH、アミノ基、イミダゾール基、インドー
ル基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホ
ルミル基、アセチルなどのC2−6アルカノイル基など
のC1−6アシル基など)で保護されているもの、ある
いは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプ
チドなども含まれる。本発明のKiSS−1ペプチドの
塩としては、生理学的に許容される塩基(例えばアルカ
リ金属など)や酸(有機酸、無機酸)との塩が用いられ
るが、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては例えば無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シ
ュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸)との塩などが用いられる。本発明の方法に用いら
れるN末端にシステインを有する蛋白質またはペプチド
としては、特定されるものではない。そのN末端にシス
テインを有しない蛋白質またはペプチドの場合は、自体
公知の方法によりN末端にシステインを有するようにす
ればよい。
【0009】該N末端にシステインを有する低分子ペプ
チドの「低分子ペプチド」としては、例えば約10〜5
0個、好ましくは約20〜40個、さらに好ましくは約
20〜30個アミノ酸残基を有するものが好ましい。な
かでも、配列番号:15で表されるアミノ酸配列を含
有するヒトKiSS−1ペプチド前駆体(例えば、J.Na
tl. Cancer Inst., 88, 1731, 1996;WO98/394
48号)の部分ペプチド、配列番号:16で表される
アミノ酸配列を含有するマウスKiSS−1ペプチド前
駆体(A)(WO01/75104号)の部分ペプチ
ド、配列番号:17で表されるアミノ酸配列を含有す
るマウスKiSS−1ペプチド前駆体(B)(WO01
/75104号)の部分ペプチド、配列番号:18で
表されるアミノ酸配列を含有するラットKiSS−1ペ
プチド前駆体(WO01/75104号)の部分ペプチ
ドなどが用いられ、なかでもこれらKiSS−1ペプチ
ド前駆体のC末端側の部分ペプチドが好ましい。より好
ましくは、低分子ペプチドとしては、KiSS−1ペプ
チドを含む前駆体蛋白質のC末端側の部分ペプチドであ
って、該KiSS−1ペプチドのC末端アミノ酸に隣接
するアミノ酸残基から始まるアミノ酸配列を有するペプ
チドなどが用いられる。より具体的には、該低分子ペプ
チドとしては、例えば、(1)KiSS−1ペプチドが
ヒトKiSS−1ペプチドである場合は、配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列を含有する、ヒトKiSS−
1ペプチド前駆体のC末端側の部分ペプチドなどが、
(2)KiSS−1ペプチドがマウスKiSS−1ペプ
チド(A)である場合は、配列番号:16で表わされる
アミノ酸配列のN末端から第142〜152番目のアミ
ノ酸配列を有する、マウスKiSS−1ペプチド前駆体
のC末端側の部分ペプチドなどが、(3)KiSS−1
ペプチドがマウスKiSS−1ペプチド(B)である場
合は、配列番号:17で表わされるアミノ酸配列のN末
端から第146〜156番目のアミノ酸配列を有する、
マウスKiSS−1ペプチド前駆体のC末端側の部分ペ
プチドなどが、(4)KiSS−1ペプチドがラットK
iSS−1ペプチドである場合は、配列番号:18表わ
されるアミノ酸配列のN末端から第120〜130番目
のアミノ酸配列を有する、ラットKiSS−1ペプチド
前駆体のC末端側の部分ペプチドなどが好ましく用いら
れる。本発明の方法においては、これらの低分子ペプチ
ドのN末端にシステインが連結している。
【0010】本発明方法で用いられる融合蛋白質(融合
ペプチドを含む)をコードするDNAは、(1)全塩基配
列を化学的に合成してもよいし、(2)低分子ペプチドを
コードする塩基配列のN末端側にシステインをコードす
る塩基配列を配置し、さらにそのN末端側にKiSS−
1ペプチドをコードする塩基配列を配置することにより
該DNAを構築してもよい。また、(3)該ペプチドの
フラグメントを得るのが目的の場合には、所望のフラグ
メントの直後のアミノ酸残基をsite-directedmutagenes
is 等の手法でシステインに置換した該DNAを構築す
ればよい。上記の(1)の場合の製造法としては、例え
ば、自体公知のホスホアミダイド法、リン酸トリエステ
ル法、ジエステル法、ハイドロジェンホスホネート法な
どを用いて、短いものなら一度に、長いものでは分割し
て合成した後にT4DNAリガーゼを用いて連結して作
成することが可能である。
【0011】上記の(2)の場合の製造法としては、例え
ば、C末端側の蛋白質をコードするDANは、染色体ま
たはcDNAから適当な制限酵素で切断し、ベクターに
連結して得るか、もしくはcDNAを取得する。しかる
後にN末端がシステインになるように制限酵素で切断す
るか、もしくは、合成DNAを全蛋白もしくはその一部
の遺伝子の5'−末端に結合しN末端がシステインにな
るように改変する。その5'−末端に目的の蛋白質をコ
ードするDAN(化学合成したものでも、生体よりクロ
ーニングしてきたものでもよい)をつなげる。このよう
にして得られる融合蛋白質をコードするDNAの具体例
としては、例えば式 GGTACTTCTCTGTCTCCGCCGCCGGAATCTTCTGGTTCTCGTCAGCAGCCGGGTCTGTCTGCTCCGCACTCT CGTCAGATCCCGGCTCCGCAGGGTGCTGTTCTGGTTCAGCGTGAAAAAGACCTGCCGAACTACAACTGGAAC TCTTTCGGTCTGCGTTTC(配列番号:2)-TGC または TGT-R (I) 〔式中、Rは配列番号:4で表わされる塩基配列を示
す。〕で表わされる塩基配列(配列番号:6または7)
を含有するDNAなどがあげられる。
【0012】上記式(I)はヒトKiSS−1ペプチド
を含有するペプチドをコードするDNA塩基配列(配列
番号:2)にシステインをコードする塩基配列(TGCま
たはTGT)を介してRで示される塩基配列(配列番号:
4)が結合していることを示す。ヒトKiSS−1ペプ
チドをコードするDNAは、上記式(I)で表されるD
NAや配列番号:15で表されるアミノ酸配列を含有す
るヒトKiSS−1ペプチド前駆体をコードするDNA
またはその改変DNA(例えば、J. Natl. Cancer Ins
t., 88, 1731, 1996;WO98/39448号)を用い
て、自体公知の方法に従って製造することもできる。マ
ウスKiSS−1ペプチドをコードするDNAは、配列
番号:16で表されるアミノ酸配列を有するマウスKi
SS−1ペプチド前駆体(A)をコードするDNA(配
列番号:19)またはその改変DNA(WO01/75
104号)や配列番号:17で表されるアミノ酸配列を
有するマウスKiSS−1ペプチド前駆体(B)をコー
ドするDNA(配列番号:20)またはその改変DNA
(WO01/75104号)を用いて、自体公知の方法
に従って製造することができる。ラットKiSS−1ペ
プチドをコードするDNAは、配列番号:18で表され
るアミノ酸配列を有するラットKiSS−1ペプチド前
駆体をコードするDNA(配列番号:21)またはその
改変DNA(WO01/75104号)を用いて、自体
公知の方法に従って製造することができる。5'末端に
ATGを有し、その下流に該融合蛋白質をコードする領
域、ついで翻訳終止コドンを有するDNA(プラスミド)
は、化学合成で、あるいは遺伝子工学的に製造された公
知の該蛋白質のcDNA、もしくは、染色体由来の該蛋
白質のDNAを加工することにより製造することができ
る。本発明のN末端にシステインを有する低分子ペプチ
ドのN末端にKiSS−1ペプチドを連結した融合蛋白
質またはペプチドをコードするDNAを、従来のDNA
技術、例えば特定部位指向性変異誘発技術を用いて目的
のムテインをコードするDNAに変換することができ
る。特定部位指向性変異誘発技術は周知であり、アール
・エフ・レイサー(Lather,R. F.)及びジェイ・ピー・レ
コック(Lecoq, J. P.)、ジェネティック・エンジニアリ
ング(Genetic Engineering)、アカデミックプレス社(1
983年)第31−50頁に示されている。オリゴヌク
レオチドに指示された変異誘発はエム・スミス(Smith,
M.) 及びエス・ギラム(Gillam, S.)、ジェネティック・
エンジニアリング:原理と方法、プレナムプムス社(1
981年)3巻 1−32頁に示されている。
【0013】該融合蛋白質をコードする領域を有するD
NAを有するプラスミドを製造するにあたって、ベクタ
ーとして用いられるプラスミドとしては、例えば大腸菌
(Escherichia coli)由来のpBR322〔ジーン(Gen
e),2,95(1977)〕,pBR313〔ジーン,
2,75(1977)〕,pBR324,pBR325〔ジ
ーン,4,124(1978)〕,pBR327,pBR3
28〔ジーン,9,287(1980)〕,pBR329
〔ジーン,17,79(1982)〕,pKY2289
〔ジーン,3,1(1978)〕,pKY 2700〔生化
学,52,770(1980)〕,pACYC177,pA
CYC184〔ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J
ournal of Bacteriology),134,1141(197
8)〕,pRK248,pRK646,pDF〔メソッズ
・イン・エン ジーモロジー(Methods inEnzymology),
68,268(1979)〕,pUC18,pUC19〔ヤ
ニシューペロンら,ジーン(Gene),33,103(19
85)〕などがあげられる。また、バクテリオファー
ジ、例えばλファージを使用したλgt系のλgt・λC
〔Proc.Natl. Acad. Sci. U.S.A.71,4579
(1974)〕,λgt・λB〔Proc.Natl. Acad. Sci.
U.S.A. 72,3461(1975)〕,λDam〔ジー
ン,1,255(1977)〕やシャロンベクター〔サイ
エンス,(Science),196,161(1977);ジャ
ーナル・オブ・ビーロロジー(Journal of Virology),
29,555(1979)〕,繊維状ファージを使用した
mp系のmp18,mp19〔ヤニシューペロンら,ジーン(G
ene),33,103(1985)〕ベクターなどもあげら
れる。
【0014】上記DNAは、ATGの上流にプロモータ
ーを有しているのが好ましく、該プロモーターは、形質
転換体の製造に用いる宿主に対応して適切なプロモータ
ーであればいかなるものでもよい。例えば大腸菌(Esche
richia coli)ではtrpプロモーター,lacプロモーター,
rec Aプロモーター,λPLプロモーター,lppプロモ
ーター,T7プロモーターなど、枯草菌(Bacillus subt
ilis)ではSPO1プロモーター,SPO2プロモータ
ー,penPプロモーターなど、酵母(Saccharomyces cere
visiae)ではPHO5プロモーター,PGKプロモータ
ー,GAPプロモーター,ADHプロモーターなど、動
物細胞ではSV40由来のプロモーターなどがあげられ
る。必要によりSD(シヤインアンドダルガーノ)配列を
プロモーターの下流に挿入してもよい。T7プロモータ
ーの系を用いる場合には、T7プロモーターとしては、
T7DNA上で見い出されている17種のプロモーター
〔J. L. Oakley ら,Proc.Natl. Acad. Sci, U.S.
A,74:4266−4270(1977),M. D. Ros
a,Cell 16:815−825(1979),N. Panayota
tos ら,Nature,280:35(1979),J. J. Dunn
ら,J. Mol. Biol.,166:477−535(198
3)〕のいずれでもよいがφ10プロモーター〔A. H. R
osenberg ら,Gene,56:125−135(198
7)〕が好ましい。
【0015】転写ターミネーターとしては、大腸菌の系
で作動するターミネーター、好ましくはTφターミネー
ター〔F. W. Studier ら,J. Mol. Biol.,189:1
13−130(1986)〕が用いられる。T7RNAポ
リメラーゼ遺伝子としてはT7遺伝子〔F. W. Studier
ら,J. Mol. Biol.,189:113−130(198
6)〕をあげることが出来る。ベクターは上記ベクター
にT7プロモーター,T7ターミネーターを組み込んで
構築されるのが好ましく、このようなベクターとして
は、pET−1,pET−2,pET−3,pET−4,p
ET−5〔A. H. Rosenberg, Gene 56:125−13
5(1987)〕、pTB960−2〔EP−A−499
990〕などをあげることができるが、好ましくはpT
B960−2が用いられる。
【0016】本発明の形質転換体は、上記方法で得られ
る発現用プラスミドを自体公知の方法〔例、コーエンS,
N, ら,プロシージング・オブ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.
A.),69,2110(1972)〕で宿主を形質転換す
ることにより製造することができる。形質転換される微
生物の宿主としては、例えば、エシェリシア(Escherich
ia)属菌,バチリス(Bacillus)属菌,酵母,動物細胞な
どがあげられる。上記エシェリシア属菌の例としては、
エシェリシア・コリ(E. coli)があげられ、具体的には
エシェリシア・コリ(Escherichia coli)K12DH1
〔プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシズ(Proc. Natl.Acad. Sci. U.S.
A.),60,160(1968)〕,JM−103〔ヌク
レイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Resea
rch),9,309(1981)〕,JA221〔ジャーナ
ル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal ofMol
ecular Biology),120,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オ ブ・モレ キュラー・バイオロ
ジー,41,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39,440(1954)〕,N4
830〔セル(Cell),25,713(1981)〕,K−
12MM294〔プロシーディングス・オブ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシズ,73,4174
(1976)〕BL−21などがあげられる。
【0017】上記バチルス属菌としては、例えばバチル
ス・サチルス(Bacillus subtilis)があげられ、具体的
にはバチルス・サチルスMI114(ジーン,24,2
55(1983)),207−21〔ジャーナル・オブ・
バイオケミストリー(Journal of Biochemistry),9
5,87(1984)〕などがあげられる。上記酵母とし
ては、例えばサッカロマイセス・セレビシアエ(Sacchar
omyces cerevisiae)があげられ、具体的には、サッカロ
マイセス・セレビシアエAH22〔Proc. Natl. Acad.
Sci. USA,75,1929(1978)〕,XSB5
2−23C〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77
2173(1980)〕,BH−641A(ATCC 2
8339),20B−12〔Genetics,85,23(19
76)〕,GM3C−2〔Proc. Natl. Acad. Sci. US
A,78 2258(1981)〕などがあげられる。
【0018】動物細胞としては、例えばサル細胞COS
−7〔セル(Cell),23,175(1981)〕,Vero
〔(日本臨床 21,1209(1963)〕,チャイニ
ーズハムスター細胞CHO〔ジャーナル・オブ・エクス
ペリメンタル・メデイシン(J.Exp. Med.),108,9
45(1985)〕,マウスL細胞〔ジャーナル・オブ・
ナショナル・キャンサー・インスティチュート(J. Nat.
Cancer Inst.),4,165(1943)〕,ヒトFL細
胞〔プロシーディングス・オブ・ザ・ソサエティ・フォ
ー・エキスペリメンタル・バイオロジー・アンド・メデ
ィシン(Proc. Soc. Exp. Biol. Med.),94,532
(1957)〕,ハムスターC細胞などがあげられる。
【0019】T7プロモーターの系を用いる場合には、
その形質転換体の宿主としては、T7RNAポリメラー
ゼ遺伝子(T7遺伝子1)〔F. W. Studierら,J. Mol. B
iol.189:113−130(1986)〕を組み込んだ
大腸菌株、例えばMM294,DH−1,C600,J
M109,BL21,あるいはT7RNAポリメラーゼ
遺伝子(T7遺伝子1)を他のプラスミドと共に組込んだ
大腸菌株などが用いられる。好ましくはT7遺伝子1を
組み込んだλファージが溶原化したMM294株および
BL21株が用いられる。この場合T7遺伝子1のプロ
モーターとしては、イソプロピル−1−チオ−β−D−
ガラクトピラノシド(IPTGと略することがある。)で
発現が誘導されるlacプロモーターが用いられる。
【0020】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。バチルス属菌を宿主として形質転換するには、例え
ばモレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティック
ス(Molecular and General Genetics), 168, 111(197
9)など公知の方法に従って行なうことができる。酵母菌
を宿主として形質転換するには、例えば、プロシージン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA),75, 1929(1978)などの公知の方法に従
って行なうことができる。動物細胞を宿主として形質転
換するには、例えば、ヴィーロロジー(Virology,52, 45
6(1973)などの公知の方法に従って行なうことができ
る。融合蛋白は、上述の形質転換体を培地に培養し、産
生された融合蛋白を採取することにより製造することが
できる。培地のpHは約6〜8が望ましい。
【0021】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔Miller, ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン
・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Experi
ments in Molecular Genetics), 431-433, Cold Spring
Harbor Laboratory, New York 1972)〕が好ましい。こ
こに必要によりプロモーターを効率よく働かせるため
に、例えば3β−インドリル アクリル酸やイソプロピ
ルβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)のよう
な薬剤を加えることができる。
【0022】宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通
常約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要により、
通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス属菌
の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行
い、必要により通気や撹拌を加えることもできる。宿主
が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、
例えばバークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostia
n, K. L. ら、プロシージングス・オブ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sc
i.) USA, 77, 4505(1980)〕があげられる。培地のpHは
約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20〜
35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹
拌を加える。
【0023】宿主が動物細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、例えば約0.2〜20%好ましく
は約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエ
ンス(Science),122, 501(1952)〕,DME培地〔ヴィ
ロロジー(Virology), 8, 396(1959)〕,RPMI 16
40培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディ
カル・アソシエーション(The Journal of the American
Medical Association),199, 519(1967)〕,199培
地〔プロシーディング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォ
ー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of t
he Society for the Biologcal Medicine),73, 1 (195
0)〕などがあげられる。pHは約6〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約30〜40℃、培養時間は約15〜
60時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0024】融合蛋白質は、上記形質転換体を培養し、
培養物中に該融合蛋白質を生成,蓄積せしめ、これを採
取することにより製造することができる。培地として
は、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミ
ラー,J.,エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジ
ェネテイクス(Experiments in Molecular Genetics),
431−433(Cold Spring Horbor Laboratort,New
York1972)〕,2×YT培地〔メシング,メソッド
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),
101,20(1983)〕LB培地などがあげられる。
【0025】培養は通常約15〜43℃で約3〜24時
間行い、必要により、通気や撹拌を加えてもよい。λc
Itsリプレッサーと、λP−プロモーターを含有する
発現ベクターとを有する組換え体を使用する場合には、
培養は約15〜36℃好ましくは約30〜36℃の温度
で行い、λc Itsリプレッサーの不活化は約37〜42
℃で行うのが好ましい。またrecAプロモーターをより
効率良く働かせるため、すなわちrecA遺伝子発現抑制
機能を低下せしめるため、必要によりマイトマイシン
C,ナルジキシン酸などのような薬剤を添加したり、紫
外線を照射する、あるいは培養液のpHをアルカリ側に
変化させてもよい。T7プロモーターの系を用いている
場合には、(1)lacプロモーターの下流に連結されてい
るT7遺伝子(RNAポリメラーゼ遺伝子)を発現させる
時はIPTGなどを添加する、もしくは(2)λPプロ
モーターの下流に連結されているT7遺伝子(RNAポ
リメラーゼ遺伝子)を発現させる時は培養の温度を上昇
させることなどにより、生成するT7ファージRNAポ
リメラーゼ1により特異的にT7プロモーターを作動さ
せる。
【0026】培養後、公知の方法で菌体を集め、例えば
緩衝液に懸濁したのち、例えば、蛋白変性剤処理,超音
波処理やリゾチームなどの酵素処理,グラスビーズ処
理,フレンチプレス処理,凍結融解処理などを行って菌
体を破砕し、遠心分離など公知の方法によって上清を得
る。上記により得られた上清から、融合蛋白質を単離す
るには、通常知られている蛋白質の精製法に従えばよ
い。例えば、ゲル濾過法,イオン交換クロマトグラフィ
ー,吸着クロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフ
ィー,アフイニティークロマトグラフィー,疎水クロマ
トグラフィー,電気泳動等を適切に組み合せて行うこと
ができる。また、該融合蛋白質は、精製することなく、
あるいは部分精製の状態で、次の反応工程に進んでもよ
い。次に、このようにして得られる融合蛋白質やペプチ
ドをシステイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断
反応に付す。該切断反応としては、例えば、S−シアノ
化反応次いで加水分解反応があげられる。KiSS−1
ペプチドのアミドまたはその塩を最終物として得る場合
には、該切断反応としては、例えば、S−シアノ化反応
次いでアンモノリシスを行うことがあげられる。該S−
シアノ化反応は、原料化合物に、S−シアノ化試薬を作
用させることにより行なう。
【0027】S−シアノ化試薬としては例えば2−ニト
ロ−5−チオシアノ安息香酸(NTCB),1−シアノ−
4−ジメチルアミノピリジウム塩(DMAP−CN),C
イオンなどがあげられる。該S−シアノ化試薬の量
は、モル数で全チオール基の約2倍から50倍量であれ
ばよく、好ましくは約5倍〜10倍量である。反応温度
は約0〜80℃の間であれば、いずれでもよく、約0〜
50℃の間がより好ましい。用いる溶媒としては、S−
シアノ化試薬と反応しないものであれば、いずれの緩衝
液でもよいが、例えば、トリス−塩酸緩衝液,トリス−
酢酸緩衝液,リン酸緩衝液,ホウ酸緩衝液,などがあげ
られる。また、有機溶媒は、S−シアノ化試薬と反応し
ないものであれば、存在していてもよい。該反応は、p
H1〜12の間で行なうのが良い。特に、NTCBを用
いる場合にはpH7〜10,DMAP−CNを用いる場
合にはS−S交換反応を防止するため、pH2〜7の間
が好ましい。また、反応液中には、塩酸グアニジン等の
変性剤が存在していてもよい。
【0028】上記アンモノリシスまたは加水分解反応と
しては、例えばアルカリ処理に付すことがあげられる。
該アルカリ処理としては、原料化合物を含有する水溶液
のpHを7〜14に、調整することにより行なわれる。
該pHの調整は、例えばアンモニア、水酸化ナトリウ
ム,アミノ化合物,トリツマベース(トリス〔ヒドロキ
シメチル〕−アミノメタン),リン酸第2ナトリウム,
水酸化カリウム,水酸化バリウム等の溶液を原料化合物
を含有する水溶液に適当量加えて行うが特にアンモニア
などが好ましい。上記反応の際の溶液の濃度としては、
たとえばアンモニアまたはアミノ化合物の場合は約0.
01〜15N好ましくは約0.1〜3N、水酸化ナトリ
ウムの場合は約0.01〜2N好ましくは約0.05〜1
N、トリツマベースの場合は約1mM〜1M好ましくは
約20mM〜200mM、リン酸第2ナトリウムの場合は
約1mM〜1M好ましくは約10mM〜100mM、水酸
化カリウムの場合は約0.01〜4N好ましくは約0.1
〜2Nがあげられる。反応温度は約−20〜80℃の間
であればいずれでもよく、約−10〜50℃の間がより
好ましい。
【0029】反応時間は、好ましくは、S−シアノ化反
応は約1〜60分好ましくは約15〜30分が、加水分
解反応は約5分〜100時間好ましくは10分〜15時
間が、アンモノリシスは約5分〜24時間好ましくは約
10〜180分があげられる。該アミノ化合物として
は、例えば、式 R−(NR)−H(式中、Rおよ
びRは同一または異なって、(i)水素原子、(ii)C
1−20アルキル基,C −8シクロアルキル基,C
6−14アリール(aryl)基またはC6−14アリール−
1−3アルキル基(これらは置換基を有していないか
あるいは1〜3個のアミノ基,水酸基などを炭素原子上
に有していてもよい)、(iii)置換されていてもよいア
ミノ基、(iv)水酸基またはC1−6アルコキシ基を示
す。)で表される化合物などがあげられる。上記のS−
シアノ化およびアンモノリシスまたは加水分解により、
〔図1〕に示される反応が起こると考えられる。本発明
の製造法で得られるKiSS−1ペプチドのC末端は、
前記したようにアミド(-CONH)、カルボキシル基、
カルボキシレート(-COO)、アルキルアミド(-CONHR)
またはエステル(-COOR)であってもよく、なかでもアミ
ド、カルボキシル基(-COOH)またはアルキルアミドが
好ましく、特にアミドまたはアルキルアミドが好適であ
る。具体的には、本発明の製造法で得られるKiSS−
1ペプチドのC末端は、〔図1〕に示される−CO−X
であってよい。XはR−(NR)−(式中、各記号は
前記と同意義を示す。)またはOHを示す。上記C
1−20アルキルの例としては、例えば、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル,sec-ブチル,ペ
ンチル,イソペンチル,ネオペンチル,1−エチルペン
チル,ヘキシル,イソヘキシル,ヘプチル,オクチル,
ノナニル,デカニル,ウンデカニル,ドデカニル,テト
ラデカニル,ペンタデカニル,ヘキサデカニル,ヘプタ
デカニル,オクタデカニル,ノナデカニルおよびエイコ
サニルなどがあげられる。上記C3−8シクロアルキル
の例としては、例えば、シクロプロピル,シクロブチ
ル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチ
ル,シクロオクチルなどがあげられる。上記C6−14
アリールの例としては、フェニル,ナフチル,アンスリ
ル,フェナンスリル,アセナフチレニルなどがあげられ
る。上記C6−14アリール−C1−3アルキルの例と
しては、例えばベンジル,フェネチル,3−フェニルプ
ロピル,(1−ナフチル)メチル,(2−ナフチル)メチル
などがあげられる。上記C1−6アルコキシの例として
は、例えばメトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキ
シ,ペンチルオキシ,ヘキシルオキシなどがあげられ
る。
【0030】上記(iii)の置換されていてもよいアミノ
の置換基の例としては、例えばアミノ酸,2〜10個の
アミノ酸からなるペプチドなどがあげられる。上記アミ
ノ酸としては、L−体でもD−体でもよく、その例とし
ては、例えば、Ala,Arg,Asp,Asn,Glu,Gln,Gly,H
is,Ile,Met,Leu,Lys, Phe,Pro,Ser,Thr, Trp, Ty
r, Val などがあげられる。上記ペプチドの例として
は、例えば、H-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NH-CH,H-Val-A
la-Leu-D-Ala-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro-Arg-OH などがあげ
られる。上記した中でも、Rとしては水素原子、R
としては水素原子またはC1− 20アルキル基が好まし
い。該アンモノリシス反応において、アンモニアまたは
アミノ化合物を用いた場合には、対応するアミド体が得
られる。
【0031】切り出された目的ペプチドを単離するに
は、通常知られているペプチドの精製法に従えばよい。
例えば、ゲル濾過法,イオン交換クロマトグラフィー,
高速液体クロマトグラフィー,アフイニティークロマト
グラフィー,疎水クロマトグラフィー,薄層クロマトグ
ラフィー,電気泳動等を適宜組み合せて行うことができ
る。このようにして得られるKiSS−1ペプチドまた
はその塩は、公知の精製手段、例えば、抽出、塩析、分
配、再結晶、クロマトグラフィーなどにより、反応溶液
から単離・精製することもできるが、好ましい例とし
て、例えば、SP−セファロース(ファルマシア バイ
オテク(株))、DEAE−5PW(東ソー(株))、ある
いはSP−5PW(東ソー(株))を介したイオン交換ク
ロマトグラフィーなどによる精製法があげられる。
【0032】得られるKiSS−1ペプチドまたはその
塩は、必要によりこれを凍結乾燥により粉末とすること
もできる。凍結乾燥に際しては、ソルビトール,マンニ
トール,デキストロース,マルトース,トレハロース,
グリセロールなどの安定化剤を加えることができる。
【0033】本発明の方法で製造されるKiSS−1ペ
プチドまたはその塩は滅菌水,ヒト血清アルブミン(H
SA),生理食塩水その他公知の生理学的に許容される
担体と混合することができ、哺乳動物(例、ヒト)に対
して非経口的に又は局所に投与することができる。たと
えば、その1日投与量は1人あたり、約0.01〜50m
g、好ましくは、約0.1〜10mgを、静注または筋注な
どにより非経口的に投与することができる。本発明の方
法で製造されるKiSS−1ペプチドまたはその塩を含
有する製剤は、塩,希釈剤,アジュバント,他の担体,
バッファー,結合剤,界面活性剤,保存剤のような生理
的に許容される他の活性成分も含有していてもよい。非
経口的投与製剤は、滅菌水溶液又は生理学的に許容され
る溶媒との懸濁液アンプル、または生理学的に許容され
る希釈液で用時希釈して使用しうる滅菌粉末(通常ペプ
チド溶液を凍結乾燥して得られる)アンプルとして提供
される。
【0034】本発明の製造法によって得られるKiSS
−1ペプチドまたはその塩は癌転移抑制活性を有するた
め、あらゆる癌(例えば、肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大
腸癌、直腸癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、
乳癌等)の予防または治療薬として有用である。また、
KiSS−1ペプチドまたはその塩は胎盤機能調節作用
を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎
児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘
発の予防または治療薬として有用である。なお、本発明
の製造法において、KiSS−1ペプチドを他の目的成
熟ペプチドに代え、さらにN末端にシステインを有する
低分子ペプチドを当該目的成熟ペプチドの前駆体蛋白質
のC末端側の部分ペプチドに代えることによって、同様
にして、目的成熟ペプチドを製造することができる。他
の目的成熟ペプチドとしては、例えば、約10〜200
個、好ましくは約10〜100個程度のアミノ酸残基を
含有するペプチドなどが用いられる。当該目的成熟ペプ
チドの前駆体蛋白質のC末端側の部分ペプチドとして
は、当該目的成熟ペプチドを含む前駆体蛋白質のC末端
側の部分ペプチドであって、当該目的成熟ペプチドのC
末端アミノ酸残基に隣接するアミノ酸残基から始まるア
ミノ酸配列を有するペプチドなどが用いられる。また、
当該目的成熟ペプチドの前駆体蛋白質のC末端側の部分
ペプチドとしては、例えば、当該目的成熟ペプチドの前
駆体蛋白質のC末端側の約10〜50個、好ましくは約
20〜40個、さらに好ましくは約20〜30個のアミ
ノ酸残基を有する部分ペプチドが用いられる。
【0035】本明細書および図面において、アミノ酸,
ペプチド,保護基,活性基,その他に関し略号で表示す
る場合、それらはIUPAC−IUB(Commission on B
iochemical Nomenclature)による略号あるいは当該分野
における慣用略号に基づくものであり、その例を次にあ
げる。また、アミノ酸などに関し光学異性体がありうる
場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニールアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン Cys :システイン Asx :アスパラギンまたはアスパラギン酸 Glx :グルタミンまたはグルタミン酸 ATP :アデノシン三リン酸
【0036】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 [配列番号:1]ヒトKiSS−1ペプチドのアミノ酸
配列を示す。 [配列番号:2]ヒトKiSS−1ペプチドをコードす
るDNAの塩基配列を示す。 [配列番号:3]低分子ペプチドのアミノ酸配列を示
す。 [配列番号:4]低分子ペプチドをコードするDNAの
塩基配列を示す。 [配列番号:5]融合蛋白質のアミノ酸配列を示す。 [配列番号:6]式(I)で表される融合蛋白質をコー
ドするDNAの断片の塩基配列1を示す。 [配列番号:7]式(I)で表される融合蛋白質をコー
ドするDNAの断片の塩基配列2を示す。 [配列番号:8]実施例1においてKiSS−1ペプチ
ドの構造遺伝子の調製に用いたオリゴマーの塩基配列を
示す。 [配列番号:9]実施例1においてKiSS−1ペプチ
ドの構造遺伝子の調製に用いたオリゴマーの塩基配列を
示す。 [配列番号:10]実施例1においてKiSS−1ペプ
チドの構造遺伝子の調製に用いたオリゴマーの塩基配列
を示す。 [配列番号:11]実施例1においてKiSS−1ペプ
チドの構造遺伝子の調製に用いたオリゴマーの塩基配列
を示す。 [配列番号:12]実施例1において得られたDNA断
片の塩基配列を示す。 [配列番号:13]実施例1において得られたDNA断
片の塩基配列を示す。 [配列番号:14]実施例1において得られたDNA断
片の塩基配列を示す。 [配列番号:15]KiSS−1ペプチド前駆体のアミ
ノ酸配列を示す。 [配列番号:16]マウスKiSS−1ペプチド前駆体
(A)のアミノ酸配列を示す。 [配列番号:17]マウスKiSS−1ペプチド前駆体
(B)のアミノ酸配列を示す。 [配列番号:18]ラットKiSS−1ペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。 [配列番号:19]マウスKiSS−1ペプチド前駆体
(A)をコードするDNAの塩基配列を示す。 [配列番号:20]マウスKiSS−1ペプチド前駆体
(B)をコードするDNAの塩基配列を示す。 [配列番号:21]ラットKiSS−1ペプチドをコー
ドするDNAの塩基配列を示す。 後述の実施例1で得られた形質転換体Escheric
hia coli MM294(DE3)/pTC2M
etC24−1.3は、2001年12月10日から茨
城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号3
05−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所
特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−78
23として、2001年10月24日から大阪府大阪市
淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−86
86)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号I
FO 16717して寄託されている。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて、本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0038】
【実施例】実施例1 C末端24アミノ酸付加KiSS
−1ペプチドをコードするDNAの製造(1) (a)DNA断片の合成 〔図1〕に示す4種のDNA断片(#1、#2;5’リ
ン酸化済,#3;5’リン酸化済,#4:キコーテック
社)(配列番号:8〜11)を用いてKiSS−1ペプ
チドのC末端に付加(24アミノ酸残基)する遺伝子を
調製した。
【0039】(b)C末端付加用DNA断片の連結 上記a)で得られたDNA断片#1〜#4を合わせ40
μlとした。この混合液を65℃で10分間保った後、
室温まで徐冷しアニーリングを行った。このアニーリン
グ液のうち10μlについてT4 DNA Ligase(宝酒造)
を用いてライゲーション反応を行った。アニーリング液
10μlに 10倍濃縮添付Ligation バッファー2μl
およびT4 DNA ライゲース1μl(350ユニット)
を加えよく混合した後、16℃、17時間反応させ、ラ
イゲーションを行った後、65℃で5分間の熱処理を行
った。この様にして得られたDNA断片をT4ポリヌク
レオチドキナーゼ(宝酒造)によるリン酸化を行った
後、1.8%低融点アガロースゲル電気泳動により96b
pのDNA断片(配列番号:12)をELUTIP Minicolumn
(S&S社)を用いて抽出し、20μlのTE緩衝液
に溶解し、以下の(c)に供した。
【0040】(c)KiSS−1遺伝子とC末端付加用D
NAフラグメントの連結 KiSS−1ペプチド発現ベクターpTFC-KiSS-1をNd
eI(宝酒造)およびXmnI(NEB社)で37℃、
2時間消化した後、1.5%低融点アガロースゲル電気
泳動により149bpのDNA断片(配列番号:13)を
ELUTIP Minicolumn (S&S社)を用いて抽出し、2
0μlのTE緩衝液に溶解した。このDNA断片と上記
b)で得られたDNA断片をライゲーションした。14
9bpのDNA溶液20μlと96bpのDNA溶液10μ
lに10倍濃縮添付 Ligation バッファー3.5μlお
よびT4 DNA ライゲース1.5μl(525ユニット)
を加えよく混合した後、16℃、17時間反応させた。
ライゲーションを行った後、65℃で5分間の熱処理を
行った。このライゲーション液を用いて全量350μl
でNdeIおよびBamHI消化を1時間行った後、エ
タノール沈殿によってDNA断片(配列番号:14)を
回収し、以下の(d)に供した。 (d)C末端24アミノ酸付加KiSS−1ペプチド発現
ベクターの構築〔図2〕 発現用ベクターpTCIIをNdeIおよびBamHI
(宝酒造)で37℃、1時間消化した後、1%アガロー
スゲル電気泳動により4.6kbのDNA断片をQIAquick
Gel Extraction Kit (キアゲン社)を用いて抽出し、
25μlのTE緩衝液に溶解した。このpTCIIのNd
eI−BamHI断片と上記c)で得られたDNA断片
をT4 DNA Ligase(宝酒造)を用いてライゲーション反
応を行った。
【0041】この反応液を10μl用いて大腸菌JM1
09コンピテントセル(宝酒造)を形質転換し、10μ
g/mlのテトラサイクリンを含むLB寒天培地上に播
き、37℃で一晩培養し、生じたテトラサイクリン耐性
コロニー選んだ。この形質転換体をLB培地で1晩培養
し、QIAprep8 Miniprep Kit(キアゲン社)を用いてプ
ラスミドpTC2MetC24を調製した。このC末端24アミノ
酸付加KiSS−1構造遺伝子部分の塩基配列をアプラ
イドバイオシステムズ社モデル3100DNAシーケン
サーを用いて確認した。プラスミドpTC2MetC24で大腸菌
MM294(DE3)を形質転換し、C末端24アミノ
酸付加KiSS−1タンパク質発現株MM294(DE
3)/pTC2MetC24−1.3を得た。
【0042】(e)C末端24アミノ酸付加KiSS−
1ペプチドの製造 MM294(DE3)/ pTC2MetC24-1.3 を5.0mg/Lのテト
ラサイクリンを含むLB培地に1L(1%ペプトン、
0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム)を用い
て2L容フラスコ中で37℃、8時間振とう培養した。
得られた培養液を19Lの主発酵培地(1.68%リン
酸1水素ナトリウム、0.3%リン酸2水素カリウム、
0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナトリウ
ム、0.025%硫酸マグネシウム、0.02%消泡
剤、0.00025%硫酸第1鉄、0.0005%塩酸
チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸)を
仕込んだ50L容発酵槽へ移植して、30℃で通気攪拌
を開始した。培養液の濁度が500クレット単位になっ
たところで、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラ
ノシドの最終濃度が12mg/Lになるように添加し、
さらに6時間培養を行った。培養終了後、培養液を遠心
分離し、約430gの湿菌体を取得し、−80℃で保存
した。
【0043】実施例2 実施例1で得た菌体70gに7Mグアニジン塩酸塩、1
00mMトリス緩衝液1mM ETDA(pH8.0)溶
液210mlを加え、攪拌溶解を行った後、遠心分離(8
000rpm、60分)を行った。上澄液を4.2Lの5
0mM トリス緩衝液、0.2M アルギニン pH8.
0、 1mM 還元型グルタチオン、0.1mM 酸化型
グルタチオンを含む溶液に希釈して低温室に一晩放置し
た。本溶液を1M尿素溶液で4倍に希釈し、酢酸でpH
6.0に調整し、50mM MES−NaOH緩衝液(pH
6.0)で平衡化した SP−Toyopearl 55
0Cカラム(5cmID×20cmL、東ソー)に75
0mL/時間の流速で通液、吸着後、50mM MES
−NaOH緩衝液0.2M NaClpH6.0で洗浄
した後に50mM MES−NaOH緩衝液 0.5M
NaCl pH6.0で溶出した。この溶出液を蒸留水
で3倍に希釈した後、50mM MES−NaOH緩衝
液 pH6.0で平衡化したSP−5PW(21.5m
mID×150mmL、東ソー)に5mL/分の流速で
通液、吸着した後0−80%B(B=1MNaCl 5
0mM MES−NaOH緩衝液pH6.0)の段階勾
配で溶出を行い、KiSS−1−24アミノ酸付加体画
分をプールした。本溶出画分を0.1%トリフルオロ酢
酸で平衡化したC4P−50(21.5mmID×30
0mmL、昭和電工)に通液、吸着した後5mL/分の
流速で20−70%B(B=0.1%トリフルオロ酢酸
+80%アセトニトリル)の段階勾配で溶出を行い、K
iSS−1−24アミノ酸付加体画分を得、凍結乾燥を
行った。凍乾粉末を0.1M 酢酸 6M 尿素溶液に溶解
した後、DMAP−CN(1-cyano-4-dimethylaminopyr
idinium tetrafluoroborate)約1.5mgを加えて、室
温で15分間反応した。反応終了後、反応液を50mM
リン酸1カリウムで平衡化した SephadexG−25カラ
ム(2.5cmID×50cmL、ファルマシア)に通
液し、平衡化に用いた50mMリン酸1カリウムを10
ml/分 の流速で展開し、S−シアノ化されたKiSS
−1ペプチド−24アミノ酸付加体タンパク質画分を得
た。この溶出液をセントリプラス(分画分子量3kDa:
ミリポア社)で濃縮・脱塩を行い、KiSS−1−24
アミノ酸付加体の脱塩液を得た。この脱塩液に最終濃度
6Mとなるように尿素を添加した後、さらに、3Mアン
モニア濃度となるように25%アンモニア水を加え、室
温で15分間反応した。反応終了後、酢酸で pH6.0
に調整し、KiSS−1ペプチドを得た。この反応液を
50mMリン酸1カリウムで平衡化した Sephadex G−
25カラム(2.5cmID×50cmL)に通液し、
平衡化に用いた50mMリン酸1カリウムを10ml/分
の流速で展開し、KiSS−1ペプチド画分を得た。こ
の画分を、0.1%トリフルオロ酢酸で平衡化したC4
P−50(21.5mmID×300mmL、昭和電工)に
通液し、吸着、洗浄した後、5mL/分の流速で20−
60%B(B:80%アセトニトリル/ 0.1%トリフ
ルオロ酢酸)の段階勾配で溶出を行い、KiSS−1ペ
プチド画分をプールした後、凍結乾燥を行い、KiSS
−1ペプチド凍結乾燥粉末約0.35mgを得た。
【0044】実施例3 KiSS−1ペプチドの特徴の
決定 a)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(日立L−8500A
Amino Acid Analyzer)を用いて決定した。その結果、
KiSS−1ペプチドのDNA塩基配列から予想される
アミノ酸組成と一致した〔表1〕。
【表1】
【0045】b)N末端アミノ酸配列分析 N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(P
Eアプライドバイオシステムズ モデル492)を用い
て決定した。その結果、KiSS−1ペプチドのDNA
塩基配列から予想されるN末端アミノ酸配列と一致した
〔表2〕。
【表2】
【0046】実施例4 生物活性測定 実施例2で取得したヒトKiSS−1ペプチドを用い
て、WO 99/33976の実施例3に記載の方法
(細胞内カルシウムイオン濃度上昇活性)で活性を測定
し、ヒト胎盤抽出液より精製した標品と同等の活性を有
することを確認した。
【0047】実施例5 C末端24アミノ酸付加KiS
S−1ペプチドをコードするDNAの製造(2) 実施例1(c)で用いたKiSS−1ペプチド発現ベクタ
ーpTFC-KiSS-1に代えて、pTC2KiSS1を用いることによっ
ても、C末端24アミノ酸付加KiSS−1ペプチド発
現ベクターpTC2MetC24−1.3を構築するこ
とができた〔図3〕。
【0048】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いると、例えば、
癌(例えば、肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、直腸
癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、乳癌等)、
さらには絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発
育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予
防または治療薬などとして用いることができるKiss
−1ペプチドまたはその塩を工業的かつ大量に製造でき
る。
【0049】
【配列表】 [SEQUENCE LISTING] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Method of Production for KiSS-1 peptide <130> B03002 <150> JP 2002-005180 <151> 2002-01-11 <160> 21 <210> 1 <211> 54 <212> PRT <213> Human <223> the C-terminus of the polypeptide is amide (-CONH2) form <400> 1 Gly Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln 1 5 10 15 Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly 20 25 30 Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn 35 40 45 Ser Phe Gly Leu Arg Phe 50 54 <210> 2 <211> 162 <212> DNA <213> Human <400> 2 ggtacttctc tgtctccgcc gccggaatct tctggttctc gtcagcagcc gggtctgtct 60 gctccgcact ctcgtcagat cccggctccg cagggtgctg ttctggttca gcgtgaaaaa 120 gacctgccga actacaactg gaactctttc ggtctgcgtt tc 162 <210> 3 <211> 24 <212> PRT <213> Human <400> 3 Gly Lys Arg Glu Ala Ala Pro Gly Asn His Gly Arg Ser Ala Gly Arg 1 5 10 15 Gly Trp Gly Ala Gly Ala Gly Gln 20 24 <210> 4 <211> 72 <212> DNA <213> Human <400> 4 ggtaaacgtg aagctgctcc gggtaaccac ggtcgttctg ctggtcgtgg ttggggtgct 60 ggtgctggtc ag 72 <210> 5 <211> 79 <212> PRT <213> Human <400> 5 Gly Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln 1 5 10 15 Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly 20 25 30 Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn 35 40 45 Ser Phe Gly Leu Arg Phe Cys Gly Lys Arg Glu Ala Ala Pro Gly Asn 50 54 55 56 60 His Gly Arg Ser Ala Gly Arg Gly Trp Gly Ala Gly Ala Gly Gln 65 70 75 79 <210> 6 <211> 237 <212> DNA <213> Human <400> 6 ggtacttctc tgtctccgcc gccggaatct tctggttctc gtcagcagcc gggtctgtct 60 gctccgcact ctcgtcagat cccggctccg cagggtgctg ttctggttca gcgtgaaaaa 120 gacctgccga actacaactg gaactctttc ggtctgcgtt tctgcggtaa acgtgaagct 180 gctccgggta accacggtcg ttctgctggt cgtggttggg gtgctggtgc tggtcag 237 <210> 7 <211> 237 <212> DNA <213> Human <400> 7 ggtacttctc tgtctccgcc gccggaatct tctggttctc gtcagcagcc gggtctgtct 60 gctccgcact ctcgtcagat cccggctccg cagggtgctg ttctggttca gcgtgaaaaa 120 gacctgccga actacaactg gaactctttc ggtctgcgtt tctgtggtaa acgtgaagct 180 gctccgggta accacggtcg ttctgctggt cgtggttggg gtgctggtgc tggtcag 237 <210> 8 <211> 42 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 8 ctttcggtct gcgtttctgc ggtaaacgtg aagctgctcc gg 42 <210> 9 <211> 47 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 9 gttacccgga gcagcttcac gtttaccgca gaaacgcaga ccgaaag 47 <210> 10 <211> 54 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 10 gtaaccacgg tcgttctgct ggtcgtggtt ggggtgctgg tgctggtcag tgag 54 <210> 11 <211> 53 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 11 gatcctcact gaccagcacc agcaccccaa ccacgaccag cagaacgacc gtg 53 <210> 12 <211> 96 <212> cDNA <213> <400> 12 ctttcggtct gcgtttctgc ggtaaacgtg aagctgctcc gggtaaccac ggtcgttctg 60 ctggtcgtgg ttggggtgct ggtgctggtc agtgag 96 <210> 13 <211> 149 <212> cDNA <400> 13 tatgggtact tctctgtctc cgccgccgga atcttctggt tctcgtcagc agccgggtct 60 gtctgctccg cactctcgtc agatcccggc tccgcagggt gctgttctgg ttcagcgtga 120 aaaagacctg ccgaactaca actggaact 149 <210> 14 <211> 245 <212> cDNA <400> 14 tatgggtact tctctgtctc cgccgccgga atcttctggt tctcgtcagc agccgggtct 60 gtctgctccg cactctcgtc agatcccggc tccgcagggt gctgttctgg ttcagcgtga 120 aaaagacctg ccgaactaca actggaactc tttcggtctg cgtttctgcg gtaaacgtga 180 agctgctccg ggtaaccacg gtcgttctgc tggtcgtggt tggggtgctg gtgctggtca 240 gtgag 245 <210> 15 <211> 145 <212> PRT <213> Human <400> 15 Met Asn Ser Leu Val Ser Trp Gln Leu Leu Leu Phe Leu Cys Ala Thr 1 5 10 15 His Phe Gly Glu Pro Leu Glu Lys Val Ala Ser Val Gly Asn Ser Arg 20 25 30 Pro Thr Gly Gln Gln Leu Glu Ser Leu Gly Leu Leu Ala Pro Gly Glu 35 40 45 Gln Ser Leu Pro Cys Thr Glu Arg Lys Pro Ala Ala Thr Ala Arg Leu 50 55 60 Ser Arg Arg Gly Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser 65 70 75 80 Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala 85 90 95 Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr 100 105 110 Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg Phe Gly Lys Arg Glu Ala Ala Pro 115 120 125 Gly Asn His Gly Arg Ser Ala Gly Arg Gly Trp Gly Ala Gly Ala Gly 130 135 140 Gln 145 <210> 16 <211> 152 <212> PRT <213> Mouse <400> 16 Met Tyr Leu Arg Phe Gly Val Asp Val Cys Ser Leu Ser Pro Trp Lys 5 10 15 Glu Thr Val Asp Leu Pro Leu Pro Pro Arg Met Ile Ser Met Ala Ser 20 25 30 Trp Gln Leu Leu Leu Leu Leu Cys Val Ala Thr Tyr Gly Glu Pro Leu 35 40 45 Ala Lys Val Ala Pro Gly Ser Thr Gly Gln Gln Ser Gly Pro Gln Glu 50 55 60 Leu Val Asn Ala Trp Glu Lys Glu Ser Arg Tyr Ala Glu Ser Lys Pro 65 70 75 80 Gly Ser Ala Gly Leu Arg Ala Arg Arg Ser Ser Pro Cys Pro Pro Val 85 90 95 Glu Gly Pro Ala Gly Arg Gln Arg Pro Leu Cys Ala Ser Arg Ser Arg 100 105 110 Leu Ile Pro Ala Pro Arg Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp 115 120 125 Leu Ser Thr Tyr Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg Tyr Gly Arg Arg 130 135 140 Gln Ala Ala Arg Ala Ala Arg Gly 145 150 <210> 17 <211> 156 <212> PRT <213> Mouse <400> 17 Met Tyr Leu Arg Phe Gly Val Asp Val Cys Ser Leu Ser Pro Trp Lys 5 10 15 Glu Thr Val Asp Leu Pro Leu Pro Pro Arg Met Ile Ser Met Ala Ser 20 25 30 Trp Gln Leu Leu Leu Leu Leu Cys Val Ala Thr Tyr Gly Glu Pro Leu 35 40 45 Ala Lys Val Ala Pro Leu Val Lys Pro Gly Ser Thr Gly Gln Gln Ser 50 55 60 Gly Pro Gln Glu Leu Val Asn Ala Trp Glu Lys Glu Ser Arg Tyr Ala 65 70 75 80 Glu Ser Lys Pro Gly Ser Ala Gly Leu Arg Ala Arg Arg Ser Ser Pro 85 90 95 Cys Pro Pro Val Glu Gly Pro Ala Gly Arg Gln Arg Pro Leu Cys Ala 100 105 110 Ser Arg Ser Arg Leu Ile Pro Ala Pro Arg Gly Ala Val Leu Val Gln 115 120 125 Arg Glu Lys Asp Leu Ser Thr Tyr Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg 130 135 140 Tyr Gly Arg Arg Gln Ala Ala Arg Ala Ala Arg Gly 145 150 155 <210> 18 <211> 130 <212> PRT <213> Rat <400> 18 Met Thr Ser Leu Ala Ser Trp Gln Leu Leu Leu Leu Leu Cys Val Ala 5 10 15 Ser Phe Gly Glu Pro Leu Ala Lys Met Ala Pro Val Val Asn Pro Glu 20 25 30 Pro Thr Gly Gln Gln Ser Gly Pro Gln Glu Leu Val Asn Ala Trp Gln 35 40 45 Lys Gly Pro Arg Tyr Ala Glu Ser Lys Pro Gly Ala Ala Gly Leu Arg 50 55 60 Ala Arg Arg Thr Ser Pro Cys Pro Pro Val Glu Asn Pro Thr Gly His 65 70 75 80 Gln Arg Pro Pro Cys Ala Thr Arg Ser Arg Leu Ile Pro Ala Pro Arg 85 90 95 Gly Ser Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Met Ser Ala Tyr Asn Trp 100 105 110 Asn Ser Phe Gly Leu Arg Tyr Gly Arg Arg Gln Val Ala Arg Ala Ala 115 120 125 Arg Gly 130 <210> 19 <211> 449 <212> DNA <213> Mouse <400> 19 atgtatctga gatttggcgt tgatgtctgc agcctgagtc cctggaagga gactgtagac 60 ctgccccttc ctcccagaat tctcaatggc ttcttggcag ctgctgcttc tcctctgtgt 120 cgccacctat ggggagccgc tggcaaaagt gaagcctgga cacaggccag cagtccggac 180 cccaggaact cgttaatgcc tgggaaaagg aatcgcggta tgcagagagc aagcctgggt 240 gcagggctgc gcgctcgtag gtcgtcgcca tgcccgccgg ttgagggccc cgcggggcgc 300 cagcggcccc tgtgtgcctc gcagtcgcct gatccctgcg ccccgcggag cggtgctggt 360 gcagcgggag aaggacctgt ccacctacaa ctggaactcc cggcctgcgc tacggcagga 420 ggcaggcggc gcgggcagca cggggctga 449 <210> 20 <211> 458 <212> DNA <213> Mouse <400> 20 atgtatctga gatttggcgt tgatgtctgc agcctgagtc cctggaagga gactgtagac 60 ctgccccttc ctcccagaat tctcaatggc ttcttggcag ctgctgcttc tcctctgtgt 120 cgccacctat ggggagccgc tggcaaaagt ggcacctttg gaagcctgga tccacaggcc 180 agcagtccgg accccaggaa ctcgttaatg cctgggaaaa ggaatcgcgg tatgcagaga 240 aagcctgggt ctgcagggct gcgcgctcgt aggtcgtcgc catgcccgcc ggttgagggc 300 cccgcggggc gccagcggcc tgtgtgcctc ccgcagtcgc ctgatccctg cgccccgcgg 360 agcggtgctg gtgcagcggg agaaggacct gtcgacctac ctggaactcc ttcggcctgc 420 gctacggcag gaggcaggcg gcgcgggcag cacggggc 458 <210> 21 <211> 390 <212> DNA <213> Rat <400> 21 atgacctcgc tggcttcttg gcagctgctg cttctcctct gtgtggcctc ttttggggag 60 ccactggcaa aaatggcacc tgtggtgaac cctgaaccca caggccaaca gtccggaccc 120 caggaactcg ttaatgcctg gcaaaagggc ccgcggtatg cagagagcaa gcctggggct 180 gcaggactgc gcgctcgccg aacatcgcca tgcccgccgg tggagaaccc cacggggcac 240 cagcggcccc cgtgtgccac ccgcagtcgc ctgatccctg cgccccgcgg atcggtgctg 300 gtgcagcgcg agaaggacat gtcagcctac aactggaact cctttggcct gcgctacggc 360 aggaggcagg tggcgcgggc ggcacggggc 390
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いられたDNAフラグメントを示
す。
【図2】実施例1で得られたプラスミドpTC2Met
C24の構築図を示す。
【図3】実施例5で得られたプラスミドpTC2Met
C24の構築図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 A61P 35/00 // A61K 38/00 C12P 21/02 C A61P 15/00 C12N 15/00 ZNAA 35/00 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA80 CA07 DA06 EA04 HA01 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 CD02 CD09 CD12 CD13 CE10 CE11 DA01 4B065 AA26X AA91Y AB01 BA02 BB03 BB12 BB15 BB29 BB37 BB39 BC03 CA24 CA44 4C084 AA06 BA22 CA53 CA56 CA59 ZA812 ZB262 4H045 AA10 AA20 BA20 BA41 CA40 EA20 FA16 FA74 GA23 GA25

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N末端にシステインを有する低分子ペプチ
    ドのN末端に、KiSS−1ペプチドを連結した融合蛋
    白質、ペプチドまたはその塩を該システイン残基のアミ
    ノ基側のペプチド結合の切断反応に付すことを特徴とす
    るKiSS−1ペプチドまたはその塩の製造法。
  2. 【請求項2】N末端にシステインを有する低分子ペプチ
    ドのN末端に、KiSS−1ペプチドを連結した融合蛋
    白質またはペプチドをコードするDNAを有するベクタ
    ーを保持する形質転換体を培養して融合蛋白質、ペプチ
    ドまたはその塩を発現させ、発現された融合蛋白質、ペ
    プチドまたはその塩を該システイン残基のアミノ基側の
    ペプチド結合の切断反応に付すことを特徴とするKiS
    S−1ペプチドまたはその塩の製造法。
  3. 【請求項3】製造されるKiSS−1ペプチドのC末端
    がアミドである請求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】切断反応がS−シアノ化反応、次いでアン
    モノリシスまたは加水分解反応に付す反応である請求項
    1または2記載の製造法。
  5. 【請求項5】KiSS−1ペプチドが配列番号:1で表
    されるアミノ酸配列を含有するペプチドである請求項1
    または2記載の製造法。
  6. 【請求項6】KiSS−1ペプチドが、配列番号:1
    で表されるアミノ酸配列のN末端から第40〜54番目
    からなるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号:
    1で表されるアミノ酸配列のN末端から第45〜54番
    目からなるアミノ酸配列を有するペプチド、配列番
    号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から第46〜5
    4番目からなるアミノ酸配列を有するペプチドまたは
    配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から第4
    7〜54番目からなるアミノ酸配列を有するペプチドで
    ある請求項1または2記載の製造法。
  7. 【請求項7】N末端にシステインを有する低分子ペプチ
    ドが、N末端にシステインを有し、約10〜約50個の
    アミノ酸残基からなるペプチドである請求項1または2
    記載の製造法。
  8. 【請求項8】低分子ペプチドが、KiSS−1ペプチド
    を含む前駆体蛋白質のC末端側の部分ペプチドであっ
    て、該KiSS−1ペプチドのC末端アミノ酸に隣接す
    るアミノ酸残基から始まるアミノ酸配列を有するペプチ
    ドである請求項1または2記載の製造法。
  9. 【請求項9】N末端にシステインを有する低分子ペプチ
    ドが、配列番号:3で表されるアミノ酸配列を含有し、
    そのN末端にシステイン残基が付加したペプチドである
    請求項1または2記載の製造法。
  10. 【請求項10】N末端にシステインを有する低分子ペプ
    チドが配列番号:3で表されるアミノ酸配列を含有し、
    そのN末端にシステイン残基が付加したペプチドであ
    り、KiSS−1ペプチドが配列番号:1で表されるア
    ミノ酸配列を有するペプチドであり、製造されるKiS
    S−1ペプチドのC末端がアミドである配列番号:1で
    表されるアミノ酸配列を有するペプチドである請求項1
    または2記載の製造法。
  11. 【請求項11】N末端にシステインを有する低分子ペプ
    チドのN末端に、KiSS−1ペプチドを連結した融合
    蛋白質、ペプチドまたはその塩。
  12. 【請求項12】配列番号:5で表わされるアミノ酸配列
    を含有する請求項11記載の融合蛋白質、ペプチドまた
    はその塩。
  13. 【請求項13】請求項11記載の融合蛋白質またはペプ
    チドをコードするDNAを含有するDNA。
  14. 【請求項14】配列番号:6で表される塩基配列また
    は配列番号:7で表される塩基配列を有する請求項1
    3記載のDNA。
  15. 【請求項15】請求項13記載のDNAを有するベクタ
    ー。
  16. 【請求項16】請求項15記載のベクターを含有する形
    質転換体。
  17. 【請求項17】FERM BP−7823で表示される
    エシュリヒア・コリMM294(DE3)/pTC2M
    etC24−1.3。
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