JP2003265019A

JP2003265019A - コンバイン

Info

Publication number: JP2003265019A
Application number: JP2002074688A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Yamazaki; 達也山崎; Atsuya Itohara; 敦也糸原
Original assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority date: 2002-03-18
Filing date: 2002-03-18
Publication date: 2003-09-24

Abstract

(57)【要約】【課題】機体停止後、前処理部に残っている茎稈を強
制的に掻き込むにあたり、強制掻込み用操作具の操作を
不要にしてオペレータの操作負担を軽減する。【解決手段】茎稈を刈り取って脱穀部３に供給する前
処理部２を、走行駆動系から独立した前処理駆動系によ
って駆動させると共に、該前処理駆動系を、常時は走行
駆動系に連動させるコンバイン１であって、該コンバイ
ン１は、機体停止後、前処理部２に茎稈が残っていると
き、前処理部２を自動的に継続駆動させる自動強制掻込
み機能を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、茎稈を刈り取って
脱穀部に供給する前処理部を、走行駆動系から独立した
前処理駆動系によって駆動させるコンバインの技術分野
に属するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、茎稈を刈り取って脱穀部に供給す
る前処理部を、走行駆動系から独立した前処理駆動系に
よって駆動させるコンバインが知られている。この種の
コンバインでは、前処理駆動系を、常時は走行駆動系に
連動させるものの、必要に応じて前処理駆動系を独立駆
動させることができ、例えば、機体停止後、前処理部に
茎稈が残っている場合は、前処理部を独立駆動させるこ
とにより、前処理部の残留茎稈を脱穀部に強制掻込みす
ることが可能になる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記強
制掻込みが可能な従来のコンバインにおいては、機体停
止後に、強制掻込み用操作具を操作する必要があるた
め、オペレータの操作負担が増加する不都合があり、ま
た、前処理部の停止タイミングをオペレータが判断する
ため、前処理部に茎稈が残ったり、無駄に前処理部を駆
動させる可能性がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、茎稈を刈り取って脱穀部に供給す
る前処理部を、走行駆動系から独立した前処理駆動系に
よって駆動させると共に、該前処理駆動系を、常時は走
行駆動系に連動させるコンバインであって、該コンバイ
ンは、機体停止後、前処理部に茎稈が残っているとき、
前処理部を自動的に継続駆動させる前処理継続駆動手段
を備えることを特徴とする。つまり、前処理部に茎稈が
残っているときは、機体停止後に自動的に強制掻込みが
実行されるため、強制掻込み用操作具の操作を不要にし
てオペレータの操作負担を軽減することができる。ま
た、前記前処理継続駆動手段は、機体が停止してから所
定のタイマ時間が経過するまで前処理部を継続駆動させ
ることを特徴とする。この場合においては、、前処理部
の継続駆動を適正なタイミングで停止させることができ
るため、前処理部に茎稈が残ったり、無駄に前処理部を
駆動させる不都合を解消することができる。また、前記
前処理継続駆動手段は、前処理部の所定位置で茎稈を検
出する茎稈検出センサがＯＦＦになるまで前処理部を継
続駆動させることを特徴とする。この場合においては、
前処理部の継続駆動を適正なタイミングで停止させるこ
とができるため、前処理部に茎稈が残ったり、無駄に前
処理部を駆動させる不都合を解消することができる。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、１はコンバ
インであって、該コンバイン１は、茎稈を刈取る前処理
部２と、刈取茎稈から穀粒を脱穀し、この穀粒を選別す
る脱穀部３と、選別済みの穀粒を貯溜する穀粒タンク４
と、脱穀済みの排稈を処理する後処理部５と、各種の操
作具が配設される操作部６と、クローラ式の走行部７と
を備えて構成される。

【０００６】前処理部２は、未刈茎稈を分草するデバイ
ダ８と、分草された茎稈を引き起す引起し装置９と、茎
稈の穂側および株元側を掻き込む掻込み装置１０と、茎
稈の株元位置を切断する刈刃装置１１と、刈取茎稈の株
元部を挟持搬送する株元搬送体１２と、該株元搬送体１
２の終端部で引き継いだ茎稈を脱穀部３まで搬送する扱
深さ搬送体１３とを備える。扱深さ搬送体１３には、茎
稈の株元側を搬送する株元チェン１４と、茎稈の穂側を
搬送する穂側搬送体１５とが並設される。これらを支え
る扱深さ搬送フレーム（図示せず）は、その搬送終端側
を支点として上下回動自在に支持されると共に、図示し
ない扱深さ調節用アクチュエータによって回動位置が調
節される。これにより、株元チェン１４が茎稈の適正位
置を挟持し、脱穀部３における茎稈の扱深さが最適化さ
れる。

【０００７】脱穀部３は、扱胴１６を内装する扱室１７
と、脱穀された穀粒を選別する選別室１８と、扱室１７
に沿って茎稈を搬送する脱穀フィードチェン１９と、脱
穀済みの排藁を後処理部５に向けて搬送する排藁搬送装
置２０とを備えて予めユニット状に構成され、機体組立
工程において機体フレーム２１上に搭載される。脱穀フ
ィードチェン１９は、複数の従動スプロケット２２およ
び単一の駆動スプロケット２３に対して懸回されてお
り、駆動スプロケット２３の回転に応じて搬送動作され
る。

【０００８】操作部６の下方には、脱穀部３、穀粒タン
ク４および走行部７に動力を供給するエンジン２４が搭
載される。穀粒タンク４は、伝動ベルト２５を介して入
力したエンジン動力でタンク内の螺旋搬送体（図示せ
ず）を駆動し、穀粒の排出を行う。走行部７は、伝動ベ
ルト２６を介して入力したエンジン動力を走行用無段変
速装置（走行駆動系）２７で変速し、トランスミッショ
ン（図示せず）を介して駆動輪に伝動する。脱穀部３
は、作業機クラッチ２８および伝動ベルト２９を介して
唐箕軸３０にエンジン動力を入力する。唐箕軸３０は、
入力したエンジン動力を、その右端部から処理胴３１、
扱胴１６および排藁搬送装置２０に伝動する一方、左端
部から選別室１８、排塵ファン３２および後処理部５に
伝動する。

【０００９】前処理部２および脱穀フィードチェン１９
の動力は、前処理用無段変速装置（前処理駆動系）３３
によって無段変速される。つまり、前処理用無段変速装
置３３は、唐箕軸３０から伝動ベルト３４を介して取り
出した動力を変速すると共に、変速した動力を、後述す
るギヤケース３５を介して前処理部２および脱穀フィー
ドチェン１９に伝動するように構成される。尚、本実施
形態の走行用無段変速装置２７および前処理用無段変速
装置３３は、可変容量油圧ポンプと、該可変容量油圧ポ
ンプの吐出油で回転駆動する固定容量油圧モータとを組
み合せた油圧式無段変速機構（ＨＳＴ）であり、可変容
量油圧ポンプの斜板操作（トラニオン軸操作）に応じて
無段階状の変速が行われる。

【００１０】ギヤケース３５は、その上端部に前処理用
無段変速装置３３を一体的に取り付けて構成される。前
処理用無段変速装置３３の出力は、ギヤケース３５に内
装される第１〜第４ギヤ３６〜３９を介して前処理出力
軸４０に伝動され、さらに、第５ギヤ４１および伝動チ
ェン４２を介してフィードチェン出力軸４３に伝動され
る。前処理出力軸４０の一端部には、前処理出力プーリ
４４が一体的に設けられており、該前処理出力プーリ４
４に懸回される伝動ベルト４５を介して前処理部２に動
力が伝動されると共に、その動力伝動が刈取クラッチ
（テンションアーム）４６によって断続される。また、
フィードチェン出力軸４３には、伝動軸４７が一体的に
連結されており、該伝動軸４７を介して脱穀フィードチ
ェン１９の駆動スプロケット２３に動力が伝動される。

【００１１】操作部６には、走行変速レバー（主変速レ
バー）４８が設けられている。走行変速レバー４８は、
図示しないリンク機構を介して走行用無段変速装置２７
のトラニオン軸に連繋されており、その操作に応じて走
行用無段変速装置２７の無段変速動作が行われる。走行
変速レバー４８の操作領域は、左右方向を向くニュート
ラル領域と、該ニュートラル領域の一端部から前方に延
出する前進無段変速領域と、ニュートラル領域の他端部
から後方に延出する後進無段変速領域とを備えており、
一本の走行変速レバー４８による前後進無段変速操作お
よび走行停止操作が可能になる。

【００１２】コンバイン１は、マイコン（ＣＰＵ、ＲＯ
Ｍ、ＲＡＭ等を含む）を用いて構成された制御部４９を
備えている。制御部４９の入力側には、扱深さ搬送体１
３において茎稈の有無を検出する扱深さメインセンサ５
０と、後述する自動強制掻込み機能をＯＮ／ＯＦＦする
自動強制掻込みスイッチ５１と、走行変速レバー４８の
握り部に設けられる手動強制掻込みスイッチ５２と、ト
ランスミッションの回転を検出するＴ／Ｍ回転センサ５
３と、前処理用無段変速装置３３の出力回転を検出する
ＨＳＴ回転センサ５４とが接続される一方、制御部４９
の出力側には、前処理用無段変速装置３３の斜板を動作
させるＨＳＴ駆動モータ５５が接続される。つまり、制
御部４９は、前処理部２（脱穀フィードチェン１９を含
む）の動作速度を、車速に比例するように無段変速する
車速同期制御、機体停止状態で前処理部２を駆動させ、
前処理部２の残留茎稈を強制的に脱穀部３に掻き込む強
制掻込み制御等の制御プログラムを備えており、以下、
本発明の要部である強制掻込み制御の制御手順をフロー
チャートに沿って説明する。

【００１３】強制掻込み制御においては、まず、手動強
制掻込みスイッチ５２のＯＮ／ＯＦＦを判断し、該判断
結果がＯＮの場合は、直ちに後述する強制掻込み出力を
実行し、前処理部２を強制掻込み動作させる。一方、手
動強制掻込みスイッチ５２がＯＦＦの場合は、Ｔ／Ｍ回
転センサ５３の検出値に基づいて走行状態を判断し、こ
こで走行中であると判断した場合は、自動掻込みフラグ
および掻込みタイマをリセットする一方、停止中である
と判断した場合は、さらに前回の走行状態を判断する。
そして、前回が走行中であり、且つ、扱深さメインセン
サ５０がＯＮである場合は、前処理部２に茎稈が残った
状態で機体が停止したと判断し、自動掻込みフラグに１
をセットすると共に、所定時間の掻込みタイマをセット
する。自動掻込みフラグに１がセットされた状態では、
掻込みタイマの終了を判断し、これが未終了である場合
は、強制掻込み出力を実行して前処理部２を強制掻込み
動作（継続駆動）させる一方、掻込みタイマが終了した
時点で自動掻込みフラグおよび掻込みタイマをリセット
し、前処理部２の強制掻込み動作を終了する。これによ
り、機体停止後、前処理部２に茎稈が残っていても、前
処理部２が所定時間に亘って自動的に継続駆動し、残っ
た茎稈が脱穀部３（または扱深さ搬送体１３）に取り込
まれることになる（自動強制掻込み機能）。上記強制掻
込み出力は、前処理部２が予め設定された強制掻込み速
度（ＨＳＴ設定回転）で動作するように前処理用無段変
速装置３３を変速制御する処理であって、まず、ＨＳＴ
設定回転と現在のＨＳＴ回転センサ値を比較し、これが
不感帯内である場合は、ＨＳＴ駆動モータ５５を停止さ
せる。また、ＨＳＴ設定回転が現在のＨＳＴ回転センサ
値未満である場合は、ＨＳＴ駆動モータ５５を減速側に
駆動させる一方、ＨＳＴ設定回転が現在のＨＳＴ回転セ
ンサ値以上である場合は、ＨＳＴ駆動モータ５５を増速
側に駆動させる。

【００１４】図１２は、自動強制掻込みの作用を示すタ
イミングチャートである。この図に示すように、強制掻
込み制御においては、機体停止後、前処理部２に茎稈が
残っている場合、前処理部２を掻込みタイマ時間Ｔだけ
継続駆動させる。タイマ時間Ｔは、扱深さメインセンサ
５０がＯＦＦになるまでの時間Ｔｓに拘わらず、その機
種に適した時間（例えば、Ｔ１、Ｔ２）を設定すること
ができる。また、上記実施形態の如く、強制掻込みの停
止条件をタイマとすることなく、扱深さメインセンサ５
０のＯＦＦに応じて強制掻込みを停止させるようにして
もよい。また、上記実施形態では、前処理部２における
茎稈の有無検出に既存の扱深さメインセンサ５０を利用
しているが、別途設けられる茎稈検出センサによって茎
稈の有無を検出するようにしてもよい。

【００１５】叙述の如く構成されたものにおいて、茎稈
を刈り取って脱穀部３に供給する前処理部２を、走行駆
動系から独立した前処理駆動系によって駆動させると共
に、該前処理駆動系を、常時は走行駆動系に連動させる
コンバイン１であって、該コンバイン１は、機体停止
後、前処理部２に茎稈が残っているとき、前処理部２を
自動的に継続駆動させる自動強制掻込み機能（前処理継
続駆動手段）を備えるため、従来の強制掻込み操作を不
要にし、オペレータの操作負担を軽減することができ
る。

【００１６】また、機体が停止してから所定のタイマ時
間Ｔが経過するまで前処理部２を継続駆動させるため、
前処理部２の継続駆動を適正なタイミングで停止させる
ことができ、その結果、前処理部２に茎稈が残ったり、
無駄に前処理部２を駆動させる不都合を解消することが
できる。

【００１７】また、前処理部２の所定位置で茎稈を検出
する扱深さメインセンサ５０がＯＦＦになるまで前処理
部２を継続駆動させるようにしてもよく、この場合にお
いても、前処理部２の継続駆動を適正なタイミングで停
止させることができる。

【００１８】尚、本発明は、前記実施形態に限定されな
いことは勿論であって、例えば、強制掻込み動作（継続
駆動）は、機体停止に伴って前処理部２の駆動を一旦停
止させた後に行うようにしてもよいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの右側面図である。

【図２】コンバインの内部を示す左側面図である。

【図３】コンバインの内部を示す平面図である。

【図４】コンバインの内部を示す正面図である。

【図５】前処理部の側面図である。

【図６】ギヤケースの縦断面図である。

【図７】コンバインの動力伝動構造を示す伝動回路図で
ある。

【図８】操作部の斜視図である。

【図９】制御部の入出力を示すブロック図である。

【図１０】強制掻込み制御のフローチャートである。

【図１１】強制掻込み出力のフローチャートである。

【図１２】自動強制掻込みの作用を示すタイミングチャ
ートである。

【符号の説明】

１コンバイン２前処理部３脱穀部６操作部７走行部１３扱深さ搬送体１９脱穀フィードチェン２７走行用無段変速装置３３前処理用無段変速装置３５ギヤケース４８走行変速レバー４９制御部５０扱深さメインセンサ５１自動強制掻込みスイッチ５２手動強制掻込みスイッチ５３Ｔ／Ｍ回転センサ５５ＨＳＴ駆動モータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2B076 AA03 BA07 CA19 CC02 DA02 DA05 DA15 EA03 EC09 EC11 EC23 ED06 ED09 ED18 ED25

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】茎稈を刈り取って脱穀部に供給する前処
理部を、走行駆動系から独立した前処理駆動系によって
駆動させると共に、該前処理駆動系を、常時は走行駆動
系に連動させるコンバインであって、該コンバインは、
機体停止後、前処理部に茎稈が残っているとき、前処理
部を自動的に継続駆動させる前処理継続駆動手段を備え
ることを特徴とするコンバイン。
【請求項２】請求項１において、前記前処理継続駆動
手段は、機体が停止してから所定のタイマ時間が経過す
るまで前処理部を継続駆動させることを特徴とするコン
バイン。
【請求項３】請求項１において、前記前処理継続駆動
手段は、前処理部の所定位置で茎稈を検出する茎稈検出
センサがＯＦＦになるまで前処理部を継続駆動させるこ
とを特徴とするコンバイン。