JP2003263962A - 電界放出型表示装置用の前面板およびその製造方法 - Google Patents

電界放出型表示装置用の前面板およびその製造方法

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JP2003263962A JP2002066444A JP2002066444A JP2003263962A JP 2003263962 A JP2003263962 A JP 2003263962A JP 2002066444 A JP2002066444 A JP 2002066444A JP 2002066444 A JP2002066444 A JP 2002066444A JP 2003263962 A JP2003263962 A JP 2003263962A
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Shinzo Hirata
晋三 平田
Kazuyoshi Togashi
和義 富樫
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性の高い電界放出型表示装置を可能とす
る電界放出型表示装置用の前面板と、そのような前面板
の製造方法を提供する。 【解決手段】 電気絶縁性の透明基板の一方の面に、複
数の画素用開口部を有する導電性のブラックマトリック
スを備え、画素用開口部内の透明基板上に蛍光体層を備
え、ブラックマトリックスは画素用開口部間の所定の位
置に略枠形状の障壁用開口部を有し、この障壁用開口部
内のブラックマトリックスパターン上に形成されている
複数の障壁を備え、この障壁は底部の周縁部を障壁用開
口部内に位置させ非固着状態とされる構造の電界放出型
表示装置用の前面板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界放出型表示装置
に用いる前面板と、その前面板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放出型表示装置(フィールドエミッ
ションディスプレー(FED))は、通常、ガラス基板
上に電子放出素子であるエミッタ電極と、これに直交す
るように絶縁体層を介して設けられたゲート電極(引出
電極)とを備えた背面板(カソード基板)と、ガラス基
板上にアノード電極と、このアノード電極上に形成され
た蛍光体層とを備えた前面板(アノード基板)とを、ス
ペーサ部材を介して両基板間を真空状態にして対向させ
た構造を有している。そして、エミッタ電極とゲート電
極間に所定の電圧を印加し、同時にエミッタ電極とアノ
ード電極間に所定の電圧を印加して、エミッタ電極から
電子を引き出し、この電子をアノード電極に衝突させて
蛍光体層を発光させて画像表示するものである。
【0003】このようなFEDでは、エミッタ電極から
引き出された電子や、その電子が前面板のアノード電極
に衝突して蛍光体層を発光させる際に発生する2次電子
の散乱よって、隣接するセルの蛍光体層が不必要に発光
するのを防止する必要がある。このため、例えば、ポリ
イミド樹脂等を用いてフォトリソグラフィーにより高さ
数十μmのパターンを前面板の各セル間に形成し、この
パターンの表面に金属薄膜を形成して導電性を有する障
壁とすることにより、エミッタ電極から引き出された電
子ビームの散乱電子や上記2次電子の飛翔を阻止して、
不必要な発光を防止することが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前面板に上述
のような障壁を備える従来のFEDでは、動作時に電子
線によって障壁からガスが放出され、真空度の低下、背
面板の電極劣化、蛍光体層の劣化等が生じ、信頼性低下
の原因となっていた。また、前面板の蛍光体層形成工程
において、障壁材料の耐熱性が低いために加熱温度に限
界があり、使用できる蛍光材料に制限があったり、所望
の特性の蛍光体層が得られないという問題もあった。さ
らに、電気絶縁性のポリイミド等の樹脂からなる従来の
障壁は、飛翔する2次電子等の衝突によるチャージアッ
プ防止のために、上述のように金属薄膜の形成が必須と
なり、形成工程が複雑であるという問題があった。ま
た、上記の問題を解消するために、金属を用いて導電性
を有する障壁を形成することが考えられるが、ガラス基
板と金属の障壁との熱膨張率の差などからガラス基板と
障壁との間に熱歪みが発生し、ガラス基板の亀裂発生
や、障壁の剥離等の欠陥が生じるという問題があった。
【0005】本発明は上述のような実情に鑑みてなされ
たものであり、信頼性の高い電界放出型表示装置を可能
とする電界放出型表示装置用の前面板と、そのような前
面板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の電界放出型表示装置用の前面板は、
電気絶縁性の透明基板と、該透明基板の一方の面に形成
され複数の画素用開口部を有する導電性のブラックマト
リックスと、無機導電性材料からなる複数の障壁と、前
記画素用開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層と
を備え、前記ブラックマトリックスは前記画素用開口部
間の所定の位置に略枠形状の障壁用開口部を有し、該障
壁用開口部内のブラックマトリックスパターン上に前記
障壁が該底部の周縁部を前記障壁用開口部内に位置させ
非固着状態とするように配設されているような構成とし
た。
【0007】また、本発明の電界放出型表示装置用の前
面板は、電気絶縁性の透明基板と、該透明基板の一方の
面に形成されたブラックマトリックスと導電性薄膜層と
の積層体であり、複数の画素用開口部を有する積層パタ
ーンと、無機導電性材料からなる複数の障壁と、前記画
素用開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層とを備
え、前記積層パターンは前記画素用開口部間の所定の位
置に略枠形状の障壁用開口部を有し、該障壁用開口部内
の積層パターン上に前記障壁が該底部の周縁部を前記障
壁用開口部内に位置させ非固着状態とするように配設さ
れているような構成とした。
【0008】また、本発明の電界放出型表示装置用の前
面板は、電気絶縁性の透明基板と、該透明基板の一方の
面に形成され複数の画素用開口部を有するブラックマト
リックスと、該ブラックマトリックス上に形成された導
電性薄膜層と、無機導電性材料からなる複数の障壁と、
前記画素用開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層
とを備え、前記導電性薄膜層は前記画素用開口部間の所
定の位置に略枠形状の障壁用開口部を有し、該障壁用開
口部内の導電性薄膜層パターン上に前記障壁が該底部の
周縁部を前記ブラックマトリックスに密着させるように
配設され、障壁とブラックマトリックスとの密着性は、
障壁と導電性薄膜層パターンとの密着性よりも低いよう
な構成とした。
【0009】さらに、本発明の電界放出型表示装置用の
前面板は、前記障壁を構成する無機導電性材料は、ニッ
ケル、コバルト、銅、鉄、金、銀、ロジウム、パラジウ
ム、スズ、モリブデン、クロム、タングステン、白金お
よび亜鉛からなる金属群のなかの1種または2種以上の
組み合わせ、前記金属群のなかの2種以上の金属からな
る合金、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウ
ム亜鉛、アンチモンドープの酸化スズ、インジウムまた
はアンチモンドープの酸化チタン、酸化ルテニウム、イ
ンジウムまたはアンチモンドープの酸化ジルコニウムか
らなる金属酸化物群のなかの1種または2種以上の組み
合わせ、のいずれかであるような構成とした。
【0010】本発明の電界放出型表示装置用前面板の製
造方法は、複数の画素用開口部と、該画素用開口部間の
所定の位置に略枠形状の障壁用開口部を有する導電性の
ブラックマトリックスのパターンを電気絶縁性の透明基
板の一方の面に形成する工程と、前記障壁用開口部内の
ブラックマトリックスパターンと、該ブラックマトリッ
クスパターンの周囲の透明基板とを露出させるように、
レジストパターンを形成する工程と、前記レジストパタ
ーンをマスクとして、前記障壁用開口部内のブラックマ
トリックスパターン上に無機導電性材料を析出させて、
底部の周縁部が前記障壁用開口部内に位置して非固着状
態である障壁を形成し、その後、前記レジストパターン
を除去する工程と、を有するような構成とした。
【0011】また、本発明の電界放出型表示装置用前面
板の製造方法は、ブラックマトリックス上に導電性薄膜
層が積層された積層体からなり、複数の画素用開口部
と、該画素用開口部間の所定の位置に略枠形状の障壁用
開口部を有する積層パターンを、電気絶縁性の透明基板
の一方の面に形成する工程と、前記障壁用開口部内の前
記積層パターンと、該積層パターンの周囲の透明基板と
を露出させるように、レジストパターンを形成する工程
と、前記レジストパターンをマスクとして、前記障壁用
開口部内の前記積層パターン上に無機導電性材料を析出
させて、底部の周縁部が前記障壁用開口部内に位置して
非固着状態である障壁を形成し、その後、前記レジスト
パターンを除去する工程と、を有するような構成とし
た。
【0012】また、本発明の電界放出型表示装置用前面
板の製造方法は、複数の画素用開口部を有するブラック
マトリックスと、該ブラックマトリックス上に積層され
前記画素用開口部間の所定の位置に略枠形状の障壁用開
口部を有する導電性薄膜層とからなる積層パターンを電
気絶縁性の透明基板の一方の面に形成する工程と、前記
障壁用開口部内の前記導電性薄膜層のパターンと、該導
電性薄膜層パターンの周囲のブラックマトリックスとを
露出させるように、レジストパターンを形成する工程
と、前記レジストパターンをマスクとして、前記障壁用
開口部内の前記導電性薄膜層とブラックマトリックス上
に、ブラックマトリックスとの密着性が導電性薄膜層パ
ターンとの密着性よりも低いような無機導電性材料を析
出させて、底部の周縁部が前記障壁用開口部内のブラッ
クマトリックスに密着した障壁を形成し、その後、前記
レジストパターンを除去する工程と、を有するような構
成とした。
【0013】上記のような本発明では、製造時の加熱処
理や動作時において加熱された障壁が冷却されるとき
に、最も収縮量が大きい障壁の底部の周縁部が、透明基
板に対して非固着状態、あるいは、ブラックマトリック
スに弱い密着力で密着した状態にあるので、障壁の底部
の周縁部の動きによる応力が空間、あるいは、ブラック
マトリックスに放散され、障壁の加熱時あるいは冷却時
に透明基板に作用する応力が小さなものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、詳述する。電界放出型表示装置用前面板 図1は、本発明の電界放出型表示装置用前面板の一実施
形態を示す部分平面図であり、図2は、図1に示される
電界放出型表示装置用前面板のA−A線における縦断面
図である。図1および図2において、電界放出型表示装
置用前面板1は、透明基板2と、この透明基板2の一方
の面に形成されたブラックマトリックス3と、蛍光体層
6と、障壁7とを備えている。
【0015】ブラックマトリックス3は、複数の画素用
開口部4を有しており、この画素用開口部4内の透明基
板2上に蛍光体層6が形成されている。また、ブラック
マトリックス3は、隣接する各画素用開口部4間の部位
のうち、幅方向(図面矢印a方向)の部位の所定の位置
に略枠形状の障壁用開口部5を有している。そして、ブ
ラックマトリックス3のうち、この複数の障壁用開口部
5内のブラックマトリックスパターン3′上に障壁7が
形成され、この障壁7は、その底部7aの周縁部7a′
を障壁用開口部5内に位置させ非固着状態となってい
る。図3は、図1に示される電界放出型表示装置用前面
板から障壁7を取り去った状態を示す部分平面図であ
り、ブラックマトリックス3およびブラックマトリック
スパターン3′には斜線を付している。尚、図示例で
は、障壁7の周縁部7a′が透明基板2に接触した状態
となっているが、周縁部7a′が透明基板2から離間し
ていてもよい。本発明の前面板1を構成する透明基板2
としては、従来から電界放出型表示装置に用いられてい
るようなガラス基板、石英基板等を使用することがで
き、厚みは0.5〜3.0mm程度とすることができ
る。
【0016】ブラックマトリックス3は、電界放出型表
示装置における画像表示時のコントラスト向上が目的で
あるため低反射率の黒色膜とし、本実施形態では、各障
壁7の導通回路の作用もなし、さらに、アノード基板で
ある前面板1全体を同電位とするための導通回路の作用
を兼ねるため、導電性を有する薄膜とする。このブラッ
クマトリックス3は、例えば、クロムの単層構造、クロ
ムと酸化クロムとの2層あるいは3層構造等とすること
ができ、厚みは0.04〜0.2μmの範囲で設定する
ことができる。このようなブラックマトリックス3は、
通常、所望の金属材料(クロム、ニッケル、アルミニウ
ム、モリブデン等や、それらの合金)や金属酸化物材料
(酸化クロム、窒化クロム等)を用いて、真空蒸着法や
スパッタリング法等の薄膜成膜工程により透明基板2上
に薄膜を形成し、この薄膜上にマスクパターンを形成し
てエッチングにより画素用開口部4および障壁用開口部
5を形成してパターニングすることにより作成すること
ができる。また、黒色顔料、銀等の導電性粒子、ガラス
フリット等を含有する感光性黒色導電ペーストを用いて
薄膜を形成し、これを所定のパターンで露光し現像し、
焼成して有機成分を除去することにより作成することも
できる。
【0017】ブラックマトリックス3の画素用開口部4
の大きさ、形成ピッチ等は、背面板のゲート電極間に露
出している電子放出素子(エミッタ電極)の長さ、電子
放出素子の形成ピッチ、ゲート電極の形成ピッチ等に対
応して適宜設定することができる。尚、画素用開口部4
の形状は、図示例では長方形であるが、これに限定され
るものではなく、多角形、楕円形等、適宜設定すること
ができる。
【0018】また、ブラックマトリックス3の障壁用開
口部5の大きさ、形状は、上記の画素用開口部4間の面
積や形状等に応じて適宜設定することができる。図示例
では、障壁用開口部5は、障壁用開口部5内のブラック
マトリックスパターン3′の導通をとるための導通部3
aを残すように形成された1組のコ字型の開口部5a、
5bからなっている。図示のような障壁用開口部5は、
開口幅(図2、図3にwで示される幅)が10〜100
μm程度の範囲となるように設定することができる。ま
た、障壁用開口部5内のブラックマトリックスパターン
3′の形状、寸法は、障壁7の材質とともに、障壁7の
変形応力による透明基板2の亀裂発生の起因となるもの
であり、ブラックマトリックスパターン3′の面積が大
きい程、亀裂等が発生し易くなるので、ブラックマトリ
ックスパターン3′の長さは、最大で画素用開口部4の
長辺方向の長さよりも15μm長い範囲までとし、好ま
しくは画素用開口部4の長辺方向の長さ以下となるよう
に設定し、ブラックマトリックスパターン3′の幅は、
5〜45μm程度の範囲となるように設定することがで
きる。図示例では、障壁用開口部5の形状は、ブラック
マトリックスパターン3′が幅の狭い長方形となるよう
な形状であるが、これに限定されるものではない。例え
ば、ブラックマトリックスパターン3′の形状が多角
形、両端部側が幅広となる形状、画素用開口部4の長さ
方向に長い楕円形状等、画素用開口部4の形状等を考慮
しながら適宜設定することができる。また、障壁用開口
部5内のブラックマトリックスパターン3′の導通をと
るための導通部3aの数は特に制限はなく、導通部3a
の形成部位は、ブラックマトリックスパターン3′の隅
部を除外すべきである他は、特に制限はない。
【0019】前面板1を構成する蛍光体層6は、図示例
では、赤色発光性の蛍光体層6R、緑色発光性の蛍光体
層6G、青色発光性の蛍光体層6Bからなり、通常、フ
ォトリソグラフィーによって画素用開口部4内の透明基
板2上に形成される。使用する蛍光体としては特に制限
はなく、従来から電界放出型表示装置に使用されている
蛍光体を使用することができる。具体的には、赤色発光
性の蛍光体としてY23:Eu、Y2SiO5:Eu、Y
3Al512:Eu、ScBO3:Eu、Zn3(P
4)2:Mn、YBO3:Eu、(Y,Gd)BO3:E
u、GdBO3:Eu、LuBO3:Eu、Y22S:E
u、SnO2:Eu等が挙げられ、緑色発光性の蛍光体
として、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、
BaAl1219:Mn、YBO3:Tb、BaMgAl
1423:Mn、LuBO3:Tb、GbBO3:Tb、S
cBO3:Tb、Sr6Si33Cl4:Eu、ZnBa
4:Mn、ZnS:Cu,Al、ZnO:Zn、Gd2
2S:Tb、ZnGa24:Mn、ZnS:Cu,A
u,Al等が挙げられ、さらに、青色発光性の蛍光体と
して、Y2SiO5:Ce、CaWO4:Pb、BaMg
Al1423:Eu、ZnS:Ag、ZnMgO、ZnG
aO4 、ZnS:Ag等が挙げられる。
【0020】前面板1を構成する障壁7は、隣接する画
素用開口部4の長辺に挟まれた部位に形成された障壁用
開口部5内のブラックマトリックスパターン3′上に形
成されている。そして、上述したように、障壁7は、そ
の底部7aの周縁部7a′を障壁用開口部5内に位置さ
せ非固着状態となっている。この障壁7の材質は、無機
導電性材料であり、例えば、ニッケル、コバルト、銅、
鉄、金、銀、ロジウム、パラジウム、スズ、モリブデ
ン、クロム、タングステン、白金および亜鉛からなる金
属群のなかの1種または2種以上の組み合わせ、上記の
金属群のなかの2種以上の金属からなる合金、酸化イン
ジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IX
O)、酸化スズ(SnO2)、アンチモンドープの酸化
スズ、インジウムまたはアンチモンドープの酸化チタン
(TiO2)、酸化ルテニウム(RuO2)、インジウム
またはアンチモンドープの酸化ジルコニウム(Zr
2)からなる導電性の金属酸化物群のなかの1種また
は2種以上の組み合わせが好ましい。
【0021】また、障壁7を構成する無機導電性材料と
して、比較的低膨張率の金属との合金を使用すること、
あるいは、障壁7に無機導電性材料の熱膨張率よりも小
さい熱膨張率をもつ粒子を含有させることもできる。こ
のような粒子を含有した障壁7は、無機導電性材料から
なる母相中に低熱膨張率の金属や無機物、耐熱性のある
有機物等を分散させためっき液を用いた分散めっき法に
より形成することができる。例えば、ニッケルが母相で
ある場合、鉄やSiO2やSiN、ポリテトラフルオロ
エチレン(商品名テフロン)等が分散相として好まし
い。上記のような障壁7における粒子の含有率は、使用
する分散相の熱膨張率、導電性等を考慮して設定するこ
とができ、含有率の上限は20重量%程度が好ましい。
【0022】障壁7の高さは20〜100μmの範囲で
設定することができる。また、障壁7の横断面(透明基
板2の表面に平行な断面)形状は、障壁用開口部5内の
ブラックマトリックスパターン3′の形状に相似したも
のとしてもよく、あるいは、、後述する製造方法におい
て、レジストパターンの開口部形状を適宜設定すること
により、障壁7の横断面形状は所望のものとすることが
できる。また、障壁7の長さは画素用開口部4の長辺方
向の長さと同等、もしくは、−5μmから+20μm程
度の範囲で設定することができ、幅は10〜50μmの
範囲で設定することができる。図示例では、障壁7の形
状は幅の狭い直方体形状であるが、これに限定されるも
のではなく、例えば、横断面(透明基板2の表面に平行
な断面)形状が多角形、両端部側が幅広となる形状等、
画素用開口部4の形状(画素用開口部4間のブラックマ
トリックスの形状)等を考慮しながら適宜設定すること
ができる。
【0023】上述のような本発明の電界放出型表示装置
用の前面板1は、障壁7の底部7aの周縁部7a′が、
透明基板2に対して非固着状態にあり、周縁部7a′に
熱応力やめっき応力が集中しても、周縁部7a′が透明
基板2に応力を及ぼすことなく変形することができ、透
明基板2への応力集中が抑制され、透明基板2の亀裂発
生や障壁7の剥離が防止され、前面板1の耐久性が高い
ものとなる。
【0024】また、本発明の電界放出型表示装置用の前
面板1は、従来の前面板と異なりアノード電極のパター
ン形成がないため製造が容易である。そして、前面板1
を構成する導電性のブラックマトリックス3と複数の障
壁7がすべて同電位(アノード電位)となり、後述する
ような本発明の前面板を用いた電界放出型表示装置で
は、背面板のゲート電極によって電子放出素子(エミッ
タ電極)から引き出された電子ビームが、対応するブラ
ックマトリックス3の画素用開口部4に位置する蛍光体
層6に衝突して蛍光体層6を発光させ、表示が行なわれ
る。この際に放出される2次電子や、電子放出素子(エ
ミッタ電極)から引き出された電子ビームの散乱電子
は、障壁7に吸収されて飛翔が阻止され、電子を吸収し
た障壁7の電荷はブラックマトリックスパターン3′、
導通部3aを介してブラックマトリックス3に分散する
ので、障壁7のチャージアップが防止される。さらに、
本発明の前面板を用いた電界放出型表示装置では、動作
中に障壁7からのガス放出が発生することがない。尚、
本発明では、蛍光体層を形成するだけで前面板として使
用できる状態のものも、電界放出型表示装置用の前面板
とする。
【0025】図4は、本発明の電界放出型表示装置用の
前面板の他の実施形態を示す部分平面図であり、図5
は、図4に示される電界放出型表示装置用前面板のB−
B線における縦断面図である。図4および図5におい
て、電界放出型表示装置用前面板11は、透明基板12
と、この透明基板12の一方の面に形成されたブラック
マトリックス13と導電性薄膜層19との積層パターン
18と、蛍光体層16と、障壁17とを備えている。
【0026】ブラックマトリックス13と導電性薄膜層
19との積層パターン18は、複数の画素用開口部14
を有しており、この画素用開口部14内の透明基板12
上に蛍光体層16が形成されている。また、ブラックマ
トリックス13と導電性薄膜層19との積層パターン1
8は、上記の隣接する各画素用開口部14間の部位のう
ち、幅方向(図示矢印a方向)の部位の所定の位置に略
枠形状の障壁用開口部15を有している。そして、ブラ
ックマトリックス13と導電性薄膜層19との積層パタ
ーン18のうち、この複数の障壁用開口部15内のブラ
ックマトリックスパターン13′と導電性薄膜層パター
ン19′との積層パターン18′上に障壁17が形成さ
れ、この障壁17は、その底部17aの周縁部17a′
を障壁用開口部15内に位置させ非固着状態となってい
る。図示例では、障壁17の周縁部17a′が透明基板
12に接触した状態となっているが、周縁部17a′が
透明基板12から離間していてもよい。
【0027】上記の導電性薄膜層19は、ブラックマト
リックス13と同じパターンであり、障壁用開口部15
内の導電性薄膜層パターン19′が透明基板12と障壁
17との間の熱歪みを防止したり吸収する特性を有する
材料で導電性薄膜層19を形成することができる。例え
ば、熱膨張率が透明基板12と障壁17の熱膨張率のほ
ぼ中間であるような材料、延び率が障壁17の延び率よ
りも大きい材料、ヤング率が障壁17のヤング率よりも
小さい材料等を用いて形成することができる。したがっ
て、障壁17がニッケルで形成されている場合、金、
銀、銅等を用いて導電性薄膜層19を形成することが好
ましい。導電性薄膜層19は、上記の材料の1種あるい
は2種以上からなる1層構造であってもよく、さらに、
多層構造であってもよい。尚、多層構造の場合、上層側
(障壁17側)の層の大きさが下層と同等あるいは小さ
くなることを条件に、各層の大きさ、パターンが異なっ
てもよい。導電性薄膜層19の厚みは、使用する材料、
透明基板と障壁の特性等を考慮して、熱歪み防止効果が
充分に得られるように設定することができ、例えば、1
〜5μm程度とすることができる。
【0028】また、上記の導電性薄膜層19の他の作用
として、障壁17を後述するような電解めっき法で形成
する場合を考慮し、ブラックマトリックス13の表面の
酸化防止や、導電性向上等の作用が挙げられる。さら
に、障壁17形成時のレジストパターンやめっき膜(障
壁)との密着性を向上させる作用もある。例えば、ブラ
ックマトリックス13が、透明基板12側から酸化クロ
ム、クロムの2層構造であり、障壁17の無機導電性材
料としてニッケルを選択した場合、ブラックマトリック
ス13の表面層であるクロムは、レジストパターンやニ
ッケルめっき膜との密着性が低い。この場合、例えば、
ブラックマトリックス13の表面クロム層上にニッケル
薄膜、金薄膜の順に積層された2層構造の導電性薄膜層
19を真空蒸着法やスパッタリング法等により形成する
ことによって、上記の問題を解消するとともに熱歪みを
防止し、かつ、電解めっき時のカソードとしてのブラッ
クマトリックス13の導電性も向上させることができ
る。
【0029】上述のような本発明の電界放出型表示装置
用の前面板11は、障壁17の底部17aの周縁部17
a′が、透明基板12に対して非固着状態にあり、周縁
部17a′に熱応力やめっき応力が集中しても、この周
縁部17a′が透明基板12に応力を及ぼすことなく変
形することができ、透明基板12への応力集中が抑制さ
れ、透明基板12の亀裂発生や障壁7の剥離が防止さ
れ、前面板11の耐久性が高いものとなる。尚、この電
界放出型表示装置用前面板11は、導電性薄膜層19を
ブラックマトリックス13上に備えている点を除いて、
上述の電界放出型表示装置用の前面板1と同様であり、
透明基板12、ブラックマトリックス13、画素用開口
部14、障壁用開口部15、蛍光体層16、障壁17
は、上述の電界放出型表示装置用前面板1の各対応部材
と同じである。ただし、上述の電界放出型表示装置用の
前面板1では、ブラックマトリックス3が各障壁7の導
通回路の作用をなし、さらに、アノード基板である前面
板1全体を同電位とするための導通回路の作用を兼ねる
ため、導電性を有することが必要であるが、電界放出型
表示装置用前面板11では、導電性薄膜層19がブラッ
クマトリックス13上に形成されており、この導電性薄
膜層19が上記の導通作用をなすことができるので、ブ
ラックマトリックス13は、電気絶縁性のものであって
もよい。
【0030】図6は、本発明の電界放出型表示装置用の
前面板の他の実施形態を示す部分平面図であり、図7
は、図6に示される電界放出型表示装置用前面板のC−
C線における縦断面図である。図6および図7におい
て、電界放出型表示装置用前面板21は、透明基板22
と、この透明基板22の一方の面に形成された導電性の
ブラックマトリックス23と、ブラックマトリックス2
3上に所定のパターンで形成された導電性薄膜層28
と、蛍光体層26と、障壁27とを備えている。
【0031】ブラックマトリックス23は、複数の画素
用開口部24を有しており、この画素用開口部24内の
透明基板22上に蛍光体層26が形成されている。ま
た、導電性薄膜層28は、このブラックマトリックス2
3上に形成され、さらに、上記の隣接する各画素用開口
部24間の部位のうち、幅方向(図示の矢印a方向)の
部位の所定の位置に枠形状の障壁用開口部25を有して
いる。そして、この複数の障壁用開口部25内の導電性
薄膜層パターン28′上に障壁27が形成され、この障
壁27は、その底部27aの周縁部27a′を障壁用開
口部25内のブラックマトリックス23に密着させ、そ
れ以外の底部27aを導電性薄膜層パターン28′に密
着させた状態となっている。図8は、図6に示される電
界放出型表示装置用前面板から障壁27を取り去った状
態を示す部分平面図であり、導電性薄膜層28、導電性
薄膜層パターン28′には斜線を付している。本発明の
前面板21を構成する透明基板22としては、上述の透
明基板2と同様とすることができる。
【0032】ブラックマトリックス23は、電界放出型
表示装置における画像表示時のコントラスト向上が目的
であるため低反射率の黒色膜とし、本実施形態では、各
障壁27の導通回路の作用もなし、さらに、アノード基
板である前面板21全体を同電位とするための導通回路
の作用を兼ねるため、導電性を有する薄膜とする。この
ブラックマトリックス23は、例えば、クロムの単層構
造、クロムと酸化クロムとの2層あるいは3層構造等と
することができ、厚みは0.04〜0.2μmの範囲で
設定することができる。ブラックマトリックス23の画
素用開口部24の大きさ、形成ピッチ等は、背面板のゲ
ート電極間に露出している電子放出素子(エミッタ電
極)の長さ、電子放出素子の形成ピッチ、ゲート電極の
形成ピッチ等に対応して適宜設定することができる。
尚、画素用開口部24の形状は、図示例では長方形であ
るが、これに限定されるものではなく、多角形、楕円形
等、適宜設定することができる。
【0033】前面板21を構成する蛍光体層26は、図
示例では、赤色発光性の蛍光体層26R、緑色発光性の
蛍光体層26G、青色発光性の蛍光体層26Bからな
り、この蛍光体層26は、上述の前面板1の蛍光体層6
と同様とすることができる。本発明の前面板21を構成
する導電性薄膜層28は、上述のように、ブラックマト
リックス23上に形成され、かつ、上記の画素用開口部
24の間の部位の所定の位置に枠形状の障壁用開口部2
5を有している。
【0034】導電性薄膜層28の障壁用開口部25の大
きさ、形状は、上記のブラックマトリックス23の画素
用開口部4間の面積、形状等に応じて適宜設定すること
ができ、導電性薄膜層28の厚みは、使用する材料、透
明基板と障壁の特性等を考慮して設定することができ、
例えば、1〜5μm程度とすることができる。図示例で
は、障壁用開口部25は、回廊形状の枠型となってい
る。図示のような障壁用開口部25は、開口幅(図7、
図8にwで示される幅)が10〜100μm程度の範囲
となるように設定することができる。また、障壁用開口
部25内の導電性薄膜層パターン28′の形状、寸法
は、障壁27の材質とともに、障壁27の変形応力によ
る透明基板22の亀裂発生の起因となるものであり、導
電性薄膜層パターン28′の面積が大きい程、亀裂等が
発生し易くなるので、導電性薄膜層パターン28′の長
さは、最大で画素用開口部24の長辺方向の長さよりも
15μm長い範囲までとし、好ましくは画素用開口部2
4の長辺方向の長さ以下となるように設定し、導電性薄
膜層パターン28′の幅は、5〜45μm程度の範囲と
なるように設定することができる。図示例では、障壁用
開口部25の形状は、障壁用開口部25内の導電性薄膜
層パターン28′が幅の狭い長方形となるような形状で
あるが、これに限定されるものではない。例えば、導電
性薄膜層パターン28′の形状が多角形、両端部側が幅
広となる形状、画素用開口部24の長さ方向に長い楕円
形状等、画素用開口部24の形状等を考慮しながら適宜
設定することができる。
【0035】尚、障壁用開口部25内の導電性薄膜層パ
ターン28′と導電性薄膜層28の他の部位との導通を
とるために、上述の前面板1の導通部3aに相当する導
通部を障壁用開口部25内に形成してもよい。ただし、
この場合、導電性薄膜層パターン28′の隅部を除くこ
とが好ましい。また、このような導通部を設けた場合、
導電性薄膜層28(28′)によって、各障壁27の導
通、および、アノード基板である前面板21全体を同電
位とするための導通がなされるので、ブラックマトリッ
クス23は、電気絶縁性のものであってもよい。
【0036】障壁27の変形応力による透明基板22の
亀裂発生は、ブラックマトリックス23と障壁27との
密着性S1が起因となり、密着性S1が小さい程、亀裂
発生が防止される。そして、導電性薄膜層28は、障壁
27と導電性薄膜層28との密着性S2よりも、ブラッ
クマトリックス23と障壁27との密着性S1が低くな
るような無機導電性材料を用いて形成することができ
る。具体的には、ニッケル、コバルト、銅、鉄、金、
銀、ロジウム、パラジウム、スズ、モリブデン、クロ
ム、タングステン、白金および亜鉛からなる金属群のな
かの1種または2種以上の組み合わせ、前記金属群のな
かの2種以上の金属からなる合金等の材料を使用するこ
とができる。例えば、ブラックマトリックス23がクロ
ムと酸化クロムを用いて形成され、障壁27がニッケル
を用いて形成される場合、導電性薄膜層28は、金、
銀、銅、ニッケル等を用いて形成することができる。
【0037】前面板21を構成する障壁27は、各障壁
用開口部25内の導電性薄膜層パターン28′上に形成
され、上述のように、障壁27の底部27aの周縁部2
7a′を障壁用開口部25内のブラックマトリックス2
3に密着させ、それ以外の底部27aを導電性薄膜層パ
ターン28′に密着させた状態となっている。この障壁
27とブラックマトリックス23との密着力は、下記の
測定方法により測定したときに、19gf以下、好まし
くは10gf以下とする。障壁27とブラックマトリッ
クス23との密着力が19gfを超えると、周縁部27
a′の変形応力がブラックマトリックス23を介して透
明基板22に作用し、亀裂が発生し易くなり好ましくな
い。
【0038】(密着力の測定方法)図9(A)に示され
るように、透明基板22上に形成したブラックマトリッ
クス23上に、障壁27を面積50μm×270μmで
密着するように形成し、シェアーツールTを透明基板2
2と平行方向に0.02mm/秒の速度で動かして障壁
27の側面に当接させ、図9(B)に示されるように、
シェアーツールTによって障壁27がブラックマトリッ
クス23から剥離した際の密着強度を密着力として測定
する。測定装置は、PULLTESTER TYPEPTR-01 (RHESCA社
製)を使用する。
【0039】この障壁27の材質は、無機導電性材料で
あり、上述の障壁7の説明で挙げた材料から、ブラック
マトリックス23の材質、導電性薄膜層28の材質、上
記のブラックマトリックス23との密着性等を考慮し
て、適宜選択することができる。障壁27の高さは20
〜100μmの範囲で設定することができる。また、障
壁27の横断面(透明基板22の表面に平行な断面)形
状は、通常、障壁用開口部25内の導電性薄膜層パター
ン28′の形状に相似したものとしてもよく、あるい
は、、後述する製造方法において、レジストパターンの
開口部形状を適宜設定することにより、障壁27の横断
面形状は所望のものとすることができる。また、障壁2
7の長さは画素用開口部24の長辺方向の長さと同等、
もしくは、−5μmから+20μm程度の範囲で設定す
ることができ、幅は10〜50μmの範囲で設定するこ
とができる。図示例では、障壁27の形状は幅の狭い直
方体形状であるが、これに限定されるものではなく、例
えば、横断面(透明基板22の表面に平行な断面)形状
が多角形、両端部側が幅広となる形状等、画素用開口部
24の形状(画素用開口部24間の導電性薄膜層28の
形状)等を考慮しながら適宜設定することができる。
【0040】上述のような本発明の電界放出型表示装置
用の前面板21は、障壁27の底部27aの周縁部27
a′を障壁用開口部25内のブラックマトリックス23
に密着させ、それ以外の底部27aを導電性薄膜層パタ
ーン28′に密着させた状態となっており、かつ、ブラ
ックマトリックス23と障壁27との密着性S1が、導
電性薄膜層28と障壁27との密着性S2よりも低く設
定されているので、周縁部27a′に熱応力やめっき応
力が集中しても、密着性の低い周縁部27a′がブラッ
クマトリックス23を介して透明基板22に応力を及ぼ
すことなく適度に変形することができ、透明基板22へ
の応力集中が抑制され、透明基板22の亀裂発生や障壁
27の剥離が防止され、前面板21の耐久性が高いもの
となる。
【0041】また、本発明の電界放出型表示装置用の前
面板21は、従来の前面板と異なりアノード電極のパタ
ーン形成がないため製造が容易である。そして、前面板
21を構成する導電性のブラックマトリックス23、導
電性薄膜層28と複数の障壁27がすべて同電位(アノ
ード電位)となり、後述するような本発明の前面板を用
いた電界放出型表示装置では、背面板のゲート電極によ
って電子放出素子(エミッタ電極)から引き出された電
子ビームが、対応するブラックマトリックス23と導電
性薄膜層28の画素用開口部24に位置する蛍光体層2
6に衝突して蛍光体層26を発光させ、表示が行なわれ
る。この際に放出される2次電子や、電子放出素子(エ
ミッタ電極)から引き出された電子ビームの散乱電子
は、障壁27に吸収されて飛翔が阻止され、電子を吸収
した障壁27の電荷は導電性薄膜層パターン28′を介
してブラックマトリックス23に分散するので、障壁2
7のチャージアップが防止される。さらに、本発明の前
面板を用いた電界放出型表示装置では、動作中に障壁2
7からのガス放出が発生することがない。尚、本発明で
は、蛍光体層を形成するだけで前面板として使用できる
状態のものも、電界放出型表示装置用の前面板とする。
【0042】電界放出型表示装置用前面板の製造方法 次に、本発明の電界放出型表示装置用前面板の製造方法
について説明する。まず、図1乃至図3に示される前面
板1を例として、図10を参照しながら説明する。
【0043】本発明の製造方法では、まず、透明基板2
上にブラックマトリックス用の導電性の薄膜を真空蒸着
法、スパッタリング法等により形成し、この薄膜上に感
光性レジスト層を設けて露光、現像し、その後、エッチ
ングによりパターニングしてレジストを剥離することに
より、画素用開口部4と障壁用開口部5とを備えたブラ
ックマトリックス3を形成する(図10(A))。ま
た、黒色顔料、銀等の導電性粒子、ガラスフリット等を
含有する感光性黒色導電ペーストを用いて透明基板2上
に薄膜を形成し、ブラックマトリックス用のマスクを介
して露光し、その後、現像してパターニングし、さらに
焼成して有機成分を除去することにより、画素用開口部
4と障壁用開口部5とを備えたブラックマトリックス3
を形成してもよい。障壁用開口部5は、障壁用開口部5
内のブラックマトリックスパターン3′の導通をとるた
めの導通部3a(図示せず)を設けるように形成された
1組のコ字型の開口部からなっている。
【0044】次に、ブラックマトリックス3を覆うよう
に、透明基板2上に感光性レジスト層を設け、障壁に対
応する複数の開口部を備えたマスクを介して感光性レジ
スト層を露光し、現像することによりレジストパターン
9を形成する(図10(B))。このレジストパターン
9は、各障壁用開口部5内のブラックマトリックスパタ
ーン3′と、このブラックマトリックスパターン3′の
周囲の透明基板2とが露出している開口部9′を有す
る。感光性レジスト層は、感光性レジストを塗布して形
成してもよく、また、ドライフィルムレジストをラミネ
ートして形成してもよい。尚、感光性レジスト層の厚み
は、形成しようとする障壁7の高さと同じか、それ以上
の厚みとする。
【0045】次いで、ブラックマトリックス3を電解め
っきのカソード電極として利用して、電解めっき法によ
り各開口部9′内のブラックマトリックスパターン3′
に無機導電性材料を析出させて障壁7を形成する(図1
0(C))。このとき、ブラックマトリックスパターン
3′に析出した無機導電性材料は、ブラックマトリック
スパターン3′の周囲の透明基板2上にも成長する。そ
の結果、開口部9′内のブラックマトリックスパターン
3′に形成された障壁7は、その底部7aの周縁部7
a′が透明基板2に対して非固着状態で当接したものと
なる。
【0046】その後、レジストパターン9を除去し、透
明基板2のブラックマトリックス3、障壁7の形成面側
に、赤色発光性の蛍光体層用の蛍光体塗料を塗布し、透
明基板2の裏面側から所定の開口パターンをもつマスク
を介して蛍光体塗料を露光し、次いで、現像、加熱し
て、ブラックマトリックス3の所望の画素用開口部4に
赤色発光性の蛍光体層6Rを形成する。同様の操作を繰
り返して、他の画素用開口部4に緑色発光性の蛍光体層
6G、青色発光性の蛍光体層6Bを形成して、本発明の
前面板1を得る(図10(D))。
【0047】上述の製造方法では、電解めっき法により
障壁7を形成するが、無電解めっき法により障壁7を形
成してもよい。この場合、上記のレジストパターン9を
形成した後、レジストパターン9の開口部9′内部を含
む全面に無電解めっきの触媒(例えば、パラジウム、
金、銀、白金、銅等の塩化物、硝酸塩等の水溶性塩、お
よび、錯化合物)を付与する。次いで、透明基板2を無
電解めっき液に接触させて、触媒を付与した部位に金属
を析出させる。これにより、上記の開口部9′内に金属
からなる障壁7を形成し、その後、レジストパターン9
を除去して、障壁7を備えた前面板1を得ることができ
る。尚、無電解めっきの触媒は、透明基板2に表面粗化
等の特別な処理を施さない限り、透明基板2に固着する
ことはない。
【0048】また、図4および図5に示されるように、
ブラックマトリックス13上に導電性薄膜層19が設け
られた積層パターン18を備えた電界放出型表示装置用
の前面板11の製造は、透明基板12上にブラックマト
リックス13用の薄膜と、導電性薄膜層19用の薄膜と
の積層体を形成し、この薄膜上に感光性レジスト層を設
けて露光、現像し、その後、エッチングによりパターニ
ングしてレジストを剥離することにより、画素用開口部
14と障壁用開口部15とを備えた積層パターン18を
形成し、その後、上記の前面板1と同様の方法で、レジ
ストパターンを形成し、障壁用開口部15内の積層パタ
ーン18′に無機導電性材料を析出させて障壁17を形
成することができる。
【0049】次に、図6乃至図8に示される前面板21
を例として、図11および図12を参照しながら本発明
の製造方法を説明する。まず、透明基板22上にブラッ
クマトリックス23用の導電性の薄膜を形成し、この上
に導電性薄膜層28用の薄膜を形成し、この薄膜上に感
光性レジスト層を設けて露光、現像し、その後、エッチ
ングにより導電性薄膜層28用の薄膜のみをパターニン
グしてレジストを剥離することにより、画素用開口部2
4と障壁用開口部25とを備えた導電性薄膜層28をブ
ラックマトリックス23用の薄膜上に形成する(図11
(A))。図6乃至図8の例では、障壁用開口部25
は、回廊形状の枠型となっている。
【0050】次に、上記の導電性薄膜層28を覆うよう
にブラックマトリックス23用の薄膜上に感光性レジス
ト層を設けて露光、現像し、その後、エッチングにより
ブラックマトリックス23用の薄膜のみをパターニング
してレジストを剥離することにより、画素用開口部24
を備えたブラックマトリックス23を形成する(図11
(B))。これにより、ブラックマトリックス23と導
電性薄膜層28からなる積層パターンが形成される。
【0051】次に、ブラックマトリックス23と導電性
薄膜層28からなる積層パターンを覆うように、透明基
板22上に感光性レジスト層を設け、障壁に対応する複
数の開口部を備えたマスクを介して感光性レジスト層を
露光し、現像することによりレジストパターン29を形
成する(図11(C))。このレジストパターン29
は、各障壁用開口部25内の導電性薄膜層28′と、こ
の導電性薄膜層28′の周囲のブラックマトリックス2
3とが露出するような開口部29′を有する。感光性レ
ジスト層は、感光性レジストを塗布して形成してもよ
く、また、ドライフィルムレジストをラミネートして形
成してもよい。尚、感光性レジスト層の厚みは、形成し
ようとする障壁27の高さと同じか、それ以上の厚みと
する。
【0052】次いで、ブラックマトリックス23および
導電性薄膜層28を電解めっきのカソード電極として利
用して、電解めっき法により各開口部29′内のブラッ
クマトリックス23および導電性薄膜層28′に無機導
電性材料を析出させて障壁27を形成する(図12
(A))。このようにレジストパターン29の開口部2
9′内に形成された障壁27は、その底部27aの周縁
部27a′をブラックマトリックス23に固着され、他
の底部27aは導電性薄膜層28′に固着されたものと
なる。その後、レジストパターン29を除去し、上述の
前面板1と同様にして、ブラックマトリックス23の所
望の画素用開口部24に、赤色発色性の蛍光体層26
R、緑色発色性の蛍光体層26G、青色発色性の蛍光体
層26Bを形成して、本発明の前面板21を得る(図1
2(B))。
【0053】上述の製造方法では、電解めっき法により
障壁27を形成するが、無電解めっき法により障壁27
を形成してもよい。この場合、上記のレジストパターン
29を形成した後、レジストパターン29の開口部2
9′内部を含む全面に無電解めっきの触媒(例えば、パ
ラジウム、金、銀、白金、銅等の塩化物、硝酸塩等の水
溶性塩、および、錯化合物)を付与する。次いで、透明
基板22を無電解めっき液に接触させて、触媒を付与し
た部位に金属を析出させる。これにより、上記の開口部
29′内に金属からなる障壁27を形成し、その後、レ
ジストパターン29を除去して、障壁27を備えた前面
板21を得ることができる。尚、無電解めっきの触媒
は、透明基板22およびブラックマトリックス23に表
面粗化等の特別な処理を施さない限り、透明基板22と
ブラックマトリックス23に固着することはない。
【0054】電界放出型表示装置 次に、本発明の前面板を用いた電界放出型表示装置の一
例について説明する。図13は、電界放出型表示装置の
一例を示す縦断面図である。図13において、電界放出
型表示装置31は、本発明の前面板(アノード基板)1
と、背面板(カソード基板)41とを、スペーサ部材
(図示せず)により一定の間隙を形成して真空状態で対
向させた構造となっている。前面板(アノード基板)1
は、透明基板2と、この透明基板2の一方の面に形成さ
れたブラックマトリックス3と、蛍光体層6と、障壁7
とを備えており、ブラックマトリックス3は複数の画素
用開口部4を有し、この画素用開口部4内の透明基板2
上に蛍光体層6が形成されており、従来の前面板(アノ
ード基板)と異なり、アノード電極パターンを備えてい
ない。
【0055】一方、背面板(カソード基板)41は、透
明基板42上に平行に配設されたエミッタ電極43と、
これに直交するように絶縁体層45を介して設けられた
ゲート電極(引出電極)46と、絶縁体層45の複数の
孔部内においてエミッタ電極43上に形成されたコーン
形状の電子放出素子(エミッタ電極)44とを備えてい
る。各電子放出素子(エミッタ電極)44は、前面板
(アノード基板)1の対応するセルの蛍光体層6に対向
しており、ゲート電極(引出電極)46は、前面板(ア
ノード基板)1の各障壁7に対向している。尚、図示例
では、1個のセルに対して複数の電子放出素子(エミッ
タ電極)44が配設されているが、この電子放出素子
(エミッタ電極)44の個数は適宜設定することができ
る。また、図示例では、背面板41のゲート電極46上
に、絶縁層47を介して集束電極48が設けられてい
る。
【0056】このような電界放出型表示装置31では、
エミッタ電極43とゲート電極46間に所定の電圧を印
加して、電子放出素子(エミッタ電極)44から引き出
された電子ビームは、集束電極48によりビーム形状が
更に絞られて対応する所定の色の蛍光体層6に衝突し、
蛍光体層を発光させ表示が行なわれる。この際に放出さ
れる2次電子や、電子放出素子(エミッタ電極)44か
ら引き出された電子ビームの散乱電子は、導電性のブラ
ックマトリックス3上に形成された障壁7に吸収されて
飛翔が阻止されるので、他の蛍光体層における不必要な
発光によるにじみが防止され、高品質の表示画像が得ら
れる。上記の集束電極48を備えない電界放出型表示装
置であっても、同様の効果が得られる。尚、本発明の前
面板は、電界放出型表示装置を構成する背面板として、
従来公知の背面板との組み合わせが可能であり、特に制
限はない。
【0057】
【実施例】[実施例1]厚み1.1mmのガラス基板上
に、スパッタリング法により、酸化クロム(厚み400
Å)とクロム(厚み1000Å)の2層構造の薄膜を形
成した。次に、上記の薄膜上に感光性レジスト(東京応
化工業(株)製OFPR−800)を塗布(塗布膜厚
1.35μm)し、複数の画素用開口部と障壁用開口部
を設けたマスクを介して上記塗布膜を露光、現像してレ
ジストパターンを形成した。その後、エッチング液(ザ
・インクテック(株)製MR−ES)を用いて薄膜をエ
ッチングし、レジストパターンを剥離した後、洗浄し
て、ブラックマトリックス(厚み1400Å)を形成し
た。
【0058】上記のように形成されたブラックマトリッ
クスは、図14に斜線で示される形状であり、長方形状
の画素用開口部(280μm×80μm)を、画素用開
口部の幅方向に120μmピッチ、長さ方向に340μ
mピッチで複数備え、かつ、幅方向の各画素用開口部間
の中央に略枠形状の障壁用開口部を備えるものであっ
た。この障壁用開口部は、コ字型の1組の開口部からな
り、開口幅は35μmであり、障壁用開口部内にあるブ
ラックマトリックスパターンは、画素用開口部の長さ方
向に長い楕円形状(70μm×25μm)であり、対向
する長辺には、各2個の導通部(幅20μm)が設けら
れ、ブラックマトリックスの他の部位と導通されてい
る。
【0059】次に、ブラックマトリックス上に厚み50
μmのドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン
(株)製NIT250)をラミネートした。その後、長
方形状の開口部(280μm×30μm)が開口部の幅
方向に120μmピッチ、長さ方向に340μmピッチ
で複数設けられたマスクを位置合わせした。そして、こ
のマスクを介して上記ドライフィルムレジストを露光、
現像してレジストパターンを形成した。このレジストパ
ターンには、図14に鎖線で示すように、障壁形成予定
の部位に開口部が存在し、この開口部内には、上記の障
壁用開口部内にあるブラックマトリックスパターンと、
その周囲のガラス基板が露出している。
【0060】次いで、ブラックマトリックスを電解めっ
きのカソード電極として利用して、めっき液(日本化学
産業(株)製スルファミン酸ニッケル溶液)中で電解め
っき法により、上記レジストパターンの開口部内にニッ
ケルを析出させた。その後、5%水酸化カリウム水溶液
を用いてレジストパターンを剥離した。これによって、
図1および図2に示されるような障壁(高さ50μm)
を形成した。この障壁の底部は楕円形状のブラックマト
リックスパターンのみに固着しており、障壁の底部の周
縁部はガラス基板に非固着状態で接触したものであっ
た。
【0061】次に、下記の3色(発光色:赤、緑、青)
の蛍光体塗料を準備した。そして、まず、赤色発光の蛍
光体塗料をスラリー法によりブラックマトリックス上に
塗布し、ガラス基板の裏面から蛍光体層用の開口部パタ
ーンをもつマスクを介して露光し現像した。これによ
り、ブラックマトリックスの所定の画素用開口部に赤色
発光の蛍光体塗料層を形成した。同様に、緑色発光の蛍
光体塗料、青色発光の蛍光体塗料を用いて、ブラックマ
トリックスの所定の画素用開口部に緑色発光の蛍光体塗
料層、青色発光の蛍光体塗料層を形成した。次いで、4
30℃で35分間加熱して、蛍光体塗料層中の有機成分
を除去して、蛍光体層を形成した。これにより、図1お
よび図2に示されるような構成の本発明の前面板を得
た。
【0062】 (赤色発光の蛍光体塗料) ・Y22S:Eu … 25重量部 ・ポリビニルアルコール … 2.5重量部 ・水 … 72.35重量部 ・重クロム酸アンモニウム … 0.15重量部 (緑色発光の蛍光体塗料) ・ZnS:Cu … 25重量部 ・ポリビニルアルコール … 2.5重量部 ・水 … 72.35重量部 ・重クロム酸アンモニウム … 0.15重量部 (青色発光の蛍光体塗料) ・ZnS:Ag … 25重量部 ・ポリビニルアルコール … 2.5重量部 ・水 … 72.35重量部 ・重クロム酸アンモニウム … 0.15重量部
【0063】上記のように作製した前面板は、ガラス基
板にクラック等の欠陥のないものであった。次に、背面
板(カソード基板)をスピント法により作製した。すな
わち、まず、厚み1.1mmのガラス基板上にスパッタ
リング法によりクロムの薄膜を設け、この薄膜上に感光
性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−800)
を塗布(塗布膜厚1.35μm)し、所定のマスクを介
して上記塗布膜を露光、現像してレジストパターンを形
成した。その後、エッチング液(ザ・インクテック
(株)製MR−ES)を用いてクロム薄膜をエッチング
し、レジストパターンを剥離した後、洗浄して、幅28
0μmのエミッタ電極を340μmピッチで形成した。
【0064】次いで、真空蒸着法により酸化珪素からな
る薄膜を上記エミッタ電極を覆うようにガラス基板全面
に形成して絶縁層(厚み1μm)とし、この絶縁層上に
スパッタリング法によりクロム薄膜を設け、この薄膜上
に感光性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−8
00)を塗布(塗布膜厚1.35μm)し、所定のマス
クを介して上記塗布膜を露光、現像してレジストパター
ンを形成した。その後、エッチング液(ザ・インクテッ
ク(株)製MR−ES)を用いてクロム薄膜をエッチン
グしてゲート電極を形成し、このクロムのゲート電極を
マスクとして使用し、バッファーフッ酸を用いて絶縁層
に孔部を形成した。次いで、斜め蒸着法によりアルミニ
ウム薄膜をクロム薄膜上に形成(上記孔部内にはアルミ
ニウム薄膜が形成されない条件で行う)し、その後、真
空蒸着法によりモリブデンをアルミニウム薄膜を覆うよ
うに蒸着した。これにより、上記孔部内にモリブデンか
らなるコーン形状のエミッタ電極が形成された。その
後、剥離液(リン酸:硝酸:酢酸:水=38:15:
0.5:0.5の混合溶液)を用いてアルミニウム薄膜
を除去して、背面板を得た。
【0065】次に、上記の前面板と、背面板とを、ガラ
ス基板が外側となるようにセラミックスからなるスペー
サ部材(高さ1.3mm)を介して対向させ、アライメ
ント合わせを行った後、低融点ガラスフリットからなる
密封材により封着した。さらに、排気装置により基板間
を高真空に排気して、電界放出型表示装置とした。この
電界放出型表示装置に駆動回路を接続し、表示を行った
ところ、ガス放出が極めて少なく信頼性の高い表示装置
であることが確認された。
【0066】[比較例]まず、実施例1と同様のガラス
基板上に、障壁用開口部を備えない他は実施例1と同様
の条件でブラックマトリックスを形成した。その後、実
施例1と同様の条件で障壁を形成した。この障壁は、隣
接する各画素用開口部間のブラックマトリックス上に形
成された。次いで、実施例1と同様の条件で3色の蛍光
体層を形成して前面板を得た。このように作製した前面
板では、ガラス基板のうち、障壁の形成部位に相当する
箇所にクラックの発生がみられた。
【0067】[実施例2]厚み1.1mmのガラス基板
上に、スパッタリング法により、酸化クロム(厚み40
0Å)とクロム(厚み1000Å)の2層薄膜をブラッ
クマトリックス用として形成し、さらに、ニッケル(厚
み500Å)、金(厚み1000Å)の2層薄膜を導電
性薄膜層用として形成した。次に、上記の薄膜上に感光
性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−800)
を塗布(塗布膜厚1.35μm)し、複数の画素用開口
部と障壁用開口部を設けた実施例1のブラックマトリッ
クス形成用のマスクを介して上記塗布膜を露光、現像し
てレジストパターンを形成した。その後、金薄膜、ニッ
ケル薄膜と、ブラックマトリックス用の薄膜(クロム薄
膜、酸化クロム薄膜)を下記の各エッチング液をもちい
てエッチングし、レジストパターンを剥離した後、洗浄
して、ブラックマトリックス(厚み1400Å)と導電
性薄膜層(1100Å)からなる積層パターンを形成し
た。
【0068】(金薄膜用エッチング液) ヨウ素:ヨウ化カリウム:水:エタノール=0.5:
0.9:4:1 (ニッケル薄膜用エッチング液) 硝酸:水:過酸化水素=1:1:0.1 (ブラックマトリックス用エッチング液) ザ・インクテック(株)製MR−ES
【0069】上記のように形成されたブラックマトリッ
クスと導電性薄膜層からなる積層パターンは、図14に
斜線で示される形状であり、長方形状の画素用開口部
(280μm×80μm)を、画素用開口部の幅方向に
120μmピッチ、長さ方向に340μmピッチで複数
備え、かつ、幅方向の各画素用開口部間の中央に略枠形
状の障壁用開口部を備えるものであった。この障壁用開
口部は、コ字型の1組の開口部からなり、開口幅は35
μmであり、障壁用開口部内にある積層パターンは、画
素用開口部の長さ方向に長い楕円形状(70μm×25
μm)であり、対向する長辺には、各2個の導通部(幅
20μm)が設けられ、積層パターンの他の部位と導通
されている。
【0070】次に、積層パターンを覆うようにガラス基
板上に上に厚み50μmのドライフィルムレジスト(ニ
チゴーモートン(株)製NIT250)をラミネートし
た。その後、長方形状の開口部(280μm×30μ
m)が開口部の幅方向に120μmピッチ、長さ方向に
340μmピッチで複数設けられたマスクを位置合わせ
した。そして、このマスクを介して上記ドライフィルム
レジストを露光、現像してレジストパターンを形成し
た。このレジストパターンには、図14に鎖線で示すよ
うに、障壁形成予定の部位に開口部が存在し、この開口
部内には、上記の障壁用開口部内にある積層パターン
と、その周囲のガラス基板が露出している。
【0071】次いで、ブラックマトリックスと導電性薄
膜層とからなる積層パターンを電解めっきのカソード電
極として利用して、めっき液(日本化学産業(株)製ス
ルファミン酸ニッケル溶液)中で電解めっき法により、
上記レジストパターンの開口部内にニッケルを析出させ
た。その後、5%水酸化カリウム水溶液を用いてレジス
トパターンを剥離した。これによって、図4および図5
に示されるような障壁(高さ50μm)を形成した。こ
の障壁の底部は楕円形状の積層パターンのみに固着して
おり、障壁の底部の周縁部はガラス基板に非固着状態で
接触したものであった。次いで、実施例1と同様にし
て、積層パターンの画素用開口部に蛍光体層を形成し
て、図4および図5に示されるような構成の本発明の前
面板を得た。上記のように作製した前面板は、ガラス基
板にクラック等の欠陥のないものであった。また、上記
の前面板を使用し、実施例1と同様にして電界放出型表
示装置を作製した。この電界放出型表示装置に駆動回路
を接続し表示を行ったところ、ガス放出が極めて少なく
信頼性の高い表示装置であることが確認された。
【0072】[実施例3]厚み1.1mmのガラス基板
上に、スパッタリング法により、酸化クロム(厚み40
0Å)とクロム(厚み1000Å)の2層薄膜をブラッ
クマトリックス用として形成し、さらに、ニッケル(厚
み500Å)、金(厚み1000Å)の2層薄膜を導電
性薄膜層用として形成した。次に、上記の薄膜上に感光
性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−800)
を塗布(塗布膜厚1.35μm)し、複数の画素用開口
部と障壁用開口部を設けた実施例1のブラックマトリッ
クス形成用のマスクを介して上記塗布膜を露光、現像し
てレジストパターンを形成した。その後、金薄膜、ニッ
ケル薄膜を下記の各エッチング液をもちいてエッチング
し、レジストパターンを剥離した後、洗浄して、ブラッ
クマトリックス用の薄膜上に導電性薄膜層(1100
Å)を形成した。 (金薄膜用エッチング液) ヨウ素:ヨウ化カリウム:水:エタノール=0.5:
0.9:4:1 (ニッケル薄膜用エッチング液) 硝酸:水:過酸化水素=1:1:0.1
【0073】上記のように形成された導電性薄膜層は、
図15に斜線で示される形状であり、長方形状の画素用
開口部(280μm×80μm)を、画素用開口部の幅
方向に120μmピッチ、長さ方向に340μmピッチ
で複数備え、かつ、幅方向の各画素用開口部間の中央に
略枠形状の障壁用開口部を備えるものであった。この障
壁用開口部は、回廊形状の枠型であり、その開口幅は3
5μmであり、障壁用開口部内にある導電性薄膜層パタ
ーンは、画素用開口部の長さ方向に長い楕円形状(70
μm×25μm)である。
【0074】次に、上記の導電性薄膜層を覆うようにブ
ラックマトリックス用の薄膜上に感光性レジスト(東京
応化工業(株)製OFPR−800)を塗布(塗布膜厚
1.35μm)し、複数の画素用開口部を設けたマスク
を、上記の導電性薄膜層のパターンと位置合わせした
後、このマスクを介して上記塗布膜を露光、現像してレ
ジストパターンを形成した。その後、エッチング液(ザ
・インクテック(株)製MR−ES)を用いてブラック
マトリックス用の薄膜をエッチングし、レジストパター
ンを剥離した後、洗浄して、ブラックマトリックス(厚
み1400Å)を形成した。
【0075】上記のように形成されたブラックマトリッ
クスは、上記の導電性薄膜層の画素用開口部と一致する
画素用開口部を備えるものであった。これにより、ブラ
ックマトリックスと、この上に積層された導電性薄膜層
からなる積層パターンをガラス基板上に形成した。次
に、積層パターンを覆うようにガラス基板上に厚み50
μmのドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン
(株)製NIT250)をラミネートした。その後、長
方形状の開口部(280μm×30μm)が開口部の幅
方向に120μmピッチ、長さ方向に340μmピッチ
で複数設けられたマスクを位置合わせした。そして、こ
のマスクを介して上記ドライフィルムレジストを露光、
現像してレジストパターンを形成した。このレジストパ
ターンには、図15に鎖線で示すように、障壁形成予定
の部位に開口部が存在し、この開口部部内には、上記の
障壁用開口部内にある導電性薄膜層パターンと、その周
囲のブラックマトリックスが露出している。
【0076】次いで、ブラックマトリックスと導電性薄
膜層とからなる積層パターンを電解めっきのカソード電
極として利用して、めっき液(日本化学産業(株)製ス
ルファミン酸ニッケル溶液)中で電解めっき法により、
上記レジストパターンの開口部内にニッケルを析出させ
た。その後、5%水酸化カリウム水溶液を用いてレジス
トパターンを剥離した。これによって、図6および図7
に示されるような障壁(高さ50μm)を形成した。こ
の障壁の底部の周縁部はブラックマトリックスに固着さ
れ、障壁の底部の他の部位は導電性薄膜層に固着された
ものであった。
【0077】ここで、障壁とブラックマトリックスとの
密着力、および、障壁と導電性薄膜層との密着力を、下
記の測定方法により測定した。その結果、障壁とブラッ
クマトリックスとの密着力は5gf以下であり、これに
対し、障壁と導電性薄膜層との密着力は20gf以上で
あり、大きなものであった。(密着力の測定方法)透明
基板上に形成したブラックマトリックス上に、あるい
は、このブラックマトリックス上に更に形成した導電性
薄膜層上に、障壁を面積50μm×270μmで密着す
るように形成し、シェアーツールを透明基板と平行方向
に0.02mm/秒の速度で動かして障壁の側面に当接
させ、シェアーツールによって障壁がブラックマトリッ
クス、あるいは、導電性薄膜層から剥離した際の密着強
度を密着力として測定した。測定装置は、PULLTESTER T
YPE PTR-01 (RHESCA社製)を使用した。
【0078】次いで、実施例1と同様にして、積層パタ
ーンの画素用開口部に蛍光体層を形成して、図6および
図7に示されるような構成の本発明の前面板を得た。上
記のように作製した前面板は、ガラス基板にクラック等
の欠陥のないものであった。また、上記の前面板を使用
し、実施例1と同様にして電界放出型表示装置を作製し
た。この電界放出型表示装置に駆動回路を接続し表示を
行ったところ、ガス放出が極めて少なく信頼性の高い表
示装置であることが確認された。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば障
壁の底部の周縁部が、透明基板に対して非固着状態、あ
るいは、ブラックマトリックスに弱い密着力で密着した
状態にあるので、このような周縁部に熱応力やめっき応
力が集中しても、周縁部が適度に変形して応力を逃がす
ので、透明基板に応力が作用することが抑制され、透明
基板の亀裂発生や障壁の剥離が防止され、前面板の耐久
性が高いものとなる。また、障壁が無機導電性材料から
なるため、従来のポリイミド等の樹脂からなる障壁と異
なり、導電性付与のための金属薄膜の形成が不要となり
製造が容易であり、かつ、蛍光体層の形成時における加
熱温度を高く設定することができるので、輝度向上や、
放出ガス減少による耐久性向上、信頼性向上が望める。
さらに、本発明の前面板を用いた電界放出型表示装置で
は、動作中に障壁からのガス放出が発生することがない
ので、信頼性の更なる向上が望める。また、本発明の電
界放出型表示装置用の前面板では、アノード電極のパタ
ーン形成が不要となり製造が容易である。このように固
有のアノード電極パターンをもたない前面板では、前面
板を構成する導電性部材がすべて同電位(アノード電
位)となり、すなわち、導電性のブラックマトリックス
や導電性薄膜層と障壁がすべて同電位となり、本発明の
前面板を用いた電界放出型表示装置では、背面板のゲー
ト電極によって電子放出素子(エミッタ電極)から引き
出された電子ビームは、対応するブラックマトリックス
の画素用開口部に位置する蛍光体層に衝突して蛍光体層
を発光させ、表示が行なわれる。この際に放出される2
次電子や、電子放出素子(エミッタ電極)から引き出さ
れた電子ビームの散乱電子は、導電性のブラックマトリ
ックス上に形成された障壁に吸収されて飛翔が阻止され
るので、他の蛍光体層における不必要な発光によるにじ
みが防止され、高品質の表示画像が得られるとともに、
障壁に吸収された電子による電荷はブラックマトリック
スを介して分散するので、障壁のチャージアップも防止
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界放出型表示装置用前面板の一実施
形態を示す部分平面図である。
【図2】図1に示される前面板のA−A線における縦断
面図である。
【図3】図1に示される電界放出型表示装置用前面板か
ら障壁を取り去った状態を示す部分平面図である。
【図4】本発明の電界放出型表示装置用前面板の他の実
施形態を示す部分平面図である。
【図5】図4に示される前面板のB−B線における縦断
面図である。
【図6】本発明の電界放出型表示装置用前面板の他の実
施形態を示す部分平面図である。
【図7】図6に示される前面板のC−C線における縦断
面図である。
【図8】図6に示される電界放出型表示装置用前面板か
ら障壁を取り去った状態を示す部分平面図である。
【図9】密着力の測定方法を説明するための図である。
【図10】本発明の電界放出型表示装置用前面板の製造
方法の一例を説明するための工程図である。
【図11】本発明の電界放出型表示装置用前面板の製造
方法の他の例を説明するための工程図である。
【図12】本発明の電界放出型表示装置用前面板の製造
方法の他の例を説明するための工程図である。
【図13】本発明の前面板を用いた電界放出型表示装置
の一例を示す縦断面図である。
【図14】実施例1、実施例2において作製される電界
放出型表示装置用前面板のブラックマトリックスの形
状、ブラックマトリックスと導電性薄膜層からなる積層
パターンの形状を示す部分平面図である。
【図15】実施例3において作製される電界放出型表示
装置用前面板の導電性薄膜層の形状を示す部分平面図で
ある。
【符号の説明】
1,11,21…前面板 2,12,22…透明基板 3,13,23…ブラックマトリックス 3′,13′…ブラックマトリックスパターン 4,14,24…画素用開口部 5,15,25…障壁用開口部 6,16,26…蛍光体層 7,17,27…障壁 7a,17a,27a…障壁の底部 7a′,17a′,27a′…障壁底部の周縁部 18,18′…積層パターン 19,19′…導電性薄膜層 28,28′…導電性薄膜層 9,29…レジストパターン 31…電界放出型表示装置 41…背面板 42…透明基板 43…エミッタ電極 44…電子放出素子(エミッタ電極) 46…ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C012 AA01 BB01 5C036 CC13 CC14 CC18 EE14 EF01 EF06 EF07 EF09 EG02 EG28 EH11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の透明基板と、該透明基板の
    一方の面に形成され複数の画素用開口部を有する導電性
    のブラックマトリックスと、無機導電性材料からなる複
    数の障壁と、前記画素用開口部内の透明基板上に形成さ
    れた蛍光体層とを備え、前記ブラックマトリックスは前
    記画素用開口部間の所定の位置に略枠形状の障壁用開口
    部を有し、該障壁用開口部内のブラックマトリックスパ
    ターン上に前記障壁が該底部の周縁部を前記障壁用開口
    部内に位置させ非固着状態とするように配設されている
    ことを特徴とする電界放出型表示装置用の前面板。
  2. 【請求項2】 電気絶縁性の透明基板と、該透明基板の
    一方の面に形成されたブラックマトリックスと導電性薄
    膜層との積層体であり複数の画素用開口部を有する積層
    パターンと、無機導電性材料からなる複数の障壁と、前
    記画素用開口部内の透明基板上に形成された蛍光体層と
    を備え、前記積層パターンは前記画素用開口部間の所定
    の位置に略枠形状の障壁用開口部を有し、該障壁用開口
    部内の積層パターン上に前記障壁が該底部の周縁部を前
    記障壁用開口部内に位置させ非固着状態とするように配
    設されていることを特徴とする電界放出型表示装置用の
    前面板。
  3. 【請求項3】 電気絶縁性の透明基板と、該透明基板の
    一方の面に形成され複数の画素用開口部を有するブラッ
    クマトリックスと、該ブラックマトリックス上に形成さ
    れた導電性薄膜層と、無機導電性材料からなる複数の障
    壁と、前記画素用開口部内の透明基板上に形成された蛍
    光体層とを備え、前記導電性薄膜層は前記画素用開口部
    間の所定の位置に略枠形状の障壁用開口部を有し、該障
    壁用開口部内の導電性薄膜層パターン上に前記障壁が該
    底部の周縁部を前記ブラックマトリックスに密着させる
    ように配設され、障壁とブラックマトリックスとの密着
    性は、障壁と導電性薄膜層パターンとの密着性よりも低
    いことを特徴とする電界放出型表示装置用の前面板。
  4. 【請求項4】 前記障壁を構成する無機導電性材料は、
    ニッケル、コバルト、銅、鉄、金、銀、ロジウム、パラ
    ジウム、スズ、モリブデン、クロム、タングステン、白
    金および亜鉛からなる金属群のなかの1種または2種以
    上の組み合わせ、前記金属群のなかの2種以上の金属か
    らなる合金、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化イン
    ジウム亜鉛、アンチモンドープの酸化スズ、インジウム
    またはアンチモンドープの酸化チタン、酸化ルテニウ
    ム、インジウムまたはアンチモンドープの酸化ジルコニ
    ウムからなる金属酸化物群のなかの1種または2種以上
    の組み合わせ、のいずれかであることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれかに記載の電界放出型表示装
    置用の前面板。
  5. 【請求項5】 複数の画素用開口部と、該画素用開口部
    間の所定の位置に略枠形状の障壁用開口部を有する導電
    性のブラックマトリックスのパターンを電気絶縁性の透
    明基板の一方の面に形成する工程と、 前記障壁用開口部内のブラックマトリックスパターン
    と、該ブラックマトリックスパターンの周囲の透明基板
    とを露出させるように、レジストパターンを形成する工
    程と、 前記レジストパターンをマスクとして、前記障壁用開口
    部内のブラックマトリックスパターン上に無機導電性材
    料を析出させて、底部の周縁部が前記障壁用開口部内に
    位置して非固着状態である障壁を形成し、その後、前記
    レジストパターンを除去する工程と、を有することを特
    徴とする電界放出型表示装置用前面板の製造方法。
  6. 【請求項6】 ブラックマトリックス上に導電性薄膜層
    が積層された積層体からなり、複数の画素用開口部と、
    該画素用開口部間の所定の位置に略枠形状の障壁用開口
    部を有する積層パターンを、電気絶縁性の透明基板の一
    方の面に形成する工程と、 前記障壁用開口部内の前記積層パターンと、該積層パタ
    ーンの周囲の透明基板とを露出させるように、レジスト
    パターンを形成する工程と、 前記レジストパターンをマスクとして、前記障壁用開口
    部内の前記積層パターン上に無機導電性材料を析出させ
    て、底部の周縁部が前記障壁用開口部内に位置して非固
    着状態である障壁を形成し、その後、前記レジストパタ
    ーンを除去する工程と、を有することを特徴とする電界
    放出型表示装置用前面板の製造方法。
  7. 【請求項7】 複数の画素用開口部を有するブラックマ
    トリックスと、該ブラックマトリックス上に積層され前
    記画素用開口部間の所定の位置に略枠形状の障壁用開口
    部を有する導電性薄膜層とからなる積層パターンを電気
    絶縁性の透明基板の一方の面に形成する工程と、 前記障壁用開口部内の前記導電性薄膜層のパターンと、
    該導電性薄膜層パターンの周囲のブラックマトリックス
    とを露出させるように、レジストパターンを形成する工
    程と、 前記レジストパターンをマスクとして、前記障壁用開口
    部内の前記導電性薄膜層とブラックマトリックス上に、
    ブラックマトリックスとの密着性が導電性薄膜層パター
    ンとの密着性よりも低いような無機導電性材料を析出さ
    せて、底部の周縁部が前記障壁用開口部内のブラックマ
    トリックスに密着した障壁を形成し、その後、前記レジ
    ストパターンを除去する工程と、を有することを特徴と
    する電界放出型表示装置用前面板の製造方法。
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