JP2003262565A - 吸収率測定装置及び方法 - Google Patents

吸収率測定装置及び方法

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JP2003262565A
JP2003262565A JP2002065523A JP2002065523A JP2003262565A JP 2003262565 A JP2003262565 A JP 2003262565A JP 2002065523 A JP2002065523 A JP 2002065523A JP 2002065523 A JP2002065523 A JP 2002065523A JP 2003262565 A JP2003262565 A JP 2003262565A
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Chigusa Oouchi
千種 大内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サンプルとサンプルホルダとの間の熱抵抗と
基準発熱器とサンプルホルダとの間の熱抵抗が異なって
もサンプルの吸収率を精度よく測定する吸収率測定装置
及び方法を提供する。 【解決手段】 サンプルをサンプルホルダに装着した状
態で前記サンプルへの照射光の照射中と照射停止後にお
ける前記サンプルホルダの温度変化率と、所望の熱を発
生することのできる基準発熱器を前記サンプルホルダに
装着した状態で基準発熱器が発熱中と発熱停止後におけ
る前記サンプルホルダの温度変化率とにより前記サンプ
ルの吸収率を測定する吸収率測定装置において、サンプ
ルホルダの温度変化の緩和時間を測定する緩和時間測定
手段と、測定された緩和時間に応じて吸収率の補正計算
する補正機能付き吸収率計算手段を有すること特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子が吸収す
る光の吸収率測定器に係る。本発明は、光学薄膜の微小
な吸収率を高精度の測定するための吸収率測定機、特
に、F2レーザー光のような遠視外レーザー光に対する
吸収率測定機に好適である。
【0002】
【従来の技術】分光光度計の測定限界以下の光学薄膜の
微小な吸収率を測定する有効な手段として、ISO11
551に記述されているように、測定サンプルに着目す
る波長の光を実際に照射しその結果吸収によって発生し
た熱を測定することによる方法、いわゆるカロリメトリ
ー法が知られている。一般的に、この方法は、サンプル
での吸収によって生じる熱を同サンプルまたはこれを保
持しているサンプルホルダの上昇温度から求め、この熱
と照射した光のパワーの比として吸収率を求めるという
ものであり、吸収率の算出過程が単純かつ直接的なので
信頼性の高い測定方法である。
【0003】ISO11551の記載内容を基に詳しく
この原理を説明する。図2は吸収率測定系の配置図であ
り、レーザー1が発したビームは光軸3に沿って進行
し、ビームスプリッタ2で一部反射され光検出器12に
より強度をモニタされる。一方、ビームスプリッタ2を
透過したビームはミラー4で反射した後、サンプルであ
るサンプル7に入射角θで照射されその透過光と反射光
はビーム終端器9で吸収される。サンプル7では照射さ
れたビームの一部が吸収され吸収率に比例した熱が発生
する。この熱はサンプル7およびこれを保持しているサ
ンプルホルダ6の温度を上昇させる。サンプルホルダ6
の上昇温度は温度センサー10によって測定される。サ
ンプルホルダ6の温度が迷光によって影響を受けないよ
うにサンプルホルダ6の前後には迷光遮蔽用のダイアフ
ラム8が設けられている。コントローラ11はコンピュ
ータの指令の下にレーザー1を制御するとともに光検出
器12と温度センサー10からの信号を読み取りコンピ
ュータ送る。コンピュータはこれらの信号をもとに吸収
率を計算する。次に、吸収率計算法の一例としてISO
11551に記載されている勾配法(Gradient
Method)を説明する。
【0004】サンプルにレーザビームを照射すると吸収
によってサンプルおよびサンプルホルダの温度が上昇を
開始する。サンプルへの照射光パワーをP、照射中の所
定の時刻t1での温度T12、温度変化率を(dT/d
t)h、照射停止後に温度が下降してT12までになっ
たときの温度変化率を(dT/dt)c、サンプルとサ
ンプルホルダ等の照射によって温度上昇を生じる部品の
熱容量の総和をCとすれば、吸収率Aは、数式1により
求めることができる。
【0005】
【数1】
【0006】ここで|dT/dt|h、(dT/dt)
cはそれぞれ(dT/dt)h、(dT/dt)cの絶
対値を表している。表記上の簡便性のため、k1=|d
T/dt|h、k2=(dT/dt)cとおき、(dT
/dt)c<0を考慮すると上式は、数式2として表す
ことができる。
【0007】
【数2】
【0008】但し、数式2ではサンプルとサンプルホル
ダ等の照射によって温度上昇を生じる部品が全て同一の
温度上昇をすると仮定して算出しているが、実際には、
サンプルとサンプルホルダ及びその接触部に熱抵抗が存
在することにより、部品間で上昇温度が異なる。また、
一般的にサンプルホルダを支持する部材が必要である
が、その部材の一部もある程度の温度が上昇するため、
温度上昇を生じる部品を明確に特定することは困難であ
る。したがって数式2だけから吸収率を正確に算出する
ことは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題を解決する
ための手段として、出願番号2001−082345に
開示されている手法を使用することも考えられる。同出
願において開示された吸収率測定機によれば、Cの定義
は熱容量の総和ではなく測定点での温度変化率と発生熱
を結び付ける単なる比例定数であり、この定数Cを求め
るために、測定サンプルと同材料、同形状の基板に電気
抵抗が既知の電熱ヒータを付加した構造を持つ基準発熱
器を装備している。この基準発熱器に所定の電流を通電
することにより所望のパワーの熱Wを正確に発生するこ
とができる。一方、パワーPの光が照射された吸収率A
のサンプルで、発生する熱のパワーはP・Aであるか
ら、基準発熱器を測定サンプルと同様にサンプルホルダ
に設置してサンプル測定時の照射時間と同じ時間だけ発
熱させ、発熱中の温度変化率(dT/dt)hと発熱停
止後の冷却中の温度変化(dT/dt)cを測定する
と、これらはP・AがWである場合の温度変化率に等し
い。簡便のため、この時の温度変化率(dT/dt)
h、(dT/dt)cをそれぞれk1r及びk2rと記
述すれば数式2からW=C(k1r −k2r)とな
り、これを変形して数式3のようになる。
【0010】
【数3】
【0011】この結果、定数Cを求めることができる。
吸収率Aは数式2及び3より数式4のようになる。
【0012】
【数4】
【0013】上述した吸収率測定機ではサンプル周囲の
雰囲気は、真空でも、気体が存在してもよい。真空中の
測定では気体によるサンプル温度の擾乱がない点では測
定再現性に有利であるが、サンプルとサンプルホルダ間
には、熱を伝達するために真空グリースを介在させる必
要がある。一方、空気中や窒素中での測定ではこれらの
気体が熱を伝導するので、グリースは使用しなくても測
定可能である。この場合、サンプルにグリースが付着す
ることがないので、吸収率測定後のサンプルの取り扱い
を考慮すると非常に有効である。
【0014】一方、近年の電子機器の小型化及び薄型化
の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化
への要求はますます高くなり、これに伴って、露光装置
に使用される光源の短波長化が益々要求されている。こ
のため今後は、より波長の短いF2レーザー光のような
遠紫外レーザー光が使用される傾向にある。従って、か
かる露光装置を構成する光学系の光学素子の吸収率を測
定する吸収率測定器は、F2レーザー光を使用する必要
があり、測定中のサンプルへの汚染物の付着を避けるた
め窒素雰囲気中でおこなうのが望ましい。
【0015】ところが、窒素中では前述のように、真空
グリースをサンプルとサンプルホルダ間に介在させるこ
となく測定ができるのであるが、サンプルとサンプルホ
ルダの間に塵などが挟まっていたりすると、気体層の厚
さが変わるので熱伝導性が変化する。従って、この場合
はサンプル装着時と基準発熱器装着時では熱の流れ方が
異なり、数式2の定数Cの値は数式3で求めた値とは異
なってしまうので、数式4ではサンプルの正確な吸収率
が求まらない場合があるという問題がある。
【0016】そこで、本発明は、サンプルとサンプルホ
ルダとの間の熱抵抗と基準発熱器とサンプルホルダとの
間の熱抵抗が異なってもサンプルの吸収率を精度よく測
定する吸収率測定装置及び方法を提供することを例示的
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の一側面としての吸収率測定装置は、サンプ
ルをサンプルホルダに装着した状態で前記サンプルへの
照射光の照射中と照射停止後における前記サンプルホル
ダの温度変化率と、所望の熱を発生することのできる基
準発熱器を前記サンプルホルダに装着した状態で基準発
熱器が発熱中と発熱停止後における前記サンプルホルダ
の温度変化率とにより前記サンプルの吸収率を測定する
吸収率測定装置において、サンプルホルダの温度変化の
緩和時間を測定する緩和時間測定手段と、測定された緩
和時間に応じて吸収率の補正計算する補正機能付き吸収
率計算手段を有すること特徴とする。かかる吸収率測定
装置によれば、緩和時間測定手段及び補正機能付き吸収
率計算手段がサンプルホルダの温度変化の緩和時間を利
用して、サンプルとサンプルホルダとの間の熱抵抗と基
準発熱器とサンプルホルダとの間の熱抵抗が異なって
も、サンプルの吸収率を精度よく補正することができ
る。
【0018】本発明の別の側面としての吸収率測定方法
は、サンプルが照射光を吸収する際の吸収率を測定する
吸収率測定方法であって、前記照射光のパワーを測定す
るステップと、前記サンプルをサンプルホルダに装着し
た状態で前記サンプルへの照射光の照射中と照射停止後
における前記サンプルホルダの温度変化率を測定するス
テップと、所望の熱を発生することのできる基準発熱器
を前記サンプルホルダに装着した状態で前記基準発熱器
が発熱中と発熱停止後における前記サンプルホルダの温
度変化率とを測定するステップと、前記サンプルと前記
サンプルホルダとの間の熱抵抗Rcと前記基準発熱器と
前記サンプルホルダとの間の熱抵抗Rcrとの間の差Δ
Rcと、前記サンプルホルダと当該サンプルホルダを収
納するチャンバーとの間の熱抵抗Raから得られるε=
ΔRc/(Ra+Rcr)を使用して前記2つの測定ス
テップから得られる吸収率を補正するステップとを有す
ることを特徴とする。
【0019】前記補正ステップは、前記サンプルを前記
サンプルホルダに装着した場合の温度変化の緩和時間
τ、前記基準発熱器を前記サンプルホルダに装着した場
合の温度変化の緩和時間τrからΔτ=τ−τrとし、
Rbを前記サンプル又は前記基準発熱器とチャンバーと
の間の前記サンプルホルダを介さない熱抵抗とした場合
に、ε={1+(Ra+Rcr)/Rb}・(Δτ/τ
r)としてもよいし、前記補正ステップは、前記サンプ
ルを前記サンプルホルダに装着した場合の温度変化の緩
和時間τ、前記基準発熱器を前記サンプルホルダに装着
した場合の温度変化の緩和時間τrからΔτ=τ−τr
とし、ΔT1を前記基準発熱器を前記サンプルホルダに
装着して所定のパワーの発熱をさせて十分時間が経過し
て温度が安定した時の上昇温度と、ΔT2を前記基準発
熱器を前記サンプルホルダから浮かせた状態で前記所定
のパワーの発熱をさせて十分時間が経過して温度が安定
した時の上昇温度とした場合に、ε={ΔT2/(ΔT
2−ΔT1)}・(Δτ/τr)としてもよい。
【0020】本発明の更に別の側面としてのプログラム
は、サンプルが照射光を吸収する際の吸収率を算出する
のに使用されるプログラムであって、前記照射光のパワ
ーと、前記サンプルをサンプルホルダに装着した状態で
前記サンプルへの照射光の照射中と照射停止後における
前記サンプルホルダの温度変化率と、所望の熱を発生す
ることのできる基準発熱器を前記サンプルホルダに装着
した状態で前記基準発熱器が発熱中と発熱停止後におけ
る前記サンプルホルダの温度変化率とから算出される前
記吸収率を、前記サンプルと前記サンプルホルダとの間
の熱抵抗Rcと前記基準発熱器と前記サンプルホルダと
の間の熱抵抗Rcrとの間の差ΔRcと、前記サンプル
ホルダと当該サンプルホルダを収納するチャンバーとの
間の熱抵抗をRaから得られるε=ΔRc/(Ra+R
cr)を使用して補正することを特徴とする。かかるプ
ログラムは、上述した吸収率測定装置及び方法と同様の
作用を奏する。
【0021】本発明の更なる目的又はその他の特徴は、
以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によ
って明らかにされるであろう。
【0022】
【発明の実施の形態】第1図は本発明の実施形態を表す
図面であり、波長が157nmであるF2レーザー光に
対する光学薄膜の吸収率を測定する吸収率測定装置の例
である。同図において、光源であるF2レーザー発振器
21から放射されたF2レーザービーム100は、ウイ
ンドウ22を透過し、窒素雰囲気に維持された照射光学
系チャンバー40に入射する。その後、アパーチャ23
でビーム径を制限され、凸レンズ24、ピンホール2
5、凸レンズ26を順に透過し、ミラー27で反射され
る。ピンホール25は凸レンズ24の焦点位置にあり迷
光等の不要な光を遮断する。さらにその後、ビームスプ
リッタ28で2分割され、反射光は光検出器33に入射
しそのパワーが測定される。予めサンプルのない状態で
パワーメータ33とパワーメータ34の出力比を測定し
てコンピュータ43に記憶しておくことで、サンプルへ
の照射光パワーPはパワーメータ33の出力から算出す
ることができる。
【0023】一方、ビームスプリッタ28を透過した光
はウインドウ29を経てサンプルチャンバー39に入
り、サンプルホルダ31上にセットされたサンプル30
に照射される。ここでサンプル30が持つ吸収率Aと照
射光パワーPの積に等しい量だけの照射光が熱に変換さ
れる。こうしてサンプル30で発生した熱はサンプルホ
ルダ31を介してサンプルチャンバー39に流れる。サ
ンプルホルダ31には、サンプルホルダ31の上昇温度
と温度変化の時定数を考慮してある程度大きな熱抵抗を
有するように熱抵抗が大きな部分32が設けられてい
る。この熱抵抗を大きくする方法としては図面のように
熱の流れる部分の断面積を小さくするのではなく、サン
プルホルダ31とサンプルチャンバー39の間に比較的
熱伝導率の小さな材料でできている部品を介在させその
形状により所望の熱抵抗を得ることも可能である。
【0024】サンプルチャンバー39は恒温水循環器3
7で温度安定化された水が通っている水管38によって
一定の温度に保たれているので、サンプルホルダ31の
上昇温度および温度変化率は発生した熱に比例する。従
来の方式でもホルダの接触状態が基準発熱器を装着した
時と同じであれば、この時の温度上昇率から数式4を使
ってサンプルの吸収率Aを求めることができる。これに
対して本実施例ではサンプル測定の際にサンプルとサン
プルホルダ間に塵が挟まるなどして、この間の熱抵抗が
基準発熱器を装着した時と接触状態が異なってしまって
いる場合でも、数式を補正した数式5を使って吸収率を
計算する補正機能付き吸収率計算手段により正確な吸収
率が求められるようになっている。
【0025】
【数5】
【0026】ここでτr、τはそれぞれ基準発熱器およ
びサンプルをサンプルホルダに装着した場合の温度変化
の緩和時間であり、緩和時間計算手段において通電また
は照射終了後の温度変化を指数関数で近似することで得
られる。ここで、緩和時間とは、初めの平衡状態から最
後の平衡状態に近づく早さを特徴づける時間である。γ
は後述の方法で求める定数である。数式5の導出を以下
に示す。
【0027】サンプルとサンプルホルダ間に熱抵抗があ
ると温度測定個所であるサンプルホルダの温度とサンプ
ルの温度は異なる。サンプルホルダとサンプル間の熱抵
抗をRc、サンプルホルダとサンプルチャンバー39間
の熱抵抗をRaとすれば、サンプル測定時のサンプルホ
ルダの温度変化率k1h、k2hは次式で表される。
【0028】
【数6】
【0029】
【数7】
【0030】同様にサンプルホルダと基準発熱器間の熱
抵抗をRcrとすれば、基準発熱器使用時のサンプルホ
ルダの温度変化率k1hr、k2hrは次式で表され
る。図3は上記各熱抵抗の関係を解りやすく示した図で
ある。
【0031】
【数8】
【0032】
【数9】
【0033】従って、数式4は、k1h、k2h、k1
hr、k2hr、を用いて数式10で表される。
【0034】
【数10】
【0035】基準発熱器とサンプルホルダ間の熱抵抗R
crとサンプルとサンプルホルダ間の熱抵抗Rcの相異
をΔRcとする。即ちΔRc=Rc−Rcrとすれば、
数式10は、
【0036】
【数11】
【0037】となる。ここで、εを数式12のように定
義した。
【0038】
【数12】
【0039】従って、εを求めることができれば、サン
プルとサンプルホルダ間の熱抵抗が変化しても数式11
より吸収率を正しく測定することができる。
【0040】次に、εを緩和時間τr、τにより求める
方法を説明する。サンプルまたは基準発熱器からサンプ
ルホルダを介さず輻射や気体伝導によってサンプル恒温
プレートに熱が流れる場合の熱抵抗をRbとすれば、サ
ンプルから恒温プレートまでの全熱抵抗Rと基準発熱器
から恒温プレートまでの全熱抵抗Rrはそれぞれ次式の
ように表すことができる。
【0041】
【数13】
【0042】
【数14】
【0043】一般に、緩和時間は熱抵抗と熱容量との積
なので、τ、τrはそれぞれ次式のように表すことがで
きる。
【0044】
【数15】
【0045】
【数16】
【0046】これより、Δτ=τ−τrとすれば次式の
ようになる。
【0047】
【数17】
【0048】ここで、ΔRc << Ra、 Rcrを
考慮すれば
【0049】
【数18】
【0050】数式12より、数式18は、
【0051】
【数19】
【0052】数式19を変形すると次式のようになる。
【0053】
【数20】
【0054】従って、(Ra+Rcr)/Rbの値が分
かれば数式20よりεをΔτの関数として求めることが
でき、さらに数式11より吸収率Aを求めることができ
る。そのため、(Ra+Rcr)/Rbの求め方を以下
に説明する。基準発熱器には上昇温度を測定できるよう
に新たに温度センサーを付着させておく。この状態で基
準発熱器を通常通りサンプルホルダに装着して所定パワ
ーの発熱をさせ十分時間が経過して温度が安定したとき
の上昇温度ΔT1を測定する。ΔT1はこのときの全熱
抵抗であるRrに比例する。次に基準発熱器を熱抵抗の
大きな糸などで吊るすなどしてサンプルホルダ31から
十分に浮かせる。この状態ではRcは実質的に無限大と
みなすことができるので全熱抵抗はRbに等しい。この
状態で基準発熱器を同じパワーの発熱をさせ十分時間が
経過して温度が安定したときの上昇温度ΔT2を測定す
る。ΔT2はこのときの全熱抵抗であるRbに比例す
る。従って、次式のようになる。
【0055】
【数21】
【0056】数式20及び21よりεが次式のように求
められる。
【0057】
【数22】
【0058】こうして得られたεと数式11より吸収率
を正しく求めることができる。当然ながらεの算出のた
めのΔT1とΔT2の測定は基準発熱器を使用して比例
定数Cを更新するときのみ行えばよい。
【0059】上述の計算方法はプログラムとして緩和時
間計算手段44及び補正機能付き吸収率計算手段45
(の図示しないメモリ)に格納される。
【0060】ここではF2レーザ光用の吸収率測定装置
を説明したがF2レーザに限らず、ArFレーザ光用あ
るいはKrFレーザ光用の吸収率測定装置も全く同様に
構成することができることはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吸収率測
定機ではサンプルとサンプルホルダ間にグリースを介在
させない場合でも、サンプルとサンプルホルダ間の塵な
どに影響されることなく正確な吸収率の測定が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による吸収率測定機のブロッ
ク図である。
【図2】 従来の吸収率測定機でISO11551:1
997に記載されている測定配置図である。
【図3】 各熱抵抗の関係を解りやすく示した図であ
る。
【符号の説明】
1 レーザー 2 ビームスプリッタ 3 光軸 4 ミラー 6 サンプルホルダ 7 サンプル 8 ダイアフラム 9 ビーム終端器 10 温度センサー 11 コントロールユニット 12 光検出器 21 F2レーザ発振機 22 ウインドウ 23 アパーチャ 24 凸レンズ 25 ピンホール 26 凸レンズ 27 ミラー 28 ビームスプリッタ 29 ウインドウ 30 サンプル 31 サンプルホルダ 32 熱抵抗が大きい部分 33 光検出器 34 光検出器 35 シャッター 36 基準発熱器 37 恒温水循環器 38 水管 39 サンプルチャンバー 40 照射光学系チャンバー 41 温度センサー 42 定電流源 43 コンピュータ 44 緩和時間計算手段 45 補正機能付き吸収率計算手段 100 F2レーザビーム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルをサンプルホルダに装着した状
    態で前記サンプルへの照射光の照射中と照射停止後にお
    ける前記サンプルホルダの温度変化率と、所望の熱を発
    生することのできる基準発熱器を前記サンプルホルダに
    装着した状態で基準発熱器が発熱中と発熱停止後におけ
    る前記サンプルホルダの温度変化率とにより前記サンプ
    ルの吸収率を測定する吸収率測定装置において、 サンプルホルダの温度変化の緩和時間を測定する緩和時
    間測定手段と、 測定された緩和時間に応じて吸収率の補正計算する補正
    機能付き吸収率計算手段を有すること特徴とする吸収率
    測定装置。
  2. 【請求項2】 前記サンプルは光学薄膜である請求項1
    記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記照射光は、F2レーザ光、ArFレ
    ーザ光、KrFレーザ光のいずれかである請求項1記載
    の装置。
  4. 【請求項4】 前記サンプルホルダを収納する空間は窒
    素雰囲気に維持する請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】 サンプルが照射光を吸収する際の吸収率
    を測定する吸収率測定方法であって、 前記照射光のパワーを測定するステップと、 前記サンプルをサンプルホルダに装着した状態で前記サ
    ンプルへの照射光の照射中と照射停止後における前記サ
    ンプルホルダの温度変化率を測定するステップと、 所望の熱を発生することのできる基準発熱器を前記サン
    プルホルダに装着した状態で前記基準発熱器が発熱中と
    発熱停止後における前記サンプルホルダの温度変化率と
    を測定するステップと、 前記サンプルと前記サンプルホルダとの間の熱抵抗Rc
    と前記基準発熱器と前記サンプルホルダとの間の熱抵抗
    Rcrとの間の差ΔRcと、前記サンプルホルダと当該
    サンプルホルダを収納するチャンバーとの間の熱抵抗R
    aから得られるε=ΔRc/(Ra+Rcr)を使用し
    て前記2つの測定ステップから得られる吸収率を補正す
    るステップとを有することを特徴とする吸収率測定方
    法。
  6. 【請求項6】 前記補正ステップは、前記サンプルを前
    記サンプルホルダに装着した場合の温度変化の緩和時間
    τ、前記基準発熱器を前記サンプルホルダに装着した場
    合の温度変化の緩和時間τrを利用してΔτ=τ−τr
    とし、Rbを前記サンプル又は前記基準発熱器とチャン
    バーとの間の前記サンプルホルダを介さない熱抵抗とし
    た場合に、ε={1+(Ra+Rcr)/Rb}・(Δ
    τ/τr)とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記補正ステップは、前記サンプルを前
    記サンプルホルダに装着した場合の温度変化の緩和時間
    τ、前記基準発熱器を前記サンプルホルダに装着した場
    合の温度変化の緩和時間τrを利用してΔτ=τ−τr
    とし、ΔT1を前記基準発熱器を前記サンプルホルダに
    装着して所定のパワーの発熱をさせて十分時間が経過し
    て温度が安定した時の上昇温度と、ΔT2を前記基準発
    熱器を前記サンプルホルダから浮かせた状態で前記所定
    のパワーの発熱をさせて十分時間が経過して温度が安定
    した時の上昇温度とした場合に、ε={ΔT2/(ΔT
    2−ΔT1)}・(Δτ/τr)とする請求項5記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 サンプルが照射光を吸収する際の吸収率
    を算出するのに使用されるプログラムであって、 前記照射光のパワーと、前記サンプルをサンプルホルダ
    に装着した状態で前記サンプルへの照射光の照射中と照
    射停止後における前記サンプルホルダの温度変化率と、
    所望の熱を発生することのできる基準発熱器を前記サン
    プルホルダに装着した状態で前記基準発熱器が発熱中と
    発熱停止後における前記サンプルホルダの温度変化率と
    から算出される前記吸収率を、 前記サンプルと前記サンプルホルダとの間の熱抵抗Rc
    と前記基準発熱器と前記サンプルホルダとの間の熱抵抗
    Rcrとの間の差ΔRcと、前記サンプルホルダと当該
    サンプルホルダを収納するチャンバーとの間の熱抵抗R
    aから得られるε=ΔRc/(Ra+Rcr)を使用し
    て補正することを特徴とするプログラム。
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