JP2001004526A - 耐光性試験方法及び試験装置 - Google Patents

耐光性試験方法及び試験装置

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JP2001004526A
JP2001004526A JP11175749A JP17574999A JP2001004526A JP 2001004526 A JP2001004526 A JP 2001004526A JP 11175749 A JP11175749 A JP 11175749A JP 17574999 A JP17574999 A JP 17574999A JP 2001004526 A JP2001004526 A JP 2001004526A
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light
resistance test
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light source
lamp
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JP11175749A
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English (en)
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Koji Ohigata
浩二 大日方
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実使用環境での寿命予測精度を改善した耐光
性試験を行う。 【解決手段】 評価対象となる光学装置の実使用時の光
源と同一または近似した特性を有する光源ランプ110
を設ける。また、集光率の可変調整が可能な集光レンズ
130A、130B、130Cを設ける。そして、光源
ランプ110からの光をUV/IRカットフィルタ12
0及び集光レンズ130A、130B、130Cを通し
て評価サンプル150の受光面上に均一に照射する。ま
た、評価サンプル150の冷却を行う空冷ファン160
A、160Bを設ける。また、光源ランプ110を駆動
する電源ユニット180を設ける。光量と温度の2つの
パラメータにより、評価サンプル150の出力等から耐
光性試験を行い、実使用環境での寿命予測を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種光学素子の特
性変化を評価するための耐光性試験方法及び試験装置に
関し、例えばプロジェクタ等に使用されるLCDパネル
等のように大光量を照射される素子の耐光性試験に適用
して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の耐光性試験方法の第1
の例を説明する斜視図である。この図10に示す方法
は、キセノンランプやカーボンアークランプを用いたも
のであり、ランプ1から一定距離を隔てたLCDパネル
等の評価サンプル2に連続して光を照射し、特性の変化
を測定する。
【0003】図11は、従来の耐光性試験方法の第2の
例を説明する断面図である。この図11に示す方法は、
光学系に実際のプロジェクタを用いた試験方法であり、
LCDパネルを使用する実際のLCDプロジェクタ内に
セットしたLCDパネルや光学素子等の評価サンプルに
ランプの光を連続的に照射して評価する方法である。図
11において、ランプ11から出射された光をUV/I
Rカットフィルタ12、フライアイレンズ13A、13
B、コンデンサレンズ14、15、フレネルレンズ16
を経てダイクロイックミラー17A、17B、17C及
び全反射ミラー18A、18Bにより反射され、偏向板
19A、19B、19C及びLCDパネル20A、20
B、20Cを透過して合成プリズム21に入光され、こ
の合成プリズム21より投射レンズ22より出射され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示す方法の問題点は、原則として太陽光による劣化を
前提にしているため、評価目的が異なることにある。具
体的には、以下のような問題が生じる。 (1)プロジェクタ用に一般的に用いるメタルハライド
ランプやUHPランプの発光波長分布がキセノンランプ
やカーボンアークランプとは異なるため、耐光性劣化の
メカニズムが実際の使用環境によるものと異なるものに
なることが考えられる。このため、実使用環境では現れ
ない現象を評価する試験になってしまう可能性がある。 (2)光照射による物質の変化は光化学反応によって発
生するため、光の波長によって化学反応速度が異なる。
光源の波長分布が変化すると、評価サンプルの劣化に要
する時間が異なってくるため、信頼性試験としては実使
用環境との相関をとる場合に加速係数の誤差として現れ
る。
【0005】(3)キセノンランプやカーボンアークラ
ンプの試験では、太陽光に含まれるものに相当する紫外
線の照射が必要で、この紫外線量を増やすことで劣化要
因を加速する加速試験としての意味があるが、プロジェ
クタ等で使用する場合は、可視領域の光しか利用しない
ので、紫外線領域の波長は紫外線カットフィルタにより
除去して用いる。このため、紫外線領域をカットしてし
まうと加速試験としての加速性が低くなる。 (4)プロジェクタ用のLCDパネルは、狭い面積にラ
ンプの光をレンズで集光して利用することで高いスクリ
ーン照度を確保しているが、キセノンランプやカーボン
アークランプでは、集光せずに試験をするため、パネル
面に照射される光量がプロジェクタ使用時より低くな
り、光量に対する加速試験にならない。
【0006】また、図11に示す方法では、具体的には
以下のような問題が生じる。 (1)プロジェクタ実機を用いて試験するため、実使用
条件に対して加速試験としての加速性があまり得られな
い。 (2)照射する光量が途中の光学系の効率で決められて
しまうので、光量を調整する範囲が狭く、試験としての
汎用性が低い。このため、長時間試験を行うときに試験
中のランプの劣化による光量低下を補正しきれずに試験
条件が変化してしまう。
【0007】そこで本発明の目的は、用途に合致した耐
光性試験を行うことができ、かつ、実使用環境での寿命
予測精度を改善できるとともに、試験の標準化が可能
で、高い安定性及び再現性を得ることができる耐光性試
験方法及び試験装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、光学装置に用いられる光学素子の評価サンプ
ルに試験用の光を連続的に照射して耐光性試験を行う方
法において、評価対象となる光学装置の実使用時の光源
と同一または近似した特性を有する光源ランプから放射
される光を、集光率の可変調整が可能な集光光学系を用
いて評価サンプルの受光面上に均一に照射することによ
り、前記評価サンプルの耐光性試験を行うようにしたこ
とを特徴とする。
【0009】また本発明は、光学装置に用いられる光学
素子の評価サンプルに試験用の光を連続的に照射して耐
光性試験を行う試験装置において、前記評価サンプルを
保持したサンプルホルダと、評価対象となる光学装置の
実使用時の光源と同一または近似した特性を有する光源
ランプと、前記光源ランプから放射される光を集光して
評価サンプルの受光面上に均一に照射する集光率の可変
調整可能な集光光学系と、前記サンプルホルダに保持さ
れた前記評価サンプルを冷却する冷却機構とを有するこ
とを特徴とする。
【0010】本発明の耐光性試験方法では、試験用の光
源ランプとして、評価対象となる光学装置の実使用時の
光源と同一または近似した特性を有する光源ランプを用
いる。そして、この光源ランプからの光を、集光率の可
変調整が可能な集光光学系を用いて評価サンプルの受光
面上に均一に照射して、連続的な照射光による評価サン
プルの出力の変化等を観測することにより、各種特性の
耐光性試験を行う。したがって、実使用時と同様の光源
により、用途に合致した耐光性試験を行うことができ、
かつ、実使用環境での寿命予測精度を改善できる。ま
た、シンプルな構成で汎用性の高い試験を行うことがで
きるので、試験の標準化が可能であり、様々な光学素子
の試験に対応でき、かつ、高い安定性及び再現性を得る
ことができる。
【0011】また本発明の耐光性試験装置では、サンプ
ルホルダに評価サンプルを保持した状態で、実使用時の
光源と同一または近似した特性を有する光源ランプから
光を放射し、この光を集光光学系によって集光し、評価
サンプルの受光面上に均一に照射する。そして、サンプ
ルホルダに保持された評価サンプルを冷却機構によって
冷却しながら、光の照射を連続的に行い、評価サンプル
の出力の変化等を観測することにより、各種特性の耐光
性試験を行う。したがって、実使用時と同様の光源によ
り、用途に合致した耐光性試験を行うことができ、か
つ、光量と温度の2つのパラメータにより、実使用環境
での寿命予測精度を改善できる。また、シンプルな構成
で汎用性の高い試験を行うことができるので、試験の標
準化が可能であり、様々な光学素子の試験に対応でき、
かつ、高い安定性及び再現性を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による耐光性試験方
法及び試験装置の実施の形態について説明する。なお、
本発明の説明において、光学素子とは、例えばLCDパ
ネル等のように複数の半導体素子や構造部品等の結合に
よって光学的な機能を達成する一定のデバイスとして組
み立てられたものから、逆に各種薄膜等のような機能材
料そのものまでを含む広義の意味を有するものとする。
また、光学装置とは、例えばプロジェクタのように光学
素子を組み込んだ比較的複雑で大型の装置から、LCD
パネル等のように、上述した広義の光学素子自体で構成
される装置まで含む広義の意味を有するものとする。
【0013】図1は、本発明の実施の形態による耐光性
試験装置の構成例を示す断面図である。この耐光性試験
装置は、筐体シャーシ170内に、試験用光源である光
源ランプ110と、紫外線と赤外線をカットするUV/
IRカットフィルタ120と、集光光学系を構成する集
光用レンズ130A、130B、130Cと、評価試料
取り付け用サンプルホルダ140とを配置し、サンプル
ホルダ140に評価試料(サンプル)150を取り付け
たものである。また、筐体シャーシ170には、冷却機
構としての空冷ファン160A、160Bと、外部から
の電源を導くためのランプ電源ユニット180が設けら
れている。
【0014】図2は、図1に示す形態の変形例であり、
集光用レンズ130Cから出射した光をサンプル150
に導くための投射光学系としての反射ミラー190を設
けたものである。一般に光学系は、中間の光学素子によ
る光損失を極力減らすため、図1に示すように、ランプ
110から評価サンプル150まで直線で構成されるこ
とが好ましいが、RGB光に色分解した光を照射する場
合には、図2に示すように、中間に色分解用反射ミラー
(例えばダイクロイックミラー)を用いた光学治具を配
置する構成とすることもできる。なお、図2において図
1と共通の構成には同一符号を付しており、また、図2
では光の経路だけを示しているが、その他の筐体シャー
シ170、空冷ファン160A、160B、ランプ電源
ユニット180等は、図1に示すものと同様であるもの
とする。また、図1、図2に示す構成において、光学系
の中間に、追加のレンズやフィルタを適宜挿入するため
の挿入治具(スロット)を配置できるようにした構成と
してもよい。
【0015】また、光源ランプ110には、実際の光学
装置(本例ではプロジェクタ)で使用されるランプを用
いる。一般的にはメタルハライドランプやUHPランプ
(超高圧水銀ランプ等)が最も多く使用されいるが、そ
れ以外の光源を使用することも可能である。使用環境に
対する加速性を評価するためには、実際の製品で使用さ
れている発光波長分布が等しいランプを用いることが望
ましく、できるだけ同一または近似した特性を有するラ
ンプを用いる。また、集光用レンズ130A、130
B、130Cには、例えばランプ110側に例えばフラ
イアイレンズまたは光学インテグレータ(図示の例では
フライアイレンズ130A、130B)を配置し、ラン
プ110から出射された光を均一光に変換する。そし
て、その後段の集光用レンズ130Cにより、均一光を
集光して評価サンプル150の受光面に供給する。な
お、集光用レンズ130Cの後段にさらに集光用レンズ
を追加してもよい。
【0016】次に、以上のような構成の耐光性試験装置
を用いた耐光性試験方法の詳細について説明する。 (1)照射光の調整 評価サンプル150の受光面に照射する光の光量は、集
光レンズの集光率を変えることで調整することができ
る。照射光量(集光率)を変える手段としては、集光レ
ンズの焦点位置を移動(例えば集光用フライアイレンズ
の位置の移動)により行うことができる。その他の光量
調整方法としては、例えば集光レンズの交換による集光
面積の拡大、縮小や、NDフィルタや遮光板の挿入等の
方法を採用し、入力光量を制限する方法等がある。ま
た、照射光量を常時モニタしながら、ランプ110の発
光強度を一定に調整する方法として、ランプ110の電
源ユニット180によるランプ出力調整を光強度モニタ
出力から電源ユニット180にフィードバックさせて自
動で行わせることも可能である。
【0017】(2)照射光の波長分布の調整 入射光の波長については、ランプ110の直後に配置さ
れたUV/IRカットフィルタ120の透過率特性を変
えることで調整することができる。また、波長調整用の
フィルタを光学系の途中に挿入することもできる。ま
た、中間にカラーフィルタを挿入することで、RGBの
光に対する評価を行うこともできる。
【0018】(3)評価サンプルの取付け 本例は、評価サンプル150としてLCDパネルをサン
プルホルダ140に取り付けるものであり、図3に示す
ように、サンプルホルダ140は、板状に形成されたホ
ルダ本体142と、LCDパネル本体150Aの外形に
応じた装着部144とを有する。ホルダ本体142は、
照射光をLCDパネル本体150Aに供給するための開
口部142Aを有する。また、装着部144は、複数の
スペーサ146を介してホルダ本体142と平行に設け
られており、LCDパネル本体150Aの入射側突出部
(図示略)の外形に対応する嵌合孔部144Aを有し、
この嵌合孔部144AにLCDパネル本体150Aの入
射側突出部を嵌合固定するものである。複数のスペーサ
146は、ホルダ本体142の熱を装着部144側に伝
えにくい材料により形成されており、このような断熱構
造を採用することにより、LCDパネルの温度上昇を抑
制できるものとなっている。
【0019】また、LCDパネル本体150Aには、フ
ラットケーブル150Bが設けられている。そして、L
CDパネル本体150Aをサンプルホルダ140の装着
部144に一旦固定した後、このサンプルホルダ140
のホルダ本体142を試験装置の照射位置に設置された
ホルダ取付け部(図示略)に固定する。なお、具体的な
構成としては、ホルダ取付け部としてスリットを形成
し、ホルダ本体142の端部を差し込んで嵌合固定する
ような構造とすることにより、外形の異なるサンプルで
もパネルホルダの交換のみで試験装置への装着が可能と
なっている。また、本例のようにLCDパネルではな
く、その他の素子、例えば偏光板や有機材料の薄膜を評
価サンプルとして評価する場合には、サンプルの外形に
あったホルダを作成し、そのホルダ毎に試験装置のスリ
ット等に差し込むことで、耐光性試験装置本体側の構成
を変えることなく、様々な外形のサンプル評価に対応す
ることができる。
【0020】(4)評価サンプルの温度調整 耐光性評価時のサンプル温度調整は、環境温度とサンプ
ル冷却機構(空冷ファン)の冷却能力の調整により行
う。耐光性評価で用いる強い光を照射すると、照射光に
よる評価サンプルの温度がかなり上昇する。LCDパネ
ル等、有機物を構成材料とするサンプルを評価する場
合、評価温度を有機材料の物質変化を起さない上限温度
より低くする必要があり、耐光性評価温度を安定させる
ためには、この冷却機構の冷却能力が重要になる。そこ
で本例の試験装置では、冷却機構として複数の空冷ファ
ン160A、160Bを設け、サンプルの温度上昇を抑
制するものである。これら空冷ファン160A、160
Bの回転数を調整することにより、評価サンプルに供給
される風速を調整することができ、所定のサンプル温度
に調整することが可能である。なお、空冷ファンを用い
る以外の冷却機構としては、冷却ガス(例えば窒素ガス
や空気等)を評価サンプルに吹き付ける方法や、水冷ま
たは冷却用媒体を用いた液体による冷却方法を採用する
ことも可能である。
【0021】(5)評価サンプルの温度測定 サンプル温度の測定は、例えば、サンプル表面に取り付
けた熱電対により計測する。このとき、熱電対を固定す
る接着剤・粘着テープ等は、可視光領域で光吸収の極力
少ない(透明な)材質のものを用いる必要がある。光を
吸収する(着色している)ものは、照射光を吸収し、そ
れ自体が高温になってしまうため、正確な温度測定を行
うことができない。温度測定方法としては、非接触の赤
外線による温度計測方法があるが、ランプ110からの
光により測定誤差を生じる可能性があるため、測定器の
測定波長に注意を要する。遠赤外線を利用している赤外
線温度計であれば問題ないが、近赤外線領域まで測定し
ている赤外線温度計では、照射光に僅かに含まれる近赤
外線を検知してしまうために正確な測定ができない可能
性がある。また、非接触の温度計測方法として、相転移
温度(NI点)の異なる液晶を封じ込めたサンプルを複
数用意し、光を照射した状態で相転移を起す液晶のNI
点から温度を求める方法がある。また、評価条件と一致
するNI点をもつ液晶を封入したサンプルを用いて、評
価温度に一致する冷却条件を決める方法もある。この場
合、液晶以外の評価に用いるサンプルと同じ材質と構造
である必要がある。
【0022】(6)評価サンプルの駆動 LCDパネルの信頼性を評価するためには、光を照射し
た状態でLCDパネルを作動させる必要がある。LCD
パネルを作動させる方法としては、図4に示すように、
LCDパネル200を試験装置210に取り付けた状態
で、LCDパネル200と駆動信号源を含む駆動装置2
20とをケーブル230により接続し、このケーブル2
30を介して駆動信号をLCDパネル200に供給す
る。なお、試験装置内に駆動信号源を設け、これをLC
Dパネルに供給して駆動することも可能である。
【0023】(7)照射光の面内均一性 本例の試験装置を試作し、例えば1.3インチ径の光学
系集光レンズにより対角線長が1.3インチ(アスペク
ト比4:3)の面内にランプ110の光を集光したとき
の照射面内の光強度分布測定値を図5に示す。すなわ
ち、図5に示す例では、照射面を3×3=9の領域に分
割し、各分割画面内では最も高い照射領域に対し、いず
れも80%以上の照度を有しており、プロジェクタに要
求される光強度の面内均一性を達成している。
【0024】(8)照射光量の調整可能範囲 上述した1.3インチ径の光学系集光レンズによる照射
面内の光強度調整範囲と集光レンズ間の距離との関係を
図6に示す。図6において、縦軸は照度(lx)を示
し、横軸は集光レンズ間距離(cm)を示している。試
作装置における光量の調整範囲は、2枚のフライアイレ
ンズ間距離を変えることにより、100wのUHPラン
プを用いたときに、対角1.3インチ(アスペクト比
4:3)の面内であれば、集光用レンズの位置移動だけ
で、2000000(lx)から10000000(l
x)の範囲まで調整可能である。これにより、照射面積
の小さいサンプルの評価に対しては、中間に追加の集光
レンズを挿入することで、さらなる光強度の向上が得ら
れる。
【0025】(9)評価結果1 図7は、偏光素子の耐光性評価結果の具体例を示す説明
図であり、縦軸に偏光度(%)を示し、横軸に照射時間
(h)を示している。評価サンプルへの照射光量は60
00000(lx)、サンプル温度は90°Cで100
wのUHPランプを用いて偏光度の特性を評価した結果
である。偏光度が初期値から0.3%低下した時点で故
障と定義すると、その時間に温度と光量の加速係数をか
けた値が実使用条件下における寿命と定義することがで
きる。この方法による耐光性試験では、加速要因として
温度、光量、光の波長分布を考慮すればよい。それぞれ
の加速性(加速係数)を求めておくことで、試験結果か
ら実使用条件での劣化時間を推定することができる。
【0026】以下に、加速係数の基本的な関係式を説明
する。劣化時間と温度の関係は、一般的に用いられる次
のようなアレニウスの反応式により、加速係数を求める
ことができる。 L=A・exp(Ea/kT) ここで、Aは係数、Eaは活性化エネルギ、kはボルツ
マン定数、Tは温度(K)である。そして、光量加速性
は原則として入射光量Pと比例関係にあるから、劣化時
間は入射光量Pに反比例する。 L∝1/P
【0027】また、波長依存性は、光による化学反応の
効率ηと波長固有の光量子エネルギEを積算した関係で
記述することができる。 L∝∫η・Edλ これらの加速係数から、試験で得られた劣化時間Ltと
市場環境での劣化時間Lfを計算すると、温度加速係数
Kt、光量加速係数Kp、波長加速係数Keを用いて、 Lf=Lt・Kt・Kp・Ke となる。これらの加速係数が事前に求められていれば、
試験結果から市場環境での劣化時間を簡単に予測するこ
とができる。
【0028】(10)評価結果2 図8は、サンプルの温度を変えて偏光板の特性劣化を測
定した結果を示す説明図であり、縦軸に偏光度(%)を
示し、横軸に照射時間(h)を示している。このデータ
から偏光度が初期の値に対して0.3%低下したときの
時間と温度の逆数をプロットすると、図9に示す直線的
な関係が求まる。すなわち、図9は、縦軸に劣化時間
(h)を示し、横軸に集光レンズ間距離(cm)を示し
ている。そして、この直線の傾きから温度加速性を決め
る活性化エネルギの値が得られる。
【0029】(11)まとめ 以上のような耐光性試験方法及び試験装置により、例え
ばプロジェクタ用LCD、レンズ、偏光板、位相差板、
配向膜、有機材料、樹脂、液晶、電極、接着剤、ガラス
等の耐光性評価を行うことができる。また、実使用時と
同じ波長特性のランプを用いることで、光エネルギ分布
(波長分布)に対する加速性の補正が不要になる。ま
た、試験パラメータとして、光量と温度の2つのパラメ
ータで市場環境での寿命予測が可能になる。また、照射
光量を光学系によって調整することができるため、試験
途中でもランプ劣化による光量低下を光学系の調整だけ
で随時補正することができ、信頼性試験としての安定
性、再現性を得ることができる。環境温度を変える方法
以外に、装置に取り付けた空冷ファン等の冷却機構によ
る冷却能力を変えることで、サンプル温度の調整ができ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の耐光性試験
方法では、試験用の光源ランプとして、評価対象となる
光学装置の実使用時の光源と同一または近似した特性を
有する光源ランプを用い、この光源ランプからの光を、
集光率の可変調整が可能な集光光学系を用いて評価サン
プルの受光面上に均一に照射して、連続的な照射光によ
る評価サンプルの出力の変化等を観測することにより、
各種特性の耐光性試験を行うようにした。このため、実
使用時と同様の光源により、用途に合致した耐光性試験
を行うことができ、かつ、実使用環境での寿命予測精度
を改善できる。また、シンプルな構成で汎用性の高い試
験を行うことができるので、試験の標準化が可能であ
り、様々な光学素子の試験に対応でき、かつ、高い安定
性及び再現性を得ることができる。
【0031】また本発明の耐光性試験装置では、サンプ
ルホルダに評価サンプルを保持した状態で、実使用時の
光源と同一または近似した特性を有する光源ランプから
光を放射し、この光を集光光学系によって集光し、評価
サンプルの受光面上に均一に照射するとともに、評価サ
ンプルを冷却機構によって冷却しながら、光の照射を連
続的に行い、評価サンプルの出力の変化等を観測するこ
とにより、各種特性の耐光性試験を行うようにした。こ
のため、実使用時と同様の光源により、用途に合致した
耐光性試験を行うことができ、かつ、光量と温度の2つ
のパラメータにより、実使用環境での寿命予測精度を改
善できる。また、シンプルな構成で汎用性の高い試験を
行うことができるので、試験の標準化が可能であり、様
々な光学素子の試験に対応でき、かつ、高い安定性及び
再現性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による耐光性試験装置の構
成例を示す断面図である。
【図2】図1に示す耐光性試験装置の変形例を示す断面
図である。
【図3】図1に示す耐光性試験装置において評価サンプ
ルとして用いるLCDパネルとサンプルホルダを示す斜
視図である。
【図4】図1に示す耐光性試験装置にLCDパネルをセ
ットして駆動装置に接続した状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示す耐光性試験装置によって評価サンプ
ルに光照射を行った場合の照射面内の光強度分布測定値
を示す説明図である。
【図6】図1に示す耐光性試験装置で用いる光学系集光
レンズによる照射面内の光強度調整範囲と集光レンズ間
の距離との関係を示す説明図である。
【図7】図1に示す耐光性試験装置による偏光素子の耐
光性評価結果の具体例を示す説明図である。
【図8】図1に示す耐光性試験装置により、サンプルの
温度を変えて偏光板の特性劣化を測定した結果を示す説
明図である。
【図9】図8における測定データから偏光度が初期の値
に対して0.3%低下したときの時間と温度の逆数をプ
ロットした結果を示す説明図である。
【図10】従来の耐光性試験方法の第1の例を説明する
斜視図である。
【図11】従来の耐光性試験方法の第2の例を説明する
断面図である。
【符号の説明】
110……光源ランプ、120……UV/IRカットフ
ィルタ、130A、130B、130C……集光用レン
ズ、140……サンプルホルダ、150……評価サンプ
ル、160A、160B……空冷ファン、170……筐
体シャーシ、180……ランプ電源ユニット。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学装置に用いられる光学素子の評価サ
    ンプルに試験用の光を連続的に照射して耐光性試験を行
    う方法において、 評価対象となる光学装置の実使用時の光源と同一または
    近似した特性を有する光源ランプから放射される光を、
    集光率の可変調整が可能な集光光学系を用いて評価サン
    プルの受光面上に均一に照射することにより、前記評価
    サンプルの耐光性試験を行うようにした、 ことを特徴とする耐光性試験方法。
  2. 【請求項2】 前記光源ランプの電源レベルを制御する
    ことにより、評価サンプルへの照射光量を制御しながら
    耐光性試験を行うことを特徴とする請求項1記載の耐光
    性試験方法。
  3. 【請求項3】 前記光学装置はプロジェクタであり、前
    記光学素子はLCDパネルであることを特徴とする請求
    項1記載の耐光性試験方法。
  4. 【請求項4】 前記光源ランプはメタルハイドロランプ
    であることを特徴とする請求項1記載の耐光性試験方
    法。
  5. 【請求項5】 前記光源ランプはUHPランプであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の耐光性試験方法。
  6. 【請求項6】 光学装置に用いられる光学素子の評価サ
    ンプルに試験用の光を連続的に照射して耐光性試験を行
    う試験装置において、 前記評価サンプルを保持したサンプルホルダと、 評価対象となる光学装置の実使用時の光源と同一または
    近似した特性を有する光源ランプと、 前記光源ランプから放射される光を集光して評価サンプ
    ルの受光面上に均一に照射する集光率の可変調整可能な
    集光光学系と、 前記サンプルホルダに保持された前記評価サンプルを冷
    却する冷却機構と、 を有することを特徴とする耐光性試験装置。
  7. 【請求項7】 前記集光光学系から出射された光を前記
    サンプルホルダに保持された前記評価サンプルに導くた
    めの投射光学系を有することを特徴とする請求項6記載
    の耐光性試験装置。
  8. 【請求項8】 前記光源ランプから放射された光に含ま
    れる紫外線及び赤外線を除去して前記集光光学系に導く
    フィルタを有することを特徴とする請求項6記載の耐光
    性試験装置。
  9. 【請求項9】 前記評価サンプルに照射される光の強度
    を検出する検出手段と、前記検出手段の検出信号に基づ
    いて前記光源ランプの駆動電圧レベルを制御する制御手
    段とを有することを特徴とする請求項6記載の耐光性試
    験装置。
  10. 【請求項10】 前記集光光学系に装着されて前記評価
    サンプルに照射される光の光量を制限する光量制限手段
    を有することを特徴とする請求項6記載の耐光性試験装
    置。
  11. 【請求項11】 前記光学装置はプロジェクタであり、
    前記光学素子はLCDパネルであることを特徴とする請
    求項6記載の耐光性試験装置。
  12. 【請求項12】 前記光源ランプはメタルハイドロラン
    プであることを特徴とする請求項6記載の耐光性試験装
    置。
  13. 【請求項13】 前記光源ランプはUHPランプである
    ことを特徴とする請求項6記載の耐光性試験装置。
  14. 【請求項14】 前記評価サンプルを交換可能に光照射
    位置に配置するサンプルホルダを有することを特徴とす
    る請求項6記載の耐光性試験装置。
  15. 【請求項15】 前記サンプルホルダは、前記評価サン
    プルを断熱構造で保持するものであることを特徴とする
    請求項6記載の耐光性試験装置。
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