JP2003261964A - トラクタローダの昇降制御装置 - Google Patents

トラクタローダの昇降制御装置

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JP2003261964A
JP2003261964A JP2002062117A JP2002062117A JP2003261964A JP 2003261964 A JP2003261964 A JP 2003261964A JP 2002062117 A JP2002062117 A JP 2002062117A JP 2002062117 A JP2002062117 A JP 2002062117A JP 2003261964 A JP2003261964 A JP 2003261964A
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Kiyobumi Sakurahara
清文 桜原
Koji Mizuguchi
幸治 水口
Masaaki Suga
公明 菅
Katsumi Yaguchi
勝己 矢口
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラクタにローダを装着してローダ作業を行
う場合に、車体の左右傾斜を判別しながら安全な姿勢で
の作業を行わせる。 【解決手段】 車体1に対して昇降可能のローダ2を備
え、車体1の左右傾斜を検出するスロープセンサ3を有
したトラクタローダにおいて、このローダ2の上昇位置
に対応した車体1の傾斜限界域を警報する警報装置4を
設けたことを特徴とする昇降制御装置の構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トラクタに装着
されて昇降されるローダの、昇降制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタに装着されるローダでは、トラ
クタ車体をできるだけ平坦な地面において接地させた姿
勢状態で前進しながら土壌を掬い取って停止し、次に、
ローダを上昇して後進し所定位置まで移動し、所定位置
の例えばトラック荷台上等にローダを位置させ、バケッ
トから土壌を下方に排土して最初の位置に戻るローダ作
業を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トラクタ車体にローダ
を装着して作業する形態では、車体の走行移動速度が速
いため作業地面の傾斜状態が判明し難く、しかも時間の
無駄を減すため土壌を入れたローダのバケット高さを昇
降しながら走行移動や旋回を行おうとするため、重心位
置の変化に伴い急に左右方向のバランスを崩す危険域と
成ることが多い。このような作業条件のもとでローダ姿
勢の危険域を的確に報知して運転者に知らせるものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車体1に対して昇降可能のローダ2を備え、車体1
の左右傾斜を検出するスロープセンサ3を有したトラク
タローダにおいて、このローダ2の上昇位置に対応した
車体1の傾斜限界域を警報する警報装置4を設けたこと
を特徴とする昇降制御装置の構成とする。
【0005】トラクタ車体1の走行によりローダ2を昇
降させてローダ作業を行う。この車体1に設けられるス
ロープセンサ3が、車体1及びローダ2の左右傾斜姿勢
を検出する。ローダ2の上昇位置が高くなれば車体1の
左右横方向の横転倒性も行われ易くなるが、この車体1
の傾斜限界域は予め警報装置4に設定されていて、この
ローダ2の上昇位置に対する車体1の傾斜限界域をスロ
ープセンサ3が検出すると、警報装置4が警報を発して
運転者に知らせる。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記車体1の傾
斜限界域外への傾斜によってローダ2の上昇を規制する
ことを特徴とするものであり、ローダ2が車体1に対し
て上昇して、この車体1の傾斜をスロープセンサ3が傾
斜限界域を越えた傾斜を検出すると、ローダ2が自動的
に上昇停止されたり、又は下降されてそれ以上のローダ
2の上昇が規制される。
【0007】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、車体1の傾斜
限界域をスロープセンサ3によって検出して警報装置4
で警報しながらローダ作業を行うものであるから、ロー
ダ2の上昇高さに応じた車体1の左右傾斜限界域内にお
いて限界域一杯に上昇させながらローダ作業を行うこと
ができ、安全で作業能率を図ることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記スロープセ
ンサ3が傾斜限界域を検出することによって警報装置4
が警報を発すると共に、それ以上のローダ2の上昇が規
制されるため、より安全なローダ作業を的確に行うこと
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の一実施例を図面に基づ
いて説明する。図1〜図3において、ローダ2はトラク
タ車体1の前側に装着されたフロントローダとして、昇
降制御可能の構成としている。トラクタ車体1は前車輪
5と後車輪6とを有し、この前車輪5を操向するステア
リングハンドル7、及び運転席8を有した乗用四輪走行
形態としている。車体1前部のボンネット9下にエンジ
ンを搭載し、前車輪5や後車輪6を伝動回転でき、オイ
ルポンプを駆動することによって、ローダ2の各昇降シ
リンダ10や掬角シリンダ11等を油圧駆動することが
できる。12は車体1後部上の安全フレームである。
【0010】ローダ2は、左右一対のローダアーム13
の前端にバケット14をショベルヒンジ15で上下回動
自在に連結したもので、このローダアーム13の後端は
ローダ取付ブラケット16にアームヒンジ17周りに上
下回動自在に支持される。このブラケット16は車体1
の左右側部に取付けられる。このローダアーム13とブ
ラケット16との間に昇降シリンダ10が連結されて、
この昇降シリンダ10の油圧伸縮によってローダアーム
13をアームヒンジ17の周りに昇降回動させる。この
ローダアーム13とバケット14基部との間に掬角シリ
ンダ11が連結されて、この掬角シリンダ11の油圧伸
縮によってバケット14をショベルヒンジ15周りに回
動させて、このバケット14の掬角を変更自在とする。
【0011】車体1側には、コントローラとして車体側
コントローラ18とローダ作業機側コントローラ21が
設けられる。前記スロープセンサ3を入力側に連結する
トラクタ車体1側に設けられるコントローラ18の出力
側には、マルチアイ19やアラーム20等が連結され
て、マルチアイ警告や、アラーム発振することができ
る。又、ローダ2側のコントローラ21は、入力側にロ
ーダアーム13の高さを検出するローダアーム高さセン
サ22を設け、出力側にはローダアーム13を昇降する
昇降シリンダ10を伸縮するための油圧回路の昇降バル
ブソレノイド23等を設ける。24は通信線で、両コン
トローラ18、21間を連結する。
【0012】車体1の水平地面に対する左右横方向の傾
斜角度を検出するスロープセンサ3の検出値θと、ロー
ダアーム13の高さhとによる函数として、車体1の横
転限界の傾斜限界域線Lのグラフが図3のように示され
る。そして、この傾斜限界域線Lを基準として、この領
域内Aを安全域とし、領域外Bを危険域として判別す
る。この判別に基づいて検出値が領域内Aにあるとき
は、通常のローダ作業を行うことができる。そして、傾
斜限界域線Lに近づくとそれを判別してマルチアイ19
等で警告させると共に、車速の高速域への変速を牽制し
たり、ローダアーム13の上げ出力を牽制する。又、領
域外Bを判別されると、走行を停止したり、減速した
り、ローダアーム13の上げ出力を停止したり、下げ出
力することができるようにしている。
【0013】このような車速の牽制や、ローダ上昇の牽
制、更には車速の減速や、ローダの下降等は、前記コン
トローラ18、21の判別に基づいて自動的に出力作動
させるように連動することができる。次に、主として図
4を参照して、上例と異なる点は、ローダ作業の前後進
の車速変更を速やかに、容易に行うために、主変速を油
圧無段変速装置(HST)25で行わせ、副変速を高速
Hと低速Lとのギヤ切替による副変速装置26とを有す
る伝動装置において、副変速低速域Lで最高速に達する
と、自動的に高速域H変速に切替られて、低速域から高
速への変速を円滑に行わせて、ローダ作業操作性を高め
ることのできる変速操作装置の構成としている。
【0014】車体1の走行伝動は、エンジン27からH
ST25、副変速装置26、デフギヤ28等を経て前車
輪5や後車輪6等の走行車輪へ伝動し駆動している。こ
のHST25は、トラニオン軸29がアクセルペタル3
0の前F、後R方向の踏み込みによって回動されて、副
変速装置26側への出力軸を中立位置Nから前進F高速
位置、又は後進R高速位置に無段変速操作することがで
きる。このアクセルペタル30の前進F側の最高速踏込
位置にはリミットスイッチ31が設けられ、後進R側の
最高速踏込位置にはリミットスイッチ32が設けられ
て、これら各位置へのアクセルペタル30の踏込みによ
ってONされて、コントローラ18へ入力される。これ
らスイッチ31、32のONによって油圧回路の切替弁
33、又は34が切替られて、副変速装置26の変速ギ
ヤが油圧力で切替えられる。この副変速装置26を低速
域Lの最高速位からは高速域Hへ切替えられて、高速域
Hでの無段変速を行わせることができる。又、アクセル
ペタル30の踏込みを緩めて戻すときは、HST25に
よる無段変速を高速から低速に減速しながら、スイッチ
31又は32から離間して、これらスイッチ31又は3
2がOFFされると、副変速は高速域Hから低速域Lに
切替られて、順次滑らかな減速が行われる。このように
して副変速を手動で行うことなくアクセルペタル30の
みの踏込みによって自動的に変速されて、操作性を高め
ることができる。
【0015】次に、図5、図6に示す実施例では、エン
ジン27のラジエータ35の前面に沿って回転できる洗
浄用のブラシ36を設け、このブラシ36にエンジン2
7の駆動で回転させるメータ駆動系のワイヤー37を利
用して連結させる。このブラシ36の回転によってラジ
エータ35の吸気面に付着する塵埃を除去し清掃するも
のである。このブラシ36の駆動源として特別の構成を
設けることなく、簡単な構成とすることができ、メータ
駆動系のワイヤー37の連結替えによるため、操作は簡
単である。
【0016】ラジエータ35はエンジン27の前方に配
置されて、このエンジン27によって回転されるラジエ
ータフアン38による風を通して、このラジエータ35
内を流れるエンジン冷却水を放熱させる。ブラシ36は
このラジエータ35の吸気側前面に設けられる。ブラシ
36はギヤケース39に回転自在に軸装40されて、メ
ータパネル41の、例えばタコメータ42との連結を外
したワイヤー37をこのギヤケース39の入力軸部にカ
ップリング等で嵌合させて連結する。このラジエータ3
5の掃除が終わればワイヤー37はタコメータ42に戻
して繋ぐことができる。43はギヤケース39を取付け
る取付ケースである。
【0017】次に、主として図7〜図11に基づいて、
燃料噴射形態のエンジン27における電子ガバナ56の
燃料噴射制御を説明する。燃料噴射ポンプ54は、電子
ガバナ56から出力制御される可変電磁ソレノイド5
2、コントロールラック53等を介して制御されて燃料
噴射量を制御する。この制御のため電子ガバナ56には
所定のプログラムが設定されていて、コントローラ44
の入力側におけるエンジン回転センサ45、水温センサ
46、アクセルセンサ47、PTOクラッチ入り切りス
イッチ48、モードスイッチ49、走行スイッチ50、
及びリフトスイッチ51等の各種のセンサやスイッチ等
を入力し、該プログラムによる演算に基づいて可変電磁
ソレノイド52を出力してコントロールラック53を目
標値に近付けるように作動させる。又、このコントロー
ルラック53は、燃料噴射ポンプ54による燃料量を決
めるもので、このコントロールラック53の作動量を検
出するラックセンサ55の検出値をコントローラ44に
入力してフィードバック制御する構成としている。
【0018】エンジン回転数と燃料噴射量(コントロー
ルラック位置)との関係を示す燃料供給特性グラフがマ
ップデータとして予めコントローラ44のコンピュータ
に記憶設定されており、アクセルペタルにより入力され
る値に対するグラフに基づいて、検出回転数に対する目
標ラック位置が演算されて、ラックセンサ55による検
出ラック位置がこの目標ラック位置に沿うようにソレノ
イド52を出力制御される。このデータマップのグラフ
は、路上等の走行状態の走行モードM3、作業状態の定
回転モードM1、及び高回転モードM2として設定され
ていて、電子ガバナ56は選択された各モードに沿うよ
うに出力制御される。
【0019】電子ガバナ56によって制御される燃料供
給特性グラフに示されるモードM1〜M3においては、
アイドル時は負荷の上昇と共に回転数を上げて制御する
ことにより、アイドル負荷の向上を図っている。実施例
においては、エンジン回転センサ45を2個設けてお
り、その構成は一方の回転センサは回転数を検出してい
るが、他方の回転センサは正転,逆転の回転方向まで検
出している。エンジン27の定格回転は2500〜27
50rpmに設定した場合を示し、各々途中1500、
2000、2250rpm等の回転時の状態を示す。
又、負荷との関係で、負荷が0%(無負荷)から20
%,50%,75%、及び100%(最大負荷)の状態
を示す。
【0020】図例の構成は、モードスイッチ49を切替
ることにより定回転モードM1、高出力モードM2、走
行モードM3の何れかを選択して、エンジンの性格を変
更して走行するトラクタであり、以下具体的に詳述す
る。ここに、定回転モードM1(図8)では、エンジン
の出力を一定の出力回転に保持させるのを目的としてい
る。但し、作用としては逆にエンジンの加速が鈍くなる
欠点がある。このモードに切替ると、エンジン回転セン
サ45により回転方向や回転数を検出し、エンジン回転
数(クランク軸)が500〜1500rpmの間は、エ
ンジン全シリンダに対しストロークあたり(4ストロー
クであればクランク軸2回転に一度)52ccの燃料を
噴射する。エンジン回転が1500〜2500rpmの
間は、52ccの噴射量を正比例的に43ccに減じて
噴射する。
【0021】この結果、定回転モードM1では、150
0rpmが最大トルク点となり、2500rpmが定格
回転のエンジン性格となり、常用範囲において図11に
示すような略横ばいの12馬力程度の一定出力を保つこ
とができる。このことは、PTOを使用した耕耘作業等
での通常作業時の、粘り運転重視の燃料供給特性を示
す。
【0022】次に、高出力モードM2(図9)では、コ
ントローラ44によりエンジンのクランク軸回転が50
0〜2000rpmの間は燃料を52cc噴射し、20
00〜2500rpmの間は52ccから48ccに正
比例で原料噴射する。この結果、高出力モードM2では
2000rpmが最大トルク点となり、2500rpm
が定格回転となり、エンジンは負荷75%までは略一定
の回転を保ち(1000〜1500rpm程度時)コン
トロールの回転で負荷100%になるとエンジン回転を
増やし、2200から2500程度の回転域では略一定
の回転を保つエンジン性格を有するモードとなった。こ
れにより、ホイルローダ作業やフロントローダ作業のよ
うな、低速回転で使用時に負荷が中から大になるとエン
ジン回転を増やして対応する逆ドループ制御dを行える
高出力でアイドル負荷重視の燃料供給特性を示す。これ
ら作業時の定回転モードM1と高出力モードM2とは、
モードスイッチ49によって切替られて選択される。そ
して、作業状態による操作性を向上し、アイドル負荷で
の出力を大幅に向上することができる。
【0023】最後に、走行モードM3(図10)では、
走行スイッチ50で選択されるが、アクセルペタルの踏
込時の加速性を向上するために、部分負荷部eで噴射燃
料供給特性を変えるようにして、部分負荷部eの部分を
使うことで、中程度の走行速度で中負荷時にエンジン回
転が非常に上昇しやすい性格にしている。それには、エ
ンジン回転が500〜2000rpmの間は52ccの
燃料を噴射し、2000〜2500rpmにかけて48
ccに正比例減量している。このようにすることで、路
上走行時におけるアクセル踏込時の加速性を向上でき
る。
【0024】aは始動時の燃料供給量、bは最大トルク
時の燃料供給量、cはアイソクロナス制御部、又、dは
逆ドループ制御部を示す。作業時には運転者が定回転モ
ードM1のエコノミー作業状態を切替選択でき、特にア
イドル時の負荷に対して向上することができる。又、走
行モードM3の選択は、自動変速操作と連動して自動的
に切替られるように設定している。
【0025】図11はアイドル負荷特性のグラフを示す
もので、前記定回転モードM1によるアイドル負荷特性
m1と、高出力モードM2によるアイドル負荷特性m2
を示し、従来のメカニカルガバナによるアイドル負荷特
性m4との対比を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタローダの側面図。
【図2】そのコントローラのブロック図。
【図3】そのローダ昇降制御の傾斜限界域線を示すグラ
フと、制御フローチャート。
【図4】一部別実施例を示す変速操作装置部のブロック
図。
【図5】一部別実施例を示すラジエータ部の正面図と、
そのブラシ部の側面図。
【図6】その一部ワイヤー部の側面図。
【図7】一部別実施例を示すエンジンの電子ガバナの制
御ブロック図。
【図8】その噴射燃料供給特性線で定回転モードを示す
グラフ。
【図9】その高出力モードを示すグラフ。
【図10】その走行モードを示すグラフ。
【図11】そのアイドル負荷特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1 車体 2 ローダ 3 スロープセンサ 4 警報装置
フロントページの続き (72)発明者 矢口 勝己 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2D012 BA01 2D015 GA03 GB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体1に対して昇降可能のローダ2を備
    え、車体1の左右傾斜を検出するスロープセンサ3を有
    したトラクタローダにおいて、このローダ2の上昇位置
    に対応した車体1の傾斜限界域を警報する警報装置4を
    設けたことを特徴とする昇降制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車体1の傾斜限界域外への傾斜によ
    ってローダ2の上昇を規制することを特徴とする請求項
    1に記載のトラクタローダの昇降制御装置。
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