JP2003261540A - 常温溶融塩及びそれを用いた電気化学素子 - Google Patents

常温溶融塩及びそれを用いた電気化学素子

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JP2003261540A JP2002063546A JP2002063546A JP2003261540A JP 2003261540 A JP2003261540 A JP 2003261540A JP 2002063546 A JP2002063546 A JP 2002063546A JP 2002063546 A JP2002063546 A JP 2002063546A JP 2003261540 A JP2003261540 A JP 2003261540A
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Masayuki Takeda
政幸 武田
Takako Takahashi
孝子 高橋
Makoto Ue
誠 宇恵
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性に優れた常温溶融塩及びそれを用い
た電気化学素子、特に自己放電特性に優れた電気二重層
キャパシタを提供する。 【解決手段】 有機陽イオンから選ばれた陽イオン種
と、ヘキサフルオロタンタル酸イオン、ヘキサフルオロ
ニオブ酸イオン及びヘキサフルオロバナジン酸イオンか
らなる群から選ばれた陰イオン種とから構成された塩か
らなる常温溶融塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温溶融塩及びそ
れを用いた電気化学素子に関する。詳しくは本発明は熱
安定性に優れた常温溶融塩、並びに該常温溶融塩を用い
る電気化学素子、例えば電気二重層コンデンサ、電気化
学キャパシタ、電池、電解コンデンサ、湿式太陽電池な
どに関する。本発明は特に、自己放電の少ない電気二重
層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】常温溶融塩とは、低融点であるために室
温において液状の外観を呈する塩を意味し、イオン性液
体であるために高い電気伝導率を有することを特徴とす
る。電解質を有機溶媒又は無機溶媒に溶解した電解質溶
液とは異なって溶媒の蒸発や分解がないため、一般に経
時劣化が小さく、また大気中に揮発性物質を排出しない
ため、環境への負荷が小さい。そのため常温溶融塩は、
導電性の液体材料として、また各種化学反応の溶媒とし
ての応用が期待されている。
【0003】従来、常温溶融塩としてテトラクロロアル
ミネート(AlCl4 -)のN−アルキルピリジニウム塩
またはN,N’−ジアルキルイミダゾリウム塩が知られ
ていたが、空気中の酸素や水分に対して不安定なため取
り扱いが制限されるという欠点があった。他方、これを
改良するものとして、無機および有機の含フッ素アニオ
ンを含有する常温溶融塩がいくつか報告されている。例
えば、J.Chem.Soc.,Chem.Commu
n.,965(1992)ではJ.S.Wilkesら
によりテトラフルオロホウ酸(BF4 -)の1−エチル−
3−メチルイミダゾリウム塩が、またJ.Electr
ochem.Soc.,142,L116(1995)
ではV.R.Kochらによりビス(トリフルオロメタ
ンスルホニル)イミドやトリス(トリフルオロメタンス
ルホニル)メチドの1−エチル−3−メチルイミダゾリ
ウム塩が、それぞれ大気中でも安定な常温溶融塩である
と報告されている。
【0004】このような常温溶融塩を各種電気化学素子
の電解液として使用することも検討されており、例え
ば、クロロアルミネート類の常温溶融塩を電気二重層キ
ャパシタ用の電解液として使用した例(特開平5−74
656号公報)や、ビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)イミド類の常温溶融塩を電気二重層キャパシタ用の
電解液として使用した例(WO97/02252号公
報)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】常温溶融塩はその性質
上、再結晶や蒸留による精製が困難であるため、その一
部がいったん分解反応を起こすと溶融塩中から分解物を
除去することは難しい。そのため常温溶融塩を反応溶媒
に使用する場合、より熱安定性に優れたものであること
が望まれる。また一般に常温溶融塩を電解液に使用した
電気二重層キャパシタは自己放電を起こしやすいため、
このような欠点を克服した電気二重層キャパシタの開発
が求められている。
【0006】従って本発明の課題は、より熱安定性に優
れた常温溶融塩及びそれを用いた電気化学素子を提供す
ること、並びに常温溶融塩を使用した電気二重層キャパ
シタにおいてより自己放電特性に優れたものを提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、常温溶融塩の構成成
分として特定の陰イオン種を用いることによって、それ
が達成し得ることを見出して、本発明を完成した。即ち
本発明の要旨は、有機陽イオンから選ばれた陽イオン種
と、ヘキサフルオロタンタル酸イオン、ヘキサフルオロ
ニオブ酸イオン及びヘキサフルオロバナジン酸イオンか
らなる群から選ばれた陰イオン種とから構成された塩か
らなることを特徴とする常温溶融塩、に存する。
【0008】また本発明の他の要旨は、有機陽イオンか
ら選ばれた陽イオン種と、ヘキサフルオロタンタル酸イ
オン、ヘキサフルオロニオブ酸イオン及びヘキサフルオ
ロバナジン酸イオンからなる群から選ばれた陰イオン種
とから構成された常温溶融塩を電解液とすることを特徴
とする電気化学素子、に存する。また本発明のさらに他
の要旨は、高比表面積材料から構成された正極及び負
極、正負両極を離隔する多孔性薄膜からなるセパレータ
並びに正負両極に担持された電解液から構成され、該電
解液が、有機陽イオンから選ばれた陽イオン種と、ヘキ
サフルオロタンタル酸イオン、ヘキサフルオロニオブ酸
イオン及びヘキサフルオロバナジン酸イオンからなる群
から選ばれた陰イオン種とから構成された常温溶融塩で
あることを特徴とする電気二重層キャパシタ、に存す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。本発明の常温溶融塩は、有機陽イオンか
らなる陽イオン種と、特定の陰イオン種とから構成され
た塩である。本発明の常温溶融塩を構成する上記陰イオ
ン種は、ヘキサフルオロタンタル酸イオン、ヘキサフル
オロニオブ酸イオンまたはヘキサフルオロバナジン酸イ
オンのいずれかから選ばれる。これらはいずれも周期律
表中で第5族の遷移金属元素の含フッ素アニオンであ
る。
【0010】また本発明の常温溶融塩を構成する陽イオ
ン種は、有機陽イオンであり、特に制限はないが、四級
アンモニウムイオン、四級ホスホニウムイオン、N−ア
ルキルピリジニウムイオン、N,N’−ジアルキルイミ
ダゾリウムイオンなどの一価のオニウムカチオンである
ことが好ましい。中でも高電導度かつ低融点の常温溶融
塩を与えるという点で、N,N’−ジアルキルイミダゾ
リウムイオンが好ましい。
【0011】このN,N’−ジアルキルイミダゾリウム
イオンとはイミダゾリウム環の1位及び3位の二つの窒
素原子にアルキル基が結合した一価の陽イオンである。
イミダゾリウム環のN位およびN’位に結合するアルキ
ル基としては、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキ
ル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が挙げら
れる。また、イミダゾリウム環の2位、4位及び5位に
ついては、無置換即ち水素原子が結合していてもよく、
また炭素数1〜4のアルキル基が結合していてもよい。
またイミダゾリウム環に結合したアルキル基の一部また
は全ては、相互に結合して環構造を形成していてもよ
い。具体例としては1,3−ジメチルベンズイミダゾリ
ウム、1−エチル−3−メチルベンズイミダゾリウム等
が挙げられる。
【0012】上記N,N’−ジアルキルイミダゾリウム
の具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−
2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイ
ミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリ
ウム、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリ
ウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、
1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムを挙
げることができる。中でも特に高電導度の常温溶融塩を
与えるという点では、1,3−ジメチルイミダゾリウ
ム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム及び1−エ
チル−2,3−ジメチルイミダゾリウムが好ましい。
【0013】本発明の常温溶融塩は、通常、単独化合物
として使用されるが、陰イオン種や陽イオン種またはそ
の両方が2種以上混合したものを使用してもよい。本発
明の常温溶融塩は、電気二重層キャパシタ、電気化学キ
ャパシタ、電池、電解コンデンサ、湿式太陽電池などの
電気化学素子の電解液として使用することができる。特
に本発明の常温溶融塩を電解液として使用した電気二重
層キャパシタは、従来問題であった自己放電特性に優れ
ており、好ましい。
【0014】電気二重層キャパシタは、多孔性薄膜から
なるセパレータを介して対向配置した正極および負極か
らなる電極素子において、正極及び負極の両方を高比表
面積材料、好ましくは活性炭繊維、活性炭粒子の成形
体、活性炭粒子の塗布膜等の高比表面積炭素材料、を用
いて構成される分極性電極とし、正極及び負極の両方に
電解液を含ませたものである。かかる構成の電気二重層
キャパシタでは、分極性電極と電解液との界面に生成す
る電気二重層に電荷が蓄えられる。
【0015】本発明の常温溶融塩を電気二重層キャパシ
タなどの電気化学キャパシタの電解液として使用する場
合、常温溶融塩中に混入した水分はキャパシタ耐電圧の
低下を引き起こすので、含水量は通常1%以下、好まし
くは1000ppm以下、さらに好ましくは500pp
m以下とする。本発明の電気二重層キャパシタの正極お
よび負極で使用される活性炭は、好ましくは平均細孔径
が2.5nm以下のものである。活性炭の平均細孔径は
窒素吸着によるBET法によって測定される。
【0016】上記活性炭の比表面積は、炭素質種による
単位面積あたりの静電容量(F/m 2)、高比表面積化
に伴う嵩密度の低下等の理由から一概には言えないが、
窒素吸着によるBET法により求めた比表面積は500
〜2500m2/gが好ましく、特に、比表面積が10
00〜2000m2/gの活性炭は、体積当たりの静電
容量が大きく、好ましい。
【0017】上記活性炭の製造方法は特に問わないが、
一般的には、植物系の木材、のこくず、ヤシ殻、パルプ
廃液、化石燃料系の石炭、石油重質油、或いはそれらを
熱分解した石炭及び石油系ピッチ、石油コークス、カー
ボンアエロゲル、メソフェーズカーボン、タールピッチ
を紡糸した繊維、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミド樹脂、イオン交換樹脂、液晶高分子等の
合成高分子、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等多種多様
の原料を炭化した後、賦活して製造される。賦活法とし
ては、炭化された原料を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸
素、その他の酸化性ガス等と接触反応させるガス賦活法
と炭化された原料に塩化亜鉛、りん酸、りん酸ナトリウ
ム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム、ホウ
酸、硝酸等を均等に含浸させて、不活性ガス雰囲気中で
加熱し、薬品の脱水及び酸化反応により活性炭を得る薬
品賦活法があり、いずれも用いることが出来る。
【0018】賦活処理後の活性炭を、窒素、アルゴン、
ヘリウム、キセノン等の不活性ガス雰囲気下で、通常、
500〜2500℃、好ましくは700〜1500℃で
熱処理し、不要な表面官能基を除去したり、炭素の結晶
性を発達させて電子伝導性を増加させたりしてもよい。
活性炭の形状は、破砕品、造粒品、顆粒、繊維、フェル
ト、織物、シート状等各種の形状があり、特に限定され
ず利用できるが、粒状の場合、電極の嵩密度の向上、内
部抵抗の低減という点で、平均粒子径は30μm以下で
あるのが好ましい。
【0019】活性炭以外にも高比表面積の炭素材料、例
えばカーボンナノチューブやプラズマCVDにより作製
した多孔性ダイヤモンドなどを使用することも可能であ
る。正極及び負極は、通常、炭素質物及び導電剤とバイ
ンダー物質とから構成され、薄い塗布膜、シート状また
は板状の成形体として使用する。上記導電剤としては、
例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカ
ーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸
化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル等
の金属ファイバーなどが好ましい。これらの中では、少
量で効果的に導電性が向上する点で、アセチレンブラッ
ク及びケッチェンブラックが特に好ましい。導電剤の炭
素質物との配合量は、炭素質物の嵩密度により異なる
が、多すぎると炭素質物の割合が減り、容量が減少する
ため、炭素質物の重量の通常5〜50%、特には10〜
30%程度が好ましい。
【0020】また、上記バインダー物質としては、例え
ばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン
共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェ
ノール樹脂等を用いるのが好ましい。の配合量は、炭素
質物の種類と形状によっても異なるが、多すぎると炭素
質物のバインダー物質割合が減って容量が減少し、少な
すぎると結着性が悪くなって強度が低下するため、炭素
質物の重量の0.5〜30%が好ましく、2〜30%が
特に好ましい。
【0021】正極及び負極は、従来から知られている方
法により成形することが可能である。例えば、活性炭等
の炭素質物とアセチレンブラック等の導電剤との混合物
に、ポリテトラフルオロエチレン等のバインダー物質を
添加混合した後、プレス成形して得ることができる。ま
た、活性炭等の炭素質物とピッチ、タール、フェノール
樹脂等のバインダー物質とを混合し、成型した後、不活
性雰囲気下で熱処理して焼結体を得ることができる。さ
らに、活性炭等の炭素質物及びバインダー物質のみ或い
は活性炭等の炭素質物のみを焼結して電極とすることも
可能である。例えば炭素繊維布を賦活処理して得られる
活性炭繊維布を用いる場合は、バインダーを使用せずに
そのまま電極として使用すればよい。
【0022】なお、正極及び負極に同一の活性炭および
成形方法を用いることもできるが、必ずしも同一である
必要はない。負極と正極とは同程度の比表面積を備える
ものが望ましい。電気二重層キャパシタには、正極と負
極との間に多孔性薄膜からなるセパレータが使用され
る。セパレータの材質としては、紙、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ガラス繊維等が用いられる。
【0023】電気二重層キャパシタの形状は、コイン
型、巻回型、角型、アルミラミネート型などいずれの形
状でもよく、またこれら形状に限定されるものではな
い。また電気二重層キャパシタに限らず、本発明の電気
化学素子の製造方法には、公知の種々の方法が適用でき
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の具体的態様
を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、これらの実施例によって限定されるものではな
い。 実施例1 [ヘキサフルオロタンタル酸−1−エチル−3−メチル
イミダゾリウムの合成]1−エチルイミダゾール43.
70g(455mmol)、炭酸ジメチル81.90g
(909mmol)、メタノール58.26gをオート
クレーブ中、反応温度145℃で13時間反応させて炭
酸メチル−1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの溶
液を得た。この反応液を放冷した後にフッ化アンモニウ
ム16.85 g(455mmol)を混合し、これを
50℃で加熱撹拌すると徐々にフッ化アンモニウムが溶
解して、発泡を伴いながら二酸化炭素とアンモニアが揮
発した。15.5時間加熱した後に不溶物を濾過により
除去し、フッ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム
の溶液を得た。さらにこの溶液にアセトニトリル500
mlを混合して氷浴で冷却した後、アルゴン雰囲気下
でペンタフルオロタンタル125.55g(455mo
l)を混合し、30分間撹拌した。この反応液から溶媒
を減圧下で留去することにより、目的物であるヘキサフ
ルオロタンタル酸−1−エチル−3−メチルイミダゾリ
ウム184.70g(450mmol)を無色透明の液
体として得た(収率98%)。
【0025】生成物の同定は19F−NMRによるTaF
6 -種の化学シフトの確認、また元素分析およびICP発
光分光法によりそれぞれCHNと金属(Ta)の元素重
量比率を算出することにより実施した。
【0026】
【表1】 19F−NMR 45.9ppm(一重線、(CD32SO溶媒中CFC
3基準)元素重量比率(%) 理論値:C,17.75;H,2.73;N,6.9
0;Ta,44.56 分析値:C,20.64;H,2.36;N,7.4
7;Ta,44.8 [常温溶融塩の評価]得られたヘキサフルオロタンタル
酸−1−エチル−3−メチルイミダゾリウムについて、
熱安定性の評価を熱重量分析計(リガク製、TG812
0)により行った。熱安定性の指標として、窒素気流
中、5℃毎分で昇温したときに5重量%の重量減少が起
こる温度(「5%重量減少温度」)を調べることにより
評価した。結果を表−1に示す。 [電気二重層キャパシタの作製および評価]ヤシ殻系炭
素を水蒸気賦活処理することにより得られた平均細孔径
2.0nmの活性炭粉末(比表面積1700m2/g、
平均粒子径10μm)80重量%、アセレンブラック1
0重量%及びポリテトラフルオロエチレン10重量%か
らなる混合物を混練した後、60kgf/cm2の圧力
で加圧成型して直径10mm,厚さ0.6mmの円盤状
の成型体を作製し、これを電気二重層キャパシタの正極
および負極として用いた。2枚の成型体を7.5x10
-3Pa以下の真空中、300℃で3時間乾燥した後、こ
れらをアルゴン雰囲気のグローブボックス中へ移動し
た。放冷後の2枚の活性炭成型体へ、上記にて合成した
常温溶融塩のヘキサフルオロタンタル酸−1−エチル−
3−メチルイミダゾリウムを減圧下で含浸させた。常温
溶融塩を含浸させた2枚の分極性電極の間にポリプロピ
レン製セパレータを挟み、これらをステンレス製ケース
内にポリプロピレン製ガスケットを介してかしめ封じる
ことにより、図1に示すようなコイン型の電気二重層キ
ャパシタを得た。
【0027】自己放電特性の評価は、作製した電気二重
層キャパシタを70℃にて2.8Vに充電した後、開回
路状態に保持してキャパシタの電圧値の変化を計測し
た。自己放電特性の指標として開回路後に10時間経過
した時点の電圧値を充電電圧(2.8V)で除してDL
C容量維持率(%)を算出した。結果を表−1に示す。 実施例2 [ヘキサフルオロニオブ酸−1−エチル−3−メチルイ
ミダゾリウムの合成]ペンタフルオロタンタルの代わり
にペンタフルオロニオブ125.55g(455mmo
l)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてヘキサフ
ルオロニオブ酸−1−エチル−3−メチルイミダゾリウ
ム143.00g(450mmol)を得た(収率98
%)。生成物の同定データは次表に示す。
【0028】
【表2】 19F−NMR 109.7ppm(十重線、JNb-F=354Hz、(C
32SO溶媒中CFCl3基準)元素重量比率(%) 理論値:C,22.66;H,3.49;N,8.8
1;Nb,29.21 分析値:C,24.42;H,2.93;N,8.5
8;Nb,30.07 [評価]実施例1と同様にして常温溶融塩の熱安定性を
評価し、また実施例1と同様にしてヘキサフルオロニオ
ブ酸−1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを電解液
として用いた電気二重層キャパシタを作製し、自己放電
特性を評価した。これらの結果を表−1に示す。
【0029】比較例1 常温溶融塩であるテトラフルオロホウ酸−1−エチル−
3−メチルイミダゾリウムについて同様に常温溶融塩の
熱安定性および電気二重層キャパシタの自己放電特性を
評価した。これらの結果を表−1に示す。
【0030】
【表3】
【0031】上記表−1より、本発明の常温溶融塩は熱
安定性に優れ、高温での使用にも好適であることがわか
る。また本発明の常温溶融塩を電解液に使用して作製し
た電気二重層キャパシタはより高い容量維持率を示し
た。
【0032】
【発明の効果】本発明の常温溶融塩は熱安定性に優れる
ため、高温での使用にも好適である。また本発明の電気
二重層キャパシタは容量維持率が高く、電気自動車、ハ
イブリッド車など種々の電気二重層キャパシタの用途に
も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な電気二重層キャパシタの構造を示す模
式的断面図である。
【符号の説明】
1 ケース 2 正極 3 ガスケット 4 セパレータ 5 負極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇恵 誠 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AM07 AM09 5H032 AA06 EE01 EE04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機陽イオンから選ばれた陽イオン種
    と、ヘキサフルオロタンタル酸イオン、ヘキサフルオロ
    ニオブ酸イオン及びヘキサフルオロバナジン酸イオンか
    らなる群から選ばれた陰イオン種とから構成された塩か
    らなることを特徴とする常温溶融塩。
  2. 【請求項2】 陽イオン種が、1,3−ジメチルイミダ
    ゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウ
    ムイオン及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリ
    ウムイオンからなる群から選ばれたものである、請求項
    1に記載の常温溶融塩。
  3. 【請求項3】 有機陽イオンから選ばれた陽イオン種
    と、ヘキサフルオロタンタル酸イオン、ヘキサフルオロ
    ニオブ酸イオン及びヘキサフルオロバナジン酸イオンか
    らなる群から選ばれた陰イオン種とから構成された常温
    溶融塩を電解液とすることを特徴とする電気化学素子。
  4. 【請求項4】 高比表面積材料から構成された正極及び
    負極、正負両極を離隔する多孔性薄膜からなるセパレー
    タ並びに正負両極に担持された電解液から構成され、該
    電解液が、有機陽イオンから選ばれた陽イオン種と、ヘ
    キサフルオロタンタル酸イオン、ヘキサフルオロニオブ
    酸イオン及びヘキサフルオロバナジン酸イオンからなる
    群から選ばれた陰イオン種とから構成された常温溶融塩
    であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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