JP2003261380A - アモルファスカーボン体の製造方法 - Google Patents

アモルファスカーボン体の製造方法

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JP2003261380A JP2002059604A JP2002059604A JP2003261380A JP 2003261380 A JP2003261380 A JP 2003261380A JP 2002059604 A JP2002059604 A JP 2002059604A JP 2002059604 A JP2002059604 A JP 2002059604A JP 2003261380 A JP2003261380 A JP 2003261380A
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Tatsuya Matsumoto
達也 松本
Masao Sunahara
昌夫 砂原
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラックの発生を抑え、割れや欠けのない優
れた表面状態を有するアモルファスカーボン体の製造方
法を提供する。 【解決手段】 樹脂材料を成形加工し、得られた成形品
に炭化焼成する前に熱処理を行う。熱処理は酸素濃度が
100ppm以上である酸化性雰囲気中で100℃〜3
00℃の温度範囲で行う。熱処理後の成形体に炭化焼成
を行ってアモルファスカーボン体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアモルファスカーボ
ン体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アモルファスカーボン体は、通常、セル
ロース等のような非熱可塑性の高分子や、フェノール樹
脂やフラン樹脂等の熱硬化性樹脂等の前駆体よりなる成
形体を炭化焼成することで得られる。このようなアモル
ファスカーボン体は、不浸透性、ガス不透過性を有し、
化学的にも安定なことから、金属・化学工学分野におい
て広く用いられており、また、導電性にも優れることか
ら、電気・電子工業分野においても多く使用されてい
る。さらに、アモルファスカーボン体は、様々な形状に
成形加工した成形体を炭化焼成して得られることから、
燃料電池用セパレータのように複雑な流路を有する形状
のものであっても、容易に形成することができる。
【0003】例えば、特開昭60−161144号公報
には、熱硬化性樹脂を含浸したセルロース質の紙を積層
して圧着し、硬化、焼成してアモルファスカーボン体と
する方法が開示されている。また、特公平6−1045
91号公報には、炭素質粉末と熱硬化性樹脂粉末と熱硬
化性樹脂液とを添加混合して成形し、硬化した後、不活
性雰囲気中にて炭化焼成してアモルファスカーボン体と
する方法が開示されている。これらのアモルファスカー
ボン体の製造方法では、炭化焼成の際に、樹脂成形体を
炭化焼成炉内に搬入して不活性ガス雰囲気中で徐々に昇
温しながら最終的に目標温度に到達させるような温度制
御がなされており、通常、昇温速度を調整しながら炭化
焼成が行われる。
【0004】しかしながら、セルロース等の非熱可塑性
の高分子や、フェノール樹脂やフラン樹脂等の熱硬化性
樹脂からなる成形体を炭化焼成する場合には、炭化の進
行と共に成形体中の非炭化成分がガス化して放出される
ため、質量の減少と併せて約43〜45%の体積収縮が
生じる。この体積収縮率は高分子あるいは熱硬化性樹脂
の種類によって異なるものであり、また、ある焼成温度
範囲における体積収縮率も一定でないため、炭化焼成時
の温度制御は厳密に行う必要がある。例えば、昇温速度
が早くなると時間に対する体積収縮率が大きくなって、
炭化焼成後のアモルファスカーボン体にクラックが発生
し、割れや欠けが生じたり、表面状態が悪くなるという
問題がある。また、昇温速度が遅い場合でも、ある温度
帯で急激な体積収縮が起こることになり、アモルファス
カーボン体にクラックが発生しやすくなる。
【0005】また、アモルファスカーボン体の成形性や
電気特性を向上させる目的で、樹脂材料に炭素質材料等
のフィラー材を添加混合した場合には、炭化焼成時にお
けるフィラー材の体積収縮率と樹脂材料の体積収縮率と
の違いによって、焼成物であるアモルファスカーボン体
にクラックが生じやすくなる。
【0006】さらに、アモルファスカーボン体を燃料電
池用セパレータとして用いる場合には、複雑な形状の流
路を有する成形体を炭化焼成するため、よりクラックが
生じやすくなるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、クラックの発生を抑え、割れや欠けのない優れ
た表面状態を有するアモルファスカーボン体の製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、樹脂材料を
成形加工して樹脂成形体を得た後に、酸化性雰囲気中に
おいて特定の温度条件下で熱処理し、これを不活性ガス
雰囲気中で炭化焼成してアモルファスカーボン体を形成
することで上記課題が解決されることを見出し、本発明
に到達した。
【0009】すなわち本発明は、樹脂材料を成形加工し
た後に炭化焼成することによりアモルファスカーボン体
を形成するに際し、前記炭化焼成前に、酸素濃度が10
0ppm以上である酸化性雰囲気中で100℃〜300
℃の温度範囲で熱処理を行うことを特徴とするアモルフ
ァスカーボン体の製造方法を要旨とする。
【0010】また、熱処理時間を1〜200時間とする
ことを特徴とするものである。さらに、アモルファスカ
ーボン体が燃料電池用セパレータであることを特徴とす
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、樹脂材料を成
形加工した後に炭化焼成してアモルファスカーボン体を
形成するに際し、炭化焼成前の成形体に、特定の酸化性
雰囲気下でかつ特定の温度条件の熱処理を行うことが必
要である。このように炭化焼成前の成形品に特定条件下
で熱処理を行うことによって、炭化焼成後に得られたア
モルファスカーボン体は、クラックの発生や割れや欠け
の発生等を抑えて良好な表面状態を有するものとなる。
このような効果が得られる理由は明らかではないが、炭
化焼成前に酸化性雰囲気下で熱処理を行うことによって
成形体の表層部に酸化層が形成され、この酸化層が寄与
して上記の効果が得られるものと推定される。
【0012】樹脂材料としては、アモルファスカーボン
体を成形できるものであれば特に限定されるものではな
いが、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラ
ミン樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、カルボジイミド
樹脂、フルフリルアルコール樹脂等の熱硬化性樹脂が使
用でき、中でも成形性やコスト面からはフェノール樹脂
を主成分とした熱硬化性樹脂が最も好適に使用できる。
これらは単独で使用しても良く、あるいは主成分となる
熱硬化性樹脂以外にその特性を損なわない範囲で異種の
樹脂を組み合わせた2種類以上の熱硬化性樹脂の混合物
であってもよい。なお、主成分となる熱硬化性樹脂に混
合される樹脂は主体となる樹脂の低分子量物でも良い。
【0013】また、樹脂材料には、加工性や成形性等を
改良する目的で、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸モノグリセライドなどの添加剤を離
型剤、滑剤として添加しても良く、さらに、成形性や電
気特性を改良する目的或いはフィラーとして、黒鉛粒
子、カーボンブラック粉末、熱硬化性樹脂硬化物粉、無
機粒子、無機繊維、炭素繊維、活性炭繊維、木粉やセル
ロース粒子等を添加してもよい。熱硬化性樹脂は成形加
工し硬化することで、目的とする形状にすることが可能
であり、その形状で炭化焼成することが可能となる。
【0014】成形体を得る方法としては、射出成形法、
プレス成形法、トランスファー成形法等が適応できる
が、複雑な流路形状を有する成形体を得る場合には、射
出成形法が最も好ましい。
【0015】上記成形加工により得られた成形体は、炭
化焼成処理を行うことでアモルファスカーボン体とする
ことができるが、成形体に直接に炭化焼成を施すと、成
形体中の非炭化成分がガス化して放出されて質量が減少
し、それに伴い体積も収縮するため、厳密な温度制御が
必要となる。また、厳密な温度制御を行っても、体積収
縮時の成形体の表層の脆弱さにより、炭化焼成時のクラ
ック等が発生してしまう。そこで、本発明においては、
焼成前の成形体に酸化性雰囲気中で特定の温度範囲で熱
処理を行うことで、続く炭化焼成時における成形体のク
ラックの発生や割れや欠けを防止している。すなわち、
特定条件下での熱処理により得られた焼成品は、クラッ
クの発生等を抑えた表面状態に優れたアモルファスカー
ボン体となる。
【0016】炭化焼成前に行う熱処理は、酸素濃度が1
00ppm以上の酸化性雰囲気中で行うことが必要であ
る。酸素濃度が100ppm未満の雰囲気下では、熱処
理を行ってもクラック等の発生を抑制する効果が発現し
なくなる。一方、酸素濃度が大気雰囲気中の酸素以上に
なると、それ以上に酸素濃度を高くしてもクラックの抑
制効果に大きな変化はないため、本発明においては熱処
理を大気雰囲気中で行うことが好ましい。
【0017】また、酸化性雰囲気中での熱処理は、10
0℃〜300℃の温度範囲とする必要がある。熱処理温
度が100℃未満であると、十分なクラック抑制効果が
得られない。また、熱処理温度が300℃を超えると、
成形体自体が燃焼してしまい形状が損なわれる恐れがあ
る。従って、酸化性雰囲気中での熱処理は、150℃〜
250℃の温度範囲とすることがより好ましい。
【0018】熱処理時間は樹脂成形体の体積との兼ね合
いで決まるものであり、体積が小さければ処理時間を短
く、体積が大きくなれば熱処理時間を長くする必要があ
るため、一概には言えないが、1〜200時間の範囲で
あることが好ましく、10〜100時間の範囲であるこ
とがより好ましい。
【0019】熱処理時の昇温速度は特に規定されるもの
ではないが、5℃/時〜400℃/時の範囲の昇温速度
であることが好ましい。昇温速度が400℃/時より速
くなると、熱処理時にクラック等が発生しやすくなる傾
向にあり、昇温速度が5℃/時より遅くなると、熱処理
時間が長くなるため生産性に劣るものとなる。
【0020】上記のような熱処理が施された成形品には
炭化焼成処理が施され、アモルファスカーボン体とな
る。炭化焼成処理は、従来は厳密な温度制御が必要であ
ったが、本発明においては、炭化焼成前に熱処理を行う
ことで炭化焼成時の温度制御の依存度が低くなり、生産
性も向上する。
【0021】炭化焼成処理は、窒素ガス、ヘリウムガ
ス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で、700〜
1600℃の温度範囲で行うことが好ましい。700℃
以下の温度での炭化焼成では、成形体を十分に炭化する
ことができずアモルファスカーボンの特性が発現しにく
くなる。また、炭化焼成温度は1600℃を超えても良
いが、それ以上に温度を上げても得られるアモルファス
カーボン体の特性に大きな変化は生じないため、エネル
ギーロスが生じる。従って、炭化焼成温度は900〜1
500℃の範囲であることがより好ましい。
【0022】また、炭化焼成時には、上記従来例のよう
に厳密な温度制御は必要はないが、成形体の体積収縮率
に応じて昇温速度をコントロールすることが好ましい。
成形体の体積収縮率は、焼成温度に対して一定ではな
く、高分子あるいは熱硬化性樹脂の種類により異なるも
のである。例えば、フェノール樹脂の場合、焼成のため
の昇温中の温度が400〜600℃の範囲においてガス
の発生が多いため、この温度範囲における重量減少およ
び体積収縮が他の温度範囲における重量減少および体積
収縮よりも大きくなる。そのため、400〜600℃の
範囲における昇温速度を他の温度範囲における昇温速度
に比べて遅くして重量減少速度及び体積収縮速度を小さ
くすることにより、クラックの発生等をさらに防止する
ことができる。
【0023】焼成時間は特に限定されるものではない
が、クラックの発生等をより良好に低減するためには、
成形品の厚みが厚いもの程、焼成時間を長くすることが
好ましい。
【0024】上記のようにして作成された本発明のアモ
ルファスカーボン体は、クラックの発生や割れや欠けの
ない表面状態の良好なものであり、複雑な形状のもので
あっても容易に形成できるため、燃料電池用セパレータ
や、Siウェハー用ダミーウエハーなどとして好適に使
用できる。
【0025】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例にのみに限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例における各種物性値
の測定は以下の方法により行った。 (1)酸素濃度(ppm):酸素濃度計(東レエンジニ
アリング社製、LC−750H/PC−111)を用い
て測定した。 (2)熱処理後の表面状態:熱処理後の成形体の表面状
態を目視により観察し、燃焼による表面のくすみの有無
を確認した。そして、成形体の表面にくすみが無く光沢
があるものを良好であると判断した。 (3)クラック数:炭化焼成後のアモルファスカーボン
体の表面状態を目視にて観察し、アモルファスカーボン
体の厚み方向に貫通していないヒビや裂け目をクラック
とし、その数を計測した。 (4)欠け:炭化焼成後のアモルファスカーボン体にお
いて全質量の1/100以下の欠落部を欠けとし、その
数を計測した。 (5)割れ:炭化焼成後のアモルファスカーボン体にお
いて全質量の1/100を超える欠落部の発生、もしく
はアモルファスカーボン体の厚み方向に貫通した裂け目
による分割を割れとし、その有無を判定した。 (6)炭化焼成後の表面状態:上述したクラック、欠
け、割れのうち、いずれの発生もないものを◎、いずれ
か一つでも発生したものを×として総合判定した。 実施例1 ランダムノボラック系フェノール樹脂(ユニチカ社製、
ユニベックスNタイプ)を原料とし、圧縮成型機(神藤
金属工業社製、NF−70)を用いて、温度140℃、
面圧20MPa、硬化時間4分の条件下でプレス成形を
行い、直径260mm、厚さ3mmの円盤状成形体を得
た。
【0026】この成形体を、酸素濃度202000pp
mの酸性化雰囲気中で、定温オーブン(ヤマト社製、D
N63H)を用いて、昇温速度9℃/時間、温度220
℃、滞留時間100時間の条件下で熱処理を行った。
【0027】次いで、熱処理された成形体を真空パージ
式焼成炉(光洋サーモシステム社製、KLL−9745
14)を用いて、窒素雰囲気下、1000℃で20日間
炭化焼成し、アモルファスカーボン体を得た。
【0028】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。
【0029】
【表1】 実施例2 酸化性雰囲気中での熱処理温度を160℃とした。そし
てそれ以外は実施例1と同様にしてアモルファスカーボ
ン体を得た。
【0030】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 実施例3 酸化性雰囲気中での熱処理時間を50時間とした。そし
てそれ以外は実施例1と同様にしてアモルファスカーボ
ン体を得た。
【0031】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 実施例4 酸化性雰囲気中での酸素濃度を500ppmとした。そ
してそれ以外は実施例1と同様にしてアモルファスカー
ボン体を得た。
【0032】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 実施例5 ランダムノボラック系フェノール樹脂(ユニチカ社製、
ユニベックスNタイプ)にフェノール樹脂硬化物(ユニ
チカ社製、ユニベックスCタイプ)を45質量%混合し
た樹脂を原料とし、射出成型機(名機製作所社製、VI
STAC SUPER I)を用いて、金型温度160
℃、金型締付圧15MPa、硬化時間40秒の条件下で
射出成形を行い、幅255mm、長さ360mm、厚さ
2.5mmの平板の両面に、ガス流路となる深さ0.9
mm、幅2.0mmの溝が1.5mm間隔でサーペンタ
インパターンに形成された成形体を得た。
【0033】この成形体を、酸素濃度202000pp
mの酸性化雰囲気中で、定温オーブン(ヤマト社製、D
N63H)を用いて、昇温速度60℃/時間、温度16
0℃、滞留時間12時間の条件下で熱処理を行った。
【0034】次いで、熱処理された成形体を真空パージ
式焼成炉(光洋サーモシステム社製、KLL−9745
14)を用いて、窒素雰囲気下、1000℃で5日間炭
化焼成し、アモルファスカーボン体を得た。
【0035】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 実施例6 酸化性雰囲気中での熱処理温度を220℃とした。そし
てそれ以外は実施例5と同様にしてアモルファスカーボ
ン体を得た。
【0036】得られたアモルファスカーボン体の表面状
態等を表1に示す。 実施例7 酸化性雰囲気中での酸素濃度を500ppmとした。そ
してそれ以外は実施例5と同様にしてアモルファスカー
ボン体を得た。
【0037】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。実施例1
〜7は、いずれも樹脂材料を成形加工した後に、酸化性
雰囲気中で100℃〜300℃の温度範囲で熱処理を行
い、熱処理後の成形品を炭化焼成したため、得られたア
モルファスカーボン体は、表面にクラックの発生は見ら
れず、割れや欠けもなく、良好な表面状態を有するもの
であった。特に、実施例5〜7は、成形体の表面に流路
溝を有する複雑な形状であったにもかかわらず、クラッ
クや割れや欠けの発生は見られなかった。 比較例1 円盤状成形体に熱処理を施さずに炭化焼成を行った。そ
してそれ以外は実施例1と同様にしてアモルファスカー
ボン体を得た。
【0038】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 比較例2 流路溝が形成された成形体に熱処理を施さずに炭化焼成
を行った。そしてそれ以外は実施例5と同様にしてアモ
ルファスカーボン体を得た。
【0039】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 比較例3 酸化性雰囲気中での熱処理温度を本発明の範囲よりも低
く80℃とした。そしてそれ以外は実施例1と同様にし
てアモルファスカーボン体を得た。
【0040】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 比較例4 酸化性雰囲気中での熱処理温度を本発明の範囲よりも高
く400℃とした。そしてそれ以外は実施例1と同様に
してアモルファスカーボン体を得た。
【0041】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 比較例5 酸化性雰囲気中での酸素濃度を本発明の範囲よりも低く
50ppmとした。そしてそれ以外は実施例1と同様に
してアモルファスカーボン体を得た。
【0042】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。 比較例6 酸化性雰囲気中での酸素濃度を本発明の範囲よりも低く
50ppmとした。そしてそれ以外は実施例5と同様に
してアモルファスカーボン体を得た。
【0043】熱処理後の成形体の表面状態、焼成後のア
モルファスカーボン体の状態等を表1に示す。比較例
1,2は、いずれも酸化性雰囲気下での熱処理を施さず
に成形体を炭化焼成したため、得られたアモルファスカ
ーボン体にはクラックが多発し、割れや欠けも生じて、
表面状態の悪いものとなった。
【0044】比較例3は、酸化性雰囲気下での熱処理温
度が本発明の範囲よりも低かったため、熱処理後の成形
体の表面状態は良好であるものの、焼成後の焼成品には
クラックが多数発生し、割れも生じて表面状態に劣るも
のとなった。
【0045】比較例4は、酸化性雰囲気下での熱処理温
度が本発明の範囲よりも高かったため、熱処理後の成形
体は端部にくすみが発生していた。また、焼成後の焼成
品にはクラックが発生し、表面状態も悪いものであっ
た。
【0046】比較例5,6は、いずれも成形体に酸化性
雰囲気下での酸素濃度が本発明の範囲よりも低かったた
め、熱処理後の成形体の表面状態は良好であるものの、
焼成後の焼成品にはクラックが多数発生し、割れや欠け
も生じて表面状態に劣るものとなった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂材料を成形加工し
た後に、酸素濃度が100ppm以上である酸化性雰囲
気にて100〜300℃で熱処理し、これを不活性ガス
雰囲気中で炭化焼成することにより、クラック等の不具
合がない優れた表面状態を有するアモルファスカーボン
体を製造することができる。また、クラックの発生に対
する炭化焼成時の温度制御の依存度が低くなるため、生
産性も向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G032 AA14 BA04 GA06 GA08 4G046 CA04 CB08 CB09 CC01 CC02 4H012 KA04 5H026 BB01 BB10 EE05 HH05 HH08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料を成形加工した後に炭化焼成す
    ることによりアモルファスカーボン体を形成するに際
    し、前記炭化焼成前に、酸素濃度が100ppm以上で
    ある酸化性雰囲気中で100℃〜300℃の温度範囲で
    熱処理を行うことを特徴とするアモルファスカーボン体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱処理時間を1〜200時間とすること
    を特徴とする請求項1記載のアモルファスカーボン体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 アモルファスカーボン体が燃料電池用セ
    パレータであることを特徴とする請求項1または2記載
    のアモルファスカーボン体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005158350A (ja) * 2003-11-21 2005-06-16 Mitsubishi Pencil Co Ltd 燃料電池用電極触媒及びその製造方法

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JP2005158350A (ja) * 2003-11-21 2005-06-16 Mitsubishi Pencil Co Ltd 燃料電池用電極触媒及びその製造方法

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