JP2003260747A - 鋼板補強シート - Google Patents

鋼板補強シート

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JP2003260747A
JP2003260747A JP2002064864A JP2002064864A JP2003260747A JP 2003260747 A JP2003260747 A JP 2003260747A JP 2002064864 A JP2002064864 A JP 2002064864A JP 2002064864 A JP2002064864 A JP 2002064864A JP 2003260747 A JP2003260747 A JP 2003260747A
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Shoji Uwano
庄二 宇和野
Yoshiharu Ito
義治 伊藤
Tsutomu Nagasawa
勤 長沢
Ichiro Kato
一郎 加藤
Shinichi Motojima
信一 本島
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SAITAMA RUBBER KOGYO KK
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SAITAMA RUBBER KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 極めて軽量で、補強性能が高く、かつ化
成処理液の汚染、ホルマリンの発生、および作業者に対
する皮膚刺激などを解決することが可能な、新規な鋼板
補強シートを提供すること。 【解決手段】 拘束層と発泡樹脂層とを有する鋼板補強
シートであって、前記拘束層が樹脂クロスからなること
を特徴とする、前記鋼板補強シートを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の生産機械、
輸送機械、産業用機械の鋼板に貼着して使用される鋼板
補強シートに関する。
【0002】
【従来の技術】重量の軽減化、鋼板強度の進歩によっ
て、現在使用されている自動車用鋼板の厚さは、一般
に、0.65〜0.8mmである。鋼板の構造上の強度は充分
であるが、ある一定面積以上の鋼板部分は外部応力に対
して変形し易いことから、外部からは見えない内側に鋼
板補強材を貼着することにより外部応力による鋼板の変
形を防いでいる。これらの補強材は、アルキド樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂
等の合成樹脂系材料と硬化剤に適宜充填材、添加材を配
合して混合混練し、適当な加工手段によって所望の大き
さ、形状に加工し、鋼板補強部に貼着し、所定の条件で
熱硬化させることにより鋼板を補強している。
【0003】しかし、所望の補強効果を得るためには相
当の厚さの補強材が必要であり、自動車の燃費向上のた
めの軽量化の要求には相反する重量増となっていた。ま
た、上記の樹脂組成物は一般に高価であるため、より安
価で、しかも軽量で鋼板補強効果のある補強シートが求
められているというのが現状である。
【0004】そこで、例えば特開平7−68695号には、拘
束層と、特定のゴムおよび樹脂エラストマーの組み合わ
せおよびその他の発泡樹脂層とからなる鋼板補強材であ
れば、極めて軽量で、価格対性能比の高い鋼板補強シー
トが得られることが記載されている。上記特開平7−686
95号に記載される鋼板補強シートは、拘束層と発泡樹脂
層とを備えてなる鋼板補強シートであって、該発泡樹脂
層の発泡前樹脂層は(a)数平均分子量500〜20000のゴ
ム5〜95重量%と(b)熱可塑性エラストマーから選ばれ
た少なくとも一種類95〜5重量%とからなる混合物
[(a)+(b)]100重量部に対し、(c)無機質充填材
5〜1000重量部(d)粘着付与剤1〜200重量部(e)軟化
剤0〜200重量部(f)架橋剤1〜100重量部(g)発泡剤1
〜100重量部を配合してなることを特徴とする鋼板補強
シートである。ここで拘束層としては、できるだけ軽量
で、薄膜であり、発泡樹脂層に強靱性を付与でき、しか
も発泡樹脂層と一体化しやすい材料であって、例えば、
ガラスクロス、カーボンファイバー、有機合成樹脂繊維
不織布、アルミニウム、スチール、金属合金類の金属箔
等が挙げられている。このうち、コスト、重量、密着
性、強度を勘案するとガラスクロス、アルミニウム箔が
特に好ましいとされているが、自動車用金属鋼板の分野
の現状としてはガラスクロスが多用されている。
【0005】ところがこのような拘束層としてガラスク
ロスを使用することには、以下のような問題がある。す
なわち、かかる鋼板補強シートを自動車用鋼板補強シー
トとして使用した場合に、自動車の製造工程において行
う化成処理(弱アルカリ性溶液処理)において、ガラス
が溶解して化成処理液を汚染し、処理液の交換サイクル
が早まるという問題がある。さらにこのようなガラスク
ロス拘束材の拘束力を保持させるために、ガラスクロス
表面にメラミン処理を行うことが必要であるが、このメ
ラミンから遊離ホルマリンが発生することが確認されて
おり、かかる補強材シートを自動車内装用として使用す
るには、難がある。さらに、ガラスクロスは、そのガラ
ス繊維による皮膚刺激(チクチク感)により、常に作業
者に負担を強いることになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
極めて軽量で、補強性能が高く、かつ従来から使用され
ているガラスクロスを備えた鋼板補強シートの問題点、
例えば化成処理液の汚染、ホルマリンの発生、および作
業者に対する皮膚刺激などを全て解決することが可能
な、新規な鋼板補強シートを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、拘束層として、樹脂クロスを用いること
により、従来ガラスクロスを使用していた際に存在して
いた問題点を解決することができることを発見し、本発
明をなすに到ったものである。したがって本発明は、拘
束層と発泡樹脂層とを有する鋼板補強シートであって、
前記拘束層が樹脂クロスからなることを特徴とする、前
記鋼板補強シートを提供する。以下に本発明に係る鋼板
補強シートを詳しく説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る鋼板補強シートに使
用する発泡樹脂層は、数平均分子量100〜30,000のゴム
と、架橋可能なゴム、架橋可能な熱可塑性樹脂または熱
可塑性エラストマーと、無機充填材と、粘着付与剤と、
軟化剤と、架橋剤と、発泡剤とを配合した組成物を、た
とえばシート状などの所定の形状に成形したものであ
る。
【0009】上記組成物に使用する数平均分子量100〜3
0,000のゴムとしては、ポリブタジエンゴム、1,2−ポ
リブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリ
ルニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ク
ロロプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム等の共
役ジエン系重合体が挙げられる。特に−OH、−COOH、−
NH2、−NCO、−CH=CH2等の官能基を有するゴムが挙げ
られる。特にポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、イソブチレン−イソプレンゴムが好ましい。そ
の数平均分子量は100〜30,000、好ましくは500〜20,0
00、さらに好ましくは5,000〜15,000である。数平均
分子量が100未満であると油面で処理された鋼板への粘
着強度が低下する虞れがあり、30,000を越えると形状
追従性が悪くなる虞れがある。
【0010】上記組成物において、数平均分子量100〜3
0,000のゴムの配合量は、2〜95重量%、好ましくは5〜
50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。数平
均分子量100〜30,000のゴムの配合量が2重量%未満で
あると粘着性、形状追従性が低下する。95重量%を越え
て配合すると架橋前の組成物の粘度が低くなり、油面処
理された鋼板への粘着強度が低下する。
【0011】上記組成物に使用する架橋可能なゴム、熱
可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー(以下、架橋可
能な樹脂成分と称す)としては、例えば1,2−ポリブタ
ジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エ
チル(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸コポリマー、官能基を有する(メタ)アクリ
ル酸樹脂、例えば、ヒドロキシル基、グリシジル基、イ
ソシアネート基、カルボン酸基、オキサゾリン基、アジ
リジン基、アクリル酸ビニル基等の官能基を有する(メ
タ)アクリル酸樹脂およびこれらの混合物、芳香族ビニ
ル化合物と共役ジエン化合物との共重合体及びこれらの
水添物、アイオノマー、ポリオレフィンのカルボキシ変
性体等が挙げられる。上記熱可塑性エラストマーにエポ
キシ樹脂、ポリイソシアネート等を併用したものも使用
できる。上記のうち好ましいのは、1,2−ポリブタジエ
ン、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合
体、特にそのブロック共重合体及びポリオレフィンの酸
変性体及びこれらにエポキシ樹脂、ポリイソシアネート
を配合したものである。1,2−ポリブタジエンとして
は、1,2結合含量が70%以上、好ましくは85%以上のも
のであり、結晶化度が5%以上、好ましくは10〜40%の
ものが推奨される。熱可塑性エラストマーの分子量は、
混練加工性及び架橋発泡性を得るためには、[η](ト
ルエン30℃)が0.5dl/gr以上であることが好ましい。
【0012】上記組成物において、上記架橋可能な樹脂
成分の配合量は、組成物中2〜95重量%、好ましくは5〜
50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。さら
に、架橋可能な熱可塑性樹脂であるエチレン−メタクリ
ル酸コポリマーを用いれば、鋼板補強シートを高温下で
貯蔵しても劣化するおそれが少なく、金属鋼板に対する
密着性を失わないという点で好都合である。また、エチ
レン−メタクリル酸コポリマー樹脂を使用した鋼板補強
シートを発泡、架橋して金属鋼板に圧着した補強金属鋼
板は、鋼板周辺部からの水などの浸入がなく、金属部の
サビや、架橋シートのはがれを生じることがない点にお
いても好適である。さらにかかるシートの、特に優れた
高温貯蔵性のため、シート自体、および補強金属鋼板を
船積みにして輸出することが可能となる。
【0013】上記組成物に使用される無機充填材成分と
しては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネ
シウム、マイカ、タルク、クレー、ケイ酸、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料類、カーボン繊維、コッ
トンフロック等の繊維状充填材等が挙げられる。無機充
填材の配合量は、組成物中5〜90重量%、好ましくは20
〜60重量%、さらに好ましくは30〜50重量%である事が
好ましい。5重量%未満の配合量であると、混練性に劣
り、また、全体の価格が上昇するためコスト的に不利で
ある。一方、90重量%を越えて配合した場合、粘着性及
び強度が低下する。
【0014】上記組成物に使用される粘着付与剤として
は、ロジン樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系
樹脂、脂肪族及び芳香族系石油樹脂などが挙げられる。
粘着付与剤の配合量は、組成物中5〜80重量%、好まし
くは15〜40重量%である。5重量%未満の配合量である
と鋼板及び拘束層への粘着性が低下する虞れがあり、一
方、80重量%を越えて配合した場合、強度が低下する。
【0015】上記組成物に使用される軟化剤としては、
一般にプロセスオイル、エクステンダーオイルと呼ばれ
る鉱物油系のゴム用軟化剤が挙げられる。上記他成分と
の相溶性の点からナフテン系及び芳香族系のものが好ま
しい。その他、アタクチックポリプロピレン、アスファ
ルト等の瀝青物質が例示できる。これら軟化剤成分の配
合量は、組成物中2〜60重量%、好ましくは3〜40重量%
である。60重量%を越えて配合した場合、混練加工性が
著しく低下する。
【0016】上記組成物に使用される架橋剤としては、
硫黄、又は加熱により硫黄を生成する化合物と加硫促進
剤との組合せ、有機過酸化物、イソシアネート化合物、
アミン系化合物等が挙げられる。紫外線、電子線、X線
等により架橋する方法も使用できる。硫黄としては粉末
硫黄、コロイド硫黄等一般的な硫黄が使用出来、加熱に
より硫黄を生成する化合物としてはテトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等
が例示出来る。これら架橋剤の配合量は、組成物中1〜3
0重量%、好ましくは3〜30重量%であることが好まし
い。1重量%未満の配合量の場合架橋度が不足して補強
性能が得られ難い。30重量%を越えて配合した場合、脆
弱となり実用性に劣る。
【0017】上記組成物に使用される発泡剤としては、
公知の無機あるいは有機発泡剤が使用できる。その具体
例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、
炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボンア
ミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジニトロ
ソテレフタルアミド、アゾブスイソブチロニトリル、ア
ゾジカルボン酸バリウム、スルホニルヒドラジド、トル
エンスルホニルヒドラジド等を挙げることが出来る。尿
素、尿素誘導体等の発泡助剤との併用も出来る。上記の
うち好ましいのはアゾジカルボンアミド、ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミンの各々あるいは併用と尿素、尿
素誘導体等の発泡助剤との組合せである。これら発泡剤
の配合量は、組成物中0.1〜50重量%、好ましくは0.3〜
30重量%である。特に好ましくは1〜10重量%である。
0.1重量%未満の配合量の場合、所望の発泡効果が得ら
れ難い。また、50重量%を越えて配合した場合、発泡剤
から発生するガスにより良好な外観が得られない虞れが
ある。
【0018】上記説明したような成分を配合、混練し、
シート状に成形することによって、本発明に係る鋼板補
強シート用発泡樹脂層を形成することができる。発泡樹
脂層を製造するには、上記の各種配合物をディゾルバ
ー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、オー
プンニーダー、真空ニーダー等の従来公知の混合分散機
によって分散混練した後、例えば型枠内に流し込み、乾
燥後に型枠から取り外す方法や、カレンダーロールによ
る圧延、押出成形機、等の加工機械によってシート状に
加工することができる。
【0019】発泡樹脂層シートの厚さは、通常0.1〜5m
m、好ましくは0.3〜3mm、さらに好ましくは0.5〜1.2
mm程度にする。0.1mmより薄いものであると、補強性能
に劣り、5mmより厚いと、柔軟性や金属鋼板への形状追
従性に劣る。
【0020】本発明の鋼板補強シートは、上記のように
して製造した発泡樹脂層と、これに積層される拘束層と
を有する。拘束層を設けることにより、発泡樹脂層の厚
さを薄く保つことができるほか、発泡樹脂層の割れや裂
けを防止し、かつ鋼板を制振する効果を補うことができ
る。拘束層としては、出来るだけ軽量で、薄膜であり、
発泡樹脂層に強靭性を付与出来、しかも発泡樹脂層と密
着一体化し易い材料が好ましい。具体的には、ガラスク
ロス、カーボンファイバー、有機系合成樹脂繊維不織
布、アルミニウムやスチール、各種金属の合金類等の金
属箔、樹脂シート、樹脂クロス等が例示できるが、コス
ト、重量、密着性、強度および自動車製造工程における
化成処理を考慮に入れて、本発明においては樹脂クロス
を使用することが非常に好ましい。樹脂クロスを使用す
ることによって、自動車製造工程における化成処理にお
ける処理液の汚染を防止することができ、メラミン処理
を行う必要がないので遊離ホルマリンの問題を回避で
き、かつ製造作業者に対する皮膚刺激(チクチク感)を
改善することが可能である。
【0021】本発明に使用することができる樹脂クロス
としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ポ
リカーボネート、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテ
ルケトン、変成ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリ
アリレート、その他液晶ポリマーおよびこれらの混合物
など、種々のポリマーからなる糸を編み、好ましくは製
織しクロスにしたものを挙げることができ、これらクロ
スを各種組み合わせて用いることができる。
【0022】上記した材質のモノフィラメントあるいは
マルチフィラメント繊維を用いて本発明樹脂クロス部を
製造する方法については特に限定されず、上記繊維を経
糸及び緯糸として公知の方法で製織すればよい。織り組
織としては平織りが好ましい。クロスの密度はたて密度
とよこ密度の和が4〜1000本/2.54cmで、好ましくは30〜
60本/2.54cmである。
【0023】糸の太さについては線経あるいは繊度で特
に限定されず、種々の線経のものを用いることが可能で
ある。本発明において、平織りとした場合の経糸として
は線経27〜500μm、あるいは10〜3000dtexのものを、ま
た緯糸としては線経27〜500μm、あるいは10〜3000dtex
のものを用いることができる。特に、樹脂クロスを例え
ば熱ロール、プレスなどの方法により、表面のみを熱融
着させたものを使用することが好ましい。このような処
理を行うことで、繊維断面の表面のみが融着するので、
補強性を確保することができるからである。または、樹
脂クロスに各種ポリマー、例えばゴム系、アクリル系、
ポリエステル系又は混合物を表皮材としてコーティン
グ、あるいは含浸処理することでも同様の効果が得られ
る。この時のコーティング樹脂付着量は通常10〜500g/m
2、好ましくは100〜300 g/m2程度のものを使用する。
【0024】樹脂クロスの厚さは、補強性能や樹脂クロ
スを貼り付けた補強シート自体の柔軟性などを考慮する
と、通常0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.8mm、さらに好
ましくは、0.5〜0.6mm程度のものを使用する。
【0025】拘束層と、発泡樹脂層とを有する鋼板補強
シートは、上記のように得られた樹脂層と拘束層とを積
層接着することにより製造できる。当該樹脂層の加熱発
泡は、鋼板への貼着前後において可能である。加熱発泡
前の当該樹脂層には強い粘着力があるので、その粘着力
を利用して、積層加圧するだけで鋼板に圧着させること
ができる。ローラー等の機械的な手段により加圧接着し
ても差し支えない。鋼板貼着前の樹脂層または発泡樹脂
層の拘束層を積層していない側には、鋼板へ貼着作業す
る際の利便を考慮して離型紙を貼着しておくのが好まし
い。
【0026】
【実施例】(実施例1) 補強金属鋼板の作成 数平均分子量20,000のポリブタジエンゴム(商品名:B
R-01、JSR製)13重量%、1、2ホ゜リフ゛タジエン(商品名:R
B-810、JSR製)10重量%、充填材として炭酸カルシウム
(商品名:TM-1、有恒工業製)40重量%、粘着付与剤と
してテルペン系樹脂(商品名:YS-800、ヤスハラケミカ
ル製)16重量%、軟化剤としてプロセスオイル(商品
名:SNH-220、三共油化工業製)8重量%、架橋剤として
硫黄(商品名:サンフェル、三新化学工業製)10重量
%、発泡剤として複合発泡剤(商品名:KS、永和化成工
業製)3重量%を、加圧ニーダー(製品名:テストニー
ダー、森山製)にて混練し、カレンダーロールにて厚さ
0.5〜0.8mmの樹脂層を形成した。この樹脂層に、拘束
層として厚さ0.5mmのポリプロピレン製樹脂クロス(商
品名:TMP1816、NBC製)を貼着し、片側には離型紙を貼
着した。離型紙を剥がして、厚さ0.8mmのダル鋼板に貼
着し、170℃にて20分間加熱して、樹脂層を発泡、熱硬
化させ、鋼板に密着させた。 (比較例1)また、拘束層にガラスクロス(商品名:WLA
19062ME412N、日東紡績製)を使用した以外は上記と同
様の方法にて鋼板補強シートを作成した。 (実施例2)拘束力の測定 補強金属鋼板の拘束力の測定は、以下の手順に従って行
った。
【0027】実施例1で作製した本発明の樹脂クロスを
接着させて成る補強鋼板と、比較例1で作製したガラス
クロスを接着させて成る補強鋼板と、補強材を使用しな
い鋼板と、について、それぞれ、縦150mm×横25mm×厚
み2.0mmの被験シートを切り出した。各被験シートにつ
いて、曲げ試験器(商品名:STROGRAPH R;東洋精機製
作所製)を用いて、被験位置が1mm変位した(くぼん
だ)時点での荷重を測定した。得られた荷重に重力加速
度を乗算することによって、拘束力の値を算出した。
【0028】結果を以下の表1及び図1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1及び図1より、樹脂クロスを拘束層とし
て使用した本発明品は、鋼板のみの場合と比較して、樹
脂層0.5mmでは2.6倍、樹脂層0.8では3.6倍の強度を
示すことからで、ガラスクロスを拘束層として使用した
従来品と同等の拘束力を有していることがわかった。補
強鋼板を自動車用金属鋼板として使用する場合、本発明
品を用いれば、補強性能を損なうことなく、かつ化成処
理工程における処理液を汚染することがない。これによ
り、処理液の交換頻度が減少して自動車製造作業が簡便
化することが期待される。
【0031】
【発明の効果】軽量で、鋼板補強性能に優れ、しかもガ
ラスクロスを拘束層として使用した補強金属鋼板とは異
なり、自動車製造工程中における化成処理液を汚染する
ことがない鋼板補強シートおよび補強金属鋼板を提供す
ることができた。これにより従来必要とされていた化成
処理液の頻繁な交換を回避することが可能となり、自動
車製造工程における作業の簡便化が図れる。さらに樹脂
クロスを拘束層として使用した補強シートは、メラミン
処理を必要としないため、遊離ホルムアルデヒドが発生
する問題がない。さらに樹脂クロスには、ガラスクロス
のように皮膚刺激がないため、作業者の作業負担の軽減
が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の鋼板補強シートと、従来のガ
ラスクロスを用いた鋼板補強シートと、鋼板のみの場合
の補強性測定試験の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 義治 埼玉県加須市愛宕2丁目5番24号 埼玉ゴ ム工業株式会社内 (72)発明者 長沢 勤 埼玉県加須市愛宕2丁目5番24号 埼玉ゴ ム工業株式会社内 (72)発明者 加藤 一郎 東京都日野市豊田2丁目50番3号 エヌビ ーシー株式会社内 (72)発明者 本島 信一 東京都日野市豊田2丁目50番3号 エヌビ ーシー株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA01 BB01 CA03 CA36 CA42 CA45 4F100 AA01A AA08 AB01C AK01A AK01B AK02 AK07 AK29 AL09A AN00A AN02 BA02 BA03 BA07 CA01A CA02A CA16A CA23A CA30A DG11B DG12B DG13B EJ02 EJ02A EJ05A EJ08 EJ17 EJ42 GB32 JA07A JB16A YY00 YY00A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拘束層と発泡樹脂層とを有する鋼板補強
    シートであって、前記拘束層が樹脂クロスからなること
    を特徴とする、前記鋼板補強シート。
  2. 【請求項2】 前記発泡樹脂層が、数平均分子量100〜3
    0,000のゴムと、架橋可能なゴム、架橋可能な熱可塑性
    樹脂または熱可塑性エラストマーと、無機充填材と、粘
    着付与剤と、軟化剤と、架橋剤と、発泡剤とを配合し、
    シート状に成形したものである、請求項1に記載の鋼板
    補強シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の鋼板補強シート
    を、金属鋼板に圧着し、加熱、発泡させることにより前
    記金属鋼板に接着して形成した、補強金属鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011056748A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Toyota Motor Corp 鋼板補強材

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JP2011056748A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Toyota Motor Corp 鋼板補強材

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