JP2003260581A - レーザ加工方法およびレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法およびレーザ加工装置

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JP2003260581A
JP2003260581A JP2002064440A JP2002064440A JP2003260581A JP 2003260581 A JP2003260581 A JP 2003260581A JP 2002064440 A JP2002064440 A JP 2002064440A JP 2002064440 A JP2002064440 A JP 2002064440A JP 2003260581 A JP2003260581 A JP 2003260581A
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solid immersion
lens
objective lens
laser light
laser processing
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JP2002064440A
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English (en)
Inventor
Shibun Ishikawa
紫文 石川
Takeshi Sakuma
健 佐久間
Tomoko Yomo
朋子 四方
Takeshi Fukuda
武司 福田
Hideyuki Hosoya
英行 細谷
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高開口数でレーザ光を集光することが可能
で、被加工物内部の異なる深さにおいて、一定の開口数
でレーザ光を集光することが可能なレーザ加工方法およ
びレーザ加工装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光源と、レーザ光源からのレーザ
光を集光する対物レンズ11と、対物レンズ11で集光
されたレーザ光を集光する、固体浸漬レンズレボルバー
16に設置された形状、大きさ、屈折率の異なる固体浸
漬レンズ12、13、14、15とを備え、固体浸漬レ
ンズ12、13、14、15が固体浸漬レンズレボルバ
ー16によって交換可能となっているレーザ加工装置。
固体浸漬レンズ12、13、14、15の屈折率を1.
43〜2.03、直径を0.25〜40mmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明材料からなる
被加工物の内部にレーザ光を集光して高屈折率領域を形
成するレーザ加工方法およびレーザ加工装置に関し、特
に、被加工物内部の異なる深さにおいて、一定の開口数
でレーザ光を集光するレーザ加工方法およびレーザ加工
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石英ガラスなどの透明材料からなる被加
工物の内部に、高屈折率領域を形成し、この高屈折率領
域を光導波路として機能させるために、フェムト秒レー
ザ光による被加工物の加工が行なわれている。ここで実
施されるレーザ加工方法は、レーザ光源から発せられた
フェムト秒レーザ光を集光して被加工物の内部に入射
し、レーザ光の集光部分を高屈折率領域に変化せしめる
方法である。
【0003】被加工物の内部にレーザ光を集光するに
は、対物レンズおよび油浸対物レンズ(Immersi
on Lens)、または対物レンズと固体浸漬レンズ
(SIL、Solid Immersion Len
s)を組み合わせた光学系を用いている。図7に固体浸
漬レンズの一例として、半球レンズ1を示す。半球レン
ズ1は、球を半分に切断した半球状の形状を有する一種
の凸レンズである。また、図8に示すように、被加工物
2の表面における集光点での対物レンズ3の集光角度を
θ、屈折率をnとすると、開口数(NA)は、NA=n
×sinθで表される。開口数が大きくなるほど、集光
点における対物レンズ3の集光角度θは大きくなる。ま
た、対物レンズ3の開口数を大きくすると、ガラスなど
の透明媒質内部にレーザ光を集光させたときにできるド
ットの形状が、レーザ光照射の反対方向に伸びた縦長な
ドットから球形ドットに変化させることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】対物レンズによる集光
の場合、図8に示す例では、対物レンズ3の開口数が大
きくなるほど、その作動距離(焦点距離)が小さくな
り、被加工物2の深部への加工が困難となる。例えば、
開口数が0.9程度の対物レンズを用いた場合には、作
動距離が1mm以下となる。この場合には、対物レンズ
3と被加工物2の表面とが平行でないときや、被加工物
2の表面に凹凸があるときには、対物レンズ3と被加工
物2とが接触する危険性がある。また、開口数が1以上
の油浸対物レンズを用いた場合には、作動距離が0.1
mm以下になり、上記の危険性は一層深刻となる。この
ような問題を解決するために、対物レンズと固体浸漬レ
ンズを組み合せた光学系によるレーザ加工方法が考案さ
れている。しかしながら、この加工方法では、図9に示
すように、被加工物2の表面からの深さに応じて、集光
点での実質的な開口数が変化するという問題があった。
【0005】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、高開口数でレーザ光を集光することが可能で、被加
工物内部の異なる深さにおいて、一定の開口数でレーザ
光を集光することが可能なレーザ加工方法およびレーザ
加工装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、透明材料か
らなる被加工物内部に対物レンズ、固体浸漬レンズを介
してレーザ光を集光し、高屈折率領域を形成するレーザ
加工方法において、前記固体浸漬レンズの形状、大き
さ、屈折率を変化させて、前記被加工物内部の異なる深
さに、一定の開口数で前記レーザ光を集光するレーザ加
工方法によって解決できる。前記レーザ光をフェムト秒
レーザ光とすることが好ましい。
【0007】前記課題は、レーザ光源と、該レーザ光源
からのレーザ光を集光する対物レンズと、該対物レンズ
で集光されたレーザ光を集光する形状、大きさ、屈折率
の異なる複数の固体浸漬レンズとを備えたレーザ加工装
置であって、前記複数の固体浸漬レンズが、交換可能に
設置されたレーザ加工装置によって解決できる。前記複
数の固体浸漬レンズが、回転機構に設置されたことが好
ましい。前記複数の固体浸漬レンズが、着脱式のレンズ
保持機構に設置されたことが好ましい。前記複数の固体
浸漬レンズの屈折率が1.43〜2.03であることが
好ましい。前記複数の固体浸漬レンズの直径が0.25
〜40mmであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のレーザ加工装置の第1の実施形態の要
部を示す概略構成図であり、図1(a)はレーザ加工装
置を構成する対物レンズおよび固体浸漬レンズを備えた
光学系を示す斜視図であり、図1(b)は一部を断面と
した上記光学系を示す正面図であり、図1(c)は固体
浸漬レンズが配置された回転機構を示す底面図である。
この実施形態のレーザ加工装置は、レーザ光源(図示
略)と、対物レンズ11と、大きさが異なる固体浸漬レ
ンズ12、13、14、15と、これらの固体浸漬レン
ズが設置された固体浸漬レンズレボルバー16とから概
略構成されている。
【0009】レーザ光源は、例えば、チタンサファイア
レーザなどのフェムト秒領域(〜10 -13秒)の超短パ
ルス幅のフェムト秒レーザ光を発振するものである。こ
のレーザ光源からのフェムト秒レーザ光は、図示略の光
ファイバなどの導波路を介して対物レンズ11に送られ
るようになっている。
【0010】対物レンズ11としては、市販の対物レン
ズを適宜使用することができる。
【0011】固体浸漬レンズ12、13、14、15
は、球を一平面で切断した形状であり、例えば、球を半
分に切断した半球状の形状をなす一種の凸レンズであ
る。また、固体浸漬レンズ12、13、14、15は、
石英などのガラスやPMMAといった高分子樹脂などの
透明材料からなるものである。これらの固体浸漬レンズ
12、13、14、15の形状、大きさ、屈折率は、任
意に設定されており、同一のものはない。
【0012】固体浸漬レンズ12、13、14、15
は、上記のように球を一平面で切断した形状をなしてい
るが、その切断位置を変えることで、固体浸漬レンズを
用いたレーザ加工方法において、被加工物の表面からレ
ーザ光の集光点までの深さを変化させることができる。
例えば、屈折率1.83、直径4mmの球形レンズを、
(1)中心を通る平面で切断した固体浸漬レンズ、
(2)中心から200μm離れた点を通る平面で切断し
たときの小さいの方の固体浸漬レンズ、(3)中心から
200μm離れた点を通る平面で切断したときの大きい
の方の固体浸漬レンズ、を用いて、被加工物の屈折率
1.45の透明媒質にレーザ光を集光したとき、被加工
物の表面からレーザ光の集光点までの深さと、固体浸漬
レンズの開口数との関係について計算した結果を図2に
示す。このとき、対物レンズの開口数を0.5とした。
図2に示したように、上記(2)の固体浸漬レンズで
は、高開口数でレーザ光を集光させるには集光点までの
深さが深くなり、上記(3)の固体浸漬レンズでは、集
光点までの深さが浅い位置で、高開口数でレーザ光を集
光させることができる。また、図2の結果から、固体浸
漬レンズの形状を変化させることにより、一定の開口数
で被加工物の表面から異なる深さにレーザ光を集光する
ことができる。
【0013】また、固体浸漬レンズ12、13、14、
15は、その大きさを変えることで、被加工物の表面か
らレーザ光の集光点までの深さを変化させることができ
る。例えば、(1)直径2mm、(2)直径3mm、
(3)直径5mm、屈折率1.83の球形レンズを、中
心を通る平面で切断した固体浸漬レンズとして用い、被
加工物の屈折率1.45の透明媒質にレーザ光を集光し
たとき、被加工物の表面からレーザ光の集光点までの深
さと固体浸漬レンズの開口数との関係について計算した
結果を図3に示す。このとき、対物レンズの開口数を
0.5とした。図3に示したように、固体浸漬レンズの
元の球形レンズの直径を大きくして、同じ開口数で集光
しようとすると、集光点までの深さはより深い位置に移
動していく。また、図3の結果から、固体浸漬レンズの
大きさを変化させることにより、一定の開口数で被加工
物の表面から異なる深さにレーザ光を集光することがで
きる。
【0014】また、固体浸漬レンズ12、13、14、
15の大きさは、元の球形の直径で0.25〜40mm
程度が好ましい。直径が0.25mm未満では、油浸レ
ンズでレーザ光を集光することができる被加工物の表面
からの深さ(100μm程度)よりも深くに、開口数
1.0を超えるような高開口数でレーザ光を集光させる
ことが困難となる。また、直径が40mmを超えると、
一般的な対物レンズの作動距離である20mm程度をは
るかに超えてしまい好ましくない上に、高開口数でレー
ザ光を集光させることが困難となる。なお、この実施形
態では、固体浸漬レンズを4個としたが、本発明のレー
ザ加工装置にあっては、形状、大きさ、屈折率の異なる
複数の固体浸漬レンズを適宜用いてよい。
【0015】また、固体浸漬レンズ12、13、14、
15は、その屈折率を変えることで、固体浸漬レンズを
用いたレーザ加工方法において、被加工物の表面からレ
ーザ光の集光点までの深さを変化させることができる。
例えば、(1)屈折率1.83、(2)屈折率1.6
5、(3)屈折率1.45、直径4mmの球形レンズ
を、中心を通る平面で切断した固体浸漬レンズとして用
い、被加工物の屈折率1.45の透明媒質にレーザ光を
集光したとき、被加工物の表面からレーザ光の集光点ま
での深さと、固体浸漬レンズの開口数との関係について
計算した結果を図4に示す。このとき、対物レンズの開
口数を0.5とした。図4に示したように、固体浸漬レ
ンズの屈折率を大きくしていくと、被加工物の表面から
レーザ光の集光点までの深さが浅い位置で、高開口数で
レーザ光を集光させることができる。また、図4の結果
から、固体浸漬レンズの屈折率を変化させることによ
り、被加工物の表面からレーザ光の集光点までの深さが
異なっても、一定の開口数でレーザ光を集光することが
できる。
【0016】また、固体浸漬レンズ12、13、14、
15の屈折率は、1.43〜2.03が好ましい。
【0017】また、上記対物レンズ11は、レーザ加工
装置に備えられた円筒形の対物レンズホルダ17内に嵌
合されて固定されている。このとき、対物レンズ11の
鏡胴11aの外面の長手方向は、対物レンズホルダ17
の内面の長手方向と平行になるように固定されている。
これにより、対物レンズ11に備えられた凸レンズの光
軸と、後述の固体浸漬レンズ12、13、14、15の
光軸とが一致するようになっている。また、対物レンズ
ホルダ17は対物レンズ11の鏡胴11aの外面上を自
在に移動可能となっており、対物レンズ11の高さが変
化しても、各固体浸漬レンズの光軸と対物レンズ11の
光軸とを一致させることができるようになっている。ま
た、対物レンズホルダ17の内面と、対物レンズ11の
鏡胴11aの外面との間の隙間は、対物レンズ11が、
がたついてその光軸がずれない程度に設けられているこ
とが好ましい。
【0018】対物レンズホルダ17の外側面には、三角
板状の取付部18が設けられている。また、取付部18
の先端には、固体浸漬レンズ12、13、14、15が
設置された固体浸漬レンズレボルバー16が固定されて
いる。固体浸漬レンズレボルバー16は、その中心で、
取付部18の端面に対して回転可能にネジ19で固定さ
れている。
【0019】固体浸漬レンズレボルバー16は、略すり
鉢状となっている。また、固体浸漬レンズレボルバー1
6の側面16cの内側には、固体浸漬レンズレボルバー
16と中心軸を同じくする光軸ライン16d上に、固体
浸漬レンズ12、13、14、15を固定するための図
示略のレンズ保持部が、固体浸漬レンズと同数設けられ
ている。また、このレンズ保持部には、固体浸漬レンズ
12、13、14、15が設置されており、固体浸漬レ
ンズレボルバー16を回転させて、各固体浸漬レンズを
対物レンズ11の鉛直下方に配置した際に、各固体浸漬
レンズの光軸と対物レンズ11の光軸とが一致するよう
になっている。さらに、各固体浸漬レンズを対物レンズ
11の鉛直下方に配置した際に、半球状の各固体浸漬レ
ンズの底面の平面部が被加工物に向かい合うようになっ
ている。また、各固体浸漬レンズの光軸と対物レンズ1
1の光軸とが一致する定位置で、固体浸漬レンズレボル
バー16の回転が仮固定される仮固定装置(図示略)が
設けられている。
【0020】このように、この実施形態のレーザ加工装
置では、大きさの異なる4個の固体浸漬レンズ12、1
3、14、15を固体浸漬レンズレボルバー16に設置
し、固体浸漬レンズレボルバー16を回転させて、対物
レンズ11の鉛直下方に配置する固定浸漬レンズを交換
しても、各固体浸漬レンズの光軸と対物レンズ11の光
軸とがずれることなく、一致するように位置決めするこ
とができる。したがって、被加工物内部のレーザ光を集
光する深さに応じて、固体浸漬レンズレボルバー16を
回転させて、固体浸漬レンズを交換することにより、一
定の開口数で被加工物の表面から異なる深さにレーザ光
を集光することができる。
【0021】図5は、本発明のレーザ加工装置の第2の
実施形態の要部を示す概略構成図である。この実施形態
のレーザ加工装置では、上記第1の実施形態とは、対物
レンズおよび固体浸漬レンズの装着機構が異なってい
る。図5において、図1に示した第1の実施形態の構成
要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を
省略する。この実施形態のレーザ加工装置では、対物レ
ンズ11が、レーザ加工装置に備えられた対物レンズレ
ボルバー21の第1の取付口21a内に嵌合されて固定
されている。
【0022】また、対物レンズレボルバー21の第2の
取付口21bには、固体浸漬レンズレボルバー16を対
物レンズレボルバー21に取付けるためのアダプター2
2が嵌合されて、固定されている。また、このアダプタ
ー22の先端には、微調整可能なXステージ23および
Yステージ24が接続されている。さらに、Yステージ
24のXステージ23と接続されていない側の面には、
固体浸漬レンズレボルバー16を固定するための基台2
5が接続されている。
【0023】また、基台25には、固体浸漬レンズレボ
ルバー16を固定するための取付部27を嵌合するため
の筒状部26が取付けられている。この筒状部26の内
面の長手方向は、対物レンズ11の光軸と平行になって
いる。取付部27は、その外面が筒状部26の内面と平
行となっており、筒状部26内に嵌合されている。ま
た、取付部27は、筒状部26内を対物レンズ11の光
軸と平行な方向に移動可能となっている。取付部27の
先端には、固体浸漬レンズ12、13、14、15が設
置された固体浸漬レンズレボルバー16が固定されてい
る。固体浸漬レンズレボルバー16は、その中心で、取
付部27の端面に対して回転可能にネジ19で固定され
ている。また、筒状部26の内面と取付部27の外面と
の間の隙間は、取付部27が、がたつかない程度、言い
換えれば、対物レンズ11の光軸と固体浸漬レンズ1
2、13、14、15の光軸がずれない程度であること
が好ましい。
【0024】このように、この実施形態のレーザ加工装
置では、Xステージ23およびYステージ24を設ける
ことにより、固体浸漬レンズレボルバー16に設置され
た固体浸漬レンズの位置を、対物レンズ11の光軸に合
うように微調整することができる。また、固体浸漬レン
ズレボルバー16の取付部27は、筒状部26内を対物
レンズ11の光軸と平行な方向に移動可能となってい
る。これにより、固体浸漬レンズレボルバー16に設置
された固体浸漬レンズの位置を、直交する3次元方向に
微調整可能となっている。したがって、対物レンズ11
の高さを変化させたり、固体浸漬レンズレボルバー16
を回転させて、対物レンズ11の鉛直下方に配置する固
定浸漬レンズを交換しても、各固体浸漬レンズの光軸と
対物レンズ11の光軸とを一致させることができるよう
になっている。また、被加工物内部のレーザ光を集光す
る深さに応じて、固体浸漬レンズレボルバー16を回転
させて、固体浸漬レンズを交換することにより、一定の
開口数で被加工物の表面から異なる深さにレーザ光を集
光することができる。
【0025】図6は、本発明のレーザ加工装置の第3の
実施形態の要部を示す概略構成図である。この実施形態
のレーザ加工装置では、固体浸漬レンズの交換機構が、
上記第1の実施形態とは異なっている。図6において、
図1に示した第1の実施形態の構成要素と同じ構成要素
には同一符号を付して、その説明を省略する。この実施
形態のレーザ加工装置では、1個の固体浸漬レンズが、
円筒形のレンズホルダ31内の先端部中央に設けられた
レンズ保持部(図示略)に設置されている。また、レン
ズホルダ31は対物レンズ11に嵌合されて固定されて
おり、対物レンズ11の鏡胴11aの外面の長手方向
は、レンズホルダ31の内面の長手方向と平行になって
いる。これにより、対物レンズ11の光軸と、固体浸漬
レンズの光軸とが一致するようになっている。また、対
物レンズ11は、レンズホルダ31内を、対物レンズ1
1の光軸と平行に移動可能となっており、対物レンズ1
1の高さが変化しても、固体浸漬レンズの光軸と対物レ
ンズ11の光軸とを一致させることができるようになっ
ている。また、レンズホルダ31の内面と、対物レンズ
11の鏡胴11aの外面との間の隙間は、対物レンズ1
1が、がたついて、その光軸がずれない程度に設けられ
ていることが好ましい。さらに、対物レンズ11とレン
ズホルダ31は着脱可能となっている。
【0026】この実施形態のレーザ加工装置では、複数
のレンズホルダ31を作製し、その中の先端部中央に、
形状、大きさ、屈折率の異なる固体浸漬レンズを設置し
て、特性の異なる複数の固体浸漬レンズを交換可能とし
ている。例えば、図6(a)では固体浸漬レンズ12
が、図6(b)では固体浸漬レンズ13が、図6(c)
では固体浸漬レンズ14が設置されている。
【0027】このように、この実施形態のレーザ加工装
置では、形状、大きさ、屈折率の異なる固体浸漬レンズ
が設置された複数のレンズホルダ31を、被加工物内部
のレーザ光を集光する深さに応じて交換することによ
り、一定の開口数で被加工物の表面から異なる深さにレ
ーザ光を集光することができる。
【0028】次に、図1を用いて、本発明のレーザ加工
装置を用いたレーザ加工方法について説明する。まず、
固体浸漬レンズレボルバー16を回転させて、対物レン
ズ11の鉛直下方に固体浸漬レンズ12を配置し、対物
レンズ11と固体浸漬レンズ12の光軸を一致させる。
次いで、この固体浸漬レンズ12が、石英ガラスなどの
被加工物の表面に接するように、固体浸漬レンズ12と
被加工物の位置を定める。次いで、レーザ光源を作動さ
せて、フェムト秒レーザ光を発光させ、このレーザ光を
対物レンズ11に送り、ここからさらに固体浸漬レンズ
12を介して被加工物の内部にレーザ光を入射する。こ
の状態で、被加工物あるいは対物レンズ11および固体
浸漬レンズ12からなる光学系を、精密ステージで二次
元あるいは三次元に移動させることで、被加工物の内部
のレーザ加工が行なわれる。
【0029】本発明のレーザ加工方法では、固体浸漬レ
ンズレボルバー16を回転させて、形状、大きさ、屈折
率の異なる固体浸漬レンズを交換することにより、一定
の開口数で被加工物の表面から異なる深さにレーザ光を
集光することができる。また、本発明のレーザ加工方法
によれば、被加工物表面に凹凸などがあっても、被加工
物内部の集光点において、安定したレーザ加工ができ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザ加
工方法は、透明材料からなる被加工物内部に対物レン
ズ、固体浸漬レンズを介してレーザ光を集光して高屈折
率領域を形成するレーザ加工方法において、前記固体浸
漬レンズの形状、大きさ、屈折率を変化させて、前記被
加工物内部の異なる深さに、一定の開口数で前記レーザ
光を集光することができる。また、本発明のレーザ加工
装置は、レーザ光源と、該レーザ光源からのレーザ光を
集光する対物レンズと、該対物レンズで集光されたレー
ザ光を集光する形状、大きさ、屈折率の異なる複数の固
体浸漬レンズとを備えたレーザ加工装置であって、前記
複数の固体浸漬レンズが、交換可能に設置されたもので
あるから、一定の開口数で被加工物の表面から異なる深
さにレーザ光を集光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザ加工装置の第1の実施形態の
要部を示す概略構成図であり、図1(a)はレーザ加工
装置を構成する対物レンズおよび固体浸漬レンズを備え
た光学系を示す斜視図であり、図1(b)は一部を断面
とした上記光学系を示す正面図であり、図1(c)は固
体浸漬レンズが配置された回転機構を示す底面図であ
る。
【図2】 固体浸漬レンズの形状を変化させたときに、
被加工物の表面からレーザ光の集光点までの深さと、固
体浸漬レンズの開口数との関係を示すグラフである。
【図3】 固体浸漬レンズの大きさを変化させたとき
に、被加工物の表面からレーザ光の集光点までの深さ
と、固体浸漬レンズの開口数との関係を示すグラフであ
る。
【図4】 固体浸漬レンズの屈折率を変化させたとき
に、被加工物の表面からレーザ光の集光点までの深さ
と、固体浸漬レンズの開口数との関係を示すグラフであ
る。
【図5】 本発明のレーザ加工装置の第2の実施形態の
要部を示す概略構成図である。
【図6】 本発明のレーザ加工装置の第3の実施形態の
要部を示す概略構成図である。
【図7】 固体浸漬レンズの一例を示す概略図である。
【図8】 対物レンズの集光角度を示す概略図である。
【図9】 従来の対物レンズと固体浸漬レンズを組み合
せた光学系によるレーザ加工方法において、被加工物の
表面からレーザ光の集光点までの深さと、対物レンズの
開口数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11・・・対物レンズ、11a・・・鏡胴、12,1
3,14,15・・・固体浸漬レンズ、16・・・固体
浸漬レンズレボルバー、16a・・・開口部、16b・
・・底面、16c・・・側面、16d・・・光軸ライ
ン、17・・・対物レンズホルダ、18,27・・・取
付部、19・・・ネジ、21・・・対物レンズレボルバ
ー、21a・・・第1の取付口、21b・・・第2の取
付口、22・・・アダプター、23・・・Xステージ、
24・・・Yステージ、25・・・基台、26・・・筒
状部、31・・・レンズホルダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四方 朋子 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 福田 武司 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 細谷 英行 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 4E068 AH00 CA03 CA11 CD14 DA00 DB00 DB13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明材料からなる被加工物内部に対物レ
    ンズ、固体浸漬レンズを介してレーザ光を集光し、高屈
    折率領域を形成するレーザ加工方法において、前記固体
    浸漬レンズの形状、大きさ、屈折率を変化させて、前記
    被加工物内部の異なる深さに、一定の開口数で前記レー
    ザ光を集光することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光をフェムト秒レーザ光とす
    ることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 レーザ光源と、該レーザ光源からのレー
    ザ光を集光する対物レンズと、該対物レンズで集光され
    たレーザ光を集光する形状、大きさ、屈折率の異なる複
    数の固体浸漬レンズとを備えたレーザ加工装置であっ
    て、前記複数の固体浸漬レンズが、交換可能に設置され
    たことを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の固体浸漬レンズが、回転機構
    に設置されたことを特徴とする請求項3記載のレーザ加
    工装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の固体浸漬レンズが、着脱式の
    レンズ保持機構に設置されたことを特徴とする請求項3
    記載のレーザ加工装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の固体浸漬レンズの屈折率が
    1.43〜2.03であることを特徴とする請求項3な
    いし5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の固体浸漬レンズの直径が0.
    25〜40mmであることを特徴とする請求項3ないし
    6のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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