JP2003260462A - 水の浄化方法、及び水浄化システム - Google Patents

水の浄化方法、及び水浄化システム

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JP2003260462A
JP2003260462A JP2002065240A JP2002065240A JP2003260462A JP 2003260462 A JP2003260462 A JP 2003260462A JP 2002065240 A JP2002065240 A JP 2002065240A JP 2002065240 A JP2002065240 A JP 2002065240A JP 2003260462 A JP2003260462 A JP 2003260462A
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JP
Japan
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water
photocatalyst
aggregate
coagulant
aggregating agent
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JP2002065240A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Sakurada
司 桜田
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SHINSHU CERAMICS KK
Shinshu Ceramics Co Ltd
Original Assignee
SHINSHU CERAMICS KK
Shinshu Ceramics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水、特に水苔や藻が発生している水を塩素等
の化学物質を使用することなく効率よく除去する方法、
及びその装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 浄化すべき水のpHを6.5〜8.5、
化学的酸素要求量を3mg/l以下、浮遊物質量を5m
g/l以下、溶存酸素量を7.5mg/l以下、とする
ための第一浄化工程と、前記第一浄化工程終了後の水
を、少なくとも光半導体粉末からなる光触媒機能体に接
触させることにより殺菌をするための光触媒工程と、に
より水を浄化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の浄化方法、及
び水浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、水の浄化は、淡水・海水を問わ
ず、様々な目的に合わせて、様々な場所で行われてい
る。水道水はもちろんであるが、その他にも工業廃水や
一般家庭からの下水、又は、プールの水や人工の池の水
等も浄化の対象である。
【0003】特に、集合住宅等における貯水タンクや貯
水池の水を飲料水等として用いる際の浄化にあっては、
水苔や藻の処理が大きな問題となっている。処理すべき
水中に存在する水苔や藻が原因となる問題としては次の
ようなことが挙げられる。 (1)従来の浄化方法、および浄化装置によると、水を
浄化するための各種装置や配管などに水苔や藻が付着
し、効率よく浄化処理を行うことができない。 (2)前記の問題を解決するために、浄化処理を行う前
にフィルタなどを用いて水苔や藻を除去することは可能
であるが、これによってある程度の大きさの水苔や藻を
除去することは可能であっても、水苔や藻として成長す
る前段階の種子、胞子、又は菌子を除去することはでき
ない。 (3)前記の問題を解決する方法として、種子、胞子、
菌子、又は細菌類を消毒により死滅せしめる方法もある
が、そうした場合、塩素を大量に使用する必要があり人
間を含め生物には決して好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況におい
て、人体に有害な塩素を用いることなく水の浄化を行う
方法として、近年は光触媒機能体の有機物分解性、殺菌
性を用いることが行われている。
【0005】しかしながら、処理する水の汚染具合がひ
どい場合、特に水苔や藻などの不純物が発生している水
を処理する場合においては、単に光触媒機能体のみを用
いたのでは、光触媒機能体による浄化作用は非常に低速
度であるため処理効率が悪く、処理に時間がかかるため
実用化が困難な場合があった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、水、特に水苔や藻が発生している水を塩素等
の高濃度では有害とされる殺菌剤や消毒薬を使用するこ
となく光触媒機能体を用いて効率よく浄化する方法、及
びその装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、浄化すべき水のpHを6.5〜8.5、
化学的酸素要求量を3mg/l以下、浮遊物質量を5m
g/l以下、溶存酸素量を7.5mg/l以下、とする
ための第一浄化工程と、前記第一浄化工程終了後の水
を、少なくとも光半導体粉末からなる光触媒機能体に接
触させることにより殺菌をするための光触媒工程と、を
有することを特徴とする水の浄化方法を提供する。
【0008】この発明によれば、浄化すべき水のpHを
6.5〜8.5、化学的酸素要求量を3mg/l以下、
浮遊物質量を5mg/l以下、溶存酸素量を7.5mg
/l以下、とするための第一浄化工程を有しているの
で、水中に存在する水苔や藻を除去することができ、処
理すべき水をこのような状態とすることにより、当該工
程の後に行われる光触媒工程において光触媒機能体を効
果的に機能させることができる。つまり、当該工程は、
光触媒工程の前処理工程と言える。そして、この発明に
よれば、前処理としての第一浄化工程終了後の水、を少
なくとも光半導体粉末からなる光触媒機能体に接触させ
ることにより殺菌をするための光触媒工程を有している
ので、塩素等の有害物質を使用することなく処理すべき
水をいわゆる光触媒作用によって殺菌することができ
る。
【0009】このように、本発明によれば、水中にすで
に存在する不純物(例えば、水苔や藻など)について
は、凝集物形成工程と凝集物除去工程によって除去する
ことができ、さらに、前記凝集物形成工程と凝集物除去
工程では除去できない微小な不純物(例えば、水苔や藻
などの種子、胞子、菌子、さらには細菌類など)につい
ては、光触媒工程によって除去(殺菌、脱臭も含む)す
ることができる。
【0010】また、前記請求項1に記載の発明において
は、請求項2に記載するように、前記第一浄化工程が、
浄化すべき水の中に凝集剤を投入し、投入された凝集剤
と水中の不純物とを反応させて、凝集物を形成するため
の凝集物形成工程と、凝集物形成工程において形成され
た凝集物を除去するための凝集物除去工程と、からなっ
ていることが好ましい。
【0011】この発明によれば、浄化すべき水の中に凝
集剤を投入し、投入された凝集剤と水中の不純物とを反
応させて、凝集物を形成するための凝集物形成工程を有
しているので、水中の不純物を除去しやすい大きさ(一
定の形状を有した凝集物)とすることができる。そし
て、この発明によれば、凝集物形成工程において形成さ
れた凝集物を除去するための凝集物除去工程を有してい
るので、前記凝集物形成工程において形成された一定形
状を有する凝集物を容易に除去することができる。
【0012】さらに、前記請求項2に記載の発明におい
ては、請求項3に記載するように、前記凝集物形成工程
で投入される凝集剤が、酸化カルシウムを主成分とする
無機凝集剤であることが好ましい。
【0013】この発明によれば、前記凝集物形成工程で
投入される凝集剤が、酸化カルシウムを主成分とする無
機凝集剤であるので、水中に存在している不純物を効率
よく反応して凝集物を形成することができる。
【0014】また、上記課題を解決するために、請求項
4において、浄化すべき水の中に凝集剤を投入するため
の凝集剤投入手段と、投入された凝集剤と水中の不純物
とを反応させて、凝集物を形成するための反応槽と、形
成された凝集物を除去するための凝集物除去手段と、凝
集物が除去された水と、少なくとも光半導体粉末からな
る光触媒機能体とを接触するための光触媒ユニットと、
を備えることを特徴とする水浄化システムを提供する。
【0015】この発明によれば、浄化すべき水の中に凝
集剤を投入するための凝集剤投入手段と、投入された凝
集剤と水中の不純物とを反応させて、凝集物を形成する
ための反応槽とを備えているので、前記本発明の水の浄
化方法における凝集物形成工程を、当該凝集剤投入手段
と、反応槽とにより行うことができる。また、この発明
によれば、形成された凝集物を除去するための凝集物除
去手段を備えているので、前記本発明の水の浄化方法に
おける凝集物除去工程を、当該表集物除去手段により行
うことができる。さらに、この発明によれば、凝集物が
除去された水と、少なくとも光半導体粉末からなる光触
媒機能体とを接触するための光触媒ユニットを備えてい
るので、前記本発明の浄化方法における光触媒工程を、
当該光触媒ユニットにより行うことができる。
【0016】このように、本発明の水浄化システムによ
れば、凝集剤投入手段と反応槽と凝集剤除去手段とによ
り、水中の不純物を凝集物として除去することができ、
さらに、光触媒ユニットにより、水中の微少な不純物
(例えば、水苔や藻の種子、胞子、菌子、又は細菌類な
ど)を光触媒ユニット中の光触媒機能体により除去(殺
菌、脱臭も含む)することができる。
【0017】さらに、前記請求項4に記載の発明におい
ては、請求項5に記載するように、前記凝集剤投入手段
において投入される凝集剤が、酸化カルシウムを主成分
とする無機凝集剤であることが好ましい。
【0018】この発明によれば、前記凝集物投入手段に
おいて投入される凝集剤が、酸化カルシウムを主成分と
する無機凝集剤であるので、水中に存在している不純物
を効率よく反応して凝集物を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の水の浄化方法は、浄化す
べき水のpHを6.5〜8.5、化学的酸素要求量を3
mg/l以下、浮遊物質量を5mg/l以下、溶存酸素
量を7.5mg/l以下、とするための第一浄化工程
と、前記第一浄化工程終了後の水を、少なくとも光半導
体粉末からなる光触媒機能体に接触させることにより殺
菌をするための光触媒工程と、を有することに特徴を有
している。以下に第一洗浄工程、および光触媒工程につ
いて具体的に説明する。
【0020】(1)第一浄化工程 本発明における第一浄化工程は、この後に行われる光触
媒工程において光触媒機能体を効果的に作用させるため
に必要な工程であり、具体的には、浄化すべき水の pHを6.5〜8.5、 化学的酸素要求量を3mg/l以下、 浮遊物質量を5mg/l以下、 溶存酸素量を7.5mg/l以下、 とする工程である。なお、これらの数値の測定方法につ
いては、本発明は特に限定するものではない。例えば上
記の測定には、pHメーターやpH試験紙等を用いる
ことができ、上記の測定には、アルカリ性過マンガン
酸カリウム法等を用いることができる。また、上記の
測定には、重量分析法などを用いることができ、上記
の測定にはウインクラー法等を用いることができる。
【0021】光触媒機能体を用いた浄化工程(本発明に
おける光触媒工程)を行う際の前処理として、処理すべ
き水を上記〜の条件の範囲内とすることにより、そ
の後に行われる光触媒工程を効果的に、かつ効率良く行
うことができる。そして、光触媒効果を十分に発揮させ
ることで本発明の方法で処理された水の中から不純物
や、藻の種子、胞子、菌子、さらには細菌類をも除去す
ることができ、その結果、本発明の方法で処理された水
を長時間浄化後の状態のまま保つことができる。
【0022】本発明の浄化方法は、処理する水を限定す
ることはなく、一般排水、工業廃水、河川水、貯水タン
クや貯水池の水、プールの水、などいかなる水をも処理
することが可能である。本発明の方法は、中でも貯水タ
ンク、貯水池、屋外プールの水などに代表されるよう
な、水苔や藻が頻繁に発生する水を処理するのに適して
いる。従来から水苔や藻が頻繁に発生する水の処理は、
非常に困難であるところ、本発明の浄化方法は、当該凝
集物形成工程を行うことにより、貯水タンクの内壁や底
面、さらには水中を浮遊している水苔や藻を一塊りの凝
集物とすることができる。さらに、後述する凝集物除去
工程及び光触媒工程により一塊りとなった凝集物を容易
に除去することができるとともに、水中に浮遊している
微少な不純物、特に水苔や藻の種子、胞子、菌子、さら
には細菌類をも除去することができる。
【0023】また、本発明の方法は、空気と水を接触さ
せることにより空気中のチリや油滴等を水に凝縮して空
気を浄化させる空気浄化方法に用いられる水を浄化する
際にも好適に用いることができる。
【0024】第一浄化工程としては、処理すべき水を上
記〜の条件の範囲内とすることができる方法であれ
ばいかなる方法であってもよく、特に限定されることは
ない。具体的には、ろ過、遠心分離、イオン交換膜によ
る分離、蒸留、又は凝集剤を用いる方法、等を挙げるこ
とができる。中でも、凝集剤を用いる方法は比較的簡単
に上記条件の範囲内とすることができ、低コストで行う
ことが可能であるため、特に好ましい。
【0025】第一浄化工程として凝集剤を用いる方法と
しては、具体的には、浄化すべき水の中に凝集剤を投入
し、投入された凝集剤と水中の不純物とを反応させて、
凝集物を形成するための凝集物形成工程と、凝集物形成
工程において形成された凝集物を除去するための凝集物
除去工程と、を有することが好ましい。
【0026】以下に、[1]凝集物形成工程、[2]凝
集物除去工程、についてそれぞれ説明する。
【0027】[1]凝集物形成工程 第一浄化工程における凝集物形成工程とは、浄化すべき
水の中に凝集剤を投入し、この凝集剤と水中に存在して
いる不純物とを反応させて凝集物を形成するための工程
である。このように、不純物を凝集させることにより不
純物の除去を容易に行うことができる。
【0028】この凝集物形成工程において用いられる凝
集剤については、特に限定するものではなく、処理すべ
き水の中に存在する不純物を凝集することができる凝集
剤であればよい。したがって、処理すべき水の中に存在
する不純物の種類により使用する凝集剤の種類を任意に
選択してもよい。また、凝集物を浮上させるか、または
沈降させるかについても任意に選択することができ、凝
集物を浮上させたい場合には凝集浮上剤を用いればよ
く、凝集物を沈降させたい場合には凝集沈降剤を用いれ
ばよい。
【0029】中でも、本発明の方法において使用する凝
集剤は、酸化カルシウムを主成分とする無機凝集剤であ
ることが好ましく、特に、酸化カルシウムを主成分と
し、さらに酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、酸化珪
素、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化カリ
ウムを含有する無機凝集剤であることが特に好ましい。
このような成分を有する無機凝集剤は、不純物との反応
が早く(つまり、凝集物の形成が短時間で行える)、広
い範囲の水質に適合できるからである。
【0030】[2]凝集物除去工程 次に凝集物除去工程について説明する。
【0031】凝集物除去工程とは、凝集物形成工程にお
いて形成された凝集物を除去するための工程である。凝
集物除去工程においては、前記凝集物形成工程において
形成される凝集物が浮上性凝集物である場合には、処理
すべき水に浮上した凝集物を除去すればよく、一方前記
凝集物形成工程において形成される凝集物が沈降性凝集
物である場合には、処理すべき水の中で沈降した凝集物
を除去すればよい。
【0032】(2)光触媒工程 次に光触媒工程について説明する。
【0033】本発明の水の浄化方法において、光触媒工
程とは、前述した(1)第一浄化工程によって不純物が
除去された水を光触媒機能体の有する光触媒作用(殺菌
作用や消臭作用)を利用して浄化するための工程であ
る。当該工程を行うことにより、処理すべき水の中に存
在する微少な不純物(例えば、水苔や藻の種子や細菌類
など)を除去(殺菌、脱臭を含む。)することができ、
その結果、浄化後の状態を長期間保持することができ
る。
【0034】光触媒工程において使用される光触媒機能
体は、少なくとも光半導体粉末からなるものである。以
下に光触媒機能体について図面を用いて具体的に説明す
る。
【0035】図1に示す光触媒機能体は、光半導体粉末
2aと、電極として働く微粒子2b、及び吸着材料3と
からなるものである。
【0036】上記光半導体粉末2aとしては、TiO2
の他、CdS、CdSe、WO3、Fe23、SrTi
3、KNbO3等を挙げることができる。この中でも、
TiO 2は、ほとんどの酸、塩基、有機溶媒に侵されず
化学的に安定であり、また、TiO2は中毒を起こすこ
とはなく、発ガン性もないことが動物実験等で確認され
ており、この様な点からTiO2が最も好ましい。
【0037】上記電極としての微粒子2bは、通常金属
微粒子を使用することが多い。そして、電極を形成する
金属微粒子としては、銀の他、金、白金、銅等の種々の
金属微粒子を用いることができる。光触媒が本来的な機
能を発揮するための不可欠な要素の一つとして水分が要
求されるため、電極を形成する金属微粒子は、水の存在
下で経時変化が無く安定していることが必要となり、前
記の金属微粒子の中でも白金が最も好ましいが、経済性
を考慮し、更に前記特性を具備しており、無毒でそれ自
体も殺菌性を有しているため銀が好ましい。
【0038】また、電極として用いるものは、金属では
なくケイ素微粒子を使用することも可能である。金属の
代りにケイ素を使用することにより、光触媒機能体自体
が安価になり、また、光触媒処理体を水中で使用する場
合、「水中に含まれているイオンと電極としての金属が
反応してしまい光触媒機能が低下する」といった問題を
解消することができる。
【0039】そして、ケイ素以外でも、周期表でケイ素
と同族(4族)である炭素などは、ケイ素と性質が似て
いるため電極として使用可能である。
【0040】ここで、前記電極は、光触媒機能体に必ず
しも必要なものではない。光半導体粉末としてTiO2
を用いた場合、TiO2の結晶構造にはアナターゼ型と
ルチル型とがあり、光触媒機能を有するのはアナターゼ
型である。電極は、光半導体粉末が有機物等を分解する
のを手伝う働きをしているが、光触媒機能体中にアナタ
ーゼ型のTiO2が多く存在している場合には、TiO2
だけで充分に光触媒機能を有するので電極として働く微
粒子は必要ないからである。
【0041】前記吸着材料3は、細菌、ウィルス、カビ
の他、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸着、保
持するために用いられるものである。係る吸着材料とし
ては、アパタイト(リン灰石)、ゼオライト又はセピオ
ライト等のセラミック粉末、活性炭及び絹繊維含有物に
よりなる群から選ばれる1以上を挙げることができ、こ
れらは必要に応じて2以上を組み合わせて用いることが
できる。ここでアパタイトとしては、細菌、ウィルス、
カビ等の蛋白質を選択的に吸着するハイドロキシアパタ
イト[Ca10(PO46(OH)2]が好ましい。ま
た、絹繊維含有物としては、絹繊維粉末の他、顆粒状に
成形したものやゲル状物等も含まれる。これらの吸着材
料(絹繊維含有物は粉末の場合)の粒径はより大きな表
面積を確保するとともに、良好な被着作業性を考慮する
と0.001〜1.0μmが好ましく、特に0.01〜
0.05μmが好ましい。光半導体粉末と吸着材料の混
合割合は、光半導体粉末100重量部に対して吸着材料
は1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重量部が
好ましい。
【0042】ここで、前記吸着材料も光触媒機能体に必
ずしも必要なものではない。光触媒機能体を溶射により
基材上に付着せしめる場合、吸着材料は、悪臭物質及び
有害物質等の処理対象物を吸着、保持するために用いら
れるものであり光半導体粉末(TiO2)の光触媒機能
を補助するためのものであるから、補助する必要がない
とき(例えば、常に光触媒機能体が処理対象物に接して
いる場合など)は、必要ないからである。
【0043】しかしながら、光触媒機能体をディッピン
グをする際に用いる塗料とする場合には、塗料中に含ま
れるバインダーを光触媒機能体が分解しないようにする
ために、吸着材料を使用することが好ましい。
【0044】次に、前記光触媒機能体1を基材上へ付着
せしめる方法について説明する。
【0045】前記光触媒機能体は、溶射によりポリエス
テル不織布、紙、織物、プラスチック、金属板、セラミ
ックボール等の基材にバインダーなしで付着される場合
と、バインダーを含有させた塗料として基材上に付着さ
れる場合とがある。
【0046】図1は、溶射により基材1表面に光触媒を
付着せしめた状態を示すものであり、不織布、織布、
紙、木材、セラミック板、金属板、プラスチック板等の
基材5上に例えば融点が2000℃以下である酸化チタ
ン(TiO2)の微粒子(5〜50μm)と、金属の微
粒子1〜10μmとを酸素、アセチレン等を使用したガ
ス溶射法により約2900〜3000℃で溶融したセラ
ミックスを溶射したものである。溶射した状態では、光
触媒の粒子1は、一方の電極として作用する酸化チタン
粒子2aとこの酸化チタン粒子2aに坦持された他方の
電極として作用する金属の例えば銀粒子2bとからな
る。光触媒粒子2は電気化学セルをなし、溶射後は、3
0〜40μの偏平積層粒子となり、ガスの高温により溶
融しつつアンカー効果により基材1上に付着する。酸
素、アセチレン等を使用するガス溶射による溶射法にお
いては、溶融光触媒微粒子を噴射するガストーチと基材
とを相対的に移動させて基材表面が50℃以上に上がら
ないようにして行われ、したがって、紙、布等に対して
も溶射が可能となるものである。しかしながら、ガス溶
射であるため使用原料の粉体の融点は2000℃以下に
制限される。なお、トーチと基材との相対速度を調整す
ることによりプラズマ溶射も可能となるが、プラズマ溶
射だと使用原料の融点は3500℃位のものまで溶射可
能となる。
【0047】一般に、溶射においては、アンカー効果に
より基材上にパウダーを付着させるため、溶射用のパウ
ダーは5μm以上の塊状のものが好適であり、溶射パウ
ダーとして全てアナターゼがルチルに転移しているもの
が用いられている。アナターゼ結晶形態の酸化チタン
(チタニア)は、強力な光触媒作用を有するが、溶射後
の光触媒粒子がすべてアナターゼ結晶を有していると、
その分解作用が強すぎて基材を犯してしまうことがある
ので実用化できない場合がある。しかしながら、アナタ
ーゼ結晶粒子の粒径、溶射温度、基材表面温度及び使用
加熱源をそれぞれ5〜25μm、約2900〜3000
℃、40〜50℃及びガスを調整選択することにより、
アナターゼ結晶10〜40%を合成することができる。
すなわち、アナターゼとルチルとの変態点である約75
0℃を超えれば、結晶はすべてルチル型結晶になるが、
上述の溶射法によれば、全てルチル結晶の粒子を準備し
てこれを溶射すると、10〜40%のアナターゼ結晶が
生成され、残りがルチル結晶となる。種々の実験によれ
ば、溶射後のアナターゼ対ルチルの重量比は1:3が好
適であることがX線分析の結果判明した。
【0048】また、光触媒粒子2にアパタイト、ゼオラ
イト、活性炭等の菌、有害物質、臭い等を吸着する吸着
材料3を混合して溶射すれば、基材を犯さないようにア
ナターゼ結晶の量を調整することによって光触媒作用が
弱められた点が補強される。
【0049】すなわち、溶射後のハイドロキシアパタイ
ト3は、雰囲気中の菌、有害物質、臭い等の処理対象を
吸着保持し、この吸着保持した処理対象を20〜30重
量%のアナターゼ結晶を有する光触媒粒子が分解するの
で、光触媒作用が補強されることとなる。光触媒作用を
強めるためには、粒子が対象物に触れる接触面積を増や
す必要があるが、溶射法によれば、プラズマ溶射に比較
して粒子が細かく表面積の大なる膜が形成されるので好
ましい。
【0050】なお、チタン原料は必ずしもアナターゼと
ルチルにする必要はなく、触媒活性の強いアナターゼと
触媒活性の弱いアナターゼとの比率を調整することによ
っても適切な光触媒とすることができる。
【0051】図2は、基材1上に施された光触媒機能体
を有する塗料の被膜を示すものである。図2からも分か
るように、光触媒粒子4は、酸化チタン4aとこれに坦
持された銀粒子4bからなっており、図1に示した溶射
の場合の粒子と同一構造とすることができる。ここで、
図中の6はバインダーである。
【0052】一般に、光触媒は非溶出系であり、光半導
体粉末に坦持される金属は電極として作用し、それが液
中に溶出して殺菌するわけではなく、水の存在下で発生
するOHラジカルにより殺菌効果を発揮するものであ
る。これに対して、従来の溶出系抗菌剤、例えば、抗菌
性を有する銀、銅、亜鉛等の金属を坦持したゼオライト
からなる抗菌剤とバインダーとの混合物を必要個所に塗
布し乾燥したようなものは、図3に示すように前記金属
が直ちに液中に溶出して即効性を示すが、短時間でその
効果は減少し、しかも金属が溶出した部分が細菌の巣と
なり却って害を及ぼすこととなる。
【0053】光触媒機能体は、図3に示すように、即効
性については、従来の抗菌剤より劣る場合があるが、非
溶出型であるため、殆ど、液中に溶け出すことはなく、
その効果が長時間持続することとなる。
【0054】前記凝集物除去工程終了後の水と、上述し
てきた光触媒機能体とを接触させる方法については、特
に限定されることはなくいかなる方法を用いることも可
能である。次に、本発明の水浄化システムについて図面
を用いて説明する。
【0055】図4は、本発明の水浄化システムの概略構
成図である。本発明の水浄化システム40は、凝集剤投
入手段41と、反応槽42と、凝集物除去手段43と、
光触媒ユニット44と、を備えている。そして、凝集剤
投入手段41と反応槽42とにより前記凝集物沈殿工程
を行うことが可能であり、凝集物除去手段43により前
記凝集物除去工程を行うことができ、光触媒ユニット4
4によって前記光触媒工程を行うことができる。
【0056】図4は、貯水タンク50中の水を浄化する
際に本発明の水浄化システム40を用いた場合の概略構
成図でもある。以下、貯水タンク50中の水を浄化する
場合を例に挙げて、本発明の水浄化システムについて説
明する。
【0057】図4に示すように、貯水タンク50中に貯
水されている処理すべき水は、配管51を通り反応槽4
2に流入される。反応槽42の上方には凝集剤投入手段
41が設けられており、この凝集剤投入手段41から凝
集剤が投入される。反応槽42内では、処理すべき水の
中に存在する不純物と、投入された凝集剤とが反応して
凝集物Gが形成される。この場合において、投入された
凝集剤が浮上性凝集物を形成するための凝集剤(以下、
浮上性凝集剤とする場合がある。)の場合には、形成さ
れた凝集剤Gは反応槽42の上方へ浮上することとな
り、一方、投入された凝集剤が沈降性凝集物を形成する
ための凝集剤(以下、沈降性凝集剤とする場合があ
る。)の場合には、形成された凝集剤Gは反応槽42の
下方(底部)へ沈降することとなる。なお、以下の説明
は、図4に示すように浮上性凝集剤を投入した場合の説
明である。
【0058】反応槽42の上方へ浮上した凝集物Gは、
凝集物除去手段43により反応槽42の外へ除去され
る。具体的な凝集物除去手段43については以下で説明
する。
【0059】凝集物除去手段43によって凝集物Gが除
去された後の反応槽42内の水は、配管52を通って光
触媒ユニット44に流入され、ここで光触媒処理(殺菌
処理、脱臭処理)が行われる。具体的な光触媒ユニット
44については以下で説明する。
【0060】光触媒ユニット44内において光触媒処理
された水は、配管53を通って、再び貯水タンク50内
に導入される。
【0061】このように、本発明の水浄化システム40
を用いることにより、当該システム中の凝集剤投入手段
41、反応槽42及び凝集物除去手段43によって、処
理すべき水の中に存在する比較的大きな不純物(例えば
水苔や藻など)を除去することができるとともに、光触
媒ユニット44によって、処理すべき水の中に存在する
微少な不純物(例えば、水苔や藻の種子や細菌類など)
を除去することができる。したがって、本発明の水浄化
システム40により処理された水は、図4に示すように
貯水タンクに貯水された後であっても、当該水中には将
来不純物となりうる水苔や藻の種子等や細菌類が存在し
ないため、衛生的な状態を長期間にわたり保持すること
ができる。
【0062】以下に凝集剤投入手段41、反応槽42、
凝集剤除去手段43、及び光触媒ユニット44について
具体的に説明する。
【0063】[凝集剤投入手段]本発明の水浄化システ
ムにおける凝集剤投入手段41は、処理すべき水の中に
凝集剤を投入することができる手段であればいかなる手
段であってもよく、従来公知の様々な装置を用いること
ができる。
【0064】図5は、図4に示した凝集剤投入手段41
を具体的に示した斜視図である。図5に示すように、底
部に滴下口61を有したタンク形状の滴下装置を凝集剤
投入手段41としてもよい。この場合には、所定の時間
ごとに凝集剤を投入することができるように、滴下口6
1にはタイマーT付の開閉弁62が設けられているのが
好ましい。タイマーT付開閉弁を有していることによ
り、当該凝集剤投入手段41の下方に設けられている反
応槽へ流入される水のタイミングや量に合わせて、適当
な量の凝集剤を定期的に投入することができるからであ
る。また、投入する凝集剤は必ずしも液体である必要は
なく、固体(粒形状、粉末状)であってもよく、この場
合においても一定量を所定のタイミングで投入するのが
好ましい。
【0065】[反応槽]本発明の水浄化システムにおけ
る反応槽42は、前記の凝集剤投入手段41によって投
入される凝集剤と、処理すべき水とを反応させることが
可能であればよく、当該目的を奏し得るものであれば、
形状、大きさ等を特に限定しない。
【0066】図6は、図4に示した反応槽42を具体的
に示した斜視図である。図6に示す反応槽42は、プー
ル型を呈しており、その内部には撹拌装置65が設けら
れている。内部に撹拌装置65を設けることにより、反
応槽42中に流入される、処理すべき水と、前記凝集剤
投入手段41から投入される凝集剤との反応を促進する
ことができる。また、反応槽42に処理すべき水を流入
するための配管51にもタイマーT付開閉弁66が設け
られていることが好ましく、さらに当該タイマーT付開
閉弁66は、前記凝集剤投入手段としての滴下装置の滴
下口に設けられているタイマーT付開閉弁62と連動し
ているのがさらに好ましい。これら2つのタイマーT付
開閉弁(66、62)が連動していることにより、ま
ず、配管51に設けられたタイマーT付開閉弁66が開
き、処理すべき水(図4においては、貯水タンク内の
水)が反応槽42内に流入される。そして、一定時間経
過後にタイマーT付開閉弁66が閉じることで、一定量
の処理すべき水が反応槽42内に貯水される。この際、
2つのタイマー付開閉弁が連動していれば、前記タイマ
ーT付開閉弁66が閉じると同時に、これと連動して滴
下装置の滴下口に設けられているタイマー付開閉弁62
が一定時間開かせることが可能となり、そうすれば、常
に一定量の量の凝集剤が処理すべき水に投入されること
となり、凝集物形成工程をスムーズに行うことができ
る。
【0067】なお、反応槽42と、光触媒ユニット43
とを繋ぐ配管52にもタイマー付開閉弁67を設けても
よい。上記2つの開閉弁に加え、当該開閉弁67を設
け、これらを相互に連動させることにより、反応槽42
内で一定時間撹拌され充分に凝集物が形成された水を自
動的に光触媒ユニットへ流入させることができる。
【0068】図7は、反応槽の別の実施形態を示す斜視
図である。ここに示す反応槽42’は、その基本的構造
は前記図6に示した反応槽42と同様であるが、反応槽
がフィルター45によって複数に分離されていることに
特徴を有しているものである。図7においては、2枚の
フィルター45、45を用いることにより反応槽を3つ
(左からX、Y、Zとする)に分離している反応槽4
2’をフィルター45により分離されている反応槽の一
つ(X)の上方に凝集剤投入手段を設け、反応槽の水は
前記X、Y、Zをこの順番に流れるようにすることによ
り、凝集剤投入手段が位置する反応槽内では凝集物が形
成されることなく、その次以降の反応槽(図ではYや
Z)で徐々に凝集物が形成されることとなる。その結
果、凝集剤の投入と凝集剤の形成をそれぞれ別の反応槽
で行うことができることとなり、効率よく凝集物を形成
することができる。
【0069】また、図7に示す反応槽においては、図中
の符号Xにおいて凝集剤を投入し、図中の符号Yにおい
て凝集物を形成させるとともに、当該Yの部分に凝集物
除去手段を設け、さらに、符号Zの部分に、光触媒機能
体を設けることができる。このようにXで凝集剤を投入
し、Yで形成された凝集物を除去し、さらにZで光触媒
処理をすることにより、1つの反応槽で全ての工程を行
うことができる。この場合における光触媒機能体として
は、後述する不織布88などを用いることができる。
【0070】[凝集物除去手段]本発明の水浄化システ
ムにおける凝集物除去手段43とは、前記反応槽42内
で形成された凝集物を反応槽の外へ除去するための手段
である。したがって、本発明の水浄化システムにおける
凝集物除去手段43は、この目的を達成することができ
ればよく、その具体的手段について限定されることはな
い。したがって、凝集物除去手段43は、前記反応槽4
2内で形成される凝集物の種類(形成される凝集物が浮
上性凝集物か、沈降性凝集物かなど)によって任意に選
択して使用することができる。
【0071】図6は、図4に示した凝集物除去手段43
を具体的に示した斜視図でもある。図6に示す凝集物除
去手段43は、浮上性凝集物を除去するために用いられ
るものであり、反応槽42の一端から他の一端まで延び
る支持軸70と、凝集物除去板71とから形成されてい
る。この凝集物除去板71は、矩形状の枠72と当該枠
72内に貼られたフィルター73により形成されてお
り、横方向の長さ(図6の符号W)は、前記反応槽42
の幅(支持軸70と平行する2辺間の距離)と同様であ
り、縦の長さ(図6の符号L)は、当該凝集物除去板7
1の先端部分が水中に浸る長さを有している。そしてこ
の凝集物除去板71は、支持軸70に沿って前後に自由
に移動することができるように形成されている。
【0072】このような凝集物除去手段43を用いるこ
とにより、前記反応槽42内で、処理すべき水と凝集剤
とが反応してる間、つまり凝集物が形成されるまでの間
は、凝集物除去板71を反応槽42の一端に寄せてお
き、凝集物が処理すべき水の水面に浮上したら、凝集物
除去板71を反応槽42の他の一端へ移動することで
(図中の矢印参照)、水面に浮上した凝集物を反応槽4
2から除去することができる。この場合、前記反応槽の
側面には凝集物排出口74を設けておくのがよい。
【0073】[光触媒ユニット]図8(a)は、配管の
途中で使用される光触媒ユニット44の具体的な一態様
を示している。このユニット44は、円筒状に形成さ
れ、配管端部を連接するようにして使用される。光触媒
ユニット44は、透明な樹脂材(内部に光が入るように
透明が好ましい。)により円筒状に形成されたハウジン
グ81と、このハウジング81長手方向の両端を閉塞
し、円錐状に形成されたエンドプレート82を備えてい
る。ハウジング81の両端部には、半径方向外側に張り
出したフランジ部83が形成されている。エンドプレー
ト82の先端部には、配管に挿入する円筒状の挿入部8
4が形成され、末広がりの後端には半径方向外側に張り
出したフランジ部85が形成されている。エンドプレー
ト82は、そのフランジ部85をハウジング81のフラ
ンジ部83に当接させて、ねじを止めるようにしてハウ
ジング81に取り付けられている。
【0074】ハウジング81の内部の両端には規則正し
く配列された複数の開口を有する整流板86が設けら
れ、水流入側の整流板86の内側には、目の比較的粗い
メッシュにより形成されたフィルター板87が設けられ
ている。そして、フィルター板87と流出側の整流板8
6との間には、円環状に形成された不織布88が、半径
方向に層を成して収容されている。また、不織布88の
隣接する内側と外側との隙間には、円環状の目の粗いメ
ッシュにより形成されたスペーサ89が挿入されてい
る。(図8(b)参照)そして、前記不織布88の表面
には、溶射、ディッピングによって光触媒機能体が付着
せしめられている。なお、ハウジング81内に収納され
る光触媒機能体は、不織布には限定されず、セラミック
スボール等その他の基材上に光触媒機能体を付着せし
め、それをハウジング51内に収納することも可能であ
る。
【0075】また、ハウジング81不織布88の収容方
法であるが、図8では、円環状に形成された不織布を利
用したが、図9に示すように、ハウジング81内に水の
流れ方向と直交させるようにして、光触媒機能体が付着
せしめられた不織布88を収容し、それぞれの不織布8
8の間に目の粗いメッシュにより形成されたスペーサ8
9が挿入されたものでもよい。
【0076】図10は、光触媒ユニット44の更に別の
実施の形態(貯水タンク型光触媒ユニット)を示してい
る。この実施の形態では、タンク90の中に浮遊物とし
てのボール91が設けられている。このボール91はセ
ラミックスをその径が3〜15mm程度の球状に固めた
ものである。比重が水より小さく形成されており、タン
ク90に水を流入するとボール91は浮くようになって
いる。ボール91の表面には、溶射法によって光触媒機
能体が付着せしめられている。また、図中の92は殺菌
する水の流入口であり、93は排出口である。
【0077】なお、本実施の形態のように浮遊体に光触
媒機能体を付着せしめることにより、タンクの底部に光
触媒機能体を配置する場合に比し、より多くの光を受光
でき触媒作用を効果的に奏することができる。また、浮
遊体としてのボール71自体は光触媒機能体そのもので
あるため、殺菌や藻等が付着することもない。
【0078】図11は、光触媒ユニット44のさらに別
の一態様を示した図であり、不織布を別の態様で光触媒
ユニット(貯水タンク型)として用いた形態を示してい
る。この実施形態では、タンク100の相対向する内壁
面101、101の上端に両内壁面101、101を連
接するように取付棒102が架設されている。取付棒1
02には、長方形に形成された複数の不織布103がつ
り下げられている。これらの不織布103は水との接触
面積を確保するために、両面に光触媒機能体が付着せし
められている。また、タンク100に水が流入された場
合に不織布が浮かび上がるのを防止するため、これら不
織布103の下端には重り104がつり下げられてい
る。更に、この実施形態では、貯水タンク100の底面
全体に不織布103が設けられている。
【0079】なお、ここで用いられている不織布103
は、図8(b)で説明した不織布88と同様のものであ
り、その両面には光触媒機能体が溶射法、ディッピン
グ、印刷等によって付着せしめられている。また、不織
布103、ボール91は別々に使用することには限定さ
れず、同時に使用してもよい。
【0080】上述したような(図8〜図11参照)光触
媒ユニットを図4に示す光触媒ユニット44の位置に設
置することにより、水が配管を通過するときに、浄化・
殺菌することができる。
【0081】なお、本発明に係る方法及びその装置は、
上記の実施の形態に限定されるものではない。上記実施
の形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載
された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な
効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の
技術的範囲に包含される。
【0082】
【発明の効果】本発明の水の浄化方法によれば、水中に
すでに存在する不純物(例えば、水苔や藻など)につい
ては、凝集物形成工程と凝集物除去工程によって除去す
ることができ、さらに、前記凝集物形成工程と凝集物除
去工程では除去できない微少な不純物(例えば、水苔や
藻などの種子、胞子、菌子、さらには細菌類など)につ
いては、光触媒工程によって除去(殺菌、脱臭も含む)
することができる。
【0083】また、同様に本発明の水浄化システムによ
れば、凝集剤投入手段と、反応槽と、凝集物除去手段
と、光触媒ユニットとを有しているので、凝集剤投入手
段と反応槽と凝集剤除去手段とにより、水中の不純物を
凝集物として除去することができ、さらに、光触媒ユニ
ットにより、水中の微少な不純物(例えば、水苔や藻の
種子、胞子、菌子、又は細菌類など)を光触媒ユニット
中の光触媒機能体により除去(殺菌、脱臭も含む)する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶射法による皮膜状態図である。
【図2】塗料による皮膜状態図である。
【図3】従来と本発明との光触媒としての効果の比較を
示す図である。
【図4】本発明の水浄化システムの概略構成図である。
【図5】図4に示した凝集剤投入手段を具体的に示した
斜視図である。
【図6】図4に示した反応槽を具体的に示した斜視図で
あり、図4に示した凝集物除去手段を具体的に示した斜
視図でもある。
【図7】図4に示した反応槽の別の実施形態を示す斜視
図である。
【図8】(a)は図4に示した光触媒ユニットの具体的
な一態様を示す側面図であり、(b)はその横断面図で
ある。
【図9】図4に示した光触媒ユニットの別の実施形態を
示す縦断面図である。
【図10】図4に示した光触媒ユニットの別の実施形態
(タンク型)を示す縦断面図である。
【図11】図4に示した光触媒ユニットの別の実施形態
(タンク型)を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…基材、 2a、4a…光半導体粉末、 2b、4b…電極、 3…吸着材料、 5…基材、 6…バインダー、 40…水浄化システム 41…凝集剤投入手段 42…反応槽 43…凝集物除去手段 44…光触媒ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA12 BA23 BB08 BB13 CA20 DA09 DA17 DA19 DA23 DA30 DA40 DC02 DC04 EA32 EA33 FA01 FA02 FA12 FA15 FA19 FA23 FA28 4D037 AA05 AA08 AA09 AA11 AB03 AB18 BA16 CA06 CA08 4D050 AA02 AA08 AA10 AA12 AB06 BC06 BC09 BD06 CA16 4G069 AA03 BA04B BA48A CA05 CA11 DA06 EA04Y EA09 EA10 FB22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化すべき水のpHを6.5〜8.5、
    化学的酸素要求量を3mg/l以下、浮遊物質量を5m
    g/l以下、溶存酸素量を7.5mg/l以下、とする
    ための第一浄化工程と、 前記第一浄化工程終了後の水を、少なくとも光半導体粉
    末からなる光触媒機能体に接触させることにより殺菌を
    するための光触媒工程と、を有することを特徴とする水
    の浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記第一浄化工程が、浄化すべき水の中
    に凝集剤を投入し、投入された凝集剤と水中の不純物と
    を反応させて、凝集物を形成するための凝集物形成工程
    と、凝集物形成工程において形成された凝集物を除去す
    るための凝集物除去工程と、からなることを特徴とする
    水の浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記凝集物形成工程で投入される凝集剤
    が、酸化カルシウムを主成分とする無機凝集剤であるこ
    とを特徴とする請求項2の水の浄化方法。
  4. 【請求項4】 浄化すべき水の中に凝集剤を投入するた
    めの凝集剤投入手段と、 投入された凝集剤と水中の不純物とを反応させて、凝集
    物を形成するための反応槽と、 形成された凝集物を除去するための凝集物除去手段と、 凝集物が除去された水と、少なくとも光半導体粉末から
    なる光触媒機能体とを接触するための光触媒ユニット
    と、 を備えることを特徴とする水浄化システム。
  5. 【請求項5】 前記凝集剤投入手段において投入される
    凝集剤が、酸化カルシウムを主成分とする無機凝集剤で
    あることを特徴とする請求項4に記載の水浄化システ
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068577A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Sasano Densen Kk 光触媒粒状体
CN102531245A (zh) * 2010-12-22 2012-07-04 淮海工学院 一种水华蓝藻无害化处理方法

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