JP2001179108A - 高強度光触媒体及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents

高強度光触媒体及びその製造方法並びにその用途

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JP2001179108A
JP2001179108A JP36631199A JP36631199A JP2001179108A JP 2001179108 A JP2001179108 A JP 2001179108A JP 36631199 A JP36631199 A JP 36631199A JP 36631199 A JP36631199 A JP 36631199A JP 2001179108 A JP2001179108 A JP 2001179108A
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glass
agglomerate
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Shigeru Nagaoka
茂 長岡
Tokumitsu Kurihara
得光 栗原
Masanori Ochiai
正則 落合
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Titan Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用的視点より、光触媒活性及び抗菌性が高
く、基体との固定性に優れ、安価であり、ガスならびに
水溶液の両者に利用でき、これら被処理物との分離・作
業性に優れると共に、実用に耐え得る十分な強度を有す
る光触媒体とその製造方法、並びに上記光触媒体を利用
した環境汚染防止のための装置と方法を提供する。 【解決手段】 ガラス粒子を結着剤で集塊させたガラス
粒子集塊物の表面に抗菌性金属粒子を固着させたものを
基体とし、その表面に無機物質を結合剤として光触媒粒
子を固定させたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度光触媒体及
びその製造方法並びにその用途に関し、特に、基体とし
てガラス粒子の集塊物を用いた光触媒体及びその製造方
法並びにその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光触媒粒子にそのバンドギャップ以上の
エネルギーを持つ波長の光を照射すると光励起によって
伝導体に電子を、価電子帯に正孔を生じ、電子の強い還
元力や正孔の強い酸化力を各種反応に利用できることは
よく知られたことである。光触媒粒子それ自体は微粒子
であり、そのまま光触媒として用いると反応後の固気分
離や固液分離が困難なため、光触媒粒子より大きな基体
上に光触媒粒子を固定させて利用する試みがなされてい
る。
【0003】基体上に光触媒用粒子を固定させる方法と
して、例えば以下のものが提案されている。
【0004】(1)ニトロセルロース、ガラス、ポリ塩
化ビニル、ナイロン、メタクリル樹脂、ポリプロピレン
等の光透過性物質材料からなるフィルム状、ビーズ状、
ボード状、繊維状等の形状の基体に酸化チタン微粉末を
付着させる方法(特開昭62−66861号公報)。
【0005】(2)多孔性ガラス支持体にチタン(IV)
テトラブトキシオキサイドのアルコール溶液を含浸し、
加熱して、アナターゼ型の酸化チタンにすることによっ
て多孔性ガラス支持体に保持・固定する方法(特開平2
−50154号公報)。
【0006】(3)色素又は金属錯体などの光増感剤を
側鎖として持つ多孔性高分子膜(例えばポリフッ化エチ
レン樹脂)中に圧入、含浸、付着等の方法により、半導
体触媒粉末を保持・固定する方法(特開昭58−125
602号公報)。
【0007】(4)ポリプロピレン繊維あるいはセラミ
ックスからなる濾過フィルターに酸化チタンを固定する
方法(特開平2−68190号公報)。
【0008】(5)石英、ガラス、プラスチックの繊維
のからみの中に酸化チタン粉末を保持・固定しその両面
を光透過性のガラスでおさえつける方法(アメリカ特許
4888101)。
【0009】(6)アルミナ基板に白金をスパッタリン
グ法により固着させ、その上にアナターゼ型の酸化チタ
ン粉末とメチルメタクリレートの有機溶媒溶液との混合
分散液をスピンコーティング法により塗着し、しかるの
ちに結着剤としてのメチルメタクリレートを加熱分解す
るとともに、アナターゼ型の酸化チタンをルチル型の酸
化チタンにする方法(Robert E.Hetri
c,Applied Physics Commu
nications,5,(3),177−187(1
985))。
【0010】(7)ポリエステル布の表面に酸化チタン
を低温溶射方法で溶射固定する方法(桜田司、表面技術
41巻、10号、P60(1990))。
【0011】しかしながら、光触媒粒子を基体へ固定す
るための上記公知の方法には、それぞれ以下の欠点があ
った。
【0012】まず、(1),(3),(4),(5)など
の有機物をバインダ−とする固定では、光触媒粒子の光
触媒作用で大部分の有機物が分解されるので、長期使用
時の固定は信頼性が無い。また、(2)の方法は、高価
な有機チタン化合物を原料とする上に、破損し易いガラ
スに直接固定させているため、強度の信頼性が低い。一
方、(6)及び(7)の方法は固定の際に非常に高温に
なり、光触媒粒子の高い光触媒活性が失われるので好ま
しくない。
【0013】その他、よく使用される方法として、単に
無機多孔質体、繊維にスラリ状の酸化チタンを含浸、固
定させる方法、及びシリカ系、アルミナ系等のアルカリ
塩を加水分解や加熱溶融させたバインダ−を使用する方
法等があるが、前者では酸化チタン粒子が固定されてい
ないために、振動、衝撃で容易に脱落するし、後者では
触媒を固定するためのバインダ−によって、触媒表面が
被覆されて活性が大部分失われるという問題があった。
【0014】また、これらの方法では加工が困難なため
に、コストがかさむ一方、光エネルギ−を充分に利用で
きないという問題があった。
【0015】一方、実用的立場からすれば、光触媒体を
使用する際の作業性、被処理物との分離操作性の点よ
り、固定化する基体が重要となってくるが、従来のもの
は必ずしもこれらを満足するものではなかった。
【0016】さらに、近年、環境汚染防止と関連して光
触媒粒子の適用範囲はとみに増大している。これに関連
し、その光触媒機能を損なうことなく、安価にて強固
に、かつ長期間にわたって固定させる方法が求められて
いるが、従来の方法は必ずしも満足できるものではなか
った。また、光触媒体の基体についても安価で光触媒粒
子との固定性に優れ、実用的に十分な強度を有し、被処
理物との分離操作を容易にするものが求められるが、従
来のものはこれらの要求を十分に満足するものではなか
った。
【0017】また、上記環境汚染防止に関連して、光触
媒粒子を用いてアルデヒド、メルカプタン、アンモニア
等の有害ガスを分解・除去したり、工場排水、鉱業排
水、湖沼、海水等の汚水を浄化・抗菌をしたり、ため
池、貯水槽、浄化槽、養殖槽等の藻の繁殖付着を抑制し
たり、又、水耕栽培培養液を殺菌する簡便な方法が要望
されている。
【0018】水耕栽培は、農業における省資源、省エネ
ルギー及び生産量の増加を目的とした野菜や花卉の生産
方式の一つであり、近年急速に普及している。
【0019】水耕栽培では、作物を収穫した後、使用し
ていた培養液を廃棄しており、これが地下水の汚染や河
川・湖沼の富栄養化の原因となっている。従って上記培
養液のリサイクル技術を確立することは、資源の節減と
環境汚染防止の観点から有効な手法となる。培養液のリ
サイクルを考える場合、肥料成分の調整以外に栽培中に
混入した植物病原菌の除去を行うことが最も重要であ
る。
【0020】従来の水耕栽培における植物病原菌の除去
技術は、(1)薬剤投与、(2)紫外線照射、(3)オゾン、(4)
加熱法、(5)超音波法等があるが、(1)は薬剤を培養液に
混合する使用登録は認められていないこと、(2)は電
力、ランプ交換などランニングコストが高く、(3)はラ
ンニングコストは安いものの、作物の生育に必要な培養
液中の鉄やマンガンが不溶化してしまう、(4)は全処理
時間(加熱と冷却)が長く、ランニングコストが高い、
(5)は効果が明らかでない、という短所があった。
【0021】又、ため池、貯水槽、浄化槽、養殖槽等で
繁殖する藻類は、美観を損ねるだけではなく、その種類
によっては魚、動植物、ならびに人間に対してまでも悪
影響を及ぼす場合がある。藻類に由来する毒性物質は毒
性が強いので、様々な動物たちに感染すると病気になっ
たり、死ぬこともあり得るため、このような生物への傷
害をさけるためにも適切な処置が必要となる。一般的に
は藻の繁殖付着防止のために、溶解性の薬剤型防藻剤が
投与される場合が多いが、一時的には有効であるが、効
果の持続のためには定期的投与が必要となり、強力な薬
剤になると藻類以外の生物に対してまでも影響が及ぶ。
すなわち、従来の防藻剤は、安全性と効果のバランスが
維持しにくく、しかも定期的に投与することが前提とな
るため煩雑となるという短所があった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、高光触媒活性を有し、基体との固定性に優
れ、安価であり、ガスならびに水溶液の両者に利用で
き、これら被処理物との分離・作業性に優れた光触媒体
を提供すべく、中空シラスバルーン等の中空状ガラス粒
子を基体とし、その表面に無機物質を結合剤として光触
媒粒子を固定した光触媒体を発明し、出願した(特願平
9−61132)。
【0023】しかしながら、この光触媒体は強度の面で
十分でなく、実用に耐え得る程度の十分な強度を有する
光触媒体が要望されていた。
【0024】また、処理効率の向上を図るためにも、光
触媒体自身の光触媒活性の向上が要望されていた。
【0025】一方、従来より、火山噴出物粒子や火山噴
出物発泡粒子を結着剤としてセメントや石膏で固めて成
形した構造物用材料が知られている。このような結着剤
にセメントや石膏を用いた成形体は、養成期間(型枠に
流し込んでから固まって製品になるまでの期間)が長
い、生産回転率が悪い、固まるまでの間に傷を受けやす
い等の問題があり、また比重が大きくなるため、輸送コ
ストが高くなり、水に浮かすことが不可能となるといっ
た課題があった。
【0026】本発明者らは、上記視点より鋭意研究を行
った結果、火山噴出物粒子や火山噴出物発泡粒子は軽量
かつ安価な素材であるものの、粒子径は500μm以下
のものが多いため、光触媒体の基体としては被処理物と
の分離性、飛散性の点で適さない場合が多く、また2〜
3mmからこれ以上の大きさの固まりのものもあるが、
強度が不十分であり、かつ強度むらが大きいこと、さら
には粒度分布の調製が容易でないという問題があること
を見出した。そこで、これらの火山噴出物粒子や火山噴
出物発泡粒子を所定の結着剤を用いて造粒して集塊物と
したところ、驚くべきことにこれらの大きさの分布が揃
い、その結果、強度が著しく向上した実用に適するもの
が得られることを見出し、これを特願平10−2811
37として出願した。
【0027】そして光触媒活性の向上の方法についてさ
らに検討を重ねた結果、集塊物の表面に一旦、抗菌性金
属粒子を固着させた後、光触媒粒子を固定させると、暗
所での抗菌作用が働くのみならず、光触媒活性も向上し
て防藻剤等に有用であること、又、前記特願平10−2
81137の光触媒体が防藻剤として有用であることを
見出し、本発明を完成させた。
【0028】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】す
なわち、本発明の高強度光触媒体は、ガラス粒子を結着
剤で集塊させたガラス粒子集塊物表面に抗菌性金属粒子
を固着させたものを基体とし、その表面に無機物質を結
合剤として光触媒粒子を固定させたことを特徴とする。
【0029】また、本発明の高強度光触媒体は、ガラス
粒子を結着剤で集塊させたガラス粒子集塊物表面に抗菌
性金属粒子を固着させたものを基体とし、その表面に無
機物質を結合剤として光触媒粒子及び抗菌性金属粒子を
固定させたことを特徴とする。
【0030】なお、本発明において、「高強度」とは、
成人が足で踏みつけても自重で破砕されない程度の、十
分実用的な強度をいう。
【0031】前記ガラス粒子は、火山噴出物粒子及び/
又は火山噴出物発泡粒子であることが好ましい。
【0032】これらの粒子集塊物は、光触媒体の基体と
して必要な、光触媒との固定性、強度、流動性、水への
浮き沈み、及び高比表面積等の特性を備え、さらには形
状及びサイズを調製することが比較的容易であるという
特徴を有し、使用目的に応じて両者をどちらか単独か、
あるいは組み合わせて用いることができる。
【0033】ここでいう火山噴出物粒子集塊物とは、シ
ラス、ボラ、パーライト等の火山噴出物粒子を結着剤を
用いて造粒し、集塊物としたものであり、また火山噴出
物発泡粒子集塊物とは、前記火山噴出物粒子を加熱し発
泡させた火山噴出物発泡粒子を結着剤を用いて造粒し、
集塊物としたものである。
【0034】本発明で用いる火山噴出物粒子としては、
シラスが好ましい。
【0035】シラスとは、南九州地方に産出する白色〜
灰白色の火山噴出に伴う降下堆積物の総称であり、同質
のものは全国に広く分布している。シラスには、ポーラ
スなガラス塊である「軽石」のみの層と、軽石と鱗片状
の微小ガラス片とからなる層があり、前者を一次シラ
ス、後者を二次シラスといい、狭義には前者を「軽
石」、後者を「シラス」というが、本発明においては二
次シラスまで含むものである。
【0036】本発明で用いる火山噴出物発泡粒子として
は、シラスバルーンが好ましい。
【0037】シラスバルーンとは、狭義にはシラス中に
含まれる火山ガラス微細粒子を1000℃前後で短時間
熱処理することによって得られた微細なガラス質(Si
260〜80%)からなる、平均粒径が10〜500μ
m、嵩比重が0.13〜0.70の球形の中空体粒子で
あり、広義には、ボラを加熱して得られたものも含む
が、本発明では広義のボラを加熱して得られたものも含
まれる。
【0038】シラスバルーンは嵩比重が極めて小さく、
かつ不燃性で、融点が高いので高温度下においても不活
性であり、有毒ガスを発生せず、軽量で断熱性、遮音
性、耐熱性等に関して優れた性質をもつ素材である。
【0039】シラスバルーンの原料としてはシラス中に
含まれる火山ガラスのうちでも透明で平滑表面を有する
肉厚塊状火山ガラスを多く含むものがバルーンの形状、
比重、強度の点で望まれ、実用に供されている。
【0040】次に、本発明の高強度光触媒体の基体であ
るガラス粒子集塊物を製造するための結着剤について述
べる。
【0041】本発明において使用される結着剤として
は、光触媒用基体として使用できるよう軽くて高強度の
集塊物とする観点から、珪酸ソーダ、珪酸カリウム、珪
酸リチウム等の珪酸アルカリ、第一リン酸アルミニウ
ム、フリット、水硬性セメントが好ましい。
【0042】また、造粒体の強度をより高めるために、
珪酸アルカリと水硬性セメントとの組み合わせ、珪酸ア
ルカリと水硬性セメントと第一リン酸アルミニウムの組
み合わせ、珪酸アルカリと水硬性セメントとフリットの
組み合わせ、及び珪酸アルカリと水硬性セメントの組み
合わせで使用することがより好ましい。
【0043】水硬性セメントとは、水を加えることによ
り硬化するセメントであり、ポルトランドセメント、ア
ルミナセメント、高炉セメント、鉱滓セメント、シリカ
セメント、及びポゾランセメント等があり、これらの中
でもアルミナセメント及びシリカセメントが好ましく、
アルミナセメントが最も好ましい。
【0044】これらの結着剤を用いて得られたガラス粒
子集塊物の強度は定量的な表現は難しいが、成人が自重
で踏みつけても破砕されないほどの強度を有するため、
これを基体として得られた光触媒体も同程度の強度を有
する。
【0045】ガラス集塊物の大きさは、光触媒能と被処
理物との分離性、設置のしやすさ、回収、飛散性といっ
た実際の使用面との兼ね合いから考えて、好ましくは1
〜50mm、より好ましくは1〜10mm、最も好まし
くは1〜5mmである。
【0046】本発明で使用される光触媒粒子としては、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、チタン酸カリウム、チ
タン酸ストロンチウム、チタン酸繊維、硫化モリブデ
ン、及び酸化インジウムの少なくとも1種を用いること
ができ、中でも酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄及びチタ
ン酸ストロンチウムが好ましく、特に酸化チタンが好ま
しい。さらにそれらの光触媒粒子に適当なドーパントを
添加したものも用いることができる。
【0047】光触媒粒子が酸化チタンの場合はアナタ−
ゼ型が好ましい。また比表面積は20〜500m2/g
が好ましく、特に100〜400m2/gがさらに好ま
しい。また酸化チタン粒子径は、一次粒径で0.01〜
1μmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.1
μmであって、その造粒物や焼結体でも良い。造粒物や
焼結体にして粒径を大きくすると、用途によって無機物
質の膜厚が比較的大きい場合は、膜より頭出しするため
光触媒活性が有効に現れる。
【0048】また、酸化チタンには、触媒活性を向上さ
せるため、W、Sn、S、Mo、V、Mn及びZn等の
元素を含む金属酸化物を含有させることもできる。
【0049】酸化チタン同様に他の光触媒粒子において
も純度は特に規定されず、必要によってはバンドギャッ
プの調整を目的に適当な不純物を添加して用いることが
できる。
【0050】また本発明の光触媒体には活性炭やゼオラ
イト等の有害物質を吸着させる機能性物質を含有させる
こともできる。
【0051】光触媒粒子を前記基体上に固定させるため
の結合剤としての無機物質としては、シリカ、アルミ
ナ、粘土、及びフリット等を用いることができるが、中
でもシリカ、フリット及び粘土が好ましく、シリカが最
も好ましい。
【0052】結合剤がシリカの場合、光触媒粒子含有の
シリカ膜と、シリカを主成分とする基体であるガラス粒
子集塊物との固定性は良好である。膜厚が厚くなると光
触媒効果に対して無駄であり、膜強度も低下する傾向が
あることより膜厚は100μm以下であることが好まし
い。光触媒粒子を含有したシリカ膜中の光触媒粒子の割
合は、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは2
0〜85重量%、最も好ましくは40〜80重量%であ
る。
【0053】粘土は特に限定されないが、フリットはリ
ンを含有する化合物が好ましく、融点を低くできる利点
から、代表的にはLi2O-Na2O-B2O3-Al2O3-P2O5の組成を
持つものがさらに好ましい。
【0054】本発明で使用される抗菌性金属は、Au、
Ag、Cu及びZnの少なくとも一種を用いることがで
き、中でも、Ag及びCuが好ましく、特にAgが好ま
しい。
【0055】抗菌性金属粒子の原料としては、粉末状、
液体状のいずれも使用でき、液体状のものとしては、硝
酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、塩化物、有機酸塩等があげ
られる。
【0056】本発明の高強度光触媒体は紫外線の照射に
よる光触媒効果でアルデヒド、メルカプタン等の悪臭ガ
ス、NOx、ダイオキシン等の除去、藻の繁殖付着抑
制、及び殺菌性に優れた効果を示すとともに、実用強度
を有し、光触媒体の加工性、耐候性及び被処理物との分
離操作性に優れている。
【0057】本発明において使用される基体の選択に関
し、水に沈む方が好ましい場合はガラス粒子集塊物とし
て火山噴出物粒子集塊物を用いれば良い。一方、火山噴
出物発泡粒子集塊物を用いる場合、結着剤、無機物質や
光触媒粒子の量によって、見かけ比重を水よりも大きく
も小さくも、すなわち水中に浮遊及び/又は沈降するよ
うにできるので、基体は必要によって選択でき、このよ
うな基体を用いた光触媒体は、後述する水の浄化、水の
殺菌、水耕栽培培養液の殺菌、ならびに藻の繁殖付着抑
制などに幅広く使用できる。
【0058】本発明の高強度光触媒体は、抗菌性金属を
イオンとして含む溶液中に、ガラス粒子集塊物を浸漬し
て該ガラス粒子集塊物の表面に前記溶液を付着させた
後、乾燥、又は100〜900℃で加熱処理し、続い
て、水性シリカゾル、水及び光触媒粒子を含む塗料、又
は水性シリカゾル、水、光触媒粒子及び抗菌性金属粒子
を含む塗料に、前記抗菌性金属粒子を固着させたガラス
粒子集塊物を浸漬してその表面に前記光触媒粒子、又
は、前記光触媒粒子及び前記抗菌性金属粒子を付着さ
せ、100〜900℃で加熱処理することによって製造
することができる。
【0059】前記抗菌性金属をイオンとして含む溶液
は、抗菌性金属の硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、塩化
物、又は有機酸塩であることが好ましい。
【0060】また、他に、水性シリカゾル及び水に抗菌
性金属粒子を分散させた塗料に、ガラス粒子集塊物を浸
漬して該ガラス粒子集塊物の表面に前記塗料を付着させ
た後、乾燥、又は100〜900℃で加熱処理し、続い
て水性シリカゾル、水及び光触媒粒子を含む塗料、又
は、水性シリカゾル、水、光触媒粒子及び抗菌性金属粒
子を含む塗料に、前記抗菌性金属粒子を固着させたガラ
ス粒子集塊物を浸漬してその表面に前記光触媒粒子、又
は、前記光触媒粒子及び前記抗菌性金属粒子を付着さ
せ、100〜900℃で加熱処理することによっても製
造することができる。
【0061】これらの製造方法は、ガラス粒子集塊物の
表面に一旦抗菌性金属粒子を固着させた後、光触媒粒
子、又は、光触媒粒子及び抗菌性金属粒子を含有した無
機物質の膜(例えばシリカ膜)を形成させるものであ
る。
【0062】次に、抗菌性金属粒子の固着方法につい
て、具体的にAgの場合を説明するがAu、Cu、及び
Znの固着法についても基本的には同様である。Ag金
属粒子の原料として、粉末状のものと液体状のものがあ
る。
【0063】Ag粉末の場合は、水性シリカゾル及び
水中にAg粉末を分散させた塗料を作製し、これにガラ
ス粒子集塊物(特に火山噴出物粒子集塊物及び/又は火
山噴出物発泡粒子集塊物)を浸漬処理する方法、又は
パラフィン等有機バインダー中にAg粉末を分散させた
ペースト状のものを作製し、これをガラス粒子集塊物
(特に火山噴出物粒子集塊物及び/又は火山噴出物発泡
粒子集塊物)に塗布して付着させる方法がある。
【0064】一方、液体状、すなわちイオン状態のもの
を使用する場合は、硝酸銀、塩化銀、硫酸銀、過塩素酸
銀、有機酸銀を銀として50〜1000ppmに調整した
処理液中に、火山噴出物粒子集塊物及び/又は火山噴出
物発泡粒子集塊物を、処理量、処理容器によっても異な
るが、15分程度を目安に浸漬する。続いて、前記ガラ
ス粒子集塊物を処理液と分離し、室温乾燥、もしくは1
00〜900℃、好ましくは100〜800℃で、30
分から2時間の加熱処理を行う。その後、水性シリカゾ
ル、水及び光触媒粒子を含む塗料に浸漬して光触媒粒子
を付着させ、100〜900℃、好ましくは100〜8
00℃で、30分から2時間の加熱処理を行って、高強
度光触媒体を得る。その際、光触媒粒子に加えて前記銀
処理液を併用してもよい。粉末状原料と液体状原料とで
は液体状の方が均一に、しかも効率的に固着処理出来る
ので好ましい。抗菌性金属を固定させるのに用いる抗菌
性金属液中の抗菌性金属濃度を上記としたのは、濃度が
50ppmより低くなると抗菌力が発現しにくく、100
0ppmより高くなると光触媒能が低下するので好ましく
ないためである。
【0065】使用するシリカゾルはその粒径が0.1〜
10nmの微粒子タイプであり、1〜10nmのものが
より好ましい。シリカゾルの粒径が大きいと、光触媒粒
子との接触面積が小さくなるため、接着力が弱くなるの
で好ましくない。このシリカゾルは脱Na処理した水性
シリカゾルであることが必要である。Naイオンを残存
させて塩基性のゾルとしている水性シリカゾルは、塗料
としたときにNaイオンが光触媒粒子に吸着して光触媒
能を大幅に減衰させるため、光触媒用光触媒粒子の固定
用バインダーとしては実用性がない。脱Na処理した水
性シリカゾルは、例えば、珪酸ソーダを原料にイオン交
換樹脂で脱Naして得ることができる。
【0066】シリカゾルと光触媒粒子表面の結合はゾル
粒子と光触媒粒子の接触点で生じるが、前記微粒子シリ
カゾルは本発明で好ましいと考えられる光触媒粒子の一
次粒子径0.01〜1μmに対して適度の大きさを有す
るため、光触媒粒子表面にはシリカと結合していない活
性サイトが多く存在する。このため光触媒能は高く保持
される。
【0067】光触媒粒子の一次粒径(A)とシリカゾルの
粒径(B)の比(A/B)が200〜2の範囲であれば、光
触媒粒子の一次粒子に接着するシリカゾルの個数は、光
触媒固定膜としての接着力と分解能のバランス上最適な
状態となる。前記(A/B)が200より大きい場合、接
着力は強いがシリカゾルが酸化チタン表面の活性点をほ
とんど覆ってしまうため分解能はほとんど認められなく
なる。一方、(A/B)が2より小さい場合、分解能は高
いが固定膜としての接着力が極端に低下する。
【0068】また、塗料を作製する際の、光触媒粒子に
対する水性シリカゾルの添加比率は、SiO2基準で1
0〜900重量部が好ましく、より好ましくは15〜4
00重量部、最も好ましくは25〜150重量部であ
る。シリカゾルの添加比率が10重量部より少ないと光
触媒膜の強度が低くなり、またシリカゾルの添加比率が
900重量部より多いと塗膜中の酸化チタン濃度が低下
するため、光触媒塗膜の単位面積当たりの光触媒能が低
下するので好ましくない。
【0069】またシリカゾルの添加量を上記の範囲で多
くしても光触媒能はほとんど低下せず、塗膜の強度はそ
の添加量にほぼ比例して向上する。第一層を覆った後の
余分のシリカゾルはシリカゾル同士でその上にシロキサ
ン結合のネットワークを形成し、塗膜強度の強化に貢献
している。シリカゾルの積層はnmオーダーの空孔が多
く存在し、塗膜の空隙率は30〜70%と比較的高く保
たれるので、被分解ガスの吸着と反応生成ガスの脱離は
容易で光触媒反応を律速することは無いと考えられる。
【0070】微粒子シリカゾルの粒径が0.1nmより
小さいものは、オリゴマーの性質に近く不安定でゲル化
しやすいため長期保存での安定性が必要な塗料用のバイ
ンダーとしては適さない。また粒径が10nmより大き
いと、シリカゾル同士及びシリカゾルと光触媒粒子、更
にはシリカゾルと基体との接着層との接着力が弱く、塗
膜としての充分な剥離強度がとれないので好ましくな
い。
【0071】シリカゾルの結合を強固にする目的で、前
出光触媒塗料に低濃度の酸、または少量の珪酸ソーダあ
るいはアルミン酸ソーダを添加することで、塗膜の剥離
強度を向上させることも可能である。
【0072】被分解ガスの種類によっては、塗膜に光触
媒粒子以外の吸着剤を併用した方が光触媒効果が高くで
きる場合もある。例えばNOx浄化用として用いる場合
には、吸着剤としてゼオライト、酸化亜鉛微粉末、チタ
ン工業製吸着剤TZ−100等を酸化チタンに対して1
〜30重量部添加することで、NOx浄化能を大幅に向
上させることができる。
【0073】本発明に係る高強度光触媒体は、光触媒粒
子、微粒子シリカゾル、及び水を混合・分散して塗料化
して本塗料中に基体を浸漬するだけでなく、基体に本塗
料を塗布することによっても製造することができる。
【0074】前記塗料を作製する際の、光触媒粒子粉末
に対する微粒子シリカゾルの添加比率は、20〜200
重量部である。20重量部より少ないと塗膜を形成する
ための光触媒粒子粒子とシリカゾルの接着、更には前記
塗膜の基体への接着力が弱く剥離が生じ、また200重
量部より多いと光触媒塗料中の酸化チタン濃度が低下
し、結果的に塗膜中の酸化チタン濃度が低下するため、
光触媒塗膜の単位面積当たりの光触媒能が低下するので
好ましくない。
【0075】固定後の加熱処理は一般的には100〜9
00℃が好ましく、100℃〜800℃がより好まし
い。この範囲に規定したのは、100℃より低くなると
シリカゾルのゲル化に長時間を要し、膜強度を得にくい
ためであり、900℃より高くなると光触媒粒子の活
性、ならびに抗菌性金属粒子の抗菌力が低くなるからで
ある。
【0076】本発明の高強度光触媒体は、また、粘土、
フリット及び光触媒粒子、又は、フリット及び光触媒粒
子を含むペーストを抗菌性金属粒子を固着させたガラス
粒子集塊物(特に、火山噴出物粒子集塊物及び/又は火
山噴出物発泡粒子集塊物)に付着させた後、450〜1
000℃で加熱処理することによっても得ることができ
る。
【0077】すなわち、具体的には、粘土、フリット及
び光触媒粒子、又はフリット及び光触媒粒子からなる粉
末を混合し、水又は有機溶媒を用いてペースト状に練
り、これをバットにとり、この中に、先に抗菌性金属粒
子を固着させた、火山噴出物粒子集塊物及び/又は火山
噴出物発泡粒子集塊物等のガラス粒子集塊物の適量を入
れ、横振動を与えることにより粒子集塊物表面への光触
媒粒子の固定を進行させ、これを450〜1000℃、
好ましくは450〜800℃、さらに好ましくは450
〜600℃で加熱させる。加熱温度が450℃より低く
なるとフリットの融点より低くなるため光触媒粒子が基
体上に固定されず、1000℃より高くなると光触媒活
性、ならびに抗菌力が低くなるので好ましくない。
【0078】この方法によれば、表面に固定させた光触
媒粒子の有効表面積は若干低下するが、使用中に光触媒
体が表面から剥離せずに光触媒能を劣化させることな
く、固体−気体、又は固体−液体分離を困難にすること
がないという特徴を有する。
【0079】本発明の高強度光触媒体を、繊維、樹脂、
不織布、陶磁器、金属、及び合金の少なくとも1種から
なる袋状又は網目状の収納容器に入れて高強度光触媒体
収納物とすることができる。
【0080】ここで、前記収納容器に浮遊体を入れるこ
とが好ましく、この浮遊体として、発泡スチロール、中
空フィラー、木材、及びプラスチックの少なくとも1種
とすることができる。
【0081】さらに、本発明によれば、前述の高強度光
触媒体又は、前述の高強度光触媒体収納物に、有害ガス
を通過させると共に、紫外線を含有した光を前記容器又
は前記収納物に照射することにより、有害ガスを分解・
除去することができる。
【0082】ここでいう有害ガスとは、アルデヒド、メ
ルカフ#タン、アンモニア、NOx、ダイオキシン等を
含むものである。
【0083】該高強度光触媒体は光触媒粒子や火山噴出
物粒子の種類によって、灰色、黄色、茶色、及び白色を
呈するものであるので、公園や街路樹等の適当な場所に
そのまま配置しても、美観を損ねることなく使用するこ
とができる。
【0084】また、簡便かつ安価であり、しかも効率良
く有害ガスを分解・除去するためには、高強度光触媒体
をカラム中に入れて使用するのもよい。すなわち、紫外
線を透過させる材質のカラム中に該高強度光触媒体を入
れ、この中に有害ガスを強制もしくは自然通過させ、太
陽光もしくは紫外線を含有したランプを照射することに
より有害ガスを分解・除去することができる。該高強度
光触媒体において、特に火山噴出物発泡粒子集塊物を基
体とした場合、軽量かつ高強度であるので、カラム中で
使用してもガスの流動が容易であり、光触媒体の交換も
容易である。
【0085】さらに環境中に排出されるダイオキシン類
の除去に対しても有効である。ダイオキシンは燃焼にお
ける第1次的な発生抑制が十分になされている場合で
も、排ガスが200〜600℃の温度帯で未燃分や触媒
作用を持つダストに接触するとダイオキシン類の2次生
成が起こるとされている。このような環境中に排出され
る1次生成及び2次生成のダイオキシンを排ガス側から
除去するのに、本発明の高強度光触媒体を用いることが
できる。例えば、焼却炉の煙突部に高強度光触媒体を充
填させたカラムを1段、もしくは多段的に取り付ける方
法である。紫外線が透過するカラムであれば、太陽光の
利用により吸着と同時に分解させることが可能である
が、カラムの取り外しを容易にしておけば、煙突部から
吸着カラムを取り外し、これを別の場所にて太陽光、ま
たは紫外線ランプを照射させることにより、吸着物質を
分解させることが可能となる。また、このものは繰り返
し使用してもかまわない。
【0086】また、該光触媒体を紫外線を透過させる材
質のフレーム等に入れて使用することもできる。この場
合は、持ち運びが容易であり、設置、及び光触媒体の交
換が容易であるという特徴を有する。
【0087】更に、前記高強度光触媒体収納物を用いて
も有害ガスの分解・除去を同様に行うことができる。
【0088】さらに、本発明によれば、水中に浮遊及び
/又は沈降するように比重を調整した前述の高強度光触
媒体又は前述の高強度光触媒体収納物に水を通過させる
と共に、紫外線を含有した光を照射することにより水を
浄化することができる。
【0089】ここでいう水とは、工場排水、鉱業排水、
工業用水、農業用水、飲料水、湖沼、河川水、海水等を
含むものである。これらの存在する湖岸、川岸、海岸、
流水路、貯水槽内、濾過器内、下水道、あるいは水棲生
物の飼養域内に本発明の高強度光触媒体を用いて水の浄
化を行うに当たり、これらの水と接触しうる箇所に、前
記高強度光触媒体を設置したり、あるいは前記高強度光
触媒体を水に投入したりして配置する。次に、配置した
高強度光触媒体に紫外線を含有した光を照射させ、水を
浄化する。
【0090】紫外線を含有した光としては、例えば、太
陽光や蛍光灯、ブラックランプ、キセノンフラッシュラ
ンプ、水銀灯などの光があげられる。この中でも、特
に、300〜400nmの紫外線を含有した光が好まし
い。紫外線を含有した光の照射量や照射時間などは汚水
の汚染の程度によって適宜設定できる。高強度光触媒体
に紫外線を含有した光を照射させる方法は適宜選択でき
るが、例えば、水面上部から照射したり、汚水の中に光
源を設置して照射したり、水槽内の汚水を浄化する場合
には、水槽の側面部から照射したりすることもできる。
また、本発明の高強度光触媒体を汚水と接触しうる前記
の箇所に配置し、次いで紫外線を含有した光を照射する
と、照射を受ける箇所では、該光触媒体の光触媒機能に
よって該汚水を浄化でき、しかも、紫外線を含有した光
の照射を受けない同じ反応系内の箇所では、反応系内で
発生した水質浄化機能を有する微生物が基体に付着した
り、予め水質浄化機能を有する微生物を光触媒体に付着
させることによって、該微生物による浄化を行うことが
できる。
【0091】前記汚水の浄化方法における対象処理物に
ついて言えば、水中に残っている遊離塩素やトリハロメ
タン等の有機物を分解・除去することができ、また、水
質汚濁防止法の改訂によって規制が強化された鉱業排水
中に含まれるセレンの除去にも利用できる。
【0092】後者の場合、鉱業排水中に高強度光触媒体
を投入し太陽光を利用する方法、また、カラム中に本発
明の高強度光触媒体を入れ、この中に鉱業排水を通過さ
せ紫外線含有照射ランプを当てる方法等により、6価の
セレンを4価もしくは0価に還元して回収するものであ
る。
【0093】また、本発明の高強度光触媒体を用いた汚
水の浄化方法の応用として、該光触媒体を投入した水中
に配管を浸漬して、有害ガスを通過させバブリングさせ
ることで有害ガスを分解させることもできる。
【0094】さらに装置的には紫外線を含有した光の光
触媒体への照射効率を高めるため、光の反射板を設けた
り、容器内壁面を鏡面仕上げとしたり、容器内壁面に鏡
もしくはこれに類するものを設置したりすることもでき
る。
【0095】本発明の高強度光触媒体を用いて、例えば
水の浄化を行う場合、水の流出口にネット等を張って光
触媒体の流出を防止することができるが、流出口径より
も大きな前記収納容器に光触媒体を入れ、光触媒体収納
物として使用すれば、流出は防止でき、かつ、回収も容
易にできる。
【0096】また、前記高強度光触媒体収納物を水に浮
遊させて使用したい場合は、前記収納容器に浮遊体を入
れればよい。前記浮遊体は発泡スチロール、中空フィラ
ー、木材、プラスチックス等が使用できる。逆に水中に
沈めて固定したいときや、道路や街路樹等に置いたとき
に風等による移動を避けたいときは、可能であればロー
プ、針金、接着剤等で固定すればよいが、前記収納容器
に固定材として、木材、石及び金属塊を入れてもよい。
【0097】また、本発明によれば、水中に浮遊及び/
又は沈降するように比重を調整した前述の高強度光触媒
体又は前述の高強度光触媒体収納物に培養液を通過させ
ると共に、紫外線を含有した光を照射することにより水
耕栽培培養液を殺菌することができる。
【0098】本発明の高強度光触媒体は、各種菌類に対
し殺菌効果を有する酸化チタンや酸化亜鉛を用いること
ができ、かつ、見かけ比重が光触媒粒子及び無機物質の
量によって水よりも大きくも小さくも調節できるので、
培養液槽中の任意の位置に存在させて植物病原菌を効率
よく殺菌できる。
【0099】光触媒活性を促す光源としては、紫外線ラ
ンプが望ましいが水耕栽培培養液の殺菌に必要な従来の
紫外線強度は必要なく、ランニングコストの削減ができ
る。また、本発明の高強度光触媒体を培養液容器とは別
の容器に紫外線照射装置と共に設け、培養液容器と結合
してポンプで循環させれば、殺菌効果は一層効率的であ
り培養液容器のメンテナンスも向上する。
【0100】更に、本発明によれば、水中に浮遊及び/
又は沈降するように比重を調整した前述の高強度光触媒
体又は前述の高強度光触媒体収納物を使用して藻の繁殖
付着を抑制することができる。
【0101】藻類が発生し易い環境の、または既に発生
している、貯水槽内、濾過器内、下水道、ため池等に、
該高強度光触媒体、あるいは該高強度光触媒体収納物を
設置したり、単に水に投入したりして配置する。次に、
配置した高強度光触媒体、もしくは該高強度光触媒体収
納物に紫外線を含有した光を照射させ、藻の繁殖付着を
抑制することが出来るが、自然に発生したため池等を含
み屋外にある施設の場合は、室内に比して積極的に太陽
光を利用出来るので、人工灯を用いなくても良い。
【0102】前述したように、本発明における防藻剤は
水中に投じるだけで藻の繁殖付着に効果を示し、機械装
置を設置する必要がなく、従って、低コストで、しかも
簡単に使用することができる。また、当該防藻剤は、防
藻剤成分を水中に溶出させて抗力を発現させる従来の防
藻剤とは異なり、基本的には水中への溶出成分がない、
主に光触媒粒子の作用により藻の繁殖付着を抑制するも
のであるにもかかわらず、当該防藻剤の配置、もしくは
設置した位置・場所より離れている位置・場所にまで効
力が及ぶことが特徴としてあげられる。具体的には、当
該防藻剤を貯水槽内の水面上に配置、もしくは設置する
だけで、当該防藻剤より離れた位置にある壁面、ならび
に底面部分の壁への藻の繁殖付着を抑制するものであ
る。
【0103】いずれの用途においても収納容器内には当
該光触媒体のほか、光触媒効果補助剤として、活性炭や
ゼオライト等の有害物質吸着剤及びこれらの造粒物や成
形物、抗菌物質及びこれの造粒物や成形物の適量を同時
に入れることが出来る。
【0104】本発明はまた、ガラス粒子を結着剤で集塊
させたガラス粒子集塊物を基体とし、その表面に無機物
質を結合剤として光触媒粒子を固定させたことを特徴と
する高強度光触媒体を使用した防藻剤に関する。
【0105】前記防藻剤は、物質的にはこれまで述べて
きた高強度光触媒体において、ガラス粒子集塊物表面に
抗菌性金属粒子を固着させないものであるが、防藻剤と
して有用なものである。
【0106】以下に実施例を挙げて、本発明の内容をよ
り詳細に説明するが、これら実施例はあくまでも例示で
あり、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0107】
【実施例】A:火山噴出物粒子集塊物の製造法 火山噴出物粒子であるシラスの100重量部をあらかじ
めパン型造粒機に投入し、回転させながら、珪酸ソーダ
溶液100重量部、及び水硬性セメント100重量部を
除々に添加し、火山噴出物粒子の造粒物を得た。次にこ
の火山噴出物粒子の造粒物を密閉容器に入れ、炭酸ガス
を注入した。これを900℃で1時間焼成することによ
り、火山噴出物粒子集塊物を得た。
【0108】B:火山噴出物発泡粒子集塊物の製造法 Aで火山噴出物粒子を火山噴出物発泡粒子のシラスバル
ーンとする以外は同様にして製造した。
【0109】C:銀固着火山噴出物粒子集塊物の製造法ハ゛イロ 工業(株)製アスハ゜ラキ゛ン酸銀抗菌液の500ppm溶液中
に、Aの方法で製造した火山噴出物粒子集塊物を15分
間浸漬し、固液分離後、120℃で2時間オーブン中乾
燥した。
【0110】D:銀固着火山噴出物発泡粒子集塊物の製
造法 Cで火山噴出物粒子集塊物を火山噴出物発泡粒子集塊物
とする以外は同様にして製造した。
【0111】実施例1 酸化チタン(アナターゼ型 比表面積150m2/g)
6g、 水性シリカゾル(粒径5nm、二酸化チタンの一
次粒径/シリカゾルの粒径=4)23.5gを3mmの
ガラスビーズ60gとともに120mlのマヨネーズ瓶
に仕込み、レッドデビル社製のペイントコンディショナ
ーで30分間分散、混合して、シリカゾルを含有する塗
料とした。
【0112】さらに、平均粒径5mmの銀固着火山噴出
物発泡粒子集塊物を基体として、前記塗料中に浸漬し、
ふるいにて塗料と光触媒粒子を固定した銀固着火山噴出
物発泡粒子集塊物とを分離した。一昼夜風乾後、150
℃で焼き付けして光触媒粒子含有のシリカ膜を基体に固
定化した。400℃で1時間の熱処理を行い光触媒体を
得た。
【0113】実施例2 実施例1において、塗料中の酸化チタン量を2.6gと
する以外は同様にして行った。
【0114】実施例3 実施例1において、光触媒粒子を酸化亜鉛とする以外は
同様にして行った。
【0115】実施例4 実施例1において、光触媒粒子をチタン酸ストロンチウ
ムとする以外は同様にして行った。
【0116】実施例5 実施例1において、基体を銀固着火山噴出物粒子集塊物
とする以外は同様にして行った。
【0117】実施例6 実施例1において、基体を銅固着火山噴出物粒子集塊物
とする以外は同様にして行った。
【0118】実施例7 実施例1において、基体に平均粒径2mmの火山噴出物
発泡粒子集塊物を用いる以外は同様にして行った。
【0119】実施例8 実施例1の酸化チタン粉末6gとリン酸エステル系フリ
ット4gをコーヒーミルで混合後、この混合粉末をバッ
ト上に広げた。基体である平均粒径約2mmの銀固着火
山噴出物発泡粒子集塊物をバットに入れ、霧吹きにて水
を噴霧し転がしながら基体への酸化チタン粉末の固定を
進行させた。酸化チタン固定の火山噴出物発泡粒子集塊
物は110℃で1時間乾燥後、550℃,2時間の熱処
理を行い光触媒体を得た。
【0120】実施例9 実施例1の試料40g、及び直径3mmの球状発泡スチ
ロール10個を10cm×10cmの不織布製袋に入れ
て光触媒収納物とした。
【0121】実施例10 実施例1の試料40gを10cm×10cm×2cmの
ステンレス製網状容器内に入れて光触媒収納物とした。
【0122】実施例11 実施例1の銀固着火山噴出物発泡粒子集塊物にかえて、
火山噴出物発泡粒子集塊物を使用した以外は実施例1と
同様に行った。
【0123】実施例12 実施例11の試料40g、及び直径3mmの球状発泡ス
チロール10個を10cm×10cmの不織布製袋に入
れて光触媒収納物とした。
【0124】実施例13 実施例11の試料40gを10cm×10cm×2cm
のステンレス製網状容器内に入れて光触媒収納物とし
た。
【0125】実施例14 実施例8の銀固着火山噴出物発泡粒子集塊物にかえて、
火山噴出物発泡粒子集塊物を使用した以外は実施例8と
同様に行った。
【0126】実施例15 実施例14の試料40gを10cm×10cm×2cm
のステンレス製網状容器内に入れて光触媒収納物とし
た。
【0127】比較例1 実施例1の火山噴出物発泡粒子集塊物にかえて、園芸用
軽石のひゅうが土を使用した以外は実施例1と同様に行
った。
【0128】比較例2 銀固着火山噴出物発泡粒子集塊物のみを試料とした。
【0129】比較例3 銀固着火山噴出物粒子集塊物のみを試料とした。
【0130】比較例4 火山噴出物発泡粒子集塊物のみを試料とした。
【0131】比較例5 火山噴出物粒子集塊物のみを試料とした。
【0132】比較例6 実施例10の試料をハ゛イロ工業(株)製アスハ゜ラキ゛ン酸銀抗菌液
の500ppm溶液中に15分間浸漬し、固液分離後、5
00℃で2時間の熱処理を行い、光触媒粒子固定後に抗
菌性金属粒子を固着させた試料を得た。
【0133】比較例7 実施例1の酸化チタンをアクリル、アクリル−メラミン
及びウレタン樹脂に分散させた塗料を基体に塗布した。
【0134】比較例8 比較例2の試料をステンレス製網状容器内に入れて収納
物とした。
【0135】試験例 1.剥離試験 走査型電子顕微鏡観察より、光触媒体における基体表面
上への光触媒粒子の固定化を確認した後、光触媒体を水
中に入れ10分間超音波をかけ、光触媒体を水と分離し
た後の、水の透過率を測定した。透過率95%以上を
○、95%未満を×とした。
【0136】2.NOxの浄化試験 試験法、試験装置、及び試験条件を以下に記す。
【0137】<試験法> 1.評価用試料を2個直列につないだシャーレ型反応容
器の両方に入れた。 2.ボンベからのNOxガスを空気に混合してバイパス
で流し、NOx濃度200ppb、空気流量1L/分で
安定させた。 3.反応容器にガスを流してから30分後、紫外線強度
0.1mW/cm2で照射を開始した。紫外線を照射す
る直前のNOx濃度(Vint)を測定した。 4.紫外線照射開始から30分後のNOx濃度(V30)
を測定した。NOx浄化率は以下のように定義した。 NOx浄化率(%)={(Vint−V30)/Vint}×1
00
【0138】<試験装置> NOx測定装置:計測器サービス(株)ML9841A 反応容器 :(有)ビドロ化学 シャーレ式光反応
容器(内径156mm深さ32mm)ガラス蓋をテフロ
ンリングを挟んで、ボルトで本体に固定し、側面のガラ
ス管を通じてガスを流通させた。 原ガス :NO/N2 0.1%のガスボンベ 流量調整 :(株)コフロック製サーマルマスフロ
ーコントローラー 配管 :テフロン管を用いた。
【0139】<試験条件> NOx濃度 :約200ppb ガス流量 :1L/min. 評価用試料 :10cm×10cm×1cmの紙製の
枠に試料40gを入れた。 紫外線強度 :0.1mW/cm2 測定温度 :20℃ 湿度 :空気はシリカゲルにより乾燥した。
(室温で約60%)
【0140】3.かびの発生試験 水道水100mlを入れた200mlのガラスビーカー
中に炊いた米5粒、及び試験試料10gを入れた。温度
20〜30℃、湿度40〜60%の室内中に1週間放置
した。試験試料を入れていないブランクをこれと同時に
放置し、1週間後の米からのかび発生の有無を確認し
た。
【0141】4.光触媒体耐候性試験 光触媒体にスガ試験機(株)製デューパネル光コントロ
ールウェザーメーターを使用して、500時間の紫外線照
射を行った後、光触媒体表面の色調の変化を調べ、1記
載の剥離試験条件に準じ、剥離試験を行い透過率を測定
した。視覚的に変色が認められず、剥離試験での透過率
が95%以上である場合を○とし、変色が認められるか
もしくは、剥離試験による透過率が95%未満の場合を
×とした。
【0142】5.藻の繁殖付着試験 ため池より採取したアオコ(糸状藻類アナベナ)の50
0ml、及び試験試料40g、または試験試料40gを
網状収納容器に入れた光触媒体収納物をそれぞれ120
×150×70mm3の樹脂製容器に投じ、夏場の屋外
に2ヶ月間放置した。抗菌性金属粒子、及び光触媒粒子
を固定していない火山噴出物発泡粒子集塊物(ブラン
ク))を同時に放置し藻の繁殖状態、ならびに容器への
藻の付着状態を観察した。繁殖量がブランクに比して少
ないもの、もしくは容器内壁への藻の付着が認められな
いものを○とし、繁殖量の増加、もしくは容器内壁への
藻の付着が認められるものを×とした。
【0143】6.抗菌試験 大腸菌の菌液を添加したイオン交換水50mlに、試験
試料10g、もしくは試験試料10gを網状収納容器に
入れた網状収納容器に入れ、30℃で保存、10W蛍光
灯にて光照射を行い、6時間後の生菌数を測定した。初
期菌数は105であり、6時間後の生菌数が104以上
であれば×、102〜103であれば△、10以下であ
れば○とした。
【0144】結果を表1に示す。
【0145】
【表1】
【0146】表1の結果より、実施例の試料は、比較例
のものより、透過率、NOx浄化率に優れ、かびの発生
もなく、かつ藻の繁殖付着を抑制し、抗菌性や耐候性も
良好であることが判明した。
【0147】また、本実施例の試料は、成人が踏みつけ
ても自重で破壊されない程、強度も良好であった。
【0148】
【発明の効果】本発明の高強度光触媒体は、抗菌性金属
をガラス粒子集塊物に固着させた後、その表面に光触媒
粒子(または光触媒粒子及び抗菌性金属)を固定させて
いるので、暗所での抗菌作用が働くと共に、光触媒活性
も向上して、基体との固定性に優れ、安価であり、ガス
ならびに水溶液の両者に利用でき、これら被処理物との
分離・作業性に優れると共に、実用に耐え得る十分な強
度を有するものとなる。
【0149】従って、本発明の高強度光触媒体は、実用
性、作業性に優れ、特に、環境汚染防止のための装置や
方法に好適に使用することができる。
【0150】また、本発明の高強度光触媒体は抗菌性金
属を用いているため、上記のように、暗所での抗菌作用
が働くと共に、光触媒活性も向上するため、特に、抗菌
剤や防藻剤として優れたものとなる。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス粒子を結着剤で集塊させたガラス
    粒子集塊物の表面に抗菌性金属粒子を固着させたものを
    基体とし、その表面に無機物質を結合剤として光触媒粒
    子を固定させたことを特徴とする高強度光触媒体。
  2. 【請求項2】 ガラス粒子を結着剤で集塊させたガラス
    粒子集塊物の表面に抗菌性金属粒子を固着させたものを
    基体とし、その表面に無機物質を結合剤として光触媒粒
    子及び抗菌性金属粒子を固定させたことを特徴とする高
    強度光触媒体。
  3. 【請求項3】 前記ガラス粒子が、火山噴出物粒子及び
    /又は火山噴出物発泡粒子であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の高強度光触媒体。
  4. 【請求項4】 前記ガラス粒子集塊物の平均粒径が、1
    〜50mmであることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の高強度光触媒体。
  5. 【請求項5】 前記結着剤が、珪酸アルカリ、水硬性セ
    メント、第一りん酸アルミニウム及びフリットからなる
    群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高強度光触媒
    体。
  6. 【請求項6】 前記光触媒粒子が、酸化チタン、酸化亜
    鉛、酸化鉄、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウ
    ム、チタン酸繊維、硫化モリブデン、及び酸化インジウ
    ムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高強
    度光触媒体。
  7. 【請求項7】 前記無機物質が、シリカ、アルミナ、粘
    土、及びフリットからなる群より選ばれる少なくとも1
    種であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1
    項に記載の高強度光触媒体。
  8. 【請求項8】 前記フリットの原料がリンを含有する化
    合物であることを特徴とする請求項7記載の高強度光触
    媒体。
  9. 【請求項9】 前記抗菌性金属が、Au、Ag、Cu及
    びZnから選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の高強度光触
    媒体。
  10. 【請求項10】 抗菌性金属をイオンとして含む溶液中
    に、ガラス粒子集塊物を浸漬して該ガラス粒子集塊物の
    表面に前記溶液を付着させた後、乾燥、又は100〜9
    00℃で加熱処理し、続いて、水性シリカゾル、水及び
    光触媒粒子を含む塗料、又は水性シリカゾル、水、光触
    媒粒子及び抗菌性金属粒子を含む塗料に、前記抗菌性金
    属粒子を固着させたガラス粒子集塊物を浸漬してその表
    面に前記光触媒粒子、又は、前記光触媒粒子及び前記抗
    菌性金属粒子を付着させ、100〜900℃で加熱処理
    することを特徴とする高強度光触媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 水性シリカゾル及び水に抗菌性金属粒
    子を分散させた塗料に、ガラス粒子集塊物を浸漬して該
    ガラス粒子集塊物の表面に前記塗料を付着させた後、乾
    燥、又は100〜900℃で加熱処理し、続いて水性シ
    リカゾル、水及び光触媒粒子を含む塗料、又は、水性シ
    リカゾル、水、光触媒粒子及び抗菌性金属粒子を含む塗
    料に、前記抗菌性金属粒子を固着させたガラス粒子集塊
    物を浸漬してその表面に前記光触媒粒子、又は、前記光
    触媒粒子及び前記抗菌性金属粒子を付着させ、100〜
    900℃で加熱処理することを特徴とする高強度光触媒
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記抗菌性金属をイオンとして含む溶
    液が、抗菌性金属の硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、塩化
    物、又は有機酸塩であることを特徴とする請求項10記
    載の高強度光触媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ガラス粒子集塊物が火山噴出物粒
    子集塊物及び/又は火山噴出物発泡粒子集塊物であるこ
    とを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記
    載の高強度光触媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 繊維、樹脂、不織布、陶磁器、金属、
    及び合金の少なくとも1種からなる袋状又は網目状の収
    納容器に請求項1乃至9のいずれか1項に記載の高強度
    光触媒体を入れた高強度光触媒体収納物。
  15. 【請求項15】 前記収納容器に浮遊体を入れた請求項
    14記載の高強度光触媒体収納物。
  16. 【請求項16】 前記浮遊体が発泡スチロール、中空フ
    ィラー、木材、及びプラスチックの少なくとも1種であ
    る請求項15記載の高強度光触媒体収納物。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至9のいずれか1項に記載
    の高強度光触媒体、又は、請求項14乃至16のいずれ
    か1項に記載の高強度光触媒体収納物に有害ガスを通過
    させると共に、紫外線を含有した光を前記容器又は収納
    物に照射することを特徴とする有害ガスの分解・除去方
    法。
  18. 【請求項18】 水中に浮遊及び/又は沈降するように
    比重を調整した請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    高強度光触媒体、又は、請求項14乃至16のいずれか
    1項に記載の高強度光触媒体収納物に水を通過させると
    共に、紫外線を含有した光を照射することを特徴とする
    水の浄化方法。
  19. 【請求項19】 水中に浮遊及び/又は沈降するように
    比重を調整した請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    高強度光触媒体、又は、請求項14乃至16のいずれか
    1項に記載の高強度光触媒体収納物に培養液を通過させ
    ると共に、紫外線を含有した光を照射することを特徴と
    する水耕栽培培養液の殺菌方法。
  20. 【請求項20】 水中に浮遊及び/又は沈降するように
    比重を調整した請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    高強度光触媒体、又は、請求項14乃至16のいずれか
    1項に記載の高強度光触媒体収納物を使用した抗菌剤。
  21. 【請求項21】 水中に浮遊及び/又は沈降するように
    比重を調整した請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    高強度光触媒体、又は、請求項14乃至16のいずれか
    1項に記載の高強度光触媒体収納物を使用した防藻剤。
  22. 【請求項22】 ガラス粒子を結着剤で集塊させたガラ
    ス粒子集塊物を基体とし、その表面に無機物質を結合剤
    として光触媒粒子を固定させたことを特徴とする高強度
    光触媒体を使用した防藻剤。
  23. 【請求項23】 前記ガラス粒子が、火山噴出物粒子及
    び/又は火山噴出物発泡粒子であることを特徴とする請
    求項22記載の防藻剤。
  24. 【請求項24】 前記ガラス粒子集塊物の平均粒径が、
    1〜50mmであることを特徴とする請求項22又は2
    3記載の防藻剤。
  25. 【請求項25】 前記結着剤が、珪酸アルカリ、水硬性
    セメント、第一りん酸アルミニウム及びフリットからな
    る群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項22乃至24のいずれか1項に記載の防藻剤。
  26. 【請求項26】 前記光触媒粒子が、酸化チタン、酸化
    亜鉛、酸化鉄、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチ
    ウム、チタン酸繊維、硫化モリブデン、及び酸化インジ
    ウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項22乃至25のいずれか1項に記載
    の防藻剤。
  27. 【請求項27】 前記無機物質が、シリカ、アルミナ、
    粘土、及びフリットからなる群より選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項22乃至26のいず
    れか1項に記載の防藻剤。
  28. 【請求項28】 前記フリットの原料がリンを含有する
    化合物であることを特徴とする請求項27記載の防藻
    剤。
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