JP2003259874A - 検査方法 - Google Patents

検査方法

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JP2003259874A
JP2003259874A JP2002062481A JP2002062481A JP2003259874A JP 2003259874 A JP2003259874 A JP 2003259874A JP 2002062481 A JP2002062481 A JP 2002062481A JP 2002062481 A JP2002062481 A JP 2002062481A JP 2003259874 A JP2003259874 A JP 2003259874A
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Nagahide Matsubara
長秀 松原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大腸癌患者の予後を客観的に判断するための検
査方法および検査用試薬を提供することである。 【解決手段】癌細胞では、一部においてO6−メチルグ
アニン−DNAメチルトランスフェラーゼ(O6-methylg
uanine-DNA methyltransferase:以下、「MGMT」と
いう。)のmRNAおよびMGMT蛋白の発現が完全に
消失していることに着目し、MGMT蛋白質をコードす
るプロモーター領域のCpG領域でのシトシンのアルキ
ル化の有無を核酸増幅方法により検査し、大腸癌患者の
治癒切除後の予後を客観的に判定する。また、該アルキ
ル化検査に最適なプライマーを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、臨床検査の分野に
おいて、MGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモー
ター領域におけるCpG領域のシトシンのアルキル化を
調べることにより大腸癌患者の治癒切除後の予後を判断
する際の検査方法、検査用試薬および検査用試薬キット
に関する。
【0002】
【従来の技術】大腸癌は我が国でも増加の一途をたどっ
ており、克服すべき最重要疾患である。過去10余年の
分子腫瘍学の進歩により、癌は遺伝子病であり、遺伝子
変異の蓄積によって発症するという概念が確立した。殊
に大腸癌は、最も分子レベルの理解の進んだ癌であり、
遺伝子・蛋白質の発現を利用して、診断・治療両面で臨
床応用が大いに期待された。しかしながら、未だ従来の
病理学以上に参考になり臨床応用可能な分子が見つかっ
ていない。唯一、臨床応用の可能性のあるものはマイク
ロサテライト不安定性である。
【0003】マイクロサテライトとは数個の塩基が複数
回反復して繰り返されるような塩基配列領域のことで、
代表的なものはCAという2塩基の繰返しからなるものが
ある。マイクロサテライトはハプロイドゲノムあたり5
万から10万個、即ち30,000から60,000塩基対に1個く
らいの割合で存在する。ヒトのある種の癌では、正常細
胞と比較したときに、この繰返し回数に異常のあること
が知られており、マイクロサテライト不安定性(micros
atellite instability; MSI)と呼ばれている。MS
Iは、マイクロサテライト領域を含む領域をPCR増幅
し、電気泳動によって増幅産物の鎖長を調べることで解
析できる。
【0004】MSIの原因としては、DNA修復遺伝子
であるhMlh1、hMsh2遺伝子の異常によって、DNAの複
製時に生じたマイクロサテライトの領域のslippageが修
復されないことによると考えられている。MSIは散発
性大腸がんの10〜20%で認められるが、MSIはその程
度に応じてMSI-LとMSI-Hに分類される。そのうちMSI
の著しいMSI-Hは独立した治癒切除後の予後不良因子で
あることが示唆されている(Hallingら、J. Natl. Canc
er 91, 1295-1303 (1999))が、未だに臨床での応用に
は至っていない。
【0005】大腸癌患者の治癒切除後の予後の判断に有
用な分子マーカーはまだ報告されておらず、予後の判断
に有用な検査方法も報告されていない。患者の治癒切除
後の予後を客観的に判断できない現状では、多くの患者
に対して化学療法などの治療を施していた。一方、化学
療法を施しても、その効果は患者によりばらつきがあっ
た。患者の治癒切除後の予後が分子マーカーの有無によ
り客観的に判断されることになれば、治癒切除後の治療
方法を適切に行うことが可能となり、患者への負担や治
療費の軽減化が図られるなどのメリットは大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、大腸
癌患者の治癒切除後の予後を客観的に判断するための検
査方法および検査用試薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、癌細胞で
は、一部においてO6−メチルグアニン−DNAメチル
トランスフェラーゼ(O6-methylguanine-DNA methyltra
nsferase:以下、「MGMT」という。)のmRNAお
よびMGMT蛋白質の発現が完全に消失していることに
着目し、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、MGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター
領域におけるCpG領域でのアルキル化の有無により大
腸癌患者の治癒切除後の予後に違いが生じることを見出
した。その結果、大腸癌患者の治癒切除後の予後を客観
的に判定するために、核酸増幅方法による検査方法およ
び検査に使用するプライマー並びに検査用試薬の発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、 1.以下の1)〜10)のいずれか1に記載のオリゴヌ
クレオチドのうち少なくとも1を選択する核酸増幅用プ
ライマー: 1)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ド。 2)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
るオリゴヌクレオチド。 3)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
れた塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 4)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
れた塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレ
オチド。 5)配列番号2〜4または7〜9に表される塩基配列か
らなるオリゴヌクレオチド。 6)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
外のシトシンがチミンに変換された塩基配列からなるオ
リゴヌクレオチド。 7)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
外のシトシンがチミンに変換された塩基配列に相補的な
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 8)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ド。 9)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
るオリゴヌクレオチド。 10)前記1)〜9)のいずれか1に記載のオリゴヌク
レオチドのうち1または複数のオリゴヌクレオチドにつ
いて、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは
付加といった変異された塩基配列を含み、CpG領域の
シトシンのアルキル化を検出可能なプライマー機能を有
するオリゴヌクレオチド、 2.以下の1)〜10)のいずれか1に記載のオリゴヌ
クレオチドのうち少なくとも2以上を選択する核酸増幅
用プライマーセット: 1)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ド。 2)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
るオリゴヌクレオチド。 3)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
れた塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 4)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
れた塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレ
オチド。 5)配列番号2〜11に表される塩基配列からなるオリ
ゴヌクレオチド。 6)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
外のシトシンがチミンに変換された塩基配列からなるオ
リゴヌクレオチド。 7)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
外のシトシンがチミンに変換された塩基配列に相補的な
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 8)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ド。 9)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
るオリゴヌクレオチド。 10)前記1)〜9)のいずれか1に記載のオリゴヌク
レオチドのうち1または複数のオリゴヌクレオチドにつ
いて、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは
付加といった変異された塩基配列を含み、CpG領域の
シトシンのアルキル化を検出可能なプライマー機能を有
するオリゴヌクレオチド、 3.配列番号2または3に記載のオリゴヌクレオチドお
よび配列番号4に記載のオリゴヌクレオチドを選択する
ことを特徴とする核酸増幅用プライマーセット、 4.配列番号7または8に記載のオリゴヌクレオチドお
よび配列番号9に記載のオリゴヌクレオチドを選択する
ことを特徴とする核酸増幅用プライマーセット、 5.前項1〜4のいずれかに記載のプライマーまたはプ
ライマーセットを使用することを特徴とするMGMT蛋
白質をコードする遺伝子のプロモーター領域におけるC
pG領域のシトシンのアルキル化の検査方法、 6.組織中のMGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロ
モーター領域におけるCpG領域のシトシンのアルキル
化を大腸癌患者の治癒切除後の予後判断のための指標と
することを特徴とする検査方法、 7.前記シトシンのアルキル化の検査を核酸増幅方法に
より行う前項6に記載の検査方法、 8.前項1〜4のいずれかに記載のプライマーまたはプ
ライマーセットを含む検査用試薬または検査用試薬キッ
ト。 9.前項5〜7のいずれか1に記載の検査方法に使用す
る検査用試薬または検査用試薬キット、からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、被検体において大腸癌
の治癒切除後の予後を客観的に決定するための方法を提
供するものである。本発明において予後とは治癒切除後
36ヶ月での大腸癌再発の有無をいう。本発明は、シト
シンのアルキル化を大腸癌患者の治癒切除後の予後判断
のための指標とすることを特徴とする検査方法を提供す
るものである。一般に、ゲノミックDNAのアルキル化
の状態は被検体からの生物学的試料において測定され
る。該アルキル化の有無を調べることにより大腸癌患者
の予後を判断する。
【0010】幾つかの生物学的機能は、DNA中のアル
キル化、具体的にはメチル化された塩基に起因してい
る。このメチル化は、幾つかの系統の証拠によって、遺
伝子活性、細胞分化、腫瘍発生、X染色体の不活性化、
遺伝子刷込み、およびその他の主要な生物学的プロセス
において或る役割を担っていることが示されている(Raz
in,A.,H.,およびRiggs,R.D.編,DNA Methylation Bioch
emistry and BiologicalSignificance,Springer-Verla
g,New York,1984)。 最近、CpGに富む領域(すなわ
ち「CpG領域」)が同定され、この領域は、ヒト癌の
多くの共通タイプにおいて異常に高メチル化(hypermeth
ylated)されていることが報告されている(Makos,M.
ら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,89, 1929 (1992);Mak
os,M.ら,Cancer Res.,53:2715 (1993);Makos,M.ら,Canc
er Res.53:2719 (1993))。
【0011】一本鎖DNAにおいて、メチル化シトシン
は、非メチル化シトシンに比べて重亜硫酸修飾による脱
アミノ化反応の速度が極めて遅いことが見出されている
(Hayatsuら, Biochemistry 9, 2858 (1970))。この方法
により、ゲノミックDNAの非メチル化シトシンのみを
ウラシルに転換した後、PCRにて増幅した産物の塩基
配列を決定する方法は、Frommerら(Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 89, 1827-1831 (1992))およびClarkら(Nuclei
c Acids Research 22, 2990-2997 (1994))等において報
告されている。また、メチル化されたCpG含有核酸を
PCRにより測定し、非メチル化核酸とメチル化核酸を
区別する方法がHermanらにより報告されている(特表20
00-511776号公表公報)。
【0012】MGMT遺伝子は、メチル化されたグアニ
ンのO6位のメチル基をMGMT自身に転移することで
DNAの修復を行う酵素であり、ハウスキーピング(ho
usekeeping)遺伝子として多くの組織で発現が見られ
る。しかし、癌細胞においては、一部の細胞でMGMT
のmRNA およびMGMT蛋白質の発現が完全に消失
しており、MGMT発現の消失している癌細胞では、ク
ロロエチルニトロソウレア(chloroethylnitrosourea
s)などのアルキル化剤による化学療法に感受性の高い
ことが知られている(Ericksonら、Semin. Cancer Biol.
2, 257-265 (1991)) 。現在では、このようなMGMT
発現の消失の多くは、そのプロモーター領域のCpG領
域のシトシンのメチル化によるものであることが明らか
にされている(Wattsら、Molecular and Cellular Biolo
gy 17, 5612-5619 (1997))、(Qianら、Cancer Research
57, 3672-3677 (1997))。
【0013】本発明は、MGMT発現の有無を、CpG
領域のシトシンのメチル化の有無に関連づけて、該MG
MT蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター領域にお
けるCpG領域のシトシンのアルキル化、好ましくはメ
チル化を調べることで、大腸癌患者の治癒切除後の予後
を客観的に判断する手法を見出したものである。
【0014】(検査用試料)本発明の検査方法に供され
る生物学的試料は、MGMT蛋白質の遺伝子を含む生物
学的試料であれば良く、特に限定されない。このような
生物学的試料としては、一般に生体から採取した組織の
他、血液、血清、糞便、射出精液、喀痰、唾液、脳脊髄
液などが挙げられる。生体から採取した組織では、例え
ば手術材料より本来破棄されるべき組織の大腸癌の組織
切除物や手術前の内視鏡検査など大腸癌の組織生検材料
などが挙げられる。本発明の検査方法は、大腸癌の治癒
切除後の予後を判断するためのものであるから、術前の
生検材料や、治癒切除後の組織切除物を有効に利用する
ことが望ましい。
【0015】生体試料を例えばブレンダーを用いて組織
を破砕し、例えばフェノール・クロロホルム法などの公
知の遺伝子抽出方法でDNAを抽出し、測定に供する試
料を調製することができる。
【0016】(検査方法および検査原理)本発明は、生
物学的試料において、MGMT蛋白質をコードする遺伝
子のプロモーター領域におけるCpG領域のシトシンの
アルキル化の状態を評価することが、治癒切除後の大腸
癌の進行および予後のより客観的な判定方法となり得る
ことを見出したものである。該判定方法により得られた
結果から、治癒切除後の患者に対して化学療法を行う
か、免疫療法を行うか、またはその他の治療方法を行う
かを症例に応じて適切に決定することができる。
【0017】本発明におけるCpG領域のシトシンのア
ルキル化状態の評価は、生物学的試料において、アルキ
ル化シトシンおよび非アルキル化シトシンを調べること
により行う。重亜硫酸反応により非アルキル化シトシン
は速やかに脱アミノ化されウラシルに転換されるが、そ
れに比べてアルキル化シトシンは脱アミノ化の速度が著
しく遅いという事実より、重亜硫酸によるゲノミックD
NAの修飾および修飾シトシンを検出することによる。
本発明に使用される重亜硫酸は特に限定されないが、例
えば重亜硫酸ナトリウムが主に使用される。
【0018】CpG領域のシトシンのアルキル化の検出
は、被検試料中のゲノミックDNAの重亜硫酸修飾の
後、MGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター
領域の塩基配列の遺伝子を増幅させ、および/または重
亜硫酸修飾されたゲノミックDNAをアルキル化特異的
なプライマーを用いて遺伝子を増幅することにより行わ
れる。遺伝子増幅方法としては、自体公知の方法を適用
することができ、例えばPCR法(Science, 230:1350-1
354(1985))、NASBA法(Nature, 350, 91-92(199
1))、LAMP法(WO 00/28082国際公開公報)などが挙
げられ、好ましくはPCR法が適用される。塩基配列決
定法では、アルキル化シトシンはシトシンとして、非ア
ルキル化シトシンはウラシルまたはチミンとして検出さ
れる。
【0019】(PCR法)例えばPCR法により増幅し
た産物の塩基配列を決定する方法は、Frommerら(Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 89, 1827-1831 (1992))およびCl
arkら(Nucleic Acids Research 22, 2990-2997 (1994))
等を参照することができる。測定条件は、以下の条件で
限定されるものではないが、本発明の理解を容易にする
ために、具体的な測定方法を例示して説明する。
【0020】まず、200pgから50μgのゲノミックDNA
をアルカリ条件化にて変性させる。変性の条件は、PC
Rの測定系で採用しうる条件であれば特に限定されない
が、例えば0.2M〜0.3Mの水酸化ナトリウム溶液中に
て、通常、37℃にて5〜30分間インキュベーション
する条件が挙げられる。次いで、ハイドロキノン(hydr
oquinone)溶液およびpH5.0の重亜硫酸ナトリウム溶液
を終濃度がそれぞれ0.5mMおよび3.1mMとなるように
添加し、50〜55℃にて16〜40時間インキュベー
トすることで、非アルキル化シトシンが修飾される。さ
らに、段階的な透析(例えば、5mM 酢酸ナトリウム
/0.5mMのハイドロキノン(pH5.2)、次いで0.5mM
酢酸ナトリウム、最後に純水)を行うことで余剰の重亜
硫酸が除去される。透析された試料は、真空オーブンに
よる濃縮またはエタノール沈澱の後、適当な緩衝液(例
えば10mM Tris-HCl, 1mM EDTA, pH7.4〜8.0)または純
水に溶解し、通常のPCRまたはアルキル化特異的PC
Rに用いることができる。
【0021】(遺伝子増幅用プライマー)例えば、アル
キル化特異的PCR(Hermanら、Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 93, 9821-9826 (1996))による遺伝子の増幅は、
MGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター領域
のアルキル化シトシン特異的プライマーおよび/または
非アルキル化シトシン特異的プライマーを用いて実施さ
れる。
【0022】一般的には、アルキル化シトシン特異的プ
ライマーは、アルキル化解析の対象となるゲノミックD
NA中のCpG配列のシトシンに対応する部位のみがシ
トシンに対応した塩基であり、それ以外のシトシンに対
応する部位はすべてウラシルに対応するように設計され
る。一方、非アルキル化シトシン特異的プライマーは、
ゲノミックDNAのすべてのシトシンがウラシルに転換
された配列に対応した配列となる。一般的に、アルキル
化特異的PCRでは、プライマー配列と重亜硫酸修飾後
のゲノミックDNA配列とが完全に相補的にアニーリン
グしたときにDNAの増幅が起こり、プライマー配列と
重亜硫酸修飾後のゲノミックDNA配列との間に一塩基
以上のミスマッチが存在するときにはDNAの増幅が起
こらないようにプライマーおよびPCRの反応系を設計
する。このことによって、アルキル化特異的PCRでは
1塩基のアルキル化の有無も識別することが可能であ
る。
【0023】本発明においてプライマーとして使用され
るオリゴヌクレオチドは、以下に述べる各種の核酸合成
反応において与えられた環境のもとで必要な特異性を維
持しながら相補鎖との塩基対結合を行うことができる。
具体的には、以下の1)〜10)のいずれか1に記載の
オリゴヌクレオチドのうち少なくとも1を選択する核酸
増幅用プライマーとして使用する。 1)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ド。 2)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
るオリゴヌクレオチド 3)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
れた塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 4)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
れた塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレ
オチド。 5)配列番号2〜4または7〜9に表される塩基配列か
らなるオリゴヌクレオチド。 6)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
外のシトシンがチミンに変換された塩基配列からなるオ
リゴヌクレオチド。 7)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
外のシトシンがチミンに変換された塩基配列に相補的な
塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 8)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ド。 9)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
るオリゴヌクレオチド。 10)前記1)〜9)のいずれか1に記載のオリゴヌク
レオチドのうち1または複数のオリゴヌクレオチドにつ
いて、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは
付加といった変異された塩基配列を含み、CpG領域の
シトシンのアルキル化を検出可能なプライマー機能を有
するオリゴヌクレオチド。
【0024】より具体的には、アルキル化DNA特異的
なプライマーは配列番号1で表されるMGMT蛋白質を
コードする遺伝子のプロモーター領域の塩基配列のうち
CpG領域に含まれるシトシン以外の全てのシトシンを
チミンに変換した配列の塩基配列番号第1034から1059番
目(配列番号2)または第942から967番目(配列番号
3)および配列番号1の配列のCpG以外のシトシンをチ
ミンに変換した配列に相補的な配列で、塩基番号が第11
72番目から1195番目(配列番号4)の配列に対応したオ
リゴヌクレオチドがプライマーセットとして使用可能で
ある。また、同様に塩基番号第1070から1092番目(配列
番号5)および第1150から1129番目(配列番号6)の配
列で表されるオリゴヌクレオチドがプライマーセットと
して使用可能である。非アルキル基特異的なプライマー
は配列番号2〜6の配列中に含まれるCpG領域中のシ
トシンもチミンに変換した配列に対応したオリゴヌクレ
オチド(配列7〜11)がプライマーセットとして使用
可能である。
【0025】オリゴヌクレオチドは、自体公知の方法に
より設計することができ、例えば化学的に合成すること
ができる。あるいは、天然の核酸を制限酵素などによっ
て切断し、上記のような塩基配列で構成されるように改
変し、あるいは連結することも可能である。具体的に
は、オリゴヌクレオチド合成装置(アプライドバイオシ
ステムズ社製 Expedite Model 8909 DNA合成機)等を
用いて合成することができる。また、1ないし数個の塩
基が置換、欠失、挿入もしくは付加といった変異させた
オリゴヌクレオチドも自体公知の化学的合成法により製
造することができる。
【0026】また、部位特異的変異導入法、遺伝子相同
組換え法、プライマー伸長法またはPCR法を単独また
は適宜組み合わせて、例えば、Molecular Cloning;A La
boratory Manual、第2版、Sambrookら編、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コール
ド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、1989年;
[ラボマニュアル遺伝子工学]、村松正實編、丸善株式
会社、1988年;[PCRテクノロジー、DNA増幅の原
理と応用]、Ehrlich,HE.編、ストックトンプレス、198
9年等に記載の方法に準じて、あるいはそれらの方法を
改変して実施することができ、例えばUlmerの技術
(Science(1983)219:666)を利用することができる。
【0027】(DNAの検出)アルキル化特異的PCR
によって増幅されたDNAの検出は、一般的なアガロー
スゲルまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動の後、D
NAの染色によって検出される。染色方法としては銀染
色による方法、エチジウムブロマイド、SYBRRGreenなど
の蛍光性染色剤などによる方法等がある。また、電気泳
動を行わない方法として、5'エキソヌクレアーゼアッセ
イ(Heidら、Genome Research 6, 986-994 (1996))やMol
ecular Beacon (Fangら、Analytical Chemistry 72, 74
7A-753A (2000))による蛍光共鳴エネルギー転移(fluore
scence resonance energy transfer; FRET)を利用した
ホモジニアス検出も可能である。
【0028】(生体試料の測定)大腸癌の生検試料につ
いて、アルキル化特異的PCR検査を実施した結果、大
腸癌のステージとMGMT蛋白質をコードする遺伝子の
プロモーター領域におけるCpG領域のシトシンのアル
キル化の状態との間に明らかな逆の相関関係が見られ、
ステージの進行に伴ってアルキル化の割合が有意に減少
すること、および癌の分化度とアルキル化との間にも有
意な相関関係が認められ、分化の進んだ大腸癌ではアル
キル化の症例が多く見られた。
【0029】更に、MGMT蛋白質をコードする遺伝子
のプロモーター領域におけるCpG領域のシトシンのア
ルキル化と大腸癌の治癒切除後の予後(殊に再発率)と
の間に強い相関関係の有ることが認められた。即ち、ア
ルキル化されている症例では治癒切除後の予後が極めて
良く(再発の可能性が少なく(6.7%))、一方、アルキ
ル化されていない症例では、治癒切除後36ヶ月以内の
再発率が50%に及ぶことが示された。
【0030】上記結果より、MGMT蛋白質をコードす
る遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域のアル
キル化の状態を調べることにより、大腸癌病巣が進行す
るかどうかを判断しうる事がわかった。即ち、本発明
は、該プロモーター領域のCpG領域のアルキル化の状
態を検査することにより、これまで癌の形態に基づく予
測が困難であった大腸癌の治癒切除後の予後を客観的に
判断する方法を提供するものである。
【0031】(検査用試薬および検査用試薬キット)本
発明はまた、大腸癌の治癒切除後の予後を決定するため
の検査方法に使用する検査試薬および検査試薬キットも
含むものである。検査試薬としては、アルキル化特異的
核酸増幅用のプライマー、エキソヌクレアーゼ、核酸検
出用の標識など、本発明の方法に使用されるあらゆる試
薬のいずれであっても良い。
【0032】また、検査用試薬キットは、本発明の方法
に使用されるあらゆる試薬のうち少なくとも2以上をキ
ットとして使用するものであれば良い。例えば、核酸増
幅方法に使用されうるアルキル化DNA特異的プライマ
ーセット、MGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモ
ーター領域のCpG領域のシトシンのアルキル化特異的
PCRにおいて使用されうるアルキル化DNA特異的プ
ライマーセット及び非アルキル化DNA特異的プライマ
ーセット等が例示される。アルキル化特異的核酸増幅方
法によって増幅されたDNAの検出はアガロースゲル又
はポリアクリルアミドゲル電気泳動によっても、5'エキ
ソヌクレアーゼアッセイやMolecular Beaconによる蛍光
共鳴エネルギー転移(fluorescence resonance energy t
ransfer;FRET)を利用したホモジニアス検出も可能であ
り、その際に使用される蛍光団及びその蛍光エネルギー
を吸収するクエンチャ−基を標識したプローブDNAも
本キットに含めても良い。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0034】
【実施例1】(被検生体試料中のDNAの重亜硫酸修飾
およびメチル化特異的PCR)大腸癌と診断された91
症例の癌患者について、MGMT蛋白質をコードする遺
伝子のプロモーター領域のCpG領域のシトシンのメチ
ル化の状態を調べた。これらの被検体はいずれも手術の
実施以前に化学療法および放射線療法を受けていない患
者に由来するものである。被検生体試料は手術時に切除
後し、直ちに−80℃にて凍結保存した。
【0035】1)生体試料からDNAは通常のフェノー
ル・クロロホルム法で抽出した。 2)生体より抽出したDNA100ngをDNA修飾キット
「CpGenome(Intergen社)」を用いて重亜硫酸ナトリウム
による非メチル化シトシンの修飾を行った。重亜硫酸修
飾済みのDNAの一部に対してメチル化特異的PCRを
実施した。重亜硫酸修飾済みのDNAを1X PCR緩衝
液(15mM MgCl2を含む)、1.25unitsのDNAポリメラ
ーゼ「HotStarTaq DNA Polymerase (Qiagen社)」、各々
200μMの dATP,dGTP,dTTPおよびdCT
P,2μM上流および下流プライマーを含む50μLのP
CR反応液に加え、94℃/0.5分、59℃/0.5分、72℃/
0.5分、35サイクルのPCR反応を実施した。
【0036】3)CpG領域のシトシンメチル化DNA
特異的PCRプライマーの配列 アルキル化DNA特異的なプライマーは、配列番号1で
表されるMGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモー
ター領域の塩基配列中のCpG領域以外に含まれるシト
シン以外の全てのシトシンをチミンに変換した配列およ
びその相補鎖から、下記の配列のオリゴヌクレオチドが
プライマーとして選択される。 上流プライマー(M2S):5'-ATGTTGGGATAGTTCGCGTTTTTAGA-3' (塩基番号1034-1059)(配列番号2) 上流プライマー(M4S):5'-TGTTTTTTTTAGGTTTTCGGTTTCGT-3' (塩基番号942-967)(配列番号3) 下流プライマー(M2AS):5'-CCTACAAAACCACTCGAAACTACC-3' (塩基番号1195-1172)(配列番号4) また、同様に下記配列のオリゴヌクレオチドもプライマ
ーとして選択される。 上流プライマー(MGMT-MS):5'-TTTCGACGTTCGTAGGTTTTCGC-3' (塩基番号1070-1092)(配列番号5) 下流プライマー(MGMT-MAS):5'-GCACTCTTCCGAAAACGAAACG-3' (塩基番号1150-1129)(配列番号6) 上記に示すプライマーは各々1つを選択し、上記に示す
以外の他のプライマーと組み合わせて核酸増幅用プライ
マーセットとして使用できる。好ましくは、配列番号2
および4に記載のプライマーからなるプライマーセッ
ト、配列番号3および4に記載のプライマーからなるプ
ライマーセット、または配列番号5および6に記載のプ
ライマーからなるプライマーセットが核酸増幅用プライ
マーセととして使用できる。
【0037】4)非メチル化DNA特異的PCRプライ
マーの配列 「非アルキル化特異的なプライマーは配列番号1で表さ
れる配列のうち全てのシトシンをチミンに変換した配列
およびその相補鎖から、下記の配列のオリゴヌクレオチ
ドがプライマーとして選択される。 上流プライマー(U2S):5'-ATGTTGGGATAGTTTGTGTTTTTAGA-3' (塩基番号1034-1059)(配列番号7) 上流プライマー(U4S):5'-TGTTTTTTTTAGGTTTTTGGTTTTGT-3' (塩基番号942-967)(配列番号8) 下流プライマー(U2AS):5'-CCTACAAAACCACTCAAAACTACC-3' (塩基番号1195-1172)(配列番号9) また、同様に下記配列のオリゴヌクレオチドもプライマ
ーとして選択される。 上流プライマー(MGMT-US):5'-TTTGTGTTTTGATGTTTGTAGGTTTTTGT-3' (塩基番号1064-1092)(配列番号10) 下流プライマー(MGMT-UAS):5'-AACTCCACACTCTTCCAAAAACAAAACA-3' (塩基番号1156-1129)(配列番号11) 上記に示すプライマーは各々1つを選択し、上記に示す
以外の他のプライマーと組み合わせて核酸増幅用プライ
マーセットとして使用できる。好ましくは、配列番号7
および9に記載のプライマーからなるプライマーセッ
ト、配列番号8および9に記載のプライマーからなるプ
ライマーセット、または配列番号10および11に記載
のプライマーからなるプライマーセットが核酸増幅用プ
ライマーセととして使用することができる。
【0038】5)CpG領域のシトシンのメチル化の判
断 具体的には、上記メチル化特異的PCRにおいて、上流
プライマーであるM2S及びU2Sの配列の差異によりメチル
化を識別できるシトシンの塩基番号は1048及び1050番で
ある。また、もうひとつの上流プライマーであるM4S及
びU4Sの配列の差異によりメチル化を識別できるシトシ
ンの塩基番号は959及び965番である。また、下流プライ
マーであるM2AS及びU2ASの配列の差異によりメチル化を
識別できるシトシンの塩基番号は1180番である。本検査
系では、2種の上流プライマーのうちいずれを使用して
も、計3ヶ所のシトシンの全てがメチル化されている場
合に、メチル化DNA特異的プライマーによってDNA
の増幅が起こる。該プロモーターの塩基番号は、配列番
号1に示すHarrisら(Nucleic Acids Research 19, 6163
-6167 (1991))の定めた塩基番号に従う。増幅産物の検
出は2.5%アガロースゲル電気泳動、エチジウムブロマ
イド染色により行った。
【0039】例えば、U2SまたはU4S及びU2ASのプライマ
ーペアによりMGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロ
モーターのDNAが増幅され、M2SまたはM4S及びM2ASの
プライマーペアによりDNAが増幅されない場合には、
該プライマーで増幅される領域中にメチル化されたシト
シンが存在しないか、存在しても検出限界を下回るほど
微量であり、メチル化は陰性と判定される。ただし、メ
チル化DNA特異的上流プライマーM2S及びM4Sにおい
て、いずれもその解析対象となる2ヶ所のCpG領域の
シトシンの両方またはそのいずれか一方がメチル化され
ていない場合は、プライマーのアニーリングが不安定と
なってPCR増幅が起きず、したがって、2ヶ所のシト
シンのうちいずれか一方のみがメチル化されている場合
も、メチル化は陰性と判定される。
【0040】一方、U2SまたはU4S及びU2ASのプライマー
ペアによりMGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモ
ーターのDNAは増幅せず、M2SまたはM4S及びM2ASのプ
ライマーペアによってDNAが増幅される場合は、該プ
ライマーで増幅される領域中にメチル化されないシトシ
ンが存在しないか、存在しても検出限界を下回るほど微
量であり、メチル化は陽性と判定される。
【0041】一方、U2SまたはU4S及びU2ASのプライマー
ペア、M2SまたはM4S及びM2ASのプライマーペアの双方に
よってDNAが増幅される場合は、メチル化されたシト
シンとメチル化されていないシトシンを含むゲノミック
DNAが共存していると考えられ、この場合、メチル化
は陽性と判定される。
【0042】
【実施例2】実施例1の手法によりメチル化特異的PC
Rを実施した91症例の生体試料のMGMT蛋白質をコ
ードする遺伝子のプロモーター領域のCpG領域のシト
シンのメチル化および非メチル化を調べ、癌患者の大腸
癌のステージおよび大腸癌の分化の度合いとの関係を調
べた。プライマーはメチル化プライマーの上流としてM4
S、下流プライマーとしてM2ASを、非メチル化プライマ
ーの上流プライマーとしてU4Sを、下流プライマーとし
てU2ASを使用した。
【0043】その結果、表1に示すように26症例(29
%) にシトシンのメチル化が検出された。大腸癌のステ
ージとメチル化の状態との間には、明らかな逆の相関関
係が見られ、ステージの進行に伴ってメチル化の割合は
減少した。即ち、ステージ1ではメチル化の症例は57.1
%であったのに対して、ステージ2では30.8%、ステー
ジ3では25.6%と減少し、ステージ4では0%であった
(p=0.0002: ガンマテスト)。また、癌の分化度とメチル
化との間にも有意な相関関係が認められ、分化の進んだ
大腸癌ではメチル化の症例が多く見られた(p=0.01)。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例3】(統計解析)実施例1で調べた生体試料の
MGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター領域
のCpG領域のシトシンのメチル化の有無と、癌患者の
治癒切除後の予後の無再発生存の日数および36ヶ月後
における大腸癌の再発状況との相関について統計解析を
行い、治癒切除後の経過を調べた。プライマーはメチル
化プライマーの上流としてM4S、下流プライマーとしてM
2ASを、非メチル化プライマーの上流プライマーとしてU
4Sを、下流プライマーとしてU2ASを使用した。
【0046】予後解析は、Cox比例ハザードモデルを用
いて行われた。両群間はmaximum likelihood statistic
sを用いて補正し比較した。オッズ比と95%信頼区間はLo
gistic regression と Cochran-Mantel-Haenszel 方を
用いて算出された。単変量解析で該プロモーター領域の
CpG領域のメチル化と再発に関与する因子を多変量解
析に加えて算出した。結果は両側のtwo-sided maximum
likelihood法により p値を算出した。 統計はSASシステ
ム6.12版を用いて行った。
【0047】その結果、表2に示すようにメチル化を認
めた15症例中36ヶ月までに再発の見られなかったの
は14例であり、16ヶ月から36ヶ月の間で再発した
症例は1例であり、16ヶ月未満で再発した症例はなか
った。メチル化の認められなかった44症例中、36ヶ
月までに再発の見られなかった症例は22例、16から
36ヶ月で再発の認められた症例は10例、16ヶ月未
満で再発した症例は12例であった。
【0048】このことからMGMT蛋白質をコードする
遺伝子のプロモーター領域のCpG領域のシトシンのメ
チル化と大腸癌の治癒切除後の予後との間には明確な相
関関係が有り、メチル化されている症例では予後が極め
て良く、メチル化されていない症例では36ヶ月以内の
再発率が50%に及ぶことが示された。
【0049】
【表2】
【0050】
【実施例4】実施例1の手法により、ステージ1および
2の患者40名およびステージ3および4の患者50に
ついて、メチル化特異的PCRを実施し、切除治癒後の
MGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター領域
のCpG領域のシトシンのメチル化および非メチル化を
経時的に検査し、再発との関係を調べた。
【0051】その結果、図1および図2に示すように、
ステージ1および2の患者群でも、メチル化が認められ
た患者のほうが再発が少なく、ステージ3および4の患
者群では顕著にメチル化の患者群に再発が少ないことが
認められた。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のMGMT
蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター領域のCpG
領域のシトシンのアルキル化、好ましくはメチル化を検
査することで、大腸癌の治癒切除後の予後を客観的に判
断することが可能となった。すなわち、生体試料の該プ
ロモーター領域のCpG領域のシトシンのアルキル化が
認められると、患者の予後が良く、治癒切除後に最適な
治療薬ならびに治療方法の選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステージ1および2の患者について治癒切除後
の再発を調べた図である。(実施例4)
【図2】ステージ3および4の患者について治癒切除後
の再発を調べた図である。(実施例4)
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Matsubara, Nagahide INTERNATIONAL REAGENTS CORPORATION <120> A check up method <130> NP02-1016 <140> <141> <160> 11 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 1200 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> promoter <222> (1)..(1200) <223> Human MGMT gene <400> 1 ggatcctgct ccctctgaag gctccaggga agagtgtcct ctgctccctc cgaaggctcc 60 agggaagggt ctgtcctctt aggcttctgg tggcttgcag gtgcagccct ccaatcctcc 120 tccccaagcg gccttctgcc tataaggaca cgagtcatac tggatgaggg gcccactaat 180 tgatggcttc tgtaaagtcc ccatctccaa ataaggtcac attgtgaggt actgggagtt 240 aggactccaa catagcttct ctggtggaca caattcaact cctaataacg tccacacaac 300 cccaagcagg gcctggcacc ctgtgtgctc tctggagagc ggctgagtca ggctctggca 360 gtgtctaggc catcggtgac tgcagcccct ggacggcatc gcccaccaca ggccctggag 420 gctgccccca cggccccctg acagggtctc tgctggtctg ggggtccctg actaggggag 480 cggcaccagg aggggagaga ctcgcgctcc gggctcagcg tagccgcccc gagcaggacc 540 gggattctca ctaagcgggc gccgtcctac gacccccgcg cgctttcagg accactcggg 600 cacgtggcag gtcgcttgca cgcccgcgga ctatccctgt gacaggaaaa ggtacgggcc 660 atttggcaaa ctaaggcaca gagcctcagg cggaagctgg gaaggcgccg cccggcttgt 720 accggccgaa gggccatccg ggtcaggcgc acagggcagc ggcgctgccg gaggaccagg 780 gccggcgtgc cggcgtccag cgaggatgcg cagactgcct caggcccggc gccgccgcac 840 tgggcatgcg ccgacccggt cgggcgggaa caccccgccc cgcccgggct ccgccccagc 900 tccgcccccg cgcgccccgg ccccgccccc gcgcgctctc ttgcttttct caggtcctcg 960 gctccgcccc gctctagacc ccgccccacg ccgccatccc cgtgcccctc ggccccgccc 1020 ccgcgccccg gatatgctgg gacagcccgc gcccctagaa cgctttgcgt cccgacgccc 1080 gcaggtcctc gcggtgcgca ccgtttgcga cttggtgagt gtctgggtcg cctcgctccc 1140 ggaagagtgc ggagctctcc ctcgggacgg tggcagcctc gagtggtcct gcaggcgccc 1200 <210> 2 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 2 atgttgggat agttcgcgtt tttaga 26 <210> 3 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 3 tgtttttttt aggttttcgg tttcgt 26 <210> 4 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 4 cctacaaaac cactcgaaac tacc 24 <210> 5 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 5 tttcgacgtt cgtaggtttt cgc 23 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 6 gcactcttcc gaaaacgaaa cg 22 <210> 7 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 7 atgttgggat agtttgtgtt tttaga 26 <210> 8 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 8 tgtttttttt aggtttttgg ttttgt 26 <210> 9 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 9 cctacaaaac cactcaaaac tacc 24 <210> 10 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 10 tttgtgtttt gatgtttgta ggtttttgt 29 <210> 11 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Designed DNA besed on human MGMT gene promoter <400> 11 aactccacac tcttccaaaa acaaaaca 28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の1)〜10)のいずれか1に記載
    のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも1を選択する核
    酸増幅用プライマー: 1)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
    ド。 2)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
    るオリゴヌクレオチド。 3)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
    れた塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 4)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
    れた塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレ
    オチド。 5)配列番号2〜4または7〜9に表される塩基配列か
    らなるオリゴヌクレオチド。 6)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
    外のシトシンがチミンに変換された塩基配列からなるオ
    リゴヌクレオチド。 7)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
    外のシトシンがチミンに変換された塩基配列に相補的な
    塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 8)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
    ド。 9)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
    るオリゴヌクレオチド。 10)前記1)〜9)のいずれか1に記載のオリゴヌク
    レオチドのうち1または複数のオリゴヌクレオチドにつ
    いて、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは
    付加といった変異された塩基配列を含み、CpG領域の
    シトシンのアルキル化を検出可能なプライマー機能を有
    するオリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 以下の1)〜10)のいずれか1に記載
    のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも2以上を選択す
    る核酸増幅用プライマーセット: 1)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
    ド。 2)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、少なくとも該CpG以外のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
    るオリゴヌクレオチド。 3)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
    れた塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 4)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域におけるCpG領域を少なく
    とも1以上含み、該配列中のシトシンがチミンに変換さ
    れた塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレ
    オチド。 5)配列番号2〜11に表される塩基配列からなるオリ
    ゴヌクレオチド。 6)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
    外のシトシンがチミンに変換された塩基配列からなるオ
    リゴヌクレオチド。 7)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、少なくとも該CpG以
    外のシトシンがチミンに変換された塩基配列に相補的な
    塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。 8)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
    ド。 9)配列番号1で表されるMGMT蛋白質をコードする
    遺伝子のプロモーター領域の配列の相補鎖におけるCp
    G領域を少なくとも1以上含み、該相補鎖のシトシンが
    チミンに変換された塩基配列に相補的な塩基配列からな
    るオリゴヌクレオチド。 10)前記1)〜9)のいずれか1に記載のオリゴヌク
    レオチドのうち1または複数のオリゴヌクレオチドにつ
    いて、1ないし数個の塩基が置換、欠失、挿入もしくは
    付加といった変異された塩基配列を含み、CpG領域の
    シトシンのアルキル化を検出可能なプライマー機能を有
    するオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2または3に記載のオリゴヌク
    レオチドおよび配列番号4に記載のオリゴヌクレオチド
    を選択することを特徴とする核酸増幅用プライマーセッ
    ト。
  4. 【請求項4】 配列番号7または8に記載のオリゴヌク
    レオチドおよび配列番号9に記載のオリゴヌクレオチド
    を選択することを特徴とする核酸増幅用プライマーセッ
    ト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のプライ
    マーまたはプライマーセットを使用することを特徴とす
    るMGMT蛋白質をコードする遺伝子のプロモーター領
    域におけるCpG領域のシトシンのアルキル化の検査方
    法。
  6. 【請求項6】 組織中のMGMT蛋白質をコードする遺
    伝子のプロモーター領域におけるCpG領域のシトシン
    のアルキル化を大腸癌患者の治癒切除後の予後判断のた
    めの指標とすることを特徴とする検査方法。
  7. 【請求項7】 前記シトシンのアルキル化の検査を核酸
    増幅方法により行う請求項6に記載の検査方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載のプライ
    マーまたはプライマーセットを含む検査用試薬または検
    査用試薬キット。
  9. 【請求項9】 請求項5〜7のいずれか1に記載の検査
    方法に使用する検査用試薬または検査用試薬キット。
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