JP2003257879A - 3−5族化合物半導体の製造方法及び3−5族化合物半導体 - Google Patents
3−5族化合物半導体の製造方法及び3−5族化合物半導体Info
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Abstract
少ない窒化物系半導体を製造すること。 【解決手段】 Si基板1上に部分的に形成された第1
の窒化物系3−5族化合物半導体層3上に第2の窒化物
系3−5族化合物半導体層8を選択成長させる場合に、
Si基板1の露出した部分の表面を窒化してこの窒化部
分において窒化物系3−5族化合物半導体がエピタキシ
ャル成長しない選択成長用のマスク7とした後、第2の
窒化物系3−5族化合物半導体層8を選択横方向成長に
よりエピタキシャル成長させるようにした。この場合、
第2の窒化物系3−5族化合物半導体層8の成長領域を
制限することにより、クラックの発生を抑えてその膜厚
を厚く形成することができる。
Description
y Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0
≦y≦1、0≦z≦1)で表される窒化物系3−5族化
合物半導体の製造方法及び3−5族化合物半導体に関す
る。
x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦
1)で表される窒化物系3−5族化合物半導体は、3族
元素の組成を変えることにより直接型のバンドギャップ
エネルギーを調整して、紫外から赤色の波長の光エネル
ギーに対応させることができるため、紫外から可視領域
にわたる高効率の発光素子用材料として利用可能であ
る。また、これまで一般に用いられているSiあるいは
GaAsなどの半導体に比べて大きなバンドギャップを
持つために、従来の半導体では動作できないような高温
においても半導体としての特性を有することを利用し
て、耐環境性に優れた電子素子の作製が原理的に可能で
ある。
半導体は、融点付近での蒸気圧が非常に高いため、大き
な結晶を成長することが非常に難しく、半導体素子作製
のための基板として用いることができるような実用的な
大きさの結晶が得られていない。このため、該化合物半
導体の作製には、Si、GaAs、SiC、サファイア
等、該化合物半導体と類似の結晶構造を有していて大き
な結晶が作製可能な材料を基板として、この上に所要の
化合物半導体の単結晶薄膜層をヘテロエピタキシャル成
長させるのが一般的である。現在、このような方法を用
いることによって、比較的良質な該化合物半導体の結晶
が得られるようになっている。しかし、この場合でも、
基板材料と該化合物半導体の格子定数、あるいは熱膨張
係数の差に由来する結晶欠陥を低減することが難しく、
108 cm-2程度、あるいはそれ以上の欠陥密度を有す
るのが一般的である。このため、窒化物系3−5族化合
物半導体を用いた高性能な半導体デバイスを作製するに
は、転位密度の低い該化合物半導体結晶が強く求められ
ている。
得られた該化合物半導体の結晶表面上に一旦マスクパタ
ーンを形成した後、さらに窒化物系3−5族化合物半導
体を再成長することで転位の密度を減少させる方法が試
みられている。本方法はマスク上に横方向成長させる点
に特徴があり、エピタキシャルラテラルオーバーグロー
ス(Epitaxial Lateral Overg
rowth、以下、ELOと記すことがある。)法と呼
ばれている。すなわち、欠陥密度が高い該化合物半導体
(以下、下地結晶と称することがある)上を、微細な開
口部を残してSiO2 などのパターンで覆い、この上に
さらに2回目の結晶成長を行なうことにより結晶欠陥の
少ない所要の化合物半導体を成長させる方法である。以
下の説明において、この2回目以降の結晶成長を再成長
と称することがある。
ターン上には結晶成長が起こらず、開口部のみに結晶成
長が生じるいわゆる選択成長が起きる。この段階からさ
らに結晶成長を続けると、開口部に成長した結晶がパタ
ーン上にも広がり、やがてパターンを埋め込んだ構造が
できあがる。パターンの埋め込みが生じた直後は、再成
長による結晶表面には凹凸が残るものの、さらに結晶成
長を進めることで、やがて再成長表面の凹凸が小さくな
り、最終的には平坦な結晶表面を得ることができる。上
述のような埋め込み構造の形成により、再成長層での転
位密度が下地結晶より大幅に低減できることが確認され
ている。
半導体の選択成長用の基板として用いると、Si基板は
熱伝導率が高い、また高品質かつ大面積の単結晶基板が
得られるという利点を有している。さらに、Si基板上
にはSiトランジスタの技術を利用して多様な電子素子
が作製できるため、Si基板上に窒化物系半導体を成長
することで、窒化物系半導体による素子とSi半導体に
よる素子との混成が可能であるという利点も有してい
る。
系3−5族化合物半導体との間には格子定数で20%程
度の不整合がある上に、Siの熱膨張係数は窒化物系3
−5族化合物半導体のそれよりも小さい。このため、S
i基板上に窒化物系3−5族化合物半導体を成長させた
場合、窒化物系3−5族化合物半導体を所定の成長温度
で成長させた後、その出来上がった窒化物系3−5族化
合物半導体をその成長温度から室温へと降温する過程
で、窒化物系3−5族化合物半導体に引張り応力が発生
する。したがって、Si基板上に窒化物系3−5族化合
物半導体膜を例えば1μm以上の厚みに成長させた場合
には、成長後その成長温度から室温への冷却過程で該化
合物半導体膜内に生じる引張り応力による歪のためにク
ラックが発生し、得られた窒化物系3−5族化合物半導
体の品質を著しく損ない、実用上大きな障害となってい
る。
問題点を解決することができるようにした、窒化物系3
−5族化合物半導体の製造方法及び3−5族化合物半導
体を提供することにある。
性の改善されたクラックの少ない窒化物系3−5族化合
物半導体を製造することができる3−5族化合物半導体
の製造方法及び3−5族化合物半導体を提供することに
ある。
め、Si基板上に部分的に形成された窒化物系3−5族
化合物半導体上に窒化物系3−5族化合物半導体を選択
成長させる場合にSi基板の露出した部分の表面を窒化
して選択成長用のマスクとした後、窒化物系3−5族化
合物半導体を選択横方向成長によりエピタキシャル成長
させることで上記の課題を解決できることを見い出し、
本発明に至った。
基板上に窒化物系3−5族化合物半導体をエピタキシャ
ル成長させる3−5族化合物半導体の製造方法であっ
て、Si基板上に第1の窒化物系3−5族化合物半導体
を前記Si基板の表面を部分的に覆うようにして設ける
第1の工程と、前記第1の工程によって生じた前記Si
基板の部分的露出表面を窒化処理した後第2の窒化物系
3−5族化合物半導体を選択成長させる第2の工程とを
含むことを特徴とする3−5族化合物半導体の製造方法
が提案される。
において、前記第2の窒化物系3−5族化合物半導体を
選択成長する領域が1辺の長さが1mmの矩形形状か1
辺の長さが1mmの矩形より小さい形状であることを特
徴とする3−5族化合物半導体の製造方法が提案され
る。
に記載の方法により製造したことを特徴とする3−5族
化合物半導体が提案される。
につき詳細に説明する。
3−5族化合物半導体をエピタキシャル成長させて3−
5族化合物半導体を製造するため、先ず、Si基板上に
第1の窒化物系3−5族化合物半導体をSi基板の表面
を部分的に覆うようにして設け、これによって生じたS
i基板の部分的露出表面を窒化処理する。この窒化処理
された部分はマスクとして働き、ここに多結晶GaNが
析出するのを防ぐので窒化処理された部分には該化合物
半導体が成長しない。しかる後、第2の窒化物系3−5
族化合物半導体を選択成長させると、Si基板上に部分
的に設けられることによって生じている凸部分である第
1の窒化物系3−5族化合物半導体をシードに連続Ga
N膜の作製が可能になる。すなわち、第1の窒化物系3
−5族化合物半導体の上に所望の窒化物系3−5族化合
物半導体を選択横方向エピタキシャル成長させて、第2
の窒化物系3−5族化合物半導体として形成することが
できる。
5族化合物半導体を形成する方法の具体例としては、ま
ずSi基板上に窒化物系3−5族化合物半導体を中間層
として一様に形成した後、その表面に部分的に開口部を
持つマスクを形成し、該開口部においてSi基板が露出
するまでエッチングする方法が挙げられる。Si基板上
に窒化物系3−5族化合物半導体を中間層として一様に
成長する場合、Alを含む該化合物半導体をまずバッフ
ァ層として形成した後、所望の該化合物半導体を成長す
ることで、結晶性の優れた窒化物系3−5族化合物半導
体を成長でき、好ましい。この場合、窒化物系3−5族
化合物半導体の全体としての膜厚は1μm以下が好まし
い。その膜厚が1μmより厚くなるとクラックの発生が
多くなり好ましくない。
の具体例としては、高温のアンモニア雰囲気中で該露出
部分を処理する方法が挙げられる。選択横方向成長を行
わせるために用いる気相成長法としては、有機金属気相
成長(以下、MOVPEと記すことがある。)法、ハイ
ドライド気相成長(以下、HVPEと記すことがあ
る。)法などが、好適である。
ライプ状のものが好適に用いることができる。Si基板
をストライプ状に露出させる場合、1μm以上20μm
以下の幅を持ち、ストライプ間の距離を1μm以上20
μm以下のものとするのが好ましいが、ストライプの寸
法はこれに限定されるものではない。また、Si基板を
部分的に露出させるためのパターンとしては、ストライ
プ状に限定されず、格子状パターンやその他の適宜の種
々の形状、形態とすることができる。
その近傍のものを好適に用いることができる。ストライ
プ方向は中間層として一様に成長した窒化物系3−5族
化合物半導体の<11−20>方向、<1−100>方
向等とすることができる。特に、ストライプの方向を<
1−100>方向およびその近傍の方向とした場合に
は、成長条件により、選択成長の際に形成されるファセ
ットの制御ができるため好適に用いることができる。
の領域に制限し、これにより、選択成長により形成した
窒化物系3−5族化合物半導体の膜厚を厚くしてもクラ
ックの発生を抑えることができるようにした点に特徴を
有している。選択成長する範囲は例えば1辺1mm程度
の矩形とすれば充分である。しかし、1辺1mmの矩形
より小さい例えば一辺100μm〜300μmの矩形と
することが好ましい。
−5族化合物半導体の製造方法の実施の形態の一例を模
式的に示す製造工程説明図であり、図1にはSi基板上
に第1の窒化物系3−5族化合物半導体を部分的に設
け、これにより部分的に露出したSi基板の表面を窒化
処理するまでの工程が示されており、図2には図1に示
した工程により得られたSi基板上に部分的に設けられ
た第1の窒化物系3−5族化合物半導体上に第2の窒化
物系3−5族化合物半導体を横方向選択エピタキシャル
成長させ、これにより結晶性の改善された窒化物系3−
5族化合物半導体を得るまでの工程が示されている。
施の形態の一例につきより具体的に説明する。
除去のための洗浄を行う(図1(A))。次に、Si基
板1の(111)面1a上にMOVPE法によりAlG
aN層を50nmの厚さにバッファ層2として形成する
(図1(B))。そして、同じくMOVPE法によりバ
ッファ層2上に第1の窒化物系3−5族化合物半導体層
3を形成する(図1(C))。ここでは、第1の窒化物
系3−5族化合物半導体層3としてGaN層を300n
mの厚さに形成する。300nmの厚さに第1の窒化物
系3−5族化合物半導体層3を形成するのはクラックの
発生を良好に抑えるようにするためである。
の成長は例えば次のようにして行う。成長圧力80To
rr、H2 雰囲気で、サセプタを5rpmで回転させ
る。まず1100℃まで昇温して10分クリーニングを
行い、クリーニング終了と同時にTMAを導入して、3
秒後にTMGとNH3 を導入する。これはSiがGaと
反応してSiGa合金を生成すること、または、NH3
によって窒化しSiNx生成を防ぐためである。そして
AlGaNを2.5分間成長させバッファ層2を形成す
る。次にTMAを停止して、GaNを5分間成長させ、
第1の窒化物系3−5族化合物半導体層3を形成する。
第1の窒化物系3−5族化合物半導体層3の成長終了後
TMGを停止して降温して、GaNから窒素の脱離を抑
制するために500℃までNH3 を供給する。以上説明
した条件等は一例であり、本発明をこれに限定する趣旨
ではない。
を使ってストライプ段差を設けたSi基板を作製する。
先ず、図1(D)に示したように、第1の窒化物系3−
5族化合物半導体層3の上にOAP(ヘキサメチルジシ
ラサン)4を塗布した後、OAP4の上にポジ型のレジ
スト5を塗布する。そして所定のストライプパターンの
Crマスク(図示せず)を用いてパターニングを行い、
マスク材料であるSiO2 から成るマスク層6を第1の
窒化物系3−5族化合物半導体層3の上に形成する(図
1(E))。
上にストライプ状のマスク層6を形成する方法それ自体
は公知であり、パターン作製方法それ自体は本発明の本
質ではないので、ストライプパターンマスクの形成につ
いての詳細な説明は省略する。
化合物半導体層3上にマスク層6が形成されたならば、
マスク層6を用いて反応性イオンエッチング(RIE)
を行い、Si基板1を段差Gを付した状態で露出させ
る。この段差は、例えば1μm程度の高さのものとする
ことができる。しかる後、フッ酸洗浄によりマスク層6
を除し、図1の(G)に示したストライプ段差Si基板
が得られる。この結果、Si基板1の上に第1の窒化物
系3−5族化合物半導体層3が部分的に設けられること
になる。
板1の段差Gの凹部分のSi、すなわち、第1の窒化物
系3−5族化合物半導体層3が設けられていない部分の
Si基板1の表面のSiを窒化させてSiNx としマス
ク7を形成する。マスク7の形成は以下のようにして行
うことができる。試料をMOVPE装置にセットし圧力
80〜300Torr、H2 雰囲気中で、室温からNH
3 を導入する。そして、800℃まで昇温して10分間
で凹部分のSiを窒化させ、これによりマスク7を形成
する。ここで述べた例はあくまでも一例であり、窒化処
理に要する、窒化温度、時間、アンモニア供給量、雰囲
気の圧力等を適宜変更してよい。
を形成することにより、凹部分において多結晶GaNの
析出を防いでGaNを成長させず、Si基板1上に部分
的に設けられることによって生じている凸部分である第
1の窒化物系3−5族化合物半導体層3をシードに連続
GaN膜の作製が可能になる。すなわち、第1の窒化物
系3−5族化合物半導体層3の上に所望の窒化物系3−
5族化合物半導体を選択横方向エピタキシャル成長によ
り第2の窒化物系3−5族化合物半導体として形成する
ことができるのであるが、これについては、以下、図2
を参照して詳しく説明する。
て、マスク7の形成終了と同時に、成長温度を1000
℃又は1100℃まで昇温して、TMGを導入し、45
〜150分間MOVPE法によりGaNを成長させる。
上述したGaNの成長は、既に説明したように、図2
(A)に示すよう第1の窒化物系3−5族化合物半導体
層3の表面上において生じる。これによりSi基板1上
に所望の窒化物系3−5族化合物半導体として第2の窒
化物系3−5族化合物半導体層8が形成されていく。
理を行った後、試料であるSi基板1を反応炉から取り
出すことなく、直接第2の窒化物系3−5族化合物半導
体層8の成長を行なった例である。窒化処理を、第2の
窒化物系3−5族化合物半導体層8の成長に用いるMO
VPE反応炉とは異なる装置で行ない、Si基板1を窒
化処理したのち一旦窒化処理装置から取り出し、MOV
PE反応炉にセットして第2の窒化物系3−5族化合物
半導体層8の成長を行なってもよい。ただし、窒化処理
とそれに続く成長を一貫してMOVPE反応炉で行う方
法は、試料を窒化処理の装置から一旦取り出す必要がな
く、より簡単な工程となる点で好適な方法である。
の堆積量が多くなると、第2の窒化物系3−5族化合物
半導体層8はやがて横方向に広がり、隣同士でつながる
ようになり、段差Gによる溝部分の上にも第2の窒化物
系3−5族化合物半導体層8が形成されるようになる
(図2(B))。第2の窒化物系3−5族化合物半導体
層8の厚みが増すにつれてその表面の平坦性が増し、遂
には図2(C)に示されるように、表面が平坦な第2の
窒化物系3−5族化合物半導体層8がSi基板1上に形
成される。この方法によれば、第2の窒化物系3−5族
化合物半導体層8を連続膜として作製できる。なお、第
1の窒化物系3−5族化合物半導体層3と第2の窒化物
系3−5族化合物半導体層8とは、組成が同一であって
もよいし、異なっていてもよい。
物半導体層8の成長プロセスは、選択横方向成長であ
り、下地結晶である第1の窒化物系3−5族化合物半導
体層3に生じていた多数の転位のうちの多くは横方向に
延び、第2の窒化物系3−5族化合物半導体層8の表面
においては転位密度は小さく、結晶性の高い状態となっ
ている。
合物半導体が成長しないので、段差Gの凹部内に空間が
生じることがあるが、全く問題はない。また、第2の窒
化物系3−5族化合物半導体層8の厚みは、成長温度か
ら室温にまでSi基板1の温度を低下させたときに第2
の窒化物系3−5族化合物半導体層8に生じる引っ張り
応力歪によるクラック発生を避けるため、1μm程度に
するのが好ましい。
ガスとして、水素、窒素、あるいは、ヘリウム、アルゴ
ン等の稀ガスを用いることができる。これらは単独また
は混合して用いることができる。本実施の形態では、水
素ガスと窒素ガスとを混合して成る混合ガスをキャリア
ガスとして用いている。
を成長させる場合にファセットを形成し、このファセッ
トの形成形態により第2の窒化物系3−5族化合物半導
体層8中での貫通転位の伝搬形態、すなわち選択横方向
成長を制御し、これにより第2の窒化物系3−5族化合
物半導体層8における転位密度の改善を図るため、再成
長時におけるファセットを制御することが重要である。
ファセットを制御する因子としては、各原料の供給量、
成長温度、成長圧力、混合キャリアガスの分圧比(混入
比)、不純物等が挙げられる。
たようにして所望の窒化物系3−5族化合物半導体をS
i基板上に十分結晶性の高い状態で第2の窒化物系3−
5族化合物半導体層8として成長させることができる。
しかし、この第2の窒化物系3−5族化合物半導体層8
の膜厚をさらに厚くしようとすると、第2の窒化物系3
−5族化合物半導体層8中に発生したクラック又は段差
G中に発生したクラックによって第2の窒化物系3−5
族化合物半導体層8の一部が剥離してしまうことがわか
った。
m巾のストライプパターンに加えて100〜300μm
程度の寸法の比較的粗い格子パターンをSi基板上に形
成した状態のSi基板の例が一部断面して示されてい
る。図3に示したSi基板の状態は、図1の(H)の工
程が終了した場合のSi基板1の状態に相当している。
格子パターンによって作られる上面形状が矩形のアイラ
ンドであり、各アイランドPにおいては、図1、図2に
基づいて説明したストライプパターンが形成されてい
る。図3では、アイランドPは簡単化のため4つだけ示
されているが、アイランドPの一辺の寸法は例えば1m
m程度であり、実際にはアイランドPはSi基板1上に
縦横に整列して多数設けられている。
(図1(H)に相当する)上に第2の窒化物系3−5族
化合物半導体層8を上述の如くして形成すると、各アイ
ランドPにおいて一辺が100〜300μmの矩形の表
面形状の窒化物系3−5族化合物半導体層が独立して成
長することになる。このため、Si基板の温度を成長温
度から室温に戻したときに各アイランドP上に形成され
た窒化物系3−5族化合物半導体層に生じる引張り歪の
力は、各窒化物系3−5族化合物半導体層の縦横の寸法
が100〜300μmと小さいために、小さいものとな
り、各アイランドPに形成される窒化物系3−5族化合
物半導体層の厚みを5μm以上としても各窒化物系3−
5族化合物半導体層内に生じるクラックは少なくて済
み、窒化物系3−5族化合物半導体層の剥離も有効に防
止できる。これにより、10μm以上のクラックのない
比較的平坦な連続膜作製に成功した。このようにして得
られるGaN成長領域は、発光ダイオードやレーザを作
製する上で十分大きいものである。GaNの結晶性は、
同じパターンのSiO2 マスクを用いてSi上に成長し
たものよりも良いことがわかった。
物半導体の製造方法を、一実施の形態に基づき説明し
た。ここで、製造のための具体的な条件を提示して説明
したが、これらの具体的条件は一例であり、本発明はこ
れらの具体的条件以外の適宜の条件を用いて同様に製造
することができることは勿論である。
基板上に得るため、GaN/AlGaN/Siに段差加
工を行い、その後窒化することによりマスクを形成して
ELOを行った。すなわち、下地基板として、MOVP
E法でSi(111)上にAlGaNバッファ層を約5
0nm成長後、GaNを約0.4μm成長させた。その
上にSiO2 を堆積させ、フォトリソグラフィにより窓
部とマスク部がそれぞれ5μmのSiO2 のストライプ
パターンを形成し、RIEを用いて窓部のGaN/Al
GaN/Siを深さ約1μmエッチングした。マスク部
のSiO2 を除去した後、MOVPE法で凹部分を窒化
させてマスクを形成し、凸部分のGaN上にELOを行
った。
00Torr、700〜800℃で窒化膜を形成し、そ
の後1000℃で45分間成長させたELO−GaNの
断面SEM像を調べたところ、凹部分には全くGaNが
成長せず、凸部分でGaNのELOが観察できた。
i基板上に得るため、GaN/AlGaN/Siにライ
ン&スペースと100μm×100μmの格子パターン
を形成して、成長する領域を制限したELOを行った。
下地基板として、MOVPE法でSi(111)上にA
lGaNバッファ層を約50nm成長後、GaNを約
0.3μm成長させた。その上にスパッタリング法によ
りSiO2 を堆積させ、フォトリソグラフィにより窓部
とマスク部がそれぞれ3μmのSiO2 のストライプパ
ターンを形成し、RIEを用いて窓部のGaN/AlG
aN/Siを深さ約1μmエッチングした。SiO2 を
除去した後、凹部分を窒化させてマスクを形成し、MO
VPE法で凸部分のGaN上にELOを行った。
00Torr、800℃で窒化膜を形成し、その後10
00℃で60分間成長させ、さらに1100℃で60分
成長させた二段階ELO−GaNの断面SEM像を調べ
たところ、凹部分には全くGaNが成長せず、凸部分を
シードに平坦な連続GaN膜が作製でき、剥離も抑制さ
れた。またXRCの(0004)回折FWHMは452
arcsecでc軸の揺らぎは大幅に改善された。
上に結晶性の改善されたクラックの少ない窒化物系半導
体を製造することができる。また、該化合物半導体の形
成される領域を制限することにより、Si基板上に結晶
性の改善されたクラックの少ない膜厚の厚い窒化物系半
導体を製造することができる。
製造方法の実施の形態の一例を説明するため模式的に示
す製造工程図。
製造方法の実施の形態の一例を説明するため模式的に示
す製造工程図。
基板の一部断面して示す要部拡大斜視図。
Claims (3)
- 【請求項1】 Si基板上に窒化物系3−5族化合物半
導体をエピタキシャル成長させる3−5族化合物半導体
の製造方法であって、 Si基板上に第1の窒化物系3−5族化合物半導体を前
記Si基板の表面を部分的に覆うようにして設ける第1
の工程と、 前記第1の工程によって生じた前記Si基板の部分的露
出表面を窒化処理した後第2の窒化物系3−5族化合物
半導体を選択成長させる第2の工程とを含むことを特徴
とする3−5族化合物半導体の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2の窒化物系3−5族化合物半導
体を選択成長する領域が1辺の長さが1mmの矩形形状
か1辺の長さが1mmの矩形より小さい形状であること
を特徴とする請求項1記載の3−5族化合物半導体の製
造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法により製造
したことを特徴とする3−5族化合物半導体。
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---|---|---|---|
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JP2002061586A JP3805703B2 (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 3−5族化合物半導体の製造方法及び3−5族化合物半導体 |
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