JP2003255145A - 光ファイバ心線の保持構造 - Google Patents
光ファイバ心線の保持構造Info
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Abstract
製造性、信頼性に優れた光ファイバ心線7の保持構造を
提供する。 【解決手段】光回路要素を構成する光ファイバ心線7の
余長を基板1上で把持するための構造であって、基板に
装着された光ファイバクランプ4を備えるとともに、光
ファイバ心線7が粘着テープ8で基板1に固定してある
ことを特徴し、前記光ファイバクランプ4は、弾性変形
をするケーブル保持片a1とa2を有し、1本もしくは
複数本の光ファイバ心線7を結束するとともに、前記粘
着テープ8の粘着力は、0.1N/10mm乃至4.0
N/10mmであることを特徴とする。
Description
する光ファイバ心線の余長を基板上に把持固定するため
の保持構造に関する。詳しくは光通信の分野において、
光部品を光ファイバによって相互に接続してなる装置内
で光ファイバ心線の余長を基板上に把持固定するための
保持構造に関するものである。
能動部品を光ファイバ心線によって相互に接続して光回
路要素を構成することがよくある。光回路要素に用いら
れる光部品としては、発光素子、受光素子、光カプラ、
光アイソレータなど多数の種類があり、これらの光部品
からは相互に接続するための光ファイバピグテイルが引
き出されている。
続するには、光部品の入出力ポートである光ファイバピ
グテイル端を対向せしめ、突き合わせた端面を放電融着
により永久接続する方法がとられる。そのため光回路要
素を構成する光部品の間には余長部分ができてしまう。
しかしこの余長部分は、光回路要素を基板上に配置する
際の構成上、また光部品同士を接続する際の作業上必要
とされるもので、数十cmから数mの長さを必要とす
る。
載置する必要があることから、光ファイバとしては光フ
ァイバコードではなく単線の光ファイバ心線が使用され
る。融着接続にはアーク放電を利用した融着接続装置を
用いる。
示す上面図である。基板1の上に光回路要素を整然と配
置するには、融着接続部の保護スリーブ2、光ファイバ
カプラ3、光ファイバリール5、光アイソレータ6など
複数の光部品を所望の位置に固定しなければならない。
信号が放射損失を発生しない程度の曲げ半径3cm以上
を維持してループ状に束ねられるとともに、基板1上に
固定された光ファイバクランプ4で結束される。光部品
を所望の位置へ配置するには、光ファイバ心線7の各余
長部分はあらかじめ見込んだ長さで完成することが望ま
しいが、融着接続作業のやり直しなどで余長は長くなっ
たり短くなる場合が一般的である。そのようなときには
基板1上に円周の異なるループを適宜に形成し、光部品
の固定位置が変わらないように調整される。
路の片端から光部品を順番に融着接続することによりつ
なぎ足していく方法と、別々につなぎ足した光回路を最
後につなぎ合わせて完成させる方法がある。どちらの場
合も、融着接続をしてつなぎ足した部品から順次基板1
上に載置していき、光ファイバ心線7の余長は次の融着
接続に必要な部分を残して基板1上にループを形成して
載置していく。
イバクランプ4があり、光ファイバ心線7の余長を光フ
ァイバクランプ4に結束して基板1上に載置していく。
来例として記載されているように、光ファイバ心線7の
余長を粘着テープのみを用いて基板1に固定する方法が
ある。この場合、粘着テープのみで固定の信頼性を確保
するには、粘着力が4.0N/10mmを超える強力な
粘着テープが使われる。
示す従来の光ファイバ心線の保持構造は、光ファイバク
ランプ4だけによって光ファイバ心線7が結束されてお
り、光ファイバクランプ4の内径が光ファイバ心線7の
束の径より十分大きいので、光ファイバ心線7は光ファ
イバクランプ4の内側で遊動してしまう欠点がある。
板1から離れる方向に浮き上がり、光ファイバクランプ
のケーブル保持片の間隙から簡単に光ファイバ心線が外
れてしまい、光回路要素を組み立てている作業の最中に
光ファイバ心線が損傷して破断する恐れがあった。また
光ファイバ心線7が遊動するために、光回路要素の光学
特性が機械的な振動の影響を受けて変動してしまう大き
な問題も発生した。
に光ファイバクランプの内径を小さくすると、今度は光
ファイバ心線7の余長を光ファイバクランプで結束しづ
らくなる上、光ファイバ心線7の余長を基板1上に載置
する経路を調整し直す際には光ファイバクランプ4から
光ファイバ心線7を外しづらくなる作業上の問題が起き
た。
り融着接続を失敗したときには、その接続箇所を切断し
て融着接続の作業をやり直すことになるが、融着接続の
作業を繰り返す毎に光ファイバピグテイルの長さは短く
なる。そうすると光部品を基板1上の所望の位置へ配置
するには、短くなった光ファイバ心線7の余長を基板1
上に載置する位置を変えて調整を行う必要がある。
を束ねるループの曲げ半径を変えるのであるが、あらか
じめ基板1上に装着してある光ファイバクランプ4の位
置は限られているので、従来のファイバクランプ4だけ
で結束する方法では光ファイバ心線7の余長を束ねたル
ープを結束できない事態が頻繁に発生する。また、光フ
ァイバクランプ4の個数を増やすと、光ファイバクラン
プ4に光ファイバ心線7の余長を結束する作業に手間が
かかるので、工数時間が大幅に増えてしまう。
ァイバ心線7の各々には、製品上避けられない巻き癖が
あるので、余長をループ状の束にまとめようとしても光
ファイバクランプ4のみでは良好に結束できず、光ファ
イバ心線7に捻れが生じたり、局所的に許容曲げ半径以
下になる部分が生じたり、光ファイバ心線7が交差し重
なり合って絡まったりして、製造性を著しく悪くしてい
たとともに光回路要素の光学特性にバラつきを与える大
きな原因になっている。
イバ心線7の余長を固定する従来の方法には、上記のよ
うな欠点があったが、これを解決する提案はなかった。
プのみを用いて基板1に固定する方法が、特開平10−
206647の従来例として記載されている。作業の都
合で光ファイバ心線7の余長をループ状に束ねる必要が
あるときに、一般には基板1上に載置されたループに連
なる光ファイバ心線7の余長をとぐろ状に続けて巻いて
いき、一巡する毎に光ファイバ心線7がばらけないよう
に、すでにある束に光ファイバ心線7を加えて結束して
いく。しかしながら、粘着テープのみを用いて基板1に
固定する方法では、とぐろ状に巻いていった光ファイバ
心線7を結束するたびに、いちいち粘着テープを張り直
さねばならず製造性が著しく悪い。また粘着テープのみ
で固定する方法で信頼性を確保するには、粘着力が4.
0N/10mmを超える強力な粘着テープが使われるた
め、粘着テープを剥がしたりするうちに光ファイバ心線
7に予期せず損傷を与えることが多かった。
線の余長を基板上に粘着テープで仮固定しながら光回路
要素の組み立てができる上、作業上の必要に応じて該仮
固定を容易に解除することもでき、さらに光ファイバ心
線の余長はその長短に応じて基板上の都合の良い位置へ
固定ができるので、従来になく製造性に優れ、大がかり
な製造装置を必要とせず、多品種少量生産に向き、作業
工程の自由度が大きく、大きさ等の制限を受けにくく、
リワークが容易で、光ファイバ心線の処理が容易で、操
作性に優れ、信頼性にも優れる、光ファイバ心線の安価
な保持構造が可能になる。
なされたものであり、その目的は、光ファイバ心線7の
余長を容易に固定できて、製造性、信頼性に優れた光フ
ァイバ心線7の保持構造を提供することにある。
解決するためのものであり、光回路要素を構成する光フ
ァイバ心線の余長を基板上で把持するための構造であっ
て、基板に装着された光ファイバクランプを備えるとと
もに、光ファイバ心線が粘着テープで基板に固定してあ
ることを特徴とする。
形をするケーブル保持片を有し、1本もしくは複数本の
光ファイバ心線を結束することを特徴とする。
1N/10mm乃至4.0N/10mmであることを特
徴とする。
る光ファイバ心線の保持構造について説明する。
を示す上面図である。基板1の上には、融着接続部の保
護スリーブ2、光ファイバカプラ3、光ファイバリール
5、光アイソレータ6など複数の光部品が所望の位置に
固定され、光ファイバ心線7の余長部は、光信号が放射
損失を発生しない程度の曲げ半径3cm以上を維持して
ループ状に束ねられるとともに、基板1上に固定された
光ファイバクランプ4で結束されるとともに粘着テープ
8で固定される。
仮固定する際に用いられるとともに、光ファイバクラン
プ4が光ファイバ心線7を結束する機能を補って光ファ
イバ心線7の束が基板1から離れて遊動すること防ぐ役
割を果たす。
いく作業手順を説明する。融着接続をしてつなぎ足した
部品から順次基板1上の所望の位置に載置していき、光
ファイバ心線7の余長は次の融着接続に必要な部分を残
して基板1上にループを形成して載置しておく。
た光ファイバクランプ4を用いてすぐに光ファイバ心線
7の余長を結束せずに、次の光部品の融着接続が完了す
るまでの間は、融着接続の作業に必要とならない余長部
分をループ状にまとめて基板1上に粘着テープ8で仮固
定しておく。作業上の理由で仮固定を解除する必要があ
るときは、粘着テープを剥がすことができる。そして、
次の融着接続の作業が完了した後に、光部品が基板1上
の所望の位置へ配置できるように光ファイバ心線7の余
長を適宜な曲げ半径のループ状にまとめて光ファイバク
ランプ4で結束する。
面図である。光ファイバクランプ4はその全体が弾性変
形をする合成樹脂で一体成形されており、基板1の貫孔
に弾性を利用して挿入する係合部bを底部に有し、光フ
ァイバクランプ4の上部には2方から互いに接近する方
向に屈曲して延出された形状のケーブル保持片a1とa
2を有する。ケーブル保持片a1とa2の間隙は保持す
る光ファイバ心線の径より小さくなっている。ケーブル
保持片a1とa2は弾性変形をするため、光ファイバ心
線を光ファイバクランプに押し込むと保持片間の間隙が
広がり、光ファイバ心線が光ファイバクランプ4の内側
に結束された後、保持片間の間隙は復元する。
グテイルの長さが短くなる場合、光部品を基板1上の所
望の位置へ配置するには、短くなった光ファイバ心線7
の余長を基板1上に載置する位置を変えて調整を行う必
要がある。
を束ねるループの曲げ半径を変えるが、あらかじめ基板
1上に装着してある光ファイバクランプ4の位置は限ら
れているので、光ファイバ心線7の余長を束ねたループ
を結束できない箇所ができてしまうが、そのような光フ
ァイバ心線7の余長を粘着テープ8で基板1上に固定す
る。このとき光ファイバ心線7に巻き癖があっても、粘
着テープ8で基板1に固定することで、許容曲げ半径以
下にならないようにすることができる。この作業を順次
繰り返すことによって光回路要素が完成する。
クランプ4の位置は、光ファイバ心線7に曲がりが生じ
始める箇所と、光ファイバ心線7の曲線部分は略仮想中
心点に対して45度間隔もしくは60度間隔もしくは9
0度間隔が望ましい。光ファイバ心線7に曲がりが生じ
始める箇所は応力が集中するので、これを緩和する目的
で適宜光ファイバクランプ4の装着個数を増やすことは
効果がある。
明者が試行を繰り返し、得た知見によれば、粘着テープ
8の粘着力はJIS C 2107の4.3もしくはJ
ISZ 0237の4.1によって示されるところの
0.1N/10mm乃至4.0N/10mmの範囲にあ
ると効果が得られることが判明した。
m未満では、光ファイバ心線7の余長の束を基板1に押
さえつける力が弱くなり、基板1から光ファイバ心線7
の束が浮き上がることがあった。また粘着力が4.0N
/10mmを超えると光ファイバ心線7や基板1から粘
着テープ8を剥がす作業が困難になり仮固定に適さない
上、光ファイバ心線7に局所的な曲がりや損傷をあたえ
ることがあった。
ファイバ心線を保持していたものでは、粘着力が4.0
N/10mmを超える強力なテープを用いる必要があっ
た。これに対し、本発明の粘着テープ8は、光ファイバ
心線7の余長を結束している光ファイバクランプ4を補
助し、基板1から光ファイバ心線7の束が浮き上がるの
を防げばよいから粘着力は4.0N/10mmを超えて
強い必要がなく、用いる粘着テープの選択が容易にな
る。本発明に適した粘着テープ8としては、例えば日東
電工株式会社製のN−300がある。
イバクランプ4の略中間部と、光ファイバクランプ4の
近傍で1cm以内が望ましい。
試験する方法には180度引きはがし法、90度引きは
がし法、重ね合せ法がある。180度引きはがし法は、
粘着テープを180度に折り返して定速で引きはがす際
に要する力の平均値を10mm幅当たりに比例換算した
数値を求める。90度引きはがし法は、粘着テープを9
0度の角度で定速で引きはがす際に要する力の平均値を
10mm幅当たりに比例換算した数値を求める。重ね合
せ法は、2枚の試験片を一方の粘着面が他方の背面に接
するようにずらして重ね合わせ、引っ張り、はがれたと
きまたは試験片が切断したときの力の平均値を10mm
幅当たりに比例換算した数値を求める。
保持構造によれば、従来の光ファイバクランプ4だけで
は光ファイバ心線7の余長を十分に結束できずに光ファ
イバ心線7が遊動してしまい光学特性が劣化したり、従
来の粘着テープだけで固定する方法では光ファイバ心線
7が損傷してしまったりする欠点を解消して、光ファイ
バ心線7が基板1から浮き上がり遊動するのを防ぎ、光
学特性が安定するとともに、光ファイバ心線7の余長の
仮固定が容易で固定箇所が限定されず、光ファイバ心線
7に予期せぬ損傷を与えず、工数時間が削減される光フ
ァイバ心線7の保持構造が実現する。
示す上面図である。図中の符号が示す意味については、
前述してあるため説明を省略する。
ープ8に用いて、図1に示される光回路要素を試作し広
帯域光源を構成したところ、光ファイバ心線7の余長を
処理する作業性が著しく改善された。従来例の光ファイ
バクランプ4のみで光ファイバ心線7の余長を把持固定
した光回路要素で構成した広帯域光源と比較した結果を
表1に示す。表1において、従来例における工数時間を
100としたとき、本発明による工数時間は69.0の
比率であることを表している。
組み立てに要した工数時間は約30%短縮され210分
となった。
それぞれ10台ずつ試作し、40℃、95%RHの高温
高湿度環境へ96時間放置した結果を表2に示す。
が0.7dB以上の変動があった場合を不良とし、その
台数の比率を表す。すなわち、本発明による広帯域光源
では光学特性に問題となる変動は確認されなかったのに
対し、従来の方法で試作した広帯域光源は10台中7台
が不良となり、そのうち1台は光ファイバ心線7の余長
に断線が起きた。
成する光ファイバ心線の余長を基板上で把持するための
構造であって、基板に装着された光ファイバクランプを
備えるとともに、光ファイバ心線が粘着テープで基板に
固定してあることを特徴とする光ファイバ心線の保持構
造とすることにより、光ファイバ心線の余長を基板上に
粘着テープで仮固定しながら光回路要素の組み立てがで
きる上、作業上の必要に応じて該仮固定を容易に解除す
ることもでき、さらに光ファイバ心線の余長はその長短
に応じて基板上の都合の良い位置へ固定ができるので、
従来になく製造性に優れ、大がかりな製造装置を必要と
せず、多品種少量生産に向き、作業工程の自由度が大き
く、大きさ等の制限を受けにくく、リワークが容易で、
光ファイバ心線の処理が容易で、操作性に優れ、信頼性
にも優れる、光ファイバ心線の安価な保持構造が可能に
なる。
を示す上面図である。
る。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】光回路要素を構成する光ファイバ心線の余
長部を基板上で保持するための構造であって、上記光フ
ァイバ心線は基板に装着された光ファイバクランプで保
持するとともに、粘着テープで基板に固定してあること
を特徴とする光ファイバ心線の保持構造。 - 【請求項2】前記光ファイバクランプが、弾性変形をす
るケーブル保持片を有し、1本もしくは複数本の光ファ
イバ心線を結束して保持することを特徴とする請求項1
に記載の光ファイバ心線の保持構造。 - 【請求項3】前記粘着テープの粘着力が、0.1N/1
0mm乃至4.0N/10mmであることを特徴とする
請求項1に記載の光ファイバ心線の保持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002052252A JP2003255145A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 光ファイバ心線の保持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002052252A JP2003255145A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 光ファイバ心線の保持構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003255145A true JP2003255145A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28664001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002052252A Pending JP2003255145A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 光ファイバ心線の保持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003255145A (ja) |
-
2002
- 2002-02-27 JP JP2002052252A patent/JP2003255145A/ja active Pending
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