JP2003253800A - 床振動を低減する構造 - Google Patents
床振動を低減する構造Info
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Abstract
床振動を低減する。 【解決手段】 上下階の床スラブ10,12の間に支持
部材14を設ける。支持部材14はナットハンドル26
の回転に応じて伸縮するよう構成され、床スラブ10,
12を剛体的に連結する。かかる連結による連成効果に
よって床スラブ10,12の振動が低減される。別の実
施形態では、支持部材は粘弾性体を含み、この粘弾性体
が床スラブ10,12の振動に応じて変形することで振
動エネルギーを吸収する。
Description
減するための構造に関する。
下階間の音の伝達を抑えることが必要とされる。床の遮
音性を向上させるための方法として、従来より、大梁の
間に小梁を設けて1枚のスラブの面積を小さくすること
や、スラブを厚くすること等により床スラブの振動を抑
えることが行なわれている。このうち、前者のように小
梁を設ける方法では梁型が居住空間に出っ張ってしまい
居住性を悪化させるため、一般には、後者のようにスラ
ブ厚を大きくする方法を採用することが多い。
われる工場でも、僅かな床振動が歩留まり低下等の悪影
響を及ぼすため、床の振動を抑える必要がある。この場
合も、工場内の空間を有効利用できるように、床を厚く
して剛性を高めることによって床振動を低減することが
一般的である。
り、床振動の低減を図るための方法として、スラブ厚を
増大させることが一般的である。しかしながら、スラブ
厚を増大させると建物の重量が増加し、ひいては地震力
の増加につながることとなる。このため、建物の耐震性
を確保するために躯体数量や基礎杭の増加等が必要にな
り、その結果、建築コストが大幅に上昇してしまう。
あり、床のスラブ厚を増大させることなく、建物の床振
動を低減することを目的とする。
め、請求項1に記載された発明は、建物の床振動を低減
する構造であって、前記建物の上下に隣合う階の床スラ
ブを互いに連結する剛体の支持部材を設けたことを特徴
とする。
スラブが剛体の支持部材で互いに連結される。このた
め、両床スラブの連成効果によって、床スラブの有効剛
性および有効質量が増大し、これにより、床スラブの振
動が低減される。
の床振動を低減する構造であって、前記建物の上下に隣
合う階の床スラブを互いに連結する支持部材を設け、該
支持部材は前記床スラブの振動に応じて変形することに
より振動エネルギーを吸収する減衰部材を含むことを特
徴とする。
スラブが支持部材で互いに連結され、この支持部材は、
床スラブの振動エネルギーを吸収する減衰部材を含む。
このため、床スラブに振動が生じても、減衰部材が振動
エネルギーを吸収することにより振動は速やかに減衰
し、これにより、床スラブの振動が低減される。
る床振動低減構造を表す正面図である。同図に示すよう
に、本実施形態の構造では、建物のある階の床スラブ1
0と、一つ上の階の床スラブ12との間に、支持部材1
4が設けられている。支持部材14は、室内の間仕切壁
20の内部に配置されている。また、支持部材14は、
2本の鋼管22,24が軸方向に連結された構成を有し
ており、その連結部に設けられたナットハンドル26の
回転により伸縮するように構成されている。そして、ピ
ン28を差し込むことにより、支持部材14の伸縮をロ
ックすることができる。
持部材14をその長さが床スラブ10,12の間隔より
少し小さくなるように縮めた状態で設置する。そして、
ナットハンドル26を回転することにより、支持部材1
4の両端が床スラブ10,12間に突っ張るまで支持部
材14を伸長させた状態でピン28によりロックした
後、支持部材14の両端部を床スラブ10,12に固定
する。
階の床スラブ10,12を剛体的に連結する。このた
め、図2に模式的に示すように、床スラブ10と床スラ
ブ12との連成効果によって有効剛性および有効質量が
増加することにより、例えば、床スラブ10または12
の上で人が飛び跳ねるなどした場合にも床スラブ10,
12に生ずる振動は低減される。このように、本実施形
態によれば、支持部材14を設けるだけの簡単な構成
で、床スラブ10,12の厚さを増大させることなく床
振動を低減することができ、また、床スラブ10,12
の振動低減によって遮音性を向上させることもできる。
部に設けられるので邪魔にならず、室内空間の居住性や
機能性が損なわれることもない。さらに、支持部材14
は伸縮可能に構成されているので取り付け・取り外しが
簡単であり、支持部材14の交換・移動や、既存建物へ
の支持部材14の取り付けも容易に行なうことができ
る。
述べる。なお、以下の各実施形態を示す図面において上
記図1と同様の構成部分には同一の符号を付して説明を
省略する。
面図である。本実施形態では、床スラブ10,12の間
に支持部材100が設けられている。支持部材100
は、鋼管102と、鋼管102の下端部に設けられたナ
ットハンドル104と、ナットハンドル104の回転に
応じて鋼管102の下端から進退移動する進退部106
とを備えている。また、本実施形態では、下階の床スラ
ブ10の上方に床板30が設置された二重床構造となっ
ており、支持部材100のナットハンドル104は床ス
ラブ10と床板30の間の空間に収容されるように配置
されている。支持部材100を取り付ける場合は、ナッ
トハンドル104の回転により進退部106を突出させ
て支持部材100を床スラブ10,12間に突っ張らせ
た状態で、その両端部を床スラブ10,12に固定す
る。
様に、支持部材100が床スラブ10,12を剛体的に
連結することで、床スラブ10,12の振動の低減およ
び遮音性能の向上を図ることができる。また、ナットハ
ンドル104が床板20の下に隠れるので、側方へ突出
するナットハンドル104を、幅の狭い間仕切り板20
の内部に設ける必要がなくなる。
であり、同図(a)は正面図を、また、同図(b)は同
図(a)のA−A断面図を、夫々示す。本実施形態で
は、床スラブ10,12の間に支持部材200が設けら
れている。支持部材200は、2本の鋼管202,20
4が粘弾性体206を介して連結された構成を有してい
る。下側の鋼管202の下端は床スラブ10に固定さ
れ、上側の鋼管204の下端部が床スラブ12に固定さ
れている。そして、鋼管202,204の連結部におい
て、一方の鋼管が他方の鋼管の内側へ挿入されており、
この挿入部において両者間に粘弾性体206が介装され
ている。
12に振動が生ずると、それに伴って鋼管202または
204も上下に振動し、鋼管202,204の相対的な
振動に応じて粘弾性体206に繰り返しせん断変形が生
ずる。かかる粘弾性体206のせん断変形により振動エ
ネルギーが吸収され、これにより、床スラブ10,12
の振動が減衰させられる。このように、床スラブ10,
12に振動が生じても、その振動は速やかに減衰する。
したがって、本実施形態によれば、床スラブ10,12
の振動を低減し、また、遮音性を向上させることができ
る。
でせん断変形するので、支持部材200の製作時にその
全長をさほど高い精度で調整しなくとも、取り付け時に
粘弾性体206のせん断変形量で全長を微調整すること
が可能である。したがって、本実施形態によれば、支持
部材200の設計・製作が容易となるという効果も得ら
れる。
あり、同図(a)は正面図を、また、(b)は同図
(a)のB−B断面図を、夫々示す。本実施形態では、
床スラブ10,12の間に支持部材300が設けられて
いる。支持部材300は、コの字型断面を有するチャネ
ル302,304が粘弾性体306を介して連結された
構成を有している。下側のチャネル302の下端部は床
スラブ10に固定され、上側のチャネル304の上端部
は床スラブ12に固定されている。そして、チャネル3
02,304はその連結部において重なりあうように配
置され、この重なり合った部分において両者間に粘弾性
体306が介装されている。
に、床スラブ10または12の振動に応じて粘弾性体3
06が繰り返しせん断変形して振動エネルギーを吸収す
ることにより、床スラブ10,12の振動が低減され、
また、遮音性も向上する。また、粘弾性体306のせん
断変形によって支持部材300の全長が変化するので、
支持部材300の設計・製作が容易となる。
あり、同図(a)は正面図を、また、同図(b)は同図
(a)を側方から見た図である。本実施形態では、床ス
ラブ10,12の間に支持部材400が設けられてい
る。支持部材400は、全長の大きい上側の角型鋼管4
02と全長の小さい下側の角型鋼管404とにより構成
されており、下側の角型鋼管404の下端部には粘弾性
体406が取り付けられている。
体406の下面側を床スラブ10に固定することにより
下側の角型鋼管404を床スラブ10に取り付けると共
に、上側の角型鋼管402をその下端部が角型鋼管40
2を外側から覆うように配置し、その状態で、角型鋼管
402の上端部を床スラブ12に固定する。そして、角
型鋼管402の下端近傍に設けた長穴402aから角型
鋼管404へボルト408を締め込むことで角型鋼管4
02,404を連結する。このような手順で支持部材4
00を取り付けることにより、粘弾性体406に角型鋼
管402の重量がかかるのを防止することができる。ま
た、角型鋼管402,404の連結の際に長穴402a
を通してボルト締めするので、支持部材400の全長を
床スラブ10,12の間隔に合わせて調整することがで
きる。
12に振動が生ずると、それに伴って粘弾性体406が
繰り返し引張・圧縮変形して振動エネルギーを吸収する
ことにより、床スラブ10,12の振動が低減され、遮
音性能も向上する。本実施形態では、粘弾性体406に
引張・圧縮変形を生じさせるので、小さな振幅の振動に
対しても大きな減衰力を発生させることができ、これに
より、大きな振動低減効果を得ることができる。
粘弾性体206,306,406の厚さや面積は自由に
設定可能である。したがって、所望の減衰性能が得られ
るように、これら粘弾性体の厚さや面積を適宜設計する
ことができる。
せることなく、建物の床振動を低減することができる。
るための図である。
(a)は正面図を、また、同図(b)は同図(a)のA
−A断面図を、夫々示す。
(a)は正面図を、また、(b)は同図(a)のB−B
断面図を、夫々示す。
(a)は正面図を、また、同図(b)は同図(a)を側
方から見た図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 建物の床振動を低減する構造であって、
前記建物の上下に隣合う階の床スラブを互いに連結する
剛体の支持部材を設けたことを特徴とする構造。 - 【請求項2】 建物の床振動を低減する構造であって、
前記建物の上下に隣合う階の床スラブを互いに連結する
支持部材を設け、該支持部材は前記床スラブの振動に応
じて変形することにより振動エネルギーを吸収する減衰
部材を含むことを特徴とする構造。
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JP2002057375A JP3899959B2 (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 床振動を低減する構造 |
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KR101105047B1 (ko) | 2011-01-27 | 2012-01-16 | 김종찬 | 철도역사 하부공간을 이용한 영화관의 방진장치 |
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- 2002-03-04 JP JP2002057375A patent/JP3899959B2/ja not_active Expired - Fee Related
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