JP2003253444A - 化学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法およびその原料溶液 - Google Patents
化学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法およびその原料溶液Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】溶液気化により原料を供給し、水素雰囲気中、
CVD法で銅配線薄膜を製造する方法において、好適な
銅化合物溶液を提供し、その溶液を用いて銅配線薄膜を
製造する方法を提供することである。 【解決手段】Cu(dibm)2のシクロヘキサン溶液
は青紫色透明液体で、析出物なく完全に溶解し、3ケ月
後も沈殿の生成がなく、長いポットライフを有する。こ
の溶液を200℃の蒸発器で蒸発させ、反応圧力2To
rr、170℃に加熱されたSiO2/Si基板上に、
H2ガスと共にRF誘導コイルを設置したCVD室に導
入して、堆積させると、比抵抗率1.8μΩ・cmの良
好な銅配線膜が形成できる。
CVD法で銅配線薄膜を製造する方法において、好適な
銅化合物溶液を提供し、その溶液を用いて銅配線薄膜を
製造する方法を提供することである。 【解決手段】Cu(dibm)2のシクロヘキサン溶液
は青紫色透明液体で、析出物なく完全に溶解し、3ケ月
後も沈殿の生成がなく、長いポットライフを有する。こ
の溶液を200℃の蒸発器で蒸発させ、反応圧力2To
rr、170℃に加熱されたSiO2/Si基板上に、
H2ガスと共にRF誘導コイルを設置したCVD室に導
入して、堆積させると、比抵抗率1.8μΩ・cmの良
好な銅配線膜が形成できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液気化により原
料を供給し、化学気相成長法(以下CVD法という)に
て銅配線薄膜の製造方法とその原料溶液に関する。
料を供給し、化学気相成長法(以下CVD法という)に
て銅配線薄膜の製造方法とその原料溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化に伴う配線材料とし
て、低抵抗率、高エレクトロマイグレーション耐性、高
ストレス耐性、高融点の銅及び銅系合金が応用されてい
る。銅配線薄膜形成法としては、電解メッキ法、スパッ
タ法などに加えて、高集積化に伴い、細孔内への形成が
可能なCVD法が最適な薄膜製造プロセスとして検討さ
れている。
て、低抵抗率、高エレクトロマイグレーション耐性、高
ストレス耐性、高融点の銅及び銅系合金が応用されてい
る。銅配線薄膜形成法としては、電解メッキ法、スパッ
タ法などに加えて、高集積化に伴い、細孔内への形成が
可能なCVD法が最適な薄膜製造プロセスとして検討さ
れている。
【0003】CVD法による銅配線の検討は、主にヘキ
サフルオロアセチルアセトナート銅・トリメチルビニル
シランというI価の銅化合物を原料として、熱不均化反
応による銅薄膜形成方法が行われてきた。しかしこの方
法は、原料化合物の気化時の熱安定性が低いこと、不均
化反応による成膜のため制御性がやや劣ること、膜中に
フッ化物が生じるなどの欠点があった。そこでフッ素を
含まない配位子を有するII価の銅化合物を用い、より
量産性が高く、制御性のよい水素還元成膜方法が検討さ
れはじめた。
サフルオロアセチルアセトナート銅・トリメチルビニル
シランというI価の銅化合物を原料として、熱不均化反
応による銅薄膜形成方法が行われてきた。しかしこの方
法は、原料化合物の気化時の熱安定性が低いこと、不均
化反応による成膜のため制御性がやや劣ること、膜中に
フッ化物が生じるなどの欠点があった。そこでフッ素を
含まない配位子を有するII価の銅化合物を用い、より
量産性が高く、制御性のよい水素還元成膜方法が検討さ
れはじめた。
【0004】その一つとして、平成13年度応用物理学
会九州支部学術講演会講演予稿集,vol.27,1C
a−13,p73(2001.12)で、竹中、白谷ら
は、特開2001−181840で開示されたビス(6
−エチル−2,2−ジメチル−3,5−デカンジオナー
ト)銅[Cu(C14H25O2)2]のオクタン溶液
を用いた水素プラズマCVD法による銅配線膜の製造法
を開示している。該化合物はフッ素を含まず、室温で液
体であり好都合であるが、カーボン数が多い配位子で、
蒸気圧が0.3Torr/175℃と低い。さらに、銅
含量は12.4%と低く、量産にはより銅含量の大きな
銅化合物が好ましい。
会九州支部学術講演会講演予稿集,vol.27,1C
a−13,p73(2001.12)で、竹中、白谷ら
は、特開2001−181840で開示されたビス(6
−エチル−2,2−ジメチル−3,5−デカンジオナー
ト)銅[Cu(C14H25O2)2]のオクタン溶液
を用いた水素プラズマCVD法による銅配線膜の製造法
を開示している。該化合物はフッ素を含まず、室温で液
体であり好都合であるが、カーボン数が多い配位子で、
蒸気圧が0.3Torr/175℃と低い。さらに、銅
含量は12.4%と低く、量産にはより銅含量の大きな
銅化合物が好ましい。
【0005】日本国特許第2799763号では、キャ
リヤーガスを導入して、固体のビス(ジイソブチリルメ
タナート)銅[ビス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプ
タンジオナート)銅、Cu(C9H15O2)2、以下
Cu(dibm)2と表す]を昇華させ、CVD法によ
り銅薄膜を製造する方法を開示している。しかし、この
方式は大量の気化量が得にくいこと、気化の安定性、定
量性に問題があることなどから量産には向いていない。
また、水素雰囲気でないので、銅膜中に炭素が残りやす
く、導電性がやや低い傾向になる。
リヤーガスを導入して、固体のビス(ジイソブチリルメ
タナート)銅[ビス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプ
タンジオナート)銅、Cu(C9H15O2)2、以下
Cu(dibm)2と表す]を昇華させ、CVD法によ
り銅薄膜を製造する方法を開示している。しかし、この
方式は大量の気化量が得にくいこと、気化の安定性、定
量性に問題があることなどから量産には向いていない。
また、水素雰囲気でないので、銅膜中に炭素が残りやす
く、導電性がやや低い傾向になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本課題は、CVD法に
よる量産に適した銅配線膜の製造方法を提供することで
ある。また、その銅化合物原料溶液を提供することであ
る。
よる量産に適した銅配線膜の製造方法を提供することで
ある。また、その銅化合物原料溶液を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Cu(d
ibm)2が銅含量が17.0%と高く、融点は130
℃と室温では固体であるが、C6〜C10の飽和炭化水
素溶媒によく溶け安定であること、その溶液の気化特性
が優れていること、その気化したガスを用いて水素雰囲
気中でCVDを行い、良好な銅配線膜が得られることを
見出し本発明を完成するに至った。
ibm)2が銅含量が17.0%と高く、融点は130
℃と室温では固体であるが、C6〜C10の飽和炭化水
素溶媒によく溶け安定であること、その溶液の気化特性
が優れていること、その気化したガスを用いて水素雰囲
気中でCVDを行い、良好な銅配線膜が得られることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0008】本発明は、溶液気化により原料を供給し、
水素雰囲気中、化学気相成長法で銅配線薄膜を製造する
方法において、原料化合物としてCu(dibm)2を
用いることを特徴とするCVD法による銅配線薄膜の製
造方法である。
水素雰囲気中、化学気相成長法で銅配線薄膜を製造する
方法において、原料化合物としてCu(dibm)2を
用いることを特徴とするCVD法による銅配線薄膜の製
造方法である。
【0009】本発明は、溶液の溶媒がC6〜C10の飽
和鎖状炭化水素または飽和環状炭化水素よりなる群から
選ばれる1種または2種以上であることを特徴とするC
VD法による銅配線薄膜の製造方法である。
和鎖状炭化水素または飽和環状炭化水素よりなる群から
選ばれる1種または2種以上であることを特徴とするC
VD法による銅配線薄膜の製造方法である。
【0010】本発明は、溶液の溶媒がシクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンより選ば
れる1種であることを特徴とするCVD法による銅配線
薄膜の製造方法である。
メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンより選ば
れる1種であることを特徴とするCVD法による銅配線
薄膜の製造方法である。
【0011】本発明は、基板温度が130〜350℃で
あることを特徴とするCVD法による銅配線薄膜の製造
方法である。
あることを特徴とするCVD法による銅配線薄膜の製造
方法である。
【0012】本発明は、水素プラズマを用いるCVD法
であることを特徴とするCVD法による銅配線薄膜の製
造方法である。
であることを特徴とするCVD法による銅配線薄膜の製
造方法である。
【0013】本発明は、Cu(dibm)2をC6〜C
10の飽和鎖状炭化水素または飽和環状炭化水素に溶解
してなるCVD法の原料溶液である。
10の飽和鎖状炭化水素または飽和環状炭化水素に溶解
してなるCVD法の原料溶液である。
【0014】本発明は、溶液の溶媒がシクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンより選ば
れる1種であることを特徴とするCVD法の原料溶液で
ある。
メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンより選ば
れる1種であることを特徴とするCVD法の原料溶液で
ある。
【0015】本発明は、水−アルコール溶媒中で硝酸第
二銅とジイソブチリルメタン(以下dibmHと表す)
とアンモニア水を反応させ、得られた粗結晶を水洗・乾
燥した後、昇華回収して得た、気化率99%以上のCu
(dibm)2を用いることを特徴とするCVD法によ
る銅配線薄膜の製造方法である。
二銅とジイソブチリルメタン(以下dibmHと表す)
とアンモニア水を反応させ、得られた粗結晶を水洗・乾
燥した後、昇華回収して得た、気化率99%以上のCu
(dibm)2を用いることを特徴とするCVD法によ
る銅配線薄膜の製造方法である。
【0016】本発明は、水−アルコール溶媒中で硝酸第
二銅とdibmHとアンモニア水を反応させ、得られた
粗結晶を水洗・乾燥した後、昇華回収して得た、気化率
99%以上のCu(dibm)2を用いることを特徴と
するCVD法の原料溶液である。
二銅とdibmHとアンモニア水を反応させ、得られた
粗結晶を水洗・乾燥した後、昇華回収して得た、気化率
99%以上のCu(dibm)2を用いることを特徴と
するCVD法の原料溶液である。
【0017】
【発明の実施の形態】Cu(dibm)2は、例えばd
ibmHと金属無機酸塩(塩化物、硝酸塩、硫酸塩等)
あるいは金属カルボン酸塩(ギ酸塩、酢酸塩等)との水
−アルコール溶液から合成し、得られた粗結晶を水洗し
た後、乾燥させることによって得ることができる。
ibmHと金属無機酸塩(塩化物、硝酸塩、硫酸塩等)
あるいは金属カルボン酸塩(ギ酸塩、酢酸塩等)との水
−アルコール溶液から合成し、得られた粗結晶を水洗し
た後、乾燥させることによって得ることができる。
【0018】硝酸第二銅と1〜1.1当量のdibmH
を水−アルコール溶媒中に溶かし、pH7〜8となるま
でアンモニア水を加えるとCu(dibm)2の粗結晶
が得られる。これをイオン交換水で洗浄した後、溶媒、
未反応dibmHを常圧〜減圧で留去する。精製は再結
晶でも可能であるが、0.01〜1Torrでの真空昇
華が好ましい。こうすることにより溶液気化用原料とし
て最適な、パーティクルや不揮発分を含まない、完全な
揮発成分のみのCu(dibm)2が得られる。
を水−アルコール溶媒中に溶かし、pH7〜8となるま
でアンモニア水を加えるとCu(dibm)2の粗結晶
が得られる。これをイオン交換水で洗浄した後、溶媒、
未反応dibmHを常圧〜減圧で留去する。精製は再結
晶でも可能であるが、0.01〜1Torrでの真空昇
華が好ましい。こうすることにより溶液気化用原料とし
て最適な、パーティクルや不揮発分を含まない、完全な
揮発成分のみのCu(dibm)2が得られる。
【0019】以下に実施例1で得られたCu(dib
m)2のCVDに必要な主な物性の測定結果を記す。 (1)組成分析 ICP発光分光分析の結果 Cu分析値 16.76% (理論値16.99%)
m)2のCVDに必要な主な物性の測定結果を記す。 (1)組成分析 ICP発光分光分析の結果 Cu分析値 16.76% (理論値16.99%)
【0020】(2)不純物分析
ICP発光分光分析の結果(単位ppm)
Al 1,Ca 1,Cr 1,Fe 1,K<1,N
a 5,Mg 2,Zn<1, であり、高純度であった。 また、全Cl分析の結果、Clは<2ppmであった。
a 5,Mg 2,Zn<1, であり、高純度であった。 また、全Cl分析の結果、Clは<2ppmであった。
【0021】(3)性状と融点
紫色固体
融点 130℃
【0022】(4)蒸気圧
105℃/0.1Torr
【0023】(5)TG−DTA
測定条件
昇温速度10.0deg/min,1気圧,Ar200
sccm, 試料21.58mg, 測定結果を図1に示す。図1よりCu(dibm)2は
300℃以下で熱分解している様子はない。350℃で
の気化率が99.24%で100%ではないが、試料皿
には何も残っていなかったことから、計量誤差であり、
完全に気化したと考えられる。特許請求範囲の気化率と
は、上記測定条件で測定したTG−DTAで350℃で
の質量減%で定義する。なお、65℃付近の吸熱は結晶
構造の2次転移によるものと推定され、130℃付近の
吸熱が融解によるものである。
sccm, 試料21.58mg, 測定結果を図1に示す。図1よりCu(dibm)2は
300℃以下で熱分解している様子はない。350℃で
の気化率が99.24%で100%ではないが、試料皿
には何も残っていなかったことから、計量誤差であり、
完全に気化したと考えられる。特許請求範囲の気化率と
は、上記測定条件で測定したTG−DTAで350℃で
の質量減%で定義する。なお、65℃付近の吸熱は結晶
構造の2次転移によるものと推定され、130℃付近の
吸熱が融解によるものである。
【0024】(6)溶解度
溶媒1Lに室温で溶解する質量(単位g)を表1に示
す。比較にCu(dpm)2のヘキサン中への溶解度は
54gであることから、Cu(dibm)2がかなりよ
くこれらの溶媒に溶けることがわかる。
す。比較にCu(dpm)2のヘキサン中への溶解度は
54gであることから、Cu(dibm)2がかなりよ
くこれらの溶媒に溶けることがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】溶媒は、Cu(dibm)2の溶解性が高
く、かつ水素添加反応の起こらない有機溶媒で、溶媒の
先飛び現象が起きにくく、蒸気圧が高いものが好まし
い。このような溶媒としてC6〜C10の飽和炭化水素
が好ましい。特に好ましいのはCu(dibm)2を高
濃度に溶解できるシクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサンである。
く、かつ水素添加反応の起こらない有機溶媒で、溶媒の
先飛び現象が起きにくく、蒸気圧が高いものが好まし
い。このような溶媒としてC6〜C10の飽和炭化水素
が好ましい。特に好ましいのはCu(dibm)2を高
濃度に溶解できるシクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサンである。
【0027】溶媒の濃度は0.05〜0.5mol/L
の範囲で選べばよい。上限は溶媒の飽和濃度によって異
なるので、測定して決定すればよい。
の範囲で選べばよい。上限は溶媒の飽和濃度によって異
なるので、測定して決定すればよい。
【0028】気化器温度は130〜220℃である。こ
の温度で、熱分解することなく全量が気化し、固体分の
析出がなく、長期間にわたり使用できる。蒸気圧が十分
得られるのは130℃以上なので、この温度以上であれ
ばCu(dibm)2は液体であることから、固体析出
の心配が全くないことも本化合物を使う利点である。
の温度で、熱分解することなく全量が気化し、固体分の
析出がなく、長期間にわたり使用できる。蒸気圧が十分
得られるのは130℃以上なので、この温度以上であれ
ばCu(dibm)2は液体であることから、固体析出
の心配が全くないことも本化合物を使う利点である。
【0029】成膜温度は130〜350℃が好ましい。
CVD室の圧力は全圧0.1〜50Torrであり、水
素分圧は10〜100%の範囲である。一般には全圧1
〜10Torrである。水素を還元剤として用いること
により、低温で良好な銅膜を作ることが出来る。
CVD室の圧力は全圧0.1〜50Torrであり、水
素分圧は10〜100%の範囲である。一般には全圧1
〜10Torrである。水素を還元剤として用いること
により、低温で良好な銅膜を作ることが出来る。
【0030】基板には、SiO2/Si,TiN/S
i,TaN/Si等が用いられる。
i,TaN/Si等が用いられる。
【0031】水素プラズマを用いることにより、成膜温
度を下げ、かつ膜の基板への密着性を上げることが出来
る。その場合の成膜温度は130〜250℃である。
度を下げ、かつ膜の基板への密着性を上げることが出来
る。その場合の成膜温度は130〜250℃である。
【0032】このようにして得られた銅膜は、比抵抗率
が1.8〜2.0μΩ・cmとバルク値(1.72μΩ
・cm)に近く、銅配線膜として充分な導電性を有して
いた。
が1.8〜2.0μΩ・cmとバルク値(1.72μΩ
・cm)に近く、銅配線膜として充分な導電性を有して
いた。
【0033】また、本原料溶液はALD(Atomic
Layer Deposition)の原料としても
使用可能で、水素含有ガスと交互供給して銅薄膜を形成
することができる。
Layer Deposition)の原料としても
使用可能で、水素含有ガスと交互供給して銅薄膜を形成
することができる。
【0034】
【実施例1】Cu(dibm)2の製造
攪拌子を備えた500ml三つ口フラスコにメタノール
70mlとdibmH7.1g(45.4mmol)を
仕込み、次いで硝酸第二銅三水和物5.0g(20.7
mmol)をイオン交換水8.4gで溶解した溶液を攪
拌下添加した。次いで28%アンモニア水1.3gをイ
オン交換水9.0gで希釈したものを滴下ロートより添
加すると、液中に紫色の粗製Cu(dibm)2が析出
しはじめ、液温もわずかに上昇し、反応溶液はpH7.
5となった。これをそのまま室温で2時間攪拌した後、
粗製Cu(dibm)2の結晶を濾過で分離し、さらに
この結晶をイオン交換水200mlで洗い流して分離・
回収した。回収した結晶を釜温度100〜110℃、圧
力1〜2Torrで溶媒や未反応dibmHを留去し、
粗製Cu(dibm)2を得た。この粗製Cu(dib
m)2を、加熱温度140℃、圧力0.1〜0.2To
rrで昇華し、精製品6.2gを得た。収率66.7%
であった。
70mlとdibmH7.1g(45.4mmol)を
仕込み、次いで硝酸第二銅三水和物5.0g(20.7
mmol)をイオン交換水8.4gで溶解した溶液を攪
拌下添加した。次いで28%アンモニア水1.3gをイ
オン交換水9.0gで希釈したものを滴下ロートより添
加すると、液中に紫色の粗製Cu(dibm)2が析出
しはじめ、液温もわずかに上昇し、反応溶液はpH7.
5となった。これをそのまま室温で2時間攪拌した後、
粗製Cu(dibm)2の結晶を濾過で分離し、さらに
この結晶をイオン交換水200mlで洗い流して分離・
回収した。回収した結晶を釜温度100〜110℃、圧
力1〜2Torrで溶媒や未反応dibmHを留去し、
粗製Cu(dibm)2を得た。この粗製Cu(dib
m)2を、加熱温度140℃、圧力0.1〜0.2To
rrで昇華し、精製品6.2gを得た。収率66.7%
であった。
【0035】
【実施例2】50mlのメスフラスコ中でCu(dib
m)23.7gを、シクロヘキサンで50ml溶液に調
製し、濃度0.2mol/lの溶液フラッシュ用CVD
原料としてのポットライフを、目視で沈殿の有無を確認
することによって調べた。この溶液は青紫色液体で、析
出物なく完全に溶解し、3ケ月後も沈殿の発生はなかっ
た。
m)23.7gを、シクロヘキサンで50ml溶液に調
製し、濃度0.2mol/lの溶液フラッシュ用CVD
原料としてのポットライフを、目視で沈殿の有無を確認
することによって調べた。この溶液は青紫色液体で、析
出物なく完全に溶解し、3ケ月後も沈殿の発生はなかっ
た。
【0036】
【実施例3】Cu(dibm)2の溶液気化CVDによ
る銅薄膜の製造 フラッシュ蒸発器を備えた減圧熱CVD装置系の原料容
器に濃度0.2mol/LのCu(dibm)2シクロ
ヘキサン溶液を入れ、0.1ml/minで蒸発器に送
った。蒸発器の温度は200℃とし、蒸発したガスと予
熱したArガス50sccmを合わせてCVD室に送
り、入り口でH2ガス250sccmを合わせた。反応
圧力2Torr、300℃に加熱されたSiO2/Si
基板上に導き、熱分解堆積させ、約80nmの厚さの薄
膜を得た。この結晶構造をXRDで分析した結果、銅の
結晶構造であった。また、比抵抗率は1.9μΩ・cm
であった。
る銅薄膜の製造 フラッシュ蒸発器を備えた減圧熱CVD装置系の原料容
器に濃度0.2mol/LのCu(dibm)2シクロ
ヘキサン溶液を入れ、0.1ml/minで蒸発器に送
った。蒸発器の温度は200℃とし、蒸発したガスと予
熱したArガス50sccmを合わせてCVD室に送
り、入り口でH2ガス250sccmを合わせた。反応
圧力2Torr、300℃に加熱されたSiO2/Si
基板上に導き、熱分解堆積させ、約80nmの厚さの薄
膜を得た。この結晶構造をXRDで分析した結果、銅の
結晶構造であった。また、比抵抗率は1.9μΩ・cm
であった。
【0037】
【実施例4】水素プラズマを用いたCu(dibm)2
の溶液気化CVDによる銅薄膜の製造 フラッシュ蒸発器を備えた減圧熱CVD装置系の原料容
器に濃度0.2mol/LのCu(dibm)2シクロ
ヘキサン溶液を入れ、0.1ml/minで蒸発器に送
った。蒸発器の温度は200℃とし、蒸発したガスと予
熱したArガス50sccmとH2ガス250sccm
と合わせ水素原子源用のRF誘導コイルを設置したCV
D室に送った。反応圧力2Torr、170℃に加熱さ
れたSiO2/Si基板上に導き、12.5Hz、14
0Wの電力を供給して堆積させ、約90nmの厚さの薄
膜を得た。この結晶構造をXRDで分析した結果、銅の
結晶構造であった。また、比抵抗率は1.8μΩ・cm
であった。
の溶液気化CVDによる銅薄膜の製造 フラッシュ蒸発器を備えた減圧熱CVD装置系の原料容
器に濃度0.2mol/LのCu(dibm)2シクロ
ヘキサン溶液を入れ、0.1ml/minで蒸発器に送
った。蒸発器の温度は200℃とし、蒸発したガスと予
熱したArガス50sccmとH2ガス250sccm
と合わせ水素原子源用のRF誘導コイルを設置したCV
D室に送った。反応圧力2Torr、170℃に加熱さ
れたSiO2/Si基板上に導き、12.5Hz、14
0Wの電力を供給して堆積させ、約90nmの厚さの薄
膜を得た。この結晶構造をXRDで分析した結果、銅の
結晶構造であった。また、比抵抗率は1.8μΩ・cm
であった。
【0038】
【発明の効果】溶液フラッシュCVDにより銅配線膜を
成膜するための原料溶液としてCu(dibm)2を用
い、水素雰囲気中でCVDを行うことにより、比抵抗率
が1.8〜2.0μΩ・cmの良好な銅配線膜が得られ
る。また、本溶液は気化特性に優れ、安定であること、
銅含量が高い原料であることから、銅配線膜の量産に有
効である。
成膜するための原料溶液としてCu(dibm)2を用
い、水素雰囲気中でCVDを行うことにより、比抵抗率
が1.8〜2.0μΩ・cmの良好な銅配線膜が得られ
る。また、本溶液は気化特性に優れ、安定であること、
銅含量が高い原料であることから、銅配線膜の量産に有
効である。
【図1】Cu(dibm)2のTG−DTAによる測定
結果を示す図である。
結果を示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】溶液気化により原料を供給し、水素雰囲気
中、化学気相成長法で銅配線薄膜を製造する方法におい
て、原料化合物としてビス(ジイソブチリルメタナー
ト)銅を用いることを特徴とする化学気相成長法による
銅配線薄膜の製造方法。 - 【請求項2】溶液の溶媒がC6〜C10の飽和鎖状炭化
水素または飽和環状炭化水素よりなる群から選ばれる1
種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記
載の化学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法。 - 【請求項3】溶液の溶媒がシクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサンより選ばれる1種で
あることを特徴とする請求項1に記載の化学気相成長法
による銅配線薄膜の製造方法。 - 【請求項4】基板温度が130〜350℃であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化学気相成
長法による銅配線薄膜の製造方法。 - 【請求項5】水素プラズマを用いる化学気相成長法であ
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化
学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法。 - 【請求項6】ビス(ジイソブチリルメタナート)銅をC
6〜C10の飽和鎖状炭化水素または飽和環状炭化水素
に溶解してなる化学気相成長法の原料溶液。 - 【請求項7】溶液の溶媒がシクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサンより選ばれる1種で
あることを特徴とする請求項6に記載の化学気相成長法
の原料溶液。 - 【請求項8】水−アルコール溶媒中で硝酸第二銅とジイ
ソブチリルメタンとアンモニア水を反応させ、得られた
粗結晶を水洗・乾燥した後、昇華回収して得た、気化率
99%以上のビス(ジイソブチリルメタナート)銅を用
いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
化学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法。 - 【請求項9】水−アルコール溶媒中で硝酸第二銅とジイ
ソブチリルメタンとアンモニア水を反応させ、得られた
粗結晶を水洗・乾燥した後、昇華回収して得た、気化率
99%以上のビス(ジイソブチリルメタナート)銅を用
いることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれ
かに記載の化学気相成長法の原料溶液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002105838A JP2003253444A (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 化学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法およびその原料溶液 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002105838A JP2003253444A (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 化学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法およびその原料溶液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003253444A true JP2003253444A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28672396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002105838A Pending JP2003253444A (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 化学気相成長法による銅配線薄膜の製造方法およびその原料溶液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003253444A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007058120A1 (ja) * | 2005-11-18 | 2007-05-24 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | 半導体装置の製造方法および基板処理装置 |
-
2002
- 2002-03-04 JP JP2002105838A patent/JP2003253444A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007058120A1 (ja) * | 2005-11-18 | 2007-05-24 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | 半導体装置の製造方法および基板処理装置 |
US7968437B2 (en) | 2005-11-18 | 2011-06-28 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Semiconductor device manufacturing method and substrate processing apparatus |
JP5097554B2 (ja) * | 2005-11-18 | 2012-12-12 | 株式会社日立国際電気 | 半導体装置の製造方法、基板処理方法および基板処理装置 |
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