JP2003253061A - ポリエチレンフィルム - Google Patents

ポリエチレンフィルム

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JP2003253061A
JP2003253061A JP2002053309A JP2002053309A JP2003253061A JP 2003253061 A JP2003253061 A JP 2003253061A JP 2002053309 A JP2002053309 A JP 2002053309A JP 2002053309 A JP2002053309 A JP 2002053309A JP 2003253061 A JP2003253061 A JP 2003253061A
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carbon atoms
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polyethylene
film
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JP2002053309A
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Kenzo Chikanari
謙三 近成
Satoru Koyama
悟 小山
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性が保持されており、着色が防止された
ポリオレフィンフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレン系樹脂(A)100重量部
と、下記一般式(I)で示される亜リン酸エステル類
(B)0.001〜1重量部と、分子中にトリアジン環
を有する耐候剤(C)0.01〜1重量部を含有するポ
リエチレンフィルム。上記のポリエチレン系樹脂(A)
がエチレン−α−オレフィン共重合体50〜99重量部
と高圧ラジカル重合法により得られる低密度ポリエチレ
ン1〜50重量部を含有するポリエチレン樹脂組成物で
ある上記のポリエチレンフィルム。農業用ポリエチレン
フィルムである上記のポリエチレンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンフィ
ルムに関するものである。さらに詳細には、耐候性が保
持されており、着色が防止されたポリオレフィンフィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエチレンフィルムの屋外での
使用が増加しており、屋外で使用されるポリエチレンフ
ィルムとしては、例えば、農業用のマルチフィルム、オ
レフィン系ハウスフィルム、牧草用ストレッチフィル
ム、パレットストレッチフィルムなどが知られており、
これらのフィルムには屋外で半年〜5年間、耐久性が保
持されることが要求され、特に、光、熱、空気や雨など
による劣化を抑制すること、即ち、耐候性が要求され
る。耐候性を改良する方法としては、ポリエチレンフィ
ルムに耐候剤を添加する方法が知られている。
【0003】耐候剤としては、紫外線吸収剤、光安定
剤、消光剤などが知られており、これらの中でも分子中
にトリアジン環を有するヒンダードアミン系光安定剤が
ポリエチレンフィルムの耐候性の改良に優れるものであ
ることが知られている。そして、一般に、ポリエチレン
フィルムには、成形加工時にフィルムが熱酸化劣化する
ことを防止するために、フェノール系酸化防止剤が添加
されている。このフェノール系酸化防止剤と分子中にト
リアジン環を有する光安定剤を併用すると経時的に、例
えば、フィルムを保管している間に、着色、特に、ピン
キング着色が発生する。
【0004】この着色を防止する方法としては、酸性水
素原子を有する重合体を添加する方法が知られており、
例えば、特開昭62−174245号公報には、α−オ
レフィンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体を配
合してなるポリオレフィン組成物が記載されている。し
かし、ピンキング着色の発生について、さらなる改良が
望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐候
性が保持されており、着色が防止されたポリオレフィン
フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる実
情に鑑み、鋭意検討の結果、一定の重量であるポリエチ
レン系樹脂と、重量が一定の範囲ある特定の亜リン酸エ
ステル類と、重量が一定の範囲である分子中にトリアジ
ン環を有する耐候剤を含有するポリエチレンフィルム
が、上記問題を解決することを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、ポリエチレン系樹脂
(A)100重量部と、下記一般式(I)で示される亜
リン酸エステル類(B)0.001〜1重量部と、分子
中にトリアジン環を有する耐候剤(C)0.01〜1重
量部を含有するポリエチレンフィルムに係るものであ
る。 (式中、R1、R2、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原
子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8
のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシ
クロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基又
はフェニル基を表し、R3は水素原子又は炭素原子数1
〜8のアルキル基を表す。Xは硫黄原子又は−CHR6
−基(R6は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又
は炭素原子数5〜8のシクロアルキル基を示す。)を表
し、nは0又は1である。Aは炭素原子数2〜8のアル
キレン基又は*−CO(R7)m−基(R7は炭素原子数
1〜8のアルキレン基を、*は酸素原子と結合する部分
であることを示し、mは0又は1である。)を表す。
Y、Zは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素原子数
1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のアラル
キルオキシ基を表し、もう一方が水素原子又は炭素原子
数1〜8のアルキル基を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリエチレン
系樹脂(A)とは、エチレン・α−オレフィン共重合
体、高圧ラジカル重合法により得られる低密度ポリエチ
レン、および、これらを含有する樹脂組成物である。エ
チレン・α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレ
フィンは、炭素原子数3〜12のα−オレフィンであ
り、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチル−ペンテン
−1、4−メチル−ヘキセン−1、ビニルシクロヘキサ
ン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、
ブタジエン、イソプレン等が挙げられ、好ましくはブテ
ン−1、ヘキセン−1である。
【0009】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−
ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合
体、エチレン−4−メチル−ペンテン−1等が挙げら
れ、好ましくはエチレン−ブテン−1共重合体、エチレ
ン−ヘキセン−1共重合体である。
【0010】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体のメルトフローレート(MFR)は、加工
性、引張強度や伸びの観点から、好ましくは0.5〜1
0g/10分であり、より好ましくは0.7〜3g/1
0分である。
【0011】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体の密度は、ハンドリング性や引裂強度の観
点から、好ましくは900〜940kg/cm3であ
り、より好ましくは910〜930kg/cm3であ
る。
【0012】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体の製造方法は、特に限定されるものではな
く、公知の触媒を用いて、公知の重合方法による製造方
法が挙げられる。公知の触媒としては、例えば、チグラ
ー−ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、公
知の重合方法としては、例えば、溶液重合法、スラリー
重合法、高圧イオン重合法、気相重合法等が挙げられ
る。
【0013】本発明で用いられる高圧ラジカル重合法に
より得られる低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラ
ジカル重合法であればよく、一般には、槽型反応器また
は管型反応器を用いて、ラジカル発生剤の存在下、重合
圧力140〜300MPa、重合温度200〜300℃
の条件下でエチレンを重合する方法である。分子量調節
剤として水素やメタン、エタンなどの炭化水素を用い
て、メルトフローレートを調節してもよい。
【0014】高圧ラジカル重合法により得られる低密度
ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、エチ
レン・α−オレフィン共重合体との相溶性や透明性、フ
ィッシュアイ、流動性、フィルム表面の外観およびバブ
ル安定性の観点から、通常、0.2〜20g/10分で
あり、好ましくは0.3〜5g/10分である。
【0015】高圧ラジカル重合法により得られる低密度
ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)測定時の
ストランドのスエル比は、通常、1.25〜1.8であ
り、好ましくは1.4〜1.7である。
【0016】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体と高圧ラジカル重合法により得られる低密
度ポリエチレンを含有する樹脂組成物は、特に限定され
ることはないが、フィルムの引っ張り破断強度や破断伸
びの観点から、通常、エチレン−α−オレフィン共重合
体50〜99重量部と高圧ラジカル重合法により得られ
る低密度ポリエチレン1〜50重量部を含有するポリエ
チレン樹脂組成物である。
【0017】本発明で用いられる亜リン酸エステル類
(B)とは、下記一般式(I) (式中、R1、R2、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原
子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8
のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシ
クロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基又
はフェニル基を表し、R3は水素原子又は炭素原子数1
〜8のアルキル基を表す。Xは硫黄原子又は−CHR6
−基(R6は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又
は炭素原子数5〜8のシクロアルキル基を示す。)を表
し、nは0又は1である。Aは炭素原子数2〜8のアル
キレン基又は*−CO(R7)m−基(R7は炭素原子数
1〜8のアルキレン基を、*は酸素原子と結合する部分
であることを示し、mは0又は1である。)を表す。
Y、Zは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素原子数
1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のアラル
キルオキシ基を表し、もう一方が水素原子又は炭素原子
数1〜8のアルキル基を表す。)で表される亜リン酸エ
ステル類である。
【0018】一般式(I)で表される亜リン酸エステル
類(B)において、置換基R1、R2、R4及びR5はそれ
ぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、
炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、炭素原子数6〜
12のアルキルシクロアルキル基、炭素原子数7〜12
のアラルキル基又はフェニル基を表す。
【0019】ここで、炭素原子数1〜8のアルキル基と
しては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec
−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、i−オク
チル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙
げられ、炭素原子数5〜8のシクロアルキル基として
は、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、炭素原
子数6〜12のアルキルシクロアルキル基としては、例
えば1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘ
キシル基、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシ
ル基等が挙げられ、炭素原子数7〜12のアラルキル基
としては、例えばベンジル基、α−メチルベンジル基、
α,α−ジメチルベンジル基等が挙げられる。
【0020】R1、R2、R4として、好ましくは炭素原
子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロア
ルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシクロアルキ
ル基である。なかでも、R1、R4として、より好ましく
はt−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基等の
t−アルキル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロ
ヘキシル基である。
【0021】R2として、より好ましくはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
t−ペンチル基等の炭素原子数1〜5のアルキル基であ
り、更に好ましくはメチル基、t−ブチル基、t−ペン
チル基である。
【0022】R5として、好ましくは水素原子、炭素原
子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロア
ルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、t−ペンチル基等の炭素原子数1〜5のアルキル基
である。
【0023】置換基R3は、水素原子又は炭素原子数1
〜8のアルキル基を表し、炭素原子数1〜8のアルキル
基としては、例えば前記と同様のアルキル基が挙げられ
る。好ましくは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキ
ル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基であ
る。
【0024】また置換基Xは、nが0である場合、二つ
のフェノキシ基骨格を有する基が直接結合していること
を表し、nが1である場合、硫黄原子又は−CHR6
基(R 6は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は
炭素原子数5〜8のシクロアルキル基を示す。)を表
す。−CHR6−基はメチレン基、炭素原子数1〜8の
アルキル基または炭素原子数5〜8のシクロアルキル基
が置換しているメチレン基を表し、ここで、置換基R6
である炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜
8のシクロアルキル基としては、それぞれ前記と同様の
アルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。置換基X
として、好ましくはnが0であり、二つのフェノキシ基
骨格を有する基が直接結合していること、または、nが
1であり、メチレン基又はメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、t−ブチル基等が置換したメチレン基である。
【0025】また置換基Aは、炭素原子数2〜8のアル
キレン基又は*−CO(R7)m−基(R7は炭素数1〜
8のアルキレン基を、*は酸素原子と結合する部分であ
ることを示し、mは0または1である。)を表す。
【0026】ここで、炭素原子数2〜8のアルキレン基
としては、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチ
レン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が
挙げられ、好ましくはプロピレン基である。また*−C
OR7−基における*は、カルボニル基がホスファイト
基の酸素原子と結合する部分であることを示す。R7
おける、炭素原子数1〜8のアルキレン基としては、例
えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチ
レン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が
挙げられる。*−CO(R7)m−基として好ましく
は、mが0である*−CO−基、または、mが1であり
7としてはエチレンである*−CO(CH2CH2)−
基である。
【0027】Y、Zは、いずれか一方がヒドロキシル
基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数7
〜12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子又
は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。
【0028】ここで、炭素原子数1〜8のアルキル基と
しては、例えば前記と同様のアルキル基が挙げられ、炭
素原子数1〜8のアルコキシ基としては、例えばアルキ
ル部分が前記の炭素原子数1〜8のアルキルと同様のア
ルキルであるアルコキシ基が挙げられる又炭素原子数7
〜12のアラルキルオキシ基としては、例えばアラルキ
ル部分が前記炭素原子数7〜12のアラルキルと同様の
アラルキルであるアラルキルオキシ基が挙げられる。
【0029】本発明で用いられる亜リン酸エステル類
(B)として、好ましくは次の化合物1である。化合物
1の構造を式(化1)に示す。 化合物1:2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6
−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,
3,2]ジオキサホスフェピン
【化1】
【0030】本発明で用いられる亜リン酸エステル類
(B)の配合量は、ポリエチレン系樹脂(A)100重
量部に対して、0.001〜1重量部であり、好ましく
は0.01〜0.3重量部である。配合量が0.001
重量部未満の場合、酸化防止剤としての効果が不充分で
あり、1重量部を超えた場合、ポリエチレン系樹脂に対
する酸化防止効果は飽和してしまい、不経済になるだけ
である
【0031】本発明で用いられる分子中にトリアジン環
を有する耐候剤(C)とは、分子中に少なくとも1個の
トリアジン環を有する化合物であり、例えば、 CHIMASSORB 944:ポリ〔{6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5
トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−4ピペリジ
ル)イミノ}〕、 CHIMASSORB 119FL:N,N’−ビス
(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビ
ス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4ピペリジル)アミノ〕−6−クロロー1,3,
5−トリアジン縮合物、 CYASORB UV−3346:ポリ[(6−モルフ
ォリノ−S−トリアジン−2、4−ジイル)〔2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル〕イミノ]−ヘ
キサメチレン[(2,2、6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)イミノ]、 CYASORB UV−3529:ポリ[(6−モルフ
ォリノ−S−トリアジン−2、4−ジイル)〔N−メチ
ル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル〕
イミノ]−ヘキサメチレン[(N−2,2、6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ]、ポリ{(6−
モルフェリノ−S−トリアジン−2,4−ジイル)
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ〕ヘキサンメチレン〔(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)イミノ〕}などが挙げられ
る。
【0032】本発明で用いられる分子中にトリアジン環
を有する耐候剤(C)の配合量は、ポリエチレン系樹脂
(A)100重量部に対して、0.01〜1重量部であ
り、好ましくは0.05〜0.5重量部である。配合量
が0.01重量部未満の場合、耐候性が不充分であり、
1重量部を超えると、耐候性は飽和してしまい、不経済
になるだけである。
【0033】本発明で用いられるポリエチレン系樹脂
(A)と亜リン酸エステル類(B)と分子中にトリアジ
ン環を有する耐候剤(C)を混合する方法としては、特
に限定されるものではなく、ドライブレンドする方法、
メルトブレンドする方法等が挙げられる。ドライブレン
ドにおいてはヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー
等の各種ブレンダーが用いられ、メルトブレンドにおい
ては単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱
ロール等の各種ミキサーが用いられる。
【0034】本発明のポリエチレンフィルムには、必要
に応じて、酸化防止剤、アンチブロッキグ剤、滑剤、顔
料、帯電防止剤、加工性改良剤等の添加剤を添加しても
よい。これらの添加剤は単独で用いてもよく、併用して
もよい。酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤が
一般に使用され、例えば、Irganox1076、I
rganox1010等が挙げられる。アンチブロッキ
ング剤としては無機系アンチブロッキング剤、有機系ア
ンチブロッキング剤が挙げられ、無機系アンチブロッキ
ング剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、タルク、ア
ルミノ珪酸塩、カオリン、ハイドロタルサイト、炭化カ
ルシウム等が挙げられ、有機系アンチブロッキング剤と
しては、例えば、エポスタ(株式会社日本触媒製)、が挙
げられる。滑剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪酸エステル等が挙げられる。顔料としては、例
えば、白色顔料、カーボンブラック等が挙げられる。帯
電防止剤としては、例えば、炭素数8〜22の脂肪酸の
グリセリンエステルやソルビタン酸エステル、炭素数8
〜22の脂肪酸のアルキルジアルカノールアミド、ポリ
エチレングリコールエステル、アルキルジエタノールア
ミン等が挙げられる。加工性改良剤としては、例えば、
ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等が挙げられ
る。
【0035】また、本発明のポリエチレンフィルムに
は、必要に応じて、その他の樹脂を添加してもよい。そ
の他の樹脂とは、本発明で用いられるポリエチレン系樹
脂(A)以外の樹脂であり、例えば、衝撃強度の改良の
ために用いられる低密度エラストマー等が挙げられる。
これらのその他の樹脂は単独で用いてもよく、併用して
もよい。
【0036】本発明のポリエチレンフィルムの用途とし
ては、農業用のマルチフィルム、オレフィン系ハウスフ
ィルム、牧草用ストレッチフィルム、パレットストレッ
チフィルム等が挙げられ、好ましくは農業用のマルチフ
ィルム、オレフィン系ハウスフィルム、牧草用ストレッ
チフィルム等の農業用ポリエチレンフィルムである。
【0037】
【実施例】次に、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限
定されるものではない。実施例または比較例には、試料
として次ぎのポリエチレン系樹脂、酸化防止剤および耐
候剤を用いた。 ポリエチレン系樹脂 LLDPE:住友化学工業(株)製、スミカセン−L
、エチレン・ブテン−1共重合体、MFR=1、密度
=921 LDPE:住友化学工業(株)製、スミカセン F10
2−0 酸化防止剤 AO1:住友化学工業(株)製、スミライザーGP AO2:チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGA
NOX 1076 AO3:クラリナントジャパン(株)製、サンドスタブ
P−EPQ 耐候剤 HALS1:チバスペシャリティケミカルズ社製、CH
IMASSORB 944 HALS2:サイテック社製、CYASORB UV−
3529
【0038】フィルムの評価は、次の方法に従って行な
った。 (1)室温保管経時着色(a値) 3インチ紙管巻きにしたフィルムを直射日光の当たらな
い室温で1年間保管し、端面部および胴部中央のピンキ
ング着色度合いを観察した。着色度合いは紙管から切り
出しカラーコンピューターを用いてピンギングの程度を
表すa値を求めた。a値が低いほどピンキング着色が少
ないことを示す。
【0039】(2)NOX試験 空気中の窒素酸化物による着色の試験を行なった。2L
セパラブルフラスコに純水375mlを入れ、湯浴に入
れて内部の純水を70℃に保持した。5cm角のフィル
ムを30枚重ね、四隅をホッチキスで止め、これをフラ
スコ気相内に懸架し蓋をした。フラスコ内に燐酸15m
l、亜硝酸ソーダ0.5gを加え、NOXガスに2時間
曝露させた。その後取り出し、水洗したのち水分を除去
させ、カラーコンピューターでa値を測定した。
【0040】(3)カラーコンピューター SM−5−CH(スガ試験機)を用い、照射面積を12
φとし、白板で抑えてa値を測定した。
【0041】(4)屋外曝露試験 砂地に畝をたて、これにフィルムを展張した。いわゆる
マルチフィルムとして、作物の植付けなしの状態で屋外
曝露試験(展張場所:千葉県袖ケ浦市北袖2−1、住友
化学工場内)を160日間行なった。
【0042】(5)引っ張り試験(引っ張り破断伸び
(単位:%)、引っ張り破断強度(単位:MPa)) 曝露後のフィルムをJIS K6781-1994農業
用ポリエチレンフィルム試験法に従い、引っ張り試験を
行い、曝露前と暴露後のフィルムの引っ張り破断伸びお
よび引っ張り破断強度を測定した。曝露後の引っ張り破
断伸びが200%以上、引っ張り破断強度が15MPa
以上であれば、収穫時期のフィルム剥ぎ取り作業で、フ
ィルムが切れることはなく、十分な強さが保持されてい
ることを示す。
【0043】実施例1 LL−1 エチレン−ブテン−1共重合体(MFR=0.9g/1
0min、密度=0.919kg/cm3)のパウダー
に、酸化防止剤の亜リン酸エステル類(B)としてスミ
ライザーGPを0.1重量%、中和剤のステアリン酸カ
ルシウムを0.1重量%加え、ヘンシェルミキサーで混
合後、40mmφ押出し機で溶融混練して造粒した。 ABA−MB1 LL−1にアンチブロッキング(AB)剤としてアルミ
ノシリケートを2重量%、カオリンを8重量%添加し
て、バンバリーミキサー混練後、65mmφ押出し機で
造粒した。 SA−MB1 LL−1に滑剤のエルカ酸アミドを1.6重量%、エチ
レンビスステアリン酸アミド0.4重量%を加え、バン
バリーミキサー混練後、65mmφ押出し機で造粒し
た。 HALS−MB1 LL−1にCHIMASSORB 944を4重量%加
え、バンバリーミキサー混練後、65mmφ押出し機で
造粒した。 フィルム加工 上記で得られた試料を、それぞれ、LL−1(76.2
5重量%)、F102−0(7重量%)、ABA−MB
1(2.5重量%)、SA−MB1(10%重量)、H
ALS−MB1(4.25重量%)の割合でタンブルミ
キサー混合し、表1に示す組成のフィルムを得た。フィ
ルム加工は、押出し機50mmφ、ダイ75φmm、ス
リット3mmのインフレション加工機を用い、温度20
0℃、押出し量20kg/hrで、フィルム巾400m
m、厚み20μmのフィルムを得た。
【0044】実施例2 LL−1のスミライザーGPを2重量%(LL−2)と
し、同LL−2を用いてAB剤、滑剤、耐候剤のMBの
作成し、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
【0045】比較例1 LL−1パウダーの酸化防止剤をIRGANOX 10
76を0.1重量%、サンドスタブP−EPQを0.0
8重量%に替えた以外は実施例1と同様にしてLL−3
を得た。LL−3を用いてAB剤、滑剤、耐候剤のMB
を実施例1と同様にして作成し、フィルムを得た。
【0046】比較例2 LL−3に耐候剤CHIMASSORB 944を2重
量%、UV−3529を2重量%添加してバンバリーミ
キサー混練後、65mmφ押出し機で造粒したHALS
−MB2を得た。耐候剤をHALS−MB2に変えた以
外は比較例1と同様にしてフィルムを得た。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】本発明の要件を満足する実施例1および2
は、耐候性が保持されており、着色が防止されたポリオ
レフィンフィルムであることが分かる。これに対して、
本発明の要件である一般式(I)で示される亜リン酸エ
ステル類を用いなかった比較例1および2は、着色(ピ
ンキング)が強いポリオレフィンフィルムであることが
分かる。
【0052】
【発明の効果】以上、詳述したとおり、本発明により、
耐候性が保持されており、着色が防止されたポリオレフ
ィンフィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/524 C08K 5/524 Fターム(参考) 2B024 DB01 2B029 EB02 EC03 EC19 4F071 AA15 AA15X AA18 AA20X AA21X AA76 AC15 AC19 AE05 AH01 BC01 4J002 BB021 BB032 BB051 BB141 EU187 EW066 FD076 FD087 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレン系樹脂(A)100重量部
    と、下記一般式(I)で示される亜リン酸エステル類
    (B)0.001〜1重量部と、分子中にトリアジン環
    を有する耐候剤(C)0.01〜1重量部を含有するこ
    とを特徴とするポリエチレンフィルム。 (式中、R1、R2、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原
    子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8
    のシクロアルキル基、炭素原子数6〜12のアルキルシ
    クロアルキル基、炭素原子数7〜12のアラルキル基又
    はフェニル基を表し、R3は水素原子又は炭素原子数1
    〜8のアルキル基を表す。Xは硫黄原子又は−CHR6
    −基(R6は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又
    は炭素原子数5〜8のシクロアルキル基を示す。)を表
    し、nは0又は1である。Aは炭素原子数2〜8のアル
    キレン基又は*−CO(R7)m−基(R7は炭素原子数
    1〜8のアルキレン基を、*は酸素原子と結合する部分
    であることを示し、mは0又は1である。)を表す。
    Y、Zは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素原子数
    1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数7〜12のアラル
    キルオキシ基を表し、もう一方が水素原子又は炭素原子
    数1〜8のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】ポリエチレン系樹脂(A)がエチレン−α
    −オレフィン共重合体50〜99重量部と高圧ラジカル
    重合法により得られる低密度ポリエチレン1〜50重量
    部を含有するポリエチレン樹脂組成物であることを特徴
    とする請求項1記載のポリエチレンフィルム。
  3. 【請求項3】ポリエチレンフィルムが農業用ポリエチレ
    ンフィルムであることを特徴とする請求項1または2に
    記載のポリエチレンフィルム。
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