JP2003253049A - ピンチローラ用ゴム組成物およびこれを用いたピンチローラ - Google Patents

ピンチローラ用ゴム組成物およびこれを用いたピンチローラ

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JP2003253049A JP2002059901A JP2002059901A JP2003253049A JP 2003253049 A JP2003253049 A JP 2003253049A JP 2002059901 A JP2002059901 A JP 2002059901A JP 2002059901 A JP2002059901 A JP 2002059901A JP 2003253049 A JP2003253049 A JP 2003253049A
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acrylonitrile
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャプスタンへの圧着力を低減した場合でも
磁気テープの移送力を維持することのできるピンチロー
ラ用ゴム組成物およびピンチローラを提供する。 【解決手段】 アクリロニトリル−共役ジエン系ゴムと
エチレン−αオレフィン系ゴムとの混合物を架橋してな
るピンチローラ用ゴム組成物であることを特徴としてい
る。また、アクリロニトリル−共役ジエン共重合系ゴム
とエチレン−αオレフィン共重合系ゴムとの混合物を架
橋してなるピンチローラ用ゴム組成物からなるローラ部
を外表面に備えるピンチローラに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピンチローラ用ゴム
組成物およびこれを用いたピンチローラに関し、特にキ
ャプスタンへの圧着力を低減した場合にもピンチローラ
の磁気テープの移送力を維持することができるピンチロ
ーラ用ゴム組成物およびこれを用いたピンチローラに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、磁気テープ装置における磁気
テープの移送は、たとえば図3に示すように、磁気テー
プ装置内に設けられた駆動力を有するキャプスタン31
と駆動力を有しないピンチローラ32との間に磁気テー
プ33を挟みこみ、ピンチローラ32を磁気テープ33
およびキャプスタン31に圧着させながらキャプスタン
31を回転させることにより行なっている。
【0003】このピンチローラのローラ部34に用いら
れるゴム組成物には、磁気テープ33に含まれる可塑剤
あるいは磁気テープ33表面に塗布されている潤滑剤へ
の耐油性が必要であることから、耐油性に優れるアクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合系ゴム(NBR)が主に
使用されていた。しかし、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合系ゴム(NBR)は耐油性に優れる反面、磁気
テープ33の移送力が弱い。したがって、磁気テープ3
3の移送に際してはキャプスタン31への圧着力を上げ
る必要があり、キャプスタン31への圧着力を上げた場
合には磁気テープ装置の駆動電力が大きくなってしまう
という問題があった。
【0004】また、特開平9−157444号公報に
は、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体の共役ジエ
ン部分を水素化してなるニトリル基含有高飽和共重合体
ゴムとエチレン−αオレフィン系共重合体ゴムとからな
るゴム混合物を用いたピンチローラ用ゴム組成物が提案
されている。しかし、共役ジエン部分を水素化してなる
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを使用した場合に
は、ピンチローラ表面の粘着性を低下させることが困難
であり、磁気テープがピンチローラの表面に巻き付く恐
れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑みて本発
明は、キャプスタンへの圧着力を低減した場合でも、ピ
ンチローラの磁気テープの移送力を維持することができ
るピンチローラ用ゴム組成物およびこれを用いたピンチ
ローラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリロニト
リル−共役ジエン共重合系ゴムとエチレン−αオレフィ
ン共重合系ゴムとの混合物を架橋してなるピンチローラ
用ゴム組成物であることを特徴とする。
【0007】ここで、アクリロニトリル−共役ジエン共
重合系ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系ゴムの混
合割合が、質量比で98/2〜10/90であることが
好ましい。
【0008】また、アクリロニトリル−共役ジエン共重
合系ゴム中に含まれているアクリロニトリル成分の含有
率が15〜55wt%であることが好ましい。
【0009】また、エチレン−αオレフィン共重合系ゴ
ム中に含まれているエチレン成分の含有率が28〜75
wt%であることが好ましい。
【0010】また、アクリロニトリル−共役ジエン共重
合系ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合系ゴ
ムであることが好ましい。
【0011】また、エチレン−αオレフィン共重合系ゴ
ムは、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム
であることが好ましい。
【0012】また、本発明は、アクリロニトリル−共役
ジエン共重合系ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系
ゴムとの混合物を架橋してなるピンチローラ用ゴム組成
物からなるローラ部を外表面に備えるピンチローラであ
ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0014】(アクリロニトリル−共役ジエン共重合系
ゴム)本発明で用いられるアクリロニトリル−共役ジエ
ン共重合系ゴムは、アクリロニトリルと共役ジエンとが
共重合している共重合体ゴムであり、共役ジエンとして
は、たとえばブタジエン、イソプレン等がある。なかで
も、アクリロニトリル−ブタジエン共重合系ゴム(NB
R)であることが好ましい。
【0015】また、アクリロニトリル−共役ジエン共重
合系ゴム中に含まれるアクリロニトリル成分の含有率が
15〜55wt%であることが好ましい。アクリロニト
リル成分の含有率が15wt%より小さいときは耐油
性、耐熱老化性が損なわれる傾向にあり、55wt%を
超えるとゴム弾性が損なわれる傾向にある。また、アク
リロニトリルの含有率の下限値は20wt%以上である
ことがより好ましく、上限値は45wt%以下であるこ
とがより好ましい。
【0016】(エチレン−αオレフィン共重合系ゴム)
本発明で用いられるエチレン−αオレフィン共重合系ゴ
ムは、エチレンとαオレフィンまたはこれらとジエンモ
ノマーとの共重合体ゴムである。エチレン−αオレフィ
ン共重合系ゴムとしては、たとえばエチレン−プロピレ
ン二元共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ブテン三
元共重合体ゴム、エチレン−1ブテン二元共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、
エチレン−プロピレン−1ブテン−ジエン共重合体ゴム
またはエチレン−1ブテン−ジエン多元重合体ゴム等が
ある。なかでも、エチレン−αオレフィン共重合系ゴム
は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム
(EPDM)であることが好ましい。この場合には加硫
をより速く進行させることができ、なおかつ硫黄を用い
た加硫を好適に行なうことができるようになる。
【0017】ここで、ジエンモノマーとしては、たとえ
ばジシクロペンタジエン、1,4ヘキサジエン、シクロ
オクタジエン、メチレンノルボルネン、5エチリデン−
2ノルボルネン等がある。なかでも、ジシクロペンタジ
エンまたは5エチリデン−2ノルボルネンであることが
好ましい。
【0018】また、エチレン−αオレフィン共重合系ゴ
ム中に含まれているエチレン成分の含有率が28〜75
wt%であることが好ましい。また、エチレン成分の含
有率の下限値は40wt%以上であることがより好まし
く、上限値は70wt%以下であることがより好まし
い。
【0019】また、エチレン−αオレフィン共重合系ゴ
ム中に含まれているジエン成分の含有率が1〜15wt
%であることが好ましく、1〜10wt%であることが
より好ましい。ジエン成分の含有率が1wt%未満の場
合には本発明のゴム組成物の機械強度が小さくなる傾向
にあり、15wt%よりも大きい場合はゴム弾性が損な
われる傾向にある。
【0020】(混合物)上記アクリロニトリル−共役ジ
エン共重合系ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系ゴ
ムとは混合して用いられる。これは本発明者らがピンチ
ローラの磁気テープの移送力について鋭意検討した結
果、アクリロニトリル−共役ジエン共重合系ゴムとエチ
レン−αオレフィン共重合系ゴムとを混合した場合に
は、ピンチローラの磁気テープの移送力を向上させるこ
とができることを見出したためである。
【0021】ここで、上記アクリロニトリル−共役ジエ
ン共重合系ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系ゴム
の混合割合が、質量比で98/2〜10/90であるこ
とが好ましい。この場合には、本発明のゴム組成物を用
いたピンチローラの耐油性と磁気テープの移送力とのバ
ランスをより向上させることができる。また、上記混合
割合において、アクリロニトリル−共役ジエン共重合系
ゴムの混合比率の上限値は90/10以下であることが
より好ましく、80/20以下であることがさらに好ま
しい。また、上記混合比率の下限値は25/75以上で
あることがより好ましく、50/50以上であることが
さらに好ましく、70/30以上であることが最も好ま
しい。
【0022】(その他のゴム成分)上記混合物にはさら
にその他のゴム成分を含めることもできる。ここで、そ
の他のゴム成分としては、たとえば天然ゴム、イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ウレタ
ンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムまたはフッ素ゴ
ム等があり、これらのゴム成分を1種類以上含めること
ができる。また、これらのゴム成分の配合量は、上記混
合物の10質量%以下であることが好ましく、1質量%
以下であることがより好ましい。
【0023】(添加剤)上記混合物には、さらに加硫
剤、加硫促進剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、滑剤、老化
防止剤等の添加剤を含めることができる。加硫剤として
は、たとえば硫黄、パーオキサイド架橋剤等が用いられ
得る。パーオキサイド架橋剤としては、たとえばベンゾ
イルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が用
いられ得る。なかでも、加硫剤としては、硫黄を用いる
ことが好ましい。硫黄を用いた場合には、本発明のゴム
組成物の加工性がより向上する。また、加硫促進剤とし
ては、たとえばスルフェンアミド系、チアゾール系、チ
ウラム系、ジチオ酸系、チオウレア系、グアニジン系ま
たはジチオカルバミン酸系等の加硫促進剤が用いられ得
る。
【0024】充填剤としては、たとえばカーボンブラッ
ク、ホワイトカーボン、シリカ、クレー、アルミナ、タ
ルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸
化亜鉛または酸化チタン等が用いられ得る。
【0025】また、可塑剤としては、たとえばフタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソ
デシル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジ−n−ド
デシル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジシクロ
ヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ−2
−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピ
ン酸ジイソデシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2
−エチルヘキシル、リン酸2エチルヘキシル、リン酸ト
リクレジール、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル
等が用いられ得る。なお、可塑剤を使用する場合には、
その配合割合をアクリロニトリル−共役ジエン共重合系
ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系ゴムとの合計1
00質量部に対して2質量部以下とするのが好ましい。
この場合には、磁気テープの汚染をより防止することが
できるようになる。
【0026】また、軟化剤としては、たとえばプロセス
オイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油ア
スファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、ヒマシ油、ア
マニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤等が用い
られ得る。
【0027】また、滑剤としては、たとえば流動パラフ
ィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレ
ンワックス等の炭化水素系、ステアリン酸、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウム等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、パルチミン酸
アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスス
テアロアミド等の脂肪酸アミド系の滑剤等が用いられ得
る。また、老化防止剤としては、アミン系、フェノール
系、イミダゾール系の老化防止剤、カルバミン酸金属塩
またはワックス等が用いられ得る。
【0028】(製造方法)本発明のピンチローラ用ゴム
組成物の製造方法は従来から公知の方法が用いられ、た
とえば上記材料をロール、バンバリーミキサーなどの混
合機により混練、混合して架橋、成形する方法等が用い
られる。
【0029】(物性)本発明のピンチローラ用ゴム組成
物の硬さは、A40〜A80であることが好ましい。硬
さがA40よりも小さくなるとピンチローラとキャプス
タンとの圧着部の出口側でピンチローラ表面にゴムの膨
出変形が生じ、この膨出変形が回復するときにピンチロ
ーラ表面と磁気テープとの間にスリップが生じて異音が
発生する傾向にある。また、硬さがA80よりも大きく
なると磁気テープの走行が不安定になる傾向にある。ま
た、硬さの下限値はA50以上であることがより好まし
く、上限値はA70以下であることがより好ましい。こ
の場合には、キャプスタンを圧着させて磁気テープを移
送する際に磁気テープに与えられる圧力がより緩和され
ることとなるため、磁気テープがより傷つきにくくな
る。なお、上記硬さはJIS−K6253に準じて測定
されたタイプAデュロメータ硬さである。
【0030】また、圧縮永久歪は30%以下であること
が好ましく、15%以下であることがより好ましい。こ
の場合には、キャプスタンにより長時間圧着されてもゴ
ム組成物に歪みが生じにくくなることから、ピンチロー
ラによる磁気テープの移送をより長時間連続してするこ
とができるようになる。なお、圧縮永久歪はJIS−K
6262に準じて測定された値である。
【0031】(ピンチローラ)図1に本発明のピンチロ
ーラの一例であるピンチローラ12を用いた磁気テープ
装置の模式的な拡大断面図を示す。図1において、ピン
チローラ12は、本発明のピンチローラ用ゴム組成物か
らなるローラ部14を外表面に備えている。ローラ部1
4は、アルミニウム、真鍮等の金属材料からなる内筒1
5の外周面に被覆されている。ここで、内筒15の外周
面にローラ部14を被覆する方法としては、たとえば本
発明のピンチローラ用ゴム組成物材料の混合物を圧縮成
形等を用いて架橋、成形する際、金型内で内筒15の外
周面上に直接成形する方法がある。また、本発明のゴム
組成物材料の混合物を圧縮成形等で架橋、成形した筒状
のローラ部14をゴムの締め付け力を利用して内筒15
の外周面に嵌め被せる方法もある。
【0032】また、内筒15の内部にはベアリング16
が組み込まれている。ピンチローラ12の軸心にはベア
リング16を介して回転しないローラ軸17が挿入され
ている。ピンチローラ12はローラ軸17との間にベア
リング16が介在していることによってローラ軸17の
回りに回転自在となっている。ここで、ベアリング16
はボールベアリングまたはすべり軸受けのいずれであっ
てもよい。さらに、内筒15の内周面を自己潤滑性を持
つ材料で形成し、内筒15自体にすべり軸受けとしての
機能を持たせてもよい。ピンチローラ12は、ローラ軸
17の端部に連結したアーム18の移動によって、磁気
テープ13の走行時には回転するキャプスタン11へ所
定の圧力で押し付けられる。このとき、駆動側のキャプ
スタン11と従動側のピンチローラ12とに挟まれて磁
気テープ13は移送される。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
これに限定されるものではない。
【0034】(試料の作製)表1に実施例1〜6および
比較例1〜2の試料の配合を示す。実施例1〜6の試料
は表1に示す割合でNBR(商品名「N220S」、J
SR(株)製:アクリロニトリル成分含有率41wt
%)、EPDM(商品名「EP43」、JSR(株)
製:エチレン成分含有率56wt%、ジエン成分含有率
1.5wt%)とその他の添加剤を混合した後、160
℃で10分加硫して作製した。比較例1〜2の試料はそ
れぞれ表1に示す割合でEPDMのみ(比較例1)また
はNBRのみ(比較例2)とその他の添加剤を混合した
後、160℃で10分加硫して作製した。
【0035】なお、表1においては、添加剤の含量はN
BRとEPDMを合計したゴム成分100質量部に対す
る質量部で表わしている。また、上記試料の硬さはJI
S−K6253に準じて評価し、圧縮永久歪はJIS−
K6262に準じて評価した(温度:70℃、時間:2
4h)。
【0036】(試料の評価)上記各試料について、磁気
テープの移送力、耐油性および耐オゾン性の評価を行な
った。その評価結果を表1に示す。
【0037】(i) 磁気テープの移送力の評価方法 磁気テープの移送力の評価は、上記各試料を用いてピン
チローラを作製し、図2に示す測定治具を用いることに
より行なった。すなわち、キャプスタン21とピンチロ
ーラ22との間に磁気テープ23を挟んで所定の圧力で
圧着し、キャプスタン21を所定の回転数で回転させ
る。このとき磁気テープ23の移送力を、磁気テープ2
3の一端に繋いだバネばかり29によって読み取った。
ここで、バネばかり29の数値が大きいほど移送力が大
きいこととなる。ここで、キャプスタン21の回転数は
200rpmに設定し、さらにキャプスタン21とピン
チローラ22との圧着力を2.0Nとした場合および
1.8Nとした場合の2つの場合における磁気テープの
移送力の評価を行なった。
【0038】(ii) 耐油性の評価方法 耐油性の評価は、上記各試料を用いたピンチローラを取
り付けた磁気テープ装置の走行試験をした後のピンチロ
ーラゴム表面の膨れの量で評価をすることにより行なっ
た。走行条件は40℃、0%RHの環境で1200時間
行なった。
【0039】その結果から、以下の基準により耐油性の
評価を行なった。 ○…テープ走行部のゴム表面の膨らみ量がテープ非走行
部と比較して2μm未満であった。 △…テープ走行部のゴム表面の膨らみ量がテープ非走行
部と比較して10μm未満であった。 ×…テープ走行部のゴム表面の膨らみ量がテープ非走行
部と比較して10μm以上であった。
【0040】(iii) 耐オゾン性の評価方法 耐オゾン性の評価は、50ppmオゾン濃度、温度40
℃の環境下に上記各試料を用いて作製した試験片を24
時間放置し、引っ張り歪を30%に設定することにより
行った。なお、亀裂状態はJIS−K6259に準じて
評価された値である。
【0041】その結果から、以下の基準により耐オゾン
性の評価を行なった。 ◎…亀裂がゼロであった。 ○…亀裂が少数で肉眼では観察できなかった。 △…亀裂が多数で肉眼では観察できなかった。 ×…亀裂が無数で肉眼で観察できた。
【0042】
【表1】
【0043】(注1)商品名「サルファックス」、鶴見
化学工業(株)製の硫黄。 (注2)商品名「ノクセラーTT」、大内新興化学工業
(株)製のジチオカルバミン酸系加硫促進剤。 (注3)商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業
(株)製のスルフェンアミド系加硫促進剤。 (注4)商品名「旭#55」、旭カーボン(株)製のG
PFカーボンブラック。 (注5)商品名「亜鉛華」、正同化学(株)製の酸化亜
鉛。 (注6)商品名「ルナックS30」、花王(株)製のス
テアリン酸。
【0044】(評価結果)実施例1〜6の試料は、比較
例1〜2の試料に比べて磁気テープの移送力および耐油
性の双方を兼ね備えたものであり、キャプスタンの圧着
力を低減した場合でも、ピンチローラの磁気テープの移
送力を維持することができた。さらに実施例1〜5の試
料は耐オゾン性にも優れていた。
【0045】また、実施例1〜6の試料は、硬さおよび
圧縮永久歪の点においても実用上問題なく、良好なもの
であった。
【0046】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0047】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、キャプ
スタンへの圧着力を低減した場合でも、ピンチローラの
磁気テープの移送力を維持することができるピンチロー
ラ用ゴム組成物およびこれを用いたピンチローラを得る
ことができる。したがって、キャプスタンへの圧着力を
低減することができることから、たとえばビデオデッ
キ、カセットデッキ等の磁気テープ装置の駆動電力を低
減させることができる。さらに本発明のピンチローラ用
ゴム組成物およびこれを用いたピンチローラは、磁気テ
ープの移送力に加え、耐油性および耐オゾン性も兼ね備
えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のピンチローラを用いた磁気テープ装
置の一例の模式的な拡大概念図である。
【図2】 磁気テープの移送力の評価に用いる測定治具
の模式的な概念図である。
【図3】 従来の磁気テープ装置の模式的な概念図であ
る。
【符号の説明】
11,21,31 キャプスタン、12,22,32 ピン
チローラ、13,23,33 磁気テープ、14,34
ローラ部、15 内筒、16 ベアリング、17 ロー
ラ軸、18 アーム、29 バネばかり。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J103 AA02 AA13 AA41 BA41 CA25 DA05 FA12 GA02 GA34 GA68 HA03 HA12 HA53 4J002 AC07W BB05X BB15X DA046 EK006 EK026 EK036 EK046 EK076 FD010 FD020 FD146 FD150 FD170 GM00 5D071 CC15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル−共役ジエン共重合系
    ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系ゴムとの混合物
    を架橋してなるピンチローラ用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリル−共役ジエン共重合系
    ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系ゴムの混合割合
    が、質量比で98/2〜10/90であることを特徴と
    する請求項1に記載のピンチローラ用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 アクリロニトリル−共役ジエン共重合系
    ゴム中に含まれているアクリロニトリル成分の含有率が
    15〜55wt%であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のピンチローラ用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 エチレン−αオレフィン共重合系ゴム中
    に含まれているエチレン成分の含有率が28〜75wt
    %であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載のピンチローラ用ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 アクリロニトリル−共役ジエン共重合系
    ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合系ゴムで
    あることを特徴とする1から4のいずれかに記載のピン
    チローラ用ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 エチレン−αオレフィン共重合系ゴム
    は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴムで
    あることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載
    のピンチローラ用ゴム組成物。
  7. 【請求項7】 アクリロニトリル−共役ジエン共重合系
    ゴムとエチレン−αオレフィン共重合系ゴムとの混合物
    を架橋してなるピンチローラ用ゴム組成物からなるロー
    ラ部を外表面に備えるピンチローラ。
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