JP2003251922A - インクジェット記録材 - Google Patents

インクジェット記録材

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JP2003251922A
JP2003251922A JP2002055900A JP2002055900A JP2003251922A JP 2003251922 A JP2003251922 A JP 2003251922A JP 2002055900 A JP2002055900 A JP 2002055900A JP 2002055900 A JP2002055900 A JP 2002055900A JP 2003251922 A JP2003251922 A JP 2003251922A
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Japan
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jet recording
vinyl
ink
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JP2002055900A
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Atsushi Naohara
敦 直原
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素に対する充分なバリヤー性を有し、かつ
紫外線吸収性能を兼ね備えることで従来にない優れた耐
光性を有するインクジェット記録材を提供する。 【解決手段】 支持基体中またはその表面に、ビニルア
ルコール系重合体(A)および膨潤性フッ素雲母系鉱物
(B)から形成されたバリヤー層を有するインクジェッ
ト記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクによる
記録に用いられるインクジェット記録材に関する。詳し
くは、紙を基材とするインクジェット記録材、あるいは
フィルムを基材とし、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)などの光学機器によりフィルムの記録画像の透
過光をスクリーンなどへ投影して画像を観察するなどに
用いられるインクジェット記録材において、高温高湿下
に放置ないし保存されたり、直射日光(太陽光)、室内
光および電気照明などに長時間曝されたりしても濃度低
下・色調変化が無いインクジェット記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】記録液(水性インク)を使用して記録す
る方法としては、例えば、万年筆、水性ボールペン、水
性サインペン、セラミックペン、蛍光ペンなどの筆記用
具を使用する方法や、これらの筆記用具を利用したペン
プロッターを用いる方法などが挙げられる。最近では、
記録材にインクの小滴を付着させて記録を行うインクジ
ェット記録方式が挙げられる。
【0003】インクジェット記録方式は騒音が少ないこ
と、カラー化が容易であること、高速記録が可能である
ことなどの理由から、ファクシミリ、各種プリンターな
どへの応用が進められている。従来、インクジェット記
録方式に使用される記録材としては通常の紙が使用され
てきた。しかし、記録の高速化あるいは多色化などイン
クジェット記録機の性能向上に伴い、インクジェット記
録材に対してもより高度な特性が要求されてきている。
すなわち、第1にインクの吸収速度が大きいこと、第2
にインクドットの径が必要以上に大きくならないこと、
第3にインクドットの形状が真円に近いこと、第4に取
扱性、保存性が良好なことなどである。これらの要求を
満たすため、インク吸収性材料として沈降タイプまたは
ゲルタイプの多孔性非晶シリカ、バインダーとしてポリ
ビニルアルコール系樹脂(以下PVA系樹脂と略記す
る)、染料インクを使用する場合にはインク定着剤とし
てポリカチオン樹脂を用いるなどの種々の検討がなされ
ている。しかしながら、保存安定性の観点からみると、
水性染料系インクを使用して記録用基材上に形成した文
字・画像類は、顔料系のインクを用いた印刷物や銀塩写
真に比べ、高温高湿下に放置ないし保存されたり、光に
長時間曝されたりすると変色・退色が生じて画像が劣化
するなど、耐湿性や耐光性の点で問題があるのが現状で
ある。
【0004】これら画像の劣化原因としては、空気中の
酸素による水性染料系インクの酸化劣化、紫外線照射に
よる水性染料系インクの構造変化などの原因が考えら
れ、これまで紫外線吸収剤、酸化防止剤の添加による改
善が試みられている。例えば、特開昭54−68303
号公報、特開昭54−85804号公報および特開昭5
6−18151号公報には、インク液中へ紫外線吸収剤
を添加した例が開示されている。しかしながら、これら
の紫外線吸収剤はインクの噴射安定性を低下させたり、
微量添加では効果が少ないという問題がある。また別の
解決策として、インクジェット記録材の方にベンゾフェ
ノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤を含
有させることが、特開昭57−74192号公報、特開
昭57−74193号公報、特開昭57−87988号
公報および特開昭61−146591号公報で提案され
ている。しかしながら、上記の紫外線吸収剤は水への溶
解度が低いため、水性染料系インクに対して充分な紫外
線吸収の効果を付与しにくいという問題点がある。ま
た、水への溶解度の低さを補うために上記の紫外線吸収
剤を乳化して用いた場合には、乳化剤の影響で紫外線吸
収の効果が充分に発揮できないという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸素
に対する充分なバリヤー性を有し、かつ紫外線吸収性能
を兼ね備えることで従来にない優れた耐光性を有するイ
ンクジェット記録材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、支持基体中またはその
表面に、ビニルアルコール系重合体(A)および膨潤性
フッ素雲母系鉱物(B)から形成されたバリヤー層を有
するインクジェット記録材を見出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明のインクジェット記録材に用いられ
るビニルアルコール系重合体(A)は、ビニルエステル
重合体のけん化物、またはビニルエステルおよびビニル
エステルと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合
体をけん化することにより得られる。該重合を行うにあ
たっては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化
重合法などの公知の方法を採用することができる。その
中でも、無溶媒で重合する塊状重合法、あるいはアルコ
ールなどの溶媒中で重合する溶液重合法が通常採用さ
れ、高重合度のものを得る場合には乳化重合法が採用さ
れる。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコールと
しては、メタノール、エタノール、プロパノールなどの
低級アルコールが挙げられる。重合に使用される開始剤
としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、また
は過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシカーボネ
ートなどの過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げ
られる。重合温度については特に制限はないが、−30
〜150℃の範囲が適当である。
【0008】上述の重合法に用いられるビニルエステル
系単量体としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、一
般に酢酸ビニルが用いられる。
【0009】本発明におけるビニルアルコール系重合体
(A)としては、炭素数4以下のα−オレフィン単位を
含有する変性PVA系重合体が、後述する実施例からも
明らかなように、好適に用いられる。炭素数4以下のα
−オレフィン単位を含有する変性PVA系重合体は、一
般にビニルエステルおよび炭素数4以下のα−オレフィ
ンの共重合体をけん化することにより得られる。炭素数
4以下のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、
プロピレン、nーブテン、イソブテンなどが挙げられる
が、本発明の目的とする記録材を得るためには、エチレ
ンが好ましい。炭素数4以下のα−オレフィン単位の含
有量は1〜20モル%が好適であり、1.5〜18モル
%がより好ましく、2〜15モル%がさらに好ましい。
【0010】本発明におけるビニルアルコール系重合体
(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニルエ
ステルおよびビニルエステルと共重合可能なエチレン性
不飽和単量体を共重合して得られるビニルエステル系重
合体をけん化したものであってもよい。ここで、エチレ
ン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、イタ
コン酸などの不飽和酸またはその塩または炭素数1〜1
8のモノもしくはジアルキルエステルなどの不飽和酸
類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−
アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、アク
リルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩また
はその4級塩などのアクリルアミド類;メタクリルアミ
ド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルア
ミドプロパンスルホン酸またはその塩、メタクリルアミ
ドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩またはその4
級塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド
などのN−ビニルアミド類;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのシアン化ビニル類;炭素数1〜18
のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニル
エーテル、アルコキシアルキルビニルエーテルなどのビ
ニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなどのハロゲン
化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコー
ル、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−ア
クリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウム
クロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸塩、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基含有の
α−オレフィンなどが挙げられる。ビニルアルコール系
重合体(A)におけるこれらのエチレン性不飽和単量体
の含有量としては、20モル%以下が好ましい。
【0011】本発明で使用されるビニルアルコール系重
合体(A)の粘度平均重合度(以下重合度と略記する)
に特に制限はないが、通常50〜10000、好ましく
は100〜8000、より好ましくは100〜4000
の範囲から選ばれる。該ビニルアルコール系重合体から
なる塗工液を基材に塗工してインクジェット記録材を製
造した場合、該ビニルアルコール系重合体の重合度が5
0未満では、その塗工層が脆く、かつ充分なバリヤー性
能を有しないことから、満足な性能を有する記録材が得
られない。一方、重合度が10000を超えると、塗工
液の粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難になり、均一
な塗工層が得られないため、満足な性能を有する記録材
が得られない。
【0012】本発明で用いられるビニルアルコール系重
合体(A)のけん化度は60〜99.99モル%である
ことが必要であり、70〜99.9モル%であることが
好ましく、80〜99.5モル%であることがより好ま
しい。けん化度が60モル%未満の場合には、水溶性が
低下するため良好な塗工液が得られない。また、けん化
度が99.99モル%を超える場合には、塗工液の粘度
安定性が不足し取り扱い性に劣る。
【0013】本発明で用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱
物(B)として、代表的には、タルクとナトリウムおよ
び/またはリチウムの珪フッ化物および/またはフッ化
物との混合物を加熱処理して得られるものが挙げられ
る。その具体的な調製法としては例えば特開平2−14
9415号公報に開示された方法がある。すなわち、タ
ルクを出発物質として用い、これにナトリウムイオンお
よび/またはリチウムイオンをインターカレーションし
て膨潤性フッ素雲母系鉱物を得る方法である。この方法
ではタルクに珪フッ化物および/またはフッ化物を混合
し、磁性ルツボ内にて約700〜1200℃で短時間加
熱処理することによってフッ素雲母系鉱物が得られる。
本発明で用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱物(B)は特
にこの方法で製造されたものが好ましい。
【0014】膨潤性のフッ素雲母系鉱物を得るために
は、上記の珪フッ化物またはフッ化物を構成する金属は
アルカリ金属のうち、ナトリウムまたはリチウムとする
ことが必要である。これらのアルカリ金属は単独で用い
てもよいし併用してもよい。アルカリ金属のうち、カリ
ウムの場合には膨潤性のフッ素雲母系鉱物が得られない
ので好ましくないが、ナトリウムあるいはリチウムと併
用し、かつ限定された量であれば膨潤性を調節する目的
で用いることも可能である。また、タルクと混合する珪
フッ化物および/またはフッ化物の量は、混合物全体の
10〜35重量%の範囲が好ましく、この範囲を外れる
と膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成率が低下する。
【0015】本発明で用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱
物(B)は、代表的には次式で示される。 α(MF)・β(aMgF・bMgO)・γSiO
【0016】ここで、Mはナトリウムまたはリチウムを
表し、α、β、γ、aおよびbはそれぞれ係数を表し、
0.1≦α≦2、2≦β≦3.5、3≦γ≦4、0≦a
≦1、0≦b≦1、a+b=1である。
【0017】上記の膨潤性とは、フッ素雲母系鉱物がカ
ルボン酸類、アルコール類、水分子などの極性分子を層
間に吸収することにより、層間距離が拡がり、あるいは
さらに膨潤へき開して、超微細粒子となる特性を意味
し、前記の式で表されるフッ素雲母系鉱物はこのような
膨潤性を示す。
【0018】本発明のインクジェット記録材のバリヤー
層における、ビニルアルコール系重合体(A)と膨潤性
フッ素雲母系鉱物(B)の配合比率に特に制限はない
が、{(B)/(A)}は、0.01〜200(重量
比)の範囲が好適であり、0.1〜100(重量比)の
範囲がより好適である。この重量比{(B)/(A)}
が0.01未満では本発明の目的とするバリヤー効果が
十分でなく、200を超えるとバリヤー層の靱性の低下
が大きいほか、ビニルアルコール系重合体(A)および
膨潤性フッ素雲母系鉱物(B)からなる塗工液を基材に
塗工してインクジェット記録材を製造する場合にその塗
工液粘度が高くなり塗工が困難になる、ピンホールが生
成し易くなるなどの弊害が生ずるため好ましくない。
【0019】本発明のインクジェット記録材において、
バリヤー層には本発明の目的が阻害されない範囲で各種
高分子(水溶性高分子、高分子エマルジョンまたはラテ
ックスなど)、充填剤、界面活性剤(ノニオン性、アニ
オン性)、滑剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤、pH調節
剤、紫外線吸収剤を、用途または性能に応じて適宜配合
することができる。
【0020】上記の水溶性高分子または高分子分散体と
しては、澱粉およびその誘導体、ヒドロキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロー
スなどのセルロース誘導体;アラビヤゴム;ポリ(メ
タ)アクリル酸のアルカリ塩、(メタ)アクリル酸エス
テル/(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ポリ
ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド/(メタ)
アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリルアミド
/(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリル酸三
元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアル
カリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアル
カリ塩、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体のア
ルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウ
ム、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子;ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル
酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブ
チルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体な
どのエマルジョン;スチレン/ブタジエン共重合体ラテ
ックス、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体な
どのラテックスなどが挙げられる。
【0021】上記の充填剤としては、カオリン、クレ
ー、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、ケイソ
ウ土、シリカ、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケ
イ酸マグネシウム、ポリスチレン微粒子、ポリ酢酸ビニ
ル系微粒子、尿素−ホルマリン樹脂微粒子、小麦粉など
が挙げられる。
【0022】また、ビニルアルコール系重合体(A)お
よび膨潤性フッ素雲母系鉱物(B)には、必要に応じて
グリオキザール、尿素樹脂、メラミン樹脂、多価金属
塩、水溶性ポリアミド樹脂などの耐水化剤を添加するこ
ともできる。
【0023】本発明のインクジェット記録材に用いられ
る支持基体としては、透明性あるいは不透明性の従来公
知の支持基体がいずれも使用できる。透明性支持基体と
しては、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリ
カーボネート、ポリイミド、セロハン、セルロイドなど
のフィルム、シートあるいは透明性の高い紙などが挙げ
られる。不透明性支持基体としては、一般の紙、顔料コ
ート紙、布、木材、金属板、合成紙、不透明化処理した
合成樹脂系フイルムあるいはシートなどが挙げられる。
【0024】ビニルアルコール系重合体(A)、膨潤性
フッ素雲母系鉱物(B)および必要に応じて他の添加剤
からなる塗工液を基材に塗工してインクジェット記録材
を製造する場合、該塗工液中のビニルアルコール系重合
体(A)および膨潤性フッ素雲母系鉱物(B)の合計の
濃度には特に制限はなく、塗工量(塗工により生ずる紙
の乾燥重量の増加)、塗工に使用される装置、操作条件
などに応じて任意に選択されるが、通常1〜30重量%
である。該塗工液を基材に塗工するのに使用される装置
としては、2−ロールサイズプレス、ゲートロールサイ
ズプレス、メタリングサイズプレス、エアナイフコータ
ー、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター
などがある。塗工量は紙の性状に応じて任意に選択する
ことができるが、通常、紙の片面当たり0.3〜10g
/m程度が好適に用いられる。塗工液は水溶液である
ことが好適であり、その水溶液粘度は50℃において1
0〜3000mPa・s程度で用いられる事が多い。塗
工液に用いられる溶媒として、水以外に他の溶媒を使用
しても差し支えなく、水とメタノールなどの低級アルコ
ールとの混合溶媒などを使用してもよい。
【0025】上記塗工液を基材に塗工した際、得られる
塗工層の乾燥は、例えば熱風、赤外線、加熱シリンダー
やこれらを組み合わせた方法により行うことができる。
基材が紙の場合、乾燥された記録材は、調湿およびキャ
レンダー処理することにより、バリヤー性を更に向上さ
せることが出来る。調湿条件としては、紙中水分率が5
〜20重量%となる条件が望ましい。
【0026】本発明のインクジェット記録材は、支持基
体中またはその表面に、ビニルアルコール系重合体
(A)および膨潤性フッ素雲母系鉱物(B)から形成さ
れたバリヤー層を有するが、さらに支持基体中またはそ
の表面に、紫外線吸収剤を含有するインク受理層を有す
ることが好ましい。
【0027】本発明のインクジェット記録材のインク受
理層に含有される紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナト
リウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキ
シベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸ナトリウ
ム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、サリチル酸フェニ
ル、4−t−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げら
れる。これらの紫外線吸収剤は、その一種あるいは二種
以上が組み合わせて使用される。ポリビニルアルコール
との相溶性の点からは、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
−5,5’−ビススルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラ
ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合
物が好ましい。
【0028】本発明のインクジェット記録材のインク受
理層は、ポリビニルアルコールを有していることが好ま
しい。また、本発明のインクジェット記録材のインク受
理層は、ポリビニルアルコール以外の水溶性樹脂または
水分散性樹脂を有していてもよい。ポリビニルアルコー
ル以外の水溶性樹脂または水分散性樹脂としては、アル
ブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオン化で
ん粉、アラビヤゴム、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアミド樹
脂、メラミン樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ
ビニルピロリドンなどのノニオン性水溶性樹脂;CM
C、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、アニオン変性
PVA、アルギン酸ナトリウム、水溶性ポリエステルな
どのアニオン性水溶性樹脂;SBRラテックス、NBR
ラテックス、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン/酢
酸ビニル共重合体エマルジョン、(メタ)アクリルエス
テル系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョンなどの
水分散性樹脂などが挙げられるが、これらに制限される
ものではない。
【0029】また、本発明のインクジェット記録材のイ
ンク受理層は、合成シリカ、コロイダルシリカ、コロイ
ダルアルミナ、水酸化アルミニウム、擬ベーマイト、ク
レー、タルク、ケイソウ土、ゼオライト、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、酸化亜鉛、サチンホワイト、有機顔料な
どの充填材を有していてもよい。
【0030】さらに、本発明のインクジェット記録材の
インク受理層は、インクの定着剤としてカチオン性樹脂
を有していてもよい。該カチオン性樹脂は、水に溶解し
たとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンま
たは4級アンモニウム塩のモノマーからなるオリゴマー
またはポリマーである。具体的には、ジメチルアミン・
エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリ
ルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライド重合体、ポリエチレ
ンイミンなどを例示することが出来るが、これらの例に
限定されるものではない。
【0031】支持基体中またはその表面に、紫外線吸収
剤を有するインク受理層を形成せしめる方法としては、
紫外線吸収剤ならびに必要に応じて上記のポリビニルア
ルコール、水溶性樹脂もしくは水分散性樹脂、充填材お
よびカチオン性樹脂などの水溶液、またはそれらの水分
散液をサイズプレス、エアーナイフコーター、ロールコ
ーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコ
ーター、キャストコーターなどの通常のコーティング方
法により支持基体にコーティングして、紫外線吸収剤を
支持基体中に含浸するか、あるいは支持基体の上表面も
しくは支持基体の上表面と下表面との両表面上に紫外線
吸収剤を有するコート層を形成せしめるなどの方法が使
用できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例中、特に断りのない限り「%」および「部」
は重量基準である。
【0033】実施例中の諸物性の評価方法を以下に示
す。 (1)インク吸収性試験 インクジェットプリンターPM2000C(セイコーエ
プソン(株)製)を用いて記録材に黒インクをベタ印字
後、一定時間ごとに印字面を指でこすり、かすれ具合を
観察する。全くかすれなくなるまでの時間を測定した
(○:10秒未満、△:10秒以上30秒未満、×:3
0秒以上)。 (2)耐光性(キセノンランプ加速試験) インクジェットプリンターPM2000C(セイコーエ
プソン(株)製)を用いて記録材にシアンインクをベタ
印字し、試験サンプルを調製した。この試験サンプルに
対し、キセノンウェザーメーター(ATLAS社製Ci
−5000)を使用して、ブラックパネル温度65℃、
相対湿度50%、340nm紫外線照射強度0.35W
/mで90KJ/mの暴露試験を行った。分光光度
計(グレタグマクベス社製GRETAG SPM50)
を用いて、試験サンプルのシアンの反射濃度を暴露試験
の前後に測定することにより、暴露試験後の反射濃度の
残存率(%)を求めて耐光性を評価した。 (3)耐ガス性 インクジェットプリンターPM2000C(セイコーエ
プソン(株)製)を用いて記録材にマゼンタインクをベ
タ印字し、試験サンプルを調製した。この試験サンプル
を室温で3か月空気中に暴露した。分光光度計(グレタ
グマクベス社製GRETAG SPM50)を用いて、
試験サンプルのマゼンタの反射濃度を暴露試験の前後に
測定することにより、暴露試験後の反射濃度の残存率
(%)を求めて耐ガス性を評価した。
【0034】実施例1 (バリヤー層の調製)エチレン単位8.1モル%、ビニ
ルエステル部分のけん化度98.9モル%、重合度55
0のビニルアルコール系重合体(A)の15%水溶液
(a)を調製した。膨潤性フッ素雲母(ソマシフME−
100:コープケミカル社製)(B)を6%の濃度にな
るように水に分散し、2時間超音波洗浄機にかけ、分散
液(b)を調製した。室温で水溶液(a)500部を撹
拌しながら、分散液(b)313部をゆっくり加えた
後、必要量の蒸留水を加え濃度13%の塗工液1を作成
した{固形分基準の重量配合比率:(B)/(A)=2
0/80}。B型粘度計で測定した塗工液1の50℃粘
度は200mPa・sであった。この塗工液1を室温に
てメイヤーバーで塗被量(乾燥時)が3.0g/m
なるようにラミネート紙の表面に塗工し、熱風乾燥機に
て90℃、5分間乾燥してインクジェット記録用シート
を製造した。前記ラミネート紙は市販塗工紙(王子製紙
株式会社製、商品名:OKコート、127.9g/
)の塗工層表面に厚さ15μmのポリエチレンをエ
クストルージョンラミネート法によりラミネートしたも
のである。
【0035】(インク受理層の作製)1次粒子の平均粒
子径が約12nmの気相法シリカ粉末であるアエロジル
A200〔日本アエロジル(株)製〕600部を、酢酸
12部を溶解したイオン交換水2400部に、一方撹拌
機にて撹拌して分散し、固形分濃度20重量%の分散液
を調製した。この分散液を高圧式ホモジナイザーである
ゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同栄商事
(株)製〕にて、700kg/cmの圧力を加えて粉
砕し、乳白色のスラリー状の粘稠状分散液(固形分濃度
20%)を得た。この分散液中に分散している無機微粒
子の平均粒子径は90nmであった。無機微粒子の平均
粒子径は、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA
−910〔堀場製作所(株)製〕にて測定した。粉砕し
た気相法シリカの固形分濃度20%の分散液1000部
に、固形分濃度8%のPVA235(クラレ製)水溶液
500部、紫外線吸収剤2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン(A−1)1.2部を、よく混合撹拌して分散液
を得た。その後、蒸留水を添加して固形分濃度15重量
%の塗工液6を得た。B型粘度計で測定した塗工液6の
30℃溶液粘度は280mPa・sであった。上記のバ
リヤー層上に、この塗工液6を室温にてメイヤーバーで
塗被量(乾燥時)が15g/mとなるように塗工し、
熱風乾燥機にて90℃、5分間乾燥して、インク受理層
を形成した。このシートの評価結果を表3に示す。
【0036】実施例2〜5 実施例1において用いた、バリヤー層の塗工液とインク
受理層の塗工液を表1および表2に示した内容に変更し
たこと以外は、実施例1と同様にして、塗工液を調製
し、インクジェット記録材を製造した。その結果を表3
に示す。
【0037】比較例1〜3 実施例1において用いた、バリヤー層の塗工液とインク
受理層の塗工液を表1および表2に示した内容に変更し
たこと以外は、実施例1と同様にして、塗工液を調製
し、インクジェット記録材を製造した。その結果を表3
に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録材は、酸素
に対する充分なバリヤー性を有し、かつ紫外線吸収性能
を兼ね備えることで従来にない優れた耐光性を有するイ
ンクジェット記録材である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基体中またはその表面に、ビニルア
    ルコール系重合体(A)および膨潤性フッ素雲母系鉱物
    (B)から形成されたバリヤー層を有するインクジェッ
    ト記録材。
  2. 【請求項2】 ビニルアルコール系重合体(A)が炭素
    数4以下のα−オレフィンを1〜20モル%含有するビ
    ニルアルコール系重合体であることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録材。
  3. 【請求項3】 支持基体中またはその表面に、紫外線吸
    収剤を含有するインク受理層を有することを特徴とする
    請求項1または2記載のインクジェット記録材。
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