JP2003248206A - 可変光アッテネータ - Google Patents

可変光アッテネータ

Info

Publication number
JP2003248206A
JP2003248206A JP2002047553A JP2002047553A JP2003248206A JP 2003248206 A JP2003248206 A JP 2003248206A JP 2002047553 A JP2002047553 A JP 2002047553A JP 2002047553 A JP2002047553 A JP 2002047553A JP 2003248206 A JP2003248206 A JP 2003248206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
faraday rotator
optical
rotator
analyzer
polarizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002047553A
Other languages
English (en)
Inventor
清市 ▼高▲山
Seiichi Takayama
Tomohisa Fukuoka
智久 福岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2002047553A priority Critical patent/JP2003248206A/ja
Publication of JP2003248206A publication Critical patent/JP2003248206A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低挿入損失かつ低価格な高減衰タイプ磁気光学
型可変光アッテネータを実現すること。 【解決手段】同一楔加工ロットから組み合わされた楔形
偏光子8と楔形検光子10を用いる。また、旋光子12
を用いてファラデー回転子1への入射偏波角度や検光子
12への入射偏波角度を調整する。これによりコットン
ムートン効果に基づくファラデー回転子1の消光比の劣
化を防ぐことができる。低挿入損失で高い減衰が得ら
れ、且つ低価格な可変光アッテネータを得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システムに
用いられる磁気光学型可変光アッテネータ(光量可変減
衰器)に関し、特に、高減衰型可変光アッテネータに関
する。
【0002】
【従来の技術】可変光アッテネータは、WDM光通信シ
ステム(波長多重光通信システム)の光送信機の光パワ
ー調整などに用いられている。可変光アッテネータには
様々な種類があり、モーターやアクチュエータなどを使
って機械的に光軸をずらして光量減衰量を調整するメカ
ニカルタイプや、電界によって屈折率が変化する効果を
利用した電界光学(EO)タイプがある。また、熱によ
って屈折率が変化する効果を利用した熱光学(TO)タ
イプや、ファラデー回転子を用いた外部磁界によって偏
波面回転角度が変化する効果を利用した磁気光学(M
O)タイプなどがある。
【0003】磁気光学タイプの可変光アッテネータは、
外部磁界可変制御部に電磁石を用いるため可動部がな
く、高い信頼性が得られると共に応答時間が約300μ
sと高速である等の優位性を有している。
【0004】磁気光学タイプの可変光アッテネータは、
日本国特許第2815509号に開示されている構成が
一般に採用されている。この構成は、光の進行方向に沿
って順に偏光子、ファラデー回転子、及び検光子が配置
されている。偏光子及び検光子として一般にはTiO2
ルチル結晶のような複屈折結晶が用いられる。当該偏光
子と検光子は偏光角度を分離させるために楔形に形成さ
れている。
【0005】図11及び図12は、ファラデー回転子1
に印加される磁界及び磁化の方向を示している。図11
は、ファラデー回転子1に対する入射/透過光の進行方
向(図中の矢印L)に直交する所定断面を表している。
図12は、ファラデー回転子1の斜視図を示しており、
ファラデー回転子1に対する入射/透過光の進行方向を
図中の矢印Lで示している。図11及び図12におい
て、不図示の永久磁石からファラデー回転子1に対し、
入射/透過光の進行方向に平行に磁界(以後、平行磁界
(H‖)と表す)が印加される。また、不図示の電磁石
からファラデー回転子1に対し、入射/透過光の進行方
向に直交する方向に磁界(以後、垂直磁界又は横磁界
(H⊥)と表す)が印加される。したがって、ファラデ
ー回転子1には平行磁界(H‖)と垂直磁界(H⊥)と
の合成磁界が印加される。図11及び図12中のMはフ
ァラデー回転子1内部の磁化を表している。磁化Mにお
いて、入射/透過光の進行方向に平行な成分を磁化
M’、垂直成分を磁化M’’と表すと、ファラデー回転
角の大きさは磁化Mの平行成分磁化M’に比例する。
【0006】平行磁界(H‖)は、ファラデー回転子1
が磁気的に飽和する飽和磁界(約12(kA/m))の
強さを有している。電磁石に流す電流が0(mA)のと
きの垂直磁界(H⊥)は0(kA/m)である。したが
って、ファラデー回転子1に外部から印加される合成磁
界は平行磁界(H‖)方向のみの成分となる。また電磁
石に電流が流れているときの合成磁界は平行磁界(H
‖)と垂直磁界(H⊥)のベクトルの和で求められる。
ファラデー回転子1の内部では、合成磁界(H‖+H
⊥)とほぼ同じ方向に磁化Mが向き(厳密には、ファラ
デー回転子1は結晶であるため、結晶磁気異方性により
合成磁界(H‖+H⊥)の方向と磁化Mの方向は必ずし
も一致しない)、磁化方向の平行成分M’だけがファラ
デー回転角に寄与する。つまり、電磁石への電流が0m
Aのときにファラデー回転角は最大で、電磁石へ供給す
る電流値が上昇するに連れてファラデー回転角は小さく
なる。
【0007】しかしながら、電磁石に流す電流を幾ら大
きくしても、平行磁界(H‖)が存在するために磁化M
を垂直磁界(H⊥)に平行にすることはできない。この
ため、ファラデー回転角を0°にすることはできない。
図13は、電磁石に供給する電流値とファラデー回転角
との関係を示すグラフである。横軸は電磁石に供給する
電流値(mA)であり、縦軸はファラデー回転角θf
(deg.)である。図13に示すように、電磁石に通
電する電流値の上限の制約を受けてファラデー回転角θ
fの下限は約10°程度となる。現実の使用を考慮して
可変ファラデー回転角θf=15°付近を下限として素
子設計がなされている。一方、ファラデー回転角θfの
最大値はファラデー回転子1の厚さを調整することによ
り任意に調整可能である。ファラデー回転子1の厚さを
厚くすれば最大のファラデー回転角θfを任意に設定で
きる。
【0008】可変光アッテネータの動作として、例え
ば、最大ファラデー回転角θfmaxを96°(入射光
の波長λ=1550nm、温度T=25℃)、偏光子と
検光子の光学軸の相対角度を105°とすると、電磁石
の電流値が0mAのとき、検光子を透過する光の強度は
最大となり最小アッテネーションが得られる。電磁石に
電流を流して最小ファラデー回転角θfmin=15°
にするとファラデー回転子1を通過後の光の偏波面と検
光子の光学軸とのなす角は90°、つまりクロスニコル
状態となり、検光子を透過する光の強度は最小となり最
大アッテネーションが得られる。
【0009】電磁石に流す電流値を調整することによ
り、最小アッテネーションと最大アッテネーションの間
でアッテネーションを連続的に調整することができる。
最小アッテネーションと最大アッテネーションとの幅を
ダイナミックレンジと呼ぶ。
【0010】近年の光通信システムにおいては、ダイナ
ミックレンジが30dB以上の高減衰型の可変光アッテ
ネータが求められている。ところが、上述のような偏光
子と検光子の光学軸の相対角度が105°で、且つ光学
軸が底辺(水平方向)から52.5°方向の偏光子及び
検光子を用いた可変光アッテネータでは、最大アッテネ
ーションが約25dBしか得られないという問題が生じ
ている。最大アッテネーションが25dBの可変光アッ
テネータを2つ直列に並べて高減衰を達成する2段型可
変減衰器があるが、製造コストも2倍になってしまう。
【0011】上記従来の可変光アッテネータで最大アッ
テネーションが25dBしか得られない原因は、ファラ
デー回転子1がコットンムートン効果による磁気複屈折
の影響を受けるためである。コットンムートン効果は、
ファラデー回転子1内の磁化Mが光の進行方向に平行で
なく、垂直磁化M’’成分を含む場合に生じる。図12
を参照して説明すると、磁化Mの垂直成分M’’とファ
ラデー回転子1への入射光の振動方向(偏波方位)Sp
とのなす角(入射偏波角度)xに依存して磁気複屈折の
大きさが変化する。この磁気複屈折の大きさに依存して
ファラデー回転子1の消光比が劣化する。コットンムー
トン効果が生じると、偏光子で2つの直線偏波に分離さ
れてファラデー回転子1に入射した光は、ファラデー回
転するとともに直線偏波になまりが生じて楕円偏光にな
るため消光比が劣化する。消光比の劣化は最大アッテネ
ーションを低下させ、これによりダイナミックレンジが
低下してしまう。
【0012】コットンムートン効果によるファラデー回
転子1の消光比の劣化の程度は、磁化Mの垂直成分
M’’の方向(便宜上、垂直磁界(H⊥)の方向と同じ
とする)を基準0°とするとファラデー回転子1への入
射光の入射偏波角度xに依存する。入射偏波角度xが垂
直磁界(H⊥)の方向に平行(=0°(=180°))
または直角(=90°(=270°))であれば消光比
の劣化は小さい。入射偏波角度xが垂直磁界(H⊥)の
方向に対して45°(=135°、225°、315
°)で消光比の劣化が最大となる。磁気複屈折効果によ
るファラデー回転子1の消光比の劣化を抑えることがで
きれば、可変光アッテネータの減衰量も大きくすること
ができる。ここで、ファラデー回転子1へ入射する前の
光の偏波角度はファラデー回転子1を通過後にファラデ
ー回転しているため、磁気複屈折効果を低減させるに
は、図12に示すように、磁化Mの垂直成分M’’とフ
ァラデー回転子1から射出した射出光の振動方向(偏波
方位)Seとのなす角(射出偏波角度)yも考慮しなけ
ればならない。また、コットンムートン効果によるファ
ラデー回転子1の消光比の劣化を抑えてダイナミックレ
ンジを30dB以上に保ちたい場合は、最大消光比が得
られる入射偏波角度から±12°以内に入射偏波を保て
ばよいことが実験的にわかっている。
【0013】コットンムートン効果によるファラデー回
転子の消光比の劣化を抑える具体的な構造が特開200
0−314861号公報に開示されている。図14を用
いて当該公報に開示されている構造について説明する。
図14は、ファラデー回転子1の入射/射出光の進行方
向に沿って見た状態を示している。図中左右方向に電磁
石2が配置されている。従って、図中左右方向(右方向
が正)が垂直磁界(H⊥)の方向(便宜上、磁化Mの垂
直成分M’’の方向と等しいものとする)となり、これ
をa軸とする。a軸に直交する図中上下方向(上方向を
正)をb軸とする。また、a軸から時計回りに測った角
度を正とする。
【0014】上記公報に開示された可変光アッテネータ
は、偏光子の光学軸(ファラデー回転子1への入射光の
偏波方位に等しい)Spがa軸に対して+7.5°傾
き、検光子の光学軸Saがa軸に対して−97.5°傾
くようにそれぞれの光学軸が調整されている。この構成
によれば、偏光子の光学軸Spと検光子の光学軸Saと
のなす角Y=105°になる。また、ファラデー回転角
θf=z=15°のときに、ファラデー回転子1からの
射出光の偏波方位Seと検光子の光学軸Saとの間の角
が90°になり、クロスニコル状態になるので最大アッ
テネーションを得ることができる。また、最大アッテネ
ーション時の入射偏波角度xと射出偏波角度yの絶対値
がそれぞれ12°以下であるため、消光比の劣化も最小
限に抑えることができるので高減衰型可変光アッテネー
タを得ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示された高減衰型可変光アッテネータの構成では、a
軸に対して偏光子の光学軸Spが+7.5°傾き、検光
子の光学軸Saが−97.5°傾くようにする必要があ
る。従って、偏光子と検光子のa軸(例えば光学素子底
辺)から測った光学軸の方向が異なるので両者は同一の
楔加工ロットで製造された楔形ルチルを組み合わせて使
用することができず、別々の楔加工ロットで製造された
楔形ルチルを組み合わせて使用せざるを得ないという問
題が生じている。
【0016】図15乃至図17を用いて楔形ルチルにつ
いて説明する。図15は、楔形ルチル4を側面から見た
状態を示している。図15に示すように、楔形ルチル4
は、側面からみて直角プリズム(台形)状をなしてお
り、両側辺を延長した交線のなす角が所定の楔頂角θ1
となるように加工されている。図16は、光学軸を偏光
子及び検光子内にある基準辺(例えば、底辺)から5
2.5°に設定して楔加工した楔形ルチル4の1ロット
を示している。同一楔加工ロットを図中の切断線6に沿
って切断することにより複数の同一形状の楔形ルチル4
を作製できる。図17は、図16に示す同一楔加工ロッ
トから得られた楔形ルチル4を2つ選び、ファラデー回
転子1の両側に配置して偏光子8及び検光子10として
用いた例を示している。図17(a)はファラデー回転
子1の両側に偏光子8及び検光子10を配置した状態を
示し、図17(b)は、偏光子8の光入射面を示し、矢
印で光学軸Spを示している。図17(c)は、検光子
10の光入射面を示し、矢印で光学軸Saを示してい
る。
【0017】偏光子8と検光子10の光学軸の相対角度
を105°に設定した場合、底辺(水平面)から測った光
学軸の角度が52.5°となる同一楔加工ロットを作製
すれば、当該同一楔加工ロットの中から偏光子と検光子
の組み合わせを選ぶことができ、同一楔加工であるがゆ
えに楔頂角θ1はほとんど等しく、組み合わせを選ぶた
めの検査が必要なく生産性がよい。図7(a)に示すよ
うに偏光子8と検光子10は、同一ロットから切り出し
た2つの楔形ルチル4を一方に対して他方の上下を逆に
して配置する。こうすることにより偏光子8と検光子1
0の光学軸の相対角度を105°に設定できる。
【0018】組み合わせる偏光子8と検光子10の楔頂
角θ1を等しくすると、電磁石2の電流値0mAにおけ
る最低アッテネーションでの挿入損失を小さくすること
ができる。例えば、楔頂角θ1の絶対値が4°±0.1
5°で、偏光子8と検光子10の楔頂角θ1のずれが
0.2°であるとし、直径400μmのコリメート光が
入射するものとすると、当該ずれによって引き起こされ
る余剰損失は約0.14dBとなる。この値は磁気光学
型可変光アッテネータを製造する上で挿入損失の歩留ま
りに影響する。ところが、同一楔加工ロット内での組み
合わせの場合には、楔頂角θ1のずれは約0.03°以
下であり、余剰損失は0.005dB以下と無視できる
レベルになる。しかしながら上述のように光学軸が水平
面から52.5°傾いた方向では、ファラデー回転子1
の消光比の劣化が著しいため、30dB以上の高いアッ
テネーションを得ることができない。
【0019】上記特開2000−314861号公報に
開示された構成では、別々の楔加工ロットから偏光子8
と検光子10を製造して組み合わせているため、楔頂角
θ1の合わせが難しい。同一楔加工ロットからの組み合
わせであれば、無作為に組み合わせても楔頂角θ1のず
れは0.03°以下に収まる。別々の楔加工ロットから
組み合わせる場合には、無作為に選択すると楔頂角θ1
の絶対値4°±0.15°の最大許容値同士で0.3°
の楔頂角θ1のずれが生じる可能性がある。これは可変
光アッテネータとしての挿入損失の歩留まりを悪化させ
る。また個別に楔頂角θ1を測定して、楔頂角θ1の等
しいルチル同士を組み合わせることも可能だが、楔頂角
θ1の個別測定は手間がかかり過ぎるという問題が生じ
る。また、組み合わせに向かない楔形ルチルが残ってし
まい楔形ルチルの製造コストが増加してしまうという問
題が生じる。
【0020】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、低損失且つ低コストな高減衰型可変光ア
ッテネータを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的は、磁界を印加
して磁化の方向を変えることにより、入射光の偏波面を
所定角度回転させて射出するファラデー回転子と、前記
ファラデー回転子に前記磁界を印加する磁界印加部と、
前記ファラデー回転子の光入射側に配置される偏光子
と、前記ファラデー回転子の光射出側に配置される検光
子とを有し、前記入射光の進行方向に直交する前記ファ
ラデー回転子内の磁化の垂直成分方向と前記ファラデー
回転子に入射する光の入射偏波面とのなす角度xと、最
大アッテネーションが得られる状態でのファラデー回転
角zとが、[(−z/2)+90×n]−12≦x≦
[(−z/2)+90×n]+12(但し、nは0,
1,2,3のいずれか)の関係を満たすことを特徴とす
る可変光アッテネータによって達成される。
【0022】上記本発明の可変光アッテネータにおい
て、前記磁界印加部は、前記入射光の進行方向に平行に
印加される平行磁界と、前記入射光の進行方向に直交す
る垂直磁界との合成磁界を前記ファラデー回転子に印加
することを特徴とする。
【0023】上記本発明の可変光アッテネータにおい
て、前記ファラデー回転子と前記偏光子との間に旋光子
が配置されていることを特徴とする。
【0024】上記本発明の可変光アッテネータにおい
て、前記ファラデー回転子と前記検光子との間に旋光子
が配置されていることを有することを特徴とする。
【0025】上記本発明の可変光アッテネータにおい
て、前記ファラデー回転子と前記偏光子との間に配置さ
れる第1旋光子と、前記ファラデー回転子と前記検光子
との間に配置される第2旋光子とを有することを特徴と
する。
【0026】上記本発明の可変光アッテネータにおい
て、前記偏光子及び前記検光子は、基準辺から測った光
学軸の傾きがほぼ同一であることを特徴とする。
【0027】上記本発明の可変光アッテネータにおい
て、前記旋光子は、1枚または複数枚の水晶板からなる
1/2波長板であることを特徴とする。
【0028】以上のような構成をとることにより、コッ
トンムートン効果による消光比劣化を回避した高減衰型
可変光アッテネータが得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕本発明の第
1の実施の形態による可変光アッテネータについて図1
乃至図6を用いて説明する。まず、本実施の形態による
可変光アッテネータの概略の構成を図1を用いて説明す
る。可変光アッテネータの光学素子として、図中矢印L
で示す光入射方向に見て、偏光子8、旋光子12、ファ
ラデー回転子1、及び検光子10がこの順に配置されて
いる。図1での図示は省略しているが、磁界印加部とし
て、ファラデー回転子1に平行磁界(H‖)を発生する
リング型永久磁石が、ファラデー回転子1の光入射側及
び光射出側にそれぞれ配置されている。また、図1の紙
面に垂直方向の垂直磁界(H⊥)をファラデー回転子1
に印加する電磁石2(図2参照)も配置されている。
【0030】ファラデー回転子1は、ビスマス・イット
リウム・鉄・ガーネットを含むガーネット単結晶からな
る低飽和磁界タイプである。温度25℃で入射光の波長
が1550nmにおいて、ファラデー回転角θfの絶対
値が96°になるようにファラデー回転子1の厚さは調
整されている。1枚のガーネット単結晶で絶対値96°
のファラデー回転角θfが得られない場合には、ガーネ
ット単結晶を複数枚重ねて使用すればよい。本例では単
板厚さ約0.3mmのガーネット単結晶を3枚重ねで使
用している。
【0031】本実施の形態による可変光アッテネータ
は、磁界を印加して磁化の方向を変えることにより、入
射光の偏波面を所定角度回転させて射出するファラデー
回転子1と、ファラデー回転子1に磁界を印加する磁界
印加部と、ファラデー回転子1の光入射側に配置される
偏光子8と、ファラデー回転子1の光射出側に配置され
る検光子10とを有し、入射光の進行方向に直交するフ
ァラデー回転子1内の磁化の垂直成分方向とファラデー
回転子1に入射する光の入射偏波面とのなす角度xと、
最大アッテネーションが得られる状態でのファラデー回
転角zとが、[( −z/2)+90×n]−12≦x≦[(−z/2)+
90×n]+12 ・・ ・ (式A) (但し、nは0,1,2,3のいずれか)の関係を満た
すことを特徴とする。
【0032】各光学素子の光学軸について、図2の模式
図を用いて説明する。図2は、ファラデー回転子1の入
射/射出光の進行方向に沿って見た状態を示している。
図中左右方向に電磁石2が配置されている。従って、図
中左右方向(右方向が正)が垂直磁界(H⊥)の方向
(便宜上、磁化Mの垂直成分M’’の方向と等しいもの
とする)となり、これをa軸とする。a軸に直交する図
中上下方向(上方向を正)をb軸とする。また、a軸か
ら時計回りに測った角度を正とする。なお光の振動振幅
に正負の区別はなく、図中の光学軸を示す矢印は本来的
には座標原点を中心とする両矢印にすべきであるが、こ
こでは図を見易くするために片矢印としている。
【0033】最大アッテネーションは、ファラデー回転
子1の射出光の偏波方位Seと検光子の光学軸Saとの
間の角が90°となるいわゆるクロスニコル状態で得ら
れる。このときのファラデー回転角θf=zとする。ま
た、偏光子8とファラデー回転子1との間に配置された
旋光子12による旋光角度をθh1とし、偏光子及び検
光子内にある基準辺(例えば、底辺)から測った光学軸
の傾きが同一になる例えば同一楔加工ロットから組み合
わせた偏光子8と検光子10において、それらの光学軸
Spと光学軸Saのなす角をY’とすると、式Aを満た
すためには、 z=Y’−θh1−90 ・・・ (式B) でなければならない。
【0034】偏光子8の光学軸Spはa軸に対して+9
7.5°傾いている。検光子10は偏光子8を上下ひっ
くり返して配置してあり、検光子10の光学軸Saは、
a軸に対して−97.5°傾いている。よって偏光子8
の光学軸Spと検光子10の光学軸Saのなす角Y’=
195°になる。また、検光子10の光学軸Saの方向
がa軸に対して−97.5°であるから、最大アッテネ
ーション時のファラデー回転子1からの射出光の偏波方
位Seの射出偏波角度yはa軸に対して−7.5°とな
る。また、最大アッテネーション時のファラデー回転角
θf=z=15°とすると、ファラデー回転子1への入
射光の偏波方位Sp’の入射偏波角度xはa軸に対して
+7.5°となる。
【0035】旋光子12は、例えば水晶板を用いた1/
2波長板である。式Bを満たすために旋光子12の光学
軸Srはa軸に対して+52.5°に設定する。一般に
1/2波長板は、その光学軸に対して入射偏波角度θで
入射した光の偏波方位を旋光角θh1=2θだけ回転さ
せる。偏光子8を通過してa軸に対して+97.5°傾
いた偏波方位の光は、旋光子12の光学軸に対して入射
偏波角度θ=45°で入射する。従って、旋光子(1/
2波長板)12に入射した光は、旋光角θh1=90°
だけ偏波面が回転させられて、ファラデー回転子1への
入射光の偏波方位Sp’がa軸に対して+7.5°の入
射偏波角度xとなってファラデー回転子1に射出される
ことになる。
【0036】各光学素子の光学軸について、角度の方向
を表す符号まで考慮してまとめると次のようになる。 (1)クロスニコル状態でのファラデー回転角θf=z
=15°; (2)ファラデー回転子1への入射偏波角度x=+7.
5°; (3)偏光子8の光学軸Spと検光子10の光学軸Sa
のなす角Y’=195°; (4)旋光子12の旋光角θh1=90°。 上記(1)、(2)、(3)、及び(4)は、式Aと式
Bとを満たしている。
【0037】次に本実施の形態による可変光アッテネー
タの動作について説明する。実験として、楔形ルチル偏
光子8と検光子10の代わりにグラントムソンプリズム
を用い、図2に示すのと同様の光学軸の配置にしてアッ
テネーションを測定したところ、温度25℃、光の波長
1550nmにおいて45dBの最大アッテネーション
が得られた。
【0038】本実施の形態では、旋光子12として水晶
1/2波長板を用いているが、水晶1/2波長板12も
ファラデー回転角と同様に消光比特性を有している。そ
して、水晶1/2波長板12の消光比は、波長依存性と
温度依存性を有しており、これらの依存性がアッテネー
タのアッテネーション特性にも影響する。加えてファラ
デー回転子1の回転角も温度依存性と波長依存性を有す
る。ここで水晶1/2波長板12とファラデー回転子1
の双方を含んだ消光比の波長依存性と温度依存性を、グ
ラントムソンプリズムを用いた実験系から求めた。図3
および表1は、温度が0℃、25℃、及び65℃におけ
る水晶1/2波長板12とファラデー回転子1の双方を
含む消光比の波長依存性を示す。
【0039】
【表1】
【0040】消光比の測定時には垂直磁界(H⊥)を調
整して各測定点での最大消光比を読み取った。グラント
ムソンプリズムや楔形ルチル偏光子もそれ自体に消光比
特性を有するが、これらの消光比は通常50dB以上で
あり、波長依存性や温度依存性が小さく消光比特性がほ
とんど変化しない。従って、図10と表1の値は、水晶
1/2波長板12とファラデー回転子1のみの消光比特
性を表している。楔形ルチル偏光子8、10を用いて作
製した実際のアッテネータのアッテネーション特性も、
水晶1/2波長板12とファラデー回転子1の消光比に
よってほとんど決定される。
【0041】次に、本実施の形態による可変光アッテネ
ータで得られる最大アッテネーションがどの程度かにつ
いて説明する。アッテネーションATTは以下の式Cで
求められる。 ATT(dB)=−10log10[cos2(Y’−θh1−θf)+10(-ER/ 10) ] ・・・ (式C) ここで、Y’は偏光子8と検光子10の光学軸Sp、S
aのなす角であり、Y’=195°である。 θfはファラデー回転角であり、 θf=θfmax×sinα ・・・ (式D) である。αは磁化の方向であり、垂直磁界(H⊥)の強
さすなわち電磁石2に流す電流値で変化する量である
(図11参照)。ERは消光比を表し、表1の値を用い
る。最大ファラデー回転角θfmaxと消光比ERは、
波長依存性と温度依存性を有する係数である。消光比E
Rは実験値を代入する。最大ファラデー回転角θfma
xは、 θfmax(°)=96+A(λ−1550)+B(T−25) ・・・(式 E) で与えられ、Aはファラデー回転角の波長依存性係数、
Bは温度依存性係数であり、材料特性からそれぞれ−
0.13、−0.20を用いる。λは波長(nm)、T
は温度(℃)を表す。
【0042】θh1は水晶1/2波長板12による旋光
角を表し、ここでは90°である。水晶1/2波長板1
2は中心条件λ=1550nm、T=25℃で位相差が
180°になるよう設計してあるが、波長や温度が中心
条件から外れると位相差が180°からずれるため、旋
光角は90°であるが消光比が劣化する。本実施形態で
の計算では旋光角θh1を90°に固定して、波長依存
性と温度依存性による消光比劣化の影響は実験値から求
めたERに含めることとする。
【0043】可変垂直磁界用電磁石2は、電流値I=5
0mAで75.6(kA/m)の磁界を発生する。平行
磁界発生部としてリング型の永久磁石を用い、固定磁界
の強さを11.9(kA/m)とした。計算を容易にす
るために外部印加磁界とファラデー回転子1の磁化の方
向は一致するものとした。
【0044】実測のERと(式D)及び(式E)を(式
C)へ代入して計算し得られたアッテネーションと電磁
石2へ流す電流値との関係を図4乃至図6に示す。図4
乃至図6より、温度T=0〜65℃、且つ光の波長λ=
1530〜1570nmの範囲内において、アッテネー
ション値30dB以上を達成できることがわかる。
【0045】上記の結果は、ファラデー回転子1への入
射光の偏波方位Sp’の入射偏波角度xが0°付近の場
合を示しているが、当該入射偏波角度xが90°付近、
180°付近、270°付近の場合でも同様の結果が得
られる。
【0046】ファラデー回転子1への入射偏波角度x=
+7.5°はファラデー回転子1のみの消光比が最大に
なる角度であるが、x=+7.5±12°以内であれ
ば、ファラデー回転子1自体の消光比は30dBを保つ
ことができ、水晶1/2波長板12を組み合わせた光ア
ッテネータでは、λ=1550nm、T=25℃におい
て30dB以上のアッテネーションが得られる。
【0047】〔第2の実施の形態〕本発明の第2の実施
の形態による可変光アッテネータについて図7及び図8
を用いて説明する。まず、本実施の形態による可変光ア
ッテネータの概略の構成を図7を用いて説明する。可変
光アッテネータの光学素子として、図中矢印Lで示す光
入射方向に見て、偏光子8、ファラデー回転子1、旋光
子12、及び検光子10がこの順に配置されている。第
1の実施の形態では、偏光子8とファラデー回転子1と
の間に旋光子12を配置していたが、本実施の形態で
は、ファラデー回転子1と検光子10との間に旋光子1
2を配置した点に特徴を有している。本実施形態による
構成では、旋光子12がファラデー回転子1の後に位置
しているため、ファラデー回転角の変化につれて、旋光
子(水晶1/2波長板)12への入射偏波角度が変わる
ため旋光角θh2は一定にならないが、可変光アッテネ
ータとして動作させることができる。
【0048】第1の実施の形態における図2と同様の図
8を用いて、本実施の形態におけるファラデー回転子1
の入射/射出光の進行方向に沿って見た状態について説
明する。図8において、図2に示された構成要素と同一
の作用機能を有する構成要素には同一の符号を付してそ
の説明は省略する。ファラデー回転子1と検光子10と
の間に配置された旋光子12による旋光角度をθh2と
し、基準辺から測った光学軸の傾きがほぼ同一になるよ
うに、例えば同一楔加工ロットから組み合わせた偏光子
8と検光子10において、それらの光学軸Spと光学軸
Saのなす角をY’とすると、式Aを満たすためには、 z=Y’−θh2−90 ・・・ (式F) でなければならない。
【0049】偏光子8の光学軸Spはa軸に対して+
7.5°傾いている。検光子10は偏光子8を上下ひっ
くり返して配置してあり、検光子10の光学軸Saは、
a軸に対して−7.5°傾いている。よって偏光子8の
光学軸Spと検光子10の光学軸Saのなす角Y’=1
5°になる。また、検光子10の光学軸Saの方向がa
軸に対して−7.5°であるから、最大アッテネーショ
ン時の検光子12からの射出光の偏波方位Seの射出偏
波角度yはa軸に対して−97.5°となる。
【0050】旋光子12は、例えば水晶板を用いた1/
2波長板である。式Fを満たすために旋光子12の光学
軸Srはa軸に対して−52.5°に設定する。上述の
ように1/2波長板は、その光学軸に対して入射偏波角
度θで入射した光の偏波方位を旋光角θh2=2θだけ
回転させる。ファラデー回転子1を通過してa軸に対し
て−7.5°傾いた偏波方位の光は、旋光子12の光学
軸に対して入射偏波角度θ=45°で入射する。従っ
て、旋光子(1/2波長板)12に入射した光は、旋光
角θh2=90°だけ偏波面が回転させられて、検光子
12への入射光の偏波方位Seがa軸に対して−97.
5°の入射偏波角度となる。
【0051】各光学素子の光学軸について、角度の方向
を表す符号まで考慮してまとめると次のようになる。 (1)クロスニコル状態でのファラデー回転角θf=z
=15°; (2)ファラデー回転子1への入射偏波角度x=+7.
5°; (3)偏光子8の光学軸Spと検光子10の光学軸Sa
のなす角Y’=15°; (4)旋光子12の旋光角θh2=90°。 上記(1)、(2)、(3)、及び(4)は、式Aと式
Fとを満たしている。本実施の形態による可変光アッテ
ネータの場合にも、第1の実施の形態と同様の効果を奏
することができ、第1の実施の形態における図3乃至図
6及び表1に示すものと同じアッテネーション特性を得
ることができる。
【0052】〔第3の実施の形態〕本発明の第3の実施
の形態による可変光アッテネータについて図9及び図1
0を用いて説明する。まず、本実施の形態による可変光
アッテネータの概略の構成を図9を用いて説明する。可
変光アッテネータの光学素子として、図中矢印Lで示す
光入射方向に見て、偏光子8、第1旋光子12、ファラ
デー回転子1、第2旋光子14、及び検光子10がこの
順に配置されている。第1及び第2の実施の形態では、
偏光子8とファラデー回転子1との間、あるいはファラ
デー回転子1と検光子10との間に旋光子12を配置し
たが、本実施の形態では偏光子8とファラデー回転子1
との間に第1検光子12を配置し、ファラデー回転子1
と検光子10との間に第2旋光子14を配置した点に特
徴を有している。
【0053】第1及び第2の実施の形態における図2お
よび図8と同様の図10を用いて、本実施の形態におけ
るファラデー回転子1の入射/射出光の進行方向に沿っ
て見た状態について説明する。図10において、図2及
び図8に示された構成要素と同一の作用機能を有する構
成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。偏
光子8とファラデー回転子1との間に配置された第1旋
光子12による旋光角度をθh1とし、ファラデー回転
子1と検光子10との間に配置された第2旋光子14に
よる旋光角度をθh2とする。また、基準辺から測った
光学軸の傾きがほぼ同一になる、例えば同一楔加工ロッ
トから組み合わせた偏光子8と検光子10の光学軸Sp
と光学軸Saのなす角をY’とすると、式Aを満たすた
めには、 z=Y’−θh1−θh2−90 ・・・ (式G) でなければならない。
【0054】偏光子8の光学軸Spはa軸に対して+5
2.5°傾いている。検光子10は偏光子8を上下ひっ
くり返して配置してあり、検光子10の光学軸Saは、
a軸に対して−52.5°傾いている。よって偏光子8
の光学軸Spと検光子10の光学軸Saのなす角Y’=
105°になる。最大アッテネーションを得るためのフ
ァラデー回転角θf=z=15°である。第1及び第2
旋光子12、14は、例えば水晶板を用いた1/2波長
板である。式Gを満たすために第1旋光子12の光学軸
Sr1はa軸に対して+22.5°であり旋光角θh1
は45°である。第2旋光子14の光学軸Sr2はa軸
に対して−75°であり旋光角θh2は135°であ
る。
【0055】各光学素子の光学軸について、角度の方向
を表す符号まで考慮してまとめると次のようになる。 (1)クロスニコル状態でのファラデー回転角θf=z
=15°; (2)ファラデー回転子1への入射偏波角度x=+7.
5°; (3)偏光子8の光学軸Spと検光子10の光学軸Sa
のなす角Y’=105°; (4)第1旋光子12の旋光角θh1=45°; (5)第2旋光子14の旋光角θh2=135°。 上記(1)、(2)、(3)、(4)、及び(5)は、
式Aと式Gとを満たしている。
【0056】本実施の形態による可変光アッテネータの
場合にも、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を奏
することができるが、ファラデー回転子1と2つの旋光
子12、14を用いた構成であるため、水晶1/2波長
板による消光比劣化が第1及び第2実施の形態より大き
く、中心条件から光の波長λと温度Tとが外れた条件で
は最大アッテネーションが小さくなるが、λ=1550
nm、T=25℃の中心条件では最大アッテネーション
として45dBを得ることができる。
【0057】挿入損失については、上述のように偏光子
8と検光子10の楔頂角θ1をどこまで精度よく測定し
て最適組み合わせを取ることができるかという測定精度
上の問題と、検査工数の増加に絡むコストアップの問題
があるが、上記第1乃至第3の実施の形態のように同一
楔加工ロットから用いた偏光子8と検光子10の組み合
わせならば無検査でも楔頂角θ1の相対角度差を0.0
3°以下にでき、楔頂角θ1の不一致による余剰損失を
確実に0.005dB以下にできる。
【0058】旋光子12、14としてフレネルロムタイ
プの波長板を用いれば、旋光子の消光比の波長依存性と
温度依存性を小さくでき、アッテネータとしての波長依
存性や温度依存性を小さくすることもできる。また、旋
光子12、14として、水晶以外の複屈折物質を用いた
1/2波長板を用いることも可能である。
【0059】また、水晶板を2枚貼り合わせたタイプの
1/2波長板を旋光子12、14に用いれば、消光比の
波長依存性と温度依存性を小さくできるため、T=0
℃、λ=1528nm、またはT=65℃、λ=157
0nmなど使用条件の上下限側においても(式C)中の
ER部を大きくすることができ、アッテネータとして図
4乃至図6に示した値よりさらに大きなピーク減衰量を
得ることができる。
【0060】楔形偏光子として、TiO2ルチルの他に
YVO4結晶やLN結晶などの複屈折物質を用いること
もできる。
【0061】光アッテネータとしての価格については、
本実施の形態では旋光子12、14を用いる分だけ高コ
ストとなるが、例えば水晶1/2波長板はTiO2ルチ
ルに比べ1/5以下の低価格で入手することができる。
したがって、別々の楔加工ロットから偏光子8と検光子
10とを切り出して、楔頂角θ1の検査をして組み合わ
せる楔形偏光子8と検光子10を選択する工程を経るよ
り、同一ロット楔加工から組み合わされた楔形偏光子8
と検光子10と水晶1/2波長板12、14の組み合わ
せを用いた方が安価に高減衰型可変光アッテネータを製
造できる。
【0062】第3の実施の形態にように2つの第1及び
第2旋光子12、14を用いる場合にはさらに製造コス
トが高くなってしまうが、一方で、楔形偏光子8、10
の光学軸の方向を自由に選ぶことができる利点が生じ
る。楔形偏光子8、10の光学軸を自由に選べるので、
例えば光アイソレータとして一般的に使われている光学
軸の方向が底辺に対し22.5°の楔形偏光子を光アッ
テネータに用いることも可能である。光学軸の方向が底
辺に対し22.5°の一般的な楔形偏光子は大量生産さ
れていて安価に入手することができ、旋光子を2つ用い
たとしても可変光アッテネータ全体として安価に製造す
ることが可能である。
【0063】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、例えば同
一楔加工ロットから切り出されて組み合わされた基準辺
から測った光学軸の傾きがほぼ同一である楔形偏光子と
楔形検光子を用い、且つ旋光子を用いてファラデー回転
子への入射偏波角度や検光子への入射偏波角度を調整す
ることにより、コットンムートン効果に起因するファラ
デー回転子の消光比の劣化を防ぐことができる。これに
より、低挿入損失で且つ低コストな高減衰型可変光アッ
テネータを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による可変光アッテ
ネータの概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による可変光アッテ
ネータの各光学素子の光学軸について、ファラデー回転
子1の入射/射出光の進行方向に沿って見た状態を示す
図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による可変光アッテ
ネータにおいて、温度が0℃、25℃、及び65℃にお
ける水晶1/2波長板12とファラデー回転子1の双方
を含む消光比の波長依存性を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による可変光アッテ
ネータにおいて、得られるアッテネーションATTと電
磁石2へ流す電流値との関係を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による可変光アッテ
ネータにおいて、得られるアッテネーションATTと電
磁石2へ流す電流値との関係を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態による可変光アッテ
ネータにおいて、得られるアッテネーションATTと電
磁石2へ流す電流値との関係を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による可変光アッテ
ネータの概略の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による可変光アッテ
ネータの各光学素子の光学軸について、ファラデー回転
子1の入射/射出光の進行方向に沿って見た状態を示す
図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による可変光アッテ
ネータの概略の構成を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による可変光アッ
テネータの各光学素子の光学軸について、ファラデー回
転子1の入射/射出光の進行方向に沿って見た状態を示
す図である。
【図11】ファラデー回転子1に印加される磁界及び磁
化の方向を示す図である。
【図12】ファラデー回転子1に印加される磁界及び磁
化の方向を示す斜視図である。
【図13】電磁石に供給する電流値とファラデー回転角
との関係を示すグラフである。
【図14】特開2000−314861号公報に開示さ
れている可変光アッテネータの構造を説明する図であ
る。
【図15】楔形ルチルについて説明する図である。
【図16】楔形ルチルについて説明する図である。
【図17】楔形ルチルについて説明する図である。
【符号の説明】
1 ファラデー回転子 2 電磁石 4 楔形ルチル 6 切断線 8 偏光子 10 検光子 12、14 旋光子 Sa 検光子の光学軸 Sp ファラデー回転子1への入射光の偏波方位 Se ファラデー回転子1から射出した射出光の偏波方
位 Sr 旋光子12の光学軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA08 BB01 BB03 BB05 BC25 2H079 AA03 BA01 BA02 CA04 CA24 DA12 KA05 KA17 2H099 AA01 CA11 DA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁界を印加して磁化の方向を変えることに
    より、入射光の偏波面を所定角度回転させて射出するフ
    ァラデー回転子と、 前記ファラデー回転子に前記磁界を印加する磁界印加部
    と、 前記ファラデー回転子の光入射側に配置される偏光子
    と、 前記ファラデー回転子の光射出側に配置される検光子と
    を有し、 前記入射光の進行方向に直交する前記ファラデー回転子
    内の磁化の垂直成分方向と前記ファラデー回転子に入射
    する光の入射偏波面とのなす角度xと、最大アッテネー
    ションが得られる状態でのファラデー回転角zとが、 [(−z/2)+90×n]−12≦x≦[(−z/
    2)+90×n]+12 (但し、nは0,1,2,3のいずれか)の関係を満た
    すことを特徴とする可変光アッテネータ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の可変光アッテネータにおい
    て、 前記磁界印加部は、前記入射光の進行方向に平行に印加
    される平行磁界と、前記入射光の進行方向に直交する垂
    直磁界との合成磁界を前記ファラデー回転子に印加する
    ことを特徴とする可変光アッテネータ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の可変光アッテネー
    タにおいて、 前記ファラデー回転子と前記偏光子との間に旋光子が配
    置されていることを特徴とする可変光アッテネータ。
  4. 【請求項4】請求項1又は2に記載の可変光アッテネー
    タにおいて、 前記ファラデー回転子と前記検光子との間に旋光子が配
    置されていることを有することを特徴とする可変光アッ
    テネータ。
  5. 【請求項5】請求項1又は2に記載の可変光アッテネー
    タにおいて、 前記ファラデー回転子と前記偏光子との間に配置される
    第1旋光子と、 前記ファラデー回転子と前記検光子との間に配置される
    第2旋光子とを有することを特徴とする可変光アッテネ
    ータ。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の可
    変光アッテネータにおいて、 前記偏光子及び前記検光子は、基準辺から測った光学軸
    の傾きがほぼ同一であることを特徴とする可変光アッテ
    ネータ。
  7. 【請求項7】請求項3乃至5のいずれか1項に記載の可
    変光アッテネータにおいて、 前記旋光子は、1又は複数の水晶板からなる1/2波長
    板であることを特徴とする可変光アッテネータ。
JP2002047553A 2002-02-25 2002-02-25 可変光アッテネータ Pending JP2003248206A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002047553A JP2003248206A (ja) 2002-02-25 2002-02-25 可変光アッテネータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002047553A JP2003248206A (ja) 2002-02-25 2002-02-25 可変光アッテネータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003248206A true JP2003248206A (ja) 2003-09-05

Family

ID=28660578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002047553A Pending JP2003248206A (ja) 2002-02-25 2002-02-25 可変光アッテネータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003248206A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010145913A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Fdk Corp 磁気光学光変調器
JP2010237268A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Fdk Corp 光アイソレータ用楔型複屈折率偏光子、光アイソレータの製造方法および光アイソレータ
JP2013130715A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Fdk Corp 光変調器
JP2022135685A (ja) * 2021-03-05 2022-09-15 株式会社光学技研 広帯域位相子、該広帯域位相子を備えた計測装置及び光アッテネーター
US11561173B2 (en) 2017-09-29 2023-01-24 Cotton Mouton Diagnostics Limited Magneto-optical method and apparatus for detecting analytes in a liquid

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010145913A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Fdk Corp 磁気光学光変調器
JP2010237268A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Fdk Corp 光アイソレータ用楔型複屈折率偏光子、光アイソレータの製造方法および光アイソレータ
JP2013130715A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Fdk Corp 光変調器
US11561173B2 (en) 2017-09-29 2023-01-24 Cotton Mouton Diagnostics Limited Magneto-optical method and apparatus for detecting analytes in a liquid
JP2022135685A (ja) * 2021-03-05 2022-09-15 株式会社光学技研 広帯域位相子、該広帯域位相子を備えた計測装置及び光アッテネーター
JP7221320B2 (ja) 2021-03-05 2023-02-13 株式会社光学技研 広帯域位相子、該広帯域位相子を備えた計測装置及び光アッテネーター

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20010010593A1 (en) Tunable optical filter
JPH06300987A (ja) 光アイソレータ
JPH1090639A (ja) ファラデー回転子及び該ファラデー回転子を用いた光デバイス
JPH10161076A (ja) 磁気光学効果を利用した光デバイス
US6876480B2 (en) Farady rotation device and optical device comprising it
JP2003248206A (ja) 可変光アッテネータ
JPH11249095A (ja) ファラデー回転子
JP3493119B2 (ja) ファラデー回転角可変装置
JP2000249997A (ja) ファラデー回転角可変装置
US6392784B1 (en) Faraday rotator
JPH06130339A (ja) チューナブル光学フィルタ
JP3974041B2 (ja) 光可変減衰器、光シャッタ及び光可変等化器
JPH0244310A (ja) 光アイソレータ
JP2005099737A (ja) 磁気光学光部品
JP2006208948A (ja) 可変光アッテネータ
JP3764825B2 (ja) 光アッテネータ
JPH0477713A (ja) 偏光無依存型光アイソレータの製造方法
JPH0961772A (ja) 偏波制御装置
JP2567697B2 (ja) ファラデー回転装置
JPH06317763A (ja) 光アイソレータ
JPH06221993A (ja) 偏光子の消光比測定方法及び測定装置
JP2509845B2 (ja) 偏光無依存型光アイソレ―タ
JP2786016B2 (ja) 光アイソレータ
JP3057578B2 (ja) 磁気光学素子およびそれを用いた光アイソレータ
Kimura et al. Chirality‐Dependent Magnetoelectric Responses in a Magnetic‐Field‐Induced Ferroelectric Phase of Pb (TiO) Cu4 (PO4) 4

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071002