JP2003247994A - 標的核酸の検出方法 - Google Patents

標的核酸の検出方法

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JP2003247994A
JP2003247994A JP2002049902A JP2002049902A JP2003247994A JP 2003247994 A JP2003247994 A JP 2003247994A JP 2002049902 A JP2002049902 A JP 2002049902A JP 2002049902 A JP2002049902 A JP 2002049902A JP 2003247994 A JP2003247994 A JP 2003247994A
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water
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JP2002049902A
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Keisaku Okada
圭策 岡田
Riyouko Asai
量子 浅井
Yasuyuki Tanaka
康進 田中
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】操作性に優れ、迅速、簡便な標的核酸の検出方
法、ならび該標的核酸の検出用キットの提供。 【解決手段】標的核酸と結合する検出プローブと、標的
核酸と結合しないが、該検出プローブと結合する捕捉プ
ローブを用いる標的核酸の検出方法であって、(a)該
捕捉プローブを固定化した固定相と、該検出プローブと
シグナルレポーターを有する標識複合体を液体との接触
により展開可能に保持させたレポーター相を有する吸水
性基材上に、被検試料を導入する工程、(b)ストリン
ジェントな条件下、該基材上で被検試料を展開する工
程、(c)固定相において該シグナルレポーターからの
シグナルを検出する工程、を含み、標的核酸を含まない
対照試料と比べて、固定相において該シグナルが低く検
出される場合に被検試料中に標的核酸が含まれると判定
する、標的核酸の検出方法、ならびに前記固定相とレポ
ーター相とを有する吸水性基材を含んでなる標的核酸の
検出用キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、標的核酸の検出方
法および標的核酸の検出用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年問題となっているサルモネラ菌をは
じめとする病原性微生物などの、食品中や患者からの検
出には、多くの日数、煩雑な操作を要する場合が多い。
また、疾患によってはより迅速な診断が要求される場合
も多い。
【0003】これらの検出や診断には、標識化免疫測定
法などの種々の免疫測定法(イムノアッセイ)が用いら
れ、最近では免疫クロマトグラフ方式による、迅速・簡
便な検査も広く行われている。このような測定法では、
検査対象となる微生物に対する抗体が必要不可欠であ
る。しかしながら、微生物によっては種レベルではな
く、属レベルでの検出が要求されるため、様々な血清型
を有する細菌が検出対象となりうる。このような場合に
は種々の抗原に対する抗体が必要となるため、抗体の確
保に多大な労力と費用が求められる。
【0004】そこで近年では、DNAプローブなどを用
いたハイブリダイゼーション法が用いられるようになっ
てきた。たとえば、特定の微生物を検出するための方法
においては、細菌のリボソームRNA(rRNA)を標
的としてハイブリダイゼーションが行われる。細菌のr
RNAの塩基配列は細菌の系統進化を反映している観点
から、その有効性が広く世に知られている〔DeLong E.
F.ら、Science 243:1360-1363(1989)〕。従って、かか
る方法は、特定の微生物を検出する方法として優れたも
のである。しかしながら、通常のハイブリダイゼーショ
ン法にはブロッティング、ハイブリダイゼーション、洗
浄、発色などの手順が含まれており、任意の試料をブロ
ットしたメンブレンをプラスチック製のバッグに密封し
て加熱したり、洗浄を繰り返したりする必要があり、操
作性の点では優れているとは言いがたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のハイ
ブリダイゼーション法に比べて非常に操作性に優れた、
迅速かつ簡便に被検試料中の標的核酸の存在を検出する
ことができる標的核酸の検出方法、ならびに当該検出方
法に好適に使用される標的核酸の検出用キットを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
〔1〕 標的核酸との結合性を有する検出プローブと、
標的核酸とは結合性を有しないが、該検出プローブとは
結合性を有する捕捉プローブとを用いる標的核酸の検出
方法であって、(a)該捕捉プローブを固定化してなる
固定相と、該検出プローブとシグナルレポーターとを有
する標識複合体を液体との接触により展開可能に保持さ
せてなるレポーター相とを有する吸水性基材上に、被検
試料を導入する工程、(b)ストリンジェントな条件
下、該吸水性基材上で該被検試料を展開する工程、なら
びに(c)固定相において該シグナルレポーターからの
シグナルを検出する工程、を含み、標的核酸を含まない
対照試料の場合と比べて、固定相において該シグナルが
低く検出される場合に被検試料中に標的核酸が含まれる
と判定する、標的核酸の検出方法、〔2〕 吸水性基材
が、被検試料を導入する位置に、または被検試料を導入
する位置と固定相との間にレポーター相を有するもので
ある、前記〔1〕記載の検出方法、〔3〕 シグナルレ
ポーターが着色粒子、酵素または蛍光色素である前記
〔1〕または〔2〕記載の検出方法、〔4〕 標的核酸
が一本鎖核酸である前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の
検出方法、〔5〕 一本鎖核酸がリボソームRNAであ
る前記〔4〕記載の検出方法、〔6〕 リボソームRN
Aがサルモネラ菌またはリステリア菌由来のものである
前記〔5〕記載の検出方法、ならびに〔7〕 前記
〔1〕に記載の吸水性基材を含んでなる標的核酸の検出
用キット、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の標的核酸の検出方法(以
下、検出方法という)は、従来のハイブリダイゼーショ
ン法による被検試料中の標的核酸の検出をクロマトグラ
フ方式にて行うことを1つの大きな特徴とする。従っ
て、本発明によれば、従来のハイブリダイゼーション法
の煩雑な操作を行うことなく、本発明において使用する
吸水性基材の上に被検試料や試薬等を導入(たとえば、
滴下)するだけで、迅速かつ簡便に被検試料中の標的核
酸の存在を検出することができる。
【0008】すなわち、本発明は、標的核酸と検出プロ
ーブとを予め接触させて両者をハイブリダイズさせ、次
いでハイブリダイズに関与しなかった検出プローブをク
ロマトグラフ方式により捕捉プローブとハイブリダイズ
させ、捕捉プローブにハイブリダイズした検出プローブ
の程度を、該検出プローブに結合したシグナルレポータ
ーからのシグナルとして検出し、標的核酸が全く含まれ
ない場合、すなわち、捕捉プローブの存在量に応じ、使
用した検出プローブの全量が捕捉プローブにハイブリダ
イズする場合を対照として、かかる場合に比し、シグナ
ルの検出レベルが低下した場合に被検試料中に標的核酸
が含まれると判定する標的核酸の検出方法である。
【0009】具体的には、当該検出方法は、標的核酸と
の結合性を有する検出プローブと、標的核酸とは結合性
を有しないが、該検出プローブとは結合性を有する捕捉
プローブとを用いる標的核酸の検出方法であって、
(a)該捕捉プローブを固定化してなる固定相と、該検
出プローブとシグナルレポーターとを有する標識複合体
を液体との接触により展開可能に保持させてなるレポー
ター相とを有する吸水性基材上に、被検試料を導入する
工程、(b)ストリンジェントな条件下、該吸水性基材
上で該被検試料を展開する工程、ならびに(c)固定相
において該シグナルレポーターからのシグナルを検出す
る工程、を含むものである。そして、標的核酸を含まな
い対照試料を用いて被検試料と同様の操作を別途行い、
対照試料の場合と比べて、固定相において標識複合体の
シグナルレポーターからのシグナルが低く検出される場
合に被検試料中に標的核酸が含まれると判定する。
【0010】なお、本明細書において「結合性を有す
る」とは、ストリンジェントな条件下に互いにハイブリ
ダイズ可能であることを意味し、「結合性を有しない」
とは、ストリンジェントな条件下に互いにハイブリダイ
ズしないことを意味する。また、「核酸」にはDNA
(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)が含ま
れる。当該核酸としては、天然由来の核酸、生物学的方
法および/または化学的方法により作製された核酸、増
幅核酸、組換え核酸等の任意の核酸が含まれる。
【0011】本発明においては、吸水性基材上に導入さ
れる、該基材上で展開させる成分(以下、展開対象成分
という)を毛細管現象により自然展開させるため、当該
展開対象成分は水を媒体とする溶液や分散液等であるの
が好適である。たとえば、そのような形態で提供された
被検試料を、本発明の吸水性基材上の一端に導入〔工程
(a)〕すると、当該被検試料は直ちに吸水性基材上で
展開〔工程(b)〕される。
【0012】被検試料の導入は本発明の所望の効果が得
られるように行われる。たとえば、導入は滴下等により
適宜行えばよく、その際の導入量も本発明の所望の効果
が得られれば特に限定されるものではない。導入位置
は、吸水性基材上、固定相から見てレポーター相の存在
する一方の側であり、かつレポーター相もしくはレポー
ター相より末端側の位置であって、所望の展開移動距離
が確保できる位置であるのが望ましい。かかる展開移動
距離とは、被検試料の導入位置から固定相までの距離を
いう。当該展開移動距離としては、好ましくは5〜35
mm、より好ましくは10〜30mmである。かかる範
囲内であれば、シグナルの検出感度が良好で、測定時間
も適切である。
【0013】被検試料はレポーター相に、その導入と同
時に接触する、または展開に伴って達することになる
が、当該レポーター相には、検出プローブとシグナルレ
ポーターとを有する標識複合体が液体との接触により展
開可能に保持されているので、被検試料の媒体(好まし
くは水)がレポーター相の標識複合体に接触すると、当
該標識複合体はレポーター相から溶出されると同時に保
持が外れて展開可能な状態となり、その結果、被検試料
と共に吸水性基材上を展開されるようになる。
【0014】標識複合体に含まれる検出プローブは標的
核酸と結合性を有するため、被検試料中に標的核酸が存
在するとハイブリダイズする。ハイブリダイズに関与し
なかった余剰の検出プローブ(標識複合体)は、標的核
酸がハイブリダイズしたものと共に吸水性基材上で展開
される。当該検出プローブは捕捉プローブと結合性を有
するので、固定相において固定化捕捉プローブと接触す
ると、当該捕捉プローブにハイブリダイズすることにな
る。
【0015】被検試料を展開して一定時間経過後、固定
相においてシグナルレポーターからのシグナルを検出
〔工程(c)〕する。
【0016】また、以上の同様の操作を対照試料を用い
て別途行う。
【0017】被検試料に標的核酸が全く含まれない場合
には、固定相において使用した標識複合体の全量が検出
プローブと捕捉プローブとのハイブリダイゼーションを
介して捕捉されることになるので、シグナルレポーター
からのシグナルは対照試料の場合と同程度に検出され
る。
【0018】一方、被検試料に標的核酸が含まれる場合
には、標的核酸と検出プローブとのハイブリダイゼーシ
ョンの結果、捕捉プローブとのハイブリダイゼーション
に関与しうる検出プローブの量が減少する。従って、被
検試料中に標的核酸が存在しない場合と比べて標識複合
体の固定相における捕捉は減少し、もしくは捕捉が実質
的に生じないため、シグナルレポーターからのシグナル
は対照試料の場合と比べて低く検出される。また、標識
複合体の捕捉がない場合には、該シグナルは検出されな
い。
【0019】従って、本発明の標的核酸の検出方法にお
いては、対照試料の場合と比べて、シグナルレポーター
からのシグナルが低く検出される場合に、被検試料中に
標的核酸が存在すると判定することができる。
【0020】本発明において被検試料としては、核酸が
含まれうるものであれば特に限定されるものではない。
被検試料としては、たとえば、食中毒の原因菌(細菌、
たとえば、サルモネラ菌、リステリア菌等)等の特定の
菌種に由来する溶菌液や、各種生物の血液、組織等の細
胞溶解液、ならびにそれらの希釈液等が挙げられる。菌
もしくは細胞の溶解や、得られた溶菌液等の希釈には、
特に限定されるものではないが、水、ホウ酸緩衝液、リ
ン酸緩衝液等の水系溶媒を使用するのが好適である。さ
らに、前記溶菌液等に含まれる核酸を鋳型としてポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)により得られた増幅産物をも
被検試料とすることができる。
【0021】また、標的核酸としては、その配列が既知
のものであれば特に限定されるものではない。たとえ
ば、前記食中毒の原因菌のゲノム上もしくはプラスミド
上に、または各種生物のゲノム上にコードされた特定の
遺伝子領域や、前記原因菌等に含まれるRNA等を挙げ
ることができる。たとえば、標的核酸が特定の食中毒の
原因菌に固有の塩基配列を有する核酸である場合、本発
明の検出方法により任意の被検試料において当該標的核
酸の存在が確認されれば、当該被検試料の取得源(たと
えば、食品)における当該原因菌の存在が明らかとな
る。かかる標的核酸としては、特定の菌種の属や系統分
類学上の集団に固有の塩基配列が知られている細菌のr
RNAが好適である。また、標的核酸が、特定の疾患の
病因として知られる、もしくは特定の疾患の病状を表わ
すことが知られる、野性型の遺伝子や変異型の遺伝子で
ある場合、被検試料において当該遺伝子の存在が確認さ
れれば、当該被検試料の取得源である生物の疾患の病因
や病状が明らかとなる。さらには、生物の特定の遺伝子
について多型が存在する場合、たとえば、個々の遺伝子
に特徴的な塩基配列を有する遺伝子領域を標的核酸と
し、本発明の検出方法を用いて当該生物由来の被検試料
において当該標的核酸の存在を確認することにより、当
該生物の遺伝子型タイピングを行うことも可能である。
【0022】本発明の標的核酸の形態としては一本鎖で
あっても二本鎖であってもよいが、一本鎖であるのが好
ましい。たとえば、本発明の標的核酸としては、RNA
や公知の方法により任意に合成・増幅して得られた一本
鎖DNA等の一本鎖核酸が好適である。かかる一本鎖核
酸としては、たとえば、食品の食中毒の原因菌による汚
染を判定する場合の有用性の観点から、前記細菌のrR
NAが好適であり、中でもサルモネラ菌またはリステリ
ア菌由来のrRNAがより好適である。被検試料に二本
鎖の核酸が含まれる場合には、本発明の検出方法に供す
る前に、公知のアルカリ処理法や加熱処理法等により、
二本鎖の核酸を予め一本鎖に解離させておくのが好まし
い。
【0023】本発明の標識複合体は検出プローブとシグ
ナルレポーターとを有してなる。当該検出プローブは、
標的核酸の塩基配列に相補的な塩基配列を有しており、
かつ固定相の固定化捕捉プローブに対し、ストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズ可能な核酸プローブであ
れば特に限定されない。ここで「相補的」とは、検出プ
ローブの塩基配列が標的核酸の塩基配列の相補鎖を正確
に反映している必要はないが、ストリンジェントな条件
下で標的核酸にハイブリダイズできる程度には当該相補
鎖に充分に類似していることをいう。当該類似の程度と
しては、好ましくは80%以上、より好ましくは85%
以上、さらに好ましくは95%以上である。
【0024】当該検出プローブとしては、核酸、修飾核
酸、核酸アナログ等からなるものが挙げられる。検出プ
ローブは一本鎖または二本鎖の核酸でありうるが、一本
鎖の核酸であるのが好ましい。また、その塩基数として
は少なくとも5塩基長程度であり、好ましくは5〜10
0塩基長、より好ましくは15〜50塩基長であるが、
数千塩基長であってもよい。
【0025】前記修飾核酸としては、修飾された糖基、
リン酸基、または修飾塩基を含む核酸が挙げられる。た
とえば、修飾塩基を含む核酸の例としては、たとえば、
アセチル化された塩基(4−アセチルシチジン等)、カ
ルボキシル化された塩基(5−カルボキシメチルアミノ
メチルウリジン等)、またはメチル化された塩基(1−
メチルイノシン等)等を含む核酸が挙げられる。また、
デアザグアニンおよびウラシルを含む核酸をグアニンお
よびチミンを含む核酸の代わりに検出プローブとして用
いてもよい。かかる場合には、ハイブリダイズした際の
検出プローブの熱安定性が低下する。また、5−メチル
シトシンを含む核酸をシトシンを含む核酸の代わりに検
出プローブとして用いてもよい。かかる場合には、ハイ
ブリダイズした際の検出プローブの熱安定性が向上す
る。核酸のホスホジエステル骨格から負電荷を除去する
ような修飾も検出プローブの熱安定性の向上に寄与す
る。また、検出プローブとしてRNAを用いる場合に
は、当該プローブのヌクレアーゼ感受性を低下させる観
点から、2’−O−メチル基の付加など、リボースの糖
基を修飾するのが好ましい。
【0026】前記核酸アナログとしては、たとえば、標
準的な核酸塩基が、N−(2−アミノエチル)グリシン
単位の繰り返しからなるペプチド様骨格に結合している
ペプチド核酸(PNA)が挙げられる〔Nielsen, P. E.
ら、Science, 254:1497〜1500(1991)〕。PNAはヌ
クレアーゼによる分解に対して非常に抵抗性が強い点で
有用である。
【0027】標的核酸の塩基配列の相補鎖との検出プロ
ーブの塩基配列の前記「類似の程度」は、該相補鎖と該
検出プローブの塩基配列との間の配列同一性を求めるこ
とにより評価することができる。かかる配列同一性とは
2つの配列間の塩基の配列類似性をいい、2つの適切に
アラインメントされた配列を比較することにより決定す
る。具体的には、両方の配列に存在する同一の塩基を決
定して適合部位の数を決定し、次いで比較対象の配列領
域内の塩基の総数で前記適合部位の数を割り、得られた
数値に100を乗じて配列同一性(%)を算出する。か
かる配列同一性は、たとえば、BLASTネットワーク
サービスを利用して適宜求めることが可能である。
【0028】本明細書においてストリンジェントな条件
としては、非特異的なハイブリダイゼーション反応を有
意に低下させる条件であれば特に限定されない。核酸の
ハイブリダイゼーションを行うためのストリンジェント
な条件については、たとえば、成書(モレキュラー ク
ローニング(Molecular Cloning)第3版、ザンブルー
ク(Sambrook)とラッセル(Russell)著、コールドス
プリングハーバー)等に記載されている。プローブの長
さ、塩基組成、ハイブリダイズする配列間の配列同一
性、温度、およびイオン強度等の要素が、核酸ハイブリ
ッドの安定性に影響する。たとえば、中ストリンジェン
シーまたは高ストリンジェンシー等のストリンジェント
な条件は、標的核酸と検出プローブの特性に応じて、経
験的に決定することができる。
【0029】上記のような核酸、修飾核酸、核酸アナロ
グ等からなる検出プローブは、所望の性質を有するよう
に公知の方法(たとえば、前記成書参照)に従って適宜
作製することができる。また、任意の配列や修飾を有す
る核酸を合成した市販品を購入することもできる。
【0030】シグナルレポーターは検出プローブと直接
的にまたは間接的に結合させることができ、かつ当該レ
ポーターに由来するシグナルを検出可能なものであれば
特に限定されるものではない。好ましくは機器もしくは
目視により、より好ましくは目視により、当該レポータ
ー由来のシグナルを容易かつ簡便に検出可能であるもの
が好適である。
【0031】かかるシグナルレポーターとしては、たと
えば、着色粒子、酵素、蛍光色素や、32P、35S、3
等のラジオアイソトープ等が挙げられる。中でも検出容
易性の観点から、着色粒子、酵素または蛍光色素が好ま
しい。
【0032】本明細書において着色粒子とは着色された
粒子であって、シグナルを当該粒子から直接的に発せら
れる色として検出しうる粒子をいう。たとえば、当該粒
子としては、金コロイド粒子やセレニウムコロイド粒子
のような金属コロイド粒子や、着色された水分散型高分
子粒子などが挙げられる。水への分散性に優れ、また核
酸や酵素等の固定化容易性の観点から、水分散型高分子
粒子からなるものが好ましい。
【0033】金属コロイド粒子は入手容易性および安定
性等の観点より、金コロイド粒子が好ましい。また、核
酸やリガンド等の固定化容易性および検出の容易性の観
点から、その粒径(平均粒径)は5〜80nmが好まし
く、10〜50nmがより好ましい。当該粒径は、たと
えば、透過型電子顕微鏡観察下で各粒子の絶対粒径を測
定し、得られた測定値を平均することにより求められ
る。
【0034】水分散型高分子粒子は、たとえば、公知の
方法に従い、不飽和二重結合を有する単量体の一又は二
以上を乳化重合することによって調製することができ
る。かかる単量体としては、たとえば、エチレン、プロ
ピレン等のオレフィン系単量体、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル等のビニル系単量体、スチレン、メチルスチレン、ク
ロロスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル
等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ブタジエン
等のジエン系単量体等が好適に用いられる。
【0035】また、本発明に用いられる水分散型高分子
粒子としては、上記単量体の単独重合体や共重合体から
なるものの他、その表面に核酸や酵素等を固定化するた
めのリガンドやスペーサーの導入を目的として、得られ
る粒子に官能基やイオン性基を付与したものでもよく、
また粒子の水性媒体中での分散安定性を高めるなどの目
的で、改質用単量体を共重合してなるものであってもよ
い。
【0036】そのような官能基やイオン性基としては、
たとえば、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、ア
ミノ基、ホルミル基、カルバモイル基、イソチオシアナ
ート基、アジドカルボニル基、ヒドラジド基、酸無水物
基等を挙げることができ、中でもカルボキシル基が好ま
しい。これらの官能基等を有する水分散型高分子粒子を
調製するには、単量体成分として、たとえば、アクリル
酸、メタクリル酸のようなカルボキシル基を有する単量
体、たとえば、ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレートのような水酸基を有する単量体、
たとえば、グリシジルメタクリレートのようなグリシジ
ル基を有する単量体を、所望により他の共重合性単量体
と乳化重合させることによって、それぞれカルボキシル
基、水酸基およびグリシジル基を有する粒子として得る
ことができる。また所望の単量体成分を重合させた後、
得られた粒子に官能基を導入することもできる。
【0037】また、前記改質用単量体としては、たとえ
ば、アクリル酸、メタクリル酸、2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレートなどのフッ素化メタクリル酸
エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド、スチレンスルホン酸ナトリウム、スルホ
プロピル(メタ)アクリレートナトリウム塩、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジル
メタクリレートなどが用いられる。
【0038】水分散型高分子粒子の着色は、たとえば、
スダンブルーやスダンレッドIV、スダンIII、オイ
ルオレンジ、キニザリングリーンなどに代表される顔料
や染料、また種々の蛍光色素・顔料を、当該粒子製造時
に任意に添加することで行うことができる。着色された
水分散型高分子粒子をシグナルレポーターとして用いた
場合、それが直接的に発する色として、目視または機器
〔たとえば、クロマトスキャナー(スキャニングデンシ
トメータ)〕により迅速、簡便にシグナルを検出するこ
とができる。目視確認の容易性の観点からは、青色、赤
色、緑色またはオレンジ色等に着色された水分散型高分
子粒子が好ましく、分散安定性や被検物質の検出感度の
調整の容易性などの観点から、青色または赤色に着色さ
れたものがより好ましい。
【0039】本発明においては、市販されている種々の
着色された水分散型高分子粒子も好適に使用することが
できる。市販されている水分散型高分子粒子としては、
たとえば、p−クロロスチレンの単独重合体または共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体などの、スチレンま
たはその誘導体を単量体成分として含んでなる単独重合
体または共重合体を挙げることができる。また、(メ
タ)アクリル酸の長鎖アルキルエステルまたはその誘導
体からなる単独重合体や、これらと(メタ)アクリル酸
メチルや(メタ)アクリル酸エチル、グリシジル(メ
タ)アクリレート等との共重合体も本発明において用い
られる。さらに、スチレンまたはその誘導体と、(メ
タ)アクリル酸エステルまたはその誘導体との共重合体
も用いられる。また、ゴム、ナイロン、ポリウレタン、
微結晶質セルロース等を用いてもよい。
【0040】なお、本発明の水分散型高分子粒子として
は、前記するような単独重合体または共重合体の1種か
らなるものであっても、2種以上からなるものであって
もよい。
【0041】水分散型高分子粒子は、その使用時や保存
時に融着や凝集を起こさないものが好ましい。従って、
当該粒子としては所望のガラス転移点を有するように選
択された単量体から構成されたものがよい。当該ガラス
転移点としては、好ましくは10℃以上、より好ましく
は室温(15℃)以上である。ガラス転移点は、たとえ
ば、示差走査熱量計で測定できる。
【0042】このような水分散型高分子粒子の粒径(平
均粒径)は、分散性や吸水性基材内での展開性維持の観
点から、また核酸やリガンド等の固定化性の観点から、
好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下であ
り、核酸やリガンド等を固定する際の精製の容易性の観
点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは
0.1μm以上である。すなわち、水分散型高分子粒子
の粒径としては、好ましくは0.01〜3μm、より好
ましくは0.1〜2μmである。なお、当該粒径は、金
属コロイド粒子と同様の方法により測定できる。
【0043】シグナルレポーターとして酵素を用いる場
合、シグナルは、その基質に対する当該酵素の作用によ
り生ずる産物から発せられる。本発明に用いうる酵素と
して好適には、公知の酵素免疫測定法において標識とし
て常用される酵素を挙げることができる。たとえば、ペ
ルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリ
ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、ルシフェラ
ーゼ、エステラーゼ、β−D−グルクロニダーゼ等が挙
げられる。中でも、より高感度で安定な検出を達成する
観点から、ペルオキシダーゼまたはアルカリホスファタ
ーゼが好ましい。
【0044】また、当該酵素の基質としては、酵素反応
産物の検出が可能であれば特に限定されるものではない
が、迅速、簡便に当該産物の検出を行いうる観点から発
色性基質が好ましい。かかる発色性基質は、使用する酵
素に応じ、公知の酵素免疫測定法において用いられる発
色性基質から適宜選択することができる。
【0045】発色性基質としては、たとえば、酵素がペ
ルオキシダーゼの場合、ペルオキシダーゼと過酸化水素
との組み合わせにより反応して発色しうる基質であれば
よく、たとえば、2,2’−アジノ−ビス(3−エチル
ベンズチアゾリン)−6−スルホン酸、o−フェニレン
ジアミン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジ
ン(以下、TMBという) 、o−ジアニジジン、3,
3’−ジアミノベンジジン、3−アミノ−9−エチルカ
ルバゾール、4−クロロ−1−ナフトール等が挙げら
れ、発色性および無毒性という観点からTMBが好まし
い。
【0046】本発明においては、基質は溶液状態で、た
とえば、酵素基質液として用いるのが好適である。酵素
基質液としては、前記発色性基質を、たとえば、水、ホ
ウ酸緩衝液、リン酸緩衝液等に溶解してなるものが好適
である。また、当該基質液には適切な酵素反応を行う上
で好適な、その他の成分(たとえば、過酸化水素等)を
所望により含有させてもよい。
【0047】また、シグナルレポーターとして使用しう
る蛍光色素としては、フルオレセイン誘導体、テトラメ
チルローダミン、Cy3、Cy5等が挙げられる。
【0048】標識複合体は前記のようなシグナルレポー
ターと検出プローブとを直接的にまたは間接的に結合す
ることにより得られる。間接的に結合させる場合とは、
たとえば、シグナルレポーターと検出プローブとの結合
を任意の物質を介して行うような場合をいう。たとえ
ば、シグナルレポーターとして酵素を使用する場合、た
とえば、前記水分散型高分子粒子を介して酵素と検出プ
ローブとを結合することにより標識複合体を得てもよ
い。
【0049】シグナルレポーターは検出プローブの5’
末端、3’末端および配列内部の少なくとも1つに直接
的にまたは間接的に結合させればよい。両者は必ずしも
1対1で結合させる必要はなく、たとえば、1つの検出
プローブに対し複数のシグナルレポーターを直接的にま
たは間接的に結合させてもよい。
【0050】標識複合体の調製は以下に示すようにして
行う。たとえば、シグナルレポーターと検出プローブと
の結合は、任意の物質間の結合方法として一般に公知で
ある、共有結合、物理的吸着もしくはイオン結合を利用
する方法を用いて好適に行うことができる。結合安定性
の観点から、共有結合を利用する方法を採用するのが好
ましい。
【0051】たとえば、シグナルレポーター等に存在す
る官能基やイオン性基を介して直接結合する、または水
溶性カルボジイミドや他の炭素数l〜12の炭素鎖基を
有する二官能性の有機化合物をスペーサーとして介在さ
せて結合する。また、検出プローブを調製する際に任意
のラジオアイソトープにより標識化した塩基を構成成分
として用い、検出プローブの調製と同時に標識化を行っ
て標識複合体を調製してもよい。
【0052】また、たとえば、リガンドをシグナルレポ
ーターに結合しておき、一方、当該リガンドに結合しう
る化合物(以下、リガンド結合化合物という)を検出プ
ローブに結合し、当該リガンドとリガンド結合化合物と
の結合を利用して両者を結合させることも可能である。
かかるリガンド−リガンド結合化合物の組み合わせの好
適な例としては、ビオチン−アビジン、ビオチン−スト
レプトアビジン、ジゴキシゲニン(DIG)−抗DIG
抗体、フルオレセイン−抗フルオレセイン抗体等が挙げ
られる。中でも、ビオチン−ストレプトアビジン、DI
G−抗DIG抗体の組み合わせは、それらが結合して形
成される複合体の安定性が高く、より好適に用いられ
る。たとえば、シグナルレポーターとして酵素を用いる
場合、なんらかのスペーサーを介在させることにより標
識複合体における当該酵素の自由度を高めることがで
き、酵素反応の効率を高める観点から好ましい。
【0053】また、たとえば、前記水分散型高分子粒子
を介してシグナルレポーターと検出プローブとを結合す
る場合、たとえば、(シグナルレポーター)−(水分散
型高分子粒子)−(検出プローブ)の形を有する標識複
合体を得る場合、当該標識複合体はシグナルレポーター
と水分散型高分子粒子との間および水分散型高分子粒子
と検出プローブとの間を、前記するようにして結合する
ことにより調製することができる。
【0054】標識複合体は、検出プローブをシグナルレ
ポーターへ結合させた後、たとえば、膜分離法や濾過、
遠心分離法等の慣用の分離法によって、たとえば、結合
を行った反応場である溶媒等から分離精製することによ
り得られる。標識複合体は、使用時まで、たとえば、水
中に浸漬して、または凍結乾燥して保存することができ
る。
【0055】レポーター相は、以下のようにして、得ら
れた標識複合体を吸水性基材上に保持させることにより
形成することができる。標識複合体は、吸水性基材上に
直接的にまたは間接的に保持させることができるが、操
作の効率の観点から、直接的に保持させるのが好まし
い。
【0056】吸水性基材上に直接的に保持させる場合、
たとえば、得られた標識複合体を水、ホウ酸緩衝液、リ
ン酸緩衝液等に分散または溶解させたものを、吸水性基
材上の所望の位置に、たとえば、ディスペンサー等を用
いてライン状に塗布し、またはピペット等を用いて円形
状にスポットし、15〜80℃にて風乾することにより
行うことができる。
【0057】吸水性基材上に間接的に保持させる場合、
たとえば、得られた標識複合体を水、ホウ酸緩衝液、リ
ン酸緩衝液等に分散または溶解させたものを、たとえ
ば、ポリエステルやレーヨン、ガラス繊維などからなる
不織布等からなるパッドに含浸させ、前記同様にして風
乾し、次いで吸水性基材上の所望の位置に、たとえば、
当該パッドを接着により貼り合わせることにより行うこ
とができる。
【0058】なお、液体との接触による標識複合体の展
開可能化を促進する観点から、標識複合体を分散または
溶解させる溶媒にサッカロースやトレハロース等の糖な
どを含ませておいてもよい。
【0059】レポーター相の形状は任意であるが、被検
試料の展開方向に対し垂直となる方向の吸水性基材の幅
と同様の幅でライン状に形成されるのが好ましい。ま
た、レポーター相における標識複合体の保持量は特に限
定されるものではないが、検出プローブの量が被検試料
中の予想される標的核酸の量とモル単位で同等以上とな
る量が好ましい。
【0060】レポーター相の吸水性基材上における形成
位置としては、本発明の所望の効果の発現を得る観点か
ら、被検試料を導入する位置、または被検試料を導入す
る位置と固定相との間であるのが好ましい。
【0061】シグナルレポーターとして着色粒子や蛍光
色素を用いた場合は、固定相において、それらが発する
色や蛍光をシグナルとして、たとえば、目視により検出
する。ラジオアイソトープを用いた場合は、たとえば、
オートラジオグラフィにより固定相における放射能の存
在をシグナルとして検出する。
【0062】シグナルレポーターに酵素を用いた場合
は、本発明の検出方法の工程(a)において被検試料を
吸水性基材上に導入した後、さらに酵素基質液を本発明
の所望の効果が得られるように導入する。当該酵素基質
液の導入位置は前記被検試料の導入位置と同一であって
も、異なっていてもよい。
【0063】酵素反応に要する時間は、酵素基質液の展
開時間を含め、酵素基質液を導入してから好ましくは1
〜20分間程度である。ただし、当該時間は酵素、基
質、反応条件等に依存するため、特に限定されるもので
はない。たとえば、本発明の好適な態様において、発色
性基質を用いた場合、吸水性基材上の固定相においてシ
グナルとして検出される色は、固定相において捕捉され
た標識複合体中のシグナルレポーターの酵素の作用によ
り基質から生じた発色性産物に由来する。
【0064】本発明の検出方法においては、展開対象成
分は、吸水性基材上でストリンジェントな条件下に展開
される。従って、展開対象成分は、当該条件に適合する
組成を有する、好ましくは水系の分散液または溶液とし
て吸水性基材上に導入する。「条件に適合する組成」と
は、検出プローブと被検試料中の標的核酸または捕捉プ
ローブとがハイブリダイズ可能な組成をいい、用いる核
酸のTm値や反応環境の温度等に応じて適宜選択すれば
よい。かかる組成や温度の条件については、前記成書等
で詳述されている。
【0065】たとえば、前記被検試料の分散液や溶液、
酵素基質液を、予め作製しておいた上記組成を有する緩
衝液(ハイブリダイゼーションバッファー)の濃縮液お
よび所望により水で希釈し、所望の組成に調整した後に
吸水性基材上に導入する。また、展開対象成分等は当初
よりハイブリダイゼーションバッファーの組成を有する
ように調製しておいてもよい。なお、対照試料としては
水(たとえば、脱イオン水、蒸留水等)を用いればよ
い。
【0066】展開は、被検試料を導入後、好ましくは1
〜10分間程度行えばよい。また、被検試料を導入後、
非特異的な核酸の吸着を洗い流す目的で洗浄液を導入し
てもよい。当該洗浄液としては前記ハイブリダイゼーシ
ョンバッファーが好適である。
【0067】本発明に用いられる吸水性基材としては、
水性の液体を吸収可能な性質を有する基材であれば特に
限定されるものではない。本発明においては、展開対象
成分が速やかに展開できるような適度な吸水性を有する
吸水性基材が好ましい。かかる吸水性基材の具体例とし
ては、たとえば、不織布、濾紙、ガラス繊維布、ガラス
フィルター、ニトロセルロース、多孔質膜等が挙げられ
る。
【0068】吸水性基材の吸水性の程度は、たとえば、
厚さ1mm×幅5mm×長さ100mmの吸水性基材の
片端部を水に1分間浸漬した場合に、水に浸漬された部
分と浸漬されない部分との境界位置からの吸水距離が
0.5〜5cmであるのが好ましい。また、吸水性の程
度は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の親水性
重合体を、たとえば、吸水性基材の表面に被覆する、も
しくは吸水性基材に含浸させることにより適宜調整する
こともできる。
【0069】吸水性基材の形状は、前記混合物等を展開
できる形状であれば特に限定されるものではなく、たと
えば、矩形のシート状(片状)やロッド状等の形状が好
ましい。
【0070】吸水性基材上の固定相は、標的核酸と実質
的に同一の塩基配列を有しており、かつ前記検出プロー
ブに対し、ストリンジェントな条件下に特異的にハイブ
リダイズしうる捕捉プローブを吸水性基材上に直接的に
または間接的に固定化することにより形成する。ここ
で、「標的核酸と実質的に同一の塩基配列」とは、標的
核酸との配列同一性が好ましくは80%以上、より好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である
塩基配列をいう。なお、「配列同一性」は前記「類似の
程度」の算出法に準じて評価することができる。
【0071】当該捕捉プローブとしては、核酸、修飾核
酸、核酸アナログ等からなるものが挙げられる。捕捉プ
ローブは一本鎖または二本鎖の核酸でありうるが、一本
鎖の核酸であるのが好ましい。また、その塩基数として
は少なくとも5塩基長程度であり、好ましくは5〜10
0塩基長、より好ましくは15〜50塩基長であるが、
数千塩基長であってもよい。
【0072】前記修飾核酸、核酸アナログとしては前記
のものを挙げることができる。捕捉プローブは、所望の
性質を有するように、前記検出プローブの場合と同様に
して公知の方法に従って適宜作製することができる。
【0073】固定相は、吸水性基材上の所望の位置に、
捕捉プローブを、ディスペンサー等を用いてライン上に
直接塗布し、またピペット等を用いて円形状に直接スポ
ットし、固定化して形成してもよいが、展開対象成分の
展開方向に対し垂直となる方向の当該吸水性基材の幅と
同様の幅で形成されるのが好ましい。また、吸水性基材
上の固定相の占有面積は吸水性基材の面積に対し百分率
で0.5〜3%であるのが好ましい。
【0074】吸水性基材上への捕捉プローブの直接の固
定化は、標識複合体の作製においてシグナルレポーター
と検出プローブとを結合するための前記方法に準じて適
宜行うことができる。また、たとえば、簡便に、捕捉プ
ローブを吸水性基材上に塗布し、たとえば、120℃で
30分間程度、オーブン中に維持して加熱処理すること
により固定化することもできる。
【0075】捕捉プローブを吸水性基材上に間接的に固
定化して固定相を形成する場合、たとえば、捕捉プロー
ブをポリエステルやレーヨン、ガラス繊維などからなる
不織布等からなるパッドに、捕捉プローブを吸水性基材
上に直接固定化する場合と同様にして固定化し、得られ
たパッドを吸水性基材上に、たとえば、接着することに
より貼り合わせ、固定相とするのが好適である。
【0076】固定相としては、被検試料中の標的核酸の
含有量が微量であっても、対照試料の場合とのシグナル
の差を検出できる程度に標識複合体を捕捉しうる量で捕
捉プローブが固定化されてなるものが好ましい。固定相
における捕捉プローブの固定化量は、使用する検出プロ
ーブ量との関係において適宜決定され得、好ましくはモ
ル単位で検出プローブ量と同等以上であるが、特に限定
されるものではない。一般的には、捕捉プローブを好ま
しくは1〜100ng/cm2 の範囲で均一に固定化し
て固定相を形成するのが好ましい。
【0077】なお、固定相を形成した吸水性基材は、 標
的核酸以外の核酸の当該基材上への非特異的な吸着の防
止、 展開の容易性、ならびに固定化した捕捉プローブの
保存安定性の観点から、公知の方法に従ってブロッキン
グ剤、界面活性剤および糖を含有する溶液(以下、処理
液という)に浸漬し、乾燥して用いるのが好ましい。こ
こで、使用するブロッキング剤としては、ウシ血清アル
ブミン、カゼイン、ゼラチン、スキムミルク、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等の吸水性基材に
対し吸着性を有するタンパク質が挙げられる。界面活性
剤としては、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル等が挙げられる。糖としては、サッカロース、ト
レハロース等が挙げられる。なお、前記処理液中のブロ
ッキング剤の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%
である。前記処理液中の界面活性剤の含有量は、好まし
くは0.01〜1重量%である。前記処理液中の糖の含
有量は、好ましくは0.1〜10重量%である。また、
上記操作の実施は、吸水性基材に対し固定相を形成した
後であれば、本発明の所望の効果の発現が阻害されない
限り、本発明の検出方法における使用前において任意に
行うことができる。
【0078】さらに、吸水性基材には滴下パッド部(展
開対象成分を滴下するための部分)、および/または固
定相を挟んで展開対象成分を導入するための部分とは反
対側に、当該展開対象成分の吸水性基材上における展開
を、その水性液体の吸収力により促進させうる手段であ
る吸水パッド部等を設けてもよい。滴下パッド部は、た
とえば、ポリエステルやレーヨン、ガラス繊維などから
なる不織布等を所望の形状にて吸水性基材上の所望の位
置に貼り合わせることにより適宜作製できる。また、吸
水パッド部に使用する吸水パッドとしては水性液体の吸
収性に優れる材料が好適であり、たとえば、ガラス繊維
性不織布等を使用することができる。
【0079】なお、滴下パッド部は、吸水性基材上で、
前記するような所望の展開移動距離が確保できる位置に
設けられるのが望ましい。
【0080】たとえば、本発明に使用する吸水性基材の
一例として、図1に示す吸水性基材を挙げることができ
る。吸水性基材の大きさは本発明の所望の効果の発現が
得られれば特に限定されるものではないが、たとえば、
2〜10mm×30〜80mm程度の大きさを有する。
【0081】図1に示す吸水性基材は、滴下パッド1、
吸水性基材2、吸水パッド3、固定相4およびレポータ
ー相5からなる。滴下パッド1と固定相4との間には、
前記好ましい範囲にある展開移動距離を確保しうる距離
が存在する。
【0082】たとえば、当該吸水性基材を用いて本発明
の検出方法を実施する場合、被検試料の水溶液等をピペ
ット等を用いて滴下パッド1に滴下する。滴下された被
検試料は、吸水性基材2上で図の右から左へ延びた矢印
の向きに展開され、レポーター相5に達する。レポータ
ー相5では、被検試料の媒体である水と標識複合体とが
接触し、レポーター相5から標識複合体が溶出されて展
開可能化される。その結果、標識複合体は被検試料と共
に展開されることになる。その際、被検試料中に標的核
酸が含まれる場合には、標的核酸と標識複合体中の検出
プローブとがハイブリダイズする。被検試料と標識複合
体は、次いで固定相4に到達する。固定相4では、被検
試料中に標的核酸が含まれる場合、標的核酸とのハイブ
リダイゼーションに関与しえない余剰の標識複合体が、
その検出プローブと捕捉プローブとのハイブリダイゼー
ションを介して捕捉される。一方、被検試料に標的核酸
が全く含まれない場合(対照試料を用いた場合)には、
捕捉プローブの固定化量に依存するが、一般に吸水性基
材2上に導入した標識複合体の全量が捕捉される。すな
わち、被検試料中に標的核酸が含まれる場合、被検試料
中に標的核酸が含まれない場合と比較して、標的核酸と
のハイブリダイゼーションに関与した標識複合体分だけ
固定相における当該複合体の捕捉量が減少する(捕捉さ
れなかったものは吸水パッド3まで流れていく)。さら
に所望により洗浄液を滴下パッド1に滴下して展開し、
吸水性基材2上を洗浄する。この時点で、シグナルレポ
ーターが前述の着色粒子の場合、固定相4に標識複合体
が捕捉されておれば、捕捉が生じた位置が呈色し、色と
してシグナルが検出される。シグナルレポーターが酵素
の場合は、たとえば、該酵素の作用により発色の得られ
る発色性基質を滴下パッド1からさらに展開すれば、固
定相4が同様に呈色し、色としてシグナルが検出され
る。対照試料の場合と被検試料の場合で、シグナルの検
出レベルを比較し、被検試料の場合に当該検出レベルが
低下しておれば、被検試料中に標的核酸が存在すると判
定する。なお、本発明の検出方法は、シグナルの検出レ
ベルの差を目視観察により捉えうる条件で実施するのが
好適であるが、当該差を捉えることが目視観察によって
は困難である場合、たとえば、シグナルが色であれば、
前記クロマトスキャナー等を用いて当該差を捉えるのが
好適である。
【0083】さらに本発明の別の態様として、本発明の
検出方法において有用な標的核酸の検出用キットを提供
する。当該キットとしては、前記捕捉プローブを固定化
してなる固定相と、前記標識複合体を液体との接触によ
り展開可能に保持させてなるレポーター相とを有する吸
水性基材を含んでなるものを挙げることができる。さら
に、当該キットには、任意にその他の構成物、たとえ
ば、被検試料を入手する手段や、酵素基質液、ハイブリ
ダイゼーションバッファー等の適当な試薬、本発明の検
出方法を実施するための説明書等を含めてもよい。
【0084】本発明の検出方法によれば、任意の被検試
料等を、本発明において使用する、固定相とレポーター
相とを有する吸水性基材上に、たとえば、滴下するだけ
で、たとえば、食中毒の原因菌による食品の汚染の判
定、疾患の病因または病状の診断、生物の遺伝子型タイ
ピング等を迅速、簡便に行うことができる。
【0085】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて、さらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定さ
れるものではない。
【0086】製造例1:サルモネラ属細菌rRNA検出
用クロマトグラフ型試験片の作製 本製造例では、サルモネラ属細菌のrRNA(標的核
酸:サルモネラ属細菌23SrRNA)を検出するため
のクロマトグラフ型試験片を以下に示す方法で作製し
た。なお、本明細書において「上流」とは、後述の滴下
パッドが配置される、吸水性基材の末端側を意味する。
また、得られた試験片の構成は図1に示す吸水性基材と
同様である。
【0087】吸水性基材の材料としてナイロン66メン
ブレン(孔径5μm、6mm×40mm、PALL製)
を用いた。この上流端から22.5mmの箇所に、ディ
スペンサーを用いて下記の配列番号:1記載の塩基配列
からなる捕捉プローブ(10pmol/μL、滅菌脱イ
オン水に溶解)1.5μLをライン状に塗布した。捕捉
プローブは、サルモネラ属細菌の23SrRNAに相同
的な塩基配列を有し、後述の検出プローブに対して結合
性を有するプローブである。風乾の後、120℃で30
分間、加熱処理して捕捉プローブをメンブレンに固定化
し、固定相を形成した。固定化後、1重量%ウシ血清ア
ルブミン(オリエンタル酵母製)、1重量%サッカロー
ス(和光純薬製)、0.1重量%ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート(和光純薬製)にメンブレンを
浸漬してブロッキングし、室温で乾燥させた。
【0088】また、後述の製造例2に記載するようにし
て調製した標識複合体を終濃度0.1重量%となるよう
に0.01M ホウ酸−1%(w/v)サッカロース p
H8.2にて希釈し、その1.5μLを、メンブレンの
上流端から10mmの位置に、その幅が展開方向に対し
て垂直方向の該メンブレンの幅と同じであり、その太さ
が1mmとなるようにディスペンサーを用いてライン状
に塗布して風乾し、レポーター相を形成した。
【0089】さらに、吸水性基材の上流端より3mmの
ところから、ポリエステル製不織布ハイボン4880C
(厚さ2.5mm、大きさ7×12mm、シンワ製)を
貼り合わせて滴下パッドを設置した。
【0090】また、吸水性基材の下流端より5〜10m
mのところから吸水パッドとしてガラス繊維製の吸水材
(15mm×30mm、厚さ5mm、Whatman
製)を貼り合わせ、試験片を作製した。当該試験片を1
00個作製して、以降の検出に用いた。 配列番号:1 5’−GCTGACACGT AGGTGAAG−3’
【0091】製造例2:サルモネラ属細菌rRNA検出
用標識複合体の調製 着色ラテックス粒子(粒径0.18μm、日東電工製)
の水分散液に水溶性カルボジイミド(1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
10mg/mL、0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.
2、同仁化学研究所製)0.5mL、ストレプトアビジ
ン(1mg/mL、0.01M−ホウ酸緩衝液pH8.
2、ロシュ・ダイアグノスティックス製)2mLを加え
て10℃で3時間反応させた後、洗浄液として0.01
M−ホウ酸緩衝液pH8.2を加えて遠心分離して洗浄
を行い、同緩衝液で固形分濃度5重量%に調整した。な
お、以下の記述ではストレプトアビジンをSAと略す。
得られたSA固定化着色ラテックス懸濁液を固形分が終
濃度0.1重量%となるよう前記ホウ酸緩衝液で希釈
し、ここに終濃度50pmol/mLの5’末端を公知
の方法によりビオチン標識した下記の配列番号:2記載
の塩基配列からなる検出プローブを添加して穏やかに攪
拌しながら10℃で3時間反応させ、標識複合体を調製
した。洗浄液としてホウ酸緩衝液を加え、遠心分離して
洗浄を行い、同緩衝液で固形分濃度5重量%に調整し
た。なお、検出プローブはサルモネラ属細菌の23Sr
RNAに相補的な塩基配列を有し、前述の捕捉プローブ
に対して結合性を有する配列である。 配列番号:2 5’−CTTCACCTAC GTGTCAGC−3’
【0092】製造例3:被検試料の調製 表1に示したサルモネラ属細菌および非サルモネラ属細
菌を5mLのニュートリエント ブロス(Nutrie
nt Broth)(商品名、日水製薬製の粉末培地を
用いて調製)中にて37℃、一晩培養して得た培養液か
ら、ISOGEN(商品名、ニッポンジーン製)を用
い、添付のマニュアルに従って全RNAを抽出し、滅菌
脱イオン水に溶解して被検試料とした。得られたRNA
はO.D.260の値をもとに1μg/μLとなるよう
適宜希釈した(1O.D.260=0.04μg/μL
換算)。
【0093】
【表1】
【0094】実施例1:クロマトグラフ方式によるサル
モネラ属細菌rRNAの存在の特異的検出 製造例3にて調製した被検試料を用いて、以下の組成を
有する展開用組成液を調製した。対照試料は滅菌脱イオ
ン水とした。
【0095】〔展開用組成液の組成〕 2×SSC 50%(w/v) ホルムアミド 100μg/mL サケ精子DNA 0.1%(w/v) SDS RNA
【0096】なお、2×SSCは33.3mM NaC
l、33.3mM クエン酸ナトリウムからなり、RN
Aの濃度条件を0(対照試料)、0.1、1μg/mL
の3種として実験を行った。
【0097】37℃に保温した該展開用組成液を、製造
例1で作製した試験片の滴下パッドに100μL滴下し
た。10分間の展開後、固定相における発色の有無を目
視で観察した。その結果を表2に示す。なお、表2にお
ける判定基準は以下の通りである。
【0098】〔判定基準〕 +:ラテックス由来の着色あり ±:ラテックス由来の薄い着色あり −:着色なし
【0099】
【表2】
【0100】表2に示すように、展開用組成液にサルモ
ネラ属細菌RNAが含まれない場合、またサルモネラ属
細菌以外の細菌のRNAが含まれる場合には、使用した
標識複合体の全量が、その検出プローブと固定相の捕捉
プローブとのハイブリダイゼーションを介して捕捉され
ると考えられ、固定相で着色ラテックス粒子の色として
シグナルが検出された。一方、サルモネラ属細菌のRN
Aを1μg/mLの濃度で含む展開用組成液を展開させ
た場合、固定相で当該シグナルは検出されなかった。こ
れはサルモネラ属細菌の23SrRNAと検出プローブ
とがハイブリダイズしたために、固定相における標識複
合体の捕捉量が減少し、結果として着色ラテックス粒子
由来のシグナルが検出されなくなったことに起因すると
思われる。また展開用組成液中のサルモネラ属細菌のR
NAを0.1μg/mLとした場合には、固定相にて弱
いシグナルが検出された。これは検出プローブがハイブ
リダイズするサルモネラ属細菌の23SrRNA量が減
少したために、一部の標識複合体が固定相にて捕捉され
たためと考えられる。いずれにしても、対照試料の場合
と比べて、標的核酸であるサルモネラ属細菌23SrR
NAが含まれるサルモネラ属細菌RNAを含む被検試料
では固定相においてシグナルが低く検出されたことか
ら、本発明の検出方法により、被検試料中の標的核酸の
存在を検出できることが分かる。
【0101】これらの反応は展開用組成液を滴下するだ
けの操作で進行し、約10分間で結果を得ることができ
た。一般的なハイブリダイゼーション法が洗浄や発色等
の煩雑な操作と1〜2日間程度の時間を必要とするのに
対して、本発明の検出方法ではクロマトグラフ方式を採
用することにより、展開用組成液の滴下のみで操作を完
結させることができる。従って、本発明は、被検試料中
の標的核酸の迅速かつ簡便な検出方法として有効である
ことは明らかである。
【0102】配列表フリーテキスト 配列番号:1は、サルモネラ属細菌の23SrRNAの
塩基配列に基づいてデザインしたプローブの配列であ
る。
【0103】配列番号:2は、サルモネラ属細菌の23
SrRNAの塩基配列に基づいてデザインしたプローブ
の配列である。
【0104】
【発明の効果】本発明により、従来のハイブリダイゼー
ション法に比べて非常に操作性に優れた、迅速かつ簡便
に被検試料中の標的核酸の存在を検出することができる
標的核酸の検出方法、ならびに当該検出方法に好適に使
用される標的核酸の検出用キットが提供される。本発明
の検出方法によれば、たとえば、食中毒の原因菌による
食品の汚染の判定、疾患の病因または病状の診断、生物
の遺伝子型タイピング等を迅速、簡便に行うことができ
る。
【0105】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> NITTO DENKO CORPORATION <120> Method of detecting target gene <130> ND-14-008 <160> 2
【0106】 <210> 1 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe based on nucleotide sequence of Salmonella 23SrRNA. <400> 1 gctgacacgt aggtgaag 18
【0107】 <210> 2 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed probe based on nucleotide sequence of Salmonella 23SrRNA. <400> 2 cttcacctac gtgtcagc 18
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に使用する、固定相とレポータ
ー相とを有する吸水性基材の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 滴下パッド 2 吸水性基材 3 吸水パッド 4 固定相 5 レポーター相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 15/09 C12N 15/00 A (72)発明者 田中 康進 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA09 CA11 HA14 4B063 QA01 QA18 QQ54 QR39 QR56 QR82 QS34 QX02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的核酸との結合性を有する検出プロー
    ブと、標的核酸とは結合性を有しないが、該検出プロー
    ブとは結合性を有する捕捉プローブとを用いる標的核酸
    の検出方法であって、(a)該捕捉プローブを固定化し
    てなる固定相と、該検出プローブとシグナルレポーター
    とを有する標識複合体を液体との接触により展開可能に
    保持させてなるレポーター相とを有する吸水性基材上
    に、被検試料を導入する工程、(b)ストリンジェント
    な条件下、該吸水性基材上で該被検試料を展開する工
    程、ならびに(c)固定相において該シグナルレポータ
    ーからのシグナルを検出する工程、を含み、標的核酸を
    含まない対照試料の場合と比べて、固定相において該シ
    グナルが低く検出される場合に被検試料中に標的核酸が
    含まれると判定する、標的核酸の検出方法。
  2. 【請求項2】 吸水性基材が、被検試料を導入する位置
    に、または被検試料を導入する位置と固定相との間にレ
    ポーター相を有するものである、請求項1記載の検出方
    法。
  3. 【請求項3】 シグナルレポーターが着色粒子、酵素ま
    たは蛍光色素である請求項1または2記載の検出方法。
  4. 【請求項4】 標的核酸が一本鎖核酸である請求項1〜
    3いずれか記載の検出方法。
  5. 【請求項5】 一本鎖核酸がリボソームRNAである請
    求項4記載の検出方法。
  6. 【請求項6】 リボソームRNAがサルモネラ菌または
    リステリア菌由来のものである請求項5記載の検出方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の吸水性基材を含んでな
    る標的核酸の検出用キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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