JP2003247524A - リンク機構のピン連結構造 - Google Patents

リンク機構のピン連結構造

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JP2003247524A
JP2003247524A JP2002050712A JP2002050712A JP2003247524A JP 2003247524 A JP2003247524 A JP 2003247524A JP 2002050712 A JP2002050712 A JP 2002050712A JP 2002050712 A JP2002050712 A JP 2002050712A JP 2003247524 A JP2003247524 A JP 2003247524A
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pin
link
collar
bearing hole
link mechanism
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JP2002050712A
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Yoshiaki Tanaka
儀明 田中
Kenji Ushijima
研史 牛嶋
Katsuya Mogi
克也 茂木
Shunichi Aoyama
俊一 青山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/04Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
    • F02B75/048Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of a variable crank stroke length

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スナップリングによらずにフルフロート形式
のピン連結構造を実現し、第1連結ピン12の長さを大
きくして面圧を低下させる。 【解決手段】 ロアリンク13とアッパリンク11とが
第1連結ピン12によって揺動可能に連結される。ピン
本体31の両端部の小径部35に、別体のカラー32が
それぞれ圧入される。中央軸部34はアッパリンク11
の第3ピン軸受孔27に、カラー32はロアリンク13
の第1,第2ピン軸受孔24,25に、それぞれ、すき
まばめとして回転可能である。カラー32は、第3ピン
軸受孔27の径D1よりも大径であるので、第1連結ピ
ン12は、微少量摺動可能であるものの、抜け出ること
はできない。ロアリンク13の厚さとほぼ等しい長さの
第1連結ピン12を利用できるので、ロアリンク13と
の接触面積が大となり、面圧が低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばレシプロ
式内燃機関におけるピストン−クランク機構のようなリ
ンク機構に用いられるピン連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、内燃機関のピストンとコネクテ
ィングロッドとは、連結ピンつまりピストンピンを介し
て互いに揺動可能となるように連結されているので、一
種のリンク機構とみなすことができるが、このピストン
の連結構造においては、一般に、単純な円筒状をなすピ
ストンピンが用いられており、ピストン側のピンボス部
とコネクティングロッド小端部のピンボス部とに亘って
該ピストンピンが挿通されて、両者が互いに揺動可能に
連結されている。
【0003】ここで、ピストンピンと各ピンボス部との
関係としては、ピストンピンをコネクティングロッド小
端部に圧入等で固定し、ピストン側のピンボス部に対し
回転可能としたセミフロート式の構成(例えば特開平1
1−336896号公報)、あるいは、ピストンピン
を、コネクティングロッド側およびピストン側のピンボ
ス部の双方に対し回転可能としたフルフロート式の構成
(例えば実公平4−26671号公報)、などが従来か
ら知られているが、内燃機関の高速高負荷域での運転の
ような厳しい条件下での潤滑性能を確保するために、フ
ルフロート式の構成が比較的多く採用される傾向にあ
る。
【0004】このフルフロート式のピン連結構造におい
ては、一般に、ピストンピンの両端部が嵌合するピスト
ン側のピンボス部におけるピン軸受孔内周面に、それぞ
れ環状の係止溝を凹設し、ピストンピンを挿入した後、
スナップリングを各々の係止溝に取り付けることによっ
て、ピストンピンの軸方向への脱落を阻止する構成とな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のフルフロート式のピン連結構造では、ピン
ボス部の軸方向の両端部にそれぞれ係止溝を加工する領
域を設けなければならないので、ピンボス部の全長(例
えばピストン側の一対のピンボス部の両端間の距離)に
比較して、連結ピン(例えばピストンピン)の長さを短
くせざるを得ない。そのため、連結ピン両端部における
ピンボス部との接触面積が少なくなり、それだけ面圧が
高くなって、応力条件が厳しくなる、という問題があ
る。
【0006】特に、連結ピン両端部を支持する一対のピ
ンボス部を備える側のリンク部材の軸方向の厚さ、ひい
てはピンボス部の全長が、種々の条件からある寸法以下
に制限されてしまう場合には、上記のようにピンボス部
の両端部に連結ピンと接触しない領域が必要であると、
連結ピンの長さを十分に確保することが困難となること
があり、好ましくない。
【0007】また逆に、面圧等の点で必要な接触面積に
比較すると、ピンボス部が軸方向に過度に長いものとな
り、そのリンク部材、例えばピストンの軽量化を阻害す
る要因となる。
【0008】さらに、連結ピンが小径のものでは、スナ
ップリングを装着するピン軸受孔も小径となることか
ら、スナップリングの係止溝への取付作業が難しくな
る、という問題もある。
【0009】そこで、この発明は、ピンボス部の長さの
全体を連結ピンとの接触面として有効利用することが可
能なフルフロート式のピン連結構造を提供することを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、請求項1の
ように、第1,第2ピンボス部が二股状に対向して配置
され、各ピンボス部に第1,第2ピン軸受孔がそれぞれ
形成された第1リンク部材と、上記の第1,第2ピンボ
ス部の間に配置される第3ピンボス部を有し、該第3ピ
ンボス部に第3ピン軸受孔が貫通形成された第2リンク
部材と、両リンク部材を互いに揺動可能に連結する連結
ピンと、を備えてなるリンク機構のピン連結構造におい
て、上記第1ピン軸受孔および上記第2ピン軸受孔が、
上記第3ピン軸受孔よりも大径に形成されており、上記
連結ピンは、上記第3ピン軸受孔に回転可能に嵌合する
中央軸部と、上記第1ピン軸受孔に回転可能に嵌合する
一端の第1大径部と、上記第2ピン軸受孔に回転可能に
嵌合する他端の第2大径部と、を備え、上記第1大径部
および上記第2大径部の少なくとも一方が、上記中央軸
部を構成するピン本体の端部に固着された円筒状のカラ
ーから構成されていることを特徴としている。
【0011】つまり、第1,第2大径部の一方をピン本
体に一体に形成し、他方を円筒状のカラーにて構成して
もよく、あるいは請求項6のように、第1大径部および
第2大径部の双方を別体のカラーから構成してもよい。
少なくとも一方のカラーは、ピン本体を各ピンボス部に
挿通した後に取り付けられる。なお、第1ピン軸受孔と
第2ピン軸受孔の径(換言すれば第1,第2大径部の
径)は、それぞれが第3ピン軸受孔の径よりも大径であ
れば足り、必ずしも互いに等しい必要はない。
【0012】カラーがピン本体に取り付けられた組立状
態では、第2リンク部材の第3ピン軸受孔に嵌合した相
対的に小径な中央軸部の両側に、それぞれ大径部が位置
するので、連結ピンは第2リンク部材に軸方向に保持さ
れる。そして、第2リンク部材は、二股状に対向配置さ
れた第1,第2ピンボス部の間に挟まれているので、中
央軸部の両側に位置する第1,第2大径部は、第1,第
2ピンボス部の第1,第2ピン軸受孔に嵌合した状態に
保たれ、軸方向へ抜け出ることはない。連結ピンの中央
軸部と第3ピン軸受孔とは、すきまばめとして互いに回
転可能であり、同様に、連結ピンの両端の第1,第2大
径部と第1,第2ピン軸受孔とは、すきまばめとして互
いに回転可能である。従って、全体としてフルフロート
式の構成となる。
【0013】上記カラーは、接着、螺合等を含む適宜な
手段によりピン本体に固着することができるが、望まし
くは、請求項2のように、上記ピン本体の端部に圧入さ
れて固着される。
【0014】そして、この場合、請求項3のように、上
記カラーを上記ピン本体と同一の材質から形成すれば、
熱膨張率が互いに等しいことから、例えば内燃機関のピ
ストン−クランク機構のように高温条件下で使用されて
も、圧入によるカラーとピン本体との間の固着力が熱膨
張に伴って低下することがない。
【0015】さらに請求項4のように、上記カラーを、
上記ピン本体の材質よりも熱膨張率の小さな材質から形
成するようにすれば、高温の使用条件下では、熱膨張差
によりカラーとピン本体との間の固着力が増加するよう
になる。そのため、圧入時の圧入代を必要最小限として
圧入作業を容易としつつ、使用時には堅固な固着状態と
することが可能である。
【0016】本発明では、ピン本体として、単純な円筒
状のものを用いることができるが、これに限定されるも
のではない。
【0017】望ましくは請求項5のように、上記ピン本
体の端部が、上記中央軸部に対し段付形状をなす小径部
として形成され、この小径部に上記カラーが圧入され
る。この場合、小径部と中央軸部との境界の段部により
上記カラーが軸方向に位置決めされる。
【0018】また本発明では、ピン本体とカラーとが予
め別体として構成されるので、請求項7のように、カラ
ーの外周面に、中央軸部とは異なる表面処理加工を施す
ことが容易である。第1リンク部材と第2リンク部材と
の間に大きな荷重、例えば燃焼荷重が作用したような場
合に、二股状に対向配置された第1,第2ピンボス部に
両端部が支持された連結ピンは、撓み変形する。その結
果、両端部の軸受面つまり各大径部と第1,第2ピン軸
受孔との間では、いわゆる片当たりを生じやすくなる。
このような片当たりによる潤滑不良を考慮して、大径部
外周面に浸硫処理のような初期馴染み性を改善する表面
処理を施すことが好ましいが、予めカラーのみを別体と
した状態で表面処理することにより、マスキングを要さ
ずに大径部のみの表面処理が可能である。
【0019】本発明は、前述したピストンとコネクティ
ングロッドとの連結構造を含む種々のリンク機構に適用
が可能である。特に、本発明のピン連結構造は、請求項
8のように、一端がピストンにピストンピンを介して連
結されるアッパリンクと、このアッパリンクの他端が第
1連結ピンを介して連結されるとともに、クランクシャ
フトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリ
ンクと、このロアリンクに第2連結ピンを介して一端が
連結されるとともに、他端が内燃機関本体に対して揺動
可能に支持されるコントロールリンクと、このコントロ
ールリンク他端の内燃機関本体に対する揺動支持位置を
変位させる支持位置可変手段と、を備えてなる内燃機関
の可変圧縮比機構において、上記ロアリンクと上記アッ
パリンクとの間もしくは上記ロアリンクと上記コントロ
ールリンクとの間の連結構造として用いることができ
る。すなわち、上記ロアリンクが第1リンク部材とな
り、上記アッパリンクもしくは上記コントロールリンク
が第2リンク部材となる。このような複リンク式のピス
トン−クランク機構においては、上記のロアリンクのク
ランクシャフト軸方向の寸法が、隣接するカウンタウエ
イト等によって、例えばピストンの直径よりも小さく制
限される。本発明のピン連結構造では、この制限された
ロアリンクの寸法の中で、連結ピンの長さを最大限に確
保することが可能である。
【0020】
【発明の効果】この発明に係るリンク機構のピン連結構
造によれば、ピンボス部両端の係止溝やスナップリング
を廃止したフルフロート式のピン連結構造を提供するこ
とができ、ピンボス部の全長と実質的に等しい長さの連
結ピンを利用することが可能となる。従って、ピンボス
部と連結ピンとの間の接触面積を大きく確保でき、面圧
低下の上で有利になるとともに、ピンボス部の大きさを
最小限にして軽量化を図ることができる。
【0021】特に、請求項2のようにカラーを圧入によ
り固着することにより、スナップリングの装着と同程度
の簡単な組立作業で組み立てることが可能であり、さら
に請求項3あるいは請求項4のようにカラーの材質を選
択することで、圧入作業を容易としつつ堅固な固着状態
を得ることができる。また、請求項5のように段部を設
けることで、カラーの軸方向の位置決めができるので、
さらに圧入作業が容易かつ確実となる。
【0022】また請求項7のようにカラーのみに表面処
理することで、高コストな表面処理を必要最小限に施す
ことが可能であり、かつその際に、中央軸部のマスキン
グといった作業が不要となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明に係るピン連結構造が適用
されるリンク機構の一例として、複リンク式のピストン
−クランク機構を利用した内燃機関の可変圧縮比機構を
示している。
【0025】図示するように、シリンダブロック5に形
成されたシリンダ6内に、ピストン1が摺動可能に配設
されており、このピストン1に、アッパリンク11の一
端がピストンピン2を介して揺動可能に連結されてい
る。このアッパリンク11の他端は、第1連結ピン12
を介してロアリンク13の一端部に回転可能に連結され
ている。このロアリンク13は、その中央部においてク
ランクシャフト3のクランクピン4に揺動可能に取り付
けられている。なお、ピストン1は、その上方に画成さ
れる燃焼室から燃焼圧力を受ける。また、クランクシャ
フト3は、クランク軸受ブラケット7によってシリンダ
ブロック5に回転可能に支持されている。
【0026】上記ロアリンク13の他端部には、コント
ロールリンク15の一端が第2連結ピン14を介して回
転可能に連結されている。このコントロールリンク15
の他端は、内燃機関本体の一部に揺動可能に支持されて
おり、かつ、圧縮比の変更のために、その揺動支点16
が、支持位置可変手段により内燃機関本体に対して変位
可能となっている。具体的には、支持位置可変手段とし
て、クランクシャフト3と平行に延びた制御軸18と、
この制御軸18に偏心して設けられた円形の偏心カム1
9と、を有しており、この偏心カム19の外周面に上記
コントロールリンク15の他端が回転可能に嵌合してい
る。上記制御軸18は、上記のクランク軸受ブラケット
7と制御軸受ブラケット8との間に回転可能に支持され
ている。
【0027】従って、圧縮比の変更のために、図外のア
クチュエータにより制御軸18を回転駆動すると、コン
トロールリンク15の揺動支点16となる偏心カム19
の中心位置が機関本体に対して移動する。これにより、
コントロールリンク15によるロアリンク13の運動拘
束条件が変化して、クランク角に対するピストン1の行
程位置が変化し、ひいては機関圧縮比が変更されること
になる。
【0028】図2および図3は、上記の第1連結ピン1
2によるロアリンク13とアッパリンク11とのピン連
結構造を示している。この例では、ロアリンク13が第
1リンク部材に相当し、アッパリンク11が第2リンク
部材に相当する。ここで、第1リンク部材に相当するロ
アリンク13は、クランクシャフト3のカウンタウエイ
ト17等との干渉を避けるために、そのクランクシャフ
ト3軸方向の寸法が比較的小さく制限されている。
【0029】ロアリンク13の一端部には、中央部にア
ッパリンク嵌合溝21が生じるように、第1ピンボス部
22と第2ピンボス部23とが二股状に対向して形成さ
れている。これらの第1,第2ピンボス部22,23
は、それぞれ略一定の肉厚を有し、かつ互いに平行に延
びている。そして、円筒面をなす第1,第2ピン軸受孔
24,25が、第1,第2ピンボス部22,23にそれ
ぞれ貫通形成されている。この2つのピン軸受孔24,
25は、同軸上に位置し、特に本実施例では、互いに同
じ径(D3)に形成されている。なお、ロアリンク13
の厚さ(クランクシャフト3軸方向の寸法)の範囲内で
両ピンボス部22,23の両端間の全長を最大限に確保
するように、各ピンボス部22,23は、それぞれロア
リンク13の外側面に沿って形成されている。
【0030】一方、アッパリンク11の端部は、上記ア
ッパリンク嵌合溝21内にごく僅かな隙間をもって嵌合
可能な軸方向寸法を有する第3ピンボス部26として構
成されており、この第3ピンボス部26に、円筒面をな
す第3ピン軸受孔27が貫通形成されている。この第3
ピン軸受孔27の径(D1)は、図3に示すように、ロ
アリンク13側の第1,第2ピン軸受孔24,25の径
(D3)よりも小径である。
【0031】上記ロアリンク13と上記アッパリンク1
1とを連結する第1連結ピン12は、図4にも示すよう
に、第1,第2ピンボス部22,23の全長に等しい長
さのピン本体31と、このピン本体31の両端部にそれ
ぞれ固着された一対の円筒状カラー32と、の3つの部
材から構成されている。上記ピン本体31は、上記第3
ピンボス部26に支持される中央の円筒面をなす中央軸
部34と、この中央軸部34よりも小径の円筒面をなす
両端の小径部35と、を有し、中央軸部34と小径部3
5との境界に段部36を有するいわゆる段付形状をなし
ている。上記中央軸部34は、上記アッパリンク嵌合溝
21の幅に等しい長さを有し、かつその径は、第3ピン
軸受孔27の径(D1)に基本的に等しい。但し、第3
ピン軸受孔27に対し、すきまばめの関係にあり、両者
は互いに回転可能に嵌合している。
【0032】また、2つのカラー32は、本実施例では
互いに等しい形状のものであって、第1,第2ピン軸受
孔24,25の軸方向長さに等しい長さを有し、かつそ
の内径(D2)は、上記小径部35の外径に基本的に等
しい。但し、ここでは、両者の関係が、しばりばめとな
っており、所定の圧入代でもって圧入されている。そし
て、このカラー32の外径は、上記第1,第2ピン軸受
孔24,25の内径(D3)に基本的に等しい。但し、
ここでは両者が、すきまばめの関係にあり、両者は互い
に回転可能に嵌合している。上記カラー32は、ピン本
体31と同一の材質あるいはこれよりも熱膨張率の小さ
な材質の金属から形成されている。なお、必要に応じ
て、カラー32の外周面に、浸硫処理などの軸受面の初
期馴染み性を改善する表面処理を施すことが望ましい。
【0033】上記のピン本体31に対するカラー32の
圧入は、まず図3のような状態にロアリンク13とアッ
パリンク11とを組み合わせてアッパリンク11の第3
ピン軸受孔27にピン本体31を挿入した上で、両側の
小径部35と第1,第2ピン軸受孔24,25内周との
間に生じる環状の隙間にカラー32を押し込むようにし
て行われる。一対のカラー32をピン本体31の中央軸
部34を挟んで両側から加圧していけば、図3に示すよ
うに、段部36に規制される位置まで確実に圧入された
状態となって各カラー32が位置決めされる。なお、中
央軸部34の長さつまり一対の段部36の間の距離は、
アッパリンク11の第3ピンボス部26の長さよりも僅
かに大きいので、圧入時にアッパリンク11にカラー3
2が圧接することはない。従って、単に十分な力を加え
るだけの作業で済み、その圧入作業は極めて容易であ
る。特に、カラー32の材質としてピン本体31よりも
熱膨張率が小さなものを適宜に選択して、常温時の圧入
代を小さく設定すれば、油圧プレスなどを使用せずに例
えばハンマーで叩くなどの手作業でもって圧入すること
が可能であり、整備時の分解再組立も容易となる。
【0034】なお、予め一方のカラー32をピン本体3
1に圧入しておき、ロアリンク13とアッパリンク11
とを組み合わせた後、最後に他方のカラー32を圧入す
るような組立手順も可能である。
【0035】このようにして第1連結ピン12の圧入が
完了した組立状態では、両端のカラー32とピン本体3
1とが堅固に一体化したものとなり、かつ、ロアリンク
13側の第1,第2ピン軸受孔24,25およびアッパ
リンク11側の第3ピン軸受孔27の双方に対し第1連
結ピン12が回転可能なフルフロート形式となる。そし
て、図3から明らかなように、第1連結ピン12が軸方
向に移動しようとすると、第1,第2大径部に相当する
各カラー32の内側の端面が、アッパリンク11の第3
ピンボス部26周縁に当接し、その移動が規制される。
従って、第1連結ピン12は、ロアリンク13およびア
ッパリンク11の双方に対し、微少量だけ軸方向に移動
可能であるものの、軸方向に脱落することはない。な
お、このようにフルフロート形式として、ロアリンク1
3とアッパリンク11との双方に対し、周方向ならびに
軸方向のいずれについても可動であることにより、局部
的な摩耗や焼き付きが抑制される。
【0036】上記のように、この連結構造では、フルフ
ロート形式でありながら、ロアリンク13の厚さ(クラ
ンクシャフト3軸方向の寸法)とほぼ等しい長さの第1
連結ピン12を用いることができ、従来のようなスナッ
プリングを用いないことから、ロアリンク13の第1,
第2ピン軸受孔24,25の全体を第1連結ピン12と
の接触面(摺動面)として有効利用することができる。
従って、ロアリンク13の限られた厚さの中で、各部の
面圧を低く抑制することが容易となる。しかも、連結ピ
ン12の中央軸部34に比較して、第1,第2大径部と
なるカラー32の外周面の円周が大となるので、中央軸
部34と同じ径の場合に比較して周方向についても接触
面積が増加することになり、面圧低下の上で一層有利と
なる。また逆に、ロアリンク13側の第1,第2ピンボ
ス部22,23に無駄な領域がなく、ロアリンク13の
重量を最小限とすることができる。
【0037】次に図5は、第1連結ピン12のピン本体
31を、段付形状ではなく単純な円筒状とした実施例を
示している。図示例では、第1,第2ピン軸受孔24,
25の径(D3)および第3ピン軸受孔27の径(D
1)は、前述の実施例と等しく設定してあるので、各カ
ラー32が、前述の実施例に比べて薄肉となっている。
このカラー32は、やはりピン本体31の両端部にそれ
ぞれ圧入されている。なお、この圧入の際には、カラー
32の外側の端面32aがピン本体31の両端面31a
と同一の平面となるまで圧入すればよく、これによりカ
ラー32が軸方向に所定位置に位置決めされるので、圧
入作業が煩雑化することはない。
【0038】次に、図6は、別体のカラー32を第1連
結ピン12の一端側にのみ設けた実施例を示している。
すなわち、この実施例では、第1連結ピン12のピン本
体31は、一端部に、前述したような小径部35を有
し、この小径部35に、第1大径部に相当する円筒状の
カラー32が最終的に圧入されている。そして、ピン本
体31の反対側の端部には、第2大径部に相当する大径
部41が予め一体に形成されている。この大径部41
は、カラー32の外形状と等しい外形状を有し、つまり
第2軸受孔25に、すきまばめとして、回転可能に嵌合
するようになっている。
【0039】なお、説明の簡略化のために図1等では上
記ロアリンク13が一つの部材として描かれているが、
通常は、クランクピン4への組付等を考慮して複数個の
部材に分割して構成され、例えばボルト等により一体化
されている。本発明は、第1ピンボス部22と第2ピン
ボス部23とが別部材から構成される場合を含め、分割
の態様に拘わらず適用可能である。
【0040】また、本発明は、上記のロアリンク13と
コントロールリンク15との間の第2連結ピン14によ
る連結構造についても同様に適用することが可能であ
り、また、このほか、種々のリンク機構のピン連結構造
として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るピン連結構造が用いられた複リ
ンク式ピストン−クランク機構の全体構成を示す内燃機
関要部の断面図。
【図2】そのピン連結構造を示す要部の正面図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】第1連結ピンの分解斜視図。
【図5】異なる実施例を示す図3と同様の断面図。
【図6】さらに異なる実施例を示す図3と同様の断面
図。
【符号の説明】
11…アッパリンク 12…第1連結ピン 13…ロアリンク 22…第1ピンボス部 23…第2ピンボス部 24…第1ピン軸受孔 25…第2ピン軸受孔 26…第3ピンボス部 27…第3ピン軸受孔 31…ピン本体 32…カラー 34…中央軸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 克也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 青山 俊一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G092 AA12 DD06 FA13 FA36 FA49 FA50 3J033 AA04 EA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1,第2ピンボス部が二股状に対向し
    て配置され、各ピンボス部に第1,第2ピン軸受孔がそ
    れぞれ形成された第1リンク部材と、上記の第1,第2
    ピンボス部の間に配置される第3ピンボス部を有し、該
    第3ピンボス部に第3ピン軸受孔が貫通形成された第2
    リンク部材と、両リンク部材を互いに揺動可能に連結す
    る連結ピンと、を備えてなるリンク機構のピン連結構造
    において、 上記第1ピン軸受孔および上記第2ピン軸受孔が、上記
    第3ピン軸受孔よりも大径に形成されており、 上記連結ピンは、上記第3ピン軸受孔に回転可能に嵌合
    する中央軸部と、上記第1ピン軸受孔に回転可能に嵌合
    する一端の第1大径部と、上記第2ピン軸受孔に回転可
    能に嵌合する他端の第2大径部と、を備え、上記第1大
    径部および上記第2大径部の少なくとも一方が、上記中
    央軸部を構成するピン本体の端部に固着された円筒状の
    カラーから構成されていることを特徴とするリンク機構
    のピン連結構造。
  2. 【請求項2】 上記カラーが上記ピン本体の端部に圧入
    されていることを特徴とする請求項1に記載のリンク機
    構のピン連結構造。
  3. 【請求項3】 上記カラーが上記ピン本体と同一の材質
    から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の
    リンク機構のピン連結構造。
  4. 【請求項4】 上記カラーが、上記ピン本体の材質より
    も熱膨張率の小さな材質から形成されていることを特徴
    とする請求項2に記載のリンク機構のピン連結構造。
  5. 【請求項5】 上記ピン本体の端部が、上記中央軸部に
    対し段付形状をなす小径部として形成されており、この
    小径部に上記カラーが圧入されるとともに、中央軸部と
    小径部との境界の段部により軸方向に位置決めされてい
    ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のリ
    ンク機構のピン連結構造。
  6. 【請求項6】 第1大径部および第2大径部の双方が別
    体のカラーからそれぞれ構成されていることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載のリンク機構のピン連
    結構造。
  7. 【請求項7】 上記カラーの外周面に、上記中央軸部と
    は異なる表面処理加工が施されていることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載のリンク機構のピン連結
    構造。
  8. 【請求項8】 一端がピストンにピストンピンを介して
    連結されるアッパリンクと、このアッパリンクの他端が
    第1連結ピンを介して連結されるとともに、クランクシ
    ャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロア
    リンクと、このロアリンクに第2連結ピンを介して一端
    が連結されるとともに、他端が内燃機関本体に対して揺
    動可能に支持されるコントロールリンクと、このコント
    ロールリンク他端の内燃機関本体に対する揺動支持位置
    を変位させる支持位置可変手段と、を備えてなる内燃機
    関の可変圧縮比機構において、 上記ロアリンクと上記アッパリンクもしくは上記コント
    ロールリンクとの間の連結構造として用いられたことを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリンク機構
    のピン連結構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007232112A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Nissan Motor Co Ltd 複リンク式ピストンクランク機構の軸受構造
WO2016035127A1 (ja) * 2014-09-02 2016-03-10 日産自動車株式会社 可変圧縮比内燃機関

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