JP2003247451A - 排出ガスセンサの異常診断装置 - Google Patents
排出ガスセンサの異常診断装置Info
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Abstract
件下で、触媒下流側の排出ガスセンサ(以下「下流側排
出ガスセンサ」という)の異常診断を精度良く実行でき
るようにする。 【解決手段】 吸入空気量が所定の異常診断実行吸入空
気量KQ以上か否か(排出ガス流量が触媒の浄化能力を
越えているか否か)を判定した後、下流側排出ガスセン
サの異常診断実行条件が成立しているか否かを判定する
(ステップ101、102)。その結果、吸入空気量が
異常診断実行吸入空気量KQ以上で、且つ、異常診断実
行条件が成立していると判定されれば、下流側排出ガス
センサの異常診断を実行して、触媒上流側の空燃比のリ
ッチ/リーンを切り換えたときの下流側排出ガスセンサ
の出力変化の応答時間を計測し、この応答時間を判定値
と比較して下流側排出ガスセンサの異常の有無を判定す
る(ステップ103)。
Description
触媒の下流側に設置された排出ガスセンサの出力に基づ
いて該排出ガスセンサの異常の有無を診断する排出ガス
センサの異常診断装置に関するものである。
は、排出ガス浄化用の触媒の上流側と下流側に、排出ガ
スの空燃比又はリッチ/リーンを検出する排出ガスセン
サ(空燃比センサ又は酸素センサ)を設置し、これらの
排出ガスセンサの出力に基づいて空燃比をフィードバッ
ク制御して触媒の排出ガス浄化効率を高めるようにした
ものがある。このような排出ガス浄化システムにおいて
は、排出ガスセンサが劣化して空燃比制御精度が低下し
た状態(排出ガス浄化率が低下した状態)で運転が続け
られるのを防ぐために、排出ガスセンサの劣化診断を行
うようにしたものがある。この排出ガスセンサの劣化診
断方法は、一般に、触媒上流側の空燃比(目標空燃比)
を変化させたときの排出ガスセンサの出力の挙動が触媒
上流側の空燃比の変化に応答良く追従しているか否かで
排出ガスセンサの劣化の有無を判定するようにしてい
る。
ンサの出力の挙動は、触媒の浄化能力(ストレージ効
果)の影響を受けるため、触媒上流側の空燃比の変化が
触媒下流側の空燃比(排出ガスセンサの出力)の変化と
して現れるまでに遅れ時間が生じると共に、その遅れ時
間がその時点の触媒の浄化能力ひいては劣化度合によっ
て変化する。このため、触媒下流側の排出ガスセンサの
出力の挙動に基づいて該排出ガスセンサの劣化診断を行
う場合、触媒下流側の排出ガスセンサの出力の挙動がそ
の時点の触媒の浄化能力(ストレージ効果)の影響を受
けて変化してしまい、触媒下流側の排出ガスセンサの劣
化の有無を精度良く判定することができない。
示すように、燃料カット毎に触媒下流側の酸素センサの
出力がリッチ側設定値からリーン側設定値に変化するま
での時間を応答時間として計測し、この応答時間が劣化
判定値以上であるか否かで触媒下流側の酸素センサの劣
化の有無を判定し(一次診断)、その結果、劣化有りと
判定された場合は、燃料カットが所定時間以上連続して
行われたときに、その燃料カット復帰後の経過時間が設
定時間に達した時点で、それまでに計測された最小の応
答時間をメモリから読み出して劣化判定値と比較し、再
度、応答時間が劣化判定値以上と判定された場合に、触
媒下流側の酸素センサの劣化と確定診断するようにした
ものがある。
劣化診断時に、燃料カットにより触媒のストレージ効果
の影響を無視できる旨の記載がある。つまり、燃料カッ
ト時には、触媒に多量のリーン成分(O2 等)が流入し
て、触媒のリーン成分吸着量が急速に飽和状態になるた
め、燃料カット開始から触媒下流側の空燃比がリーンに
変化するまでの応答時間が通常よりも短くなるという特
性を利用して、燃料カット時に触媒下流側の酸素センサ
の応答時間を計測して該酸素センサの劣化診断を行うよ
うにしたものである。
流側の酸素センサの劣化診断時に、燃料カットにより触
媒のストレージ効果の影響を無視できる旨の記載がある
が、実際には、触媒のストレージ効果によって触媒下流
側の酸素センサの応答時間が変化してしまう。つまり、
図12に示すように、燃料カットにより触媒上流側の空
燃比がリッチからリーンに切り換わったときに、触媒下
流側の空燃比(酸素センサの出力)がリッチからリーン
に変化する途中で、触媒のストレージ効果によって触媒
下流側の空燃比が一時的にほとんど変化しない状態にな
るが、触媒の劣化度合が進むほど、ストレージ効果の持
続時間が短くなって触媒下流側の酸素センサの応答時間
が短くなるという特性がある。そのため、上記公報の診
断方法でも、触媒下流側の酸素センサの劣化診断時に触
媒のストレージ効果の影響を無視できず、触媒下流側の
酸素センサの劣化の有無を精度良く判定することができ
ない。
たものであり、従ってその目的は、触媒のストレージ効
果の影響を従来より少なくした条件下で、触媒下流側の
排出ガスセンサの異常診断を実行することができ、触媒
下流側の排出ガスセンサの異常診断精度を向上すること
ができる排出ガスセンサの異常診断装置を提供すること
にある。
に、本発明の請求項1の排出ガスセンサの異常診断装置
は、内燃機関の排出ガス浄化用の触媒の下流側に設置さ
れた排出ガスセンサ(以下「下流側排出ガスセンサ」と
いう)の出力に基づいて該下流側排出ガスセンサの異常
の有無をセンサ異常診断手段により診断するシステムに
おいて、触媒の浄化能力を越える運転領域で下流側排出
ガスセンサの出力に基づいて該下流側排出ガスセンサの
異常診断を実行するようにしてものである。
媒のリーン成分又はリッチ成分のストレージ量(吸着
量)が飽和状態になって、触媒内で浄化されずに通り抜
ける排出ガスが増加するため、触媒上流側の空燃比変化
が応答良く触媒下流側の空燃比変化として現れるように
なる。これにより、触媒のストレージ効果の影響を従来
より少なくした条件下で、下流側排出ガスセンサの出力
に基づいて該下流側排出ガスセンサの異常診断を行うこ
とができ、下流側排出ガスセンサの異常の有無を精度良
く判定することができる。
とは、触媒に流入する排出ガス中のリッチ/リーン成分
の流量が触媒の浄化反応(酸化・還元・吸着)の能力を
越える運転領域のことである。触媒に流入する排出ガス
中のリッチ/リーン成分の流量は、排出ガス流量が多く
なるほど多くなる。また、触媒に流入する排出ガス流量
は、それを直接検出しなくても、エンジン制御パラメー
タとして検出される吸入空気量から間接的に検出するこ
とができる。
に、排出ガス流量の代用情報となる吸入空気量が触媒の
浄化能力を越える領域に増加しているときに、触媒上流
側の空燃比を変化させて下流側排出ガスセンサの異常診
断を実行するようにしても良い。つまり、排出ガス流量
が触媒の浄化能力を越えている場合は、触媒のリーン成
分又はリッチ成分のストレージ量(吸着量)が飽和状態
になって、触媒で浄化されずに通り抜ける排出ガスが多
くなっているため、触媒上流側の空燃比を変化させれ
ば、触媒のストレージ効果の影響をほとんど受けずに、
触媒上流側の空燃比変化が触媒下流側の空燃比変化とし
て非常に応答良く現れるようになり、下流側排出ガスセ
ンサの異常診断を精度良く行うことができる。
断を実行する吸入空気量の範囲は、予め設定した固定値
としても良いが、請求項3のように、下流側排出ガスセ
ンサの異常診断を実行する吸入空気量の範囲を触媒の劣
化度合に応じて設定するようにしても良い。このように
すれば、触媒の劣化度合が進むほど(触媒の浄化能力が
低下するほど)、触媒で浄化可能な排出ガス流量(吸入
空気量)が少なくなるのに対応して、下流側排出ガスセ
ンサの異常診断を実行する吸入空気量の範囲をより少な
い吸入空気量の範囲まで拡大することができ、下流側排
出ガスセンサの異常診断を実行可能な運転領域を拡大し
て、異常診断の実行頻度を多くすることができる。
と呼ばれる所定の空燃比範囲で浄化率が高くなり、それ
以外の空燃比では浄化率が極端に低下するという特性が
ある。そこで、請求項4のように、触媒上流側の空燃比
が触媒の浄化能力を越える領域(浄化ウインドの外側領
域)になっているときに、触媒上流側の空燃比を変化さ
せて下流側排出ガスセンサの異常診断を実行するように
しても良い。触媒の浄化能力を越える空燃比(浄化ウイ
ンド外の空燃比)では、触媒で浄化されずに通り抜ける
排出ガス成分が多くなるため、このような状態で、触媒
上流側の空燃比を変化させれば、触媒のストレージ効果
の影響をほとんど受けずに、触媒上流側の空燃比変化が
触媒下流側の空燃比変化として非常に応答良く現れるよ
うになり、下流側排出ガスセンサの異常診断を精度良く
行うことができる。
の実施形態(1)を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略
構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管
12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、こ
のエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出する
エアフローメータ14が設けられている。このエアフロ
ーメータ14の下流側には、スロットルバルブ15とス
ロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが
設けられている。
は、サージタンク17が設けられ、このサージタンク1
7に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設
けられている。また、サージタンク17には、エンジン
11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が
設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート
近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り
付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッド
には、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点
火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火さ
れる。
出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等
の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側と下流側
に、それぞれ排出ガスの空燃比又はリーン/リッチ等を
検出する排出ガスセンサ24,25(空燃比センサ、酸
素センサ等)が設けられている。
は、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、エンジ
ン回転速度を検出するクランク角センサ27が取り付け
られている。
回路(以下「ECU」と表記する)28に入力される。
このECU28は、マイクロコンピュータを主体として
構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された
各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転
状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ
21の点火時期を制御する。
センサ異常診断メインルーチン及び図3に示す異常診断
実行サブルーチンを実行することで、吸入空気量が所定
の異常診断実行吸入空気量KQ(触媒23の浄化能力を
越える排出ガス流量下限値に相当する吸入空気量)以上
のときに、空燃比のリッチ/リーンを切り換えて触媒下
流側の排出ガスセンサ(以下「下流側排出ガスセンサ」
という)25の出力に基づいて下流側排出ガスセンサ2
5の異常診断を実行する。
ルーチンは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオ
ン後に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうセン
サ異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起
動されると、まず、ステップ101で、エアフローメー
タ14で検出した吸入空気量が異常診断実行吸入空気量
KQ以上であるか否かを判定する。ここで、異常診断実
行吸入空気量KQは、触媒23の浄化能力のばらつきを
考慮して、劣化の無い触媒(新品相当の触媒)の浄化能
力を越えるような吸入空気量に設定されている。
量KQよりも少なければ、そのまま本プログラムを終了
する。
量KQ以上と判定された場合には、ステップ102に進
み、下流側排出ガスセンサ25の異常診断実行条件が成
立しているか否かを判定する。ここで、下流側排出ガス
センサ25の異常診断実行条件は、例えば、次の〜
の条件をす全て満たすことである。
あること エンジンが暖機完了状態であること エンジン回転変動が所定範囲内であること エンジン負荷変動が所定範囲内であること 上記との条件は、エンジン運転状態がほぼ定常状態
となるための条件である。
があれば、下流側排出ガスセンサ25の異常診断実行条
件が不成立となり、下流側排出ガスセンサ25の異常診
断を実行することなく、本プログラムを終了する。
合には、下流側排出ガスセンサ25の異常診断実行条件
が成立して、ステップ103に進み、図3に示す異常診
断実行サブルーチンを実行して、下流側排出ガスセンサ
25の異常診断を次のようにして実行する。
れると、まず、ステップ201で、触媒上流側の空燃比
(目標空燃比)を理論空燃比よりもリッチ(例えば目標
空燃比=14)に制御するリッチ制御を実行し、このリ
ッチ制御を開始してから下流側排出ガスセンサ25の出
力が安定するのに十分な時間が経過した後に、触媒上流
側の空燃比(目標空燃比)を理論空燃比よりもリーン
(例えば目標空燃比=16)に制御するリーン制御に切
り換える。
御からリーン制御に切り換えた時点t1 から下流側排出
ガスセンサ25の出力が所定値V1 以下に変化する時点
t2までに要した時間をリーン応答時間TL(図4参
照)として計測した後、ステップ203に進み、このリ
ーン応答時間TLが所定のリーン応答判定値以下か否か
を判定する。
値以下であれば、ステップ204に進み、下流側排出ガ
スセンサ25のリーン応答性が正常(劣化無し)と判定
する。一方、リーン応答時間TLがリーン応答判定値よ
りも長ければ、ステップ205に進み、下流側排出ガス
センサ25のリーン応答性が異常(劣化有り)と判定す
る。
御を開始してから下流側排出ガスセンサ25の出力が安
定するのに十分な時間が経過した後に、リーン制御から
リッチ制御に切り換える。
御からリッチ制御に切り換えた時点t3 から下流側排出
ガスセンサ25の出力が所定値V1 以上に変化する時点
t4までに要した時間をリッチ応答時間TR(図4参
照)として計測した後、ステップ208に進み、このリ
ッチ応答時間TRが所定のリッチ応答判定値以下か否か
を判定する。
値以下であれば、ステップ209に進み、下流側排出ガ
スセンサ25のリッチ応答性が正常(劣化無し)と判定
する。一方、リッチ応答時間TRがリッチ応答判定値よ
りも長ければ、ステップ210に進み、下流側排出ガス
センサ25のリッチ応答性が異常(劣化有り)と判定す
る。
出ガスセンサ25のリーン応答性とリッチ応答性が両方
とも正常か否かを判定し、両方とも正常であれば、ステ
ップ212に進み、最終的に下流側排出ガスセンサ25
が正常(劣化無し)と判定する。一方、下流側排出ガス
センサ25のリーン応答性とリッチ応答性のいずれか一
方でも異常(劣化有り)と判定された場合には、ステッ
プ213に進み、最終的に下流側排出ガスセンサ25が
異常(劣化有り)と判定する。この際、リーン応答性と
リッチ応答性が両方とも異常と判定された場合のみ、最
終的に下流側排出ガスセンサ25が異常と判定するよう
にしても良い。
うに、リッチ制御からリーン制御に切り換えた時点t1
から下流側排出ガスセンサ25の出力が所定値V1 以下
に変化する時点t2 までに要した時間をリーン応答時間
TLとして計測し、リーン制御からリッチ制御に切り換
えた時点t3 から下流側排出ガスセンサ25の出力が所
定値V1 以上に変化する時点t4 までに要した時間をリ
ッチ応答時間TRとして計測するようにしたが、図5に
示すように、リッチ制御からリーン制御に切り換えたと
きに、下流側排出ガスセンサ25の出力が所定区間Va
〜Vb (下流側排出ガスセンサ25が酸素センサである
場合には例えば0.7V〜0.2Vの区間)を通過する
のに要した時間をリーン応答時間TLとして計測し、そ
の後、リーン制御からリッチ制御に切り換えたときに、
下流側排出ガスセンサ25の出力が所定区間Vb 〜Va
(下流側排出ガスセンサ25が酸素センサである場合に
は例えば0.2V〜0.7Vの区間)を通過するのに要
した時間をリッチ応答時間TRとして計測するようにし
ても良い。また、リーン応答時間TLを計測するための
判定電圧V1(Va 〜Vb )と、リッチ応答時間TRを
計測するための判定電圧V1(Vb 〜Va )とを異なる
電圧に設定しても良い。
いないとき(異常診断実行吸入空気量KQよりも小さい
とき)には、触媒上流側の空燃比(目標空燃比)を切り
換えても、触媒23のストレージ効果によって触媒下流
側の空燃比がほとんど変化しない遅れ時間があると共
に、その遅れ時間(ストレージ効果の持続時間)が触媒
23の劣化度合によって変化するため(図12参照)、
触媒23のストレージ効果の影響を受けて下流側排出ガ
スセンサ25の応答時間が変化してしまい、下流側排出
ガスセンサ25の異常の有無を精度良く判定することが
できない。
6(b)に示すように、吸入空気量が多いとき、具体的
には異常診断実行吸入空気量KQ以上のときに、触媒上
流側の空燃比(目標空燃比)を切り換えて下流側排出ガ
スセンサ25の応答時間を計測して下流側排出ガスセン
サ25の異常診断を行う。吸入空気量が異常診断実行吸
入空気量KQ以上のときには、触媒23のリーン成分又
はリッチ成分のストレージ量(吸着量)が飽和状態にな
って、触媒23で浄化されずに通り抜ける排出ガスが多
くなるため、このような状態で、触媒上流側の空燃比
(目標空燃比)を切り換えれば、触媒23のストレージ
効果の影響をほとんど受けずに、触媒上流側の空燃比変
化が応答良く触媒下流側の空燃比変化として現れるよう
になる。これにより、触媒23のストレージ効果の影響
をほぼ排除した条件下で、下流側排出ガスセンサ25の
出力に基づいて該下流側排出ガスセンサ25の異常診断
を行うことができ、下流側排出ガスセンサ25の異常の
有無を精度良く判定することができる。
は、異常診断実行吸入空気量KQを、触媒23の浄化能
力のばらつきを考慮して、劣化の無い触媒(新品相当の
触媒)の浄化能力を越えるような吸入空気量に設定する
ようにしたが、車両の運転方法や道路状況等によって
は、吸入空気量が異常診断実行吸入空気量KQ以上とな
る運転頻度が少なくなって、下流側排出ガスセンサ25
の異常診断の実行頻度が少なくなってしまう可能性があ
る。
形態(2)では、触媒23の劣化度合ηcat が進むほ
ど、触媒23の浄化能力(ストレージ効果)が低下し
て、触媒23で浄化可能な浄化可能な排出ガス流量(吸
入空気量)が少なくなることを考慮して、触媒23の劣
化度合ηcat を検出し、触媒23の劣化度合ηcat に応
じて異常診断実行吸入空気量KQを設定するようにして
いる。
排出ガスセンサ異常診断メインルーチンの処理内容を説
明する。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ3
01で、触媒23の劣化度合ηcat を読み込む。この触
媒23の劣化度合ηcat は、図示しない触媒劣化診断プ
ログラムで、触媒23の劣化の有無を判定するために算
出された触媒23の劣化度合を用いる。
す触媒23の劣化度合ηcat をパラメータとする異常診
断実行吸入空気量KQのマップを検索して、現在の触媒
23の劣化度合ηcat に応じた異常診断実行吸入空気量
KQを算出する。
は、触媒23の劣化度合ηcat が進むほど異常診断実行
吸入空気量KQが小さくなるように設定されている。こ
れにより、触媒23の劣化度合ηcat が進むほど(触媒
23で浄化可能な排出ガス流量が少なくなるほど)、異
常診断実行吸入空気量KQを小さい値に設定して、下流
側排出ガスセンサ25の異常診断を実行する吸入空気量
の範囲を、より少ない吸入空気量の範囲まで拡大するよ
うになっている。
テップ303に進み、エアフローメータ14で検出した
吸入空気量が異常診断実行吸入空気量KQ以上であるか
否かを判定し、次のステップ304で、下流側排出ガス
センサ25の異常診断実行条件が成立しているか否かを
判定する。
以上、且つ、下流側排出ガスセンサ25の異常診断実行
条件が成立したと判定された場合には、ステップ305
に進み、前記図3の異常診断実行サブルーチンを実行し
て、前記実施形態(1)と同じ方法で、下流側排出ガス
センサ25の異常診断を実行する。
23の劣化度合ηcat が進むほど、触媒23の浄化能力
(ストレージ効果)が低下して、触媒23で浄化可能な
排出ガス流量(吸入空気量)が少なくなるという事情を
考慮して、触媒23の劣化度合ηcat が進むほど異常診
断実行吸入空気量KQを小さい値に設定するようにした
ので、触媒23の劣化度合ηcat に応じて吸入空気量が
異常診断実行吸入空気量KQ以上となる運転頻度が増加
して、下流側排出ガスセンサ25の異常診断の実行頻度
を多くすることができる。
(1),(2)では、吸入空気量が触媒23の浄化能力
を越える異常診断実行吸入空気量KQ以上のときに空燃
比のリッチ/リーンを切り換えて下流側排出ガスセンサ
25の異常診断を実行するようにしたが、図9乃至図1
1に示す本発明の実施形態(3)では、触媒23の浄化
率特性(浄化ウインドと呼ばれる所定の空燃比範囲で浄
化率が高くなり、それ以外の空燃比で浄化率が極端に低
下するという特性)を考慮して、触媒上流側の空燃比
(目標空燃比)が触媒23の浄化能力を越える空燃比
(浄化ウインド外の空燃比)になっているときに、触媒
上流側の空燃比(目標空燃比)のリッチ/リーンを触媒
23の浄化能力を越えて切り換えて下流側排出ガスセン
サ25の異常診断を実行するようにしている。
排出ガスセンサ異常診断メインルーチンの処理内容を説
明する。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ4
01で、下流側排出ガスセンサ25の異常診断実行条件
が成立しているか否かを判定し、この異常診断実行条件
が成立していれば、ステップ402に進み、前記図3の
異常診断実行サブルーチンを実行して、下流側排出ガス
センサ25の異常診断を実行する。
示すように、触媒上流側の空燃比が触媒23の浄化能力
を越える空燃比(浄化ウインド外の空燃比)となってい
るときに、触媒上流側の空燃比のリッチ/リーンを切り
換えるために、リッチ制御中は、触媒上流側の空燃比
(目標空燃比)を触媒23の浄化ウインドよりもリッチ
側(例えば目標空燃比=12)に制御し、リーン制御中
は、触媒上流側の空燃比(目標空燃比)を触媒23の浄
化ウインドよりもリーン側(例えば目標空燃比=17)
に制御する。
換えた時点t1 から下流側排出ガスセンサ25の出力が
所定値V1 以下に変化する時点t2 までに要した時間を
リーン応答時間TLとして計測し、このリーン応答時間
TLをリーン応答判定値と比較して下流側排出ガスセン
サ25のリーン応答性の異常の有無を判定する。
換えた時点t3 から下流側排出ガスセンサ25の出力が
所定値V1 以上に変化する時点t4 までに要した時間を
リッチ応答時間TRを計測し、このリッチ応答時間TR
をリッチ応答判定値と比較して下流側排出ガスセンサ2
5のリッチ応答性の異常の有無を判定する。
リーン制御に切り換えたときに、下流側排出ガスセンサ
25の出力が所定区間Va 〜Vb (下流側排出ガスセン
サ25が酸素センサである場合には例えば0.7V〜
0.2Vの区間)を通過するのに要した時間をリーン応
答時間TLとして計測し、その後、リーン制御からリッ
チ制御に切り換えたときに、下流側排出ガスセンサ25
の出力が所定区間Vb 〜Va (下流側排出ガスセンサ2
5が酸素センサである場合には例えば0.2V〜0.7
Vの区間)を通過するのに要した時間をリッチ応答時間
TRとして計測するようにしても良い。また、リーン応
答時間TLを計測するための判定電圧V1(Va 〜Vb
)と、リッチ応答時間TRを計測するための判定電圧
V1(Vb 〜Va )とを異なる電圧に設定しても良い。
上流側の空燃比(目標空燃比)が触媒23の浄化能力を
越える空燃比(浄化ウインド外の空燃比)になっている
ときに、触媒上流側の空燃比(目標空燃比)のリッチ/
リーンを触媒23の浄化能力を越えて切り換えて下流側
排出ガスセンサ25の異常診断を実行する。触媒23の
浄化能力を越える空燃比(触媒23の浄化ウインド外の
空燃比)では、触媒23で浄化されずに通り抜ける排出
ガス成分が多くなるため、このような状態で、触媒上流
側の空燃比のリッチ/リーンを切り換えれば、触媒23
のストレージ効果の影響をほとんど受けずに、触媒上流
側の空燃比変化が触媒下流側の空燃比変化として応答良
く現れるようになり、下流側排出ガスセンサ25の異常
診断を精度良く行うことができる。
に限定されず、吸入空気量が異常診断実行吸入空気量K
Q以上で、且つ、触媒上流側の空燃比(目標空燃比)が
触媒23の浄化能力を越える空燃比(浄化ウインド外の
空燃比)になっているときに、触媒上流側の空燃比(目
標空燃比)のリッチ/リーンを触媒23の浄化能力を越
えて切り換えて下流側排出ガスセンサ25の異常診断を
実行するようにしても良い。
は、触媒上流側の空燃比(目標空燃比)のリッチ/リー
ンを切り換えたときの下流側排出ガスセンサ25のリー
ン応答時間TL、リッチ応答時間TRを、それぞれ判定
値と比較して下流側排出ガスセンサ25の応答性の劣化
を診断するようにしたが、下流側排出ガスセンサ25の
異常診断方法は、適宜変更しても良い。
期で交互に切り換えたときの下流側排出ガスセンサ25
の平均リーン応答時間、平均リッチ応答時間を算出し、
この平均リーン応答時間、平均リッチ応答時間をそれぞ
れ判定値と比較して下流側排出ガスセンサ25の応答性
の劣化を診断するようにしても良い。
で交互に切り換えたときの上流側排出ガスセンサ24の
出力と下流側排出ガスセンサ25の出力の周波数比や振
幅比に基づいて下流側排出ガスセンサ25の応答性の劣
化を診断するようにしても良い。
システム全体の概略構成図
ンルーチンの処理の流れを示すフローチャート
フローチャート
法を説明するためのタイムチャート
断方法を説明するためのタイムチャート
KQよりも少ないときの触媒上流側の空燃比と触媒下流
側の空燃比と下流側排出ガスセンサの出力の挙動を示す
タイムチャート、(b)は吸入空気量が異常診断実行吸
入空気量KQよりも多いときの触媒上流側の空燃比と触
媒下流側の空燃比と下流側排出ガスセンサの出力の挙動
を示すタイムチャート
ンルーチンの処理の流れを示すフローチャート
関係を規定するマップを概念的に示す図
ンルーチンの処理の流れを示すフローチャート
方法を説明するためのタイムチャート
診断方法を説明するためのタイムチャート
媒下流側の空燃比の変化に与える影響を説明するタイム
チャート
ロットルバルブ、20…燃料噴射弁、21…点火プラ
グ、22…排気管、23…触媒、24,25…排出ガス
センサ、28…ECU(センサ異常診断手段)。
Claims (4)
- 【請求項1】 内燃機関の排出ガス浄化用の触媒の下流
側に設置された排出ガスセンサ(以下「下流側排出ガス
センサ」という)の出力に基づいて該下流側排出ガスセ
ンサの異常の有無を診断するセンサ異常診断手段を備え
た排出ガスセンサの異常診断装置において、 前記センサ異常診断手段は、前記触媒の浄化能力を越え
る運転領域で前記下流側排出ガスセンサの出力に基づい
て該下流側排出ガスセンサの異常診断を実行することを
特徴とする排出ガスセンサの異常診断装置。 - 【請求項2】 前記センサ異常診断手段は、吸入空気量
が前記触媒の浄化能力を越える領域に増加しているとき
に前記触媒上流側の空燃比を変化させて前記下流側排出
ガスセンサの異常診断を実行することを特徴とする請求
項1に記載の排出ガスセンサの異常診断装置。 - 【請求項3】 前記センサ異常診断手段は、前記下流側
排出ガスセンサの異常診断を実行する前記吸入空気量の
範囲を前記触媒の劣化度合に応じて設定することを特徴
とする請求項2に記載の排出ガスセンサの異常診断装
置。 - 【請求項4】 前記センサ異常診断手段は、前記触媒上
流側の空燃比が前記触媒の浄化能力を越える領域になっ
ているときに該空燃比を変化させて前記下流側排出ガス
センサの異常診断を実行することを特徴とする請求項1
乃至3のいずれかに記載の排出ガスセンサの異常診断装
置。
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