JP2003247416A - 排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残存還元剤の反応による排気ガス浄化手段の
過加熱を防止できる排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化
方法を提供する。 【解決手段】 排気ガス浄化手段15と、排気ガス浄化
手段15を流通する排気ガスの流量を調整できる排気ガ
ス流量調整手段26と、排気ガス浄化手段の上流側で還
元剤を添加する還元剤添加手段34とを備え、必要に応
じて、排気ガス浄化手段15を流通する排気ガス流量を
低下させて排気ガス浄化手段15の上流側において還元
剤を添加する予め定められた制御が実施される排気ガス
浄化装置20であって、予め定められた制御が完了して
通常状態に戻るべく排気ガス浄化手段流通排気ガス流量
を増加させるべき時には、排気ガス浄化手段15に残存
している還元剤の反応によって排気ガス浄化手段15が
過加熱されないように排気ガス浄化手段流通排気ガス流
量が調整される排気ガス浄化装置20を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気ガ
スを浄化する排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等に搭載される筒内噴射
型の内燃機関、例えばディーゼル機関では、排気ガス中
に含まれる煤等の排気微粒子を除去すると共に窒素酸化
物(NOx)を除去することが要求されている。そして
このような要求に対し、NOx吸蔵剤が担持されたパテ
ィキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称する)
を内燃機関の排気ガス通路に配置する方式の排気ガス浄
化装置が提案されている。このような排気ガス浄化装置
としては、内蔵されたNOx吸蔵剤担持フィルタを流通
する排気ガスの流量を調整できるものが公知であり、そ
の中には排気ガスの流れの方向を反転することができる
ものもある(例えば特開2001−342821号公
報)。
【0003】これは、通常使用時において、フィルタを
流通する排気ガスの方向を反転することにより、フィル
タ内の位置による排気微粒子捕集量及びNOx吸蔵量の
偏りを緩和して、フィルタ及びフィルタに担持されてい
るNOx吸蔵剤を効率的に利用しようとするものであ
る。また、排気ガスの流通方向を反転することにより、
フィルタの詰まりを防止する効果もある。
【0004】一方、上述したような排気ガス浄化装置に
用いられるNOx吸蔵剤は、排気ガスの空燃比がリーン
の時にはNOxを吸蔵し、排気ガス中の空燃比が小さく
なり、且つ排気ガス中にHCやCO等の還元剤が存在し
ていれば吸蔵したNOxを還元浄化する作用(NOxの
吸収放出及び還元作用またはNOxの吸着及び還元作
用)を有する。そしてこの作用を利用して、排気ガスの
空燃比がリーンの時に排気ガス中のNOxをNOx吸蔵
剤に吸蔵させ、一定期間使用してNOx吸蔵剤の吸蔵効
率が低下した時または低下する前にNOx吸蔵剤の上流
側において還元剤(燃料)を添加する等して、NOx吸
蔵剤に吸蔵したNOxの還元浄化を行うようにしてい
る。
【0005】なお、本明細書において「吸蔵」という語
は「吸収」及び「吸着」の両方の意味を含むものとして
用いる。したがって、「NOx吸蔵剤」は、「NOx吸
収剤」と「NOx吸着剤」の両方を含み、前者はNOx
を硝酸塩等の形で蓄積し、後者はNO2等の形で吸着す
る。ところで、内燃機関の燃料には硫黄(S)成分が含
まれている場合があり、この場合には排気ガス中に硫黄
酸化物(SOx)が含まれることとなる。排気ガス中に
SOxが存在するとNOx吸蔵剤はNOxの吸蔵作用を
行うのと全く同じメカニズムで排気ガス中のSOxの吸
蔵を行う。
【0006】ところが、NOx吸蔵剤に吸蔵されたSO
xは比較的安定であり、一般にNOx吸蔵剤に蓄積され
やすい傾向がある。NOx吸蔵剤のSOx蓄積量が増大
すると、NOx吸蔵剤のNOx吸蔵容量が減少して排気
ガス中のNOxの除去を十分に行うことができなくなる
ため、NOxの浄化効率が低下するいわゆる硫黄被毒
(S被毒)の問題が生じる。特に、燃料として比較的硫
黄成分を多く含む軽油を使用するディーゼルエンジンに
おいてはこの硫黄被毒の問題が生じやすい。
【0007】一方、NOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxに
ついても、NOxと同じメカニズムで放出、脱離等が可
能であることが知られている。しかし、SOxは比較的
安定した形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるため、通常のN
Oxの還元浄化制御が行われる温度(例えば250℃程
度以上)ではNOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxを放出等
させることは困難である。このため、硫黄被毒を解消す
るためには、NOx吸蔵剤を通常のNOx還元浄化制御
時より高い温度、すなわち硫黄分放出温度(例えば60
0℃以上)に昇温し、且つ流入する排気ガスの空燃比を
略ストイキまたはリッチ(以下、単にリッチという)に
する硫黄被毒再生制御を定期的に行う必要がある。そし
て、硫黄被毒再生を実施するためにNOx吸蔵剤を高温
且つリッチの状態にする方法としては、NOx吸蔵剤の
上流側において還元剤を添加し、還元剤の反応によって
NOx吸蔵剤を昇温すると共に略ストイキまたはリッチ
雰囲気を作り出す方法が公知である。
【0008】また、上記のようなNOx吸蔵剤を担持し
ているフィルタは排気ガス中に含まれる煤等の排気微粒
子を捕集して除去するが、そのフィルタ上に蓄積された
排気微粒子を着火燃焼させるために、フィルタの上流側
において還元剤を添加する場合もある。以上のように、
上記のようなNOx吸蔵剤及びフィルタを利用した排気
ガス浄化装置においては、そのNOx吸蔵剤及びフィル
タを浄化(NOxの放出還元、硫黄被毒再生、捕集排気
微粒子の燃焼等)するための制御等においてNOx吸蔵
剤及びフィルタの上流側で還元剤の添加を行う場合があ
る。そしてこの際、少ない量の還元剤の添加で目的を達
成し且つエミッション(還元剤のすり抜け)の低減を図
るため、NOx吸蔵剤及びフィルタを流通する排気ガス
の流量を少なくするのが一般的であるが、その結果、一
部の還元剤は上記のような制御完了後においてNOx吸
蔵剤及びフィルタに残存することとなる。
【0009】そして上述したような制御を終了すると、
全量の排気ガスがNOx吸蔵剤及びフィルタを通過して
浄化される通常の状態に戻されるため、NOx吸蔵剤及
びフィルタを流通する排気ガスの流量は増加される。こ
の時、排気ガス中には酸素が含まれているため、NOx
吸蔵剤及びフィルタを流通する排気ガスの流量の増加に
よって、上記制御中にNOx吸蔵剤及びフィルタに付着
等して残存した還元剤(HC等)が急速に反応して発熱
することとなる。そしてこのような発熱によって上記の
ような制御後にNOx吸蔵剤及びフィルタが昇温され、
これらが熱劣化してしまう、もしくは溶損してしまうと
いう問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みてなされたもので、その目的は、残存された還元剤
の反応による排気ガス浄化手段(NOx吸蔵剤及びフィ
ルタ等)の過加熱を防止できる排気ガス浄化装置及び排
気ガス浄化方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に
記載された排気ガス浄化装置及び排気ガス浄化方法を提
供する。1番目の発明は、排気ガス通路に配置された排
気ガス浄化手段と、その排気ガス浄化手段を流通する排
気ガスの流量を調整できる排気ガス流量調整手段と、上
記排気ガス浄化手段の上流側において還元剤を添加する
還元剤添加手段とを備え、必要に応じて、上記排気ガス
浄化手段を流通する排気ガス流量を低下させて上記排気
ガス浄化手段の上流側において還元剤を添加する予め定
められた制御が実施される排気ガス浄化装置であって、
上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻るべく
上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加さ
せるべき時には、上記排気ガス浄化手段に残存している
還元剤の反応によって上記排気ガス浄化手段が過加熱さ
れないように上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス
の流量が調整される、排気ガス浄化装置を提供する。
【0012】1番目の発明のようにすることによって、
上記のような予め定められた制御が完了して通常状態に
戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量
を増加させる場合において、上記予め定められた制御中
の還元剤の添加により上記排気ガス浄化手段に残存され
た還元剤と、流入排気ガス中の酸素とが急速に反応する
ことが防止され、もしくは上記排気ガス浄化手段におけ
る上記反応による発熱量が減少され、上記排気ガス浄化
手段の過加熱が防止される。
【0013】2番目の発明では1番目の発明において、
更に、上記排気ガス流量調整手段が上記排気ガス浄化手
段における排気ガスの流通方向を反転でき、上記予め定
められた制御が完了して通常状態に戻るべく上記排気ガ
ス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加させるべき時
には、排気ガスが上記排気ガス浄化手段を流通する方向
を上記予め定められた制御中とは反転して上記排気ガス
浄化手段を流通する排気ガスの流量が調整される。
【0014】上記予め定められた制御中の還元剤の添加
によって上記排気ガス浄化手段に残存する還元剤はその
排気ガス浄化手段のうちのその還元剤の添加中における
上流側部分に多い。したがって、2番目の発明のように
することにより、上記排気ガス浄化手段が過加熱される
ことを防止することができる。すなわち、上記予め定め
られた制御が完了して通常状態に戻るべく上記排気ガス
浄化手段を流通する排気ガス流量を増加させるべき時
に、排気ガスが上記排気ガス浄化手段を流通する方向を
上記予め定められた制御中とは反転して上記排気ガス浄
化手段を流通する排気ガスの流量を調整すると、この場
合の流れの上流側部分においては残存した還元剤が少な
いために発熱量が少なく、また、この場合の流れの下流
側部分に多く残存している還元剤は、移動するとすぐに
上記排気ガス浄化手段から吐き出されてしまうため、上
記排気ガス浄化手段の過加熱が防止されるのである。
【0015】これにより、流量の微調整を伴わない流通
方向の反転という比較的単純な流量調整によって上記排
気ガス浄化手段が過加熱されることを防止することがで
きる。3番目の発明では1番目または2番目の発明にお
いて、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量
が調整される場合において、上記排気ガス浄化手段を流
通する排気ガス流量が徐々に変化せしめられる。
【0016】このようにすることによって、上記排気ガ
ス浄化手段に残存していた還元剤が一度に多量に吐き出
されることが防止される。4番目の発明では1番目から
3番目の何れかの発明において、更に、上記排気ガス浄
化手段に残存している還元剤の量を推定する残存還元剤
量推定手段を有していて、上記予め定められた制御が完
了して通常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通
する排気ガス流量を増加させるべき時には、上記残存還
元剤量推定手段によって推定された残存還元剤量に基づ
いて上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量が
調整される。
【0017】これにより、残存された還元剤の反応によ
る上記排気ガス浄化手段の過加熱が確実に防止されると
共に、過加熱を防止しながらできるだけ多くの排気ガス
が上記排気ガス浄化手段を流通するようにすることがで
きる。5番目の発明では4番目の発明において、上記残
存還元剤量推定手段が、上記排気ガス浄化手段を流通す
る排気ガスの流量を推定する流量推定手段と、上記排気
ガス浄化手段の下流側における排気ガス中の還元剤濃度
を推定する還元剤濃度推定手段とを含む。
【0018】6番目の発明では5番目の発明において、
上記還元剤濃度推定手段は、HC濃度を推定するHCセ
ンサを含む。上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス
の流量及びその流量での上記排気ガス浄化手段の下流側
における排気ガス中の還元剤濃度またはHC濃度と、上
記排気ガス浄化手段に残存している還元剤またはHCの
量とには一定の関係があるため、5番目または6番目の
発明のようにすることによって、上記排気ガス浄化手段
の残存還元剤量またはHC量を推定することができる。
【0019】7番目の発明では4番目から6番目の何れ
かの発明において、上記予め定められた制御が完了して
通常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通する排
気ガス流量を増加させるべき時には、上記排気ガス流量
調整手段を制御して上記排気ガス浄化手段を流通する排
気ガスの流量を増加させることにより上記残存還元剤量
が上記残存還元剤量推定手段によって推定され、推定さ
れた上記残存還元剤量が予め定められた残存還元剤量を
超えている場合には、上記排気ガス流量調整手段が上記
予め定められた制御中の状態に戻されて、もしくは上記
予め定められた制御中の状態とは上記排気ガス浄化手段
における排気ガスの流通方向のみ異なるようにされた状
態にされて上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの
流量が調整される。
【0020】このようにすることによって、残存された
還元剤の反応による上記排気ガス浄化手段の過加熱を防
止するために行う上記排気ガス流量調整手段の制御を単
純化することができる。8番目の発明では7番目の発明
において、上記排気ガス流量調整手段を制御して上記排
気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を増加させる
ことにより上記残存還元剤量が上記残存還元剤量推定手
段によって推定され、推定された上記残存還元剤量が予
め定められた残存還元剤量を超えている場合には、上記
排気ガス流量調整手段が上記予め定められた制御中の状
態に戻されて、もしくは上記予め定められた制御中の状
態とは上記排気ガス浄化手段における排気ガスの流通方
向のみ異なるようにされた状態にされて上記排気ガス浄
化手段を流通する排気ガスの流量が調整される上記制御
が、予め定められた待ち時間をおいて繰り返される。
【0021】こうすることによって、7番目の発明と同
様の作用及び効果に加え、上記の予め定められた待ち時
間を適切に設定することで、効率的且つ確実に上記排気
ガス浄化手段の過加熱を防止しながら通常状態に移行す
ることが可能となる。9番目の発明では8番目の発明に
おいて、上記排気ガス浄化手段の温度が予め定められた
温度以下に低下した時に上記の予め定められた待ち時間
が経過したとする。
【0022】このようにすることにより、上記の予め定
められた温度を適切に設定することで上記排気ガス浄化
手段の過加熱をより確実に防止しながら通常状態に移行
することが可能となる。10番目の発明では7番目から
9番目の何れかの発明において、上記排気ガス流量調整
手段を制御して上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
スの流量を増加させることにより上記残存還元剤量を上
記残存還元剤量推定手段によって推定する場合におい
て、上記排気ガス流量調整手段を通常状態における状態
へと制御して上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス
の流量を増加させることにより上記残存還元剤量が推定
される。
【0023】このようにすることによって、必要な上記
排気ガス流量調整手段の制御をより単純化することがで
きる。11番目の発明では1番目から10番目の何れか
の発明において、上記予め定められた制御が上記排気ガ
ス浄化手段を浄化するための制御である。これにより、
上記排気ガス浄化手段の各種の浄化制御(NOxの放出
還元、硫黄被毒再生、捕集排気微粒子の燃焼等)の完了
後に通常状態に戻る際に発生する残存された還元剤の反
応による上記排気ガス浄化手段の過加熱が防止される。
【0024】12番目の発明では1番目から11番目の
何れかの発明において、上記排気ガス浄化手段は、流入
する排気ガスの空燃比がリーンの時にNOxを吸蔵し流
入する排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存
在していれば吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵
剤を含む。これによって、排気ガス中のNOxを吸蔵し
且つ還元浄化することができると共に、NOx吸蔵剤に
ついての上記のような過加熱が防止される。13番目の
発明では1番目から11番目の何れかの発明において、
上記排気ガス浄化手段は、排気ガス中の排気微粒子を除
去する手段を含む。これによって、排気ガス中の排気微
粒子を除去することができると共に、排気ガス中の排気
微粒子を除去する手段についての上記のような過加熱が
防止される。
【0025】14番目の発明は、排気ガス浄化手段を排
気ガス通路に配置して行う排気ガス浄化方法であって、
必要に応じて、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
ス流量を低下させて上記排気ガス浄化手段の上流側にお
いて還元剤を添加する予め定められた制御が実施され、
上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻るべく
上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加さ
せるべき時には、上記排気ガス浄化手段に残存している
還元剤の反応によって上記排気ガス浄化手段が過加熱さ
れないように上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス
の流量が調整される、排気ガス浄化方法を提供する。こ
の発明によっても1番目の発明とほぼ同様の作用及び効
果が得られる。
【0026】15番目の発明では14番目の発明におい
て、上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻る
べく上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増
加させるべき時には、排気ガスが上記排気ガス浄化手段
を流通する方向を上記予め定められた制御中とは反転し
て上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量が調
整される。この発明によっても2番目の発明とほぼ同様
の作用及び効果が得られる。
【0027】16番目の発明では14番目または15番
目の発明において、上記予め定められた制御が完了して
通常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通する排
気ガス流量を増加させるべき時には、上記排気ガス浄化
手段に残存している還元剤の量が推定され、その推定残
存還元剤量に基づいて上記排気ガス浄化手段を流通する
排気ガスの流量が調整される。この発明によっても4番
目の発明とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0028】17番目の発明は、排気ガス通路に配置さ
れた排気ガス浄化手段と、その排気ガス浄化手段を流通
する排気ガスの流量を調整できる排気ガス流量調整手段
と、上記排気ガス浄化手段の上流側において還元剤を添
加する還元剤添加手段とを備え、必要に応じて、上記排
気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を低下させて上
記排気ガス浄化手段の上流側において還元剤を添加する
予め定められた制御が実施される排気ガス浄化装置であ
って、上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻
るべく上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を
増加させるべき時には、上記排気ガス浄化手段に残存し
ている還元剤が一気に上記排気ガス浄化手段から排出さ
れないように上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス
の流量が調整される、排気ガス浄化装置を提供する。
【0029】上記のような予め定められた制御が完了し
て通常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通する
排気ガス流量を増加させる場合においては、一時的にエ
ミッションが悪化する場合がある。これは上記排気ガス
浄化手段に残存していた還元剤が一気に下流側へ排出さ
れるために起こるものであるが、17番目の発明のよう
にすることによって、還元剤が一気に下流側へ排出され
ることが防止され、上記制御後の残存還元剤の排出によ
るエミッションの悪化を抑制することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について詳細に説明する。なお、本発明はNO
x吸蔵剤であるNOx吸収剤とNOx吸着剤のどちらを
用いても実施可能であるが、以下ではNOx吸収剤を用
いた場合について説明する。図1は本発明をディーゼル
エンジンへ適用した場合を示している。図1において、
2は機関(エンジン)本体、4は吸気通路、6は排気ガ
ス通路をそれぞれ示す。排気ガス通路6には本発明の排
気ガス浄化装置10が設けられるが、この部分に設置さ
れる排気ガス浄化装置10については後に四つの異なる
構成の排気ガス浄化装置20、30、40、50を挙げ
て詳細に説明する。
【0031】電子制御ユニット(ECU)8は、CPU
(中央演算装置)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、ROM(リードオンリメモリ)、入出力ポートを
双方向バスで接続した公知の形式のディジタルコンピュ
ータからなり、機関本体2と信号をやり取りして燃料噴
射量制御等のエンジンの基本制御を行う他、以下で述べ
るように本発明の各実施形態においては、排気ガス浄化
装置の各構成要素とも信号のやり取りを行いその制御も
行う。
【0032】図2は、図1に示されている排気ガス浄化
装置10の部分に設置されて排気ガス通路6の一部を構
成する、排気ガス浄化装置20の外観を模式的に示した
説明図であり、図2(a)及び(b)がそれぞれ上面図
及び側面図を示している。また、図3(a)及び(b)
には、それぞれ、上方及び側方から見た場合の断面図が
示され、排気ガス浄化装置20の内部の排気ガスの流れ
が示されている。
【0033】図2に示すように排気ガス浄化装置20
は、基幹通路18と、基幹通路18に接続された環状通
路22とを備えており、環状通路22には排気ガス中の
排気微粒子を除去する手段であるフィルタ14が配置さ
れている。フィルタ14には後述するようにNOx吸収
剤12が担持され、排気ガス浄化手段を構成している。
基幹通路18と環状通路22との接続部分には、経路変
更部24が設けられている。経路変更部24は、排気ガ
スの経路を変更すると共にNOx吸収剤12が担持され
たフィルタ14(以下、NOx吸収剤12とフィルタ1
4を特に区別する必要がない場合にはNOx吸収剤担持
フィルタを単に「フィルタ15」と称する)を流通する
排気ガス流量を調整する経路切替調整弁26と、経路切
替調整弁26を駆動するための駆動部28とを備えてい
る。経路変更部24は、4つの通路が接続された二組の
対向面を有している。一方の組の対向面には、基幹通路
18を構成する二つの部分基幹通路18a、18bが接
続されており、他方の組の対向面には、環状通路22を
構成する二つの部分環状通路22a、22bが接続され
ている。
【0034】第1の部分環状通路22aは、フィルタ1
5の第1の面S1側に通じており、第2の部分環状通路
22bは、第2の面S2側に通じている。また、下流側
の部分基幹通路18bには酸化触媒32が配置されてい
る。下流側の部分基幹通路18bは、環状通路22のフ
ィルタ15を内蔵している部分を囲むように形成されて
いる。
【0035】更に、排気ガス浄化装置20は、還元剤添
加部を第1の部分環状通路22aに備えており、この還
元剤添加部はNOx吸収剤12及びフィルタ14の浄化
制御の際等に還元剤を環状通路22内に添加するために
使用される。還元剤添加部は、還元剤噴射ノズル34と
還元剤供給ポンプ(図示無し)とを備えており、還元剤
供給ポンプから供給された還元剤は、還元剤噴射ノズル
34によって第1の部分環状通路22a内に、ECU8
の制御によって適切なやり方で添加される。なお、排気
ガス浄化装置20を含め本明細書で説明する排気ガス浄
化装置30、40、50においては、貯蔵、補給等の際
の煩雑さを避けるため、還元剤としてディーゼルエンジ
ン2の燃料である軽油を使用している。
【0036】経路変更部24と還元剤添加部とはECU
8によって制御される。具体的には、ECU8は、経路
変更部24の駆動部28に接続されており、駆動部28
を制御することにより、経路切替調整弁26の動作を制
御する。また、ECU8は、還元剤添加部の還元剤噴射
ノズル34に接続されており、還元剤噴射ノズル34を
制御することにより、還元剤噴射ノズル34の還元剤添
加動作を制御する。排気ガス浄化装置20に流入した排
気ガスは、以下で説明するように必ず基幹通路18を通
り、選択的に環状通路22を通る。
【0037】図3(a)、(b)は、経路切替調整弁2
6が第1の位置に位置された場合の排気ガスの流れを示
している。この場合、排気ガス浄化装置20に流入した
排気ガスは、上流側の部分基幹通路18aを通って経路
変更部24に流入し、第1の部分環状通路22aと第2
の部分環状通路22bとをこの順序で通って、経路変更
部24に戻る。この時、排気ガスは、フィルタ15を第
1の面S1から第2の面S2に向かって流れる。経路変
更部24に戻った排気ガスは、下流側の部分基幹通路1
8bに流入し、酸化触媒32を通過した後に排気ガス浄
化装置20から排出される。なお、酸化触媒32を通過
した排気ガスは、図3(a)、(b)に示すように、部
分基幹通路18bの環状通路22のフィルタ15を内蔵
している部分を囲むように形成されている部分を通る。
【0038】図4は、経路切替調整弁26が第2の位置
に位置された場合の排気ガスの流れを示している図3
(a)と同様の図である。この場合、排気ガスは、図3
(a)の場合とほぼ同様に流れるが、環状通路22を流
れる方向が反転している。すなわち、経路変更部24に
流入した排気ガスは、第2の部分環状通路22bと第1
の部分環状通路22aとをこの順序で通って、経路変更
部24に戻る。この時、排気ガスはフィルタ15を第2
の面S2から第1の面S1に向かって流れる。このよう
に、フィルタ15を流通する排気ガスの流れを反転する
ことができるので、フィルタ15内の位置による排気微
粒子捕集量及びNOx吸収量等の偏りを緩和してフィル
タ14及びフィルタ14に担持されているNOx吸収剤
12を効率良く使用することができる。また、排気ガス
の流通方向を反転することにより、フィルタ14の詰ま
りを防止する効果もある。
【0039】図5は、経路切替調整弁26が上記第1の
位置と第2の位置との中間である第3の位置に位置され
た場合の排気ガスの流れを示している図3(a)及び図
4と同様の図である。なお、経路切替調整弁26を第1
の位置と第2の位置とで切替える際には、経路切替調整
弁26は一時的に第3の位置となる。経路切替調整弁2
6が第3の位置に位置している場合、経路変更部24に
流入した排気ガスは、殆どがそのまま下流側の部分基幹
通路18bに流入し、酸化触媒32を通過した後に、排
気ガス浄化装置20から排出される。
【0040】上記のように、経路切替調整弁26が第1
または第2の位置にある場合には、排気ガスはフィルタ
15を通過し、更に酸化触媒32を通過する。一方、経
路切替調整弁26が第3の位置にある場合には、殆どの
排気ガスは、フィルタ15を通過せずに酸化触媒32の
みを通過して排気ガス浄化装置20から排出される。し
たがって、通常状態においては、排気ガスがフィルタ1
5と酸化触媒32とを通過して浄化されるように、経路
切替調整弁26は第1または第2の位置にある。そして
必要に応じて、例えば以下で説明するようなNOx吸収
剤12やフィルタ14の浄化制御の際に還元剤を添加す
る場合等にその位置が駆動部28により第1の位置と第
2の位置の間で調整され、フィルタ15を流通する排気
ガスの流量が低下される。
【0041】図6にフィルタ15の拡大断面図を示す。
図6を参照すると、フィルタ14は多孔質セラミックか
ら成り、排気ガスは矢印で示されるように図中左から右
に向かって流れる。フィルタ14内には、上流側に栓3
4が施された第1通路38と下流側に栓42が施された
第2通路44とが交互に配置されハニカム状をなしてい
る。排気ガスが図中左から右に向かって流れると、排気
ガスは第2通路44から多孔質セラミックの隔壁を通過
して第1通路38に流入し、下流側に流れる。この時、
排気ガス中の排気微粒子(パティキュレート)は多孔質
セラミックによって捕集されて排気ガス中から除去さ
れ、排気微粒子の大気への放出が防止される。
【0042】また、第1通路38および第2通路44の
隔壁の表面及び内部の細孔内にはNOx吸収剤12が担
持されている。NOx吸収剤12は、例えばカリウム
K、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのよ
うなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのよ
うなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのよ
うな希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptの
ような貴金属とから成る。NOx吸収剤12は流入排気
ガス(すなわち、本排気ガス浄化装置20の構成におい
てはフィルタ15を流通する排気ガス)の空燃比がリー
ンの時にはNOxを吸収し、NOx吸収剤流入排気ガス
の空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸
収したNOxを放出して還元浄化する作用(NOxの吸
収放出及び還元浄化作用)を有する。
【0043】図1に示した構成ではディーゼルエンジン
が使用されているため、通常状態の時の排気ガス空燃比
はリーンであり、NOx吸収剤12は通常状態の時には
排気ガス中のNOxの吸収を行う。そして、一定期間使
用してNOx吸収剤12のNOx吸収効率が低下する等
した場合には、NOx吸収剤12からNOxを放出し還
元する必要が生じる。本排気ガス浄化装置20において
は、このようなNOx吸収剤12からのNOxの放出及
び還元浄化が必要になった場合には、還元剤添加部の還
元剤噴射ノズル34からフィルタ15上流側の排気ガス
通路、すなわち第1の部分環状通路22aに還元剤を供
給してNOx吸収剤流入排気ガスの空燃比を小さくし且
つ還元剤が存在する状態とし、NOx吸収剤12が吸収
したNOxを放出すると共に放出したNOxを還元浄化
するようにする。
【0044】この吸収放出及び還元浄化作用の詳細なメ
カニズムについては明らかでない部分もあるが、この吸
収放出及び還元浄化作用は図7に示すようなメカニズム
で行われているものと考えられる。次にこのメカニズム
について白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合
を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、ア
ルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとな
る。
【0045】すなわち、NOx吸収剤流入排気ガスの空
燃比がかなりリーンになるとNOx吸収剤流入排気ガス
中の酸素濃度が大幅に増大し、図7(A)に示されるよ
うにこれら酸素O2がO2 -またはO2-の形で白金Ptの
表面に付着する。一方、NOx吸収剤流入排気ガス中の
NOは白金Ptの表面上でO2 -またはO2-と反応し、N
2となる(2NO+O2→2NO2)。次いで生成され
たNO2の一部は白金Pt上で更に酸化されつつNOx
吸収剤12内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合し
ながら、図7(A)に示されるように硝酸イオンNO3 -
の形でNOx吸収剤12内に拡散する。このようにして
NOxがNOx吸収剤12内に吸収される。
【0046】NOx吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が
高い限り白金Ptの表面でNO2が生成され、NOx吸
収剤12のNOx吸収能力が飽和しない限りNO2がN
Ox吸収剤12内に吸収されて硝酸イオンNO3 -が生成
される。これに対してNOx吸収剤流入排気ガス中の酸
素濃度が低下してNO2の生成量が低下すると反応が逆
方向(NO3 -→NO2)に進み、斯くしてNOx吸収剤
12内の硝酸イオンNO3 -がNO2の形でNOx吸収剤
12から放出される。すなわち、NOx吸収剤流入排気
ガス中の酸素濃度が低下するとNOx吸収剤12からN
Oxが放出されることになる。NOx吸収剤流入排気ガ
スのリーンの度合いが低くなればNOx吸収剤流入排気
ガス中の酸素濃度が低下し、したがってNOx吸収剤流
入排気ガスのリーンの度合いを低くすればNOx吸収剤
12からNOxが放出されることになる。
【0047】一方、この時NOx吸収剤流入排気ガスの
空燃比を小さくすると、HC、COは白金Pt上の酸素
2 -またはO2-と反応して酸化せしめられる。また、N
Ox吸収剤流入排気ガスの空燃比を小さくするとNOx
吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するため
にNOx吸収剤12からNO2が放出され、このNO2
図7(B)に示されるように未燃HC、COと反応して
還元浄化せしめられる。このようにして白金Ptの表面
上にNO2が存在しなくなるとNOx吸収剤12から次
から次へとNO2が放出される。したがってNOx吸収
剤流入排気ガスの空燃比を小さくすると短時間のうちに
NOx吸収剤12からNOxが放出されて還元浄化され
ることになる。
【0048】なお、ここでいう排気ガスの空燃比とはN
Ox吸収剤12上流側の排気ガス通路とエンジン燃焼室
または吸気通路に供給された空気と燃料との比率をいう
ものとする。したがって排気ガス通路に空気や還元剤が
供給されていない時には排気ガスの空燃比はエンジンの
運転空燃比(エンジン燃焼室内の燃焼空燃比)に等しく
なる。
【0049】また、本発明に使用する還元剤としては、
排気ガス中で炭化水素や一酸化炭素等の還元成分を発生
するものであれば良く、水素、一酸化炭素等の気体、プ
ロパン、プロピレン、ブタン等の液体または気体の炭化
水素、ガソリン、軽油、灯油等の液体燃料等が使用でき
るが、上述のように排気ガス浄化装置20を含め本明細
書で説明する排気ガス浄化装置30、40、50におい
ては、貯蔵、補給等の際の煩雑さを避けるためディーゼ
ルエンジン2の燃料である軽油を還元剤として使用して
いる。
【0050】次にNOx吸収剤12の硫黄被毒のメカニ
ズムについて説明する。排気ガス中にSOx成分が含ま
れていると、NOx吸収剤12は上述のNOxの吸収と
同じメカニズムで排気ガス中のSOxを吸収する。すな
わち、排気ガスの空燃比がリーンの時、排気ガス中のS
Ox(例えばSO2)は白金Pt上で酸化されてS
3 -、SO4 -となり、酸化バリウムBaOと結合してB
aSO4を形成する。BaSO4は比較的安定であり、ま
た、結晶が粗大化しやすいため一旦生成されると分解放
出されにくい。このため、NOx吸収剤12中のBaS
4の生成量が増大するとNOxの吸収に関与できるB
aOの量が減少してしまいNOxの吸収能力が低下して
しまう。
【0051】この硫黄被毒を解消するためには、NOx
吸収剤12中に生成されたBaSO 4を高温で分解する
とともに、これにより生成されるSO3 -、SO4 -の硫酸
イオンをスライトリーンを含む略ストイキまたはリッチ
雰囲気(以下、単にリッチ雰囲気という)下で還元し、
気体状のSO2に転換してNOx吸収剤12から放出さ
せる必要がある。すなわち、硫黄被毒を解消するために
は、NOx吸収剤12を高温且つリッチ雰囲気の状態に
する必要がある。
【0052】本排気ガス浄化装置20においては、この
ような硫黄被毒を解消する必要が生じた場合には、還元
剤添加部の還元剤噴射ノズル34からフィルタ15上流
側の排気ガス通路、すなわち第1の部分環状通路22a
に還元剤を供給し、還元剤の反応によってNOx吸収剤
12を昇温すると共に略ストイキまたはリッチ雰囲気を
作り出すようにし、NOx吸収剤12から硫黄分を放出
するようにする。
【0053】また、上述のように排気ガス中の排気微粒
子はフィルタ14によって捕集されるが、本排気ガス浄
化装置20で用いるフィルタ14のように、例えばアル
カリ金属、アルカリ土類、希土類から選ばれた少なくと
も一つと、白金Ptのような貴金属とから成る触媒(本
例ではNOx吸収剤12)が担持されたフィルタ14上
においては、捕集された排気微粒子は、通常、排気ガス
の熱によって着火燃焼され、フィルタ14は再生され得
る。しかしながら、排気微粒子量が多くなる等、何らか
の原因で捕集された排気微粒子が完全に燃焼できなくな
ると、フィルタ14上に排気微粒子が積層状に堆積して
しまう場合が生じる。このようにフィルタ14上に排気
微粒子が積層状に堆積してしまうと、排気微粒子は着火
燃焼しづらくなり通常温度の排気ガスの熱では着火しな
くなる。したがって、この場合に排気微粒子を着火燃焼
させてフィルタを再生するためには、排気ガスの温度を
更に高めることが必要となる。
【0054】排気ガス浄化装置20においては、このよ
うな堆積した排気微粒子を着火燃焼させてフィルタを再
生する必要が生じた場合に、還元剤添加部の還元剤噴射
ノズル34からフィルタ15上流側の排気ガス通路、す
なわち第1の部分環状通路22aに還元剤を供給し、還
元剤の反応によって排気ガス温度を高め、堆積した排気
微粒子を着火燃焼させてフィルタを再生する。
【0055】以上のように、NOx吸収剤12及びフィ
ルタ14(すなわちフィルタ15)を利用している排気
ガス浄化装置20においては、そのNOx吸収剤12及
びフィルタ14を浄化(上述のようなNOxの放出還
元、硫黄被毒の解消、捕集排気微粒子の燃焼等)するた
めの制御等においてフィルタ15の上流側において還元
剤噴射ノズル34から排気ガス通路内に還元剤の添加が
行われる。そしてこの際、少ない量の還元剤の添加で目
的を達成し且つエミッション(還元剤のすり抜け)の低
減を図るために、フィルタ15を流通する排気ガスの流
量は減少させられる。
【0056】より具体的には、上述したような浄化制御
において還元剤の添加が行われる際には、経路切替調整
弁26は、図5に示された第3の位置から僅かに第1の
位置側にずれた位置(「第4の位置」とする)に調整さ
れ、一部の排気ガスのみがフィルタ15を第1の面S1
から第2の面S2に向かって流通し、それ以外の殆どの
排気ガスはフィルタ15をバイパスするようにされる。
この時、経路切替調整弁26が、第3の位置から第2の
位置側ではなく、第1の位置側にずれた位置に調整され
るのは、還元剤の添加位置、すなわち還元剤噴射ノズル
34がフィルタ15を流通する排気ガスの流れ方向に関
してフィルタ15の上流側に位置するようにするためで
ある。
【0057】上述したような浄化制御において添加され
た還元剤は、その浄化制御の完了時点においてフィルタ
15には残存していないことが好ましいが、実際には、
還元剤添加時にフィルタ15を流通する排気ガス流量を
低下させること等が原因で、一部の還元剤がフィルタ1
5に残存する場合が多い。
【0058】一般に、上述したような浄化制御を終了す
ると、全量の排気ガスがフィルタ15を通過して浄化さ
れる通常の状態に戻されるため、フィルタ15を流通す
る排気ガスの流量は増加される。この時、排気ガス中に
は酸素が含まれているため、フィルタ15に還元剤が残
存しているとフィルタ15を流通する排気ガスの流量の
増加によって、残存していた還元剤(HC等)が急速に
反応して発熱し、フィルタ15が熱劣化してしまう、も
しくは溶損してしまうという問題があった。そしてこの
ような問題は、フィルタ15を流通する排気ガス流量を
低下させて還元剤の添加を行うという同様な手法でその
NOx吸収剤12及びフィルタ14を浄化(NOxの放
出還元、硫黄被毒の解消、捕集排気微粒子の燃焼等)す
る他の構成の排気ガス浄化装置でも生じ得るものであ
る。
【0059】そこで、本排気ガス浄化装置20では以下
で説明する方法によって上記問題を解決し、残存された
還元剤の反応によるフィルタ15の過加熱を防止する。
すなわち、本排気ガス浄化装置20では、上述のような
浄化制御が完了して通常状態に戻るべくフィルタ15を
流通する排気ガス流量を増加させるべき時には、排気ガ
スがフィルタ15を流通する方向を上記浄化制御中とは
反転してフィルタ15を流通する排気ガス流量を調整す
る。以下、この方法について図8を参照しつつ詳細に説
明する。
【0060】図8は、本排気ガス浄化装置20において
フィルタ15に対して浄化制御を行う場合の制御ルーチ
ンを示しており、通常の浄化制御に、フィルタ15の過
加熱を防止しながら通常状態へ移行するための移行制御
が追加されている。ここでの浄化制御には、上述したよ
うなフィルタ流通排気ガス流量を低下させて還元剤を添
加することを含んでいるNOx放出還元、硫黄被毒解
消、排気微粒子燃焼除去の何れかの制御、もしくは同時
または連続して行える場合にはこれらの組合せ等を含ん
でいる。なお、本ルーチンはECU8によって一定時間
毎の割り込みによって実行される。
【0061】この制御ルーチンが実行されると、まず、
ステップ100でフィルタ15についての浄化制御の実
施条件が成立したか否かが判定される。浄化制御の実施
条件は、実施される浄化制御の種類によって個別的に設
定され得るが、各種の浄化制御に対して適用可能な浄化
制御の実施条件としては、例えば車両走行距離等があ
る。すなわち、その浄化制御を前回実施した時点からの
走行距離が予め定められた設定値よりも大きくなった時
にその浄化制御の実施条件が成立したと判定する。
【0062】ステップ100において浄化制御実施条件
が成立していないと判定された場合には本制御ルーチン
は終了し、浄化制御実施条件が成立していると判定され
た場合にはステップ102に進む。ステップ102にお
いては、実際に各浄化制御が実施される。ここでは、何
れの浄化制御を実施する場合においても、経路切替調整
弁26を第4の位置に調整してフィルタ15を流通する
排気ガス流量を低下させ、還元剤噴射ノズル34によっ
てフィルタ15の上流側において排気ガス通路内に還元
剤を添加することが含まれる。
【0063】次いで、制御はステップ104に進み、浄
化制御の完了条件が成立したか否かが判定される。浄化
制御の完了条件もまた、実施される浄化制御の種類によ
って個別的に設定され得るが、各種の浄化制御に対して
適用可能な浄化制御の完了条件としては、例えば浄化制
御の実施時間等がある。すなわち、今回の浄化制御を開
始した時点からの経過時間が予め定められた設定値より
も大きくなった時に浄化制御の完了条件が成立したと判
定する。
【0064】ステップ104において浄化制御完了条件
が成立していないと判定された場合にはステップ102
に戻って浄化制御が継続される。一方、浄化制御完了条
件が成立していると判定された場合にはステップ105
に進んで還元剤の添加が停止され(もしくは既に停止さ
れていれば停止が確認され)、更にステップ106に進
む。なお、本明細書においては浄化制御完了条件が成立
し、還元剤の添加が停止されるかもしくはその停止が確
認された時点で浄化制御が完了したものとする。
【0065】ステップ106においては、浄化制御の完
了を受けて全量の排気ガスがフィルタ15を通過して浄
化される通常状態に戻るべく、経路切替調整弁26が第
4の位置(第3の位置から僅かに第1の位置側にずれた
位置)から移動されてフィルタ15を流通する排気ガス
の流量が増加される。この際、ステップ106において
は、経路切替調整弁26は上記の第4の位置から必ず第
2の位置側に向かって移動されてフィルタ15を流通す
る排気ガスの流量が増加される。すなわち、この時排気
ガスがフィルタ15を第2の面S2から第1の面S1に
向かって流通するようにされる。上記浄化制御において
還元剤を添加している時には経路切替調整弁26は第4
の位置にあり、排気ガスはフィルタ15を第1の面S1
から第2の面S2に向かって流通しているので、ステッ
プ106の制御を実施することにより、排気ガスのフィ
ルタ15を流通する方向が上記浄化制御中とは反転され
ることとなる。
【0066】このようにフィルタ15を流通する排気ガ
ス流量を低下させてフィルタ15の上流側において排気
ガス通路内に還元剤を添加することを含む浄化制御を完
了して通常状態に戻る時に、排気ガスがフィルタ15を
流通する方向を上記浄化制御中とは反転して流量を調整
していくことによって、上記浄化制御中にフィルタ15
に残存された還元剤の反応によるフィルタ15の過加熱
を防止することができる。
【0067】すなわち、上記浄化制御中にフィルタ15
に残存される還元剤は、フィルタ15のうちの上記浄化
制御中における上流側部分(本排気ガス浄化装置20で
は第1の面S1側部分)に多く残存する傾向がある。こ
のため、上記浄化制御が完了して通常状態に戻る時、排
気ガスがフィルタ15を流通する方向を上記浄化制御中
と同じ方向にして流量を増加させていくと、還元剤の多
く残存しているフィルタ15のうちの上流側部分におい
て発熱量が多く、下流側部分(第2の面S2側部分)に
その熱が伝わるのに加え、上流側部分に残存していた還
元剤が下流側に流されながら発熱するため、フィルタ1
5の下流側部分において過加熱が生じる場合がある。
【0068】一方、上述したように、上記浄化制御を完
了して通常状態に戻るべくフィルタ15を流通する排気
ガス流量を増加させるべき時に、その流量を排気ガスが
フィルタ15を流通する方向を上記浄化制御中とは反転
して増加させると、この場合の流れの上流側部分(第2
の面S2側部分)においては残存した還元剤が少ないた
めに発熱量が少なく、また、この場合の流れの下流側部
分(第1の面S1側部分)に多く残存している還元剤
は、移動するとすぐにフィルタ15から吐き出されてし
まうため、フィルタ15が過加熱される可能性は極めて
低くなる。
【0069】なお、ここで過加熱とは、フィルタ15が
熱劣化してしまう、もしくは溶損してしまうほどに加熱
されることをいう。更に、ステップ106における経路
切替調整弁26の制御においては、経路切替調整弁26
をゆっくり移動して、フィルタ15を流通する排気ガス
の流量が徐々に変化するようにすることが好ましい。こ
れによりフィルタ15に残存していた還元剤が一気に吐
き出されることが防止され、エミッションの悪化を抑制
することができる。特に、本排気ガス浄化装置20で
は、下流側に酸化触媒32が設けられており、残存還元
剤が徐々に吐き出されることにより酸化触媒32におけ
る還元剤の浄化率が向上する。また、スモークの発生も
抑制される。
【0070】なお、ここでフィルタ15を流通する排気
ガスの方向を反転することは、フィルタ15を第1の面
S1から第2の面S2に向かって流れる排気ガスの流量
を正とし、その逆を負とすると、正の流量を負の流量
へ、あるいは負の流量を正の流量に調整することを意味
するので、流量調整の一種であると考えられる。以上の
ように、図8を参照して説明した上記方法によれば、流
量の微調整を伴わない流通方向の反転という比較的単純
な流量調整によってフィルタ15が過加熱されることを
防止することができる。
【0071】次に、別の構成の排気ガス浄化装置30を
用いて実施し得る、残存還元剤の反応によるフィルタ1
5の過加熱を防止するための別の方法について説明す
る。図9から図12の各図は排気ガス浄化装置30を示
し、これらは各々、上述した排気ガス浄化装置20につ
いての図2から図5の各図に対応している。
【0072】排気ガス浄化装置30の基本的な構成及び
各構成要素の作用等は、上述の排気ガス浄化装置20と
ほぼ同様であるのでそれらの詳細な説明は省略するが、
排気ガス浄化装置30には、排気ガス浄化装置20とは
異なり、第2の部分環状通路22bに排気ガス中の還元
剤濃度を推定する還元剤濃度推定手段として、HC濃度
を推定するHCセンサ36が設けられている。このHC
センサ36はECU8に接続されていて、推定結果はE
CU8に与えられる。
【0073】このHCセンサ36を利用することによっ
て排気ガス浄化装置30を用いた場合には、上述した排
気ガス浄化装置20の場合とは異なる以下で説明する方
法により、上述したような浄化制御が完了して通常状態
に戻る時にフィルタ15に残存された還元剤が反応する
ことによってフィルタ15が過加熱するのを防止する。
【0074】すなわち、この方法では、上述のような浄
化制御が完了して通常状態に戻るベくフィルタ15を流
通する排気ガス流量を増加させるべき時には、上記HC
センサ36を利用してフィルタ15に残存している還元
剤量を推定し、その推定残存還元剤量に基づいてフィル
タ15が過加熱されないようにフィルタ15を流通する
排気ガスの流量が調整される。以下、この方法の一例に
ついて図13及び図14を参照しつつ詳細に説明する。
【0075】図13と図14とを組合せて得られる制御
ルーチンは、排気ガス浄化装置30においてフィルタ1
5に対して浄化制御を行う場合の制御ルーチンの一例を
示しており、図8に示された制御ルーチンと同様、通常
の浄化制御にフィルタ15の過加熱を防止しながら通常
状態へ移行するための移行制御が追加されている。図8
に示された制御ルーチンの場合と同様、ここでの浄化制
御にはフィルタ流通排気ガス流量を低下させて還元剤を
添加することを含んでいる各種の浄化制御、もしくは同
時または連続して行える場合にはこれらの組合せ等を含
んでいる。なお、本ルーチンもECU8によって一定時
間毎の割り込みによって実行される。
【0076】この制御ルーチンが実行されると、まず、
ステップ200、202、204及び205において、
図8の制御ルーチンのステップ100、102、104
及び105と同様な浄化制御が実施される。この際、ス
テップ200において浄化制御実施条件が成立していな
いと判定された場合には本制御ルーチンは終了する。ス
テップ205において浄化制御が完了すると、次いでス
テップ206から通常状態に戻るべくフィルタ15を流
通する排気ガスの流量Qpを増加する移行制御がなされ
る。
【0077】まずステップ206において操作カウンタ
nが1だけインクリメントされる。操作カウンタnの初
期値は本制御ルーチンの開始時点では0にされているの
で、各回の本制御ルーチンの実行において最初にステッ
プ206が実行される時にはn=1とされる。次いでス
テップ208に進み、経路切替調整弁26が第1の位置
に調整されると共にこの時のフィルタ15を流通する排
気ガスの流量QpであるQnが推定される。
【0078】このフィルタ流通排気ガス流量Qpの推定
は、ここでは以下のようにして実施される。すなわち、
エンジンから排出される全排気ガス流量は、エンジン負
荷Q/N(吸入空気量Q/エンジン回転数N)が高くな
ればなるほど多くなり、エンジン回転数Nが高くなれば
なるほど多くなる。そこで、全排気ガス流量をエンジン
負荷Q/N及びエンジン回転数Nの関数として予め実験
により求め、これをECU8のROMに記憶させておけ
ば、エンジン負荷Q/N及びエンジン回転数Nで定まる
各エンジン運転状態での全排気ガス流量は求めることが
できる。そして、経路切替調整弁26が第1の位置にあ
る場合には、エンジンから排出される殆ど全ての排気ガ
スがフィルタ15を流通することになるので、エンジン
から排出される全排気ガス流量がそのままフィルタ15
を流通する排気ガスの流量Qpとなる。
【0079】なお、ここでは上記のようなフィルタ流通
排気ガス流量推定手段を用いたが、フィルタ15の流入
端に流量センサを取り付けることによってフィルタ15
を流通する排気ガスの流量Qpを推定する等、他の手段
を用いても良い。
【0080】ステップ208において経路切替調整弁2
6の調整及びその時のフィルタ流通排気ガス流量Qn
推定が行われると、次いでステップ210においてHC
濃度C(すなわち、この時のHC濃度Cn)が推定され
る。HC濃度Cnは、経路切替調整弁26が第1の位置
に位置された状態においてフィルタ15に対して排気ガ
スの流れの下流側に位置することになるHCセンサ36
を用いて推定される。つまり、フィルタ15から流出し
て来る排気ガス中のHC濃度が推定される。
【0081】ステップ210におけるHC濃度Cnの推
定に続いては、ステップ212において、ステップ20
8で得られたフィルタ流通排気ガス流量Qnとステップ
210で得られたHC濃度Cnとからフィルタ15に残
存しているHC量LF(すなわち、この時の残存HC量
LFn)が推定される。この残存HC量LFnの推定に
は、図15に示されたマップが使用される。
【0082】一般に、フィルタ流通排気ガス流量Qp
一定の場合には、フィルタ15に残存しているHC量L
Fが多いほどフィルタ15から流出してくる排気ガス中
のHC濃度Cの値は大きくなる。また、フィルタ15に
残存しているHC量LFが一定の場合には、排気ガス流
量Qpが多いほどフィルタ15から流出してくる排気ガ
ス中のHC濃度Cの値は大きくなる。そしてこのような
関係から実験により図15に示すようなマップを得るこ
とができる。
【0083】図15に示されたマップはフィルタ15を
流通する排気ガスの流量Qpと、フィルタ15から流出
してくる排気ガス中のHC濃度Cと、フィルタ15に残
存しているHC量LFとの関係を示すものであり、予め
ECU8のROMに記憶させておく。図15に示された
マップ中、CI、CII、CIII で示された曲線は、各フ
ィルタ流通排気ガス流量QpにおいてそれぞれHC濃度
CがCI、CII、CIIIとなる場合に表す残存HC量LF
の点を結んだもので、各HC濃度CはCI<CI I<CIII
の関係にある。
【0084】したがって、例えば、排気ガス流量Qp
nであって、HC濃度CがCnである場合には、このマ
ップ上において排気ガス流量Qn、HC濃度Cnに対応す
る点を定め、その点に対応する縦軸の値を求めれば、そ
れがその場合の残存HC量LFnということになる。こ
のようにしてステップ212において残存HC量LFn
を推定すると、次いでステップ214において、推定さ
れた残存HC量LFnがその時のフィルタ流通流量Qn
おいてフィルタ15が過加熱される、すなわち熱劣化も
しくは溶損を引き起こす量であるか否かが判定される。
そしてこの判定には、図16に示されたマップが使用さ
れる。
【0085】図16はフィルタ15を流通する排気ガス
の流量Qpとフィルタ15に残存しているHC量LFと
の関係において、フィルタ15が熱劣化もしくは溶損を
引き起こす危険域Iと、それらを引き起こす危険性の無
い安全域IIとを示したものである。これら二つの領域の
境界は、フィルタ流通排気ガス流量Qpの関数として表
されるLFm(Qp)で表され、この曲線上の値は各フィ
ルタ流通排気ガス流量Qpにおいて熱劣化もしくは溶損
を引き起こす危険性の無い最大の残存HC量を示す。
【0086】図16のようなマップは実験によって得ら
れるが、危険域Iと安全域IIとの境界を示すLF
m(Qp)は一般に図16で示したような下に凸の曲線と
なる。これは、フィルタ流通排気ガス流量Qpが少ない
領域においては残存HCが十分にあっても供給酸素量が
少ないために熱劣化もしくは溶損までには到らず、ま
た、フィルタ流通排気ガス流量Qpが多い領域において
は、発熱はするものの排気ガスの持去り熱も増加するた
め熱劣化もしくは溶損を引き起こす過加熱の状態に達す
るのは困難となるためである。残存HC量LFが曲線L
m(Qp)の極小点での値LFs以下である場合には、
全てのフィルタ流通排気ガス流量Qpにおいてフィルタ
15が熱劣化もしくは溶損する危険性が無いことにな
る。
【0087】ステップ214においては、フィルタ流通
排気ガス流量QpがQnの場合の曲線LFmの値(すなわ
ち、LFm(Qn))とステップ212で推定されたLF
nとが比較され、LFm(Qn)≧LFnである場合には、
ステップ216に進み、LFm(Qn)<LFnの場合に
はステップ220に進む。
【0088】ステップ216に進む場合、すなわちLF
m(Qn)≧LFnである場合というのは、その時の状態
が安全域IIにあることを示しており、続くステップ21
6において更にLFnがLFsと比較される。ステップ2
16での比較において、LF s≧LFnである場合には、
上述したように全てのフィルタ流通排気ガス流量Qp
おいてフィルタ15が熱劣化もしくは溶損する危険性が
無いことになるので、ステップ218に進み操作カウン
タnをリセットして制御が終了する。
【0089】これに対し、ステップ216での比較にお
いて、LFs<LFnである場合には、現在の状態は安全
域IIにあるものの、エンジン運転状態の変化等によりフ
ィルタ流通排気ガス流量Qpが変化した場合には危険域
Iに入ることが考えられるので、ステップ206に戻り
操作カウンタnを更に1だけインクリメントして再度ス
テップ208からの制御が繰り返される。この時、ステ
ップ208においては経路切替調整弁26は既に第1の
位置に位置しているのでその位置が維持され、エンジン
運転状態に応じた新たなフィルタ流通排気ガス流量Qp
であるQnが推定される。
【0090】一方、ステップ220に進む場合、すなわ
ちステップ214でLFm(Qn)<LFnである場合と
いうのは、その時の状態が危険域Iにあることを示して
いるので、ステップ220においてはフィルタ15の熱
劣化もしくは溶損が起こらないようにフィルタ流通排気
ガス流量Qpの調整がなされる。すなわち、ステップ2
20においては、経路切替調整弁26の位置が第3の位
置側へ調整されLFm=LFnとなるようにフィルタ流通
排気ガス流量QpがQnからQn+1に減少される(LF
m(Qn+1)=LFn)。この時目標とするフィルタ流通
排気ガス流量Qn+1は図16のマップから求められる。
【0091】ここで、図16のマップからはLFm(Q
n+1)=LFnとなるフィルタ流通排気ガス流量Qpの値
が二つ求められるが、その値へ調整可能であるフィルタ
流通排気ガス流量Qpはそのうちの小さい方であるの
で、ここではその値をQn+1とする。この流量調整によ
り図16上においてその時の状態を示す点は危険域Iか
ら曲線LFm(Qp)の右下がりの部分上に移動すること
になる。これによって、その時の残存HC量LFnに対
応して安全域II内にある状態を維持し且つできるだけ多
くの排気ガスがフィルタ15を流通するようにされる
が、これは、フィルタ15を流通することによって排気
ガスが浄化されるため、フィルタ15を流通する排気ガ
ス流量をできるだけ多くすることが望ましいためであ
る。
【0092】なお、この時フィルタ流通排気ガス流量Q
pをLFm=LFnとなるような目標排気ガス流量Qn+1
するように経路切替調整弁26の位置を調整する必要が
あるが、これは以下のように実施することができる。す
なわち、エンジンから排出される全排気ガス流量につい
ては、上述したようにこれをエンジン負荷Q/N及びエ
ンジン回転数Nの関数として予め求めておくことによ
り、所定のエンジン運転状態について求めることができ
る。更に各エンジン運転状態における全排気ガス流量の
場合において経路切替調整弁26が各位置の時にフィル
タ15を流通する排気ガス流量Qpについては実験また
は計算により求めることができる。
【0093】したがって、これらエンジン負荷Q/N及
びエンジン回転数Nの関数としての全排気ガス流量と、
全排気ガス流量及び経路切替調整弁位置の関数としての
フィルタ流通排気ガス流量Qpとが求められるので、こ
れらの関係をECU8のROMに記憶させておくことに
よって、各運転状態に応じて、フィルタ流通排気ガス流
量Qpを所望の流量とする経路切替調整弁26の位置を
決定することができ、その位置へ経路切替調整弁26を
駆動部28を制御することによって調整することができ
る。あるいは、他の方法として、フィルタ15の流入端
に流量センサを取り付けることによってフィルタ15を
流通する排気ガスの流量Qpを推定する場合には、その
推定値を用いたフィードバック制御により所望のフィル
タ流通排気ガス流量Qpとなるように経路切替調整弁2
6の位置を調整するようにしてもよい。
【0094】続くステップ222では、フィルタ流通排
気ガス流量Qn+1においてその時点でのHC濃度Cn+1
推定され、続いてステップ224において、これらフィ
ルタ流通排気ガス流量Qn+1とHC濃度Cn+1とから図1
5のマップに基づいてその時点での残存HC量LFn+1
が推定される。
【0095】次いでステップ226においては、ステッ
プ214と同様にして、フィルタ流通排気ガス流量Qp
がQn+1の場合の曲線LFmの値(すなわち、LFm(Q
n+1))とステップ224で推定されたLFn+1とが比較
され、LFm(Qn+1)≧LFn +1である場合には、ステ
ップ230に進み、LFm(Qn+1)<LFn+1の場合に
はステップ228に進む。
【0096】ここで、ステップ228に進む場合、すな
わちステップ226でLFm(Qn+1)<LFn+1である
場合というのは、その時の状態が危険域Iにあることを
示しているので、この場合にはステップ228で操作カ
ウンタnを更に1だけインクリメントして再度ステップ
220(経路切替調整弁26によるフィルタ流通排気ガ
ス流量Qpの制御)から制御が繰り返される。この制御
ルーチンによる方法においては、ここでのステップ22
0におけるフィルタ流通排気ガス流量Qpの制御におい
ても、図16のマップから求められるLFm(Qn+1)=
LFnとなるフィルタ流通排気ガス流量Qpの二つの値の
うちの小さい方を目標排気ガス流量Qn +1とする。
【0097】なお、実際にステップ228に進む場合と
いうのは、何らかの原因でステップ212において推定
した残存HC量LFnよりもステップ224において推
定した残存HC量LFn+1の方が多くなった場合であ
り、これは通常では起こり得ないことである。一方、ス
テップ230に進む場合、すなわちLFm(Qn+1)≧L
n+1である場合というのは、その時の状態が安全域II
にあることを示しており、続くステップ230において
ステップ216と同様にして、LFn+1がLFsと比較さ
れる。
【0098】ステップ230での比較において、LFs
<LFn+1である場合には、その時の状態が、フィルタ
流通排気ガス流量Qpが調整されていることによって図
16のマップ上において曲線LFmの右下がりの部分上
またはその下側であってLFsより上方の部分の安全域I
Iにあるということである。この場合、その時の推定残
存HC量LFn+1に対して安全域II内にあることを維持
しながらフィルタ流通排気ガス流量Qpを増加すること
ができる場合があり、且つ上述したようにフィルタ流通
排気ガス流量Qpはできるだけ多くすることが望ましい
ので、ステップ234で操作カウンタnを1だけインク
リメントした後にステップ236においてフィルタ流通
排気ガス流量Qpが調整される。
【0099】すなわち、ステップ236においては、経
路切替調整弁26の位置が第1の位置側へ調整されLF
m=LFnとなるようにフィルタ流通排気ガス流量Qp
nからQn+1に増加される(LFm(Qn+1)=L
n)。この場合にも目標とする排気ガス流量は図16
のマップから二つ求められるが、この制御ルーチンによ
る方法においては二つの値のうち小さい方を目標排気ガ
ス流量Qn+1とする。この流量調整により図16上にお
いてその時の状態を示す点は曲線LFm(Qp)の右下が
りの部分上に移動することになる。このような流量調整
を行った後、ステップ222からの制御が繰り返され
る。
【0100】これに対し、ステップ230での比較にお
いて、LFs≧LFn+1である場合には、上述したように
全てのフィルタ流通排気ガス流量Qpにおいてフィルタ
15が熱劣化もしくは溶損する危険性が無いことになる
ので、ステップ232に進み経路切替調整弁26が第1
の位置、すなわち通常状態における位置となるように制
御される。次いでステップ218に進み操作カウンタn
をリセットして制御が終了する。
【0101】なお、上述の方法の説明では、ステップ2
28後のステップ220及びステップ236において行
われるフィルタ流通排気ガス流量Qpの調整において、
その目標排気ガス流量を図16のマップ上でLFm=L
nとなるフィルタ流通排気ガス流量Qpの二つの値のう
ちの小さい方とし、その値にフィルタ流通排気ガス流量
pを制御することによって図16のマップ上において
状態を表す点を曲線LFmの右下がりの部分に移動させ
るようにした。
【0102】しかしながら、この部分の制御については
エンジン運転状態によって全排気ガス流量が十分に多い
場合には、図16のマップ上において状態を表す点を曲
線LFmの右上がりの部分またはその下側の領域の安全
域IIまで移動させるようにしても良い。この場合、経路
切替調整弁26の調整の前にその時のエンジン運転状態
における全排気ガス流量が上述した図16のマップ上で
LFm=LFnとなるフィルタ流通排気ガス流量Qpの二
つの値のうちの大きい方の値以上であることを確認する
必要がある。
【0103】このような制御を行うために、図13及び
図14に示された制御ルーチンにおいて以下のような内
容の制御ステップS1をステップ228及びステップ2
34の後にそれぞれ追加してもよい。すなわち、制御ス
テップS1では、まず図16のマップ上でLFm=LFn
となるフィルタ流通排気ガス流量Qpの二つの値を求め
る。次いで、その大きい方の値とその時のエンジン運転
状態における全排気ガス流量とを比較する。ここで全排
気ガス流量がLFm=LFnとなるフィルタ流通排気ガス
流量Qpの大きい方の値以上である場合には、ステップ
208に進むようにし、そこで経路切替調整弁26が第
1の位置に調整され、図16のマップ上において状態を
表す点が曲線LFmの右上がりの部分またはその下側の
領域の安全域IIまで移動させられるようにする。
【0104】一方、全排気ガス流量がLFm=LFnとな
るフィルタ流通排気ガス流量Qpの大きい方の値未満で
ある場合には、ステップ220(ステップ228の後の
ステップS1である場合)またはステップ236(ステ
ップ234の後のステップS1である場合)に進むよう
にする。各ステップ220、236では、これらのステ
ップ220、236に関する上述の説明のように、LF
m=LFnとなるフィルタ流通排気ガス流量Qpの小さい
方の値を目標排気ガス流量として経路切替調整弁26が
調整され、図16上において状態を表す点が曲線LFm
の右下がりの部分へ移動させられることになる。
【0105】このような制御を実施することにより、エ
ンジン運転状態によって全排気ガス流量が十分に多い場
合を捉えてフィルタ15により多くの排気ガスを流通さ
せることが可能となる。次に、フィルタ15の推定残存
還元剤量に基づいてフィルタ15を流通する排気ガスの
流量を調整することによってフィルタ15の過加熱を防
止する別の方法について説明する。
【0106】この方法は排気ガス浄化装置30の構成で
実施可能である。以下、この方法について図13及び図
17を参照しつつ詳細に説明する。図13及び図17を
組合せて得られる制御ルーチンは、排気ガス浄化装置3
0においてフィルタ15に対して浄化制御を行う場合の
別の制御ルーチンを構成し、これまでに説明された他の
制御ルーチンと同様、通常の浄化制御にフィルタ15の
過加熱を防止しながら通常状態へ移行するための移行制
御が追加されている。また、ここでの浄化制御にはフィ
ルタ流通排気ガス流量を低下させて還元剤を添加するこ
とを含んでいる各種の浄化制御、もしくは同時または連
続して行える場合にはこれらの組合せ等を含んでいるこ
と、及びこの制御ルーチンがECU8によって一定時間
毎の割り込みによって実行されること等はこれまでに説
明された他の制御ルーチンの場合と同様である。
【0107】図13及び図17を組合せて得られる制御
ルーチンに示されたこの方法は、先の図13及び図14
を組合せて得られる制御ルーチンを参照して説明された
方法をより単純化にしたものであり、図13に示された
制御ルーチンの部分については共通するのでその説明は
省略する。そしてこれら二つの方法の相異する部分は図
14と図17に示された制御ルーチンの部分であるの
で、ここでは図17に示された制御ルーチンの部分につ
いて説明する。すなわち、この方法では、図13に示さ
れた制御ルーチンのステップ214においてLF
m(Qn)<LFnであると判定されるとステップ300
に進み、経路切替調整弁26が第4の位置、すなわち浄
化制御中にフィルタ流通排気ガス流量Qpを減少させる
ために経路切替調整弁26が位置せしめられる位置に制
御される。
【0108】上述したようにステップ214でLF
m(Qn)<LFnである場合というのは、その時の状態
が危険域Iにあることを示しているので、フィルタ15
の熱劣化もしくは溶損が起こらないようにフィルタ流通
排気ガス流量Qpの何らかの調整が必要となるのである
が、この方法では一度経路切替調整弁26を第1の位置
に制御し(ステップ208)、その状態で危険域Iにあ
ると判断されると、経路切替調整弁26を残存HC量L
nの値に応じて微調整することなく、第4の位置に戻
す制御(ステップ300)を行う。こうすることによっ
て、フィルタ流通排気ガス流量Qpは相当に少なくなる
ので図16のマップ上において状態を表す点は、危険域
Iから安全域IIへ移動することになり、フィルタ15の
熱劣化もしくは溶損が防止される。
【0109】次いでステップ302において予め定めら
れた待ち時間が経過したか否かが判定される。この予め
定められた待ち時間は、例えば、ステップ208におい
て一度経路切替調整弁26を第1の位置に制御したこと
によって上昇したフィルタ15の温度が、その後予め定
められた所定の温度T1以下にまで低下した時に経過し
たものとすることができる。ここでフィルタ15の温度
は、温度センサをフィルタ15の下流側に設けて排気ガ
ス温度から推定するようにしてもよく、あるいは、温度
センサをフィルタ15に直接設けて推定するようにして
もよい。
【0110】ステップ302において予め定められた待
ち時間が経過していないと判定された場合にはステップ
300に戻り、経路切替調整弁26の位置が第4の位置
に維持される。一方、ステップ302において予め定め
られた待ち時間が経過したと判定された場合には、図1
3に示された制御ルーチンのステップ206に戻って操
作カウンタnが1だけインクリメントされた後、ステッ
プ208において経路切替調整弁26の位置が第1の位
置に再度調整され、その後の制御が続けられる。このこ
とから明らかなように、この後のステップ214におい
て再度LFm(Qn)<LFnであると判定された場合に
は、再びステップ300に進み、再度経路切替調整弁2
6の位置が第4の位置に戻されるという制御が繰り返さ
れる。
【0111】図18は、図13及び図17を組合せて得
られる制御ルーチンで示される方法を実行した場合のフ
ィルタ温度Tp、フィルタ下流側排気ガス温度Tg及び
排気ガス中HC濃度Cの経時変化の一例であって、ステ
ップ202以降に対応する部分を示している。より詳細
には、図18に示されている例は、図13及び図17を
組合せて得られる制御ルーチンにおいて、制御が以下で
説明するように実行された場合の上記の各温度Tp、T
g及びHC濃度Cの経時変化である。
【0112】すなわち、図13及び図17を組合せて得
られる制御ルーチンにおいては、経路切替調整弁26は
浄化制御の完了後、一度第1の位置に制御される(ステ
ップ208)のであるが、図18に示された例は、ここ
で推定される排気ガス中HC濃度Cが相当に高いため残
存HC量が多く、そのフィルタ流通排気ガス流量Qp
の関係においてその時の状態が危険域Iにあると判断さ
れた(ステップ214)場合である。この場合、経路切
替調整弁26が第4の位置に戻される(ステップ30
0)。そしてこの例ではその後、フィルタ15の温度が
所定の温度T1以下まで低下したことにより予め定めら
れた待ち時間が経過したとされて(ステップ302)再
び経路切替調整弁26が第1の位置に制御されている
(ステップ208)。そして、ここで推定された排気ガ
ス中HC濃度Cが今度はそれ程高くないことから残存H
C量は少なくそのフィルタ流通排気ガス流量Qpとの関
係において安全域IIにあると判断されて(ステップ21
4)、経路切替調整弁26が第1の位置に維持され、そ
の後通常状態へ移行していっている。
【0113】以上のように、図13及び図17を参照し
て説明した上記方法によれば、図13及び図14を参照
して説明した排気ガス流量の微調整を伴う方法に比べ、
残存された還元剤の反応によるフィルタ15の過加熱を
防止するために行う経路切替調整弁26の制御を単純化
することができる。なお、排気ガス浄化装置30を用い
た場合の上記各方法の説明においては、HCセンサ36
が第2の部分環状通路22bに設けられている関係か
ら、経路切替調整弁26の位置は第1の位置と第3の位
置(より詳細には第4の位置)との間で制御されてフィ
ルタ流通排気ガス流量Qpが調整されたが、HCセンサ
36が第1の部分環状通路22aに設けられていれば、
経路切替調整弁26の位置は第2の位置と第3の位置
(より詳細には第4の位置と対称となる第2の位置側の
位置)との間で制御されてフィルタ流通排気ガス流量Q
pが調整されてもよい。
【0114】この場合、還元剤の添加を伴う浄化制御中
にフィルタ15を流通する排気ガスの方向と、浄化制御
が完了した後で通常状態に戻るべく行われる上記移行制
御中にフィルタ15を流通する排気ガスの方向とが逆に
なる。このため、この場合についての図15及び図16
に示される各マップに相当するマップとしては、上述し
たフィルタ流通排気ガスの方向が上記両制御中で同じ場
合とは異なるものを用意する必要がある。
【0115】これは、フィルタ15に残存するHC量
は、フィルタ15のうちの浄化制御中(還元剤添加時)
の流れの上流側部分、すなわち、図9から図12に示さ
れた排気ガス浄化装置30においてはS1側部分に多い
ため、浄化制御が完了した後で通常状態に戻る時に浄化
制御中と逆方向に排気ガスを流した場合には同じ方向に
排気ガスを流した場合に比べ、推定されるHC濃度は上
昇するけれども熱劣化もしくは溶損の危険性は減少する
からである。
【0116】なお、本明細書において排気ガス浄化装置
30を用い、図13及び図14を組合せて得られる制御
ルーチン、並びに図13及び図17を組合せて得られる
制御ルーチンをそれぞれ参照して説明した各方法につい
ては、上述の各方法の説明からも明らかなように、一部
の方法を除き、排気ガス浄化装置30のようなフィルタ
15を流通する排気ガスの方向を反転可能な構成でなく
ともフィルタ15を流通する排気ガスの流量を調整可能
であれば実施可能である。したがって、本発明は上記説
明で示された構成に限定されるものではなく、例えば、
図19及び図20に示した構成の排気ガス浄化装置4
0、50等も含まれ得る。
【0117】図19に示した排気ガス浄化装置40の構
成は、NOx吸収剤12を担持したフィルタ14(すな
わちフィルタ15)を備えた基幹通路41と、フィルタ
15の上流側において基幹通路41から分岐しフィルタ
15の下流側で基幹通路41に合流するバイパス通路4
2とを備えている。基幹通路41のフィルタ15の上流
側には還元剤を基幹通路41内に添加するための還元剤
添加ノズル34が設けられている一方、基幹通路41の
フィルタ15の下流側には排気ガス中の還元剤濃度を推
定する還元剤濃度推定手段として、HC濃度を推定する
HCセンサ36が設けられている。
【0118】そして、基幹通路41とバイパス通路42
とのフィルタ15の下流側の合流部分には、駆動部28
によって駆動される排気ガス流量調整弁43が設けら
れ、必要に応じて基幹通路41とバイパス通路42のそ
れぞれを流れる排気ガスの流量を調整することができ
る。排気ガス流量調整弁43は通常状態においては、図
19に実線で示された位置にあり、ほぼ全ての排気ガス
がフィルタ15を通過するようにされている。
【0119】一方、図20に示した排気ガス浄化装置5
0の構成は、上流側の基幹通路44と、分岐した後に合
流する二つの分岐通路45、45´と、下流側の基幹通
路46とを備えている。第1及び第2の分岐通路45、
45´には、それぞれ、NOx吸収剤12、12´が担
持されたフィルタ、すなわち第1及び第2のフィルタ1
4、14´(第1及び第2のフィルタ15、15´)が
配置されている。
【0120】また、各分岐通路45、45´の各フィル
タ15、15´の上流側には還元剤を各分岐通路45、
45´内に添加するための還元剤添加ノズル34、34
´が設けられている一方、各分岐通路45、45´の各
フィルタ15、15´の下流側には排気ガス中の還元剤
濃度を推定する還元剤濃度推定手段として、HC濃度を
推定するHCセンサ36、36´が設けられている。
【0121】そして、各フィルタ15、15´の下流側
の二つの分岐通路45、45´の合流部分には、駆動部
28によって駆動される排気ガス流量調整弁43が設け
られ、必要に応じて両分岐通路45、45´を流れる排
気ガスの流量割合を制御することができる。排気ガス流
量調整弁43は通常状態においては図20に図示された
ような中間位置にあり、第1の分岐通路45を流れる排
気ガスの流量と第2の分岐通路45´を流れる排気ガス
の流量とがほぼ同じになるようにされている。
【0122】排気ガス浄化装置30を用い、図13及び
図14を組合せて得られる制御ルーチン、並びに図13
及び図17を組合せて得られる制御ルーチンをそれぞれ
参照して説明した各方法をこれらの排気ガス浄化装置4
0、50を用いて実施する方法については、上述の各方
法の説明並びに各排気ガス浄化装置30、40、50の
各構成要素の対応関係等から概ね明らかであると思われ
るのでその説明は省略する。なお、排気ガス浄化装置5
0については浄化制御が必要となるフィルタ15、15
´が二つあるが、上述の各方法を実施する際にはフィル
タ15、15´を流通する排気ガスの流量を必要に応じ
て調整することが求められることから、排気ガス浄化装
置50について上述の各方法を実施する場合には片方の
フィルタ15または15´毎に実施する必要がある。
【0123】なお、上述の各排気ガス浄化装置30、4
0、50の構成においては、排気ガス中の還元剤濃度を
推定する還元剤濃度推定手段として、HC濃度を推定す
るHCセンサ36、36´が使用されているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えばCOセンサ等
の他の還元剤センサを用いてもよい。あるいは、上述の
各排気ガス浄化装置30、40、50の構成においてH
Cセンサ36、36´(還元剤センサ)を備えず、フィ
ルタ15、15´に残存するHC量(還元剤量)を上記
浄化制御の継続時間または上記浄化制御中に添加された
還元剤量等に基づいて推定し、得られた推定残存HC量
(推定残存還元剤量)に基づいて上記浄化制御完了後の
通常状態への移行制御中におけるフィルタ流通排気ガス
流量を制御するようにしてもよい。
【0124】更に、フィルタ15、15´に直接温度セ
ンサを設ける、もしくはHCセンサ36、36´(還元
剤濃度推定手段)の代わりに温度センサを設けて排気ガ
ス温度からフィルタ15、15´の温度を推定する等、
何らかの温度推定手段によってフィルタ15、15´の
温度を推定し、この推定温度を用いたフィードバック制
御によりフィルタ15、15´の温度が過加熱を生じる
温度を超えないようにフィルタ流通排気ガス流量を各流
量制御手段26、43によって調整するようにしてもよ
い。
【0125】なお、上述の各排気ガス浄化装置20、3
0、40、50の構成においては、還元剤添加手段とし
て、フィルタ15、15´の上流側において排気ガス通
路内に還元剤を添加する還元剤添加ノズル34、34´
を用いているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、還元剤の添加の結果としてフィルタ15、15´に
還元剤が残存する可能性のある手段であれば、他の手段
によって還元剤が添加される場合も含まれる。
【0126】また、上述の説明においては、フィルタ流
通排気ガス流量の制御について、主にフィルタ15、1
5´の過加熱を防止する点に着目して説明したが、図8
に示された制御ルーチンによる方法の説明で述べたよう
に、フィルタ流通排気ガス流量の制御によってフィルタ
15、15´に残存した還元剤が一気に下流側に排出さ
れることを防止し、エミッションの悪化を抑制すること
もできる。これは上述の各排気ガス浄化装置20、3
0、40、50の構成において可能であるが、特に、排
気ガス浄化装置30の構成を例にとれば、上述したよう
な浄化制御が完了して通常状態に戻るべくフィルタ15
を流通する排気ガス流量を増加させるべき時には、上記
HCセンサ36により検出されるHC濃度が予め定めた
値以下となるように経路切替調整弁26によってフィル
タ流通排気ガス流量を制御するようにすればよい。これ
により、残存還元剤が徐々に吐き出されることになり、
下流側に設置された酸化触媒32における還元剤の浄化
率が向上する。
【0127】更に、上述の説明においては、排気ガス浄
化手段としてフィルタ15、15´を例にとり、そのフ
ィルタ15、15´を流通する排気ガス流量を低下させ
てその上流側において還元剤を添加する制御の例とし
て、フィルタ15、15´に対する浄化制御を挙げて説
明しているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を低下さ
せてその排気ガス浄化手段の上流側において還元剤を添
加する制御であれば、他の排気ガス浄化手段に対する他
の制御についても適用され得る。
【0128】なお、上述の各排気ガス浄化装置20、3
0、40、50の構成においては、NOx吸収剤12を
フィルタ14内の排気ガス通路壁面に担持させている
が、NOx吸収剤12とフィルタ14とは別個に独立さ
せてもよい。
【0129】
【発明の効果】1番目の発明によれば、排気ガス浄化手
段を流通する排気ガス流量を低下させて上記排気ガス浄
化手段の上流側において還元剤を添加する予め定められ
た制御が実施される場合において、その予め定められた
制御が完了して通常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手
段を流通する排気ガス流量を増加させる時に生ずる恐れ
のある残存還元剤の反応による排気ガス浄化手段の過加
熱が防止される。
【0130】2番目の発明によれば、流通方向の反転と
いう比較的単純な流量調整によって上記排気ガス浄化手
段の過加熱が防止される。3番目の発明によれば、上記
排気ガス浄化手段に残存していた還元剤が一度に吐き出
されることが防止される。4番目の発明によれば、残存
された還元剤の反応による上記排気ガス浄化手段の過加
熱が確実に防止されると共に、過加熱を防止しながらで
きるだけ多くの排気ガスが上記排気ガス浄化手段を流通
するようにすることができる。
【0131】5番目及び6番目の発明によれば、上記排
気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量とその流量で
の上記排気ガス浄化手段の下流側における排気ガス中の
還元剤濃度またはHC濃度とに基づいて、上記排気ガス
浄化手段に残存している還元剤またはHCの量を推定す
ることができる。7番目の発明によれば、残存された還
元剤の反応による上記排気ガス浄化手段の過加熱を防止
するために行う上記排気ガス流量調整手段の制御を単純
化することができる。
【0132】8番目の発明によれば、7番目の発明と同
様の効果に加え、上記の予め定められた待ち時間を適切
に設定することで、効率的且つ確実に上記排気ガス浄化
手段の過加熱を防止しながら通常状態に移行することが
可能となる。9番目の発明によれば、上記の予め定めら
れた温度を適切に設定することで上記排気ガス浄化手段
の過加熱をより確実に防止しながら通常状態に移行する
ことが可能となる。
【0133】10番目の発明によれば、必要な上記排気
ガス流量調整手段の制御をより単純化することができ
る。11番目の発明によれば、上記排気ガス浄化手段の
各種の浄化制御(NOxの放出還元、硫黄被毒再生、捕
集排気微粒子の燃焼等)の完了後に通常状態に戻る際に
発生する残存された還元剤の反応による上記排気ガス浄
化手段の過加熱が防止される。
【0134】12番目の発明によれば、排気ガス中のN
Oxを吸蔵し且つ還元浄化することができると共に、N
Ox吸蔵剤についての上記のような過加熱が防止され
る。13番目の発明によれば、排気ガス中の排気微粒子
を除去することができると共に、排気ガス中の排気微粒
子を除去する手段についての上記のような過加熱が防止
される。また、14番目、15番目、16番目の各発明
によって、それぞれ1番目、2番目、4番目の各発明と
ほぼ同様の効果が得られる。
【0135】17番目の発明によれば、排気ガス浄化手
段を流通する排気ガス流量を低下させて上記排気ガス浄
化手段の上流側において還元剤を添加する予め定められ
た制御が実施される場合において、その予め定められた
制御が完了して通常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手
段を流通する排気ガス流量を増加させる時に生ずる恐れ
のある残存還元剤の排出によるエミッションの悪化を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の排気ガス浄化装置をディーゼ
ルエンジンに適用した場合を示す図である。
【図2】図2は、本発明の排気ガス浄化装置の外観を模
式的に示した説明図であり、図2(a)及び図2(b)
がそれぞれ上面図及び側面図を示している。
【図3】図3は、図2に示された排気ガス浄化装置の断
面を示した説明図であって、図3(a)及び図3(b)
がそれぞれ上方及び側方から見た場合の断面図を示して
おり、経路切替調整弁が第1の位置に位置された場合の
排気ガスの流れを示している。
【図4】図4は、図2及び図3に示された排気ガス浄化
装置に関し、経路切替調整弁が第2の位置に位置された
場合の排気ガスの流れを示している図3(a)と同様の
図である。
【図5】図5は、図2から図4に示された排気ガス浄化
装置に関し、経路切替調整弁が第3の位置に位置された
場合の排気ガスの流れを示している図3(a)及び図4
と同様の図である。
【図6】図6は、NOx吸収剤が担持されたフィルタ
(NOx吸収剤担持フィルタ)の拡大断面図である。
【図7】図7は、NOxの吸収放出及び還元浄化作用を
説明するための図である。
【図8】図8は、図2から図5に示された排気ガス浄化
装置においてフィルタに対して浄化制御を行う場合の制
御ルーチンを示しており、通常の浄化制御に、フィルタ
の過加熱を防止しながら通常状態へ移行するための移行
制御が追加されている。
【図9】図9は、本発明の別の排気ガス浄化装置の外観
を模式的に示した説明図であり、図9(a)及び図9
(b)がそれぞれ上面図及び側面図を示している。
【図10】図10は、図9に示された排気ガス浄化装置
の断面を示した説明図であって、図10(a)及び図1
0(b)がそれぞれ上方及び側方から見た場合の断面図
を示しており、経路切替調整弁が第1の位置に位置され
た場合の排気ガスの流れを示している。
【図11】図11は、図9及び図10に示された排気ガ
ス浄化装置に関し、経路切替調整弁が第2の位置に位置
された場合の排気ガスの流れを示している図10(a)
と同様の図である。
【図12】図12は、図9から図11に示された排気ガ
ス浄化装置に関し、経路切替調整弁が第3の位置に位置
された場合の排気ガスの流れを示している図10(a)
及び図11と同様の図である。
【図13】図13は、図9から図12に示された排気ガ
ス浄化装置においてフィルタに対して浄化制御を行う場
合の制御ルーチンの一部分を示し、この部分は図14ま
たは図17に示された制御ルーチンの部分と組合されて
各制御ルーチンの全体を構成する。
【図14】図14は、図9から図12に示された排気ガ
ス浄化装置においてフィルタに対して浄化制御を行う場
合の制御ルーチンの一部分を示し、この部分は図13に
示された制御ルーチンの部分と組合されて1つの制御ル
ーチンを構成する。
【図15】図15は、フィルタ流通排気ガス流量と、フ
ィルタから流出してくる排気ガス中のHC濃度と、フィ
ルタに残存しているHC量との関係を示すマップであ
る。
【図16】図16は、フィルタ流通排気ガス流量とフィ
ルタに残存しているHC量との関係において、フィルタ
が熱劣化もしくは溶損を引き起こす危険域Iと、それら
を引き起こす危険性の無い安全域IIとを示すマップであ
る。
【図17】図17は、図9から図12に示された排気ガ
ス浄化装置においてフィルタに対して浄化制御を行う場
合の制御ルーチンの一部分を示し、この部分は図13に
示された制御ルーチンの部分と組合されて、図13と図
14の制御ルーチンの部分が組合されて構成される制御
ルーチンとは別の制御ルーチンを構成する。
【図18】図18は、図13と図17を組合せて得られ
る制御ルーチンで示される方法を実行した場合のフィル
タ温度、フィルタ下流側排気ガス温度及び排気ガス中H
C濃度の経時変化の一例であって、ステップ202以降
に対応する部分を示している。
【図19】図19は、本発明の別の排気ガス浄化装置を
示した説明図である。
【図20】図20は、本発明の更に別の排気ガス浄化装
置を示した説明図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50…排気ガス浄化装置 2…機関(エンジン)本体 4…吸気通路 6…排気ガス通路 8…電子制御ユニット(ECU) 12、12´…NOx吸収剤 14、14´…フィルタ(パティキュレートフィルタ) 15、15´…NOx吸収剤担持フィルタ 18…基幹通路 22…環状通路 24…経路変更部 26…経路切替調整弁 28…駆動部 32…酸化触媒 34、34´…還元剤噴射ノズル 36、36´…HCセンサ 43…排気ガス流量調整弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/02 301 F01N 3/02 321B 321D 321 3/08 A B G 3/08 3/28 301C 3/36 B B01D 53/36 103B 3/28 301 53/34 129E 3/36 Fターム(参考) 3G090 AA02 AA03 BA01 CB23 CB24 CB26 DA09 DA10 DA13 DA18 DA20 EA02 3G091 AA02 AA18 AA28 AB02 AB06 AB13 BA00 BA04 BA05 BA08 BA10 BA11 BA14 BA15 BA19 BA38 CA12 CA13 CA18 CB02 CB03 CB08 DA01 DA02 DB10 DC01 EA01 EA02 EA05 EA17 EA33 EA38 GA06 GA20 GA23 GB01X GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB10X GB17X HA10 HA14 HA15 HA37 HA39 HA42 HB03 4D002 AA02 AA12 AC10 BA03 BA04 BA06 DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 DA21 DA25 DA54 DA55 DA56 DA70 4D048 AA06 AA14 AB01 AB02 AC02 BA14Y BA15Y BA30Y BB02 BC01 CC24 CC25 CC26 CC33 CD05 EA04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガス通路に配置された排気ガス浄化
    手段と、 該排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を調整で
    きる排気ガス流量調整手段と、 上記排気ガス浄化手段の上流側において還元剤を添加す
    る還元剤添加手段とを備え、 必要に応じて、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
    ス流量を低下させて上記排気ガス浄化手段の上流側にお
    いて還元剤を添加する予め定められた制御が実施される
    排気ガス浄化装置であって、 上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻るべく
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加さ
    せるべき時には、上記排気ガス浄化手段に残存している
    還元剤の反応によって上記排気ガス浄化手段が過加熱さ
    れないように上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス
    の流量が調整される、排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 更に、上記排気ガス流量調整手段が上記
    排気ガス浄化手段における排気ガスの流通方向を反転で
    き、 上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻るべく
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加さ
    せるべき時には、排気ガスが上記排気ガス浄化手段を流
    通する方向を上記予め定められた制御中とは反転して上
    記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量が調整さ
    れる、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
    スの流量が調整される場合において、上記排気ガス浄化
    手段を流通する排気ガス流量が徐々に変化せしめられ
    る、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 更に、上記排気ガス浄化手段に残存して
    いる還元剤の量を推定する残存還元剤量推定手段を有し
    ていて、 上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻るべく
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加さ
    せるべき時には、上記残存還元剤量推定手段によって推
    定された残存還元剤量に基づいて上記排気ガス浄化手段
    を流通する排気ガスの流量が調整される、請求項1から
    3の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 上記残存還元剤量推定手段が、上記排気
    ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を推定する流量
    推定手段と、上記排気ガス浄化手段の下流側における排
    気ガス中の還元剤濃度を推定する還元剤濃度推定手段と
    を含む、請求項4に記載の排気ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】 上記還元剤濃度推定手段は、HC濃度を
    推定するHCセンサを含む、請求項5に記載の排気ガス
    浄化装置。
  7. 【請求項7】 上記予め定められた制御が完了して通常
    状態に戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
    ス流量を増加させるべき時には、上記排気ガス流量調整
    手段を制御して上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
    スの流量を増加させることにより上記残存還元剤量が上
    記残存還元剤量推定手段によって推定され、推定された
    上記残存還元剤量が予め定められた残存還元剤量を超え
    ている場合には、上記排気ガス流量調整手段が上記予め
    定められた制御中の状態に戻されて、もしくは上記予め
    定められた制御中の状態とは上記排気ガス浄化手段にお
    ける排気ガスの流通方向のみ異なるようにされた状態に
    されて上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量
    が調整される、請求項4から6の何れか一項に記載の排
    気ガス浄化装置。
  8. 【請求項8】 上記排気ガス流量調整手段を制御して上
    記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を増加さ
    せることにより上記残存還元剤量が上記残存還元剤量推
    定手段によって推定され、推定された上記残存還元剤量
    が予め定められた残存還元剤量を超えている場合には、
    上記排気ガス流量調整手段が上記予め定められた制御中
    の状態に戻されて、もしくは上記予め定められた制御中
    の状態とは上記排気ガス浄化手段における排気ガスの流
    通方向のみ異なるようにされた状態にされて上記排気ガ
    ス浄化手段を流通する排気ガスの流量が調整される上記
    制御が、予め定められた待ち時間をおいて繰り返され
    る、請求項7に記載の排気ガス浄化装置。
  9. 【請求項9】 上記排気ガス浄化手段の温度が予め定め
    られた温度以下に低下した時に上記の予め定められた待
    ち時間が経過したとする、請求項8に記載の排気ガス浄
    化装置。
  10. 【請求項10】 上記排気ガス流量調整手段を制御して
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を増加
    させることにより上記残存還元剤量を上記残存還元剤量
    推定手段によって推定する場合において、上記排気ガス
    流量調整手段を通常状態における状態へと制御して上記
    排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を増加させ
    ることにより上記残存還元剤量が推定される、請求項7
    から9の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  11. 【請求項11】 上記予め定められた制御が上記排気ガ
    ス浄化手段を浄化するための制御である請求項1から1
    0の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  12. 【請求項12】 上記排気ガス浄化手段は、流入する排
    気ガスの空燃比がリーンの時にNOxを吸蔵し流入する
    排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在して
    いれば吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵剤を含
    む、請求項1から11の何れか一項に記載の排気ガス浄
    化装置。
  13. 【請求項13】 上記排気ガス浄化手段は、排気ガス中
    の排気微粒子を除去する手段を含む、請求項1から12
    の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  14. 【請求項14】 排気ガス浄化手段を排気ガス通路に配
    置して行う排気ガス浄化方法であって、 必要に応じて、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
    ス流量を低下させて上記排気ガス浄化手段の上流側にお
    いて還元剤を添加する予め定められた制御が実施され、 上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻るべく
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加さ
    せるべき時には、上記排気ガス浄化手段に残存している
    還元剤の反応によって上記排気ガス浄化手段が過加熱さ
    れないように上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス
    の流量が調整される、排気ガス浄化方法。
  15. 【請求項15】 上記予め定められた制御が完了して通
    常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通する排気
    ガス流量を増加させるべき時には、排気ガスが上記排気
    ガス浄化手段を流通する方向を上記予め定められた制御
    中とは反転して上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
    スの流量が調整される、請求項14に記載の排気ガス浄
    化方法。
  16. 【請求項16】 上記予め定められた制御が完了して通
    常状態に戻るべく上記排気ガス浄化手段を流通する排気
    ガス流量を増加させるべき時には、上記排気ガス浄化手
    段に残存している還元剤の量が推定され、該推定残存還
    元剤量に基づいて上記排気ガス浄化手段を流通する排気
    ガスの流量が調整される、請求項14または15に記載
    の排気ガス浄化方法。
  17. 【請求項17】 排気ガス通路に配置された排気ガス浄
    化手段と、 該排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を調整で
    きる排気ガス流量調整手段と、 上記排気ガス浄化手段の上流側において還元剤を添加す
    る還元剤添加手段とを備え、 必要に応じて、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガ
    ス流量を低下させて上記排気ガス浄化手段の上流側にお
    いて還元剤を添加する予め定められた制御が実施される
    排気ガス浄化装置であって、 上記予め定められた制御が完了して通常状態に戻るべく
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量を増加さ
    せるべき時には、上記排気ガス浄化手段に残存している
    還元剤が一気に上記排気ガス浄化手段から排出されない
    ように上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量
    が調整される、排気ガス浄化装置。
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WO2005056998A1 (ja) * 2003-12-11 2005-06-23 Ngk Insulators, Ltd. 内燃機関システム
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