JP2003246879A - 反応装置 - Google Patents

反応装置

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JP2003246879A
JP2003246879A JP2002049511A JP2002049511A JP2003246879A JP 2003246879 A JP2003246879 A JP 2003246879A JP 2002049511 A JP2002049511 A JP 2002049511A JP 2002049511 A JP2002049511 A JP 2002049511A JP 2003246879 A JP2003246879 A JP 2003246879A
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shell portion
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JP2002049511A
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Tetsutaro Doi
鉄太郎 土井
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Nikkiso Co Ltd
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Nikkiso Co Ltd
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックの化学リサイクルプ
ロセスに利用することができ、反応時間を正確に制御す
ることのでき、目的物質を高収率で得ることのできる反
応装置を提供すること。 【解決手段】 被処理物を定量的に処理して、反
応生成物を精製することのできる反応部と、該反応部と
一体に形成され、前記反応部から定量的に供給された前
記反応生成物の熱交換を行う熱交換部とを有して成るこ
とを特徴とする反応装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反応装置に関
し、さらに詳しくは、被処理物の滞留時間を正確に制御
することにより、目的物質を高収率で製造することので
きる反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック廃棄物は、現在ほとんどが
埋め立て又は焼却によって処理されている。
【0003】しかしながら、埋め立て処分は、埋め立て
地の不足により、数年後には実施が不可能になる。焼却
処分は、地球温暖化の原因となるCOが多量に発生す
ることから、環境保護上好ましい処分方法ではない。
【0004】このため現在、環境保護面から、プラスチ
ックを化学的に処理することによって原料モノマーを回
収する化学プロセス、つまりプラスチックの化学リサイ
クルプロセスが注目され、その研究開発が重要な課題と
なっている。
【0005】プラスチックの化学リサイクルプロセスの
中で最近特に注目を集めているのが超臨界水反応を利用
したプロセスであり、このプロセスにおいて実施される
PET、ポリエチレン及びポリプロピレンの超臨界水に
よる分解反応の研究が盛んに行われている。
【0006】具体的にはポリカーボネートを超臨界水又
は亜臨界水中で分解し、原料ポリマーであるビスフェノ
ールAを回収するプロセスの研究が行われており、例え
ば「Polymer Degradation and Stability 64(1999)289-
292」に掲載された論文等に詳細されている。
【0007】前記論文においては、ポリカーボネート
は、超臨界水又は亜臨界水中で分解してビスフェノール
Aになるが、分解反応時間を長くすると、さらに反応が
進行し、ビスフェノールAがイソプロペニルフェノール
等に変化してしまい、目的物質であるビスフェノールA
の収率が急激に低下する問題点が指摘されている。
【0008】従来の化学リサイクルプロセスにおいて
は、粉砕したプラスチック廃棄物に水を加えて水スラリ
ーを調製し、これを高圧ポンプで輸送し、予備器で適当
な温度に調整した後、反応温度に保持した反応器に供給
する。反応器の中では、供給された水が超臨界水又は亜
臨界水になり、その超臨界水又は亜臨界水にプラスチッ
ク廃棄物が溶解し、さらに分解されて、原料モノマーに
なる。反応生成物は、配管によって反応器から熱交換器
に輸送され、熱交換器で冷却されることにより、分解反
応が停止する。そして冷却された反応生成物から目的物
質である原料モノマーが回収される。
【0009】この従来のプロセスにおいては、プラスチ
ック廃棄物は反応器で反応し始め、熱交換器で冷却され
るまで反応し続けることになる。このプロセスにおいて
は、反応生成物は、反応器から配管等複雑な経路を通っ
て熱交換器に送られる。したがって前記反応は、反応器
だけでなく、配管等の内部でも進行する。このため従来
の前記プロセスでは、プラスチック廃棄物の反応時間を
正確に制御することは困難であった。すなわち反応器で
必要充分な反応を進行させると、配管等において進行す
る反応の分だけ、反応時間が長くなり過ぎることにな
る。また配管等における温度状態を把握することは困難
であり、配管等において進行する反応の程度を正確に予
測することはできないので、配管等における反応の進行
を考慮して、反応器における反応時間を短くしようとし
ても、その適正な調整は困難である。配管の長さを短く
しても、その効果には限界があり、反応時間を正確に制
御することはできない。
【0010】このため従来のプラスチックの化学リサイ
クルプロセスには、プラスチック廃棄物の分解により生
成する目的物質を効率的に得ることが困難であるという
問題があった。例えばポリカーボネートの化学リサイク
ルプロセスの場合には、従来のプロセスでは、反応時間
が長くなり過ぎることにより、前述のように一旦生成し
たビスフェノールAが分解され、ビスフェノールAの収
率が低下したり、また反応時間が短くなり過ぎることに
より、ビスフェノールAの生成量が低下したりするとい
う問題を避けることはできない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来のプ
ラスチックの化学リサイクルプロセスにおける反応装置
が有する前記欠点を解消することを目的とする。すなわ
ちこの発明は、プラスチックの化学リサイクルプロセス
に利用することができ、反応時間を正確に制御すること
のでき、目的物質を高収率で得ることのできる反応装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明は、被処理物を定量的に処理して、反応生成
物を精製することのできる反応部と、該反応部と一体に
形成され、前記反応部から定量的に供給された前記反応
生成物の熱交換を行う熱交換部とを有して成ることを特
徴とする反応装置であり、前記反応装置の好適な態様と
して、前記反応部は、被処理物及び反応生成物を収容す
ることのできる管状の第一外殻部を有して成り、前記熱
交換部は、前記反応部から供給された前記反応生成物を
収容することのできる、前記第一外殻部と共に一つの管
状体を形成する第二外殻部を有して成り、前記第一外殻
部は、前記第二外殻部と接続する端部とは反対側の端部
に被処理物導入部を備え、前記第二外郭部は、前記第一
外殻部と接続する端部とは反対側の端部に反応生成物排
出部を備え、前記反応部は、前記被処理物中の溶媒を超
臨界状態又は亜臨界状態にし、その超臨界状態又は亜臨
界状態になった溶媒により前記被処理物中の被処理対象
物から目的物質を生成させることのでき、前記第一外殻
部及び前記第二外郭部内の内容物を攪拌することのでき
る攪拌機を有して成り、前記反応装置は、プラスチック
の化学リサイクルプロセス用である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に、この発明に係る反応装置
の一具体例である反応装置1の概略縦断面図を示す。反
応装置1は、プラスチックの化学リサイクルプロセスに
おいて、廃プラスチックを分解し、目的物質を生成する
装置である。反応装置1は、反応部2と熱交換部3と攪
拌機4とを有して成る。
【0014】反応部2は、廃プラスチック及び水などの
溶媒から成る被処理物であるスラリーが連続的に供給さ
れ、前記溶媒を加熱して超臨界状態又は亜臨界状態にし
て、その超臨界状態又は亜臨界状態になった溶媒に被処
理対象物である廃プラスチックを溶解させ、さらにこれ
を分解して、目的物質を生成させる部分である。反応部
2は、外殻部5及びヒーター6を有して成る。
【0015】外殻部5は、前記スラリー、及び前記の分
解反応により生成した反応液、並びに攪拌機4を収容す
る空間を形成する部材である。外殻部5は、管状部7及
び蓋部8を有して成る。
【0016】管状部7は、前記スラリーを収容し、また
ヒーター6から熱を受け、その熱を内部の前記スラリー
に供給する部材である。管状部7の内径は、その内部に
所定量の前記スラリーを収容することができ、ヒーター
6の熱を前記スラリーに効果的に伝達することができる
ように決定される。管状部7の長さは、その内部に収容
された前記スラリーが管状部7の端部11から端部12
に向かって移動したときに、必要十分な反応時間を確保
することのできるように決定される。
【0017】蓋部8は、管状部7の端部11側開口に設
けられ、外側に向かって球面状に膨らんだ形状を有する
蓋体である。蓋部8は、外殻部5内の空間に前記スラリ
ーを供給する試料導入孔9を有する。また蓋部8は、外
殻部5内に挿入される攪拌機4を支持する攪拌機支持部
10を有する。
【0018】外殻部5の肉厚は、内部圧力に耐えること
のできる外殻部5の強度を確保することができ、ヒータ
ー6の熱を外殻部5内のプラスチック及び溶媒に効果的
に伝達することができるように決定される。
【0019】外殻部5の材料は、内部圧力に耐えること
のできる外殻部5の強度を確保することができ、ヒータ
ー6の熱を外殻部5内のプラスチック及び溶媒に効果的
に伝達することができれば特に制限はなく、通常金属が
使用される。
【0020】ヒーター6は、外殻部5の管状部7の外周
面に、管状部7を取り囲むように設けられている。ヒー
ター6は、管状部7を介して、外殻部5内の前記スラリ
ーに熱を供給し、前記溶媒を超臨界状態又は亜臨界状態
にし、さらに超臨界状態又は亜臨界状態になった溶媒に
前記廃プラスチックを溶解させ、その廃プラスチックを
分解させ、目的物質を生成させる。ヒーター6は、前記
機能を発揮することができれば特に制限はなく、公知の
ヒーターを使用することができる。
【0021】熱交換部3は、反応部2の端部12側開口
に設けられている。熱交換部3は、反応部2で生成され
た反応生成物である反応液を冷却して、反応を停止さ
せ、また反応液からの目的物質の回収を可能にする部分
である。熱交換部3は、外殻部13、冷却部14及び仕
切り板15を有して成る。
【0022】仕切り板15は、反応部2の端部12側開
口に装着され、外殻部5と外殻部13とで挟まれてい
る。仕切り板15は、反応部2で発生した熱が熱交換部
3の外殻部13内に伝導することを阻止する部材であ
る。仕切り板15は、環状の板体である。仕切り板15
の有する円孔18は、攪拌機4を挿入することができ、
さらに仕切り板15と攪拌機4との間を、反応部2で生
成された反応液が円滑に流通することができる程度の大
きさを有する。仕切り板15の厚みは、仕切り板15の
前記機能が好適に発揮され、さらに反応液等から受ける
圧力に耐えることができるような大きさに決定される。
仕切り板15の材料は、前記と同様の条件が満たされ、
さらに反応液等に対して耐性があれば特に制限はなく、
例えば金属又は合成樹脂が使用される。
【0023】外殻部13は、反応部2で生成された反応
液並びに攪拌機4を収容する空間を形成する部材であ
る。外殻部13は、管状部16及び蓋部17を有して成
る。
【0024】管状部16は、管状部7と同径の部材であ
り、反応部2の端部12側開口に、仕切り板15を介し
て設けられている。したがって管状部16は、管状部7
と一つの管状体を形成するように設けられている。
【0025】管状部16は、反応部2で生成された反応
液を収容し、またその反応液の熱を冷却部14に伝達さ
せる部材である。管状部16の長さは、その内部に収容
された反応液が管状部16の端部19から端部20に向
かって移動したときに、反応液における反応が実質的に
停止する温度まで反応液の温度を低下させるのに必要十
分な冷却時間を確保することができるように決定され
る。
【0026】蓋部17は、管状部16の端部20側開口
に設けられ、外側に向かって球面状に膨らんだ形状を有
する蓋体である。蓋部17は、外殻部13内の反応液を
外殻部13外に流出させる反応液流出孔21を有する。
また蓋部17は、外殻部5及び外殻部13内に収容され
る攪拌機4を挿入する攪拌機挿入孔22を有する。
【0027】外殻部13の肉厚及び材料については、外
殻部5の肉厚及び材料とそれぞれ同様である。
【0028】冷却部14は、外殻部13の管状部16の
外周面に、管状部16を取り囲むように設けられてい
る。冷却部14は、冷却水等の冷却剤を収容する空間を
管状部16の外周面上に形成する部材である。冷却部1
4は、冷却剤を前記空間に導入する冷却剤入口23と、
冷却剤を前記空間から排出する冷却剤出口30とを有す
る。冷却部14は、前記空間に冷却剤を供給することに
より、管状部16を介して、外殻部13内の反応液を冷
却し、反応液における反応を停止させ、さらに反応液か
らの目的物質の回収を容易にする。
【0029】以上述べたように、反応部2と熱交換部3
とは、一体に形成されている。ここで「一体に」とは、
反応部2と熱交換部3とが同一材料により一体に成形さ
れていることを意味するのではなく、配管等の輸送手段
を介することなく反応部2内の物質が熱交換部3内に直
接移動することができるように、反応部2と熱交換部3
とが連結されていることを意味する。
【0030】攪拌機4は、反応部2の外殻部5内の前記
スラリー及び反応液並びに熱交換部3の外殻部13内の
反応液を攪拌する装置である。攪拌機4は、攪拌部2
4、回転軸25及びモータ26を有して成る。回転軸2
5はモータ26に結合し、回転軸25の延在方向中央部
に攪拌部24が設けられている。攪拌機4は、回転軸2
5の、モータ26と攪拌部24とに挟まれた部分が、外
殻部13の攪拌機挿入孔22に挿入され、回転軸25の
先端部が外殻部5の攪拌機支持部10に挿入され、攪拌
部24が外殻部5及び外殻部13の内部に収容された状
態で、反応部2及び熱交換部3に装着されている。
【0031】図2に、図1のA−A線における反応装置
1における外殻部5及び攪拌器4の端面の状態を示す。
攪拌部24は、ロータ27、複数個のピン28及び複数
個のブレード29を有して成る。ロータ27は、回転軸
25に設けられた、回転軸25より太い円柱体であり、
回転軸25と同一の軸線を有する。ピン28は、ブレー
ド29を支持する部材であって、ロータ27の外周面上
に立設されている。ピン28は、図1及び図2に示すよ
うに、ロータ27の軸線方向から見て、その軸線に対し
て90°ごとに四列設けられている。ブレード29は、
攪拌部24が回転したときに、前記スラリー及び反応液
を攪拌する板状体である。ロータ27の軸線方向に並ぶ
2本のピン28ごとに1枚のブレード28が取り付けら
れている。図2に示すようにブレード28は、ロータ2
7の軸線方向から見たときに、各ピン28に対して同一
方向に延在するように設けられている。ブレード28
は、一定の制限内でラジアル方向に動くことがきるよう
にピン28に取り付けられている。図2に示すようにブ
レード28は、その先端部が外殻部5及び外殻部13の
内周面に接するか、又はその近傍に位置するように設け
られている。
【0032】ロータ27は、図2において矢印Bの方向
に回転する。したがってロータ27が回転したとき、ブ
レード28は、外殻部5及び外殻部13の内周面に沿っ
て、スラリー又は反応液を掻き取るように攪拌する。こ
の掻き取りにより、総括伝熱係数のうち最も支配的な伝
熱面(外殻部5及び外殻部13の内周面)の境膜伝熱熱
係数が大きくなり、その結果大きな総括伝熱係数が得ら
れる。この掻き取りによる熱伝達は、定常的な境膜温度
勾配を改善するのではなく、1つのブレード28の掻き
取りから次のブレード28の掻き取りまでに伝熱面から
接触伝導により、受け取った熱を物質と一緒に物質全体
に混同することによって行われる。
【0033】図3に、外殻部5又は外殻部13内におけ
るスラリー又は反応液の流動状況を示す。図3で太矢印
は、スラリー又は反応液の流動方向を示す。図3に示す
ように、ブレード28前後の流れは、相対的にロータ2
7外周面と外殻部5又は外殻部13の内周面とで逆向き
であり、ブレード28の取り付け部の狭隙を高速で噴流
して後方静止流と衝突し、さらにブレード28の背面に
逆流する。このことにより外殻部5及び外殻部13内で
は、回転軸25に直角な断面内でも大きな攪拌作用が生
ずる。このような理由により、攪拌機4は強力な攪拌力
を有する。
【0034】ブレード28の個数、大きさ及びピン28
に対する角度は、攪拌部24が回転したときに、ブレー
ド28によって前記スラリー及び反応液を効果的に攪拌
することができるように適宜決定される。ロータ7の直
径及び長さは、攪拌部24が回転したときに、ブレード
28による前記スラリー及び反応液の攪拌が効果的に行
うことができるように適宜決定される。
【0035】反応装置1は、前記構成を有することによ
り、以下のように作用する。攪拌機4のモータ26を駆
動させ、攪拌部24を回転させる。
【0036】廃プラスチック及び水などの溶媒から成る
スラリーが、試料導入孔9から反応部2の外殻部5内に
連続的に供給される。外殻部5内に供給された前記スラ
リーは、外殻部5と攪拌機4との間の空隙部を、ブレー
ド28により攪拌されながら、熱交換部3方向に移動す
る。ヒーター6により、外殻部5内を移動する前記スラ
リーを加熱する。外殻部5内を移動する前記スラリー中
の溶媒は、超臨界状態又は亜臨界状態になり、その超臨
界状態又は亜臨界状態になった溶媒に前記廃プラスチッ
クが溶解する。その溶解した廃プラスチックは、その一
部又は全部が分解する。このようにして前記スラリー
は、反応部2で反応液に変換される。この反応液は、超
臨界状態又は亜臨界状態になった溶媒と、未分解の廃プ
ラスチックと、前記分解反応により生成された目的物質
及び副生成物を含有する。
【0037】この工程中、前記スラリー及び反応液は攪
拌機4により攪拌されるので、ヒーター6から供給され
た熱は、前記スラリー及び反応液に均一にかつ迅速に伝
達される。このために反応部2における前記反応は、効
率的に進行する。
【0038】反応部2で生成された反応液は、熱交換部
3の外殻部13内に送られる。外殻部13内に送られた
反応液は、外殻部13と攪拌機4との間の空隙部を、ブ
レード28により攪拌されながら、管状部16の端部1
9側から蓋部17側に移動する。冷却部14に冷却剤を
供給して、外殻部13内を移動する前記反応液を冷却す
る。反応液が冷却されて所定の温度以下になると、反応
液における前記反応は停止する。冷却された前記反応液
は、反応液流出孔21から反応装置1外に排出される。
【0039】反応部2と熱交換部3との間には仕切り板
15が設けられているので、反応部2で発生した熱が、
熱交換部3側に伝導することを効果的に防止することが
できる。また仕切り板15は、反応液の円滑な流通を確
保することのできる大きさの円孔18を有するので、仕
切り板15を通過する反応液の移動を阻害することがな
い。
【0040】熱交換部3における前記工程中、前記反応
液は攪拌機4により攪拌されるので、冷却部14による
冷却は、前記反応液に対して均一にかつ迅速に行われ
る。このために反応部2から熱交換部3に移動した反応
液は、その温度が速やかに低下し、前記反応が停止する
温度以下になる。したがって反応部2内に収容されてい
た反応液が熱交換部3に移行すると、短時間のうちに前
記反応が停止する。
【0041】試料導入孔9から反応部2の外殻部5内に
一定の供給速度で供給されたスラリーは、前述のように
外殻部5内で反応液になるが、このスラリー又は反応液
は、外殻部13と攪拌機4との間の空隙部の容積を前記
供給速度で除して得られる時間(以下「反応部滞留時
間」という)だけ反応部2に存在することになる。反応
部2から排出された反応液は、前述のように熱交換部3
で直ちに冷却され、その反応が停止する。したがってス
ラリー中のプラスチックは、実質的に前記反応部滞留時
間だけ反応を受ける。すなわち前記反応部滞留時間が実
質的な反応時間となる。外殻部13と攪拌機4との間の
空隙部の容積は既知であり、前記供給速度を定速に維持
することは技術的に容易であるので、前記反応部滞留時
間を所定値に定めることは可能である。したがって反応
装置1においては、スラリー中のプラスチックの反応時
間を正確に制御することができる。
【0042】このことにより反応装置1においては、プ
ラスチックの反応時間を最適値に維持し、反応により生
成された目的物質を高収率で得ることができる。つまり
反応装置1においては、プラスチックの反応時間が短す
ぎることにより目的物質の生成量が少なくなったり、プ
ラスチックの反応時間が長すぎることにより目的物質が
分解され、その収率が低くなったりすることを防止する
ことができる。
【0043】反応装置1のこのような効果は、反応部2
と熱交換部3とが前述のように一体に設けられることに
より得られるが、特に反応装置1においては、前記の構
造を有する攪拌機4を有していることから、前記効果が
好適に得られる。すなわち前記反応部と熱交換部とが単
に一体に設けられただけでは、前記反応部及び熱交換部
が有する外殻部の径が大きい場合には、熱交換部におけ
る反応液の攪拌が迅速に行われず、反応の停止が遅れる
場合がある。この場合、前述のように目的物質の分解に
よる収率の低下が起こる。しかし反応装置1のように攪
拌機4を有すると、攪拌機4が前記のような構造を有す
ることから前述のようにその攪拌効率が良いので、前記
外殻部の径が大きい場合であっても前記効果を好適に得
ることができる。
【0044】図4は、この発明に係る反応装置の他の具
体例である反応装置31の概略縦断面図である。反応装
置31は、反応部2と熱交換部3と攪拌機34とを有し
て成る。つまり反応装置31は、反応部及び熱交換部は
反応装置1と共通であり、攪拌機のみが反応装置1と相
違する。攪拌機34は、攪拌部44、回転軸45及びモ
ータ46を有して成る。
【0045】反応装置31の特徴は、攪拌部44のロー
タ47が、加熱ロータ部47Aと冷却ロータ部47Bと
に分割して回転軸45に設けられている点にある。加熱
ロータ部47Aは、反応部2の外殻部5内に設けられ、
冷却ロータ部47Bは、熱交換部3の外殻部13内に設
けられており、両者の間には一定の間隔が設けられてい
る。
【0046】反応装置1においては、ロータ27が一体
に形成されているので、反応部2でロータ27に加えら
れた熱が、そのままロータ27を伝わって、熱交換部3
側に伝達される。したがって反応装置1においては、反
応部2から熱交換部3への熱の伝導が大きいので、熱交
換部3における反応生成物の冷却効率が低下することが
考えられる。これに対し反応装置31では、前記のよう
に加熱ロータ部47Aと熱交換ロータ部47Bとが分断
して設けられていることにより、反応部2で加熱ロータ
部47Aに加えられた熱は、ロータ47より径の小さい
回転軸45を通って、冷却ロータ部47Bに伝達され
る。したがって反応装置31においては、加熱ロータ部
47Aに加えられた熱の熱伝導断面積が小さいので、加
熱ロータ部47Aから熱交換ロータ部47Bへの熱伝導
が抑制され、反応部2から熱交換部3への熱の伝導が反
応装置1よりも小さい。その結果、反応装置31では、
熱交換部3における反応生成物の冷却効率を反応装置1
の場合よりも良好にすることができる。
【0047】この発明に係る反応装置は、前記反応装置
に制限されることはない。例えば、反応部及び熱交換部
の外殻部は、円筒状である必要はなく、角柱状体等であ
ってもよい。攪拌機は、前記外殻部内を均一に攪拌する
ことができれば攪拌機4以外の構造であってもよい。仕
切り板は、反応部と熱交換部との熱伝導を考慮する必要
のない場合には特に設けなくてもよい。被処理物として
は、複数種類を同時に処理することもでき、これらを複
数の被処理物導入部からそれぞれ供給するようにするこ
ともできる。
【0048】この発明に係る反応装置は、広範囲の分野
のプロセスに使用することができるが、特にプラスチッ
クの化学リサイクルプロセスに好適に利用することがで
きる。
【0049】
【発明の効果】この発明に係る反応装置は、反応部と熱
交換部とが一体に設けられており、反応部内で生成され
た反応生成物を熱交換部で速やかに冷却することができ
るので、反応時間を正確に制御することのできる。その
結果この発明に係る反応装置を使用すれば、目的物質を
高収率で得ることができる。
【0050】この発明に係る反応装置は、プラスチック
の化学リサイクルプロセスに好適に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る反応装置の一具体例で
ある反応装置1の概略縦断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線における反応装置1の
端面図である。
【図3】図3は、外殻部5又は外殻部13内におけるス
ラリー又は反応液の流動状況を示す説明図である。
【図4】図4は、この発明に係る反応装置の具体例であ
る反応装置31の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1・・反応装置、2・・反応部、3・・熱交換部、4・
・攪拌機、5・・外殻部、6・・ヒーター、7・・管状
部、8・・蓋部、9・・試料導入孔、10・・攪拌機支
持部、11・・端部、12・・端部、13・・外殻部、
14・・冷却部、15・・仕切り板、16・・管状部、
17・・蓋部、18・・円孔、19・・端部、20・・
端部、21・・反応液流出孔、22・・攪拌機挿入孔、
23・・冷却剤入口、24・・攪拌部、25・・回転
軸、26・・モータ、27・・ロータ、28・・ピン、
29・・ブレード、30・・冷却剤出口、31・・反応
装置、34・・攪拌機、44・・攪拌部、45・・回転
軸、46・・モータ、47・・ロータ、47A・・加熱
ロータ部、47B・・冷却ロータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F301 AA26 CA09 CA23 CA53 CA63 CA72 CA73 4G075 AA32 AA37 AA45 AA62 AA63 BA05 BB03 BD16 CA02 CA51 CA65 CA66 EA02 EA06 EB27 EC11 ED09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を定量的に処理して、反応生成
    物を精製することのできる反応部と、該反応部と一体に
    形成され、前記反応部から定量的に供給された前記反応
    生成物の熱交換を行う熱交換部とを有して成ることを特
    徴とする反応装置。
  2. 【請求項2】 前記反応部は、被処理物及び反応生成物
    を収容することのできる管状の第一外殻部を有して成
    り、前記熱交換部は、前記反応部から供給された前記反
    応生成物を収容することのできる、前記第一外殻部と共
    に一つの管状体を形成する第二外殻部を有して成る請求
    項1に記載の反応装置。
  3. 【請求項3】 前記第一外殻部は、前記第二外殻部と接
    続する端部とは反対側の端部に被処理物導入部を備え、
    前記第二外郭部は、前記第一外殻部と接続する端部とは
    反対側の端部に反応生成物排出部を備えた請求項2に記
    載の反応装置。
  4. 【請求項4】 前記反応部は、前記被処理物中の溶媒を
    超臨界状態又は亜臨界状態にし、その超臨界状態又は亜
    臨界状態になった溶媒により前記被処理物中の被処理対
    象物から目的物質を生成させることのできる請求項1〜
    3にいずれか1項に記載の反応装置。
  5. 【請求項5】 前記第一外殻部及び前記第二外郭部内の
    内容物を攪拌することのできる攪拌機を有して成る請求
    項1〜4にいずれか1項に記載の反応装置。
  6. 【請求項6】 プラスチックの化学リサイクルプロセス
    用である請求項1〜5にいずれか1項に記載の反応装
    置。
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